JP2015031346A5 - - Google Patents

Description

特に本発明のトルク伝達用継手の場合には、前記駆動軸と前記被駆動軸との間に直接又は前記駆動側伝達部材及び前記被駆動側伝達部材を介して挟持されるダンパ部を、円周方向に隣り合う前記各被挟持部の内径側端部同士を連続させる内径側連続部に、円周方向に互いに離隔した複数の連結片を介して連結した状態で、前記緩衝部材と一体的に設けている（例えば射出成形により同時に形成している）。又、前記各連結片の両端部のうち、前記ダンパ部の外周面に連結された内径側端部を、前記各内径側連続部に連結された外径側端部に対して、円周方向に関する位相をずらした状態で配置している。
尚、連結片の形状は、直線状、折れ曲がり形状、円弧状等、各種形状を採用できる。
例えば前記各連結片を、直線状とした場合には、これら各連結片は前記緩衝部材の放射方向に対して傾斜した状態となる（連結片の中心線は緩衝部材の中心軸上を通過しない）。

以上の様な構成を有する本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置によれば、駆動軸と被駆動軸との間で伝達されるスラスト力を吸収できると共に、これら両軸の相対変位に基づく異音の発生を防止でき、しかも、これら両軸同士の偏心を十分に吸収できる。
即ち、本発明の場合には、弾性材製の緩衝部材に一体的に設けたダンパ部を、駆動軸と被駆動軸との間で挟持している為、これら駆動軸と被駆動軸とが相対変位した場合にも、衝突に基づく異音が発生する事を有効に防止できる。又、前記ダンパ部が弾性変形する事で、前記駆動軸と前記被駆動軸との間で伝達されるスラスト力の一部を吸収（低減）できる。又、これら駆動軸と被駆動軸との間に、前記ダンパ部を軸方向に弾性変形させた状態で挟持すれば、これら両軸を軸方向に関して反対向きに付勢できる為、これら両軸の相対変位を有効に抑制する事もできる。又、緩衝部材とは別個独立してスラスト力の吸収部材を設ける場合に比べて、部品点数の削減に伴うコスト低減を図れると共に、製造作業及び組付作業の作業工数の低減に伴うコスト低減を図れる。又、ダンパ部の設置位置を、緩衝部材を介して規制できる為、このダンパ部により発揮されるスラスト力の吸収機能を安定して得る事ができる。更に、このダンパ部を連結する複数の連結片の両端部のうち、このダンパ部の外周面に連結した内径側端部を、内径側連続部に連結した外径側端部に対して、円周方向に関する位相をずらした状態で配置している為、前記各被挟持部と前記ダンパ部とが径方向に相対変位する事に対する前記各連結片による抵抗を小さくできて（連結片を弾性変形させ易くできて）、前記各被挟持部と前記ダンパ部とを径方向に相対変位させ易くできる。従って、前記駆動軸と前記被駆動軸との偏心を十分に吸収（許容）する事が可能になる。これにより、各部材の寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収する事が可能になる。又、緩衝部材と駆動側、被駆動側各腕部との当接部の面圧が過大になる事を防止できる為、電動式パワーステアリング装置のシステム全体としての伝達効率の向上を図れる。

Claims (2)

1. 軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するもので、
   前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備え、
   このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の駆動側腕部とを備えたものであり、
   前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の被駆動側腕部とを備えたものであり、
   前記緩衝部材は、複数本の被挟持部を備えたものであり、
   前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との円周方向側面同士の間部分に、前記各被挟持部をそれぞれ介在させているトルク伝達用継手に於いて、
   前記駆動軸と前記被駆動軸との間に挟持されるダンパ部が、円周方向に隣り合う前記各被挟持部の内径側端部同士を連続させる内径側連続部に、円周方向に互いに離隔した複数の連結片を介して連結された状態で、前記緩衝部材と一体的に設けられており、これら各連結片の両端部のうち、前記ダンパ部の外周面に連結された内径側端部が、前記各内径側連続部に連結された外径側端部に対して、円周方向に関する位相がずれた状態で配置されている事を特徴とするトルク伝達用継手。
   
2. 前記緩衝部材が、弾性の異なる２種以上の複数の緩衝片から構成されており、これら複数の緩衝片のうちで他の緩衝片に比べて弾性変形し易い材料製の緩衝片に、前記ダンパ部が一体的に設けられている、請求項５に記載したトルク伝達用継手。