JP2015031670A - 成分濃度分析装置及び成分濃度分析方法 - Google Patents

成分濃度分析装置及び成分濃度分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象成分の成分濃度の測定精度を改善すること。【解決手段】第2の光源106からの光の波長λ2を所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号Srの変化を求め、その波長範囲での吸光度変化に対する規格化用光音響信号Srの変化の比を比例係数C’として算出し、合波された光を照射した際に検出される差分光音響信号Sdを当該比例係数C’で除算することにより被測定物内のグルコース等による吸光度α(g)を求めてその成分濃度を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、人間又は動物の成分濃度を非侵襲に測定する技術に関する。
血液を採取することなく血糖値等の成分濃度を測定する成分濃度分析装置がある(特許文献1)。皮膚内に電磁波を照射して血液成分に吸収させ、血液成分からの熱放射によって局所的に熱膨張を起こし、その熱膨張によって生体内から発生する音波を観測する光音響法が用いられる。
具体的には、互いに逆相な波長λと波長λの2つの強度変調光を合波して被測定物に出射する。そして、その被測定物の成分に吸収されて発生する音波を検出し、その音波の大きさから被測定物内の測定対象成分の濃度を測定する。
ここで、例えば、波長λと波長λは、被測定物内の背景成分である水による吸収度が互いに等しくなるように設定されている。また、波長λは、被測定物内の測定対象成分であるグルコースによる吸収度が極大になるように設定されている。
このような異なる2つの波長の光を出射した場合、波長λの光をグルコースと水の両方が吸収して被測定物から発生する音波と、波長λの光を水が吸収して被測定物から発生する音波とは、周波数が等しくかつ逆位相であることから、被測定物の内部で重畳し、音波の差として、グルコースが吸収して被測定物から発生する音波の大きさのみが残留する。
すなわち、検出された音波の大きさAは、波長λの光のみを用いて計測した音波の大きさAと波長λの光のみを用いて計測した音波の大きさAとの差分に相当し、グルコースの吸収のみに基づく大きさとなる。
また、Aは、被測定物に照射する光の大きさIと被測定物の吸光度αとの積に比例するため、式(1)が成立する。Cは、音波測定系の誤差の要因を含んだ比例係数である。
=C×(α×I) ・・・(1)
さらに、被測定物の吸光度αは、水による光の吸光度α(w)が差分検出により相殺するため、式(2)に示すように、グルコースによる光の吸光度α(g)に等しい値と考えることができる。
α=α(g)+α(w)=α(g) ・・・(2)
そして、式(2)を式(1)に代入して変形し、変形後の式(3)にAとC’の夫々の値を代入してα(g)の値を求め、求めたα(g)からグルコースの成分濃度を算出する。
α(g)=A÷(C×I)=A÷C’ ・・・(3)
このとき、Iを含むC’は、制御又は予想が困難な係数である。例えば、音響結合、音波検出器の感度、光出射端部と被測定物との間の距離、被測定物の比熱、被測定物の熱膨張係数、被測定物での音速、発振器の発振周波数、被測定物の吸光度にも依存する未知数である。
そこで、従来では、2つの光のうち一方の光を用いて検出した規格化用音波の大きさA’で比例係数C’を規格化していた。つまり、規格化用音波の大きさA’を比例係数C’とし、AをA’で除算することによりα(g)を求めていた。
参考までに、従来の成分濃度分析方法の処理フローを図9に示す。
特開2007−89662号公報
しかしながら、吸光度αに依存しないことを前提に比例係数C’を規格化しているため、音波測定系を備えるキャビティ内や被測定物内での共振モードの発生によって比例係数C’が吸光度αに強く依存する場合、比例係数C’を規格化できず定量誤差が生ずるという課題があった。
つまり、検出された音波の振幅及び位相は、被測定物内での音響共振により、キャビティのサイズや被測定物の内部構造に依存している。そのため、それらの変動により検出音波の振幅及び位相が変化し、定量誤差が生じてしまう。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、測定対象成分の成分濃度の測定精度を改善することを目的とする。
請求項1に記載の成分濃度分析装置は、同一の周波数で互いに逆位相の信号により強度変調された異なる2つの波長の光をそれぞれ出力する光出力手段と、前記2つの光を合波する光合波手段と、前記合波された光又は一方の光のみを被測定物に照射する光照射手段と、前記照射により被測定物の内部で発生した音波を検出する音波検出手段と、前記検出された音波の大きさに基づく光音響信号を用いて被測定物内の測定対象成分の濃度を算出する成分濃度算出手段と、を有し、前記成分濃度算出手段は、前記一方の光の波長を所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号の変化を求め、前記波長範囲での吸光度変化に対する前記規格化用光音響信号の変化の比を算出し、前記合波された光を照射した際に検出される光音響信号を前記比で除算することにより前記測定対象成分の吸光度を求め、当該吸光度に基づき前記測定対象成分の濃度を算出することを要旨とする。
請求項2に記載の成分濃度分析装置は、請求項1に記載の成分濃度分析装置において、前記成分濃度算出手段は、温度変化による前記測定対象成分の吸光度の変化量を更に用いて前記測定対象成分の濃度を算出することを要旨とする。
請求項3に記載の成分濃度分析装置は、請求項1又は2に記載の成分濃度分析装置において、前記成分濃度算出手段は、前記周波数を可変した際に検出される複数の規格化用光音響信号から前記比の最も大きい光音響信号の周波数を特定し、当該周波数の光を用いて求められた前記測定対象成分の吸光度に基づき当該測定対象成分の濃度を算出することを要旨とする。
請求項4に記載の成分濃度分析装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の成分濃度分析装置において、前記成分濃度算出手段は、前記測定対象成分の吸光度変化よりも被測定物内の被測定対象成分の吸光度変化が大きい波長範囲で掃引することを要旨とする。
請求項5に記載の成分濃度分析装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の成分濃度分析装置において、前記2つの波長は、被測定物内の被測定対象成分の呈する吸収が互いに等しくなるように設定され、前記2つの波長のうち一方の波長は、前記測定対象成分の呈する吸収が極大となるように設定されていることを要旨とする。
請求項6に記載の成分濃度分析方法は、同一の周波数で互いに逆位相の信号により強度変調された異なる2つの波長の光をそれぞれ出力する光出力ステップと、前記2つの光を合波する光合波ステップと、前記合波された光又は一方の光のみを被測定物に照射する光照射ステップと、前記照射により被測定物の内部で発生した音波を検出する音波検出ステップと、前記検出された音波の大きさに基づく光音響信号を用いて被測定物内の測定対象成分の濃度を算出する成分濃度算出ステップと、を有し、前記成分濃度算出ステップは、前記一方の光の波長を所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号の変化を求め、前記波長範囲での吸光度変化に対する前記規格化用光音響信号の変化の比を算出するステップと、前記合波された光を照射した際に検出される光音響信号を前記比で除算することにより前記測定対象成分の吸光度を求めるステップと、当該吸光度に基づき前記測定対象成分の濃度を算出するステップと、を有することを要旨とする。
請求項7に記載の成分濃度分析方法は、請求項6に記載の成分濃度分析方法において、前記成分濃度算出ステップは、温度変化による前記測定対象成分の吸光度の変化量を更に用いて前記測定対象成分の濃度を算出することを要旨とする。
請求項8に記載の成分濃度分析方法は、請求項6又は7に記載の成分濃度分析方法において、前記成分濃度算出ステップは、前記周波数を可変した際に検出される複数の規格化用光音響信号から前記比の最も大きい光音響信号の周波数を特定し、当該周波数の光を用いて求められた前記測定対象成分の吸光度に基づき当該測定対象成分の濃度を算出することを要旨とする。
以上より、本発明によれば、一方の光の波長を所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号の変化を求め、その波長範囲での吸光度変化に対する規格化用光音響信号の変化の比を算出し、合波された光を照射した際に検出される光音響信号を当該比で除算することにより被測定物内の測定対象成分の吸光度を求めるため、測定対象成分の成分濃度の測定精度を向上することができる。
本発明によれば、測定対象成分の成分濃度の測定精度を向上できる。
第1の実施の形態に係る成分濃度分析装置の基本構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る成分濃度分析方法の処理フローを示す図である。 水とグルコース水溶液の吸光度スペクトル特性を示す図である。 第1の実施の形態に係る吸光度と規格化用光音響信号の振幅との関係を示す図である。 グルコース水溶液の吸光度温度依存特性を示す図である。 第2の実施の形態に係る成分濃度分析装置の基本構成を示す図である。 第2の実施の形態に係る成分濃度分析方法の処理フローを示す図である。 第2の実施の形態に係る吸光度と規格化用光音響信号の振幅との関係を示す図である。 従来の成分濃度分析方法の処理フローを示す図である。
本発明は、被測定物の吸光度変化による音源分布の変化に対する光音響信号の比例係数を校正することにより、測定対象成分の成分濃度の測定精度を向上するようにしている。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る成分濃度分析装置1の基本構成を示す図である。この成分濃度分析装置1は、発振器101と、第1の駆動回路102と、第1の光源103と、180°移相器104と、第2の駆動回路105と、第2の光源106と、光合波器107と、音波検出器109と、増幅器110と、波形観測器111と、記録・演算装置112とを備えて構成される。以下、説明する。
発振器101は、第1の光源103と第2の光源106から出力される夫々の光を強度変調するための変調信号を出力する。180°移相器104は、発振器101からの変調信号のうち一方を反転して出力する。
第1の駆動回路102は、発振器101からの変調信号を基に第1の光源103を駆動させる。また、第2の駆動回路105は、180°移相器104で反転された変調信号を基に第2の光源106を駆動させる。
第1の光源103は、第1の駆動回路102からの信号により波長λの光を強度変調して出力する。また、第2の光源106は、第2の駆動回路105からの信号により波長λの光を強度変調して出力する。これにより、異なる2つの波長の光を同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出力することができる。なお、波長λは可変可能である。
ここで、波長λと波長λは、被測定物3を構成している背景成分(被測定対象成分)の呈する吸収が互いに等しくなるように設定されている。例えば、被測定物3が生体であり、測定対象成分がグルコースやコレステロールの場合、被測定物3の大部分を示す水による吸収度が互いに等しい波長である。
また、波長λは、測定対象成分の呈する吸収が極大となるように設定されている。例えば、グルコースやコレステロールによって最も良く吸収される波長である。1600nm又は2100nmであることが好ましい。このとき、第1の光源103から出力される連続光が測定光となり、第2の光源106から出力される連続光が参照光となる。
このような第1の光源103及び第2の光源106は、波長を可変可能であり、連続的に強度変調した光を出力可能な光源であればよい。例えば、DFB(Distributed Feedback)半導体レーザを用いることができる。また、波長可変レーザを用いる場合、温度調整により発振周波数を変化させる方法や外部共振器を用いる方法等がある。その他、固体レーザも用いることも可能であり、プリズムや回折格子等の分散素子を利用して所定の波長を取り出すようにしてもよい。
光合波器107は、第1の光源103からの測定光と第2の光源106からの参照光とを合波し、合波された光又は合波されていない一方の光(測定光又は参照光)のみを光ファイバ108により先端の光出射端部まで導いて被測定物3に照射する。被測定物3の表面形状に合わせて、光出射端部に直角プリズム、光ファイバコリメータ、フィルール等を接着してもよい。
音波検出器109は、光合波器107の光出射端部から一定距離の位置に配置され、光合波器107から出射された光により被測定物3の内部で発生する音波を検出し、その音波の大きさ(振幅)に比例した電気信号に変換して光音響信号として出力する。例えば、マイクロフォンや圧電素子を用いることができる。
具体的には、低電圧電源(不図示)から第1の駆動回路102及び第2の駆動回路105に電圧が供給された場合には、合成光を用いて音波を検出し、測定光と参照光との差分を大きさAとする差分光音響信号Sを出力する。また、低電圧電源から第2の駆動回路105にのみ電圧が供給された場合には、参照光のみを用いて音波を検出し、規格化用光音響信号Sを出力する。
増幅器110は、音波検出器109から出力された光音響信号を増幅する。波形観測器111は、増幅後の光音響信号の振幅及び位相を測定する。波形観測器111に加え、位相検波増幅器により検波増幅して光音響信号の振幅及び位相を測定してもよい。
記録・演算装置112は、被測定物3を構成している背景成分(被測定対象成分)と測定対象成分の夫々の吸収度スペクトルを記憶しておくデータベースを備え、測定された差分光音響信号Sと規格化用光音響信号Sとの振幅及び位相から測定対象成分の濃度を算出する。例えば、メモリやCPUを備えたコンピュータ等を用いることができる。
次に、成分濃度分析装置1で行う成分濃度分析方法について説明する。図2は、成分濃度測定方法の処理フローを示す図である。
まず、波長可変光源である第2の光源106のみを動作させ、波長λを所定の波長範囲で掃引し、その掃引の際に検出された光音響信号を規格化用光音響信号Sとしてその変化を波形観測器111や記録・演算装置112で計測する(ステップS101)。
ここで、常温における水とグルコース水溶液の吸光度スペクトル特性を図3に示す。縦軸は吸光度αを示し、横軸は光の波長λを示している。また、実線は水の吸光度特性を示し、破線はグルコース水溶液の吸光度特性を示している。
本実施の形態では、水の吸光度の変化が大きい1.3μ帯における波長λ20から波長λ21の間を波長範囲とする。波長範囲は、分析する成分濃度に対する吸光度変化よりも水の吸光度変化の十分大きくなる範囲であればよく、例えば、数ナノ〜数十ナノメートルの範囲とする。特に1.3μ帯においては、例えば、生理血糖値の十倍に相当する吸光度の変化が生じる数ナノメートルの範囲としてもよい。
また、波長範囲は、短波長帯側である1.3μ帯、長波長帯側である1.5μ帯のいずれを用いてもよい。すなわち、図3より、1.5μ帯における波長λ20’から波長λ21’の間を波長範囲としてもよいし、更には、第1の光源103を波長可変光源としてもよい。
ここで、波長λ20から波長λ21の間を波長範囲とした場合における、吸光度αと規格化用光音響信号Sの大きさAとの関係を図4に示す。縦軸は規格化用光音響信号Sの大きさAを示し、横軸は吸光度αを示している。なお、吸光度は、分光器等により予め計測した既知の吸光度スペクトルの値を用いている。
図4から分かるように、被測定物3の吸光度αと規格化用光音響信号Sの大きさAとは比例関係にある。すなわち、前述の式(1)に示したように、A=C×(α×I)=C’×αが成立している。
そこで、次に、記録・演算装置112において、ステップS101の測定結果を用いて、最小自乗法等により吸光度αの変化に対する規格化用光音響信号Sの変化の比を直接的に求めることにより、前述の比例係数C’を算出し、記録する(ステップS102)。
つまり、従来は規格化用音波の大きさA’で比例係数C’を規格化していたが、本実施の形態では、吸光度αの変化に対する規格化用光音響信号Sの変化の比を比例係数C’とする。
なお、被測定物3に照射する光の大きさIは、フォトディテクターにより検出して記録し後に校正してもよいし、フォトディテクターの出力電圧をモニタして第2の光源106からの出力が一定となるように制御してもよい。
次に、第1の光源103及び第2の光源106を共に動作させ、波長λの測定光と波長λの参照光とを合波した光を光合波器107から出射し、合波光により被測定物3の内部で発生する音波を音波検出器109で検出して、その音波に基づく差分光音響信号Sの大きさAを波形観測器111で計測し記録・演算装置112で記録する(ステップS103)。
ここで、本実施の形態では、波長λと波長λが、被測定物3の大部分を占める水による吸収度が互いに等しくなるように設定されている。また、波長λは、グルコースによる吸収度が極大になるように設定されている。このような異なる2つの波長の光を出射すると、グルコースが吸収して被測定物から発生する音波の大きさのみが検出されるため、測定光と参照光との差分に基づく差分光音響信号Sの大きさAが計測される。
次に、記録・演算装置112において、ステップS103で計測された差分光音響信号Sの大きさAと、ステップS102で算出された比例係数C’を前述の式(3)に代入して計算することにより、グルコースによる光の吸光度α(g)(=A÷C’)を計算し(ステップS104)、被測定物3のモル濃度Mを式(4)から算出する(ステップS105)。α (g)は、分光器等により予め求めた既知の値である。
M=α(g)÷α (g) ・・・(4)
なお、新たな測定の都度、式(4)に従いモル濃度Mを求めてもよいが、さらに連続的に測定する場合には、差分光音響信号Sの大きさAの変化から吸光度変化Δα(g)を式(5)から算出してもよい。
Δα(g)=ΔA÷C’ ・・・(5)
Δα(g)は式(6)に示すように被測定物3のモル濃度変化ΔMとモル吸光度α (g)の積に対応するため、記録・演算装置112において、それを変形した式(7)に式(5)の計算結果を代入してグルコースのモル濃度変化ΔMを算出する。
Δα(g)=ΔM×α (g) ・・・(6)
ΔM=Δα(g)÷α (g) ・・・(7)
以上、成分濃度分析方法について説明した。なお、比例係数C’は、ステップS103〜ステップS105の実行前に求めてもよいし、S103以降での測定毎に求めてもよい。
また、式(4)によらず、実際の採血測定により、モル濃度Mの初期値を求めた後に、差分光音響信号Sの大きさの変化ΔAを測定して、被測定物3のモル濃度変化ΔMを求めてもよい。
ここで、背景成分や測定対象成分の吸収度スペクトルは、波長λの値により温度に依存して変化する。グルコース水溶液の吸光度温度依存特性を図5に示す。縦軸は吸光度αを示し、横軸は温度tempを示している。
温度変化により吸光度が大きく変化する場合、例えば、温度変化によるグルコースの吸光度変化Δαtemp (g)を直接計測して既知の吸光度スペクトルから求めるか、若しくは、光の吸収量から温度変化ΔTを推定計算して既知の吸光度スペクトルから求めるようにする。
この場合、式(6)をΔα(g)=ΔM×α (g)+Δαtemp (g)と記述できるため、それを変形した式(8)を用いてグルコースのモル濃度変化ΔMを算出する。
ΔM=(Δα(g)−Δαtemp (g))÷α (g) ・・・(8)
以上より、本実施の形態によれば、第2の光源106からの光の波長λを所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号Sの変化を求め、その波長範囲での吸光度変化に対する規格化用光音響信号Sの変化の比を比例係数C’として算出し、合波された光を照射した際に検出される差分光音響信号Sを当該比例係数C’で除算することにより被測定物内のグルコース等による光の吸光度α(g)を求めるので、被測定物3の吸光度変化による音源分布の変化に対する光音響信号の比例係数C’が校正されていることから、測定の定量誤差が低減され、人間又は動物に含まれる測定対象の成分濃度の測定精度を向上できる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。図6は、第2の実施の形態に係る成分濃度分析装置1の基本構成を示す図である。この成分濃度分析装置1は、発振器101の周波数が可変であり、それ以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
被測定物3の内部では複数の共振モードが形成される可能性がある。また、夫々の共振モードにおいて規格化用光音響信号Sの大きさAと比例係数C’は異なっている。そこで、本実施の形態では、変調周波数fを変化させ、規格化用光音響信号Sの大きさAが所定の信号雑音比(SN比)を満たしつつも、共振モード間で最も比例係数C’が大きい、すなわち、最も感度が高いモードを選択することにより最適化を行うようにする。
具体的には、まず、背景成分の吸光度と被測定物3の吸光度の比からSN比を決定する。例えば、水と生理グルコース濃度の吸光度比からおよそ1000以上と決定する。
そして、発振器101の周波数fを掃引しつつ、決定したSN比の範囲内において図4に示したような吸光度αと規格化用光音響信号Sの大きさAの関係を計測し、先のSN比を満たしつつ比例係数C’が最大となる周波数fmaxを求める。そして、その周波数fmaxを測定用周波数として発振器101に設定し、図2に示したステップS103〜ステップS105を実行する。
以下、図7を参照しながら、本実施の形態に係る成分濃度分析方法について説明する。
まず、発振器101の周波数fをfに変更する(ステップS201)。次に、ステップS101〜ステップS102と同様の処理を実行(ステップS202〜ステップS203)し、周波数fの変更回数の上限に到達するまでステップS201〜ステップS203を繰り返し実行する(ステップS204)。
このときに計測される吸光度αと規格化用光音響信号Sの大きさAとの関係を図8に示す。例えば、発振器101の周波数fをf〜fに変更して夫々について測定した場合、各周波数に対応する規格化用光音響信号Sが夫々測定される。
そこで、次に、記録・演算装置112において、測定された複数の規格化用光音響信号Sに対応する各比例係数C’〜C’を求め、それら複数の比例係数C’〜C’のうち値が最大となる比例係数C’に対応する規格化用光音響信号Sの周波数fmaxを特定し、測定用周波数として発振器101に設定する(ステップS205)。以降、ステップ103〜ステップS105と同様の処理を実行する(ステップS206〜ステップS208)。
以上より、本実施の形態によれば、周波数fを可変した際に検出される複数の規格化用光音響信号Sから比例係数C’の最も大きい規格化用光音響信号Sの周波数fmaxを特定し、その周波数fmaxを用いてグルコース等による光の吸光度α(g)を求めるので、小さい吸光度変化に対しても大きい振幅変化が得られることから感度が向上し定量限界を下げることができ、測定対象の成分濃度の測定精度を更に向上できる。
1…成分濃度分析装置
101…発振器
102…第1の駆動回路
103…第1の光源(光出力手段)
104…180°移相器
105…第2の駆動回路
106…第2の光源(光出力手段)
107…光合波器(光合波手段、光照射手段)
108…光ファイバ(光照射手段)
109…音波検出器(音波検出手段)
110…増幅器
111…波形観測器
112…記録・演算装置(成分濃度算出手段)
3…被測定物
S101〜S105、S201〜S208…ステップ

Claims (8)

  1. 同一の周波数で互いに逆位相の信号により強度変調された異なる2つの波長の光をそれぞれ出力する光出力手段と、
    前記2つの光を合波する光合波手段と、
    前記合波された光又は一方の光のみを被測定物に照射する光照射手段と、
    前記照射により被測定物の内部で発生した音波を検出する音波検出手段と、
    前記検出された音波の大きさに基づく光音響信号を用いて被測定物内の測定対象成分の濃度を算出する成分濃度算出手段と、を有し、
    前記成分濃度算出手段は、
    前記一方の光の波長を所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号の変化を求め、前記波長範囲での吸光度変化に対する前記規格化用光音響信号の変化の比を算出し、前記合波された光を照射した際に検出される光音響信号を前記比で除算することにより前記測定対象成分の吸光度を求め、当該吸光度に基づき前記測定対象成分の濃度を算出することを特徴とする成分濃度分析装置。
  2. 前記成分濃度算出手段は、
    温度変化による前記測定対象成分の吸光度の変化量を更に用いて前記測定対象成分の濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の成分濃度分析装置。
  3. 前記成分濃度算出手段は、
    前記周波数を可変した際に検出される複数の規格化用光音響信号から前記比の最も大きい光音響信号の周波数を特定し、当該周波数の光を用いて求められた前記測定対象成分の吸光度に基づき当該測定対象成分の濃度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の成分濃度分析装置。
  4. 前記成分濃度算出手段は、
    前記測定対象成分の吸光度変化よりも被測定物内の被測定対象成分の吸光度変化が大きい波長範囲で掃引することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成分濃度分析装置。
  5. 前記2つの波長は、被測定物内の被測定対象成分の呈する吸収が互いに等しくなるように設定され、前記2つの波長のうち一方の波長は、前記測定対象成分の呈する吸収が極大となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成分濃度分析装置。
  6. 同一の周波数で互いに逆位相の信号により強度変調された異なる2つの波長の光をそれぞれ出力する光出力ステップと、
    前記2つの光を合波する光合波ステップと、
    前記合波された光又は一方の光のみを被測定物に照射する光照射ステップと、
    前記照射により被測定物の内部で発生した音波を検出する音波検出ステップと、
    前記検出された音波の大きさに基づく光音響信号を用いて被測定物内の測定対象成分の濃度を算出する成分濃度算出ステップと、を有し、
    前記成分濃度算出ステップは、
    前記一方の光の波長を所定の波長範囲で掃引した際に検出される規格化用光音響信号の変化を求め、前記波長範囲での吸光度変化に対する前記規格化用光音響信号の変化の比を算出するステップと、
    前記合波された光を照射した際に検出される光音響信号を前記比で除算することにより前記測定対象成分の吸光度を求めるステップと、
    当該吸光度に基づき前記測定対象成分の濃度を算出するステップと、を有することを特徴とする成分濃度分析方法。
  7. 前記成分濃度算出ステップは、
    温度変化による前記測定対象成分の吸光度の変化量を更に用いて前記測定対象成分の濃度を算出することを特徴とする請求項6に記載の成分濃度分析方法。
  8. 前記成分濃度算出ステップは、
    前記周波数を可変した際に検出される複数の規格化用光音響信号から前記比の最も大きい光音響信号の周波数を特定し、当該周波数の光を用いて求められた前記測定対象成分の吸光度に基づき当該測定対象成分の濃度を算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の成分濃度分析方法。
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