JP2015032028A - 運転支援装置及び運転支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化を図ることのできる運転支援装置及び運転支援方法を提供する。【解決手段】支援部150は、規定された抑制条件に基づき運転支援の要否を判定する抑制判定部156と、抑制判定部156の運転支援「否」との判定結果に応じて運転支援の発動を抑制する支援抑制部156とを備える。抑制判定部156は、支援対象となる車両の状態を変化させる特定の車両操作、及び支援対象となる車両の状態の変化を促す走行環境、及び車両の周辺に存在する移動体の少なくとも1つの要素に基づき、抑制条件の成否を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の運転を支援する運転支援装置及び運転支援方法に関する。
一般に、車両の運転を支援する運転支援装置は、交差点や一時停止位置、カーブ、前方車両の接近等といった車両の減速制御が必要となる交通情報を車載カメラやナビゲーションシステムにより取得している。そして、この取得された車両周辺の交通情報に基づき、音声による減速案内や半強制的な制動力の付与を通じた減速支援等の運転支援が行われる。
そして従来、実際の運転支援装置の一例としては、例えば特許文献1に見られるように、支援対象とする車両の周辺に存在する物体との衝突を回避する支援を行う装置が知られている。この運転支援装置は、車両の進行方向前方に存在する物体を検出すると、この物体と車両との衝突までの時間TTC(time to collision)を、物体と車両との距離及び相対速度に基づき算出する。そして、この時間TTCの変化量に基づいて車両と物体との衝突可能性が判定される。衝突可能性が高いと判定されると、衝突の回避や衝突に伴う衝撃の緩和を図るべく、ブレーキ制御装置、サスペンション制御アクチュエータ、シートベルトアクチュエータ、ブザー、及びディスプレイが制御される。これにより、車両と物体との衝突可能性が高いときには、車両を減速させるための制動力の付与やドライバへの報知等が行われる。
特開2008−308024号公報
ところで、一旦、運転支援が必要と判定された状況であっても、その後の車両や周辺環境によっては、運転支援が不要になることもある。逆に、一旦、運転支援が不要と判定された状況であっても、その後の車両や周辺環境によっては、運転支援が必要になることもある。いずれにせよ、こうした運転支援の要否の判定が、その後の車両の状態や周辺環境に即していない場合には、車両のドライバに違和感を与えることにもなりかねない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化を図ることのできる運転支援装置及び運転支援方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する運転支援装置は、車両の運転を支援する運転支援装置において、前記車両と運転支援の対象となる対象物との相対的な位置関係を変化させる要因である変化要因に応じて、運転支援の要否を判定する支援判定部と、前記支援判定部の判定結果に応じて運転支援の発動を行う運転支援部と、を備え、前記変化要因が、前記車両もしくは前記対象物の移動方向の転換及び移動速度の変化及び交通要素の少なくとも1つであり、前記支援判定部は、前記変化要因に前記車両の移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間のいずれの区間を前記車両が移動しているかを特定するとともに、該特定した移動区間の中での前記車両の位置から前記変化要因を加味した前記対象物の進路の延長線と前記車両の進路の延長線との交点に至るまでの区間に包含される移動区間の移動に要する移動時間に基づき、前記車両の移動速度の変化後における該車両及び対象物の位置関係を算出する。
上記課題を解決する運転支援方法は、車両の運転を支援する運転支援方法において、運転支援の対象となる車両と対象物との位置関係を変化させる要因である変化要因に応じて、運転支援の要否を判定するステップと、前記運転支援の要否を判定するステップの判定結果に応じて運転支援の発動を行うステップと、を含み、前記変化要因として、前記車両もしくは前記対象物の移動方向の転換及び移動速度の変化及び交通要素の少なくとも1つを選定し、前記支援の要否を判定するステップでは、前記変化要因に前記車両の移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間のいずれの区間を前記車両が移動しているかを特定するとともに、該特定した移動区間の中での前記車両の位置から前記変化要因を加味した前記対象物の進路の延長線と前記車両の進路の延長線との交点に至るまでの区間に包含される移動区間の移動に要する移動時間に基づき、前記車両の移動速度の変化後における該車両及び対象物の位置関係を算出する。
運転支援は、支援の対象となる車両と対象物との位置関係に応じて必要性の高い場合や、必要性が低い場合がある。一方、実際の車両と対象物との位置関係は、様々な要因によって変化する。このため、車両と対象物との位置関係が一時的に、該対象物との間では運転支援が不要と判定し得る関係を示していたとしても、位置関係が変化することにより例えば対象物との接近を回避するための運転支援が後発的に必要になる場合もある。
そこで、上記構成或いは方法によれば、支援の対象となる車両と対象物との位置関係を変化させる要因である変化要因に応じて、運転支援の要否が判定される。そして、変化要因が加味された判定結果に応じて運転支援が発動される。このため、変化要因の存在に起因して車両と対象物との位置関係が動的に変化したとしても、この位置関係に応じた運転支援が行われることで、運転支援のさらなる適正性が促進される。
なお、運転支援の実行主体となる車両の移動方向が変化すると、変化前の車両の移動方向前方に存在していた対象物との距離が次第に離れる、すなわち、該対象物と車両との位置関係が離間する。このため、位置関係を離間させ得る変化要因が存在するときには、運転支援「要」と判定される場合でも、後発的に運転支援「否」と判定されることが可能となる。また、車両の移動方向が変化すると、離間していた別の対象物との位置関係が縮まることもある。この場合には、位置関係が離間する対象物に対する運転支援の必要性が低下する一方、位置関係が縮まる対象物に対する運転支援の必要性が高まる。
また、運転支援の実行主体となる車両の移動速度が変化すると、該車両と対象物との位置関係の推移が異なるものとなる。つまり、車両の移動速度が相対的に早まると、対象物との接近が予測される地点を、対象物よりも早いタイミングで該車両が通過する。逆に、車両の移動速度が相対的に低下すると、対象物との接近が予測される地点を、対象物よりも遅いタイミングで該車両が通過する。このため、通過タイミングが相違することで、対象物と車両との接近が回避される。よって、車両の移動速度の変化に伴い、位置関係が運転支援「否」と判定し得るように変化するときには、運転支援の発動を行わない方が好ましい。また、上記位置関係が運転支援「否」と判定し得る状態にあったとしても、車両の移動速度に伴い、車両と対象物とがそれらの最接近地点を同時期に通過することになると、運転支援を行う必要性が高まる。
同様に、移動を伴う対象物の移動方向や移動速度が変化したときにも、該対象物と車両との位置関係が変化し、運転支援の必要性が後発的に変化する。
そこで、上記構成或いは方法では、車両もしくは対象物の移動方向及び移動速度の少なくとも1つが、上記変化要因として規定される。このため、車両と対象物との位置関係に対する影響度の大きい要素に基づき、運転支援の要否が判定される。
なお、車両の移動速度が変化する際には、定速での走行後、一旦、移動速度が変化した後、再び定速での走行に遷移するといったように、三段階で変化する傾向にある。このため、車両の進路の延長線と対象物の進路の延長線との交点に該車両が至るまでの区間は、等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間の三つの区間によって定義されることが可能である。また、車両と対象物との位置関係の推移は、各移動区間で異なるものとなる。
そこで上記構成或いは方法では、運転支援の実行主体となる車両が移動している区間、及び該区間の中での相対的な位置が特定される。そして、特定された位置から車両及び対象物の各延長線の交点に至るまでの区間に包含される移動区間が特定される。次いで、特定された移動区間に対応する移動時間が算出され、この移動時間に基づき、車両と対象物との位置関係が算出される。これにより、車両の現在地から上記交点に至るまでの車両の移動時間が高精度に算出される。そして、この算出された移動時間、換言すれば、予測された移動時間に基づき運転支援の要否が判定されることで、車両の移動速度が変化する場合においても、運転支援の要否が高い精度で判定される。
好ましい構成として、前記支援判定部は、前記車両もしくは前記対象物の移動方向の転換が前記変化要因に含まれるとき、転換後の車両の進路の延長線と対象物の進路の延長線とが交差するか否かに基づき、運転支援の要否を判定する。
車両もしくは対象物の移動方向が転換すると、転換後の車両と対象物との位置関係が変化する。そして、変化後の進路において、車両及び対象物の各進路の各延長線がそれぞれ交差するときには、車両と対象物とが接近する可能性が高く、運転支援を行う必要性が高い。逆に、各延長線がそれぞれ交差しないときには、車両と対象物とが接近する可能性が低く、運転支援を行う必要性が低い。
よって、上記構成では、車両及び対象物の各進路の各延長線の交差が交差するか否かに基づき、車両もしくは対象物の移動方向が変化する際の運転支援の要否を容易に判定することが可能となる。
好ましい構成として、前記支援判定部は、前記車両の移動方向の転換としての進路変更及び前記交通要素としてのカーブ及び交差点の接近のいずれか1つ、及び前記車両の移動速度の変化が前記変化要因に含まれるとき、前記車両が走行している道路状況の変化後における道路状況に基づき、前記車両の移動速度に変化が生じる地点、及び移動速度の加減速度、及び目標となる速度を予測し、それらの予測結果から前記位置関係を算出して運転支援の要否の判定を行う。
運転支援の実行主体となる車両に進路変更が発生すると、該車両及び対象物の位置関係が変化する。また、カーブや交差点が車両の進行方向前方に存在するときには、該車両の進路が変化する蓋然性が高い。また一方、車両の進路が変更する際には、ドライバの車両操作は、該車両の走行している道路の状況と変化後における車両の道路状況とに応じて変化する傾向にある。このため、各道路状況に基づけば、車両の速度に変化が生じる地点、及び速度の変化度、及び目標となる速度を予測することが可能となる。そして、これらの予測に基づき位置関係が算出されることで、車両の進路変更、カーブ、及び交差点の存在に起因して変化する位置関係が高精度に予測される。
好ましい構成として、前記支援判定部は、前記車両の進行方向前方に横断歩道が存在するとき、該横断歩道に接近する対象物の進路の変更を予測し、該予測した対象物の進路における該対象物と前記車両との位置関係を算出して運転支援の要否の判定を行う。
横断歩道が存在すると、この横断歩道を歩行者が歩行したり、この横断歩道に応じて他車両の移動方向や移動速度が変化したりする蓋然性が高い。そこで、上記構成では、横断歩道が存在するとき、該横断歩道に接近する対象物の進路の変更が予測される。そして、この予測された対象物の進路における該対象物と車両との位置関係が算出されることで、車両及び対象物の位置関係に対する影響度の大きい要素に基づく運転支援の要否の判定が行われる。
好ましい構成として、支援判定部は、前記変化要因の存在を検知したとき、該変化要因に起因して変化する車両と対象物との相対的な位置関係に基づき、運転支援の対象とすべき対象物を更新する。
変化要因が発生したときには、該変化要因の発生前には或る対象物と車両の接近が予測されていた場合でも、変化要因の存在に起因して車両と対象物との位置関係が変化することで、該対象物と車両の接近が自ずと回避されることも多い。一方、このように位置関係が変化すると、車両に接近する蓋然性が高い対象物も異なるものへと変化することも多い。
そこで、上記構成によれば、変化要因の存在が検知されると、該変化要因に起因して変化する車両と対象物との位置関係に基づき、運転支援の発動の対象となる対象物が更新される。よって、運転支援を行う必要性が低下した対象物が捕捉の対象から除外され、運転支援を行う必要性が増大した対象物が捕捉の対象とされる。よって、捕捉される対象物が変化要因に応じて動的に変化し、運転支援の対象が的確な対象へと随時変更される。
好ましい構成として、前記対象物が移動体であり、前記運転支援が支援対象とする車両と前記対象物としての移動体との衝突を回避する援衝突回避支援であって、前記支援判定部は、前記移動体と前記車両とが交差する交差地点に前記車両が到達する第1の時間と、前記交差地点に前記移動体が到達する第2の時間とに基づき前記相対的な位置関係を算出する。
或る時点において車両の進行方向前方に移動体が存在していなくても、所定期間経過後に車両が到達する位置周辺に同じタイミングで移動体が到達するときには、車両と移動体とが異常に接近することとなる。一方、車両と移動体とが異常接近する地点、換言すれば、車両と移動体とが交差する地点に車両及び移動体が到達する時間を事前に認知できれば、車両と移動体とが異常に接近する前段階で、車両と移動体との異常な接近が抑止されることが可能である。
そして、上記構成では、車両と移動体との交差地点に車両が到達する第1の時間と、交差地点に移動体が到達する第2の時間との相対関係に基づいて、車両と移動体との異常な接近を抑止するための運転支援が行われる。これにより、急ブレーキや急制動等を要求せずとも、緩やかな減速で車両と移動体との異常な接近が抑止され、円滑な運転支援が行われることとなる。
一方、車両と移動体とが交差地点にて同時に到着することが予定されていたとしても、第1の時間や第2の時間が変化したり、交差地点での交差が自ずと回避されたりするような状況下では、衝突回避支援は不要となる。特に、衝突回避支援に用いられる第1の時間及び第2の時間は、様々な要素によって変化し得るものである。
この点、上記構成によれば、第1の時間と第2の時間との相対関係に基づき衝突回避支援の発動条件が成立する状況であっても、抑制条件が成立するときには衝突回避支援の発動が抑制される。これにより、衝突回避支援の必要性が低下した状況下でその発動が抑制されることとなり、衝突回避支援の実行精度もより実際の走行環境に応じたものとなる。
好ましい構成として、前記支援判定部は、前記変化要因に前記車両の移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動時間、移動速度の変化中における移動時間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動時間の少なくとも1つに基づき、前記車両の移動速度の変化後における該車両及び対象物の位置関係を算出し、該算出した位置関係に応じて移動速度の変化後における運転支援の要否を判定する。
車両の移動速度が変化する際には、定速での走行後、一旦移動速度が変化した後、再び定速での走行に遷移する三段階で変化する傾向にある。そして、各段階での移動時間に応じて、車両と対象物との位置関係は変化する。
そこで、上記構成では、車両の移動速度の変化が予測もしくは検知されると、三段階で変化する車両の移動時間に基づき、車両と対象物との位置関係が算出される。そして、この算出された位置関係に応じて、車両の移動速度の変化後における運転支援の要否が判定される。このため、車両の移動速度が、定速、速度変化、及び定速といった各段階を踏んで変化したとしても、この変化態様に応じた運転支援の要否が判定される。
本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の第1の実施の形態について、運転支援装置及び運転支援方法が適用される車両の概略構成を示すブロック図。 交差点において交差する車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 第1時間及び第2時間の相対関係を示すマップ。 第1時間及び第2時間の相対関係を示すマップ。 変化要因としての横断歩道及び交差点、並びに支援対象とされる歩行者の一例を示す図。 変化要因としての横断歩道及び交差点、並びに支援対象とされる歩行者の一例を示す図。 (a)は、運転支援「要」と判定される場合において、変化要因としてのT字路及び歩行者の一例を示す図。(b)は、運転支援「否」と判定される場合において、変化要因としてのT字路及び歩行者の一例を示す図。 (a)は、運転支援「要」と判定される場合において、変化要因としてのT字路及び横断歩道及び歩行者の一例を示す図。(b)は、運転支援「否」と判定される場合において、変化要因としてのT字路及び歩行者の一例を示す図。 車両の旋回時における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの算出態様、及び車両の移動区間の一例を示す図。 車両の旋回時における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの算出態様、及び車両の移動区間の一例を示す図。 移動区間毎の車両の速度の変化推移の一例を示すグラフ。 速度の変化前の移動区間に車両が存在する場合において、第1の時間TTCの算出態様の一例を示すグラフ。 速度の変化中の移動区間に車両が存在する場合において、第1の時間TTCの算出態様の一例を示すグラフ。 速度の変化後の移動区間に車両が存在する場合において、第1の時間TTCの算出態様の一例を示すグラフ。 本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法による運転支援手順の一例を示すフローチャート。 運転支援処理の一例を示すフローチャート。 本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の第2の実施の形態について、運転支援装置及び運転支援方法が適用される車両の概略構成を示すブロック図。 運転支援処理の一例を示すフローチャート。 運転支援装置及び運転支援方法による発動抑制判定処理の一例を示すフローチャート。 ウィンカースイッチの操作に伴い抑制条件が成立するときの車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 ハザードスイッチの操作に伴い抑制条件が成立するときの車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 信号機の赤現示に伴い抑制条件が成立するときの車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 矢印現示の点灯に伴い抑制条件が成立するときの車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 道路と歩道とを区画する柵の存在に伴い抑制条件が成立するときの車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 歩行者用信号機の赤現示に伴い抑制条件が成立するときの車両と歩行者との相対関係を示す模式図。 本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の第3の実施の形態について、運転支援装置及び運転支援方法が適用される車両の概略構成を示すブロック図。 過去の第1の時間及び第2の時間の軌跡に基づく将来の第1の時間及び第2の時間の予測態様を示す図。 過去の第1の時間及び第2の時間の軌跡に基づく将来の第1の時間及び第2の時間の予測態様を示す図。 第1の時間及び第2の時間の統計分布を示す図。 第1の時間及び第2の時間の統計分布に基づく将来の第1の時間及び第2の時間の予測態様を示す図。 第1の時間及び第2の時間の統計分布に基づく将来の第1の時間及び第2の時間の予測態様を示す図。 本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法による発動抑制判定処理の一例を示すフローチャート。 本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の他の実施の形態について、第1の時間及び第2の時間の統計分布を示す図。 本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の他の実施の形態について、第1の時間及び第2の時間の推移が支援領域に継続して属するときの確率密度を示す図。 本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の他の実施の形態について、第1の時間及び第2の時間の推移が支援領域を跨いで非支援領域に属するときの確率密度を示す図。 本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の他の実施の形態について、運転支援処理の一例を示すフローチャート。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法を具体化した第1の実施の形態について図1〜図16を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法が適用される車両は、支援対象とされる車両の周辺に存在する人物や車両等の移動体の情報を取得する移動体情報取得部100を有している。また、車両は、当該車両の周辺状況に関する情報を取得する周辺状況取得部110を有している。さらに、車両は、当該車両の現在地を取得する現在位置取得部120、及びドライバによる車両操作を示す情報を取得する車両操作情報取得部130を有している。
移動体情報取得部100は、車両に搭載されて該車両の周辺環境を撮像する車載カメラ101、自車両の周辺に存在する物体を検知するミリ波レーダ102、無線通信機能を有する通信機103を備えている。
車載カメラ101は、ルームミラーの裏側に設置された光学式のCCDカメラなどにより車両前方の所定範囲を撮像する。車載カメラ101は、撮像した撮像画像に基づく画像信号を、移動体の位置を算出する移動体位置算出部140に出力する。
ミリ波レーダ102は、例えば、自車両の周辺に存在する物体と該車両との距離を測定する距離測定機能や、物体と自車両との相対速度を測定する速度測定機能を有している。ミリ波レーダ102は、自車両の周辺に存在する物体を検出すると、検出結果を示す信号を移動体位置算出部140に出力する。
通信機103は、例えば、自車両の周辺に存在する他車両との車車間通信を通じて、他車両の走行速度や緯度経度を示す情報を取得する。通信機103は、取得した情報を移動体位置算出部140に出力する。また、通信機103は、道路に設けられる光ビーコンアンテナとの路車間通信を行う。通信機103は、光ビーコンアンテナとの路車間通信を通じて、インフラ情報信号を取得する。通信機103は、インフラ情報信号を受信すると、受信したインフラ情報信号を、移動体位置算出部140及び運転支援を行う支援部150に出力する。なお、インフラ情報信号には、例えば、交差点までの距離や交差点に設けられた信号機の信号サイクルや道路線形、及び光ビーコンアンテナが設けられている道路の道路状況が含まれる。この道路状況には、例えば、交差点形状、曲率、勾配、車線数等が含まれる。また、インフラ情報信号には、道路に付随した付随情報や、地上設備等により検出された交差点周辺の他車両などの移動体の情報も含まれる。
周辺状況取得部110は、上記車載カメラ101、ミリ波レーダ102、及び通信機103、並びに、地図情報が記録されている地図情報記録部111を備えて構成される。なお、地図情報には、カーブ、交差点、一方通行道路、一時停止位置、踏切、及び信号機の緯度経度を示す情報が含まれている。また、地図情報には、信号機の種別が矢印式信号機であるといった情報も含まれている。
現在位置取得部120は、例えば、自車両の緯度経度を特定するGPS121によって構成されている。GPS121は、当該GPS121が搭載される車両の絶対位置を検出するためのGPS衛星信号を受信する。また、GPS121は、受信したGPS衛星信号に基づき自車両の位置を特定する。GPS121は、特定した位置を示す緯度経度情報を支援部150に出力する。
車両操作情報取得部130は、例えば、自車両に設けられたウィンカーの点灯及び消灯を切り換えるウィンカースイッチ131、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ132を有している。また、車両操作情報取得部130は、例えば、自車両の進行方向に対する角速度を検出するジャイロセンサ133、旋回方向への回転角の変化する速度であるヨーレートを検出するヨーレートセンサ134を有している。さらに、車両操作情報取得部130は、例えば、車両に設けられたハザードランプの点灯及び消灯を切り換えるハザードスイッチ135を有している。ウィンカースイッチ131は、ドライバによりオン/オフが切り換えられると、オン/オフを示す信号を支援部150に出力する。操舵角センサ132は、ステアリングの操舵角を検出し、検出した操舵角を示す信号を支援部150に出力する。ジャイロセンサ133は、車両の進行方向に対する角速度を検出すると、検出した角速度を示す信号を支援部150に出力する。ヨーレートセンサ134は、車両のヨーレートを検出し、検出したヨーレートを示す信号を支援部150に出力する。ハザードスイッチ135は、当該ハザードスイッチ135のオン/オフが切り換えられると、オン/オフを示す信号を支援部150に出力する。
移動体位置算出部140は、移動体情報取得部100から入力された情報に基づき、検知された移動体の位置を算出する。移動体位置算出部140は、例えば、車載カメラ101から入力された画像信号が示す撮像画像を解析することにより、自車両の周辺に存在する移動体と該移動体の位置とを特定する。また、移動体位置算出部140は、例えば、ミリ波レーダ102から入力された信号から、自車両の周辺に存在する移動体から自車両までの距離、及び該移動体の移動速度を求める。また、移動体位置算出部140は、例えば、ミリ波レーダ102から入力された信号に基づき、自車両の周辺に存在する移動体の移動方向を特定する。さらに、移動体位置算出部140は、通信機103からインフラ情報が入力されると、このインフラ情報に基づき、自車両の周辺に存在する移動体から自車両までの距離、移動体の移動速度、及び移動体の移動方向を特定する。移動体位置算出部140は、特定結果を示す信号を支援部150に出力する。
なお、こうした移動体の特定は、例えば、車載カメラ101の撮像結果、ミリ波レーダ102から入力される信号、及び通信機103から入力されるインフラ情報のいずれか一つに基づいて行われる。
支援部150は、自車両とその周辺に存在する移動体とが交差する交差地点に自車両及び移動体が到達するまでの時間を予測する衝突時間予測部151を有している。支援部150には、各種情報をドライバに伝達するヒューマン・マシン・インターフェースであるHMI10、及び介入制御を行う介入制御装置20が接続されている。
衝突時間予測部151は、自車両が移動体と交差する交差地点に到達する第1の時間TTC(Time To Collision)を算出するTTC算出部151aを有している。本実施の形態の第1の時間TTCは、自車両が現在の進路及び走行速度を維持して走行したときに移動体と衝突するまでの時間に相当する。
TTC算出部151aは、自車両の走行速度を「V」、移動体のx軸における自車両との相対位置を「x」、及び移動体のx軸における速度を「vx」とするとき、以下の式(1)に基づき第1の時間TTCを算出する。

TTC=x/(V−vx) …(1)

なお、TTC算出部151aは、自車両の走行速度「V」を、図示しない車速センサ等の検出結果に基づき求める。また、TTC算出部151aは、移動体のx軸における位置「x」及び移動体のx軸における速度「vx」を、移動体情報取得部100から入力された信号に基づいて求める。
また、衝突時間予測部151は、交差地点に移動体が到達する第2の時間TTV(Time To Vehicle)を算出するTTV算出部151bを有している。本実施の形態の第2の時間TTVは、移動体が現在の進路及び走行速度を維持して移動したときに自車両と衝突するまでの時間に相当する。
TTV算出部151bは、移動体のy軸における自車両との相対位置を「y」、及び移動体のy軸における速度を「vy」とするとき、以下の式(2)に基づき第2の時間TTVを算出する。

TTV=y/(vy) …(2)

なお、TTV算出部151bは、移動体のy軸における自車両との相対位置「y」、及び移動体のy軸における速度「vy」を、移動体情報取得部100から入力された信号に基づいて求める。
なお、図2に例示するように、信号機SGが設置された交差点SCに支援対象となる車両Crと歩行者Tgとが互いに交差する方向から向かっていたとする。ここでの例では、車両Crと歩行者Tgとの交差地点Poに車両Crが到達する時間が、上記第1の時間TTCに該当する。また、歩行者Tgが交差地点Poに到達する時間が、上記第2の時間TTVに該当する。つまり、交差地点Poは、予想される車両Crの移動軌跡と移動体の予想される移動体の移動軌跡との交点である。
また、図1に示すように、本実施の形態の支援部150は、第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対的な位置関係を示すマップが記憶されているマップ記憶部152を有している。
図3に示すように、マップ記憶部152には、第1の時間TTC[s]がy軸に、及び第2の時間TTV[s]がx軸に規定されたマップMが記録されている。マップMにおいて、原点「0」は、図2における車両Crと歩行者Tgとの交差地点Poに対応する。マップMにおいて、第1の時間TTCもしくは第2の時間TTVが大きくなると、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が原点から離れる。そして、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が原点から離れるほど、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの算出時点における車両Crと歩行者Tgとが互いに交差地点Poから離れた場所に位置することとなる。
また、本実施の形態のマップMには、支援対象となる車両Crと歩行者Tgや他車両等の移動体との衝突を回避するための衝突回避支援が発動されない運転支援不要エリアA1が設定されている。また、マップMには、衝突回避支援が発動される運転支援エリアA2が設定されている。運転支援不要エリアA1及び運転支援エリアA2は、例えば、実験データ等に基づいて規定されたエリアである。なお、運転支援不要エリアA1及び運転支援エリアA2は、ドライバのアクセル特性やブレーキ特性等の運転特性の学習結果に基づき設定されることも可能である。
本実施の形態では、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVのマップM上における相対位置が、運転支援不要エリアA1に位置するときには衝突回避支援の発動条件が不成立となる。逆に、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVのマップM上における相対位置が、運転支援エリアA2に位置するときには衝突回避支援の発動条件が成立する。
運転支援エリアA2は、y=fx(TTC,TTV)の関数に囲まれた領域である。運転支援エリアA2と運転支援不要エリアA1との境界を形成する2つの直線S1及びS2は、第1の時間TTCと第2の時間TTVとの差分(TTC−TTV)により設定されている。なお、直線S1が第1の時間TTCのy軸に交わるときの時間T1には、例えば1〜3秒に相当する時間が設定されている。同様に、直線S2が第2の時間TTVのx軸に交わるときの時間T2にも、例えば1〜3秒に相当する時間が設定されている。
図2に示すように、運転支援エリアA2は、運転支援の緊急度に応じてHMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23に分割されている。
HMIエリアA21は、運転支援エリアA2のうち、第1の時間TTCと第2の時間TTVとの原点0から最も離れた位置に規定されている。HMIエリアA21は、ドライバに対して移動体の存在や車両Crと移動体との異常接近を警告する運転支援が行われるエリアである。なお、このHMIエリアA21に規定された運転支援は、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVが当該HMIエリアA21に位置するときに行われる。
介入制御エリアA22は、制動などの介入制御が行われるエリアであり、HMIエリアA21よりも原点0寄りに位置する。緊急介入制御エリアA23は、移動体と車両Crとの衝突を回避するために急制動等の緊急介入が行われるエリアであり、原点0からの所定範囲に位置する。緊急介入制御エリアA23は、運転支援エリアA2の中で最も原点0寄りに位置し、車両Crと移動体との交差地点Poに最も近い位置に規定されている。
運転支援不要エリアA1は、運転支援エリアA2以外の部分であり、車両Crと移動体との衝突を回避するための運転支援を必要としないエリアである。例えば、図3において運転支援不要エリアA1内に位置するポイントPa1(TTV,TTC)は、第1の時間TTC<<第2の時間TTVとなっている。第1の時間TTC<<第2の時間TTVが成立するときには、車両Crが交差地点Poを通過してから一定以上の時間が経過した後に、移動体が交差地点Poに到達することとなる。逆に、運転支援不要エリアA1内に位置するポイントPa2(TTV,TTC)は、第1の時間TTC>>第2の時間TTVとなっている。第1の時間TTC>>第2の時間TTVが成立するときには、移動体が交差地点Poを通過してから一定以上の時間が経過した後に、車両Crが交差地点に到達することとなる。よって、運転支援不要エリアA1では、車両Cr及び移動体が交差地点Poに到達するタイミングが一定時間以上異なり、車両Crと移動体との距離が一定以上離れているために、運転支援が不要となる。
図1に示すように、支援部150は、衝突回避支援の発動条件の成否を判定する支援発動部153、運転支援を制御する支援制御部154、及び運転支援の要否を判定する支援判定部155を有している。
支援発動部153は、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTV並びにマップMに基づき、発動条件の成否を判定する。支援発動部153は、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVが、運転支援エリアA2を構成するHMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23のいずれかに位置するとき、衝突回避支援の発動条件が成立したと判定する。また、支援発動部153は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVが算出されると、これら第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する交点が、マップM上の何れのエリアに位置するかを特定する。
支援判定部155は、上記第1の時間TTCと第2の時間TTVとによって示される車両Crと歩行者Tgとの位置関係に変化を及ぼす要因である変化要因に基づき、運転支援の要否を判定する。そして、支援判定部155は、判定結果である運転支援「要」もしくは「否」を示す信号を支援発動部153に出力する。
本実施の形態の支援発動部153は、運転支援の発動条件が成立したと判断したときであっても、支援判定部155から運転支援「否」を示す信号が入力されたときには、運転支援の発動を行わない。逆に、支援発動部153は、運転支援の発動条件が成立しないと判断したときであっても、支援判定部155から運転支援「要」を示す信号が入力されたときには、運転支援の発動を行う。なお、この場合には、例えば、支援判定部155が運転支援「要」と判定した要因、例えば、車両Crの進路変更後における新たな移動体を対象として、衝突時間予測部151が第1の時間TTCと第2の時間TTVを算出する。そして、支援発動部153は、衝突時間予測部151が算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVに応じた運転支援を発動する。
ここで、図4に例示するように、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する位置(交点)が点P1であるとき、点P1は運転支援不要エリアA1に位置する。よって、支援発動部153は、衝突回避支援の発動条件が不成立であると判定する。一方、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する位置が点P2であるとき、点P2は運転支援エリアA2に位置する。よって、支援発動部153は、衝突回避支援の発動条件が成立したと判定する。
なお、本実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する交点によって第1の時間TTC及び第2の時間TTVの相対関係が示される。
図1に示すように、支援発動部153は、発動条件が成立すると、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVが交差する点が位置するエリア(HMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23)を示す信号を、衝突回避支援を実行する支援制御部154に出力する。また、支援発動部153は、発動条件が成立すると、例えば、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTV、並びに交差地点の緯度経度等を示す信号を、支援制御部154に出力する。
支援制御部154は、支援発動部153から各種信号が入力されると、HMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23に応じた運転支援を選択する。支援制御部154は、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する点がHMIエリアA21に位置するとき、HMI10による警告を発動させるための警告指示信号を生成する。そして、支援制御部154は、生成した警告指示信号をHMIエリアA21に出力する。警告指示信号には、例えば、車両Crとの衝突が予測される移動体の位置、移動体までの距離、及び衝突までの予測時間等が含まれる。
また、支援制御部154は、上記算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差する点が介入制御エリアA22もしくは緊急介入制御エリアA23に位置するとき、介入制御装置20による介入制御を実行させるための介入制御情報を生成する。そして、支援制御部154は、生成した介入制御情報を介入制御装置20に出力する。介入制御情報には、例えば、運転支援不要エリアA1内に位置していた第1の時間TTCを該運転支援不要エリアA1の範囲外とし得るブレーキの減速量等を示す制御量が含まれる。なお、介入制御情報が示す制御量は、緊急介入制御エリアA23における制御量の方が介入制御エリアA22における制御量よりも大きくなる。
なお、本実施の形態では、支援発動部153及び支援制御部154によって、上記運転支援部が構成される。
HMI10は、例えば、音声装置、ヘッド・アップ・ディスプレイ、ナビゲーションシステムのモニタ、及びメータパネル等によって構成されている。HMI10は、支援制御部154から警告指示信号が入力されると、例えば、進行方向前方に人物や車両が存在することをドライバに警告したり、ヘッド・アップ・ディスプレイ等に警告文を表示したりする。また、HMI10は、例えば、車両Crの現在地から目的地までの経路情報を生成し、この生成した経路情報に基づき目的地までの経路案内を音声や画像を通じて行う。
介入制御装置20は、例えば、車両Crのブレーキアクチュエータを制御するブレーキ制御装置、エンジンを制御するエンジン制御装置、ステアリングアクチュエータを制御するステアリング制御装置等の各種制御装置等によって構成されている。介入制御装置20は、支援制御部154から介入制御情報が入力されると、介入制御情報に基づきブレーキ制御装置等を制御する。これにより、車両Crの走行速度が低下することにより第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対位置が変化し、車両Crが交差地点に到達する以前に移動体が交差地点を通過することとなる。すなわち、車両Crと移動体との異常接近が抑止される。
次に、図5〜図10を参照して、本実施の形態の支援判定部155による運転支援の要否の判定態様を詳述する。
図5に示すように、車両Crの右折が予測されるときに、車両Crの右折後の進行方向前方に現れる2人の歩行者Tg1及びTg2が存在したとする。ここで、例えば、上記車載カメラ101の撮像結果やミリ波レーダ102の検出結果から、第1の歩行者Tg1は、横断歩道WDを既に通過しており、横断歩道WDを横断する可能性が低いことから運転支援の対象外として判定される。一方、第2の歩行者Tg2は、例えば、車両Crの右折後の進行方向前方に現れる横断歩道WDに向かって歩行していることから、横断歩道WDを横断する際に右折後の車両Crの正面に現れることが予測される。このため、支援判定部155は、第2の歩行者Tg2との接近を回避するために、運転支援の対象として判定する。そして、支援判定部155は、第2の歩行者Tg2を運転支援の対象として示す信号を支援発動部153に出力する。これにより、第2の歩行者Tg2と進路変更が加味された車両Crとの相対的な位置関係に基づく運転支援が発動される。
なお、車両Crの進路方向の転換は、例えば、ウィンカースイッチ131、ナビゲーションシステムの経路案内、道路線形等の少なくとも1つに基づき予測される。
また、図6に示すように、車両Crの右折が予測されるとき、第1及び第2の二人の歩行者Tg1及びTg2がそれぞれ、車両Crの左折方向と右折方向とに向かって歩行していたとする。第1の歩行者Tg1は、右折前の車両Crの進行方向前方の横断歩道WD1を歩行しているものの、車両Crの右折により接近が回避されることから運転支援の対象外と判定される。一方、第2の歩行者Tg2は、車両Crの右折先に設けられた横断歩道WD2に向かって歩行していることから、右折後の車両Crの正面に現れる可能性が高い。よって、第2の歩行者Tg2が、車両Crとの接近を回避するための運転支援の対象と判定される。なお、この場合には、進路方向前における車両Crの進行方向前方には歩行者Tg1が存在していたことから、歩行者Tgが初期の運転支援の対象とされる。しかし、進路方向後における車両Crの進行方向前方には歩行者Tg1が視野から消えて歩行者Tg2が現れることになる。そして、車両Crでは、歩行者Tg1に替えて歩行者Tg2が運転支援の対象とされることから、車両Crによる運転支援の対象が歩行者Tg1から歩行者Tg2へと更新されることになる。
また、図7(a)に示すように、車両Crの右折が予測されるとき、右折方向に向かって歩行者Tg2が歩行していたとする。そして、例えば車両Crの走行する道路と歩行者Tg2が歩行する歩道との間に縁石や段差等の障害物が存在しないときには、歩行者Tg2との接近を回避すべく、車両Crの右折先に存在する歩行者Tg2が運転支援の対象として判定される。
逆に、図7(b)に示すように、例えば右折後の車両Crの走行する道路と歩行者Tg1が歩行する歩道との間に縁石や段差等の障害物Br1が存在するときには、歩行者Tg1が右折後の車両Crに接近する可能性が低いとして、歩行者Tg1が運転支援の対象外として判定される。
また、図8(a)に示すように、例えば右折後の車両Crの走行する道路と歩行者Tg2が歩行する歩道との間にガードレールG1が存在していたとする。ここでも、歩行者Tg2が車両Crの右折先の正面に存在する横断歩道WDに向かって歩行しているときには、該歩行者Tg2が横断歩道WDを歩行する際に車両Crと接近する可能性が高くなる。よって、歩行者Tg2に対する運転支援「要」と判定される。
逆に、歩行者Tg1が車両Crの右折先の正面に横断歩道WDが存在せず、かつガードレールG1が道路と歩道との境界に設けられているときには、歩行者Tg1が運転支援の対象外として判定される。
なお、障害物Br1やガードレールG1の存在は、例えば、上記地図情報記録部111に記録された地図情報、車載カメラ101の撮像結果、ミリ波レーダ102の検知結果、及び通信機103により取得されたインフラ情報の少なくとも1つに基づき検知される。
以下、図9〜図14を参照して、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの変化要因が加味された演算態様を詳述する。
図9に示すように、上記第1の時間TTC及び第2の時間TTVの変化要因として、車両Crの進行方向前方に右折もしくは左折を要する分岐点が存在し、右折先の横断歩道WDに向かう歩行者Tgが存在していたとする。
ここで、車両Crの現在地点P1から右折の開始地点P2までの距離を「L」、分岐点の旋回半径を「R」、及び旋回走行の終了地点P3から車両Crと歩行者Tgとの衝突が予測される地点Pxまでの距離を「W」とするとき、車両Crの現在地P1から衝突が予測される地点Pxまでの距離「D」は、以下の式(1)によって示される。

D=L+1/(2・π・R)+W …(1)

また、旋回時に車両Crの減速が発生しないときには、上記第1の時間TTCは、車両Crの走行速度を「V」とするとき、以下の式(2)によって示される。

TTC=D/V …(2)

また一方、図10に示すように、歩行者Tgの現在地点P4から横断歩道WDに向かって方向転換する地点P5までの距離を「Lp」、及び該地点P5から衝突が予測される地点Pxまでの距離を「Wp」とするとき、歩行者Tgが横断歩道WDを歩行すると想定されたときの第2の時間TTVは以下の式(3)によって示される。

TTV=(Lp+Wp)/Vp …(3)

そして、上記支援発動部153は、歩行者Tgに対する運転支援の行う必要有りの旨を示す信号が支援判定部155から入力されると、上記式(2)及び(3)並びに先の図3及び図4に例示したマップに基づき、発動すべき運転支援の種別を決定する。次いで、支援制御部154が、決定された種別に応じた制御を行うことにより、車両Crと歩行者Tgとの衝突を回避するための運転支援が実行される。
一方、図11に示すように、車両Crが現在の地点P1から地点Pxに至るまでに減速することが予測されるときには、第1の時間TTCが上記式(2)とは異なる式によって算出される。
この場合には、まず減速前の等速区間L1(L)の移動に要する時間「T1」が、車両Crの走行速度を「V1」とするとき、以下の式(4)によって算出される。

T1=L/V1 …(4)

次いで、車両Crの減速が行われる区間の移動に要する時間「T2」が、減速開始前の車両Crの走行速度を「V1」、減速終了後の走行速度を「V2」、及び減速度を「a」とするとき、以下の式(5)によって算出される。

T2=(V1−V2)/a …(5)

なお、減速度「a」としては、例えば、車両Crの過去の旋回時における減速度の統計や前回の旋回時における減速度が用いられることが可能である。また、減速終了後の走行速度「V2」は、例えば、上記旋回距離(2・π・R)と減速度「a」との演算を通じて算出されたり、車両Crの過去の旋回終了後における減速量に基づき算出されたりすることが可能である。
また、減速終了後における等速区間Wの移動に要する時間T3は、以下の式(6)に基づき算出される。

T3={D−(V1^2−V2^2)/2・a}/V2 …(6)

そして、図12に示すように、車両Crが減速前の等速区間に存在しているときの第1の時間TTC1は、車両Crの現在地から等速区間の終了位置までの距離を「L1」、及び車両Crの現在速度を「V1」とするとき、以下の式(7)によって示される。

TTC1=L1/V1+(V1−V2)/a+{D−(V1^2−V2^2)/2・a}/V2 …(7)

また、図13に示すように、車両Crが減速区間に存在しているときの第1の時間TTC2は、該第1の時間TTC2の算出時点における車両Crの走行速度を「V」とするとき、以下の式(8)によって示される。

TTC2=(V−V2)/a+{D−(V1^2−V2^2)/2・a}/V2
…(8)

さらに、図14に示すように、車両Crが減速後、すなわち旋回終了後の等速区間に存在しているときの第1の時間TTC3は、該第1の時間TTC3の算出時点における車両Crの走行速度を「V」、及び車両Crの現在地から衝突予定地点までの距離を「L2」とするとき、以下の式(9)によって示される。

TTC3=L2/V …(9)

そして、本実施の形態では、例えば、車両Crの旋回が検知された時点で、該車両Crの位置に応じて、上記式(7)〜(9)のいずれかが選定され、第1の時間TTCが算出される。また、第2の時間TTVが算出される。そして、これら算出される第1の時間TTC及び第2の時間TTVに応じて、運転支援の発動の要否が支援発動部153によって判定され、右折先に車両Crの正面に現れる歩行者Tgとの衝突もしくは接近を回避するための運転支援が実行される。
以下、図15を参照して本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法の作用を説明する。
図15に示すように、まずステップS100において、車両Crの周辺に存在する歩行者Tgや他車両等の移動体が検知されると、この移動体の位置、移動方向、及び移動速度、すなわち速度ベクトルが移動体の状態として検出される。そして、支援判定部155は、例えば、地図情報記録部111に記録された地図情報が示す上記横断歩道WDやガードレールG1の位置、もしくは、車載カメラ101が撮像した撮像結果の解析等を通じて、移動体と、横断歩道WDやガードレールG1との位置関係を識別する。また、支援判定部155は、識別した位置関係から、移動体の進路変更の有無を予測する。
そして、支援判定部155は、車両Crの進路方向の転換前の進行方向前方に、先の図5〜図8に例示した運転支援が不要と判定し得る歩行者Tg1が存在するときには、歩行者Tg1に対する運転支援「否」と判定する。支援判定部155は、この歩行者Tg1を運転支援の対象から除外する。これにより、車両Crもしくは歩行者Tg1の方向転換や道路環境に基づき運転支援を発動する必要性が低いときには、該歩行者Tg1に対する運転支援の発動が行われない。よって、こうした運転支援が発動されないことで、運転支援が不要な場面での運転支援の発動が回避される。
次いで、車両Crの位置、移動方向、及び移動速度が検出されると、支援判定部155は、運転支援の実行主体となる車両Crの緯度経度を示す情報を取得する(ステップS101)。次いで、支援判定部155は、地図情報記録部111に記録された地図情報を参照し、HMI10が生成する経路情報を取得する(ステップS102、S103)。また、支援判定部155は、例えばウィンカースイッチ131や操舵角センサ132から車両Crの方向転換を示す信号を取得する(ステップS104)。
支援判定部155は、各種情報を取得すると、この取得した各情報をもとに車両Crの移動経路を予測する(ステップS105)。支援判定部155は、例えば、ステップS102で取得した地図情報が、緯度経度情報の示す車両Crの現在地の進行方向前方の右折もしくは左折を要するT字路の存在を示すとき、支援判定部155の右折もしくは左折を予測する。また、支援判定部155は、例えば、地図情報が、車両Crの進行方向前方の右折もしくは左折を要するカーブの存在を示すとき、支援判定部155の右折もしくは左折を予測する。また、支援判定部155は、支援判定部155は、ステップS103で取得した経路情報が、交差点、T字路、カーブ等の存在に起因して車両Crのドライバに対する右折もしくは左折の案内を示すとき、車両Crの右折もしくは左折を予測する。また一方、支援判定部155は、ステップS104で取得した情報が、例えば、右もしくは左のウィンカースイッチ131の操作や操舵角の変化を示すとき、車両Crの右折もしくは左折を予測する。
次いで、支援判定部155は、予測した右折後もしくは左折後の車両Crの進路の延長線と、予測した移動体の進路の延長線とが交差するか否かを判定する(ステップS106)。
支援判定部155は、各延長線が交差すると判定したとき(ステップS106:YES)、車両Crが上記図12〜図14が示す減速前の等速区間、減速区間、及び減速後の等速区間のいずれの区間に位置するかを識別する。そして、支援判定部155は、識別した区間を衝突時間予測部151に出力し、運転支援「要」を示す情報を支援発動部153に出力する。
衝突時間予測部151は、支援判定部155から区間及び運転支援「要」を示す情報が入力されると、識別された区間に応じて上記式(7)〜(9)を選定する。次いで、衝突時間予測部151は、選定した式に基づき第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出する(ステップS107)。衝突時間予測部151は、算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVを示す情報を支援発動部153に出力する。
支援発動部153は、衝突時間予測部151から入力された第1の時間TTC及び第2の時間TTVを上記マップM上に適用し、第1の時間TTC及び第2の時間TTVが交差する位置、すなわち第1の時間TTC及び第2の時間TTVの相対関係を特定する(ステップS108)。
支援発動部153は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点を特定すると、この位置が運転支援エリアA2に属するか否かを判断する(ステップS109)。第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が運転支援エリアA2の範囲内に属するとき(ステップS109:YES)、支援発動部153は、車両Crの進路方向の転換後に該車両Crの正面に現れる移動体との接近を回避するための運転支援の発動を行う(ステップS110)。これにより、車両Crの進路方向の転換や車両Crの走行速度の変化に伴い、進路変更後に接近が予測される移動体との衝突が回避される。
一方、支援発動部153は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が運転支援エリアA2の範囲内に属さないとき(ステップS109:NO)、支援発動部153は、進路変更後の車両Crと上記移動体とが接近する可能性が低いとして、該移動体に対しては運転支援の発動を行わない。これにより、不要な運転支援が発動することが回避される。
なお、支援発動部153は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの変化要因が存在せず、運転支援の「要」及び「否」のいずれの判定結果も入力されないときには、車両Crの進行方向前方に存在する移動体との位置関係に基づき、第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出する。そして、支援発動部153は、算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVに応じて、移動体との接近を回避するための運転支援を行う。すなわちこの場合には、ステップS110の運転支援処理が、上記変化要因が存在しない車両Crと移動体との位置関係に基づき実行される。
次に、図16を参照して、図15のステップS110における運転支援処理を詳述する。
図16に示すように、まず、本処理の実行時には第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が運転支援エリアA2に属していることから、HMI10を作動させるためのHMI作動フラグが「1」に設定される(ステップS200)。
次いで、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が、運転支援エリアA2のうちの介入制御エリアA22に属しているか否かが判断される(ステップS201)。第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が介入制御エリアA22に属しているとき(ステップS201:YES)、介入制御の制御量が例えばマップMに基づき算出される(ステップS202)。そして、算出された制御量に基づき介入制御装置20による介入制御とHMI10による警告とが実行される(ステップS203)。これにより、移動体に向かう車両Crの制動と車両Crのドライバに対する警告とが行われる。なお、車両Crのドライバに対する警告としては、減速案内等が行われる。
一方、ステップS201にて第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が運転支援エリアA2のうちの介入制御エリアA22に属していないと判断されたとき、当該交点が緊急介入制御エリアA23に属するか否かが判断される(ステップS204)。
第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が緊急介入制御エリアA23に属しているとき(ステップS204:YES)、車両Crと移動体との緊急回避のための制御量である衝突回避制御量が算出される(ステップS205)。そして、算出された衝突回避制御量に基づき介入制御装置20による緊急介入制御とHMI10による警告とが実行される(ステップS206)。これにより、移動体に向かう車両Crの緊急制動と車両Crのドライバに対する警告とが行われる。なお、車両Crのドライバに対する警告としては、急減速の案内や衝突を回避するためのステアリング操作の案内等が行われる。また、通常、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が緊急介入制御エリアA23に至るまでに当該交点がHMIエリアA21や介入制御エリアA22に属することとなる。このため、通常は、緊急制動が発動する以前に、HMI10による減速案内や介入制御装置20による制動が行われることで、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が緊急介入制御エリアA23に属することが回避されることとなる。
また一方、ステップS204にて第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が緊急介入制御エリアA23に属していないと判断されたときには(ステップS204:NO)、当該交点がHMIエリアA21に属していることとなる。よって、このときには、HMI制御のみが実行され、減速案内や移動体の存在を報知する案内等が行われる(ステップS205)。
以上説明したように、本実施の形態にかかる運転支援装置及び運転支援方法によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)支援判定部155が、支援の対象となる車両Crと対象物との位置関係を変化させる要因である変化要因に応じて、運転支援の要否を判定した。支援発動部153及び支援制御部154が、支援判定部155の運転支援「要」との判定結果に応じて運転支援を発動した。このため、変化要因を加味すれば運転支援が不要となる対象物に対しては運転支援が発動されない。これにより、運転支援を行う必要性の低い対象物に対して運転支援が実行されることもなく、ドライバが運転支援の実行タイミングに違和感を与えることもない。また、変化要因を加味すれば運転支援が必要となる対象物に対しては運転支援が発動される。これにより、変化要因によって変化する車両Crと対象物との位置関係に応じて運転支援が実行され、運転支援の適用範囲が拡充される。
(2)上記変化要因として、車両Crもしくは対象物の移動方向及び移動速度が規定された。これにより、車両Crの移動方向や移動速度が変化することにより、移動方向や移動速度が変化した車両Crと対象物との位置関係に応じた運転支援の発動が行われる。また、車両Crの周辺に存在する対象物の移動方向や移動速度が変化することにより、移動方向や移動速度が変化した対象物と車両Crとの位置関係に応じた運転支援の発動が行われる。
(3)支援判定部155は、変化要因に車両Crの移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動時間T1、移動速度の変化中における移動時間T2、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動時間T3に基づき、車両Crの移動速度の変化後における該車両Cr及び対象物の位置関係を算出した。そして、支援判定部155は、算出した位置関係に応じて、移動速度の変化後における運転支援の要否を判定した。これにより、車両Crの移動速度が変化するときであっても、車両Crの移動速度の変化に応じた車両Crと対象物との位置関係を高精度に算出することが可能となる。
(4)支援判定部155は、車両Crの移動速度の変化が上記変化要因に含まれるとき、図12から図14に例示したように、移動速度に変化が生じる前における等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間のいずれの区間のいずれの位置を車両Crが移動しているかを特定した。そして、支援判定部155は、特定した位置から上記変化要因を加味した対象物の進路の延長線と車両Crの進路の延長線との交差点に至るまでの区間に包含される移動区間に対応する移動時間に基づき、車両Crの移動速度の変化後における該車両Cr及び対象物の位置関係を算出した。これにより、車両Crの移動速度に変化が生じる場合であれ、車両Crの移動変化を的確に反映した第1の時間TTCを算出することが可能となる。よって、この第1の時間TTCと第2の時間TTVとに基づく運転支援の要否の判定、及び運転支援の種別の選択を高精度に行うことが可能となる。
(5)支援判定部155は、変化要因に車両Crもしくは対象物の移動方向の転換が含まれるとき、転換後の車両Crの延長線と対象物の延長線とが交差するか否かに基づき、運転支援の要否を判定した。このため、車両Crや対象物の移動方向が変化したとしても、各延長線が交差しないときには該対象物を運転支援の対象から除外することが可能となる。これにより、運転支援の要否を容易に判定することが可能となる。
(6)支援判定部155は、上記変化要因に車両Crの進路変更及びカーブ及び交差点のいずれか1つが含まれるとき、車両Crが走行している道路の状況と変化後における車両の道路状況とに基づき、車両Crの速度に変化が生じる地点、及び速度の変化度、及び目標となる速度を予測した。そして、支援判定部155は、それらの予測結果から車両Crと対象物との位置関係を算出して運転支援の要否の判定を行った。これにより、車両Crの移動速度の変化の有無を、該車両Crの周辺環境から高精度に算出することが可能となる。
(7)支援判定部155は、車両Crの進行方向前方に横断歩道WDが存在するとき、該横断歩道WDに接近する歩行者Tgの進路の変更を予測し、該予測した歩行者Tgの進路における該歩行者Tgと車両Crとの位置関係を算出して運転支援の要否の判定を行った。このため、横断歩道WDが存在することにより、歩行者Tgの進路方向の転換が予測されるときには、この進路方向の転換後の歩行者Tgとの回避するための運転支援が行われる。逆に、歩行者Tgが車両Crの進行方向前方に存在するときでも、横断歩道WDが存在しないために歩行者Tgが道路を横断する可能性が低いと予測できるときには、該歩行者Tgに対して運転支援が不要に発動することが回避される。
(8)支援判定部155は、進路方向の転換や減速等の車両Crの挙動の変化を検知もしくは予測したとき、車両Crの挙動の変化後における該車両Crと対象物との位置関係に基づき、回避対象とする対象物を更新した。これにより、挙動の変化に伴い運転支援が不要となる対象物に対する運転支援の発動が抑制されつつ、運転支援が新たに必要になった対象物に対する運転支援が発動される。
(9)上記対象物として移動体が設定され、上記運転支援として支援対象とする車両Crと移動体との衝突を回避する援衝突回避支援が実行された。また、支援判定部155は、移動体と車両Crとが交差する交差地点に車両Crが到達する第1の時間TTCと、交差地点に移動体が到達する第2の時間TTVとに基づき、車両Crと移動体との相対的な位置関係を算出した。これにより、急ブレーキや急制動等を要求せずとも、緩やかな減速で車両と移動体との接近が抑止され、円滑な運転支援が行われることとなる。また、これにより、第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相関関係が上記変化要因に起因して変化するときには、変化に応じた運転支援が行われる。よって、上記変化要因に起因する変化が加味された第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき、変化要因を踏まえた運転支援の要否を、車両Crと移動体とが接近する以前に判定することが可能となる。これにより、車両Crと移動体とが接近する以前の運転支援が実現され、急減速や急旋回をドライバに要求することなく、緩やかな減速や旋回による車両Crと移動体との接近の回避を促すことが可能となる。
(10)支援部150が、運転支援を行う支援領域A2と運転支援を行わない非支援領域A1とが第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対関係に対して規定されたマップMが記録されたマップ記憶部152を備えた。このため、支援対象とされる車両とその周辺に存在する移動体とに基づく第1の時間TTC及び第2の時間TTVが、マップMのうちの支援領域A2及び非支援領域A1のいずれに属するかに基づき衝突回避支援の発動の要否が判定される。これにより、衝突回避支援の発動の要否が容易に行われることとなる。
(11)マップMの支援領域A2が、緊急度に応じてHMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23に分割された。また、支援対象とする車両の第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対関係がHMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23のいずれに属するかに基づいて各別の運転支援が行われた。これにより、分割された領域の別に緊急度に応じた運転支援が設定されることで、支援対象となる車両と移動体との相対的な位置関係に応じたレベルの運転支援が行われることとなる。また、これによりレベル毎の運転支援の発動が適正に行われることとなる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に、図17〜図25を参照して説明する。なお、本実施の形態にかかる運転支援装置及び運転支援方法も、その基本的な構成は第1の実施の形態と同等であり、図17〜図25においても第1の実施の形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
図17に示すように、本実施の形態の支援部150は、規定された抑制条件に基づき運転支援の抑制の有無を判定する抑制判定部156をさらに有している。
本実施の形態では、抑制条件として、支援対象となる車両Crの状態を変化させる特定の車両操作、及び車両Crの状態の変化を促す走行環境、及び車両の周辺に存在する移動体に関する条件が規定されている。
抑制判定部156は、例えば、ウィンカースイッチ131、ステアリング、及びハザードスイッチ135の少なくとも1つの要素が操作されることに基づき、特定の車両操作に関する抑制条件が成立したと判定する。例えば、抑制判定部156は、ウィンカースイッチ131もしくはハザードスイッチ135からオンに切り換えられた旨の信号を受信すると、特定の車両操作に関する抑制条件が成立したと判定する。また、抑制判定部156は、操舵角センサ132によって検出された操舵角の変化量が所定以上であるとき、車両Crの進路変更が行われたとして抑制条件が成立したと判定する。なお、抑制条件が成立する操舵角の変化量としては、所定の走行距離の範囲内で車両Crの進路方向を所定角度以上変化させる変化量が設定されており、具体的には車両Crが上記交差地点Poを回避し得る変化量となる。
さらに、抑制判定部156は、ジャイロセンサ133が検出した車両Crの角速度が所定以上であるときにも、車両Crの進路変更が行われたとして抑制条件が成立したと判定する。なお、抑制条件が成立する角速度としては、所定の走行距離の範囲内で車両Crの進路方向を所定角度以上変化させる変化量が設定されており、具体的には車両Crが上記交差地点Poを回避し得る角速度となる。
同様に、抑制判定部156は、ヨーレートセンサ134が検出したヨーレートの変化量が所定以上であるとき、車両Crの進路変更が行われたとして抑制条件が成立したと判定する。なお、抑制条件が成立するヨーレートの変化量としては、所定の走行距離の範囲内で車両Crの進路方向を所定の角度以上変化させる変化量が設定されており、具体的には車両Crが上記交差地点Poを回避し得る変化量となる。
また、抑制判定部156は、車両Crの進行方向前方における交差点、車両の進行方向とは異なる方向への通行が許可された一方通行道路、一時停止位置、踏切、信号機の赤現示、及び矢印式信号機の矢印現示の少なくとも1つの要素が検知されることに基づき、走行環境に関する抑制条件が成立したと判定する。なお、抑制判定部156は、周辺状況取得部110を構成する車載カメラ101の撮像結果、ミリ波レーダ102の検出結果、通信機103が取得したインフラ情報や他車両等の情報、及び地図情報記録部111に記録されている地図情報に基づいて、車両Cr周辺の走行環境を検知する。そして、抑制判定部156は、検知した走行環境に上記各要素の少なくとも1つが含まれているとき、抑制条件が成立したと判定する。
また一方、抑制判定部156は、車両Crと移動体との間に存在する障害物の検知、移動体の方向転換、及び移動体の移動態様の変化を促す信号機の現示の少なくとも1つが検知されたことをもって、抑制条件が成立したと判定する。抑制判定部156は、車両Crと移動体との間に存在する障害物や移動体の方向転換を、移動体情報取得部100を構成する車載カメラ101の撮像結果、ミリ波レーダ102の検出結果、通信機103が取得したインフラ情報や他車両等の情報に基づいて検知する。また、抑制判定部156は、移動体の移動態様の変化を促す信号機の現示を、車載カメラ101の撮像結果、通信機103が取得したインフラ情報や他車両等の情報に基づいて検知する。
抑制判定部156は、抑制条件の成否に基づき運転支援の抑制の要否を判定する。すなわち、抑制判定部156は、抑制条件が成立したときに抑制「要」と判定する一方、抑制条件が成立しないときには抑制「否」と判定する。抑制判定部156は、判定結果を上記支援判定部155に出力する。
支援判定部155は、抑制判定部156の判定結果が抑制「要」であり、かつ、当該支援判定部155が運転支援「否」と判定したとき、運転支援を抑制するための制御指令を支援発動部153に出力する。これにより、衝突時間予測部151が算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が一旦、運転支援エリアA2に属することが予測されたとしても、該交点が運転支援不要エリアA1に属することになるとして、運転支援の発動が抑制される。支援発動部153は、支援判定部155から抑制指令が入力されると、たとえ運転支援の発動条件が成立していたとしても、運転支援の発動を停止する。また、支援発動部153は、運転支援が既に発動中であるとき、発動中の運転支援を中止する。
一方、支援判定部155は、抑制判定部156の判定結果が抑制「要」であっても、当該支援判定部155が運転支援「要」と判定したときには、車両Crの進路変更先や速度変化後に該車両Crに接近する対象物が後発的に現れるとして、運転支援の発動を許可する指令を支援発動部153に出力する。そして、支援発動部153は、支援判定部155が検知した対象物との接近を回避するための運転支援を実行する。
図18に示すように、先の図15のステップS106、もしくはステップS108で「NO」、すなわち変化要因を加味したとしても運転支援が不要であると判定されると、ステップS111にて運転支援の発動抑制の要否を判定する発動抑制判定処理が実行される(ステップS111)。この処理を通じて抑制「要」と判定されると、運転支援の発動が抑制される(ステップS112:YES、S113)。すなわち、発動抑制判定処理を通じて運転支援が不要であると判定されると、ステップS100で検出された移動体との衝突を回避するための運転支援が行われることなく、本処理が終了される。よって、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が運転支援エリアA2に属していたとしても、属する期間が一時的なものであるとして運転支援の発動が抑制される(抑制ステップ)。
次に、図19〜図25を参照して、図18のステップS111における発動抑制判定処理を詳述する。
図19に示すように、本処理ではまず、ステップS300において、ウィンカースイッチ131が操作されたか否かが判断される。なお、本処理が実行されるときには、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点は、運転支援エリアA2に属していることとなる。また、図20に例示するように、互いに異なる方向から交差点SCに向かう車両Crと歩行者Tgとが、それらが交差する交差地点Poに到達するタイミングが近似するものとなっている。
しかし、図20に例示するように、ウィンカースイッチ131が操作され、車両Crの進行方向右側のウィンカーCrwが点灯したときには、車両Crが交差点SCで右折することが予測される。よって、車両Crは、当該車両Crと歩行者Tgとが近似するタイミングで交差すると予測された交差地点Poを回避して交差点SCを通過することとなる。このため、ウィンカースイッチ131が操作されたときには(図19 ステップS300:YES)、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(ステップS310)。
また、図19にステップS301として示すように、ステアリングの所定量以上の操作が操舵角センサ132により検出されたときにも、図20と同様に、車両Crが交差点SCで右折もしくは左折を行うことにより、車両Crが交差地点Poを回避することが予測される。よって、ステアリングの所定量以上の操作が操舵角センサ132により検出されたときにも、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(図19 ステップS301:YES、S310)。
また、図21に例示するように、ハザードスイッチ135が操作されたことによりハザードランプCrhが点灯したときには(図19 ステップS302:YES)、異常等の発生により車両Crが非常停止もしくは減速することが予測される。このため、ハザードスイッチ135が操作されたときには、車両Crが交差地点Poに到達する以前に停止したり、減速したりすることにより、車両Crと歩行者Tgとの異常接近が自ずと回避される。よって、ハザードスイッチ135が操作されたときにも、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(図19 ステップS302:YES、S310)。
また、図22に例示するように、車両Crの進行方向前方の交差点SCに設けられた信号機SGの赤現示が検知されたときには(図 19ステップS303:YES)、信号機SGの赤現示に従って車両Crが減速し、停止することが予測される。よって、車両Crの進行方向前方に存在する信号機SGの赤現示が検知されたときにも、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(図19 ステップS303:YES、S310)。なお、信号機SGの赤現示は、上記車載カメラ101の撮像結果や通信機103が受信したインフラ情報に基づき検出される。
また、図23に例示するように、車両Crの進行方向前方の交差点SCに矢印式信号機SG2が設けられており、該矢印式信号機SG2の矢印現示が点灯しているときには(図19 ステップS304:YES)、矢印現示に従って車両Crが右折することが予測される。よって、車両Crの進行方向前方に存在する矢印信号機SG2の矢印現示が検知されたときにも、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(図19 ステップS304:YES、S310)。なお、矢印信号機SG2の矢印現示も、上記車載カメラ101の撮像結果や通信機103が受信したインフラ情報に基づき検知される。
また、図24に例示するように、検知された歩行者Tgと車両Crとの間に、車道と歩道とを区画する柵BK等の障害物が検知されたときには(図19 ステップS305)、歩行者Tgが柵BKに沿って歩行することで歩行者Tgが交差地点Poを回避するように移動することが予測される。また、柵BKの存在により、歩行者Tgと車両Crとの異常接近が自ずと回避されることが予測される。よって、歩行者Tgと車両Crとの間に存在する柵BK等の障害物が検知されたときには、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(図19 ステップS305:YES、S310)。なお、柵BK等の障害物は、例えば、車載カメラ101の撮像結果、ミリ波レーダ102の検出結果、及び地図情報記録部111に記録されている地図情報等に基づき検知される。
また、図25に例示するように、検知された歩行者Tgの進行方向前方に歩行者用信号機SG3が設けられており、この歩行者用信号機SG3の赤現示が検知されたときには(図19 ステップS306)、歩行者Tgの停止や移動方向の転換が予測される。よって、歩行者用信号機SG3の赤現示が検知されたときには、抑制条件が成立したとして抑制「要」と判定される(図19 ステップS306:YES、S310)。なお、歩行者用信号機SG3の赤現示も、上記車載カメラ101の撮像結果や通信機103が受信したインフラ情報に基づき検知される。
そして、図19にステップS307として示すように、各抑制条件のいずれにも該当しないとき、抑制条件が不成立であるとして抑制「否」と判定されると、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点に応じて、HMI制御、介入制御、及び緊急介入制御が実行される。
以上説明したように、本実施の形態にかかる運転支援装置及び運転支援方法によれば、前記(1)〜(11)の効果が得られるとともに、以下の効果が得られるようになる。
(12)支援部150が、規定された抑制条件に基づき運転支援の抑制の要否を判定する抑制判定部156をさらに備えた。このため、抑制判定部156が抑制「否」と判定したときには、たとえ支援発動部153が運転支援の発動条件が満たしたと判定したとしても、運転支援の発動が抑制される。この結果、規定条件が成立すると、発動条件の成否に拘わらず運転支援が実行されない。このため、抑制条件が成立する状況、換言すれば、発動条件以外の要素を加味すると運転支援の必要のない状況では運転支援が実行されず、運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化が図られることとなる。また、支援判定部155は、変化要因が存在するときであって、変化要因によって変化する第1の時間TTC及び第2の時間TTVを加味しても運転支援「否」であり、支援発動部153の判定結果が抑制「要」であるときにのみ、運転支援の発動の抑制を許可した。このため、車両Crや対象物の移動方向及び移動速度の変化前と変化後のいずれにおいても、運転支援が不要であると判断可能なときに限り、運転支援の発動が抑制される。
(13)抑制条件として、支援対象となる車両Crの状態を変化させる特定の車両操作に関する条件が規定された。これにより、車両Crの状態を直接的に変化させる車両操作に基づき抑制の要否が判断される。また、これにより、車両Crの状態を変化させる特定の車両操作の有無に基づき抑制の要否が判断され、車両操作に応じて車両状態が変化する以前に抑制の要否を判断することが可能となる。また、抑制条件として、及び支援対象となる車両Crの状態の変化を促す走行環境に関する条件が既定された。このため、例えば車両Crの状態の変化を促進させるような走行環境が検知されると、発動条件に基づき必要とされた運転支援の発動も抑制される。このため、走行環境に応じて特定の車両操作が行われ、この車両操作に応じて車両状態が変化する以前に、抑制条件の成否が判断される。これにより、抑制条件の成否が早期に判断可能となり、運転支援の発動よりも早い段階で的確にその抑制が図られることとなる。さらに、抑制条件として、支援対象となる車両Crの周辺に存在する移動体に関する条件が既定された。このため、移動体に基づき抑制条件の成否が判断されることで、移動体と支援対象とする車両Crとの相対位置が変化したことにより運転支援の必要性が低下したときには運転支援の発動が抑制されることとなる。
(14)特定の車両操作に関する抑制条件が、ウィンカースイッチ131、操舵角センサ132により操作が検出されるステアリング、及びハザードランプの点灯スイッチであるハザードスイッチ135の少なくとも1つの要素が操作されることに基づき成立された。このため、車両Crの進路変更や停止が予測されるときには、抑制条件が成立したとして運転支援の発動が抑制される。よって、車両Crの進路変更や停止等、運転支援の必要性を変化させ得る蓋然性の高い操作が行われたときには運転支援の必要性が低いとしてその発動が抑制されることとなる。
(15)走行環境に関する抑制条件として、車両Crの進行方向前方における交差点SC、信号機SGの赤現示、及び矢印式信号機SG2の矢印現示の少なくとも1つの要素が検知されることが規定された。これにより、車両Cr状態の変化を促進させる要素が検知されたことをもって運転支援の発動が抑制され、運転支援の発動の抑制が高精度に行われることとなる。
(16)車両Crの走行環境が、地図情報記録部111に記録された地図情報に基づいて検知された。このため、道路線形、交差点、信号機、一時停止位置、及びインターチェンジ等の交通要素の位置が含まれている地図情報に基づき、車両Crの周辺に存在する交通要素の位置が容易に検知されることとなる。また、車両Crの走行環境が、車両の緯度経度情報に基づいて検知された。車両Crの緯度経度情報に基づけば、その走行環境の特定も容易となる。よって、車両Crの緯度経度情報に基づき走行環境が検知されることで、支援対象とされる車両Crの走行環境が容易に特定されることとなる。また一方、車両Crの走行環境が、インフラ情報に基づいて検知された。インフラ情報には、道路上に存在する交通要素の種別や各種交通情報が含まれている。また、インフラ情報には、例えば、車両Crの進行方向前方に存在する信号機までの距離や現示周期等が含まれている。よって、インフラ情報に基づけば、車両Crの進行方向前方の走行環境が詳細かつ高精度に特定されることとなる。さらに、車両Crの走行環境が、車載カメラ101の撮像結果に基づいて検知された。車載カメラ101の撮像結果に基づけば、その解析を通じて車両の進行方向前方に存在する交通要素の種別や人物、信号機の現示等が特定されることが可能である。また、車載カメラ101の撮像結果は、ドライバが視覚を通じて認識する走行環境に近似する傾向にある。よって、ドライバが認識する走行環境に近似する情報に基づき走行環境が検知されることとなる。
(17)車両Crの周辺に存在する移動体に関する抑制条件として、支援対象となる車両Crと歩行者Tgとの間に存在する障害物である柵BKが検知されることが規定された。このため、車両Crと歩行者Tgとの間に柵BKが存在し、柵BKにより車両Crと歩行者Tgとの異常接近が抑止されるときには、運転支援の発動が抑制される。これにより、運転支援の必要性の低い状況下での運転支援の発動が的確に抑制されることとなる。また、移動体に関する抑制条件として、歩行者Tgの方向転換が検知されることが規定された。このため、歩行者Tgの方向転換に伴い該歩行者Tgと車両Crと移動体との位置関係が変化したときには、位置関係の変化前には必要性の高い運転支援も、位置関係の変化後には必要性が低下したとして運転支援の発動が抑制される。これにより、運転支援の必要性の低い状況下での運転支援の発動が的確に抑制されることとなる。さらに、移動体に関する抑制条件として、歩行者Tgの移動態様の変化を促す歩行者用信号機SG3の現示が検知されることが規定された。よって、歩行者Tgの移動態様が実際に変化する前段階で、支援対象とされる車両Crと歩行者Tgとの位置関係の変化、換言すれば、運転支援の発動の要否が判断されることが可能となる。これにより、運転支援の発動の要否が早期に判断され、必要性の低い運転支援の発動が的確に抑制されることとなる。
(18)運転支援として、支援対象とする車両Crと対象物との衝突の回避を支援する衝突回避支援が行われた。これにより、衝突回避支援の必要性の低い状況下で該衝突回避支援が発動されることが抑制され、衝突回避支援の適正化が図られることとなる。
(19)衝突回避支援の対象物として移動体が設定された。また、衝突回避支援として、移動体と車両Crとが交差する交差地点Poに車両Crが到達する第1の時間TTCと、交差地点Poに移動体が到達する第2の時間TTVとの相対関係に基づき行われる運転支援が行われた。これにより、急ブレーキや急制動等を要求せずとも、緩やかな減速で車両と移動体との異常な接近が抑止され、円滑な運転支援が行われることとなる。また、これにより、第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対関係に基づき衝突回避支援の発動条件が成立する状況であっても、抑制条件が成立するときには衝突回避支援の発動が抑制される。これにより、衝突回避支援の必要性が低下した状況下でその発動が抑制されることとなり、衝突回避支援の実行精度もより実際の走行環境に応じたものとなる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかる運転支援装置及び運転支援方法の第3の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に、図26〜図31を参照して説明する。なお、本実施の形態にかかる運転支援装置及び運転支援方法も、その基本的な構成は第1の実施の形態と同等であり、図26〜図31においても第1の実施の形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
図26に示すように、本実施の形態の車両では、車両操作情報取得部160が、例えば、アクセルセンサ161、ブレーキセンサ162、加速度センサ163、ジャイロセンサ164、及び車速センサ165等によって構成される。各センサ161〜165は、当該センサ161〜165の検出結果に基づき運転支援の抑制の要否を判定する支援抑制部170に電気的に接続されている。
アクセルセンサ161は、ドライバによるアクセルペダルの操作によって変化するアクセルの踏込み量を検出し、この検出したアクセルの踏込み量に応じた信号を支援抑制部170に出力する。ブレーキセンサ162は、ドライバによるブレーキペダルの操作の有無を検出し、この検出した操作の有無に応じた信号を支援抑制部170に出力する。加速度センサ163は、車両の加速度もしくは減速度である加減速度を検出し、この検出した加減速に応じた信号を支援抑制部170に出力する。ジャイロセンサ164は、車両進行方向を検出し、この検出した進行方向に応じた信号を支援抑制部170に出力する。車速センサ165は、車両の速度である車速を検出し、この検出した車速に応じた信号を支援抑制部170に出力する。
本実施の形態の支援抑制部170は、衝突時間予測部151が算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVが記録される履歴記録部171を有している。また、支援抑制部170は、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移を、履歴記録部171に記録される第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づいて予測する推移予測部172を有している。さらに、支援抑制部170は、推移予測部172の予測結果に基づき運転支援の抑制の要否を判定する予測判定部173を有している。
履歴記録部171には、衝突時間予測部151が算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVが随時記録される。これにより、履歴記録部171には、或る移動体が検出され、この移動体と支援対象となる車両との交差地点に該車両が向かう過程における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡が記録される。また、履歴記録部171には、支援対象となる車両の他、複数の車両から取得された第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が記録されている。
推移予測部172は、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移を、履歴記録部171に記録されている第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移に基づいて予測する。推移予測部172は、予測した推移を示す情報を予測判定部173に出力する。
本実施の形態の推移予測部172は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移を、支援対象とする車両が移動体に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間及び第2の時間の軌跡を用いて予測する。
また、本実施の形態の推移予測部172は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移を、履歴記録部171に記録されている複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布を用いて予測する。
予測判定部173は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの予測結果が入力されると、この予測結果に基づき、運転支援の発動を抑制する必要があるか否かを判定する。
本実施の形態の予測判定部173は、例えば、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が、或る時点において支援領域A2に属していたとしても、その後に支援領域A2を脱して非支援領域A1に属することが予測されたときには、運転支援の発動を抑制する必要があると判定する。すなわち、予測判定部173は、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が、支援領域A2を跨いで非支援領域A1に至ることが予測されたときには、運転支援の発動を抑制する必要があると判定する。
一方、予測判定部173は、例えば、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が、或る時点において支援領域A2に属し、その後も継続して支援領域A2に属することが予測されるときには、運転支援の発動を抑制する必要がないと判定する。
予測判定部173は、運転支援の発動の抑制が必要であると判定すると、判定結果を支援判定部155に出力する。
支援判定部155は、予測判定部173の判定結果が抑制「要」であり、かつ、当該支援判定部155が運転支援「否」と判定したとき、運転支援を抑制するための制御指令を支援発動部153に出力する。これにより、衝突時間予測部151が算出した第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が一旦、運転支援エリアA2に属することが予測されたとしても、該交点が運転支援不要エリアA1に属することになるとして、運転支援の発動が抑制される。支援発動部153は、支援判定部155から抑制指令が入力されると、たとえ運転支援の発動条件が成立していたとしても、運転支援の発動を停止する。また、支援発動部153は、運転支援が既に発動中であるとき、発動中の運転支援を中止する。
一方、支援判定部155は、予測判定部173の判定結果が抑制「要」であっても、当該支援判定部155が運転支援「要」と判定したときには、車両Crの進路変更先や速度変化後に該車両Crに接近する対象物が後発的に現れるとして、運転支援の発動を許可する指令を支援発動部153に出力する。そして、支援発動部153は、支援判定部155が検知した対象物との接近を回避するための運転支援を実行する。
以下、図27〜図31を参照して、本実施の形態の運転支援装置及び運転支援方法による第1の時間TTC及び第2の時間TTVの予測態様を詳述する。
まず、図27及び図28を参照して、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡を用いた線形予測もしくは二次曲線予測による予測態様を詳述する。
図27に実線で示す各推移Lr1〜Lr3は、例えば、支援対象となる車両と歩行者や他車両等の移動体とが異なる方向から交差地点に向かっているときの第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の軌跡を示している。各推移Lr1〜Lr3は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が、支援対象となる車両及び移動体が交差地点に接近するにつれて原点0に接近することを示している。
なお、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の推移Lr1は、支援対象となる車両及び移動体が共に速度を維持しながら交差地点に接近しているため、当該推移Lr1の始点から終端Pr1に至るまでの間、一直線上に伸びている。
なお、各推移Lr1〜Lr3の終端Pr1〜Pr3はそれぞれ、或る時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点を示したものである。
ここで、本実施の形態では、推移Lr1において、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が支援領域A2に接する終端Pr1に到達すると、支援発動部122は、運転支援「要」と判定する。
また、推移予測部172は、推移Lr1に基づき、線形予測もしくは二次曲線予測を行う。この結果、終端Pr1以降の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の推移が、破線で示す推移Lrfを辿ることになると予測される。
そして、予測判定部173は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移である推移Lrfが、終端Pr1以降も支援領域A2に属するとして、運転支援の発動を抑制する必要がないと判定する。この結果、支援制御部124が、HMI10や介入制御装置20を通じて、支援対象となる車両と移動体との衝突を回避するための衝突回避支援を行う。
一方、図27に示す推移Lr2では、当該推移Lr2の終端Pr2の手前で支援対象となる車両の走行速度が相対的に低下している。この結果、終端Pr2以降の将来の第1の時間及び第2の時間の推移Lr2は、破線で推移Lf2として示すように、マップMの左方向に逸れる推移をなす。このため、推移Lf2は、支援領域A2に一旦属すものの、支援領域A2を脱し、非支援領域A1に属することとなる。すなわち、支援対象となる車両と移動体とが共通する交差地点に同じタイミングで到着することが推定されたものの、当該車両の減速や移動体の加速等により当該車両の走行速度が相対的に低下したことにより、当該車両と移動体とが交差地点に到着するタイミングがずれることとなる。このため、支援対象となる車両と移動体との接近が自ずと回避されることとなる。
そこで、本実施の形態の予測判定部173は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移である推移Lf2が、終端Pr2以降は支援領域A2に属さないことになるとして、運転支援の発動を抑制する必要があると判定する。この結果、制御指令が予測判定部173から支援制御部124に出力され、支援制御部124による運転支援の発動が抑制される。
また一方、図27に示す推移Lr3は、当該推移Lr3の終端Pr3の手前で移動体の移動速度が相対的に低下している。この結果、終端Pr3以降の将来の第1の時間及び第2の時間の推移Lr3は、破線で推移Lf3として示すように、マップMの下方向に逸れる推移をなす。このため、推移Lf3も、支援領域A2に一旦属すものの、支援領域A2を脱し、非支援領域A1に属することとなる。すなわち、支援対象となる車両と移動体とが共通する交差地点に同じタイミングで到着することが推定されたものの、当該車両の加速や移動体の減速等により移動体の移動速度が相対的に低下したことにより、当該車両と移動体とが交差地点に到着するタイミングがずれることとなる。このため、支援対象となる車両と移動体との接近が自ずと回避されることとなる。
そこで、本実施の形態の予測判定部173は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移である推移Lf3が、終端Pr3以降は支援領域A2に属さないことになるとして、運転支援の発動を抑制する必要があると判定する。この結果、制御指令が予測判定部173から支援制御部124に出力され、支援制御部124による運転支援の発動が抑制される。
一方、図28に示す例では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の軌跡を示す推移Lr4は、終端Pr4に至るまで非支援領域A1に属している。また、線形予測もしくは二次曲線予測による予測結果を推移Lf4として示すように、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移は、支援領域A2に一旦属したのちに、該支援領域A2を脱して非支援領域A1に再び属することとなる。
しかし、図28に示す例では、予測結果の推移Lf4が、緊急度が最大とされた緊急介入制御エリアA23を跨いで支援領域A2から非支援領域A1に至っている。
そこで、本実施の形態の予測判定部173は、予測結果の推移Lf4が緊急介入制御エリアA23に一時的に属する、換言すれば、支援対象と移動体とが一時的に異常接近するとして、運転支援の発動を抑制する必要がないと判定する。この結果、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が推移Lf4の終端Pr4に到達し、支援領域A2に属することになると、衝突回避支援が行われることとなる。
次に、図29〜図31を参照して第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布に基づく予測態様を詳述する。
図29に、履歴記録部171に記録されている複数種の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの履歴の一例を示すように、まず第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の推移が類似する推移群Lg1は、非支援領域A1と支援領域A2との境界である領域Pg1以降も、支援領域A2に継続して属している。
一方、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の推移が類似する各推移群Lg2〜Lg4は、非支援領域A1と支援領域A2との境界である領域Pg2〜Pg4以降、支援領域A2を跨いで非支援領域A1に再び属することとなる。なお、推移群Lg4は、緊急介入制御エリアA23を跨いで非支援領域A1に再び属することとなっている。
ここで、図30に推移Lr1として示すように、支援対象とする車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の軌跡が推移群Lg1に類似するときには、推移予測部172は、推移群Lg1の統計分布に基づき、支援対象とする車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の交点も推移群Lg1に沿った推移L1fをなすと予測する。
すなわち、推移予測部172は、領域Pg1にて支援領域A2に属した第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点が、領域Pg1以降も継続して支援領域A2に属することになると予測する。
そこで、予測判定部173は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移Lrfが、終端Pr1以降も支援領域A2に属する確率が高いとして、運転支援の発動を抑制する必要がないと判定する。この結果、支援制御部124がHMI10や介入制御装置20を通じて、支援対象となる車両と移動体との衝突を回避するための衝突回避支援を行う。
一方、図31に推移Lr2として示すように、支援対象とする車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の軌跡が推移群Lg2に類似するときには、推移予測部172は、推移群Lg2の統計分布に基づき、支援対象とする車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の交点も推移群Lg2に沿った推移をなすと予測する。すなわち、推移予測部172は、領域Pg2にて支援領域A2に属した第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点は、領域Pg2以降、支援領域A2を一旦跨いで非支援領域A1に再び属することになると予測する。
そこで、本実施の形態の予測判定部173は、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移Lf2が、終端Pr2以降は支援領域A2に属さないことになる確率が高いとして、運転支援の発動を抑制する必要があると判定する。この結果、制御指令が予測判定部173から支援制御部124に出力され、支援制御部124による運転支援が抑制される。
なお、統計分布に基づく予測の結果、先の図28に例示したように、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交点の推移が緊急介入制御エリアA23を跨いで非支援領域A1に至ることが予測されたときにも、支援制御部124による運転支援が抑制されないこととなる。
次に、図32を参照して、図18のステップS111における発動抑制判定処理を詳述する。
図32に示すように、本処理ではまず、ステップS300にて、履歴記録部171に記録されている過去の第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が予測される。なお、線形予測もしくは二次曲線予測に際しては、過去の第1の時間TTC及び第2の時間TTVとして、支援対象とする車両が移動体に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡が用いられる。すなわち、線形予測もしくは二次曲線予測に際しては、支援対象となる車両の周辺の移動体が検知されてから支援対象となる車両が予測の開始される地点に到達するまでの間に算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡が用いられる。また、統計分布に基づく予測に際しては、履歴記録部171に記録されている第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移うち、支援対象となる車両の周辺の移動体が検知されてから支援対象となる車両が予測の開始される地点に到達するまでの間に算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVに類似する推移が用いられる。
そして、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2を跨いで非支援領域A1に至ることが予測されるとき(ステップS301:YES)、将来の推移が緊急介入制御エリアA23を跨ぐか否かが判断される(ステップS302)。すなわち、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が、支援領域A2のうちのHMIエリアA21もしくは介入制御エリアA22を跨いで非支援領域A1に至るか否かが判断される。
この結果、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が、支援領域A2のうちの緊急介入制御エリアA23を跨ぐことなく非支援領域A1に至ると判断されると(ステップS302:YES)、運転支援の発動を抑制する必要があると判定される(ステップS303)。
一方、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が、支援領域A2のうちの緊急介入制御エリアA23を跨いで非支援領域A1に至ると判断されると(ステップS302:NO)、運転支援の発動を抑制する必要がないと判定される(ステップS304)。この結果、HMI10や介入制御装置20を通じた運転支援が支援制御部124により行われる。
また一方、ステップS301にて、支援対象となる車両の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2に継続して属することが予測されるときには(ステップS301:NO)、運転支援の発動を抑制する必要がないと判定される(ステップS304)。すなわち、支援対象となる車両及び移動体の相対速度が維持され、それら車両と移動体とが衝突する可能性が高く、衝突回避支援を行う必要が高いと判断される。この結果、HMI10や介入制御装置20を通じた運転支援が支援制御部124により行われることとなる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる運転支援装置及び運転支援方法によれば、前記(1)〜(11)の効果が得られるとともに、以下の効果が得られるようになる。
(20)支援抑制部170が、車両の履歴に基づき運転支援の抑制の要否を判定した。そして、この判定結果が加味された運転支援が行われた。このため、支援抑制部170が抑制「否」と判定したときには、たとえ支援発動部153が運転支援の発動条件が満たしたと判定したとしても、運転支援の抑制が促される。このため、抑制条件が成立する状況、換言すれば、発動条件以外の要素を加味すると運転支援の必要のない状況では運転支援が実行されず、運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化が図られることとなる。また、支援判定部157は、変化要因が存在するときであって、変化要因によって変化する第1の時間TTC及び第2の時間TTVを加味しても運転支援「否」であり、支援発動部153の判定結果が抑制「要」であるときに、運転支援の発動の抑制を許可した。このため、車両Crや対象物の移動方向及び移動速度の変化前と変化後のいずれにおいても、運転支援が不要であると判断可能なときに、運転支援の抑制が促される。
(21)支援抑制部170が、第1の時間TTC及び第2の時間TTVを記録し、該記録した第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき衝突回避支援の発動を抑制した。このため、衝突回避支援の発動を抑制する必要がないと判定されたときに、衝突回避支援の発動が促される。つまり、将来的にも衝突回避支援の必要性が高いと判定されるときに衝突回避支援が行われる。一方、記録された第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき、衝突回避支援の必要性が低いと推定される状況下では、衝突回避支援の抑制が促される。つまり、衝突回避支援の必要性が低下した状況下でその発動の抑制が促されることとなる。これにより、運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化が図られることとなる。
(22)支援抑制部170が、記録した第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき、支援対象とする車両における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が支援領域A2を跨いで非支援領域A1に至ることが予測されるとき、衝突回避支援の発動の抑制「要」と判定した。このため、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの予測結果がマップの支援領域A2を一旦跨いで非支援領域A1に至るに否かに基づき衝突回避支援の発動の要否が判定されることとなり、衝突回避支援の発動の抑制の要否がより容易に判定されることとなる。よって、衝突回避支援の発動の抑制がより円滑に行われることとなる。
(23)支援抑制部170は、支援対象とする車両の第1の時間TTCと第2の時間TTVとの相対関係の推移が、支援領域A2のうち緊急度が最大とされた緊急介入制御エリアA23を跨ぐことなく、支援領域A2から非支援領域A1に至ることが予測されることを条件として、衝突回避支援の抑制「要」と判定した。このため、衝突回避支援の不必要な発動が抑制されつつも、その発動を優先すべき状況下では衝突回避支援が行われる。これにより、運転支援にかかるフエールセーフが的確に高められることとなる。
(24)支援抑制部170が、支援対象とする車両が移動体との交差地点に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡を記録した。そして、支援抑制部170は、該記録した軌跡に基づき第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移を予測し、該予測した推移に基づいて衝突回避支援の抑制の要否を判定した。このため、支援対象とする実際の車両における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの直前の軌跡に基づく予測が行われることとなる。これにより、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの予測精度が高められることとなる。
(25)支援抑制部170が、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移の予測を、線形予測もしくは二次曲線予測に基づき行った。これにより、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡に基づく将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの予測精度が好適に高められることとなる。
(26)支援抑制部170が、複数種の車両操作に基づく第1の時間TTC及び第2の時間TTVを複数記録した。そして、支援抑制部170は、該記録した複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布に基づき第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移を予測し、該予測した推移に基づいて衝突回避支援の抑制の要否を判定した。このため、過去の統計を踏まえ、確率的に第1の時間及び第2の時間の推移が予測される。これにより、想定し得る推移のパターンの中でも再現される確率の最も高いとされる推移が予測結果として求められる。よって、この予測結果に基づき衝突回避支援の発動が抑制されることで、実際の状況に沿った蓋然性の極めて高い衝突回避支援の発動の許可及び抑制が実現されることとなる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記第3の実施の形態では、或る対象物に対して衝突回避支援の発動の抑制「要」と判定されたとき、この対象物に対する衝突回避支援が発動されないこととした。これに限らず、衝突回避支援の発動の抑制「要」の判定後に再算出された第1の時間TTC及び第2の時間TTVが支援領域A2に属することになったときには、一旦、衝突回避支援の発動の抑制「要」と判定された対象物に対しても衝突回避支援が行われてもよい。
・上記第3の実施の形態では、履歴記録部171には、支援対象となる車両の他、複数の車両から取得された第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が記録された。これに限らず、履歴記録部171には、支援対象となる車両のみから取得された複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVが記録されてもよい。そして、この支援対象となる車両のみから取得された複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布に基づいて、将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が予測されてもよい。これによれば、支援対象となる車両のドライバの癖や該車両の特性が反映される第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布に基づき、将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVが予測される。よって、将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVが、さらに高精度に予測されることとなる。
・上記第3の実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が、線形予測もしくは二次曲線予測により予測された。さらに、線形予測及び二次曲線予測の双方により第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が予測されてもよい。これによれば、例えば、線形予測及び二次曲線予測の各予測結果がいずれも、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2を一時的に跨いで非支援領域A1に至るか否かが判断される。そして、線形予測及び二次曲線予測の各予測結果のいずれもが、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2を一時的に跨いで非支援領域A1に至ることを条件として、運転支援の発動の抑制が必要であると判定される。これにより、運転支援の発動の抑制がより慎重に行われることとなり、運転支援にかかるフエールセーフが高められることとなる。また、この他、線形予測や二次曲線予測に限らず、支援対象となる車両における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの軌跡に基づき将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移を予測可能な演算手法であれば、将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移の算出に用いることが可能である。
・上記第3の実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が、支援対象とする車両が移動体に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間及び第2の時間の軌跡、もしくは、履歴記録部171に記録されている複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布を用いて予測された。さらに、支援対象とする車両が移動体に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間及び第2の時間の軌跡、及び履歴記録部171に記録されている複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布を用いて第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が予測されてもよい。これによれば、例えば、支援対象とする車両が移動体に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間及び第2の時間の軌跡の予測結果と、履歴記録部171に記録されている複数の第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布に基づく予測結果とが、運転支援の発動の抑制の要否判定に用いられる。すなわち、当該軌跡の予測結果及び当該統計分布に基づく予測結果のいずれもが、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2を一時的に跨いで非支援領域A1に至ることを条件として、運転支援の発動の抑制が必要であると判定される。これにより、運転支援の発動の抑制がより慎重に行われることとなり、運転支援にかかるフエールセーフが高められることとなる。
・上記第3の実施の形態では、車両操作情報取得部160が、アクセルセンサ161、ブレーキセンサ162、加速度センサ163、ジャイロセンサ164、及び車速センサ165等によって構成された。これに限らず、車両操作情報取得部160は、アクセルセンサ161、ブレーキセンサ162、加速度センサ163、ジャイロセンサ164、及び車速センサ165の少なくとも1つによって構成されてもよい。そして、少なくも一つのセンサの検出結果に基づく演算を通じて、第1の時間TTCが算出されてもよい。また、支援対象となる車両の緯度経度を検出するGPSによって車両操作情報取得部160が構成されてもよい。これによれば、GPSにより検出される車両の緯度経度に基づき、車両の走行速度が算出され、第1の時間TTCが算出されることとなる。この他、移動体情報取得部100は、第1の時間TTCの算出に用いることのできる情報を取得可能なものであればよい。
・上記第3の実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布として、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの経時的な推移の履歴が用いられた。これに限らず、先の図29に対応する図として、図33に例示するように、例えば、領域α1の時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの統計分布が用いられてもよい。これによれば、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が支援領域A2に直線的に向かうときの領域α1の時点における確率分布を図34に示すように、支援領域A2に直線的に向かう確率は、領域Pg1で最も高くなる。逆に、領域Pg2及びPg3ではいずれも、支援領域A2に直線的に向かう確率が低下する。よって、支援対象となる車両の領域α1の時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVが領域Pg1付近に存在するときには、該車両の将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVは、介入制御エリアA22、緊急介入制御エリアA23に向かって直進すると予測できる。このため、支援対象となる車両の領域α1の時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVが領域Pg1付近に位置するときには、衝突回避支援の必要性が高いとしてその発動が抑制されない。また、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの推移が支援領域A2を跨いで、もしくは迂回して非支援領域A1に向かうときの領域α1の時点における確率分布を図35に示すように、支援領域A2を脱して非支援領域A1に向かう確率は、領域Pg2もしくは領域Pg3で最も高くなる。逆に、領域Pg1では、支援領域A2を脱して非支援領域A1に向かう確率が低下する。よって、支援対象となる車両の領域α1の時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVが領域Pg2付近もしくは領域Pg3付近に存在するときには、該車両の将来の第1の時間TTC及び第2の時間TTVは、支援領域A2に一旦属しても、非支援領域A1に属することになると予測できる。このため、支援対象となる車両の領域α1の時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVが領域Pg2付近もしくは領域Pg3付近に位置するときには、衝突回避支援の必要性が低いとしてその発動が抑制される。このように、図33〜図35に示す手法によれば、支援対象となる車両の或る時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき、衝突回避支援の発動の抑制の要否が判定可能となる。よって、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの予測、並びに、衝突回避支援の発動の抑制の要否の判定が、より簡易に行われることとなる。また、これによれば、或る時点における第1の時間TTC及び第2の時間TTVの記録結果さえ事前に取得すればよく、予測に用いられるデータ量の大幅な低減が図られることとなる。
・上記第3の実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2を経由して非支援領域A1に至るとき、当該推移が緊急介入制御エリアA23を跨ぐか否かが判断された。そして、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が緊急介入制御エリアA23を跨ぐことなく非支援領域A1に至るとことを条件として、運転支援の発動が抑制された。これに限らず、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が、介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23のいずれをも跨ぐことなく非支援領域A1に至るとことを条件として、運転支援の抑制「要」と判定されてもよい。逆に、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの将来の推移が支援領域A2を経由して非支援領域A1に至るときには、一律に運転支援の抑制「要」と判定されてもよい。
・上記第3の実施の形態では、支援抑制部170が、同一の移動体に対して一旦成立した支援条件が事後的に不成立となるか否かを、第1の時間及び第2の時間の履歴に基づいて判定した。そして、支援抑制部170は、同一の移動体に対して一旦成立した支援条件が事後的に不成立となることと判定したとき、衝突回避支援の発動を抑制した。これに限らず、支援抑制部170は、記録した第1の時間及び第2の時間に基づき衝突回避支援の発動を抑制するか否かの判定を行えばよい。すなわち、支援抑制部170は、例えば、記録した第1の時間及び第2の時間の大半が、支援対象となる車両と移動体との衝突が自ずと回避されているときは、衝突回避支援の発動を抑制することもできる。
・上記第2の実施の形態において、車両Crの進行方向前方に存在する矢印式信号機SG2の矢印現示が検知され、かつ、ウィンカースイッチ131の操作が検知されたときに、車両Crの右折もしくは左折が予測されるとして抑制条件が成立してもよい。また、例えば、ナビゲーションシステムによる探索結果が交差点SCでの右折もしくは左折を示しており、かつ、ウィンカースイッチ131やステアリングの操作が検知されることを条件に抑制条件が成立してもよい。これらによれば、複数の要素に基づく抑制条件を成立させ得ることを条件に運転支援の発動が抑制されることから、抑制条件の成立要件が厳正なものとなる。よって、運転支援の必要性が極めて低い状況下で該運転支援の発動が抑制されることとなり、運転支援の抑制がより高精度に行われることとなる。またこの他、抑制条件を成立させ得る要素の組み合わせは任意であり適宜変更することが可能である。
・上記第2の実施の形態では、歩行者Tgと車両Crとの間に、車道と歩道とを区画する柵BK等の障害物が検知されたときに、抑制条件が成立した。これに限らず、車道と歩行者Tgが歩行する歩道との高低差が所定以上であることをもって、歩行者Tgと車両Crとが異常接近する可能性が低いとして抑制条件が成立してもよい。
・上記第2の実施の形態では、移動体に関する条件が、支援対象となる車両と移動体との間に存在する障害物の検知、移動体の方向転換、及び移動体の移動態様の変化を促す信号機の現示の少なくとも1つが検知されることに基づき成立した。これに限らず、移動体に関する条件として、例えば、移動体の停止や速度変化が規定されてもよい。なお、移動体の速度変化とは、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差点を運転支援エリアA2から運転支援不要エリアA1に変化させ得る速度変化であればよい。逆に、支援対象となる車両の速度変化が、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの交差点を運転支援エリアA2から運転支援不要エリアA1に変化させ得る速度変化であれば、抑制条件が成立したとすることも可能である。
・上記第2の実施の形態では、抑制条件が、支援対象となる車両Crの状態を変化させる特定の車両操作、及び車両Crの状態の変化を促す走行環境、及び車両Crの周辺に存在する移動体の少なくとも1つの要素に関する条件とされた。これに限らず、特定の車両操作、及び車両Crの状態の変化を促す走行環境、及び車両Crの周辺に存在する移動体の少なくとも2つの要素に関する条件が、抑制条件とされてもよい。また、抑制条件としては、例えば、車両Crのドライバが対象物を視認しているか否かに基づき判定されてもよい。これによれば、例えば、車内カメラ等によりドライバの視線が対象物の位置と一致するときには、抑制条件が成立したとして運転支援の発動条件が抑制される。この他、運転支援の発動条件とは別に規定される条件であればよく、適宜変更することが可能である。
・上記各実施の形態では、支援判定部155は、車両Crの挙動の変化を検知もしくは予測したとき、車両Crの挙動の変化後における該車両Crと対象物との位置関係に基づき、回避対象とする対象物を更新した。これに限らず、支援判定部155は、車両Crの挙動の変化を検知もしくは予測したとき、変化前後に車両Crの周辺に存在する2以上の対象物を継続して監視してもよい。そして、回避する必要性が相対的に高い対象物に対して、運転支援が行われてもよい。
・上記各実施の形態では、支援判定部155は、車両Crの進行方向前方に横断歩道WDが存在するとき、該横断歩道WDに接近する歩行者Tgの進路の変更を予測した。これに限らず、支援判定部155は、横断歩道WDが存在しなくても、例えば歩道の向かいの道路に店舗等が存在するときには、歩行者Tgが道路を横断して店舗に向かうと予測してもよい。
・上記各実施の形態では、支援判定部155は、上記変化要因に車両Crの進路変更及びカーブ及び交差点のいずれか1つが含まれるとき、車両Crが走行している道路の状況と変化後における車両の道路状況とに基づき、車両Crの速度に変化が生じる地点、及び速度の変化度、及び目標となる速度を予測した。これに限らず、支援判定部155は、車両Crのドライバの運転操作の傾向に基づき、車両Crの速度に変化が生じる地点、及び速度の変化度、及び目標となる速度を予測してもよい。
・上記各実施の形態では、車両Crが減速する際の車両Cr及び対象物の相対的な位置関係の変化が想定された。これに限らず、例えば、高速道路への侵入や複数車線における右車線への進路変更等に伴い、車両Crが加速する際の車両Cr及び対象物の相対的な位置関係の変化が想定されてもよい。
・上記各実施の形態では、支援判定部155は、変化要因に車両Crもしくは対象物の移動方向の転換が含まれるとき、転換後の車両Crの延長線と対象物の延長線とが交差するか否かに基づき、運転支援の要否を判定した。これに限らず、支援判定部155は、各延長線が交差しなくても、各延長線がさらに変化することや、各延長線が所定距離まで接近することに基づき、運転支援の要否を判定してもよい。
・上記各実施の形態では、支援判定部155は、図12から図14に例示したように、移動速度に変化が生じる前における等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間のいずれの区間のいずれの位置を車両Crが移動しているかを特定した。そして、支援判定部155は、特定した位置から上記変化要因を加味した対象物の進路の延長線と車両Crの進路の延長線との交差点に至るまでの区間に包含される移動区間に対応する移動時間に基づき、車両Crの移動速度の変化後における該車両Cr及び対象物の位置関係を算出した。これに限らず、支援判定部155は、車両Crが属する区間を特定し、該特定した区間全体の移動時間と、衝突予定地点までの区間の移動時間とに基づき、車両Cr及び対象物の位置関係を算出してもよい。また、支援判定部155は、車両Crが属する区間を特定し、該特定した区間を除いた区間であって、該区間に後続する区間の移動時間に基づき、車両Cr及び対象物の位置関係を算出してもよい。
・上記各実施の形態では、支援判定部155は、変化要因に車両Crの移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動時間T1、移動速度の変化中における移動時間T2、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動時間T3に基づき、車両Crの移動速度の変化後における該車両Cr及び対象物の位置関係を算出した。これに限らず、支援判定部155は、車両Crの位置に応じて、上記式(7)〜(9)に基づき第1の時間TTCを随時更新してもよい。
・上記各実施の形態では、車両Cr及び対象物の相対的な位置関係を変化させる変化要因として、車両Crもしくは対象物の移動方向及び移動速度が規定された。これに限らず、変化要因としては、車両Crの対象物の移動方向及び移動速度の少なくとも1つ、もしくは、対象物の移動方向及び移動速度の少なくとも1つであってもよい。なお、車両Crではなく、対象物の移動速度が変化するとき、上記式(7)〜(9)を対象物に適用することにより、対象物の移動速度の変化に応じて運転支援の要否を判定することが可能となる。また、車両Cr及び対象物の双方の移動速度が変化するときにも、各移動速度の変化に応じて運転支援の要否が判定されてもよい。
・上記各実施の形態では、衝突時間予測部151が、変化要因の発生後の第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出した。これに限らず、支援判定部155が、変化要因の発生後の第1の時間TTC及び第2の時間TTVを算出してもよい。これによれば、変化要因の発生前の車両Crと対象物との第1の時間TTC及び第2の時間TTVを衝突時間予測部151が算出する。また、これによれば、変化要因に応じて変化した車両Crと対象物との位置関係や、変化要因に応じて新たに発生した対象物と車両Crとの位置関係を、支援判定部155が算出する。
・上記各実施の形態では、支援判定部155が、第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき、車両Crと対象物との相対的な位置関係を算出した。これに限らず、支援判定部155は、車両Cr及び対象物のそれぞれの絶対位置や、速度ベクトルに基づき、車両Crと対象物との相対的な位置関係を算出してもよい。
・上記各実施の形態では、移動体情報取得部100が、車載カメラ101、ミリ波レーダ102、及び通信機103によって構成された。これに限らず、移動体情報取得部100は、車載カメラ101、ミリ波レーダ102、及び通信機103の少なくとも1つによって構成されてもよい。この他、第2の時間TTVの算出に用いることのできる移動体の情報を取得可能なものであれば、移動体情報取得部100を構成することが可能である。また、移動体情報取得部100は、例えば、インターネットワーク等を介して各種交通情報等を取得可能な多機能電話機器であってもよい。これによれば、支援部150は、多機能電話機器から取得した各種交通情報等に基づき抑制条件の成否を判定する。これによれば、支援部150は、より多くの手段によって抑制条件の成否に用いる情報を取得することが可能となる。
・上記各実施の形態では、図16のステップS203、S206として示したように、介入制御もしくは緊急介入制御が行われるとき、HMI10によるHMI制御も共に行われた。これに限らず、図16に対応する図として図36に示すように、介入制御の実行条件が満たされたとき、介入制御のみが行われてもよい(ステップS203A)。また、緊急介入制御の実行条件が満たされたとき、緊急介入制御のみが行われてもよい(ステップS206A)。
・上記各実施の形態では、上記運転支援態様の選択に用いられるマップMの支援領域A2が、HMIエリアA21、介入制御エリアA22、及び緊急介入制御エリアA23の3つに分割された。さらに、支援領域A2が4つ以上に分割され、分割された領域毎に運転支援態様が設定されてもよい。また、支援領域A2が、2つもしくは1つの領域によって規定され、規定された領域に各種の運転支援態様が設定されてもよい。なお、分割される支援領域A2がHMIエリアA21のみによって構成されるときには、上記介入制御装置20が割愛される構成となる。逆に、分割される支援領域A2が介入制御エリアA22もしくは緊急介入制御エリアA23のみによって構成されるときには、上記HMI10が割愛される構成となる。また、支援領域A2に設定される運転支援の態様は任意であり、適宜変更されることが可能である。
・上記各実施の形態では、上記マップ記憶部152に記憶されたマップMに基づいて衝突回避支援が行われた。これに限らず、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの相対関係に基づき衝突回避支援が行われるものであればよく、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの各値が規定された値に該当するか否かに基づき、衝突回避支援の発動条件の成否が判定されてもよい。
・上記各実施の形態では、車両Crに搭載されたGPS121によって現在位置取得部120が構成された。これに限らず、例えば多機能電話機器に搭載されたGPSによって現在位置取得部120が構成されてもよい。これによれば、多機能電話機器に搭載されたGPSが取得した緯度経度情報が、所定の通信を介して支援部150に取得される。また、現在位置取得部120は、車両Crの位置を特定可能なものであればよい。
・上記第1及び第2の各実施の形態では、車両操作情報取得部130が、ウィンカースイッチ131、操舵角センサ132、ジャイロセンサ133、ヨーレートセンサ134、及びハザードスイッチ135によって構成された。これに限らず、ウィンカースイッチ131、操舵角センサ132、ジャイロセンサ133、ヨーレートセンサ134、及びハザードスイッチ135の少なくとも1つによって車両操作情報取得部130が構成されてもよい。この他、車両操作情報取得部130は、例えば、アクセルペダルやブレーキペダルの踏込み量を検出するセンサ等、ドライバによる車両操作を検出可能なものであればよい。
・上記各実施形態では、車両Crの周辺に存在する歩行者Tgが運転支援の対象物とされた。これに限らず、例えば、車両Crの周辺に存在する車両や障害物等が運転支援の対象物とされてもよい。
・上記各実施の形態では、支援対象となる車両の移動軌跡と移動体の移動軌跡とが交差する一例として、各移動軌跡が直交するときが想定された。そして、この各移動軌跡を示す第1の時間TTC及び第2の時間TTVに基づき衝突回避支援が行われた。これに限らず、衝突回避支援に用いられる各移動軌跡は、同じ地点で交差する軌跡であればよく、それらの交差するときの角度は、90°未満の角度であっても、90°を超える角度であってもよい。
・上記各実施の形態では、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの相対関係に基づいて衝突回避支援が行われた。これに限らず、衝突回避支援とは、第1の時間TTCのみに基づいて行われてもよい。これによれば、例えば、車両Crの進行方向前方に人物等の対象物が存在するとき、この対象物に車両Crが到達するまでの第1の時間TTCに基づき衝突回避支援が行われる。そして、抑制条件が成立したことをもって衝突回避支援の発動が抑制されることとなる。
・上記各実施形態では、抑制される運転支援として、支援対象とする車両Crと対象物との衝突の回避を支援する衝突回避支援が対象とされた。これに限らず、抑制される運転支援としては、例えば、ACC(アダプティブクルーズコントロール)、車両が走行車線を維持して走行するための支援を行う車線逸脱警報システム(レーンキープアシスト)等であってもよい。これによれば、例えば、支援対象とされる車両の減速により、当該車両とその先行車両との距離が所定距離以上になったことによりACCの発動条件が成立したとしても、ウィンカースイッチやステアリングの操作がされたときには支援対象とされる車両の減速が進路変更に伴う減速であるとして抑制条件が成立する。この結果、抑制条件によりACCの発動が抑制され、必要性が状況下でのACCの発動が抑制される。同様に、例えば、支援対象の車両が走行車線から脱線したことにより車線逸脱警報システムの発動条件が成立したとしても、脱線した方向に駐車場等が存在するときには、車両の進路変更が適正なものとして抑制条件が成立する。この結果、必要性が状況下での車線逸脱警報システムの発動が抑制される。この他、運転支援とは、規定された発動条件が成立することを条件に発動するものであればよく、運転支援態様の如何に拘わらず本発明の適用は可能である。
・上記実施の形態では、支援部150が車両に搭載された。これに限らず、支援部150は、例えば、スマートフォン等の多機能電話機器にインストールされるアプリケーションプログラムによって構成されてもよい。これによれば、多機能電話機器は、当該多機能電話機器に保有される地図情報や、インターネットワーク等を介して取得可能な交通情報等に基づいて、抑制条件の成否を判定する。これにより、ナビゲーションシステムを備えない車両においても運転支援とその適正化が図られることとなる。また、多機能電話機器は、汎用性が高いことから、より多くの場面での運転支援とその適正化が図られることともなる。なお、多機能電話機器は一般に、GPSを有していたり、地図情報を保有していることが多い。このため、GPSが取得する緯度経度情報や地図情報に基づけば、支援対象となる車両の位置が特定されたり、支援対象となる車両の走行環境が特定されたりすることが可能である。そして、この特定可能な車両の位置や走行環境に基づけば、第1の時間TTC及び第2の時間TTVの算出も可能となる。また、多機能電話機器は、多くのユーザが所有している。よって、支援部150が当該多機能電話機器に設けられることで、適正な運転支援がより多くの場面で実現されることとなる。なお、上記第3の実施の形態においても、支援抑制部170が多機能電話機器に搭載されてもよい。
なお、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、下記のようにすることも可能である。
好ましい構成として、規定された抑制条件に基づき運転支援の抑制を促進する支援抑制部をさらに備え、前記運転支援部は、前記支援抑制部が前記規定された抑制条件が成立したことに基づき抑制「要」と判定したときであっても、前記支援判定部が支援「要」と判定したときには、前記支援判定部の判定結果に応じた運転支援を実行する。
上記構成では、規定された抑制条件が成立するときには、抑制「要」と判断される。逆に、規定された抑制条件が成立しないときには、抑制「否」と判断される。そして、運転支援「否」と判定されたときには、たとえ運転支援が発動する発動条件が満たされたとしても、運転支援の発動が抑制される。このため、抑制条件が成立する状況、例えば発動条件以外の要素を加味すると運転支援の必要性が低いと判断可能な状況では、運転支援が実行されないことが促される。これにより、運転支援の的確な発動を通じて運転支援の適正化が図られることとなる。
さらに、上記構成では、一旦、抑制「要」と判定されたとしても、支援判定部が支援「要」と判定したときには、該支援判定部の判定結果に応じた運転支援が実行される。すなわち、運転支援の抑制よりも、変化要因の存在を踏まえた運転支援が優先して実行される。これにより、抑制「要」と判定可能な状況であっても、変化要因の存在に起因して運転支援が必要となる蓋然性が高いときには、運転支援が抑制されない。よって、運転支援が不要な状況下での抑制と、変化要因を踏まえた運転支援の実行との好適な両立が図られ、より実用性の高い運転支援が実現される。
好ましい構成として、前記抑制条件が、支援対象となる車両の状態を変化させる特定の車両操作、及び支援対象となる車両の状態の変化を促す走行環境、及び車両の周辺に存在する前記対象物としての移動体の少なくとも1つの要素に関する条件である。
特定の車両操作が行われることにより車両状態が特定の状態に変化すると、車両状態の変化前には必要性の高い運転支援も、車両状態の変化後には不要になることも多い。
この点、上記構成によれば、特定の車両操作が行われたか否かに基づき抑制条件の成否が判断される。このため、例えば運転支援の必要性の高い状態から運転支援の必要性の低い状態に車両状態を変化させるような特定の車両操作が行われると、抑制条件が成立する。これにより、車両状態を直接的に変化させる車両操作に基づき運転支援の抑制の要否が判定されることとなる。また、これにより、車両状態を変化させる特定の車両操作の有無に基づき運転支援の抑制の要否が判定され、車両操作に応じて車両状態が変化する以前に運転支援の抑制の要否が決定されることとなる。
また通常、車両には、道路上に存在する各種の交通要素等の走行環境に応じて、状態を変化させることが要求される。このため、特定の走行環境に侵入する車両の状態は、交通要素に応じて変化することとなる。この結果、変化前の車両状態に基づけば必要性の高い運転支援も、変化後の車両状態に基づけば必要性が低いものとなることも多い。
この点、上記構成によれば、車両の走行環境に基づき抑制条件の成否が判断されることで、例えば車両状態の変化を促進させるような走行環境が検知されると、発動条件に基づき必要と判定された運転支援の抑制の要否が判定される。このため、走行環境に応じて特定の車両操作が行われ、この車両操作に応じて車両状態が変化する以前に、抑制条件の成否が判断される。これにより、抑制条件の成否が早期に判断可能となり、運転支援の発動よりも早い段階で的確にその抑制が図られることとなる。
また、運転支援は特に、支援対象とする車両と該車両の周辺に存在する人物や車両等の移動体との位置関係に応じて行われるものが多い。そして、例えば、移動体の移動方向や移動速度等の変化に伴い、支援対象とする車両と移動体との相対位置が変化すると、変化前の相対位置に基づけば必要性の高い運転支援も、変化後の相対位置に基づけば必要性が低いものとなることも多い。
この点、上記構成によれば、上記移動体に基づき抑制条件の成否が判断されることで、移動体と支援対象とする車両との相対位置が変化したことにより運転支援の必要性が低下したときには運転支援の抑制が促される。
好ましい構成として、前記特定の車両操作に関する抑制条件が、ウィンカースイッチ、ステアリング、及びハザードランプの点灯スイッチの少なくとも1つの要素が操作されることに基づき成立し、前記走行環境に関する抑制条件が、車両の進行方向前方におけるカーブ、交差点、車両の進行方向とは異なる方向への通行が許可された一方通行道路、一時停止位置、踏切、信号機の赤現示、及び矢印式信号機の矢印現示の少なくとも1つの要素が検知されること、もしくは、ナビゲーションシステムによる経路の変更案内が行われることに基づき成立し、前記移動体に関する条件が、支援対象となる車両と前記移動体との間に存在する障害物の検知、前記移動体の方向転換、及び前記移動体の移動態様の変化を促す信号機の現示の少なくとも1つが検知されることに基づき成立する。
一般に、車両の進路変更が行われるときには、まず車両のウィンカースイッチが操作される。そして、ウィンカーの点灯後にステアリングが操作され、右左折等の進路変更が行われる。すなわち、ウィンカースイッチが操作されたときには、車両が進路変更する蓋然性が極めて高い。一方、運転支援とは、特に車両の進行方向前方に存在する交通要素や人物等に応じて行われるものが多い。このため、右左折等の進路変更が行われたことにより、進行方向前方の状況が変化すると、変化前には必要性の高い運転支援も必要性が低くなることが多い。
この点、上記構成によれば、ウィンカースイッチの操作の有無に応じて抑制条件の成否が判断される。このため、ウィンカースイッチが操作されたことにより車両の進路変更が予測されるときには、抑制条件が成立されたものとして抑制「要」と判定される。これにより、車両の進路変更に伴い運転支援の必要性が低下したときには、不要な運転支援の抑制が促される。
また、ステアリングが操作されたときにも、操作内容に応じて車両の進行方向が変更され、車両の走行環境も変化する。そして、上記構成によれば、ステアリングの操作の有無に応じて抑制条件の成否が判断されることで、ステアリングが操作されることにより車両の進行方向が変更されるときには抑制条件が成立されたものとして抑制「要」と判定される。これにより、車両の進路変更に伴い運転支援の必要性が低下したときには、不要な運転支援の抑制が促される。
また一方、ハザードランプの点灯スイッチ(ハザードスイッチ)が操作されたときには、車両の右左折や非常停止が予測される。このため、ハザードランプの点灯前後では、車両の状態が変化し、車両周辺の状況も変化する。この結果、車両の右左折や非常停止が行われた後には、ハザードランプの点灯前には必要性の高かった運転支援の必要性が低下することも多い。
この点、上記構成によれば、ハザードランプの点灯操作の有無に応じて抑制条件の成否が判断されることで、ハザードランプの点灯操作が行われたことにより車両状態の変化されるときには、抑制条件が成立されたものとして運転支援の抑制が促される。
また、車両の進行方向前方にカーブが存在するときには、通常、カーブに沿った迂回が行われる傾向にある。また、車両の進行方向前方に交差点が存在するときにも、交差点での右左折や停止等が行われる可能性が高い。また同様に、車両の進行方向前方における矢印式信号機が矢印現示であるときには、矢印現示が示す方向への右左折が行われる。同様に、車両の進行方向前方に存在する一方通行道路が車両の進行方向とは異なる方向への通行が許可されたものであるときには、該一方通行道路の手前での進路変更が必要となる。よって、車両の進行方向前方におけるカーブ、交差点、矢印式信号機の矢印現示、及び一方通行道路のいずれかが検知されたときには、車両の走行環境がその後に変化することが予測可能である。そして、車両の走行環境が変化すると、変化前には必要性の高い運転支援も、変化後には必要性が低くなる可能性が高い。
そこで、上記構成では、車両の進行方向前方におけるカーブ、交差点、矢印式信号機の矢印現示、及び一方通行道路のいずれかが検知されたことをもって、抑制条件が成立される。これにより、車両状態の変化を促進させる要素が検知されたことをもって運転支援の抑制が促され、運転支援の発動の抑制が高精度に行われることとなる。
また、車両の進行方向前方に一時停止位置や踏切が存在するときにも、車両が減速し、その後に一時停止することが予測される。よって、車両の減速等が行われる前には必要性の高いとされた運転支援も、必要性が低下する可能性が高い。
そこで、上記構成では、車両の進行方向前方における一時停止位置や踏切が検知されたことをもって抑制条件が成立されることで、運転支援の抑制が促される。これにより、車両状態の変化を促進させる要素が検知されたことをもって運転支援の抑制が促進され、運転支援の発動の抑制が高精度に行われることとなる。
また、ナビゲーションシステムによる経路の変更案内が行われると、この変更案内に従って車両のドライバが車両操作を行うことにより、車両の進路変更等が行われる可能性が高い。そして、進路変更が変更されると、変更前には必要性の高い運転支援も変更後には必要性が低下する傾向にある。よって、ナビゲーションシステムによる経路の変更案内に基づき抑制条件の成否が判断されることで、抑制条件の成否が高精度に判断されることとなる。
また通常、車両状態は、ナビゲーションシステムによる経路の変更案内、変更案内に応じた車両操作、車両操作に応じた進路変更といった順で変化する。よって、ナビゲーションシステムによる経路の変更案内に基づけば、車両状態が変化する前段階でその変化が予測されることが可能となる。これにより、運転支援の発動の要否が早期に判断されることとなり、必要性の低い運転支援の抑制が促される。
また、運転支援には、支援対象となる車両の周辺に存在する移動体と車両との位置関係に応じて行われるものが多い。一方、支援対象となる車両と移動体との間に障害物が存在するときには、障害物によって車両と移動体との異常な接近が抑止され、移動体と車両との距離が所定距離以上に維持される。よって、車両の進行方向前方に移動体が存在していたとしても、車両と移動体との間に障害物が存在するときには、例えば移動体の存在を報知する支援や車両を減速させる支援等は不要となる。
この点、上記構成では、支援対象となる車両と移動体との間に存在する障害物が検知されたことをもって抑制条件が成立する。これにより、運転支援の必要性の低い状況下での運転支援の抑制が的確に促されることとなる。
また、支援対象とする車両の周辺に存在する移動体の方向転換が行われたときには、車両と移動体との位置関係が変化する。このため、位置関係の変化前には必要性の高い運転支援も、位置関係の変化後にはその必要性が低下することも多い。
この点、上記構成によれば、移動体の方向転換が検知されたことをもって抑制条件が成立されることで、運転支援の発動が抑制される。これにより、運転支援の必要性の低い状況下での運転支援の抑制が促される。
また一方、移動体の移動方向や移動速度等の移動態様は、信号機の現示に従って変化することが多い。このため、信号機の現示に基づけば、移動体の移動態様が予測されることが可能となる。そして、移動体の移動態様に基づけば、支援対象とされる車両と移動体との位置関係の変化も予測されることが可能となる。
この点、上記構成によれば、移動体の移動態様の変化を促す信号機の現示が検知されたことをもって抑制条件が成立される。このため、支援対象とされる車両と移動体との位置関係を変化させ得る要素に基づいて、抑制条件の要否が判断されることとなる。よって、移動体の移動態様が実際に変化する前段階で、支援対象とされる車両と移動体との位置関係の変化、換言すれば、運転支援の発動の要否が判断されることが可能となる。これにより、運転支援の発動の要否が早期に判断され、必要性の低い運転支援の抑制が促される。
好ましい構成として、前記支援判定部は、前記対象物としての移動体と前記車両とが交差する交差地点に前記車両が到達する第1の時間と、前記交差地点に前記移動体が到達する第2の時間とに基づき前記相対的な位置関係を算出するものであって、前記支援抑制部は、支援対象とする車両が前記移動体との交差地点に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間及び第2の時間の軌跡を記録するものであり、該記録した軌跡に基づき第1の時間及び第2の時間の推移を予測し、該予測した推移に基づいて前記運転支援の抑制「要」と判定する。
支援対象とする車両が移動体との交差地点に向かうときの当該車両及び当該移動体に基づく第1の時間及び第2の時間の推移は、過去の第1の時間及び第2の時間の軌跡が反映される傾向にある。そして、過去の第1の時間及び第2の時間の軌跡が一直線上に伸びるときには、その後の第1の時間及び第2の時間の推移も伸びることが予想される。逆に、第1の時間及び第2の時間の直前の軌跡が一定の曲率を有するときには、該曲率のもとに第1の時間及び第2の時間の推移が変化することが予想される。
そこで、上記構成或いは方法によれば、過去の第1の時間及び第2の時間の軌跡に基づき、その後の第1の時間及び第2の時間の推移が予測される。このため、支援対象とする実際の車両における第1の時間及び第2の時間の直前の軌跡に基づく予測が行われることとなる。これにより、第1の時間及び第2の時間の予測精度が高められることとなる。
好ましい構成として、前記支援判定部は、前記対象物としての移動体と前記車両とが交差する交差地点に前記車両が到達する第1の時間と、前記交差地点に前記移動体が到達する第2の時間とに基づき前記相対的な位置関係を算出するものであって、前記支援抑制部は、複数種の車両操作に基づく複数の第1の時間及び第2の時間を予め記録し、該記録した複数の第1の時間及び第2の時間の統計分布に基づき第1の時間及び第2の時間の推移を予測し、該予測した推移に基づいて前記衝突回避支援の発動を抑制する。
第1の時間及び第2の時間の推移は、一定の法則性を有するものであり、上記構成或いは方法によれば、こうした法則性が複数の第1の時間及び第2の時間の推移から統計的に求められる。そして、記録された第1の時間及び第2の時間の統計分布の中で最も頻度の高い推移と、支援対象となる車両における第1の時間及び第2の時間の推移とが共通するときには、この頻度の高い第1の時間及び第2の時間の推移と同様の推移を、支援対象となる車両における第1の時間及び第2の時間の推移が辿る蓋然性が高い。すなわち、過去に存在した第1の時間及び第2の時間の推移が支援対象となる車両においても再現される確率が高い。
この点、上記構成或いは方法によれば、第1の時間及び第2の時間の推移が統計的に求められる。よって、過去の統計を踏まえ、第1の時間及び第2の時間の推移が予測される。これにより、想定し得る推移のパターンの中でも再現される確率の最も高いとされる推移が予測結果として求められる。よって、この予測結果に基づき衝突回避支援の抑制の要否が判定されることで、実際の状況に沿った蓋然性の極めて高い衝突回避支援の抑制が促されることとなる。
W…等速区間、A1…非支援領域、A2…運転支援エリア、A21…HMIエリア、A22…介入制御エリア、A23…緊急介入制御エリア、BK…柵、Cr…車両、G1…ガードレール、L1…等速区間、SC…交差点、SG…信号機、Br1…障害物、Crh…ハザードランプ、Crw…ウィンカー、SG2…矢印式信号機、SG3…歩行者用信号機、Tg1…第1の歩行者、Tg2…第2の歩行者、WD…横断歩道、WD1…横断歩道、WD2…横断歩道、10…HMI、20…介入制御装置、100…移動体情報取得部、101…車載カメラ、102…ミリ波レーダ、103…通信機、110…周辺状況取得部、111…地図情報記録部、120…現在位置取得部、121…GPS、122…支援発動部、124…支援制御部、130…車両操作情報取得部、131…ウィンカースイッチ、132…操舵角センサ、133…ジャイロセンサ、134…ヨーレートセンサ、135…ハザードスイッチ、140…移動体位置算出部、150…支援部、151…衝突時間予測部、151a…TTC算出部、151b…TTV算出部、152…マップ記憶部、153…支援発動部、154…支援制御部、155…支援判定部、156…抑制判定部、157…支援判定部、160…車両操作情報取得部、161…アクセルセンサ、162…ブレーキセンサ、163…加速度センサ、164…ジャイロセンサ、165…車速センサ、170…支援抑制部、171…履歴記録部、172…推移予測部、173…予測判定部。

Claims (9)

  1. 車両の運転を支援する運転支援装置において、
    前記車両と運転支援の対象となる対象物との相対的な位置関係を変化させる要因である変化要因に応じて、運転支援の要否を判定する支援判定部と、
    前記支援判定部の判定結果に応じて運転支援の発動を行う運転支援部と、を備え、
    前記変化要因が、前記車両もしくは前記対象物の移動方向の転換及び移動速度の変化及び交通要素の少なくとも1つであり、
    前記支援判定部は、前記変化要因に前記車両の移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間のいずれの区間を前記車両が移動しているかを特定するとともに、該特定した移動区間の中での前記車両の位置から前記変化要因を加味した前記対象物の進路の延長線と前記車両の進路の延長線との交点に至るまでの区間に包含される移動区間の移動に要する移動時間に基づき、前記車両の移動速度の変化後における該車両及び対象物の位置関係を算出する
    ことを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記支援判定部は、前記車両もしくは前記対象物の移動方向の転換が前記変化要因に含まれるとき、転換後の車両の進路の延長線と対象物の進路の延長線とが交差するか否かに基づき、運転支援の要否を判定する
    請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記支援判定部は、前記車両の移動方向の転換としての進路変更及び前記交通要素としてのカーブ及び交差点の接近のいずれか1つ、及び前記車両の移動速度の変化が前記変化要因に含まれるとき、前記車両が走行している道路状況の変化後における道路状況に基づき、前記車両の移動速度に変化が生じる地点、及び移動速度の加減速度、及び目標となる速度を予測し、それらの予測結果から前記位置関係を算出して運転支援の要否の判定を行う
    請求項1または2に記載の運転支援装置。
  4. 前記支援判定部は、前記車両の進行方向前方に横断歩道が存在するとき、該横断歩道に接近する対象物の進路の変更を予測し、該予測した対象物の進路における該対象物と前記車両との位置関係を算出して運転支援の要否の判定を行う
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転支援装置。
  5. 支援判定部は、前記変化要因の存在を検知したとき、該変化要因に起因して変化する車両と対象物との相対的な位置関係に基づき、運転支援の対象とすべき対象物を更新する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の運転支援装置。
  6. 前記対象物が移動体であり、前記運転支援が支援対象とする車両と前記対象物としての移動体との衝突を回避する援衝突回避支援であって、
    前記支援判定部は、前記移動体と前記車両とが交差する交差地点に前記車両が到達する第1の時間と、前記交差地点に前記移動体が到達する第2の時間とに基づき前記相対的な位置関係を算出する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の運転支援装置。
  7. 前記支援判定部は、前記変化要因に前記車両の移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動時間、移動速度の変化中における移動時間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動時間の少なくとも1つに基づき、前記車両の移動速度の変化後における該車両及び対象物の位置関係を算出し、該算出した位置関係に応じて移動速度の変化後における運転支援の要否を判定する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の運転支援装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の運転支援装置において、
    当該運転支援装置による運転支援が、多機能電話機器にインストールされるアプリケーションプログラムもしくは車両に搭載されたナビゲーションシステムを通じて行われる
    ことを特徴とする運転支援装置。
  9. 車両の運転を支援する運転支援方法において、
    運転支援の対象となる車両と対象物との位置関係を変化させる要因である変化要因に応じて、運転支援の要否を判定するステップと、
    前記運転支援の要否を判定するステップの判定結果に応じて運転支援の発動を行うステップと、を含み、
    前記変化要因として、前記車両もしくは前記対象物の移動方向の転換及び移動速度の変化及び交通要素の少なくとも1つを選定し、
    前記支援の要否を判定するステップでは、前記変化要因に前記車両の移動速度の変化が含まれるとき、移動速度に変化が生じる前における等速での移動区間、移動速度の変化中における移動区間、及び移動速度の変化が生じた後における等速での移動区間のいずれの区間を前記車両が移動しているかを特定するとともに、該特定した移動区間の中での前記車両の位置から前記変化要因を加味した前記対象物の進路の延長線と前記車両の進路の延長線との交点に至るまでの区間に包含される移動区間の移動に要する移動時間に基づき、前記車両の移動速度の変化後における該車両及び対象物の位置関係を算出する
    ことを特徴とする運転支援方法。
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