JP2015031730A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、現像スリーブ上のトナーの実際の結露レベルを精度よく検知して、結露を回復するための必要な処理を適切に行い、不要な処理を行わないようにすること。【解決手段】装置内の結露を回復するための結露回復動作を行うことが可能な画像形成装置において、現像スリーブから電子写真感光体に流れ込む電流を検知する流れ込み電流検知手段と、装置外の環境条件を検知する環境検知手段と、装置の動作を制御する制御部と、を有し、制御部は、流れ込み電流検知手段により検知した流れ込み電流Ia′と、環境検知手段により検知した環境条件より、現像スリーブ上の現像剤の結露レベルを判定し、その判定した結露レベルに応じて結露回復動作を実行する。【選択図】 図1

Description

本発明は、感光体表面に形成した静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
いわゆる電子写真方式の画像形成装置においては、一般に感光体表面に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を転写材に転写し、その後、このトナー像を転写材表面に定着させて、最終的な画像を得ている。
ところで、湿度が高いと現像スリーブ上のトナーが結露する場合があり、この場合には、最終的な出力画像に、白抜け、濃度薄等の画像不良が発生する。
そこで、従来、このような画像不良を防止すべく、感光体近傍に湿度センサを設けて、湿度を測定するようにしている。そして、その測定値と、予め設定されている基準値と比較し、測定値が基準値を超えている場合は、結露が発生しているおそれがあると判断して、結露を除去するように対処する。すなわち、感光体を回転させて、感光体表面にパターン潜像を形成し、このパターン潜像にトナーを付着させてパターン顕像として現像し、現像したトナーを転写せずにクリーナにて清掃することで対処している。
また、特許文献1では、感光体ドラムを帯電し、露光することなく現像して、感光体ドラム上に粉体であるトナーを力学的に付着させ、この付着させたトナーを濃度センサによって測定する。そして、制御手段によって予め保持している基準値と、濃度センサからの測定値を比較して、測定値が基準値を上回るときには、感光体ドラム上に結露が発生していると判断する。この特許文献1の場合、感光体ドラム上の結露を、これに付着したトナーを検知することで、直接的に検知できるので、従来の湿度センサを利用した場合に比較して、結露を精度よく検知することができる。
また、一般的な複写機やプリンタ等の画像形成装置では、例えば冬季に流通市場で販売され購入先に設置された場合において、それまで販売元の冷え切った倉庫等に梱包された状態で保管されていたものが、購入先の暖かい環境に急に移される。これによって温度が急上昇し、その温度差によって画像形成装置内部に結露が生じやすい。画像形成装置内部に結露が生じることによる影響は装置全体に及ぶが、その中でも現像スリーブ上のトナーの結露は出力画像に直接的な影響を与える。
このような場合においては、従来は外気と画像形成装置内部の温湿度を検知する温湿度センサを用いて、外気と画像形成装置内部と温湿度の関係から画像形成装置内部の結露を予測している。
特開2002−116666号公報
しかしながら、上述の従来技術によると、湿度センサは、一般に、例えば、湿度30〜60%の範囲内で高感度となるように設定されている。そのため、結露の有無を判断する基準値のある60%以上の範囲では感度が低く、したがって結露の有無を精度よく判断することができないという、湿度センサの構成上の問題があった。
また、湿度センサによって検知される湿度が同じであっても、温度の違いによって結露が発生したり、しなかったりする。また、湿度が同じであっても、湿度検知直前の画像形成装置の使用状況によっても結露が発生したり、しなかったりする。例えば、湿度センサで測定された湿度が、基準値をわずかに下回って結露が発生しないと判断される場合であっても、湿度検知直前に多量のコピーを行った場合には、転写材(例えば、紙)中の水分が感光体に付着しているため、実際には、結露が発生している場合がある。このように、湿度センサはあくまでも感光体表面近傍の雰囲気の湿度を検知するものであって、感光体表面の結露の有無を直接的に検知するものではない。そのため、基準値の近傍においては、湿度センサの測定値と感光体表面の結露の有無とがうまく対応しない場合がある、という湿度センサの使用上の問題もあった。
上述の湿度センサを用いた技術では、その構成上、及び使用上の問題により、いずれも感光体上の実際の結露を精度よく検知することができない。そのため、このような問題に起因して、従来、結露があるにもかかわらず、これを除去するための処理が適切になされなかったり、逆に、結露がないにもかかわらず、不要な処理が行われたりする場合があった。
一方、特許文献1の技術では、感光体上に付着したトナーの濃度を濃度センサで直接測定して、その結露の有無を判断している。しかしながら、感光体上のトナーの濃度で結露を判断する場合、トナー自体の結露状態の影響や、レーザースキャナ内部の結露による影響等で、トナーの濃度が変動する場合がある。そのため、特許文献1の技術であっても、精度よく結露を検知することができなかった。
また、上述の従来技術で外気と画像形成装置内部の温湿度を検知する温湿度センサを用いて、外気と画像形成装置内部と温湿度の関係から画像形成装置内部の結露を予測しているが、外気と画像形成装置内部の温度の変化の仕方や、装置内部の部品の熱容量の違いにより温度の上昇の傾向が違う場合があり、結露を誤検知する場合があった。
本発明の目的は、現像スリーブ上のトナーの実際の結露レベルを精度よく検知して、結露を回復するための必要な処理を適切に行い、不要な処理を行わないようにした画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像する現像スリーブと、前記現像スリーブに電圧を印加する現像バイアス印加手段と、を有し、装置内の結露を回復するための結露回復動作を行うことが可能な画像形成装置において、前記現像スリーブから前記電子写真感光体に流れ込む電流を検知する流れ込み電流検知手段と、装置外の環境条件を検知する環境検知手段と、装置の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記流れ込み電流検知手段により検知した流れ込み電流Ia′と、前記環境検知手段により検知した環境条件より、前記現像スリーブ上の現像剤の結露レベルを判定し、その判定した結露レベルに応じて前記結露回復動作を実行することを特徴とする。
本発明によれば、現像スリーブ上のトナーの実際の結露レベルを精度よく検知して、結露を回復するための必要な処理を適切に行い、不要な処理を行わないようにすることができる。
本発明の実施形態である画像形成装置の縦断面図である。 本発明の帯電装置の概念図である。 一般的な定着装置の詳細を表す図である。 本発明の感光体ドラムの層構成を表す図である。 本発明の結露検知手段の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置本体の結露回復動作制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の結露レベルにおける流れ込み電流と結露回復動作実行時間を表した表図である。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。ここで、以下の実施の形態に記載されている装置構成、構成部品、構成部品の寸法、材質、及び形状、その他相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1に、第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施形態では、画像形成装置としてレーザビームプリンタを例示して説明する。
[画像形成装置]
まず、図1及び図2を参照してレーザビームプリンタの構成を説明する。このレーザビームプリンタは、OPCやa−Si等の光導電層を有する像担持体(電子写真感光体)としての感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1は、装置本体Tによって回転自在に支持されており、メインモータ(不図示)によって矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、感光体ドラム1を均一に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ2、静電潜像を形成するための露光手段であるレーザースキャナ3、静電潜像をトナーにより顕像化するための現像装置4、記録材Pに感光体ドラム1上のトナー画像を転写するための転写装置である転写ローラ5、感光体ドラム1上に残留する未転写トナーをクリーニングブレード6aによって回収するクリーニング装置6が配設されている。
また、帯電ローラ2には、帯電ローラ2の表面を清掃する清掃ブラシ回転体40が所定の圧力で押圧されている。清掃ブラシ回転体40は、パイル織物からなるブラシ体43を有し、帯電ローラ2に所定の圧力で押圧されて帯電ローラ2からの駆動入力で回転することにより帯電ローラ表面を清掃する。
装置本体Tの下部には、記録材Pを収納した給送カセット7が配置されており、感光体ドラム1の上部には定着装置(定着手段)8が配置されている。そして、装置本体Tの背面に画像形成動作等を制御する制御部11と帯電ローラ2や現像装置4等に高圧を印加する高圧電源部10が配置されている。制御部11上には、画像形成動作等を実行する指令を出す本体CPU11aや定着の温度制御等を実行する定着CPU11b、およびプログラム等が格納されたメモリ11cが搭載されている。なお、ここでの高圧電源部10上には、直流電源と交流電源によって構成されている帯電印加電源10aと、直流電源と交流電源によって構成されている現像印加電源10bと、正と負の各々の直流電源によって構成される転写印加電源10cとが設けられている。プリンタの動作は、制御部11上の各種CPUがメモリ11cから必要なプログラムを読み出して各種制御を実行することによって実現される。
次に、上述構成のレーザビームプリンタの動作を、(1)帯電〜(2)露光〜(3)現像〜(4)転写〜(5)定着〜(6)クリーニングの順に沿って説明する。
(1)帯電
図2は本実施例での画像形成装置における接触帯電装置の詳細である。図示しないメインモータによって矢印A方向に回転駆動された感光体ドラム1に所定の押圧で接触している帯電ローラ2は矢印B方向に回転駆動し(図1参照)、高圧電源部10の帯電印加電源10aから所定の直流電圧(DC帯電方式)、あるいは所定の直流電圧と所定の交流電圧を重畳した電圧(AC+DC帯電方式)が帯電ローラ2の金属軸を通して帯電ローラ2から帯電バイアスとして印加される。これにより、所定の速度で回転駆動している感光体ドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される(本実施例においては、−500〜−800V)。また、本実施例においては帯電ローラ清掃ブラシ回転体40にも帯電ローラ2に供給している帯電印加電源10aから分岐した同じ極性のバイアスが印加されている。なお、帯電ローラ清掃ブラシ回転体40に印加するバイアスは、帯電ローラ2に印加する高圧電源と共通でも個別の電源でも構わない。
なお帯電ローラ2は、ローラ軸体(導電性支持体、芯金)を有する導電性弾性ローラである。帯電ローラ2は、ローラ軸体の両端部をそれぞれ軸受部材を介して回転自在に支持させ、ローラ軸線を感光体ドラム1のドラム軸線に対してほぼ並行に配列して感光体ドラム1に対して所定の押圧力で接触させて配設されている。本実施例において、この帯電ローラ2は感光体ドラム1の回転に従動して回転する。この帯電ローラ2にはローラ軸体(導電性支持体、芯金)上にパイル織物からなるブラシ43で構成されている帯電ローラ清掃ブラシ回転体40として図示しないバネの加重(本実施例においては片側100〜300gf)によって所定の押圧力で配設されている。なお、本実施例では、帯電ローラ2による接触帯電方式を採用しているが、帯電方式は感光体ドラム1を一様に帯電させるものであれば、接触帯電方式でなくても構わない。
(2)露光
そして帯電後の感光体ドラム1は、その表面に対し露光手段であるレーザースキャナ3によって画像情報に基づいて画像露光がなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。なお、本実施例では半導体レーザ(波長780nm)の走査露光によって露光がなされているが、感光体ドラム1上を露光できる方式であれば半導体レーザーでなくてもLEDアレイによる露光であっても構わない。
(3)現像
露光によって形成された感光体ドラム1上の静電潜像は現像装置4によって現像される。本実施例での現像装置4は、アルミローラ表面にブラスト加工やカーボンをコートして所定の表面粗度を有するようにした現像スリーブ4aを有している。現像装置4は、この現像スリーブ4aに高圧電源部10の現像印加電源10bから所定の直流電圧と所定の交流電圧を重畳した現像バイアス(AC+DC帯電方式)を印加して感光体ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。なお、本実施例での現像方式は、一成分磁性ネガトナーを用いた一成分反転ジャンピング現像方式であるが、他にも感光体ドラム1に対して接触状態で現像する方法(一成分接触現像)や、現像剤であるトナーに対して磁性キャリアを混合し、この現像剤を磁気力により搬送して感光体ドラム1に対して接触状態で現像する方法(二成分接触現像)や、上記二成分現像剤を感光体ドラム1に対して非接触状態で現像する方法(二成分非接触現像法)があり、何れも好適に用いることができる。
(4)転写
感光体ドラム1上に現像されたトナー像は、感光体ドラム1の回転駆動によって転写ローラ5部に回転移動する。このタイミングに合わせて給送カセット7に収納されている記録材Pは、図示しない給送ローラや搬送ローラによって搬送され、感光体ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。そして、転写ニップ部に記録材Pが搬送されるタイミングで高圧電源部10の転写印加電源10cから転写ローラ5に現像剤と反対極性の所定の直流電圧が印加されることによって感光体ドラム1に付着したトナー像が記録材Pに順次静電的に転写される(本実施例においてはトナーがマイナス極性なので、その逆極性に当たるプラスの直流電圧(+1〜5KV)を転写ローラ5に印加している)。本実施例においては感光体ドラム1と接触する接触転写ローラ方式を用いているが、他にもタングステンや金ワイヤに20〜30KVの高電圧を印加して放電させる非接触コロナ放電転写方式でも、ITBからなる転写ベルトにトナー像を転写させた後に記録材Pへ転写させる中間転写ベルト方式でも構わない。また、本実施例における転写ローラ5は金属ローラ軸上にNBRゴム(アクリルニトリルブタジエンゴム)とヒドリンゴムの混合ゴムを発泡させたスポンジゴムを配設したイオン導電性ゴムローラであるが、他にもEPDMゴム(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)にカーボンブラックを分散させた電子導電性ゴムローラでも構わず、何れも好適に用いることができる。
(5)定着
次に図3を用いて定着装置8について説明を行う。静電的にトナー像を担持した記録材Pは、図示しない搬送ガイドに沿って定着装置8に搬送される。定着装置8は、定着部材21あるいは加圧部材22を回転駆動させる定着モータM2と、ガイド部材23に支持されてトナーを加熱する加熱部材20(抵抗体及びアルミナで構成されるセラミックヒータ)と、この加熱部材20を内包する筒状の回転体である定着部材21(表層にPFAやPTFEをコートした厚さ40〜100μmのポリイミドフィルムからなる定着フィルム)と、この定着部材21を加圧して定着ニップ部Nを形成する別の定着回転体で弾性を有する加圧部材22(回転金属軸体22a上に基層となるEPDMゴムやシリコンゴムあるいはフッ素ゴムを発泡させたスポンジゴム層22bとシリコンゴムやフッ素ゴムあるいはフッ素樹脂など耐熱性を有した樹脂から形成される表層22cによって構成される加圧ローラ)とを主要構成部材としてなる。プリント信号を受信すると定着CPU11bは加熱部材20に所定の温度設定にするよう指示し、定着CPU11bはサーミスタ24が所定の温度を検知するまでセラミックヒータ20に通電を行うことで定着ニップ部Nにて加熱をし、未定着のトナーを記録材Pに定着させた後に記録材Pは図示しない機外の排出トレイに排出される。本実施例では、オンデマンド定着方式を用いているがこれに限定されるものではなく、トナーを記録材P上に定着させるものであればヒートローラ方式でも電磁誘導加熱方式でも構わない。
(6)クリーニング
一方、図1に示すようにトナー像転写後の感光体ドラム1は、記録材Pに転写されないで感光体ドラム1表面に残ったトナーや紙粉等がクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去される。クリーニング装置内に捕集されたトナーは図示しない回収トナー搬送スクリューによって機外に排出されて回収トナーボックス内に搬送される。本実施例におけるクリーニングブレード6aは注型タイプを用いたブレードクリーニング装置6である。注型タイプとは型にゴム材などを流し込むことで所望の形状に成形するクリーニングブレードのタイプである。このゴムブレードの材質としては、一般的なものとして例えばポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴム等のエラストマー等適度の弾性と硬度を有する材料であればいずれでもよい。特に、永久歪が小さいことを考えて、2液性熱硬化型ポリウレタン材料を用いることもある。硬化剤としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ハイドロキノンジエチロールエーテル、ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の一般的なウレタン硬化剤を用いることができる。この短冊状のゴムの厚みは通常1.0mm〜4mm、好ましくは1.5mm〜2.0mmが良い。本実施例では、注型タイプのクリーニングブレードを用いているがこれに限定されるものではなく、感光体ドラム上のトナーや紙粉、填料等を除去できるものであれば、板状接着タイプ、挟み込みタイプ、チップタイプのクリーニングブレードでも構わない。また、研磨効果のあるクリーニング方式であれば特にクリーニングブレードに限定されるものではない。
以上の(1)〜(6)動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。
以下に本実施例における、機能材料である感光体ドラム1について詳細に説明する。
[感光体ドラム]
本実施例で用いた感光体ドラム1の概略構成を図4を用いて説明する。ただ、この感光体ドラムについては、長寿命を意識したもので、これに限るものではなく、また、今回説明する表面保護層は無くても良い。
本実施例で用いた積層型の感光体ドラム1は、電荷発生物質を含有する電荷発生層54と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層55を、順次または逆順に積層した構成である。層54+55が感光層である。さらに、感光層53又は54+55上に表面保護層56を形成することも可能である。
また、電子輸送層の膜厚を最適化させるために、膜厚の幅を持たせる意味で、表面保護層56を用いることが良い。少なくとも感光体ドラム1の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。
そして、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性及び耐久性の観点から、積層型の感光体ドラムが好ましい。すなわち、電荷発生層54及び電荷輸送層55を順次積層した機能分離型の感光体構成、または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層56を形成した構成を感光体ドラム1の長寿命化を図るため、本実施例で採用した。
表面保護層56における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
また、電子線を照射する場合においては、感光体ドラム1における電気特性及び耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、15kJ/kg以上500kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
加速電圧が上述の範囲の上限より大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上述の範囲の下限より少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
また、重合または架橋が生じて硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、及び硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含むものが好ましい。
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する分子の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基及びスチレン基を有する化合物が好ましい。
また、不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロノマーを、表層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
また、不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、化合物が電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電化輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
感光体ドラム1の支持体51としては、導電性を有するものであれば良い。具体的には、たとえばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属や、これらの合金を、ドラムまたはシート状に形成したものを挙げることができる。また、アルミニウム及び銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したものを挙げることができる。また、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布することにより導電層を設けた金属、または、プラスチックフィルムや紙などを挙げることができる。
また、導電性支持体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けることができる。
下引き層52は、感光層53又は54+55の接着性改良、塗工性改良、支持体51の保護、支持体51の被覆、支持体51からの電荷注入性改良、または感光層53又は54+55の電気的破壊に対する保護などのために形成される層である。
この下引き層52の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミドを使用することができる。また、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ニカワ及びゼラチンなどを使用することができる。これらの材料は、それぞれに適合した溶剤に溶解されて支持体51の表面に塗布される。そして、この下引き層52の膜厚は、好適には、0.1〜2μmである。
感光体が機能分離型の感光体ドラム1である場合は、電荷発生層54及び電荷輸送層55を積層する。
電荷発生層54に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル(Se−Te)、ピリピウム、チアピリリウム系染料を挙げることができる。また、各種の中心金属及び結晶系、具体的には、たとえばα、β、γ、ε、及びX型などの結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料を挙げることができる。また、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、クナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及びアモルファスシリコンなどを挙げることができる。
また、機能分離型の感光体ドラム1の場合、電荷発生層54は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミルなどの手段によって良好に分散する。そして、その分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、または電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。ここで、この電荷発生層54の膜厚は、典型的には、5μm以下であり、好適には、0.1〜2μmである。
また、結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体及び共重合体を挙げることができる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層54上に電荷輸送層55として用いることができる。または、電荷発生層54上に、電荷輸送層55と結着樹脂とからなる電荷輸送層55を形成した後に、表面保護層56として用いることもできる。
そして、正孔輸送性化合物を表面保護層56として用いた場合、その下層にあたる電荷輸送層55は、適当な電荷輸送物質を、上述の電荷発生層用樹脂から選択可能で適当な結着樹脂とともに溶剤に分散または溶解する。そして、その溶液を、上述の公知の方法によって塗布し、乾燥させて形成することができる。
電荷輸送物質としては、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物を挙げることができる。また、ピラゾリン、イミダゾール、オキサドール、トリアゾール、またはカルバゾールなどの複素環化合物を挙げることができる。また、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレジンアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを挙げることができる。
電荷輸送層55における電化輸送物質の重量が、これらの範囲より小さいと、電荷輸送能が低下し、感度低下や残留電位の上昇などの問題点が発生する。この場合に、本例における電荷輸送層55の厚みは、10〜30μmの範囲である。
いずれの場合も、表面保護層56の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、あらかじめ正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
また、上述の溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、及びスピンコーティングなどが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
また、表面保護層中56においては、導電性粒子を混入させることも可能である。この導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラックなどを挙げることができる。
これらの導電性粒子としての金属は、具体的には、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス及び銀を挙げることができ、さらに、導電性粒子としては、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどを挙げることができる。
また、導電性粒子としての金属酸化物は、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスを挙げることができる。また、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。
また、これらの金属酸化物は、それぞれ単独で用いたり、2種類以上を組み合わせて用いたりすることが可能である。なお、2種以上を組み合わせる場合には、単に混合することも可能であり、固溶体や融着を施すことも可能である。
また、導電性粒子の平均粒径は、表面保護層56の透明性の観点から、0.3μm以下にすることが好ましく、より好適には、0.1μm以下にすることが望ましい。さらに、上述した導電性粒子の材料において、透明性などの観点から金属酸化物を用いることが特に好ましい。
表面保護層56中における導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因の1つである。したがって、保護層の比抵抗は、10〜1013Ωm(1010〜1015Ωcm)の範囲にすることが望ましい。
また、表面保護層56中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することも可能である。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及び、これらの共重合体などが挙げられる。そしてこれらの中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
表面保護層56中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には、5〜40重量%であり、好適には、10〜30重量%である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が、40重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、5重量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。分散性、結着性及び対候性をより向上させるために、表面保護層56中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。表面保護層56の膜厚は、好適には、0.2〜10μmの範囲であり、より好適には、1〜5μmの範囲である。
[トナー]
本例において、静電潜像の現像のために使用されるトナーとしては、色成分剤、結着樹脂、脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂、ワックス、磁性剤等で形成された粒径7μmのものが使用されている。
結着樹脂としては、従来公知の樹脂が使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。かかるポリエステル樹脂はポリオール成分とポリカルボン酸成分から重縮合により合成される。使用されるポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオールが挙げられる。また、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸が挙げられる。また、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸1,2,5ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
また、トナー中に含まれる脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂はワックスの分散助剤として作用する。このため、樹脂中のワックス分散、低温定着性を維持したまま耐オフセット性、粉砕性、現像担持体へのワックスのフィルミングによる帯電劣化が原因の画像濃度低下、像担持体へのフィルミングによる被写体の画像不良の発生が著しく改善される。また、磁性現像剤に添加する場合も同様の効果が得られる。
この芳香族炭化水素共重合石油樹脂は、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィン及びモノオレフィンを原料として合成されたものである。下記のような脂肪族炭化水素モノマーと芳香族炭化水素モノマーを共重合させたものが望ましい。脂肪族炭化水素モノマーは、イソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2から選ばれる少なくも1種以上である。芳香族炭化水素モノマーは、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、イソプロペニルトルエンから選ばれる少なくも1種以上である。
芳香族炭化水素モノマーとしては、モノマー純度の高いピュアモノマーを使用すると、樹脂の着色や、加熱時の臭気を低く押さえることができるのでより好ましい。芳香族炭化水素モノマーの純度としては95%以上、より好ましくは98%以上である。芳香族炭化水素モノマーは、炭素数が9以上のモノマーからなる。このモノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂の場合には、炭素数が9未満の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂に比べて結着樹脂、例えば、ポリエステル樹脂との相溶性がより高くなる。さらに、トナーの粉砕性や熱保存性を満足するために脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合体の構成としては芳香族炭化水素モノマー量が多いほうが好ましい。ただし、芳香族炭化水素モノマーの量が多すぎると、離型剤の分散性が悪くなる。一方、脂肪族炭化水素モノマーが多すぎると、熱保存性等が低下する。そのため、芳香族炭化水素モノマー量と脂肪族炭化水素モノマー量の重量は、99:1〜50:50、より好ましくは98:2〜60:40、さらに好ましくは98:2〜90:10である。また、その使用量としてはトナー結着樹脂100重量部に対して2〜50重量部である。より好ましくは3〜30重量部である。前記石油樹脂の量が2重量部未満の場合、ワックス分散に効果がなく、50重量部を越えるとトナーが過粉砕性されやすくなり、現像機の中でトナーの粒子径が小さくなって、カブリが生じ、画像濃度が低濃度となり、現像性が低下するおそれがある。
更に、トナーの表面に表面処理剤(外添剤)として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。これは、この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性及び帯電性も向上できる。
また、疎水性シリカ以外の微粉体も使用可能である。例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレンやマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、マンガン、クロム、セリウム、ストロンチウム、錫等の酸化物の微粉体も使用可能である。また、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、錫酸バリウム、錫酸カルシウム等の複合金属酸化物である、無機酸化物微粉体も使用可能である。炭酸塩化合物としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等がある。これらの中でもカラートナーでは、疎水性シリカ、モノクロトナーではチタン酸ストロンチウムがよく用いられる。
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、質量として0.1〜20%とする。
上記研摩粒子を表面処理剤として使用することでより効果が増す。ただし、この場合、この研摩剤に限って言えば、質量は1%以下にしなければならない。1%より多くいれると現像性、及び、濃度の低下に影響を及ぼす。
[流れ込み電流検知手段]
次に、図1、図5に基づき、本実施形態に係る流れ込み電流検知手段としての電流検知器9について説明する。図5(a)は結露未発生時の結露検知手段の概略構成図であり、図5(b)は結露発生時の結露検知手段の概略構成図である。
図1及び図5において、9は感光体ドラム1のドラムアースに流れる電流を検知する流れ込み電流検知手段としての電流検知器である。この電流検知器9は、制御部11に接続されている。
画像形成装置本体Tのメイン電源スイッチがオン、もしくはスリープ状態から復帰したと同時に、制御部11は機外温湿度検知手段である温湿度センサ(不図示)により装置外の温湿度を検知し、現像バイアス印加手段である現像印加電源10bにより電圧Vaを現像スリーブ4aに印加する。
また、制御部11には、流れ込み電流検知器9が接続されている。制御部11は、検知温度における電圧Vaを印加した時の所定の電流Ia(=I)を、データが記憶されているメモリ11cから呼び出し、電圧Vaの印加により流れ込み電流検知器9が実際に検知した流れ込み電流Ia′と比較を行う。その結果、例えば、Ia′<10Iaの時は、制御部11は結露未発生と検知する。一方、Ia′≧10Iaの時は、制御部11は所定の電流Iの他に電圧Vaを印加した時に、現像スリーブ4a上の結露トナー表面の水分を伝って流れる流れ込み電流Idが加算されていると判断し、結露発生を検知する。尚、所定の電流Ia(=I)の値は、Ia≒0で1μA以下の値である。
また、制御部11は、結露発生の検知のみならず、流れ込み電流Idの量から結露レベルを判断する。そして、制御部11は、結露発生時の結露レベルに応じて結露回復動作の時間を決定する。
また、流れ込み電流の検知を実施するタイミングは、画像形成装置本体Tのメイン電源スイッチがオン、もしくはスリープ状態から復帰してから帯電バイアスの印加前の間に行う。感光体ドラム1、及び現像スリーブ4aが回転駆動される前に流れ込み電流を検知する方が、より精度の高い現像スリーブ4a上のトナーの結露を検知することが可能である。
図1に基づき、本実施形態に係る画像形成装置本体Tのハードウェア構成の一例について説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置本体Tの各部、各部材の動作制御のため制御部11が設けられている。制御部11は、画像形成装置本体Tを構成する画像形成部の各部と接続され、例えば、感光体ドラム1等の回転、流れ込み電流検知器9による電流検知、帯電、現像、転写、定着等の多様な制御を行う。
そして、例えば制御部11に、本体CPU11a、定着CPU11b等が設けられている。前記本体CPU11a、定着CPU11bは、中央演算処理装置であり、制御用プログラム、データに基づき、画像形成装置本体Tの各部に制御信号を発し、各部からの信号を受け、各種演算等を行う。又、メモリ(記憶部)11cは、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュROM等の揮発性と不揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。メモリ(記憶部)11cは、制御プログラム、制御データ、画像データ、設定データ等のデータを記憶する。
そして、本実施形態の画像形成装置本体Tでは、電源投入時に流れ込み電流検知器9の検知結果から現像スリーブ4a上の結露発生レベルを判定する。この判定の際に、結露未発生と判断した場合は通常画像形成動作に移行する。一方、結露が発生していることを検知した場合は流れ込み電流Idの量から結露レベルを判断し、その結露レベルに応じた結露回復動作の時間を決定し、画像形成動作前にその結露レベルに応じた結露回復動作を行う。そして、結露回復動作のためのプログラムやデータは、メモリ(記憶部)11cに記憶され、制御部11は、結露回復動作実行時、このプログラムに基づき、レーザースキャナ3、感光体ドラム1、現像装置4、クリーニング装置6、定着装置8等を駆使して結露回復動作を行う。
図6に基づき、本実施形態に係る画像形成装置本体Tの結露回復動作の制御について説明する。図6は、本実施形態に係る画像形成装置本体Tの結露回復動作の制御の一例を示すフローチャートである。
図6のスタートは、電源投入時やスリープモードからの復帰時等、予め定められる結露回復動作の実行タイミングに至った場合である。
結露回復動作がスタートすると、まずは、制御部11は、装置外の環境条件を検知する環境検知手段としての機外温湿度検出手段(温湿度センサ)へ機外温湿度の検知を指示する(ステップS1)。次に、機外温湿度検知手段により機外温湿度検知を実施する(ステップS2)。制御部11は、機外温湿度検知手段の検知結果を記憶する(ステップS3)。次に、制御部11は、現像バイアスの印加を指示し(ステップS4)、現像バイアスONを実行する(ステップS5)。
制御部11は、流れ込み電流検知手段(電流検知器9)の検知を指示する(ステップS6)。そして、流れ込み電流検知手段により流れ込み電流の検知を実施する(ステップS7)。
設定された時間が経過したと判断されると、制御部11内の本体CPU11aが流れ込み電流検知手段の検知電流のサンプリングを行い、所定時間(ここでは400msec)にサンプリングしたデータを平均し、その平均値を流れ込み電流Ia′の検知電流とする。
そして、この流れ込み電流Ia′の検知結果と機外温度における所定の電流Ia(=I)を比較する(ステップS8)。比較結果(Ia′≧10Ia)から結露回復動作が必要かを判断する(ステップS9)。これは流れ込み電流検知手段の検知結果から、検知した流れ込み電流Ia′が機外温度における所定の電流Ia(=I)と変わらない場合等、結露回復動作をあえて行う必要がないためである。結露回復動作を行う必要がないと判断されれば(ステップS9のNo)、処理は終了する(エンドへ)。
一方、結露回復動作が必要と判断された場合(ステップS9のYes)、制御部11は、メモリ(記憶部)11cに記憶されるテーブルtbから、結露回復動作実行時間を決定する(ステップS10)。即ち、制御部11は、流れ込み電流検知手段によって検知した、現像スリーブ4a上の結露トナー表面の水分を伝って流れる流れ込み電流Id(≒Ia′)に応じて結露レベルを判断し、検知した流れ込み電流Ia′に基づく結露レベルに応じた結露回復動作実行時間を決定する。そして、決定された結露回復動作実行時間に基づき、制御部11は、各部材に結露回復動作(前多回転延長)を実行させる(ステップS11)。
次に、制御部11は、再度結露回復動作の必要性を確認する(ステップS12)。例えば、完全な結露解消のため、結露の発生レベルが重度の場合に自動的に、または、操作パネル等への入力等により、結露回復動作実行回数が複数回以上(例えば、2回)行う設定であれば、設定された実行回数までに到っていない場合、再度、結露回復動作が必要と判断され(ステップS12のYes)、ステップS10に戻る。一方、再度の結露回復動作が必要なければ(ステップS12のNo)、結露回復動作に関する制御は終了し(エンド)、画像形成装置本体Tは、再度印刷可能状態となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置本体Tの現像スリーブ4a上のトナーが結露しているか否かの判定方法の一例と、図7に基づき、結露発生時の結露レベルの判定方法について説明する。
本実施形態の画像形成装置本体Tは、現像スリーブ4a上のトナーが結露しているか否かを、現像バイアス印加手段である現像印加電源10bにより電圧Vaを現像スリーブ4aに印加して、機外温湿度検知手段である温湿度センサ(不図示)により機外温度を検知し、その機外検知温度における所定の電流Ia(=I)と比較することで判断している。本例では、現像バイアス印加手段である現像印加電源10bにより現像スリーブ4aに印加する電圧Vaは周波数2400Hz、デューティ50%、Vpp800Vの矩形波であり、機外検知温度における電圧Vaを印加時の所定の電流Ia(=I)の値は、Ia≒0で1μA以下の値である。
また、制御部11には、流れ込み電流検知器9が接続されている。制御部11は、検知温度における電圧Vaを印加した時の所定の電流Ia(=I)を、データが記憶されているメモリ11cから呼び出し、電圧Vaの印加により流れ込み電流検知器9が実際に検知した流れ込み電流Ia′(=I+Id)と比較を行う。例えば、本実施形態の場合、Ia′<10Iaの時は結露未発生時とし、Ia′≧10Iaの時は所定の電流Iの他に電圧Vaを印加した時に、現像スリーブ4a上の結露トナー表面の水分を伝って流れる流れ込み電流Idが加算されていると判断し、結露発生を検知する。
また、制御部11は、結露レベルを流れ込み電流Ia′(=I+Id)の量で判断している。制御部11は、結露発生の検知のみならず、結露レベルを流れ込み電流Ia′(=I+Id)の量で判断し、この結露発生時の結露レベルに応じて結露回復動作の時間を決定し、結露回復動作を実行している。
具体的に、結露回復動作とは、温湿度センサの検知結果から、機外の水分量が増加傾向である場合は外気を遮断且つファンF(図1参照)を停止し、機外の水分量が減少傾向であればファンFを回転させて、判定した現像スリーブ4a上の結露回復の動作時間分、定着装置8を所定の設定温度(例えば110℃)に保つように設定し、一定時間、感光体ドラム1及び現像スリーブ4aを回転させて、現像スリーブ4a上の結露したトナー4bの水分を除去、あるいは現像装置4内のトナー4bと撹拌することでトナー4bの水分を分散させて結露回復を行う。
結露レベルに応じて結露回復動作実行時間を長くすることで、定着装置8により画像形成装置本体T内の温度が上昇し、図7に示す結露レベルが大きくても現像スリーブ4a上の結露したトナーの水分の除去が加速される。また、現像スリーブ4a上の結露したトナーを現像装置4内のトナー4bと撹拌する時間も同時に長くなるので、重度の結露レベルであってもトナー4bの水分を分散させることが可能になる。
結露レベルは、現像スリーブ4a上の結露したトナー4bの付着した水分量に応じた流れ込み電流Ia′により判断される。その一例として、示した図が図7のテーブルtbであり、結露レベルに応じた流れ込み電流Ia′の出力値の値と実施すべき結露回復動作の実行時間を示している。
尚、検知温度における電圧Vaを印加した時の所定の電流Ia(=I)の値は、Ia≒0で1μA以下の値であり、流れ込み電流Ia′(=I+Id)はIa≒Id′である。
例えば、流れ込み電流Ia′が0<Ia′<10Iaならば、結露レベルは1で結露回復動作を実行する必要がないと判断され、結露回復動作の実行時間は0秒、即ち不要と定められる。一方、流れ込み電流Ia′が10Ia≦Ia′<50Iaならば、結露レベル2で結露回復動作を実行する必要がありと判断され、結露回復動作の実行時間は20秒と定められる。同様に結露回復動作を実行する必要がある場合、流れ込み電流Ia′が50Ia≦Ia′<100Iaならば、結露レベル3で結露回復動作の実行時間は60秒、流れ込み電流Ia′が100Ia≦Ia′<500Iaならば、結露レベル4で結露回復動作の実行時間は120秒、流れ込み電流Ia′が500Ia≦Ia′<1000Iaならば、結露レベル5で結露回復動作の実行時間は240秒、流れ込み電流Ia′が1000Ia≦Ia′ならば、結露レベル6で結露回復動作の実行時間は300秒と定められる。
尚、図7のテーブルtbに示す結露レベルは、レベル数が大きくなるほど重度の結露である。図7では、結露レベルを6段階に分けた場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、結露レベルを更に細かく段階を分けることで、より多段階のレベル分けを行うことができ、結露回復動作の実行時間も更に多段階に場合分けすることができる。また、本説明の結露回復動作の実行時間は例示であり、適宜設定される。
このようにして、本実施形態によれば、制御部11は電流検知器9の検知結果に応じて、結露回復動作の実行時間を変化させるので、結露の発生レベルに応じて、確実に結露を解消する必要最小限の時間で結露回復動作を行うことができる。また、従来は結露自体の精度の良い検知を行えていなかったが、本実施形態によれば、画像に対して最も影響の出る現像スリーブ4a上のトナー4bに付着した水分量を流れ込み電流Ia′により検知して、そのレベルに応じた結露回復動作を実行することが可能になる。
すなわち、結露レベル及びその結露レベルに応じた結露回復動作の実行時間は、結露したトナー4bに付着した水分量に応じた流れ込み電流Ia′により判断される。その結果、結露の回復が不十分であるために、ユーザーが結露による画像問題を目にする前に結露回復動作を実行することが可能になる。また、結露の発生レベルに合わせて結露回復動作の実行時間を設定しているので、結露の発生レベルが低ければ、結露回復動作の実行時間が短くなるので、消費電力を削減し、又、印刷可能までの使用者の待ち時間を短縮することができる。従って、低ランニングコスト、利便性、生産性の高い画像形成装置(例えば、画像形成装置本体T)を提供することができる。
上記内容の検討ソフトによりIR3045(キヤノン株式会社製)を動作させ、動作確認試験を行った。低温低湿環境下(15℃/10%)で保管していた本体改造したIR3045を高温高湿環境下(30℃/80%)に移動させて、画像出力確認を行った。環境移動後に本体電源ONすると、通常前多回転時間よりも240秒延長した後に画像が出力された。出力紙の画像を確認すると、結露による濃度低下や画像不良は発生しておらず、写真画像、文字画像共に非常に良好で画像上問題ないものとなった。また、同様に環境移動を繰り返し行って、出力画像の確認を行ったが、長期に渡って結露による濃度低下や画像不良は起こらなかった。
更に上記内容の検討用ソフトによりIR3045(キヤノン株式会社製)を動作させ、高温高湿環境(40℃/90%)で動作確認試験を行った。室内の水蒸気量が多い状態で動作確認を行っても結露レベルは1を検知し、結露発生レベルの誤検知によって印刷可能時間の延長が発生することはなかった。
また、同様の動作確認試験を、結露の発生しない条件である高温高湿環境(30℃/80%)から通常環境(23℃/50%)に、本体改造したIR3045を移動させて確認を行ったが、結露レベルは1を検知し、結露発生レベルの誤検知によって印刷可能時間の延長が発生することはなかった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば発明の実施形態では判定した結露レベルに応じて結露回復動作の実行時間を定めているが、判定した結露レベルに応じて結露回復動作における定着装置8の設定温度の高低を決定しても良いし、ファンFの回転速度の高低を決定しても良い。このようにすることで結露回復動作が終了するまでの時間短縮を達成することが可能となる。
F …ファン
P …記録材
T …装置本体
1 …感光体ドラム
2 …帯電ローラ
4 …現像装置
6 …クリーニング装置
6a …クリーニングブレード
8 …定着装置
9 …電流検知器
10 …高圧電源部
10a …帯電印加電源
10b …現像印加電源
10c …転写印加電源
11 …制御部
11a …本体CPU
11b …定着CPU
11c …メモリ

Claims (3)

  1. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像する現像スリーブと、前記現像スリーブに電圧を印加する現像バイアス印加手段と、を有し、装置内の結露を回復するための結露回復動作を行うことが可能な画像形成装置において、
    前記現像スリーブから前記電子写真感光体に流れ込む電流を検知する流れ込み電流検知手段と、
    装置外の環境条件を検知する環境検知手段と、
    装置の動作を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記流れ込み電流検知手段により検知した流れ込み電流Ia′と、前記環境検知手段により検知した環境条件より、前記現像スリーブ上の現像剤の結露レベルを判定し、その判定した結露レベルに応じて前記結露回復動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記結露レベルに応じて前記結露回復動作の実行時間を定めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 記録材に転写された現像剤を加熱することで定着する定着手段を有し、
    前記制御部は、前記結露回復動作として、前記定着手段を所定の設定温度に設定して前記現像スリーブを回転させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
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