JP2015031151A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータ組立体に用いられるボルトが緩まないターボ分子ポンプの提供。【解決手段】ターボ分子ポンプのロータ組立体10におけるロータ12とシャフト14とを含む被締結部材が螺子部材2で締結され、螺子部材2の頭部9の座面8aが被締結部材16に当接して押圧されることで被締結部材16が締結され、螺子部材2の頭部9の座面8aと被締結部材16との当接面積が、螺子部材2の呼び径に対応する規格品である螺子部材に比べて大きくなるように、螺子部材2の頭部9の形状を定めた。【選択図】図2

Description

本発明は、ターボ分子ポンプに関する。
ターボ分子ポンプは、ロータ翼とステータ翼が交互に積層された構造を有する。ロータ翼はロータに形成されている。ロータとシャフトは、例えば、特許文献1に記載されているようにボルトなどの螺子部材で締結され、ロータ組立体(ロータアッシー)を構成する。このロータ組立体が高速回転することで、気体を排出して高真空状態を作り出す。なお、ロータ組立体の構成として、ロータとシャフトとの他にバランスディスクが含まれることもある。
一般的に、ロータ組立体のロータとシャフトは、六角ボルト(JIS B1180)や六角穴付きボルト(JIS B1176)などによって締結されている。ボルト座面と被締結体とが当接する面積(以下、当接面積)がボルト締め付けトルクに比べて小さい場合、ボルトの座面における平均面圧が高くなる。
特開2003−148380号公報
その結果、ボルト座面と当接している被締結体であるロータまたはシャフトが塑性変形しやすくなり、ボルトが緩みやすくなるという問題があった。
(1)本発明の好ましい実施形態によるターボ分子ポンプは、ロータ翼を有するロータをモータで駆動されるシャフトに締結してなるロータ組立体と、ロータ翼の間に介在されるように設けられたステータ翼とを備え、少なくともロータとシャフトとを含む被締結部材が螺子部材で締結され、螺子部材の頭部の座面が被締結部材に当接して押圧されることで被締結部材が締結され、螺子部材の頭部の座面と被締結部材との当接面積が、当該螺子部材の呼び径に対応する規格品である螺子部材に比べて大きくなるように、螺子部材の頭部の形状を定めたことを特徴とする。
(2)さらに好ましい実施形態では、螺子部材が日本工業規格JIS B1194で規定される六角穴付き皿ボルト、および、JIS B1179で規定される皿ボルトのいずれか一方である場合、被締結部材には六角穴付き皿ボルトまたは皿ボルトの座面となる円錐面と当接する円錐穴が形成されることを特徴とする。
(3)本発明の他の好ましい実施形態によるターボ分子ポンプは、ロータ翼を有するロータをモータで駆動されるシャフトに締結してなるロータ組立体と、ロータ翼の間に介在されるように設けられたステータ翼とを備え、少なくともロータとシャフトとを含む被締結部材が螺子部材で締結され、螺子部材の頭部の座面が被締結部材に当接して押圧されることで被締結部材が締結され、座面が被締結部材に当接する面積は、螺子部材の雄螺子部の呼び径に対して日本工業規格JIS B1256により規定される平座金の面積と同等もしくはそれ以上であることを特徴とする。
(4)さらに好ましい実施形態では、螺子部材は、座面を有するフランジが頭部に設けられたフランジ付きボルトおよびフランジ付き六角穴付きボルトのいずれかであることを特徴とする。
(5)さらに好ましい実施形態では、螺子部材は、フランジなしの六角ボルト、または、フランジなしの六角穴付きボルトであることを特徴とする。
(6)さらに好ましい実施形態では、被締結部材はさらに、ロータの上面に配置されたバランスディスクを含み、バランスディスクとロータとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合され、ロータとシャフトとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合されていることを特徴とする。
(7)さらに好ましい実施形態では、螺子部材は、日本工業規格JIS B1194で規定される六角穴付き皿ボルト、および、JIS B1179で規定される皿ボルトのいずれか一方であり、被締結部材には、六角穴付き皿ボルトまたは皿ボルトの座面となる円錐面と当接する円錐穴が形成されることを特徴とする。
(8)さらに好ましい実施形態では、被締結部材はさらに、ロータの上面に配置されたバランスディスクを含み、バランスディスクとロータとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合され、ロータとシャフトとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合され、螺子部材は、日本工業規格JIS B1194で規定される六角穴付き皿ボルト、および、JIS B1179で規定される皿ボルトのいずれか一方であり、被締結部材のバランスディスクには、六角穴付き皿ボルトまたは皿ボルトの座面となる円錐面と当接する円錐穴が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ターボ分子ポンプのロータ組立体を締結するボルトの座面における平均面圧が低くなり、ボルトの緩みが抑制される。
第1実施形態のターボ分子ポンプの断面図。 第1実施形態のターボ分子ポンプにおけるロータ組立体およびボルトの図。 第1実施形態の変形例1のターボ分子ポンプにおけるボルト周辺の図。 第1実施形態の変形例2のターボ分子ポンプにおけるボルト周辺の図。 第1実施形態の変形例3のターボ分子ポンプにおけるボルト周辺の図。 第2実施形態のターボ分子ポンプにおけるロータ組立体の図。 第3実施形態のターボ分子ポンプにおけるロータ組立体の図。
以下、図を用いて本発明の実施形態および変形例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、以降の実施形態および変形例において説明を省略する。また、以下では、ロータ組立体の締結に従来用いられていたボルトである六角ボルト(JIS B1180)や六角穴付きボルト(JIS B1176)を総称して、従来のボルトと呼ぶことにする。
――第1実施形態――
図1は、ターボ分子ポンプ100の概略構成を示す断面図である。ターボ分子ポンプ100のケーシング52内にはロータ組立体10が回転自在に設けられている。ターボ分子ポンプ100は磁気軸受式のポンプであり、ロータ組立体10は、上部ラジアル電磁石62、下部ラジアル電磁石64、スラスト電磁石66によって非接触支持される。
ロータ組立体10は、ロータ12と、シャフト14と、バランスディスク16と、ボルト2で構成される。バランスディスク16は、ロータ組立体10の重心をロータ12側に移動させるために設けられている。ロータ12の材料として、Al合金を用いることができる。シャフト14の材料として、ニッケルメッキされたS45Cなどを用いることができる。バランスディスク16の材料として、SUS304などを用いることができる。ボルト2は、当接する部材と同じ材料を用いるのが好ましいので、第1実施形態においては、バランスディスク16と同じ材料を用いるのが好ましい。
ロータ12には、複数段のロータ翼20と円筒部18とが設けられている。複数段のロータ翼20の間には、軸方向に対して複数段のステータ翼44が設けられ、円筒部18の外周側にはネジステータ48が設けられている。各ステータ翼44は、スペーサ50を介してベース54上に配設されている。ケーシング52をベース54に固定すると、積層されたスペーサ50がベース54とケーシング52との間に挟持され、各ステータ翼44が位置決めされる。
ベース54には排気口56が設けられ、この排気口56にバックポンプが接続される。ロータ組立体10が上部ラジアル電磁石62、下部ラジアル電磁石64、スラスト電磁石66によって磁気浮上されつつモータ40により高速回転駆動されることにより、吸気口30側の気体分子は排気口56側へと排気される。
図2は、ターボ分子ポンプ100のロータ組立体10に関する図である。図2(a)は、ターボ分子ポンプ100のロータ組立体10を回転軸方向で、かつ、ロータ12側から見た図である。図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。ロータ組立体10は、被締結部材であるロータ12、シャフト14、および、バランスディスク16を、螺子部材であるボルト2で締結して構成されている。バランスディスク16は、ロータ12の上面21に配置されている。ロータ12には位置決め用の突起22が形成される。突起22とバランスディスク16の中心孔17とが凹凸嵌合される。ロータ12には位置決め用の突起24が形成され、シャフト14の中心穴15と凹凸嵌合されて位置決めされる。このように、凹凸嵌合して位置決めされることで、偏心防止の効果がある。ボルト2による締結の詳細は、図2(c)を用いて後述する。
図2(c)は、図2(b)の図示右のボルト2周辺を表す断面図である。ボルト2として、フランジ付き六角穴付きボルトを用いている。ボルト2にはネジ部6、六角穴4、頭部9、フランジ8が形成されている。バランスディスク16には、貫通孔32が形成されている。ロータ12には貫通孔34が形成されている。シャフト14には、ネジ穴13が形成されている。ボルト2は、バランスディスク16の貫通孔32およびロータ12の貫通孔34に挿入された後、ボルト2のネジ部6が、シャフト14のネジ穴13と螺合される。螺合される際は、ボルト2の六角穴4に六角レンチが挿入され、六角レンチを回すことでボルト2がシャフト14に所定の締め付けトルクで螺合される。これによって、ロータ12と、シャフト14と、バランスディスク16とが締結されて一体化され、ロータ組立体10となる。その際、ボルト2には軸力が発生している。
ボルト2は、ボルト2の座面であるフランジ8の当接面8a(以降、ボルト2の座面8a)を介して、バランスディスク16の当接面16aと当接される。ボルト2は、当接されると同時に、バランスディスク16を押圧する。本発明のターボ分子ポンプ100のロータ組立体に用いられるボルト(以下、本発明におけるボルト)と、従来のボルトで呼び径の等しいものに関して、頭部の座面の当接面積を比較した場合、本発明におけるボルトのほうが従来のボルトよりも大きくなるように設定されている。また、本発明におけるボルトの座面の当接面積は、本発明のボルトの呼び径に対応する平座金(JIS B1256)と同等もしくはそれ以上になるように設定されている。具体的に、第1実施形態においては、ボルト2の頭部9にフランジ8が形成されているため、ボルト2の座面8aとバランスディスク16の当接面16aとの当接面積は、従来のボルトを用いた場合よりも大きくなる。その結果、従来のボルトを用いた場合と比較して、ボルト2の座面における平均面圧が低くなり、バランスディスク16の塑性変形が起こりにくくなり、ボルト2の緩みが抑制される。
従来のボルトを用いた場合では、従来のボルトにフランジがないため、ボルトの座面とバランスディスク16との当接面積が小さくなり、その結果としてボルトの座面における平均面圧が高くなり、バランスディスク16が塑性変形してボルトの緩みが生じやすくなる。
従来のボルトとともに平座金(JIS B1256)を用いてロータ12とシャフト14とバランスディスク16を締結し、ロータ組立体10を構成すると、平座金の面積分だけ当接面積が大きくなるので、平座金の座面における平均面圧は低くなり、バランスディスク16のへたりが抑制されてボルトの緩みが抑制される。しかし、ボルトの呼び径と平座金の内径の差に起因した平座金の位置ずれが起こり、ロータ組立体10の重量バランスが不安定になるという新たな問題が生じていた。
第1実施形態のターボ分子ポンプ100に用いられるボルト2の頭部9には、フランジ8が一体的に設けられている。そのため、フランジ8が位置ずれすることはなく、ロータ組立体10の重量バランスが不安定になる問題は起こらない。
なお、第1実施形態においては、ボルト2としてフランジ付き六角穴付きボルトを用いたが、フランジ付き六角穴付きボルトの代わりに、フランジ付き六角ボルト(JIS B1189)を用いても同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
第1実施形態のターボ分子ポンプ100の特徴とその特徴が奏する作用効果を以下にまとめる。
(1)ターボ分子ポンプ100のロータ組立体10は、ロータ12とシャフト14とバランスディスク16がボルト2で締結されて構成される。また、ボルト2の座面8aはバランスディスク16の当接面16aと当接している。ボルト2にはフランジ8が形成されている。フランジ8が形成されたボルト2を締結に用いたことによって、従来のボルトで締結された場合よりも、ボルト2とバランスディスク16との当接面積が広くなり、ボルト2の座面における平均面圧が低くなる。ボルト2の座面における平均面圧が低くなったことで、ボルト2と当接する被締結部材であるバランスディスク16の塑性変形が起こりにくくなり、ボルト2の緩みが抑制される。
(2)フランジ8は、ボルト2の頭部9に形成されている。すなわち、フランジ8がボルト2と一体的に設けられている。そのため、フランジ8の位置ずれは起こらず、ロータ組立体10の重量バランスの安定性を維持することができる。
(3)ターボ分子ポンプを分解修理して組立する際、従来のように平座金を使用する場合は、ボルト軸心に対する平座金の軸心が、工場出荷時のターボ分子ポンプのボルト軸心に対する平座金の軸心の位置関係とずれるおそれがあり、再組立にあたり動釣合を計測して修正作業を行うことが不可避であった。しかし、第1実施形態のターボ分子ポンプ100では、ボルト2の頭部9とフランジ8が一体化されているので、分解修理して組立する際に動釣合計測と修正作業が不要となる。
――第1実施形態の変形例1――
図3は、第1実施形態の変形例1のターボ分子ポンプ100のロータ組立体10に用いられるボルト70の周辺を示す図である。ボルト70には、六角穴付き皿ボルト(JIS B1194)を用いている。ボルト70の頭部78の座面78bは、円錐台状になっている。一方、バランスディスク16の貫通孔32bの端部に設けられた当接部16bは、円錐台状の凹部となっている。これによって、当接部16bと座面78bは面(円錐面)で当接される。その当接面積は、従来のボルトを用いた場合よりも大きくなっている。その結果、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
なお、第1実施形態の変形例1では、ボルト70に六角穴付き皿ボルト(JIS B1194)を用いたが、六角穴付き皿ボルト(JIS B1194)の代わりに、皿ボルト(JIS B1179)を用いても同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
――第1実施形態の変形例2――
図4は、第1実施形態の変形例2のターボ分子ポンプ100のロータ組立体10に用いられるボルト80の周辺を示す図である。ボルト80の頭部88の座面88cは、半球状になっている。一方、バランスディスク16の貫通孔32cの端部に設けられた当接部16cは、半球状の凹部となっている。これによって、当接部16cと座面88cは面(球面)で当接される。その当接面積は、従来のボルトを用いた場合よりも大きくなっている。その結果、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
――第1実施形態の変形例3――
図5は、第1実施形態の変形例3のターボ分子ポンプ100のロータ組立体10に用いられるボルト90の周辺を示す図である。ボルト90には、フランジのない六角ボルトやフランジのない六角穴付きボルトを用いることができるが、従来のボルトである六角ボルト(JIS B1180)や六角穴付きボルト(JIS B1176)とは異なるものである。ボルト2の頭部98の座面98dの当接面積は、第1実施形態のボルト2のフランジ8の当接面積と等しく設定されている。よって、第1実施形態の変形例3のボルト2の座面98dにおける平均面圧は、第1実施形態のボルト2の座面8aにおける平均面圧と等しくなる。その結果、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
――第2実施形態――
図6は、第2実施形態のターボ分子ポンプ100のロータ組立体210に関する図である。図6(a)は、第2実施形態のターボ分子ポンプ100のロータ組立体210を回転軸方向で、かつ、ロータ212側から見た図である。図6(b)は、図6(a)のB−B断面図である。第2実施形態のターボ分子ポンプ100の構成は、ロータ組立体210以外は、第1実施形態と同様である。第2実施形態でも、ボルト2としてフランジ付き六角穴付きボルトを用いている。第1実施形態のロータ組立体10はバランスディスク16を有しているが、第2実施形態のロータ組立体210はバランスディスクを有していない。そのため、第2実施形態においては、ボルト2はロータ212と当接する。また、第2実施形態のロータ組立体210はバランスディスクを有していないため、ロータ212は、バランスディスクと嵌合させるための突起は有していない。ロータ212は、シャフト14と嵌合させるための突起24は有しており、シャフト14の中心穴15と突起24が互いに嵌合され、位置決めされる。上述のように、第2実施形態においても、ロータ212とシャフト14を締結するボルト2としてフランジ付き六角穴付きボルトを用いている。その結果、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
第2実施形態において、ボルト2としてフランジ付き六角穴付きボルトを用いたが、フランジ付き六角穴付きボルトの代わりに、フランジ付き六角ボルト(JIS B1189)を用いても第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
第2実施形態では、第1実施形態で示したボルト2を適用したが、第1実施形態の変形例1〜3で示したボルト70、80、90も同様に適用できる。ボルト70、80を用いる際は、ボルトが貫通する貫通孔の端部を適宜変形して第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
――第3実施形態――
図7は、第3実施形態のターボ分子ポンプ100のロータ組立体310の回転軸方向断面図である。第3実施形態のターボ分子ポンプ100の構成は、ロータ組立体310以外は、第1実施形態と同様である。ロータ組立体310においては、ロータ312にネジ穴313が形成されている。また、シャフト314にフランジ316が形成されており、さらにフランジ316に貫通孔334が形成されている。第3実施形態においても、ロータ312とシャフト314の締結には、フランジ付き六角穴付きボルトであるボルト2が用いられる。ボルト2が貫通孔334に通され、ボルト2のネジ部6がネジ穴316と螺合されることにより、ロータ312とシャフト314が締結されて、ロータ組立体310となる。そのため、第3実施形態においては、ボルト2はフランジ316と当接する。
第1実施形態のロータ組立体10はバランスディスク16を有しているが、第3実施形態のロータ組立体310はバランスディスクを有していない。また、第3実施形態のロータ組立体310はバランスディスクを有していないため、ロータ312は、バランスディスクと嵌合させるための突起は有していない。ロータ312は、シャフト314と嵌合させるための突起324は有しており、シャフト314の中心穴315と突起324が互いに嵌合され、位置決めされる。
上述のように、第3実施形態においても、ロータ312とシャフト314を締結するボルト2としてフランジ付き六角穴付きボルトを用いている。その結果、第1実施形態およびだ2実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
第3実施形態において、ボルト2としてフランジ付き六角穴付きボルトを用いたが、フランジ付き六角穴付きボルトの代わりに、フランジ付き六角ボルト(JIS B1189)を用いても第1実施形態、第2実施形態、および、第3実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
第3実施形態では、第1実施形態で示したボルト2を適用したが、第1実施形態の変形例1〜3で示したボルト70、80、90も同様に適用できる。ボルト70、80を用いる際は、ボルトが貫通する貫通孔の端部を適宜変形して第1実施形態、第2実施形態、および、第3実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、ロータ組立体の重量バランスを維持しつつ、ボルトの緩みを抑制することができる。
本発明におけるターボ分子ポンプ100のロータ組立体10、210、310に用いられるボルトをJIS(日本工業規格)に基づいて説明した箇所については、ISO規格(国際標準化機構)、ANSI規格(アメリカ)、GB規格(中国)、KS規格(韓国)、DIN規格(ドイツ)などの規格に基づいて説明することも可能である。
2:ボルト、 4:穴、 6:ネジ部、 8:フランジ、 8a:座面、 9:頭部、
10:ロータ組立体、 12:ロータ、 13:ネジ穴、 14:シャフト、
15:中心孔、 16:バランスディスク、 16a〜d:当接面、
17:中心穴、 18:円筒部、 20:ロータ翼、 21:上面、
22、24:突起、 30:吸気口、 32、32b、32c、34:貫通孔、
40:モータ、 44:ステータ翼、 48:ネジステータ、 50:スペーサ、
52:ケーシング、 54:ベース、 56:排気口、 62:上部ラジアル電磁石、
64:下部ラジアル電磁石、 66:スラスト電磁石、 70:ボルト、
74:穴、 78:頭部、 78b:座面、 80:ボルト、 84:穴、
88:頭部、 88c:座面、 90:ボルト、 94:穴、 98:頭部、
98d:座面、 100:ターボ分子ポンプ、 210:ロータ組立体、
212:ロータ、 310:ロータ組立体、 312:ロータ、 313:ネジ穴、
314:シャフト、315:中心穴、 316:シャフトフランジ、 324:突起、
334:貫通孔

Claims (8)

  1. ロータ翼を有するロータをモータで駆動されるシャフトに締結してなるロータ組立体と、
    前記ロータ翼の間に介在されるように設けられたステータ翼とを備え、
    少なくとも前記ロータと前記シャフトとを含む被締結部材が螺子部材で締結され、
    前記螺子部材の頭部の座面が前記被締結部材に当接して押圧されることで前記被締結部材が締結され、
    前記螺子部材の頭部の座面と前記被締結部材との当接面積が、当該螺子部材の呼び径に対応する規格品である螺子部材に比べて大きくなるように、前記螺子部材の頭部の形状を定めたターボ分子ポンプ。
  2. 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記螺子部材が日本工業規格JIS B1194で規定される六角穴付き皿ボルト、および、JIS B1179で規定される皿ボルトのいずれか一方である場合、前記被締結部材には前記六角穴付き皿ボルトまたは前記皿ボルトの前記座面となる円錐面と当接する円錐穴が形成されるターボ分子ポンプ。
  3. ロータ翼を有するロータをモータで駆動されるシャフトに締結してなるロータ組立体と、
    前記ロータ翼の間に介在されるように設けられたステータ翼とを備え、
    少なくとも前記ロータと前記シャフトとを含む被締結部材が螺子部材で締結され、
    前記螺子部材の頭部の座面が前記被締結部材に当接して押圧されることで前記被締結部材が締結され、
    前記座面が前記被締結部材に当接する面積は、前記螺子部材の雄螺子部の呼び径に対して日本工業規格JIS B1256により規定される平座金の面積と同等もしくはそれ以上であるターボ分子ポンプ。
  4. 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記螺子部材は、前記座面を有するフランジが前記頭部に設けられたフランジ付きボルトおよびフランジ付き六角穴付きボルトのいずれかであるターボ分子ポンプ。
  5. 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記螺子部材は、フランジなしの六角ボルト、または、フランジなしの六角穴付きボルトであるターボ分子ポンプ。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記被締結部材はさらに、前記ロータの上面に配置されたバランスディスクを含み、
    前記バランスディスクと前記ロータとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合され、前記ロータとシャフトとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合されているターボ分子ポンプ。
  7. 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記螺子部材は、日本工業規格JIS B1194で規定される六角穴付き皿ボルト、および、JIS B1179で規定される皿ボルトのいずれか一方であり、前記被締結部材には、前記六角穴付き皿ボルトまたは前記皿ボルトの前記座面となる円錐面と当接する円錐穴が形成されるターボ分子ポンプ。
  8. 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記被締結部材はさらに、前記ロータの上面に配置されたバランスディスクを含み、
    前記バランスディスクと前記ロータとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合され、前記ロータとシャフトとは偏心防止用に相互に凹凸嵌合され、
    前記螺子部材は、日本工業規格JIS B1194で規定される六角穴付き皿ボルト、および、JIS B1179で規定される皿ボルトのいずれか一方であり、前記被締結部材のバランスディスクには、前記六角穴付き皿ボルトまたは前記皿ボルトの前記座面となる円錐面と当接する円錐穴が形成されるターボ分子ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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