JP2015031450A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パワーデバイスにおいて発生する熱を有効利用することができる空気調和装置を提供する。【解決手段】空気調和装置10は、圧縮機21、熱源側熱交換器22、膨張機構23及び利用側熱交換器31を含む冷媒回路40と、圧縮機21を制御するパワーデバイス51を含む電装品モジュール50と、冷媒回路40を流れる冷媒によってパワーデバイス51を冷却する伝熱部材70と、を備える。冷媒回路40は、利用側熱交換器31と膨張機構23との間に設けられた熱交換回路41を含み、暖房運転において熱交換回路41を流れる冷媒は、伝熱部材70においてパワーデバイス51と熱交換した後、熱源側熱交換器22の下部を経由する。【選択図】図1
Description
本発明は、冷媒回路を流れる冷媒によってパワーデバイスを冷却することができ、暖房運転において熱源側熱交換器の着霜を抑制できる空気調和装置に関する。
従来、空気調和装置の暖房運転において、熱源ユニットにおける熱源側熱交換器の表面温度が外気の露点温度より低くなり且つ0℃以下となる場合、熱源側熱交換器において着霜が生じることがある。この場合、一時的に暖房運転を中断し、利用ユニットにおける送風機を停止した上で冷房運転に切替えることにより熱源側熱交換器の除霜を行うことができる。また、特許文献1には、放熱器からの冷媒が蒸発器の下部を経由することにより、蒸発器の凍結を防止するヒートポンプシステムが開示されている。
ところで、空気調和装置には容量可変の圧縮機を備えたものが知られており、この圧縮機の容量は、例えばIGBTなどのパワーデバイスを含むインバータ装置(電力変換装置)によって制御される。この空気調和装置では、圧縮機の運転中にパワーデバイスが発熱するので、この発熱によってインバータ装置内の半導体素子が損傷するのを防ぐための対策が必要となる。特許文献2には、冷媒回路を流れる冷媒によってパワーデバイスを冷却する空気調和装置が提案されている。
しかしながら、特許文献2の空気調和装置では、パワーデバイスにおいて発生する熱が有効利用されていない。
本発明の目的は、パワーデバイスにおいて発生する熱を有効利用することができる空気調和装置を提供することである。
本発明の空気調和装置は、冷媒回路(40)と、電装品モジュール(50)と、伝熱部材(70)とを備える。前記冷媒回路(40)は、圧縮機(21)、熱源側熱交換器(22)、膨張機構(23)及び利用側熱交換器(31)を含む。前記電装品モジュール(50)は、パワーデバイス(51)を含む。前記伝熱部材(70)は、前記冷媒回路(40)を流れる冷媒によって前記パワーデバイス(51)を冷却するための部材である。前記冷媒回路(40)は、前記利用側熱交換器(31)と前記膨張機構(23)との間に設けられた熱交換回路(41)を含む。前記熱交換回路(41)は、暖房運転時に前記熱交換回路(41)を流れる冷媒が前記伝熱部材(70)及び前記熱源側熱交換器(22)の下部をこの順に経由するように設けられている。
本発明では、暖房運転において熱交換回路(41)を流れる冷媒が伝熱部材(70)においてパワーデバイス(51)と熱交換した後、熱源側熱交換器(22)の下部を経由するので、パワーデバイス(51)において発生する熱を有効利用することができる。具体的には次の通りである。
暖房運転において熱交換回路(41)を流れる冷媒が伝熱部材(70)においてパワーデバイス(51)と熱交換するとき、パワーデバイス(51)は冷却される一方で熱交換回路(41)を流れる冷媒は加熱される。本発明は、このように伝熱部材(70)での熱交換によってパワーデバイス(51)の熱が冷媒に蓄積されることに着目することによって生まれた発明である。本発明では、冷媒に蓄積された熱を熱源側熱交換器(22)の下部に与えて着霜を抑制することに利用するので、パワーデバイス(51)において発生する熱を有効利用できる。また、本発明では、パワーデバイス(51)の熱が蓄積された冷媒を熱源側熱交換器(22)の下部を経由させるので、パワーデバイス(51)の熱が冷媒に蓄積されていない場合と比較して、熱源側熱交換器(22)の下部に与える熱量を大きくすることができる。これにより、熱源側熱交換器(22)における着霜の進行を遅らせることができる。
前記空気調和装置において、前記冷媒回路(40)は、バイパス回路(42)と、切換機構(43,44)又は冷媒量変更機構(45,46)と、を含んでいるのが好ましい。前記バイパス回路(42)は、前記利用側熱交換器(31)と前記膨張機構(23)との間に設けられ、前記熱交換回路(41)をバイパスする。前記切換機構(43,44)は、前記熱交換回路(41)及び前記バイパス回路(42)のいずれかに冷媒の流路を切り換える。前記冷媒量変更機構(45,46)は、前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量及び前記バイパス回路(42)を流れる冷媒量を変更可能である。
この構成では、冷媒回路(40)が熱交換回路(41)だけでなくこれをバイパスするバイパス回路(42)をさらに含み、必要に応じて切換機構(43,44)が冷媒の流路を切り換えることができ、又は必要に応じて冷媒量変更機構(45,46)が熱交換回路(41)を流れる冷媒量及びバイパス回路(42)を流れる冷媒量を変更することができる。したがって、例えば熱交換回路(41)に冷媒を流す必要性が低い場合には熱交換回路(41)に冷媒を流さない、又は熱交換回路(41)に流す冷媒量を小さくすることができる。これにより、熱交換回路(41)において冷媒に熱が蓄積される(冷媒が加熱される)ことに起因する弊害が生じるのを抑制できる。前記弊害としては、例えば液冷媒のフラッシュによって膨張機構(23)の能力が低下するという弊害を例示できる。
なお、前記切換機構(43,44)としては、開閉動作可能な電磁弁などの開閉弁が例示できる。前記冷媒量変更機構(45,46)としては、弁開度の調節が可能な電動膨張弁などの冷媒量調整弁が例示できる。電磁弁などの開閉弁は、熱交換回路(41)及びバイパス回路(42)から冷媒の流路を選択するのに対し、電動膨張弁などの冷媒量調整弁は、このような冷媒の流路の選択も可能であり、両方の回路に冷媒を分流することも可能であり、それぞれの回路に流す冷媒量を適宜調整することも可能である。したがって、前記冷媒量調整弁は、開閉弁に比べてより細かい冷媒量調整が可能になり、空気調和装置10の運転制御を行いやすくなる。
前記空気調和装置は、前記切換機構(43,44)又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御する制御部(61)と、前記熱源側熱交換器(22)において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する着霜判定部(63)と、を備え、前記着霜判定部(63)が前記着霜状態であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路を前記熱交換回路(41)にしてもよく、又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量を増やしてもよい。
この構成では、着霜判定部(63)の判定に基づいて制御部(61)が切換機構(43,44)又は冷媒量変更機構(45,46)を制御するので、着霜の進行を遅らせる必要性が高いときには冷媒を熱交換回路(41)に確実に流すことができる。
前記空気調和装置は、前記電装品モジュール(50)において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する結露判定部(64)を備え、前記結露判定部(64)が前記結露状態であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路を前記バイパス回路(42)にしてもよく、又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量を減らしてもよい。
この構成では、結露判定部(64)が結露状態であると判定すると、制御部(61)が切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路をバイパス回路(42)にする、又は冷媒量変更機構(45,46)を制御して熱交換回路(41)を流れる冷媒量を減らすので、熱交換回路(41)に流れる冷媒によって伝熱部材(70)が冷却される効果を低減することができる。これにより、電装品モジュール(50)において結露が生じる可能性があるときに、電装品モジュール(50)において結露の発生が促進されるのを抑制できる。
前記空気調和装置は、前記着霜判定部(63)が前記着霜状態であると判定し、且つ、前記結露判定部(64)が前記結露状態であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路を前記熱交換回路(41)にしてもよく、又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量を増やしてもよい。
この構成では、着霜状態であり、且つ、結露状態であると判定されると、バイパス回路(42)に冷媒を流すことよりも熱交換回路(41)に冷媒を流すことを優先する。すなわち、この構成では、結露の進行を抑制することよりも、着霜の進行を抑制することを優先している。これにより、着霜による能力低下状態が続き、利用ユニット(30)において暖風を送風できない事態を回避することができる。
前記空気調和装置は、前記パワーデバイス(51)の冷却が必要であるか否かを判定する冷却判定部(65)を備え、前記着霜判定部(63)が前記着霜状態でないと判定し、且つ、前記冷却判定部(65)が前記パワーデバイス(51)の冷却が不要であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して冷媒を前記熱交換回路(41)に流さずに前記バイパス回路(42)に流すのが好ましい。
この構成では、着霜状態でないと判定され、且つ、パワーデバイス(51)の冷却が不要であると判定されると、冷媒を熱交換回路(41)に流さずにバイパス回路(42)に流す。すなわちこの構成では、上記のように判定された場合には、利用側熱交換器(31)からの冷媒の全部をバイパス回路(42)に流すので、熱交換回路(41)において冷媒に熱が蓄積されることに起因する弊害が生じるのをさらに抑制できる。
前記空気調和装置において、前記熱源側熱交換器(22)及び前記膨張機構(23)が熱源ユニット(20)に設けられ、前記利用側熱交換器(31)が利用ユニット(30)に設けられており、前記冷媒回路(40)は、前記利用ユニット(30)に設けられた利用側膨張機構(32)を含んでいてもよい。
この構成では、熱源ユニット(20)に前記膨張機構(23)が設けられ、利用ユニット(30)に利用側膨張機構(32)が設けられているので、例えばビルなどの大型の建物に用いられる空気調和装置として好適である。また、この構成では、暖房運転において例えば利用側膨張機構(32)により冷媒が減圧膨張される場合、熱交換回路(41)に流入する冷媒の温度は、利用側膨張機構(32)で減圧膨張されない場合又は利用側膨張機構(32)が設けられていない場合と比較して低くなるので、熱交換回路(41)に冷媒が流れることに起因して電装品モジュール(50)において結露が生じる可能性が高まる。したがって、この構成は、結露判定部(64)の判定に基づいて制御される上述の発明に適用されるのが特に好ましい。
前記空気調和装置は、前記利用側熱交換器(31)と前記膨張機構(23)との間に設けられ、暖房運転時に前記伝熱部材(70)よりも上流側を流れる冷媒を加熱する加熱機構(80)を備えていてもよい。
この構成では、伝熱部材(70)よりも上流側を流れる冷媒を加熱する加熱機構(80)をさらに備えるので、熱交換回路(41)に流れる冷媒の温度が低くなり過ぎるのを抑制できる。これにより、熱源側熱交換器(22)における着霜の進行を遅らせる効果を高めることができるとともに、電装品モジュール(50)において結露が生じるのを抑制できる。したがって、この構成は、利用側膨張機構(32)が設けられて結露の可能性が高まる上述の発明に適用されるのが特に好ましい。
本発明によれば、パワーデバイスにおいて発生する熱を有効利用することができる。
以下、本発明の実施形態に係る空気調和装置10について図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。各実施形態に共通する特徴は、冷媒回路を流れる冷媒によってパワーデバイスを冷却するとともにパワーデバイスの熱を冷媒に蓄積し、この蓄積された熱を熱源側熱交換器の下部に付与することによって熱源側熱交換器の下部において着霜の進行を遅らせることができる点である。
[第1実施形態]
(空気調和装置の全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。図2は、空気調和装置10の熱源ユニット20を示す正面図である。図3は、空気調和装置10の熱源ユニット20を示す図であり、図2のIII−III線断面図である。
(空気調和装置の全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。図2は、空気調和装置10の熱源ユニット20を示す正面図である。図3は、空気調和装置10の熱源ユニット20を示す図であり、図2のIII−III線断面図である。
図1−図3に示すように、第1実施形態の空気調和装置10は、熱源ユニット(室外ユニット)20と、利用ユニット(室内ユニット)30とを備える。熱源ユニット20は室外に設置され、利用ユニット30は室内に設置される。
空気調和装置10は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路40と、後述するパワーデバイス51を含む電装品モジュール50と、冷媒回路40を流れる冷媒によってパワーデバイス51を冷却するための伝熱部材70とを備えている。
冷媒回路40は、圧縮機21と、熱源側熱交換器22と、熱源側膨張機構としての膨張弁23と、利用側熱交換器31とが冷媒配管4a〜4j及び熱交換回路41によって接続されることにより形成されている。熱源ユニット20と利用ユニット30は、ガス側連絡管4cと液側連絡管4fによって接続されている。熱交換回路41は、冷媒回路40の一部を構成しており、利用側熱交換器31と膨張弁23との間に設けられている。熱交換回路41は、冷媒配管によって構成されている。冷媒回路40の冷媒配管は、銅、アルミニウムなどの金属製である。
熱源ユニット20は、熱源側熱交換器22に室外空気を送るための熱源側ファン24を有する。利用ユニット30は、利用側熱交換器31に室内空気を送るための利用側ファン33を有する。図2及び図3に示すように、圧縮機21、熱源側熱交換器22、膨張弁23及び熱源側ファン24は、熱源ユニット20のケース26に収容されている。利用側熱交換器31及び利用側ファン33は、利用ユニット30の図略のケースに収容されている。
冷媒回路40は、冷媒の循環方向を切り換えて冷房運転と暖房運転とを切り換える四路切換弁25を備えている。図1において実線で示される暖房運転時には、四路切換弁25は、圧縮機21の吐出管4aとガス冷媒管4bとを接続するとともに、圧縮機21の吸入管4jとガス冷媒管4iとを接続する機能を有する。ガス冷媒管4bは、ガス側連絡管4c及びガス冷媒管4dを介して利用側熱交換器31のガス側に接続されている。ガス冷媒管4iは、熱源側熱交換器22のガス側に接続されている。
図1において破線で示される冷房運転時には、四路切換弁25は、吐出管4aとガス冷媒管4iとを接続するとともに、吸入管4jとガス冷媒管4bとを接続する機能を有する。利用側熱交換器31の液側は、液冷媒管4e、液側連絡管4f、液冷媒管4g、熱交換回路41及び液冷媒管4hを介して熱源側熱交換器22の液側に接続されている。
図2及び図3に示すように、熱源ユニット20は、ケース26を有する。ケース26は、前面パネル26F、後面パネル26B、第1側面パネル26R、第2側面パネル26L、底面パネル26D、及び天面パネル26Uを有している。熱源側熱交換器22に対向する後面パネル26B及び第2側面パネル26Lには、ケース26内に室外空気が吸い込まれる吸込口26aが形成されている。前面パネル26Fには、熱源側熱交換器22を通過した空気がケース26外に吹き出される吹出口26bが形成されている。前面パネル26Fは、ケース本体に対して着脱可能である。図2は、ケース本体から前面パネル26Fを取り外した状態を示している。
ケース26は、ケース26内の空間を熱交換器室S1と、圧縮機室S2とに分ける仕切り板26pを有する。熱交換器室S1には、熱源側熱交換器22、熱源側ファン24などが配置されている。圧縮機室S2には、圧縮機21、電装品モジュール50などが配置されている。
電装品モジュール50は、パワーデバイス51などの電子部品を含む。本実施形態では、電装品モジュール50は、プリント回路板53を備える。プリント回路板53は、プリント配線板52と、これに実装されたパワーデバイス51などの電子部品とを含む。プリント回路板53は、例えば支持部材54を介してケース26に固定されている。なお、電装品モジュール50は、プリント回路板53などを収容する図略のケースを備えていてもよい。
圧縮機21は、吸入管4jから冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒とした後に、吐出管4aに吐出する圧縮機である。本実施形態における圧縮機21は、運転容量が変更可能な容量可変圧縮機である。圧縮機21のモータには、電力変換回路を介して電力が供給される。
前記電力変換回路は、圧縮機21のモータに電力を供給し、モータの回転数の制御を行う。前記電力変換回路では、商用電源などの電源から入力線に三相(R相、S相及びT相)の交流電源(入力電流)が入力される。この入力電流は、コンバータ回路において直流電流に変換される。この直流電流は、インバータ回路において所望の三相(U相、V相及びW相)の駆動電流に変換されてモータに出力される。これにより、モータの回転数が制御される。なお、電力変換回路は、圧縮機21のモータだけでなく、熱源側ファン24のモータに電力を供給し、熱源側ファン24のモータの回転数の制御を行ってもよく、利用側ファン33のモータに電力を供給し、利用側ファン33のモータの回転数の制御を行ってもよい。
インバータ回路は、図示は省略するが、パワーデバイス51としてのスイッチング素子がブリッジ接続されて構成されている。パワーデバイス51としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができるが、これに限られず、IGBT以外の他のスイッチング素子を用いることもできる。パワーデバイス51は、スイッチング動作に伴って発熱する。インバータ回路では、IGBTなどのパワーデバイス51の他に、負荷電流を転流させるためのダイオード56(FWD:Free Wheeling Diode)が設けられている。
IGBTなどのパワーデバイス51、FWDなどのダイオード56は、図4に示すパワーモジュール55のように、例えば樹脂モールドによってパッケージングされていてもよい。図4に示すように、パワーモジュール55は、モジュール本体55Aと、制御端子55Bと、パワー端子55Cとを有する。パワーモジュール55の一方の主面の全部又は一部は、放熱面55Dとして機能する。この放熱面55Dは、伝熱部材70に接する面であり、伝熱部材70側にパワーデバイス51の熱を放熱する。図2及び図3に示すように、伝熱部材70は、パワーモジュール55を冷却するように設けられている。
なお、図2では、例えば圧縮機21のモータを制御するパワーモジュール55と、例えばファンのモータを制御するパワーモジュール55とが設けられているが、これに限られない。パワーモジュール55は1つ又は3つ以上であってもよい。
熱源側熱交換器22は、冷房運転時には室外空気を冷却源とする冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には室外空気を加熱源とする冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器22は、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されているが、これに限られない。
図5は、熱源側熱交換器22の側端部を示す斜視図である。図3及び図5に示すように、熱源側熱交換器22は、厚みの小さい扁平な形状を有し、上方に起立した姿勢でケース26内の熱交換器室S1に配置されている。熱源側熱交換器22は、多数の伝熱管221と、多数の伝熱フィン222とを備える。
多数の伝熱フィン222のそれぞれは、例えばアルミニウム、銅などの金属製の薄い平板である。多数の伝熱フィン222は、空気が通過できるように厚み方向に互いに間隔をあけた状態で厚み方向に層状に重ねられて配置されている。各伝熱フィン222には多数の貫通孔が形成されている。
各伝熱管221は、例えばアルミニウム、銅などの金属製であり、伝熱フィン222の前記貫通孔に挿入されている。近接する伝熱管221の端部同士は、図略のU字管によって接続されている。各伝熱管221は、その長手方向が水平方向又は略水平方向に向いた姿勢で配置されおり、熱源側熱交換器22の一方の側端部から他方の側端部まで延びている。図5に示すように、多数の伝熱管221は、空気が通過する方向に互いに間隔をあけて複数列(図例では2列)に並び、上下方向に互いに間隔をあけて複数段に並んでいる。
図1、図2及び図5に示すように、熱源側熱交換器22は、熱交換部22Aと、除霜部22Bとを備える。熱交換部22Aは、冷房運転時に前記放熱器として機能し、暖房運転時には前記蒸発器として機能する。除霜部22Bは、熱交換部22Aの下方に設けられている。除霜部22Bは、着霜が生じやすい熱源側熱交換器22の下部に設けられている。除霜部22Bには、暖房運転時に利用側熱交換器31と膨張機構23との間を流れる液冷媒の一部又は全部が供給される。これにより、除霜部22Bは、暖房運転において、熱源側熱交換器22の下部に付着した霜を除去する機能、及び熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせる機能を有する。
図1及び図5に示す実施形態では、除霜部22Bには、1つ又は複数の除霜用伝熱管223が設けられている。除霜部22Bにおける1つ又は複数の除霜用伝熱管223は、熱交換回路41を構成する冷媒配管の一部である。
各除霜用伝熱管223は、例えばアルミニウム、銅などの金属製であり、伝熱フィン222の前記貫通孔に挿入されている。除霜用伝熱管223が複数ある場合には、近接する除霜用伝熱管223の端部同士が図略のU字管によって接続される。各除霜用伝熱管223は、その長手方向が水平方向又は略水平方向に向いた姿勢で配置されおり、熱源側熱交換器22の一方の側端部から他方の側端部まで延びている。図5に示す一例では、除霜部22Bにおいて複数の除霜用伝熱管223が、空気の通過方向に複数列(図例では2列)に並び、上下方向に1段で設けられているが、これに限られない。除霜部22Bにおいて複数の除霜用伝熱管223が、上下方向に多段に並んでいてもよい。
膨張弁(熱源側膨張弁)23は、冷房運転時には熱源側熱交換器22において放熱した冷媒を利用側熱交換器31に送る前に減圧し、暖房運転時には利用側熱交換器31において放熱した冷媒を熱源側熱交換器22に送る前に減圧する電動膨張弁である。第1実施形態では、膨張弁23は、熱交換回路41と熱源側熱交換器22との間に位置する液冷媒管4hに設けられている。
利用側熱交換器31は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。利用側熱交換器31は、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されているが、これに限られない。
(コントローラ)
空気調和装置10は、空気調和装置10の冷房運転、暖房運転などの各種動作を制御するコントローラ60を備えている。コントローラ60は、制御部61と、各種データを記憶する記憶部62とを備えている。制御部61には、冷媒回路40に要部に設けられた図略の温度センサ及び図略の圧力センサの検出値が入力される。そして、これらの検出値に基づいて、制御部61は、圧縮機21、熱源側ファン24及び利用側ファン33の駆動制御、膨張弁23の弁開度の調節などを行いながら、空気調和装置10の各種動作を制御する。
空気調和装置10は、空気調和装置10の冷房運転、暖房運転などの各種動作を制御するコントローラ60を備えている。コントローラ60は、制御部61と、各種データを記憶する記憶部62とを備えている。制御部61には、冷媒回路40に要部に設けられた図略の温度センサ及び図略の圧力センサの検出値が入力される。そして、これらの検出値に基づいて、制御部61は、圧縮機21、熱源側ファン24及び利用側ファン33の駆動制御、膨張弁23の弁開度の調節などを行いながら、空気調和装置10の各種動作を制御する。
(冷媒冷却構造)
第1実施形態における冷媒冷却構造は、図1−図3に示すように、冷媒が流れる冷却管41Aと、冷却管41Aが取り付けられる伝熱部材70(冷媒ジャケット70)とを備えている。冷却管41Aは、図1に示すように熱交換回路41を構成する冷媒配管の一部である。冷却管41Aを含む冷媒配管は、例えば銅、アルミニウムなどの金属製である。
第1実施形態における冷媒冷却構造は、図1−図3に示すように、冷媒が流れる冷却管41Aと、冷却管41Aが取り付けられる伝熱部材70(冷媒ジャケット70)とを備えている。冷却管41Aは、図1に示すように熱交換回路41を構成する冷媒配管の一部である。冷却管41Aを含む冷媒配管は、例えば銅、アルミニウムなどの金属製である。
第1実施形態では、熱交換回路41は、冷媒回路40における高圧の液ラインに接続されているので、暖房運転において冷却管41Aには利用側熱交換器31で凝縮した後の高圧の液冷媒が流通する。
図2に示すように、冷却管41Aは、直線状の配管を略U字状に折曲することにより形成されているが、これに限られない。冷却管41Aは、第1直管部41A1と、これに対して間隔をおいて平行となるように配置された第2直管部41A2と、これらの直管部同士をつなぐ曲管部(U字管部)41A3とを有している。第1直管部41A1及び第2直管部41A2は、ともに直線状に形成されている。曲管部41A3は、半円弧状に形成されている。
伝熱部材70は、アルミニウム、銅などの熱伝導率の高い金属材料で構成される。伝熱部材70は、パワーデバイス51の表面に直接接触して配置されるか、又はパワーデバイス51との間に図略の伝熱板などを介してパワーデバイス51と熱的に接している。
図2及び図3に示す冷媒冷却構造では、冷却管41Aが扁平な形状の伝熱部材70に接した状態で伝熱部材70に固定されている。冷却管41Aと伝熱部材70との接触構造の具体例としては次のような構造が挙げられる。例えば、前記接触構造としては、冷却管41Aの第1直管部41A1と第2直管部41A2とが伝熱部材70に設けられた溝に配置される構造が挙げられる。また、前記接触構造としては、冷却管41Aの第1直管部41A1と第2直管部41A2とが伝熱部材70に設けられた貫通孔に挿入される構造が挙げられる。
(着霜抑制構造)
熱交換回路41は、利用側熱交換器31と膨張弁23との間に設けられている。図1に示す第1実施形態では、熱交換回路41は、熱源ユニット20に設けられている。熱交換回路41は、冷媒回路40において膨張弁23と液側連絡管4fとの間に設けられている。より具体的には、熱交換回路41は、液側連絡管4fに接続された液冷媒管4gと、膨張弁23に接続された液冷媒管4hとを接続している。熱交換回路41は、第1冷媒管411と、除霜用伝熱管223と、第2冷媒管412とを含む。第1冷媒管411は、液冷媒管4gと除霜用伝熱管223とを接続している。第2冷媒管412は、除霜用伝熱管223と液冷媒管4hとを接続している。伝熱部材70は、第1冷媒管411に設けられている。
熱交換回路41は、利用側熱交換器31と膨張弁23との間に設けられている。図1に示す第1実施形態では、熱交換回路41は、熱源ユニット20に設けられている。熱交換回路41は、冷媒回路40において膨張弁23と液側連絡管4fとの間に設けられている。より具体的には、熱交換回路41は、液側連絡管4fに接続された液冷媒管4gと、膨張弁23に接続された液冷媒管4hとを接続している。熱交換回路41は、第1冷媒管411と、除霜用伝熱管223と、第2冷媒管412とを含む。第1冷媒管411は、液冷媒管4gと除霜用伝熱管223とを接続している。第2冷媒管412は、除霜用伝熱管223と液冷媒管4hとを接続している。伝熱部材70は、第1冷媒管411に設けられている。
(動作)
冷房運転及び暖房運転において、パワーデバイス51は、圧縮機21のモータの作動時に発熱し、例えば80℃程度になることもある。また、暖房運転においては、熱源側熱交換器22において着霜することがある。
冷房運転及び暖房運転において、パワーデバイス51は、圧縮機21のモータの作動時に発熱し、例えば80℃程度になることもある。また、暖房運転においては、熱源側熱交換器22において着霜することがある。
第1実施形態の空気調和装置10は、上記のような冷媒冷却構造及び着霜抑制構造を備えているので、暖房運転において次のような動作をしてパワーデバイス51を冷却しつつ、熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせることができる。
すなわち、暖房運転において、圧縮機21において圧縮されたガス冷媒は、放熱器として機能する利用側熱交換器31において凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、熱交換回路41に流入する。そして、熱交換回路41の冷却管41Aを流れる冷媒が伝熱部材70を冷却し、この伝熱部材70が圧縮機21のモータ制御時に発熱するパワーデバイス51を冷却する。その一方で、冷却管41Aを流れる冷媒には、パワーデバイス51の熱が蓄積される。熱が蓄積された冷媒は、熱源側熱交換器22に向かって流れ、除霜部22Bの除霜用伝熱管223に流入する。そして、熱が蓄積された冷媒は、熱源側熱交換器22の除霜部22Bにおいて放熱し、熱源側熱交換器22の下部に付着した霜を融解させ、熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせることができる。熱交換回路41を通過した冷媒は、膨張弁23において減圧膨張した後、蒸発器として機能する熱源側熱交換器22においてガス冷媒となり、吸入管4jを通じて圧縮機21に吸入される。
また、冷房運転においては、圧縮機21において圧縮されたガス冷媒は、放熱器として機能する熱源側熱交換器22において凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、膨張弁23において減圧膨張した後、熱交換回路41に流入する。そして、熱交換回路41の冷却管41Aを流れる冷媒が伝熱部材70を冷却し、この伝熱部材70が圧縮機21のモータ制御時に発熱するパワーデバイス51を冷却する。熱交換回路41を通過した冷媒は、蒸発器として機能する利用側熱交換器31においてガス冷媒となり、吸入管4jを通じて圧縮機21に吸入される。
なお、第1実施形態の空気調和装置10は、上述したように、着霜抑制構造によって熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせることができるのであるが、暖房運転時には、運転条件、外気の状態などに起因して、熱源側熱交換器22における着霜の進行が避けられない場合もある。このように熱源側熱交換器22において着霜が進行した場合には、デフロスト運転が実行されるのが好ましい。デフロスト運転としては、例えば次のような制御を例示することができるが、以下の制御例に限定されるものではない。
暖房運転において、熱源側熱交換器22において着霜が進行すると、暖房運転が停止され、熱源ユニット20の熱源側ファン24及び利用ユニット30の利用側ファン33が停止され、四路切換弁25が切り換えられて冷媒回路40において一時的に冷房運転と同様の冷媒の流れとされるデフロスト運転が行われる。
上述したように、デフロスト運転は、例えば熱源側熱交換器22において着霜が進行した状態であると判定されたときに行われるのが好ましい。熱源側熱交換器22において着霜が進行した状態であると判定する基準となる条件としては、例えば熱源側熱交換器22の表面温度や熱源側熱交換器22における冷媒の蒸発温度が基準温度以下になることが挙げられる。ただし、本実施形態では、デフロスト運転の判断基準である上記の基準温度は、0℃に設定されるのではなく、0℃未満の温度(例えば−5℃以下の温度)に設定されるのが好ましく、0℃を大きく下回る温度(例えば−10℃以下の温度)に設定されるのがより好ましい。この場合、デフロスト運転は、熱源側熱交換器22の表面温度や熱源側熱交換器22における冷媒の蒸発温度が、0℃以下になった時にすぐに開始されるのではなく、例えば−10℃以下になったときに開始される。
これにより、暖房運転がデフロスト運転によって頻繁に停止する事態を回避することができる。そして、着霜が進行した状態であると判定され、暖房運転を継続できないなどの事態が生じたときに初めてデフロスト運転を行うという制御が可能になる。本実施形態では、上述したように、着霜抑制構造によって熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせることができるので、着霜抑制構造による着霜抑制運転と、着霜が進行したときのデフロスト運転との2段階の制御を行うことができ、これにより、暖房運転がデフロスト運転によって頻繁に停止する事態を回避することができる。
なお、上記において説明したデフロスト運転は、後述する第2〜第7実施形態においても同様に行うことができる。後述する実施形態において、上記のようなデフロスト運転を行う場合、デフロスト運転の判断基準である上記の基準温度(例えば−10℃)は、後述する着霜判定部63による着霜状態であるか否かの判定基準となる着霜判定基準温度(例えば0℃)よりも低温に設定されるのが好ましい。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第2実施形態に係る空気調和装置10は、冷媒回路40がバイパス回路42を備える点、及び切換機構43,44が設けられている点で第1実施形態と異なっている。以下、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第2実施形態に係る空気調和装置10は、冷媒回路40がバイパス回路42を備える点、及び切換機構43,44が設けられている点で第1実施形態と異なっている。以下、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図6に示す空気調和装置10では、冷媒回路40は、利用側熱交換器31と膨張弁23との間に設けられたバイパス回路42を含む。バイパス回路42は、熱交換回路41をバイパスする機能を有する。具体的に、バイパス回路42は、液側連絡管4fに接続された液冷媒管4gと、膨張弁23に接続された液冷媒管4hとを接続している。これにより、バイパス回路42は、冷媒回路40における利用側熱交換器31と膨張弁23との間において熱交換回路41をバイパスしている。言い換えると、熱交換回路41とバイパス回路42は、液冷媒管4gと液冷媒管4hに対して並列に接続されている。
切換機構43,44は、熱交換回路41及びバイパス回路42のいずれかに冷媒の流路を切り換える機能を有する。一方の切換機構(第1切換機構)43は、熱交換回路41に設けられており、他方の切換機構(第2切換機構)44は、バイパス回路42に設けられている。切換機構43としては、熱交換回路41を構成する冷媒配管(例えば第1冷媒管411)を開閉可能な電磁弁などの開閉弁が例示できる。同様に、切換機構44としては、バイパス回路42を構成する冷媒配管を開閉可能な電磁弁などの開閉弁が例示できる。切換機構43,44の開閉動作は、制御部61によって制御される。
第2実施形態では、制御部61は、暖房運転中に所定条件が満たされたときに切換機構43,44を制御する。前記所定条件としては、例えば次のような条件が挙げられる。すなわち、暖房運転が長時間継続されると熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性が高まるので、制御部61は、例えば暖房運転において所定時間毎に切換機構43,44を制御する。これにより、冷媒の流路が熱交換回路41とされたときには、熱源側熱交換器22の下部において霜の一部又は全部が融解し、熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせることができる。
制御の具体例としては次のような条件が挙げられる。例えば、暖房運転において、例えば熱交換回路41とバイパス回路42のうち冷媒の流路が熱交換回路41とされる第1基準時間と、冷媒の流路がバイパス回路42とされる第2基準時間とが記憶部62に記憶されており、制御部61は、第1基準時間と第2基準時間に基づいて切換機構43,44の開閉動作を制御して、冷媒の流路を熱交換回路41とバイパス回路42に交互に切り換える。
[第2実施形態の変形例]
図7は、空気調和装置10の冷媒回路40の変形例を示す図である。第2実施形態に係る空気調和装置10では、図6に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第2実施形態と同様である。
図7は、空気調和装置10の冷媒回路40の変形例を示す図である。第2実施形態に係る空気調和装置10では、図6に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第2実施形態と同様である。
冷媒量変更機構45,46は、冷媒回路40が熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を変更可能である。冷媒量変更機構45,46としては、弁開度の調節が可能な電動膨張弁などの冷媒量調整弁が例示できる。電動膨張弁などの冷媒量調整弁は、冷媒の流路として熱交換回路41及びバイパス回路42の何れか一方を選択することができるだけでなく、熱交換回路41及びバイパス回路42の両方に冷媒を流すことも可能であり、それぞれの回路41,42に流す冷媒量を調整することも可能であるので、図6に示す切換機構43,44に比べて細かい制御が可能である。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第3実施形態に係る空気調和装置10は、熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する点で第2実施形態と異なっている。以下、主に第2実施形態との相違点について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第3実施形態に係る空気調和装置10は、熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する点で第2実施形態と異なっている。以下、主に第2実施形態との相違点について説明する。
図8に示すように、第3実施形態では、熱源ユニット20は、熱交温度センサ91を備える。熱交温度センサ91は、熱源側熱交換器22の温度を検知する。具体的に、熱交温度センサ91は、例えば熱源側熱交換器22の表面温度を検知する。熱交温度センサ91による温度の検知信号は、制御部61に送信される。
第3実施形態では、コントローラ60は、熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する着霜判定部63を備えている。着霜判定部63は、例えば熱交温度センサ91から送信される温度に基づいて熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する。記憶部62には、着霜判定基準温度が記憶されている。着霜判定基準温度は、例えば0℃に設定されるが、これに限られず、着霜の判定が可能な他の温度に設定されていてもよい。
(動作)
着霜判定部63では、熱交温度センサ91による検知温度と着霜判定基準温度とが比較される。そして、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度以下のときに、着霜判定部63は着霜状態であると判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする。一方、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度を超えるときには、着霜判定部63は着霜状態でないと判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路をバイパス回路42にする。
着霜判定部63では、熱交温度センサ91による検知温度と着霜判定基準温度とが比較される。そして、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度以下のときに、着霜判定部63は着霜状態であると判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする。一方、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度を超えるときには、着霜判定部63は着霜状態でないと判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路をバイパス回路42にする。
[第3実施形態の変形例]
第3実施形態に係る空気調和装置10では、図8に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第3実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
第3実施形態に係る空気調和装置10では、図8に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第3実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
(動作)
第3実施形態の変形例において、着霜判定部63では、熱交温度センサ91による検知温度と着霜判定基準温度とが比較される。そして、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度以下のときに、着霜判定部63は着霜状態であると判定し、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、着霜状態と判定されたときには、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を大きくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を増加させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構46を閉状態とすることによってバイパス回路42に冷媒を流さずに熱交換回路41にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
第3実施形態の変形例において、着霜判定部63では、熱交温度センサ91による検知温度と着霜判定基準温度とが比較される。そして、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度以下のときに、着霜判定部63は着霜状態であると判定し、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、着霜状態と判定されたときには、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を大きくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を増加させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構46を閉状態とすることによってバイパス回路42に冷媒を流さずに熱交換回路41にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
一方、熱交温度センサ91による検知温度が着霜判定基準温度を超えるときには、着霜判定部63は着霜状態でないと判定し、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、着霜状態でないと判定されたときには、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を小さくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を減少させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構45を閉状態とすることによって熱交換回路41に冷媒を流さずにバイパス回路42にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
[第4実施形態]
図9は、本発明の第4実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第4実施形態に係る空気調和装置10は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する点で第2実施形態と異なっている。以下、主に第2実施形態との相違点について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第4実施形態に係る空気調和装置10は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する点で第2実施形態と異なっている。以下、主に第2実施形態との相違点について説明する。
電装品モジュール50の表面温度が外気露点温度以下の場合、電装品モジュール50の表面が結露することがある。そこで、第4実施形態では、コントローラ60は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する結露判定部64を備えている。電装品モジュール50における結露判定方法としては、例えば圧縮機21の運転状況に基づいて判定する第1の結露判定方法、電装品モジュール50の温度に基づいて判定する第2の結露判定方法などを挙げることができるが、これらに限られず、結露状態であるか否かを判定できる方法であれば他の方法を採用することもできる。
(第1の結露判定方法)
第1の結露判定方法では、結露判定部64は、圧縮機21の運転状況に基づいて、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
第1の結露判定方法では、結露判定部64は、圧縮機21の運転状況に基づいて、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
結露判定部64は、空調の負荷が小さく、圧縮機21が低ロード運転をしているときに、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であると判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路をバイパス回路42にする。一方、結露判定部64は、空調の負荷が大きく、圧縮機21が低ロード運転をしていないときには、電装品モジュール50において前記結露状態ではないと判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする。
前記低ロード運転であるか否かは、例えば圧縮機21の回転数に基づいて判定されるが、これに限られず、圧縮機21の運転状態を判断できる他の指標を用いることもできる。記憶部62には、結露判定基準回転数が記憶されており、結露判定部64では、実際の圧縮機21の回転数と、結露判定基準回転数とが比較される。そして、実際の圧縮機21の回転数が結露判定基準回転数以下のときに、結露判定部64は結露状態であると判定し、実際の圧縮機21の回転数が結露判定基準回転数を超えるときには、結露判定部64は結露状態でないと判定する。
(第2の結露判定方法)
第2の結露判定方法では、結露判定部64は、電装品モジュール50の温度に基づいて、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
第2の結露判定方法では、結露判定部64は、電装品モジュール50の温度に基づいて、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
結露判定部64は、電装品モジュール50の表面温度が所定温度以下であるときに、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であると判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路をバイパス回路42にする。一方、結露判定部64は、電装品モジュール50の表面温度が所定温度を超えているときには、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態ではないと判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする。
結露状態を判定する基準となる前記所定温度としては、例えば外気露点温度を用いることができるが、これに限られない。前記所定温度として外気露点温度が用いられる場合について以下に具体的に説明する。
図10は、第4実施形態における第2の結露判定方法において、前記所定温度として外気露点温度が用いられる場合の電装品モジュール50の一例を示す概略図である。図10に示すような電装品温度センサ92と露点温度センサ93が熱源ユニット20に設けられている。
電装品温度センサ92は、電装品モジュール50の表面温度を検知する。露点温度センサ93は、熱源ユニット20内の外気露点温度、又は熱源ユニット20外であって熱源ユニット20の近傍の外気露点温度を検知する。電装品温度センサ92による温度の検知信号、及び露点温度センサ93による外気露点温度の検知信号のそれぞれは、制御部61に送信される。
図10では、電装品温度センサ92は、電装品モジュール50のパワーモジュール55に設けられているが、これに限られない。電装品温度センサ92は、パワーモジュール55以外の電装品モジュール50の構成部品に設けられていてもよい。このような構成部品としては、例えばプリント配線板52などが例示できる。また、電装品温度センサ92は、必ずしも電装品モジュール50の構成部品に接している必要はなく、構成部品に接していない近接位置に配置されていてもよい。
図10に示す具体例では、電装品温度センサ92は、パワーモジュール55のモジュール本体55Aに設けられている。電装品温度センサ92は、モジュール本体55Aの主面55Eに設けられている。この主面55Eは、放熱面55Dとは反対側の面である。この場合、電装品温度センサ92は、モジュール本体55Aの主面55Eとこれに対向するプリント配線板52の主面との間に配置されている。したがって、電装品温度センサ92は、パワーモジュール55の温度、プリント配線板52の温度を精度よく検知できる。
また、図10に示す具体例では、電装品温度センサ92は、パワーモジュール55のパワーデバイス51に対応する位置(パワーデバイス51に対向する位置)に設けられている。この場合、電装品温度センサ92は、パワーデバイス51の温度を精度よく検知できる。
図10に示す具体例では、露点温度センサ93は、電装品モジュール50のパワーモジュール55の近傍に設けられているが、これに限られない。露点温度センサ93は、電装品モジュール50以外の熱源ユニット20の構成部品の近傍に設けられていてもよい。このような構成部品としては、例えば熱源ユニット20のケース26などが例示できる。
第2の結露判定方法において、結露判定部64は、電装品温度センサ92によって検知される電装品モジュール50の表面温度が露点温度センサ93によって検知される外気露点温度以下であるときに、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であると判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路をバイパス回路42にする。一方、結露判定部64は、電装品温度センサ92によって検知される電装品モジュール50の表面温度が露点温度センサ93によって検知される外気露点温度を超えているときには、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態ではないと判定し、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする。
なお、第4実施形態の空気調和装置10は、第3実施形態の着霜判定部63も備えていてもよく、第3実施形態の制御(熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する上述の制御)も行ってもよい。第4実施形態において第3実施形態の着霜判定部63も備えていない場合には、図9に図示されている着霜判定部63及び熱交温度センサ91は必須のものではなく、省略することもできる。また、第4実施形態では、結露判定方法として第1の結露判定方法を採用するときには、図10に図示されている電装品温度センサ92及び露点温度センサ93を省略することができる。
[第4実施形態の変形例]
第4実施形態に係る空気調和装置10では、図9に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第4実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
第4実施形態に係る空気調和装置10では、図9に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第4実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
(動作)
第4実施形態の変形例において、結露判定部64は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、結露状態と判定されたときには、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を小さくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を減少させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構45を閉状態とすることによって熱交換回路41に冷媒を流さずにバイパス回路42にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
第4実施形態の変形例において、結露判定部64は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、結露状態と判定されたときには、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を小さくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を減少させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構45を閉状態とすることによって熱交換回路41に冷媒を流さずにバイパス回路42にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
一方、結露判定部64が結露状態でないと判定すると、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、結露状態でないと判定されたときには、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を大きくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を増加させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構46を閉状態とすることによってバイパス回路42に冷媒を流さずに熱交換回路41にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る空気調和装置10は、第3実施形態において説明した着霜判定部63と、第4実施形態において説明した結露判定部64とを備えている。第5実施形態に係る空気調和装置10は、例えば図9に示す冷媒回路40を備える。
本発明の第5実施形態に係る空気調和装置10は、第3実施形態において説明した着霜判定部63と、第4実施形態において説明した結露判定部64とを備えている。第5実施形態に係る空気調和装置10は、例えば図9に示す冷媒回路40を備える。
そして、この第5実施形態では、着霜判定部63が着霜状態であると判定し、且つ、結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする。
すなわち、第5実施形態では、着霜状態であり、且つ、結露状態であると判定されると、バイパス回路42に冷媒を流すことよりも熱交換回路41に冷媒を流すことを優先する。すなわち、この構成では、結露の進行を抑制することよりも、着霜の進行を抑制することを優先している。これにより、着霜による能力低下状態が続き、利用ユニット30において暖風を送風できない事態を回避することができる。
[第5実施形態の変形例]
第5実施形態に係る空気調和装置10では、図9に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第5実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
第5実施形態に係る空気調和装置10では、図9に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第5実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
[第6実施形態]
図11は、本発明の第6実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。第6実施形態に係る空気調和装置10は、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する点で第3実施形態と異なっている。以下、主に第3実施形態との相違点について説明する。
図11は、本発明の第6実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。第6実施形態に係る空気調和装置10は、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する点で第3実施形態と異なっている。以下、主に第3実施形態との相違点について説明する。
第6実施形態では、コントローラ60は、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する冷却判定部65を備えている。パワーデバイス51の冷却要否判定方法としては、例えば圧縮機21の運転状況に基づいて判定する第1の冷却判定方法、パワーデバイス51の温度に基づいて判定する第2の冷却判定方法などを挙げることができるが、これらに限られず、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定できる方法であれば他の方法を採用することもできる。
(第1の冷却判定方法)
第1の冷却判定方法では、冷却判定部65は、圧縮機21の運転状況に基づいて、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
第1の冷却判定方法では、冷却判定部65は、圧縮機21の運転状況に基づいて、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
冷却判定部65は、空調の負荷が小さく、圧縮機21が低ロード運転をしているときに、パワーデバイス51の冷却が不要であると判定し、空調の負荷が大きく、圧縮機21が低ロード運転をしていないときには、パワーデバイス51の冷却が必要であると判定する。前記低ロード運転であるか否かは、例えば圧縮機21の回転数に基づいて判定されるが、これに限られず、圧縮機21の運転状態を判断できる他の指標を用いることもできる。記憶部62には、冷却判定基準回転数が記憶されており、冷却判定部65では、実際の圧縮機21の回転数と、冷却判定基準回転数とが比較される。そして、実際の圧縮機21の回転数が冷却判定基準回転数以下のときに、冷却判定部65はパワーデバイス51の冷却が不要であると判定し、実際の圧縮機21の回転数が冷却判定基準回転数を超えるときには、冷却判定部65はパワーデバイス51の冷却が必要であると判定する。
そして、着霜判定部63が着霜状態でないと判定し、且つ、冷却判定部65がパワーデバイス51の冷却が不要であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒を熱交換回路41に流さずにバイパス回路42に流す。一方、着霜状態であるという判定、及びパワーデバイス51の冷却が必要であるという判定の少なくとも一方の判定がなされると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒を熱交換回路41に流す。
(第2の冷却判定方法)
第2の冷却判定方法では、冷却判定部65は、パワーデバイス51の温度に基づいて、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
第2の冷却判定方法では、冷却判定部65は、パワーデバイス51の温度に基づいて、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する。具体例を挙げると次の通りである。
冷却判定部65は、パワーデバイス51の温度が所定温度以下であるときに、パワーデバイス51の冷却が不要であると判定し、パワーデバイス51の温度が所定温度を超えているときには、パワーデバイス51の冷却が必要であると判定する。
図12は、第6実施形態における電装品モジュール50の一例を示す概略図である。図
11に示すように、熱源ユニット20は、電装品温度センサ92を備える。電装品温度センサ92は、第4実施形態において説明したものと同様である。
11に示すように、熱源ユニット20は、電装品温度センサ92を備える。電装品温度センサ92は、第4実施形態において説明したものと同様である。
電装品温度センサ92は、電装品モジュール50のパワーモジュール55のモジュール本体55Aに設けられている。電装品温度センサ92は、モジュール本体55Aの放熱面55Dとは反対側の主面55Eに設けられているが、これに限られない。また、図10に示す具体例では、電装品温度センサ92は、パワーモジュール55のパワーデバイス51に対応する位置(パワーデバイス51に対向する位置)に設けられている。この場合、電装品温度センサ92は、パワーデバイス51の温度を精度よく検知できる。
そして、着霜判定部63が着霜状態でないと判定し、且つ、冷却判定部65がパワーデバイス51の冷却が不要であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒を熱交換回路41に流さずにバイパス回路42に流す。一方、着霜状態であるという判定、及びパワーデバイス51の冷却が必要であるという判定の少なくとも一方の判定がなされると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒を熱交換回路41に流す。
[第6実施形態の変形例]
第6実施形態に係る空気調和装置10では、図11に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第6実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
第6実施形態に係る空気調和装置10では、図11に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第6実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
(動作)
第6実施形態の変形例において、着霜判定部63が着霜状態でないと判定し、且つ、冷却判定部65がパワーデバイス51の冷却が不要であると判定すると、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、着霜状態でなく、パワーデバイス51の冷却が不要であると判定されると、制御部61は、例えば冷媒量変更機構46を閉状態とすることによってバイパス回路42に冷媒を流さずに熱交換回路41にのみ冷媒を流す。
第6実施形態の変形例において、着霜判定部63が着霜状態でないと判定し、且つ、冷却判定部65がパワーデバイス51の冷却が不要であると判定すると、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、着霜状態でなく、パワーデバイス51の冷却が不要であると判定されると、制御部61は、例えば冷媒量変更機構46を閉状態とすることによってバイパス回路42に冷媒を流さずに熱交換回路41にのみ冷媒を流す。
一方、着霜状態であるという判定、及びパワーデバイス51の冷却が必要であるという判定の少なくとも一方の判定がなされると、制御部61は、冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を調整する。具体的に、着霜状態の判定及びパワーデバイス51の冷却が必要であるという判定の少なくとも一方の判定がなされると、例えば冷媒量変更機構45の弁開度を大きくすることによって熱交換回路41を流れる冷媒の流量を増加させる制御が例示できる。このとき、両方の回路41,42に冷媒を流す制御をしてもよく、また、冷媒量変更機構46を閉状態とすることによってバイパス回路42に冷媒を流さずに熱交換回路41にのみ冷媒を流す制御をしてもよい。
[第7実施形態]
図13は、本発明の第7実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第7実施形態に係る空気調和装置10は、暖房運転時に伝熱部材70よりも上流側を流れる冷媒を加熱する加熱機構80を備える点で第2実施形態と異なっている。以下、主に第2実施形態との相違点について説明する。
図13は、本発明の第7実施形態に係る空気調和装置10の冷媒回路図である。第7実施形態に係る空気調和装置10は、暖房運転時に伝熱部材70よりも上流側を流れる冷媒を加熱する加熱機構80を備える点で第2実施形態と異なっている。以下、主に第2実施形態との相違点について説明する。
前述のように、電装品モジュール50の表面温度が外気露点温度以下の場合、電装品モジュール50の表面が結露することがある。これを防ぐため、熱交換回路41において伝熱部材70よりも冷媒流れ方向の上流側に、加熱機構80(外部加熱機構80)を設ける。これにより、熱交換回路41の第1冷媒管411が伝熱部材70よりも上流側において加熱機構80によって暖められるので、電装品モジュール50の表面において結露が生じるのを抑制できる。また、熱交換回路41において、加熱機構80及びインバータ回路のパワーデバイス51によって熱が蓄積された冷媒が熱源側熱交換器22の下部を経由するので、熱源側熱交換器22において着霜が生じにくくなる。
図13に示すように、加熱機構80は、ヒータ81と、電源82とを備える。ヒータ81は、利用側熱交換器31と膨張弁23との間に設けられている。図13に示す具体例では、加熱機構80のヒータ81は、熱交換回路41に設けられているが、これに限られず、例えば熱交換回路41と利用側熱交換器31との間に設けられていてもよい。
図14に示す具体例では、ヒータ81は、熱交換回路41の第1冷媒管411の周囲を覆うように筒状に設けられているが、これに限られない。電源82からヒータ81に電流が供給されると、熱交換回路41を流れる冷媒が加熱される。図14において冷媒は熱交換回路41を矢印の方向に流れており、伝熱部材70に至る前の冷媒がヒータ81によって加熱される。
ヒータ81としては、冷媒配管を流れる冷媒を加熱することができるものであれば特に限定されないが、誘導加熱ヒータ(IHヒータ)などを例示することができる。ヒータ81が誘導加熱ヒータである場合には、電源82としての高周波電源から高周波交流電流がヒータ81に供給される。ヒータ81は、冷媒が流れる配管の磁性体を誘導加熱コイルによって励磁することにより、誘導加熱を生じさせ、これにより、配管中の冷媒を加熱することできる。
第7実施形態では、コントローラ60は、上述したような結露判定部64を備えているのが好ましい。結露判定部64は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。そして、暖房運転において、結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、加熱機構80を制御して伝熱部材70よりも上流側を流れる冷媒を加熱する。
第7実施形態において、電装品モジュール50における結露判定方法は、第4実施形態で説明したような第1の結露判定方法(圧縮機21の運転状況に基づいて判定する方法)、第2の結露判定方法(電装品モジュール50の温度に基づいて判定する方法)などが用いられる。第2の結露判定方法が用いられる場合には、第7実施形態においても、図10に示すように熱源ユニット20は、電装品温度センサ92と、露点温度センサ93とを備える。
[第7実施形態の変形例]
第7実施形態に係る空気調和装置10では、図13に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第7実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
第7実施形態に係る空気調和装置10では、図13に示す冷媒回路40が、切換機構43,44の代わりに、図7に示す冷媒量変更機構45,46を備えていてもよい。この変形例の空気調和装置10は、冷媒量変更機構45,46以外の構成については第7実施形態と同様である。冷媒量変更機構45,46については、第2実施形態の変形例において説明したものと同様であるので説明を省略する。
(動作)
第7実施形態の変形例において、結露判定部64は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。そして、暖房運転において、結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、加熱機構80を制御して伝熱部材70よりも上流側を流れる冷媒を加熱する。
第7実施形態の変形例において、結露判定部64は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する。そして、暖房運転において、結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、加熱機構80を制御して伝熱部材70よりも上流側を流れる冷媒を加熱する。
[利用ユニットの変形例]
図15は、変形例の利用ユニット30を備える空気調和装置10の冷媒回路図である。この空気調和装置10は、熱源ユニット20に熱源側膨張弁23が設けられているだけでなく、利用ユニット30にも利用側膨張弁32が設けられている点で、第1〜第7実施形態に係る空気調和装置10と異なっている。図15に示す変形例の利用ユニット30は、第1〜第7実施形態に適用することができる。図15に示す空気調和装置10は、少なくとも1つの熱源ユニット20と、複数の利用ユニット30とを備える。この空気調和装置10は、いわゆるビル用マルチ型の空気調和装置である。
図15は、変形例の利用ユニット30を備える空気調和装置10の冷媒回路図である。この空気調和装置10は、熱源ユニット20に熱源側膨張弁23が設けられているだけでなく、利用ユニット30にも利用側膨張弁32が設けられている点で、第1〜第7実施形態に係る空気調和装置10と異なっている。図15に示す変形例の利用ユニット30は、第1〜第7実施形態に適用することができる。図15に示す空気調和装置10は、少なくとも1つの熱源ユニット20と、複数の利用ユニット30とを備える。この空気調和装置10は、いわゆるビル用マルチ型の空気調和装置である。
各利用ユニット30は、利用側膨張機構としての利用側膨張弁32を備える。各利用ユニット30の利用側膨張弁32は、冷媒回路40の液冷媒管4eに設けられている。利用側膨張弁32としては、例えば弁開度を調整可能な電動膨張弁を用いることができるが、これに限られない。
この空気調和装置10では、暖房運転において例えば利用側膨張弁32により冷媒が減圧膨張される場合、熱交換回路41に流入する冷媒の温度は、利用側膨張弁32が設けられていない場合と比較して低くなる。そして、利用側膨張弁32において減圧膨張した冷媒が熱交換回路41に流れると、電装品モジュール50において結露が生じる可能性が高まる。したがって、図15に示す冷媒回路40のように、熱源ユニット20に熱源側膨張弁23が設けられているだけでなく、利用ユニット30にも利用側膨張弁32が設けられている場合には、上述の第4実施形態、第5実施形態、第7実施形態などのように結露判定部64の判定に基づいて冷媒の流路を制御するのが好ましい。
すなわち、第4実施形態及び第5実施形態に係る空気調和装置10では、図9に示す冷媒回路40が、図9の利用ユニット30の代わりに、図15に示す複数の利用ユニット30を備えていてもよい。第7実施形態に係る空気調和装置10では、図13に示す冷媒回路40が、図13の利用ユニット30の代わりに、図15に示す複数の利用ユニット30を備えていてもよい。
(動作)
図15に示すように膨張弁が熱源ユニット20及び利用ユニット30の両方に設けられている場合の動作の一例について説明する。
図15に示すように膨張弁が熱源ユニット20及び利用ユニット30の両方に設けられている場合の動作の一例について説明する。
図15に示す空気調和装置10では、暖房運転において、圧縮機21において圧縮されたガス冷媒は、放熱器として機能する各利用側熱交換器31において凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、利用側膨張弁32において必要に応じて減圧膨張した後、熱交換回路41に流入する。そして、熱交換回路41の冷却管41Aを流れる冷媒が伝熱部材70を冷却し、この伝熱部材70が圧縮機21のモータ制御時に発熱するパワーデバイス51を冷却する。その一方で、冷却管41Aを流れる冷媒には、パワーデバイス51の熱が蓄積される。熱が蓄積された冷媒は、熱源側熱交換器22の除霜部22Bにおいて放熱し、熱源側熱交換器22の下部に付着した霜を融解させ、熱源側熱交換器22の下部における着霜の進行を遅らせることができる。熱交換回路41を通過した冷媒は、膨張弁23において必要に応じて減圧膨張した後、蒸発器として機能する熱源側熱交換器22においてガス冷媒となり、吸入管4jを通じて圧縮機21に吸入される。
また、冷房運転においては、圧縮機21において圧縮されたガス冷媒は、放熱器として機能する熱源側熱交換器22において凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、例えば全開状態の膨張弁23を通過し、熱交換回路41に流入する。熱交換回路41に流入した冷媒は、熱源側熱交換器22の下部に再度流入して更に冷却される。これにより、過冷却度を高めることができる。すなわち、冷房運転においては、熱源側熱交換器22の下部は過冷却用の補助熱交換器として機能する。その後、熱交換回路41の冷却管41Aを流れる冷媒が伝熱部材70を冷却し、この伝熱部材70が圧縮機21のモータ制御時に発熱するパワーデバイス51を冷却する。熱交換回路41を通過した冷媒は、蒸発器として機能する利用側熱交換器31においてガス冷媒となり、吸入管4jを通じて圧縮機21に吸入される。
[実施形態のまとめ]
以上説明したように、第1〜第7実施形態及び変形例では、容量可変な圧縮機21と四路切換弁25と熱源側熱交換器(室外熱交換器)22と熱源側膨張弁(室外膨張弁)23と利用側熱交換器(室内熱交換器)31とが連結された冷凍サイクルにおいて、熱源側膨張弁23と利用側熱交換器31との間に設けられた熱交換回路41を備える。暖房運転において、熱交換回路41を流れる冷媒は、パワーデバイス51を有するインバータ装置と熱的に接した後、熱源側熱交換器22の下段を経由し、熱源側膨張弁23に達する。このようにインバータ装置の排熱により暖められた冷媒を熱源側熱交換器22の下段に流入させるので、熱源側熱交換器22において着霜が生じにくくなる。
以上説明したように、第1〜第7実施形態及び変形例では、容量可変な圧縮機21と四路切換弁25と熱源側熱交換器(室外熱交換器)22と熱源側膨張弁(室外膨張弁)23と利用側熱交換器(室内熱交換器)31とが連結された冷凍サイクルにおいて、熱源側膨張弁23と利用側熱交換器31との間に設けられた熱交換回路41を備える。暖房運転において、熱交換回路41を流れる冷媒は、パワーデバイス51を有するインバータ装置と熱的に接した後、熱源側熱交換器22の下段を経由し、熱源側膨張弁23に達する。このようにインバータ装置の排熱により暖められた冷媒を熱源側熱交換器22の下段に流入させるので、熱源側熱交換器22において着霜が生じにくくなる。
第2〜第7実施形態及び変形例では、冷媒回路40は、利用側熱交換器31と熱源側膨張弁23との間に設けられ、熱交換回路41をバイパスするバイパス回路42と、熱交換回路41及びバイパス回路42のいずれかに冷媒の流路を切り換える切換機構43,44、又は熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を変更可能な冷媒量変更機構45,46と、を含む。第2〜第7実施形態及び変形例では、冷媒回路40が熱交換回路41だけでなくこれをバイパスするバイパス回路42をさらに含み、必要に応じて切換機構43,44が冷媒の流路を切り換えることができ、又は必要に応じて冷媒量変更機構45,46が熱交換回路41を流れる冷媒量及びバイパス回路42を流れる冷媒量を変更することができる。したがって、例えば熱交換回路41に冷媒を流す必要性が低い場合には熱交換回路41に冷媒を流さない、又は熱交換回路41に流す冷媒量を小さくすることができる。これにより、熱交換回路41において冷媒に熱が蓄積される(冷媒が加熱される)ことに起因する弊害、例えば液冷媒のフラッシュによって膨張弁23の能力が低下するなどの弊害が生じるのを抑制できる。また、切換機構43,44によって冷媒が流れる回路を選択できるので、過冷却度、インバータ装置の冷却、および熱源側熱交換器22の下段に供給する冷媒量を調整できる。
第3実施形態及び変形例では、空気調和装置10は、切換機構43,44又は冷媒量変更機構45,46を制御する制御部61と、熱源側熱交換器22において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する着霜判定部63とを備え、着霜判定部63が着霜状態であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする、又は冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量を増やす。この構成では、着霜判定部63の判定に基づいて制御部61が切換機構43,44又は冷媒量変更機構45,46を制御するので、着霜の進行を遅らせる必要性が高いときには冷媒を熱交換回路41に確実に流すことができる。
第4実施形態及び変形例では、空気調和装置10は、電装品モジュール50において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する結露判定部64を備え、結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路をバイパス回路42にする、又は冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量を減らす。これにより、熱交換回路41に流れる冷媒によって伝熱部材70が冷却される効果を低減することができるので、電装品モジュール50において結露の発生が促進されるのを抑制できる。
第5実施形態及び変形例では、着霜判定部63が着霜状態であると判定し、且つ、結露判定部64が結露状態であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44を制御して冷媒の流路を熱交換回路41にする、又は冷媒量変更機構45,46を制御して熱交換回路41を流れる冷媒量を増やす。この構成では、着霜判定部63が着霜状態であると判定し、且つ、結露判定部64が結露状態であると判定すると、バイパス回路42に冷媒を流すことよりも熱交換回路41に流すことを優先する。すなわち、この構成では、結露の進行を抑制することよりも、着霜の進行を抑制することを優先している。これにより、着霜の進行によって蒸発器能力が低下して、利用ユニット30において暖風を送風できない事態を回避することができる。
第6実施形態及び変形例では、空気調和装置10は、パワーデバイス51の冷却が必要であるか否かを判定する冷却判定部65を備え、着霜判定部63が着霜状態でないと判定し、且つ、冷却判定部65がパワーデバイス51の冷却が不要であると判定すると、制御部61は、切換機構43,44又は冷媒量変更機構45,46を制御して冷媒を熱交換回路41に流さずにバイパス回路42に流す。この構成では、上記のように判定された場合には、利用側熱交換器31からの冷媒の全部をバイパス回路42に流すので、熱交換回路41において冷媒に熱が蓄積されることに起因する弊害が生じるのをさらに抑制できる。
第7実施形態及び変形例では、空気調和装置10は、利用側熱交換器31と熱源側膨張弁23との間に設けられ、暖房運転時に伝熱部材70よりも上流側を流れる冷媒を加熱する加熱機構80を備えているので、熱交換回路41に流れる冷媒の温度が低くなり過ぎるのを抑制できる。これにより、熱源側熱交換器22における着霜の進行を遅らせる効果を高めることができ、また、電装品モジュール50において結露が生じるのを抑制できる。したがって、この構成は、図15に示すように利用側膨張弁32が設けられて結露の可能性が高まる空気調和装置10に適用されるのが特に好ましい。
また、第1〜第7実施形態及び変形例の空気調和装置10では、熱源側熱交換器22及び熱源側膨張弁23が熱源ユニット20に設けられ、利用側熱交換器31が利用ユニット30に設けられており、冷媒回路40は、利用ユニット30に設けられた利用側膨張弁32を含んでいてもよい。この場合、暖房運転において例えば利用側膨張弁32により冷媒が減圧膨張される場合、熱交換回路41に流入する冷媒の温度は、利用側膨張弁32で減圧膨張されない場合又は利用側膨張弁32が設けられていない場合と比較して低くなるので、熱交換回路41に冷媒が流れることに起因して電装品モジュール50において結露が生じる可能性が高まる。したがって、図15に示すような複数の利用ユニット30の構成は、結露判定部64の判定に基づいて制御される上述の第4実施形態、第5実施形態、第7実施形態に適用されるのが特に好ましい。
熱源側熱交換器22の表面温度が所定温度(例えば0℃)以下のときに、熱交換回路41に冷媒を流す第一制御と、電装品モジュール50の表面温度が所定温度(例えば外気露点温度)以下のときに、バイパス回路42に冷媒を流す第二制御とを有し、切換機構43,44により制御手段を切り替える。空調の負荷が小さい場合、圧縮機21も低ロード運転をしている場合が多いためインバータ装置の発熱も少ない。この場合に、インバータ装置と冷媒とで熱交換を行うとインバータ装置を囲う電装品モジュール50のケースが冷えすぎて、ケースの表面が結露する場合がある。そこで、熱交換回路41に冷媒を流さないことで電装品モジュール50のケースの表面が結露することを抑制できる。一方、熱源側熱交換器22の表面温度が0℃以下(かつ外気露点温度以下)のときは着霜する可能性があるときであり、この条件時に冷媒をインバータ装置の排熱と熱交換させて熱源側熱交換器22の下段に経由させることで、熱源側熱交換器22の下段の着霜の進行を遅らせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
前記実施形態では、熱交換回路41が熱源ユニット20に設けられている場合を例示したが、これに限られない。熱交換回路41は、冷媒回路40において利用側熱交換器31と膨張弁23との間に設けられていればよく、熱交換回路41の全体が必ずしも熱源ユニット20のケース26内に配置されていなくてもよい。
また、前記実施形態では、制御部61や着霜判定部63等がコントローラ60に設けられている場合を例示したが、これに限られない。例えば、制御部61や着霜判定部63等は、電装品モジュール50の中に設けられていてもよい。
10 空気調和装置
20 熱源ユニット
21 圧縮機
22 熱源側熱交換器
23 熱源側膨張弁
30 利用ユニット
31 利用側熱交換器
32 利用側膨張弁
40 冷媒回路
41 熱交換回路
42 バイパス回路
43 切換機構
44 冷媒量変更機構
50 電装品モジュール
51 パワーデバイス
52 プリント配線板
53 プリント回路板
60 コントローラ
61 制御部
63 着霜判定部
64 結露判定部
65 冷却判定部
70 伝熱部材
80 加熱機構
91 熱交温度センサ
92 電装品温度センサ
20 熱源ユニット
21 圧縮機
22 熱源側熱交換器
23 熱源側膨張弁
30 利用ユニット
31 利用側熱交換器
32 利用側膨張弁
40 冷媒回路
41 熱交換回路
42 バイパス回路
43 切換機構
44 冷媒量変更機構
50 電装品モジュール
51 パワーデバイス
52 プリント配線板
53 プリント回路板
60 コントローラ
61 制御部
63 着霜判定部
64 結露判定部
65 冷却判定部
70 伝熱部材
80 加熱機構
91 熱交温度センサ
92 電装品温度センサ
Claims (8)
- 圧縮機(21)、熱源側熱交換器(22)、膨張機構(23)及び利用側熱交換器(31)を含む冷媒回路(40)と、
パワーデバイス(51)を含む電装品モジュール(50)と、
前記冷媒回路(40)を流れる冷媒によって前記パワーデバイス(51)を冷却するための伝熱部材(70)と、を備え、
前記冷媒回路(40)は、前記利用側熱交換器(31)と前記膨張機構(23)との間に設けられた熱交換回路(41)を含み、前記熱交換回路(41)は、暖房運転時に前記熱交換回路(41)を流れる冷媒が前記伝熱部材(70)及び前記熱源側熱交換器(22)の下部をこの順に経由するように設けられている空気調和装置。 - 前記冷媒回路(40)は、
前記利用側熱交換器(31)と前記膨張機構(23)との間に設けられ、前記熱交換回路(41)をバイパスするバイパス回路(42)と、
前記熱交換回路(41)及び前記バイパス回路(42)のいずれかに冷媒の流路を切り換える切換機構(43,44)、又は前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量及び前記バイパス回路(42)を流れる冷媒量を変更可能な冷媒量変更機構(45,46)と、を含む請求項1に記載の空気調和装置。 - 前記切換機構(43,44)又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御する制御部(61)と、
前記熱源側熱交換器(22)において着霜が生じる可能性がある着霜状態であるか否かを判定する着霜判定部(63)と、を備え、
前記着霜判定部(63)が前記着霜状態であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路を前記熱交換回路(41)にする、又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量を増やす請求項2に記載の空気調和装置。 - 前記電装品モジュール(50)において結露が生じる可能性がある結露状態であるか否かを判定する結露判定部(64)を備え、
前記結露判定部(64)が前記結露状態であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路を前記バイパス回路(42)にする、又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量を減らす請求項3に記載の空気調和装置。 - 前記着霜判定部(63)が前記着霜状態であると判定し、且つ、前記結露判定部(64)が前記結露状態であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)を制御して冷媒の流路を前記熱交換回路(41)にする、又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して前記熱交換回路(41)を流れる冷媒量を増やす請求項4に記載の空気調和装置。
- 前記パワーデバイス(51)の冷却が必要であるか否かを判定する冷却判定部(65)を備え、
前記着霜判定部(63)が前記着霜状態でないと判定し、且つ、前記冷却判定部(65)が前記パワーデバイス(51)の冷却が不要であると判定すると、前記制御部(61)は、前記切換機構(43,44)又は前記冷媒量変更機構(45,46)を制御して冷媒を前記熱交換回路(41)に流さずに前記バイパス回路(42)に流す請求項3に記載の空気調和装置。 - 前記熱源側熱交換器(22)及び前記膨張機構(23)が熱源ユニット(20)に設けられ、
前記利用側熱交換器(31)が利用ユニット(30)に設けられており、
前記冷媒回路(40)は、前記利用ユニット(30)に設けられた利用側膨張機構(32)を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の空気調和装置。 - 前記利用側熱交換器(31)と前記膨張機構(23)との間に設けられ、暖房運転時に前記伝熱部材(70)よりも上流側を流れる冷媒を加熱する加熱機構(80)を備える請求項1〜7の何れか1項に記載の空気調和装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013161241A JP2015031450A (ja) | 2013-08-02 | 2013-08-02 | 空気調和装置 |
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JP2013161241A JP2015031450A (ja) | 2013-08-02 | 2013-08-02 | 空気調和装置 |
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US10724748B2 (en) | 2016-07-22 | 2020-07-28 | Mitsubishi Electric Corporation | Air-conditioning apparatus |
JP2020169753A (ja) * | 2019-04-02 | 2020-10-15 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | 冷却構造及びこれを備えた電装ユニット並びに室外機 |
-
2013
- 2013-08-02 JP JP2013161241A patent/JP2015031450A/ja active Pending
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