JP2015030227A - 感熱紙 - Google Patents

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光洋 太田
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Abstract

【課題】 高温多湿の環境下などで印字物を保存した際、印字発色した記録部の濃度低下を防止することができる感熱紙を提供する。
【解決手段】 基材2上に感熱発色層3を設けた感熱紙1であって、前記感熱発色層3はロイコ染料と、顕色剤と、バインダーを含み、前記バインダーは、等イオン点が7以上のゼラチンとカルボキシル基を有するアクリル樹脂を、固形分質量比(等イオン点が7以上のゼラチン/カルボキシル基を有するアクリル樹脂)が1/4以上4/1以下の割合で含有することを特徴とする感熱紙1の構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上に感熱発色層を設けた感熱紙に関し、特に感熱発色層がロイコ染料と、顕色剤と、バインダーを含み、そのバインダーの構成を特定した感熱紙に関わるものである。
従来から、紙、合成紙等からなる基材上に、樹脂バインダーとロイコ染料と顕色剤とを含む感熱発色層を形成してなる感熱紙が知られている。この種の感熱紙は、現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がなく、サーマルヘッド等の発熱体により感熱発色層をパターン状に加熱することで、所望の文字、画像等を容易に印字することができる点で、ファクシミリ、ラベルプリンター等に広く使用されている。また、近年、感熱発色層上に、耐熱性や、光沢性を付与するための、或いは記録情報の傷付き、汚染等からの防止を目的とした耐熱保護層を備えた感熱紙も知られている。
また、これらの感熱紙における感熱発色層に含まれる樹脂バインダーとしては、例えば、特許文献1にも開示がされているように、ポリビニルアルコール樹脂が一般的である。
特開2010−228171号公報
上記のように感熱紙は容易に記録が可能であるといった利点を有するものの、高温下、高湿度下などで、印字発色した記録部の濃度が低下する問題が生じうる。しかしながら、現在のところ、上記の高温下などで印字物を保存した際、印字発色した記録部の濃度低下を十分に防止することができる感熱紙は知られていない。
したがって、本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高温多湿の環境下などで印字物を保存した際、印字発色した記録部の濃度低下を防止することができる感熱紙を提供することを主たる課題とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材上に感熱発色層を設けた感熱紙であって、前記感熱発色層はロイコ染料と、顕色剤と、バインダーを含み、前記バインダーは、等イオン点が7以上のゼラチンとカルボキシル基を有するアクリル樹脂を、固形分質量比(等イオン点が7以上のゼラチン/カルボキシル基を有するアクリル樹脂)が1/4以上4/1以下の割合で含有することを特徴とする感熱紙の構成とした。
また、本発明は前記感熱発色層に含むゼラチンの等イオン点が7以上11以下であることを特徴とする感熱紙の構成とした。
また、本発明は前記感熱発色層に、更に硬化剤を含むことを特徴とする感熱紙の構成とした。
本発明の感熱紙によれば、同時重層塗工適性に優れつつ、高温多湿の環境下などで印字物を保存した際、印字発色した記録部の濃度低下を効果的に防止することが可能となる。
本発明の感熱紙の一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の感熱紙の他の実施形態を示す概略断面図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の感熱紙の一つの実施形態を示し、その感熱紙1は、基材2の一方の面に、感熱発色層3を設けた構成である。
また図2は本発明の感熱紙の他の実施形態を示し、基材2の一方の面に、感熱発色層3、保護層4を順に積層した構成である。この構成で、基材2と感熱発色層3の間に、接着層を設けることができる。また、図示していないが、基材2の感熱発色層3が設けられている面と反対側に、裏面層を設けることができる。また、図示していないが、感熱発色層3と保護層4との間に、中間層を設けて、耐久性の向上などを図ることも可能であり、本発明の感熱紙の機能を損なわなければ、必要に応じて任意の層を追加することができる。
以下に、本発明の感熱紙を構成する各層について、詳述する。
(基材)
感熱紙における基材2は、感熱発色層を保持するという役割を有するとともに、感熱発色層への記録時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材としては、例えば、紙類では、各種紙単体もしくは加工紙、合成紙等いずれも使用可能で、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等の他、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙などが挙げられる。また基材としてプラスチックフィルムでは、ポリオレフィン系樹脂フィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリメタクリレートフィルムなどが使用でき、これらのプラスチックフィルムでは透明なフィルムだけでなく、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルム等も使用できる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよく、特に限定されない。このような基材の厚さは、5μm〜5mm程度の範囲である。
(感熱発色層)
感熱紙における感熱発色層3は、ロイコ染料と、顕色剤と、バインダーを含む。バインダーは、等イオン点が7以上のゼラチンとカルボキシル基を有するアクリル樹脂とを、固形分質量比(等イオン点が7以上のゼラチン/カルボキシル基を有するアクリル樹脂)が1/4以上4/1以下の割合で含有するものである。以下にそれらの含有成分毎に説明する。
<バインダー>
等イオン点が7以上のゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンなどを用いることができる。酸処理ゼラチンとは、ゼラチンの原料であるコラーゲンを希塩酸、希硫酸などの酸性物質にて加水分解し抽出したゼラチンである。アルカリ処理ゼラチンとは、コラーゲンを石灰液等のアルカリ性物質にて加水分解し抽出したアルカリ処理ゼラチンとは異なるものである。また、ゼラチンの原料であるコラーゲンとしては、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲン等を挙げることができる。
本発明においては、バインダーがゼラチンを含有することによって、同時重層塗工適性が優れた感熱発色層を得ることができる。
等イオン点(isoionic point:以下、pIということがある)は、ゼラチン等の水溶性タンパク質が有する酸性基と塩基性基の量を示すものである。pIが低い水溶性タンパク質はアミノ酸側鎖の酸アミド結合が脱アミド化により減少し、アニオン性を示すカルボキシル基などの酸性基をより多く有していることを示し、反対にpIが高い水溶性タンパク質は酸アミド結合が多く残留していることを示す。
ゼラチンの当イオン点は、7以上11以下であることがより好ましく、8以上10以下であることがさらに好ましい。これによって、カルボキシル基を有するアクリル樹脂との親和性をより優れたものとすることができ、安定性がより優れたインキとすることができる。
感熱発色層におけるカルボキシル基を有するアクリル樹脂は、上記に説明したゼラチンのアミド基と、上記アクリル樹脂のカルボシル基とが全部あるいは一部が中和されて使用される。カルボキシル基を有するアクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸あるいは不飽和カルボン酸無水物などと、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステルとこれらと共重合可能な単量体と共重合することによって得られる。
上記の中和に用いる塩基は、アンモニア;トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン等の有機アミン類が挙げられる。カルボキシル基を有するアクリル樹脂は、水溶性および/または水分散性ポリカルボン酸塩であり、市販されているものとして、例えば、BASF社製のJONCRYLシリーズのJONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、819、JDX−C3000、JDX−C3080、52J、57J、60J、PDX6650、61J、62J、63J、70J、HPD−96J、PDX−6137A、501J、354J、6610、JDX−6500、PDX−6102B、PDX6124、JDX−6108等を挙げることができる。
上記のゼラチンとカルボキシル基を有するアクリル樹脂を、混合比(ゼラチン/カルボキシル基を有するアクリル樹脂)が、固形分質量比で1/4〜4/1で含有することにより、高温多湿の環境下などで印字物を保存した際、印字発色した記録部の濃度低下を効果的に防止することができ、また感熱発色層の塗工適性が良く、安定した層を形成することができる。
<硬化剤>
感熱発色層に含有するバインダーである樹脂を架橋させるため、硬化剤を感熱発色層に加えることができる。その硬化剤について特に限定はないが、ポリイソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、キレート系硬化剤、エポキシ樹脂等の硬化剤が使用可能である。感熱発色層に硬化剤を添加することで、感熱発色層に含有するバインダーが架橋することで、感熱紙の耐水性などの耐久性をより向上させることができる。また印画物保存性をより高めることができ、好ましい。
硬化剤の含有量は、用いられるバインダーによって適宜設定することができ特に限定はないが、バインダー100質量部(固形分)に対し、20質量部以上含有されていることが好ましい。含有量がこの範囲を下回るにつれて十分な架橋構造の形成が困難となり、耐水性が低下する傾向となるからである。なお、硬化剤の含有量が多いほど強固な架橋構造が形成されることとなるが、含有量が一定量を超えると、未反応のまま残存した硬化剤の可塑化により塗膜強度を低下するおそれが生じうる。したがって、硬化剤の含有量は未反応のまま残存する硬化剤が存在しないように配合することが好ましい。
上記の架橋構造は、バインダーの側鎖に変性されている少なくとも2つの水酸基に硬化剤が化学的に結合し、硬化剤がバインダーを橋渡しした構造を意味する。架橋構造が形成されているか否かは、赤外分光法(IR)等を用いてバインダーに変性されている水酸基の減少を確認することで推測することができる。また、架橋構造を形成した場合、樹脂の耐熱性が向上することから、示差走査熱量測定(DSC)等の熱分析法で樹脂の融点やガラス転移点の上昇が確認された場合にも架橋構造が形成されたものと推測することができる。また、赤外分光法(IR)等と、熱分析法を組合せて用いることで、架橋構造に関してより精度の高い推測が可能である。
<ロイコ染料>
感熱発色層に含まれるロイコ染料について特に限定はなく、無色または淡色の従来公知のロイコ染料を適宜選択して用いることができる。例えば、
(1)3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリドなどのトリアリールメタン系化合物;
(2)4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系化合物;
(3)3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、ローダミン−β−アニリノラクタム、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどのキサンテン系化合物;
(4)ベンゾイルロイコメチレンブル−、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブル−などのチアジン系化合物;
(5)3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベン
ジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピランなどのスピロ系化合物;
(6)その他、3,5',6−トリス(ジメチルアミノ)−スピロ〔9H−フルオレン
−9,1'(3'H)−イソベンゾフラン〕−3'−オン、1,1−ビス〔2−(4−ジメ
チルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロ(3H)イソベンゾフラン−3−オンなどが挙げられ、これらの染料は1種または2種以上を混合して用いることができる。
ロイコ染料の含有量について特に限定はないが、感熱発色層の固形分総量に対し10〜35質量%程度が一般的である。
<顕色剤>
顕色剤についても特に限定はなく、例えば、p−オクチルフェノ−ル、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、
ビスフェノール−A、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,4'−ジヒドロキシフェニルスル
ホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エトキシ〕メタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノ−ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸などのフェノール系;安息香酸などの有機カルボン酸系;サリチル酸亜鉛などの金属系;2,4−ジヒドロキシ−N−2'−メトキシベンズアニ
リドなどのアニリド誘導体系などの顕色剤があげられ、これらの顕色剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
ロイコ染料と顕色剤との配合比について特に限定はないが、ロイコ染料1質量部に対し、顕色剤は1〜10質量部程度が一般的である。
<その他の材料>
また、感熱発色層には、必要に応じて、増感剤や、保存安定剤を添加してもよい。増感剤としては、例えば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸ドデシルエステル亜鉛塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの有機酸の金属塩;ステアリン酸アミド,ステアリン酸メチロールアミド,ステアロイル尿素、アセトアニリド、アセトトルイジド、安息香酸ステアリルアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオクチル酸アミドなどのアミド化合物;1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、p−ベンジロキシビフェニル、ジフェニルカーボネート、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ジベンジルオキザレート、ビス(4−メチルベンジル)オキザレート、ビス(4−クロロベンジル)オキサレート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、メチレンジベンゾエート、1,4−ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、2−ベンジロキシナフタレン、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジル、ジメチルフタレート、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、4−メチルフェノキシ−
p−ビフェニルなどがあげられ、これらの増感剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、保存安定剤としては、たとえば、1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4'−ブチリデンビス(2−第三ブチル
−5−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノー
ル)、2,2'−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4'−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナト
リウム−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどが
あげられ、これらの保存安定剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、増感剤や保存安定剤以外にも、必要に応じて、顔料、ワックス類、消泡剤などの添加剤や、感熱発色層に任意の着色を行うための嗔料などを添加することもできる。
感熱発色層の形成方法についても特に限定はなく、例えば、分散媒体として水を使用し、ロイコ染料、顕色剤、バインダー、及び必要に応じ増感剤、保存性改良剤等を混合攪拌して調製した塗工液を基材上に、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法で塗工して、感熱発色層を形成することができる。
感熱発色層の塗工量についても特に限定はないが、固形分で3.0〜10.0g/m2程度が好ましい。
(保護層)
感熱発色層の上に、保護層4を設けて、光沢性を高め、また耐熱性、耐可塑剤性など各種の耐久性を向上させることができる。保護層としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができ特に限定はなく、例えば、バインダー樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を含む保護層を挙げることができる。上記に例示したものの中でも、耐熱性、光沢性、耐可塑剤性に優れるアクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂を含む保護層が特に好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層のバインダー樹脂として好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。また、紫外線硬化性樹脂を含有する保護層は耐光性に優れる点で好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
また、保護層に滑剤を含有させることとしてもよい。滑剤としては、従来公知の滑剤である金属石鹸、シリコーンオイル、及びシリコーン変性樹脂、ポリワックス、タルク等が使用可能である。保護層の形成方法としては、上記に例示したバインダー樹脂の1種または2種以上と、必要に応じて添加される添加剤を適当な溶剤により、溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、これを、感熱発色層上にグラビア印刷法、バーコーター法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗工、乾燥して形成することができる。保護層の塗工量について特に限定はないが、固形分で0.5〜10.0g/m2程度が一般的である。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
<A液の調製>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン45部を、水55部に分散しA液を得た。
<B液の調製>
4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノ−ル35部を、水65部に分散しB液を得た。
<C液の調製>
1,2−ジフェノキシエタン40部を、水60部に分散しC液を得た。
<D液の調製>
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン40部を、水60部に分散しD液を得た。
(実施例1)
基材として、YUPO(王子製紙製)を用い、その基材上に下記組成の感熱発色層用塗工液1を、乾燥時で6.0g/m2となるように、スライドコーターを用いて塗工、乾燥して感熱発色層を形成した。但し、以下に示す各層の塗工液に関し、溶媒を除き、各材料は固形分換算の質量部である。
<感熱発色層用塗工液1>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 24部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 6部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
但し上記のA液、B液、C液、D液の全ての液の質量部は、溶媒を除き、各材料成分は固形分換算の値である。以下の塗工液でも同様である。
上記の感熱発色層の上に、下記組成の保護層用塗工液を、乾燥時で2.0g/m2となるように、スライドコーターを用いて塗工、乾燥して保護層を形成し、実施例1の感熱紙を作成した。なお、基材上に感熱発色層、保護層を積層する際、スライドコーターで同時塗工の条件で塗工して積層させた。
<保護層用塗工液>
・アクリル系樹脂エマルジョン 1.6部
(三井化学社製、バリアスター B−1000)
・ステアリン酸亜鉛 2部
(堺化学工業社製、SZ−PF)
・水 90部
但し上記のアクリル系樹脂エマルジョンの質量部は、溶媒を除き、材料成分のアクリル系樹脂の固形分換算の値である。
(実施例2)
実施例1で使用した感熱発色層用塗工液1を、下記組成の感熱発色層用塗工液2に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液2>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 6部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 24部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例3)
実施例1で使用した感熱発色層用塗工液1を、下記組成の感熱発色層用塗工液3に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液3>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 21部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例4)
実施例1で使用した感熱発色層用塗工液1を、下記組成の感熱発色層用塗工液4に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液4>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 9部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 21部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例5)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液5に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液5>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 18部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9部
・硬化剤(カルボジイミド系硬化剤、日清紡ケミカル(株)製、商品名CARBODILITE SV−02) 3部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例5´)
上記の実施例5で作製した感熱紙で、保護層を除いた以外は、実施例5と同様にして、感熱紙を作製した。
(実施例6)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液6に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液6>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 19部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9.5部
・硬化剤(カルボジイミド系硬化剤、日清紡ケミカル(株)製、商品名CARBODILITE SV−02) 1.5部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例7)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液7に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液7>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 19部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9.5部
・硬化剤(オキサゾリン系硬化剤、(株)日本触媒製、商品名エポクロス WS−700) 1.5部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例8)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液8に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液8>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 19部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9.5部
・硬化剤(オキサゾリン系硬化剤、(株)日本触媒製、商品名エポクロス K−2010E) 1.5部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例9)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液9に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液9>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 19部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9.5部
・硬化剤(オキサゾリン系硬化剤、(株)日本触媒製、商品名エポクロス K−2030E) 1.5部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例10)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液10に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液10>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 9部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 18部
・硬化剤(カルボジイミド系硬化剤、日清紡ケミカル(株)製、商品名CARBODILITE SV−02) 3部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例11)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液11に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液11>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 9.6部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 18.9部
・硬化剤(カルボジイミド系硬化剤、日清紡ケミカル(株)製、商品名CARBODILITE SV−02) 1.5部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例12)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液12に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液12>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 24部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルHPD−96J) 6部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(実施例13)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液13に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液13>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 24部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリル70J) 6部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例1)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液14に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液14>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 30部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例2)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液15に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液15>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 27部
・硬化剤(カルボジイミド系硬化剤、日清紡ケミカル(株)製、商品名CARBODILITE SV−02) 3部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例2´)
上記の比較例2で作製した感熱紙で、保護層を除いた以外は、比較例2と同様にして、感熱紙を作製した。
(比較例3)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液16に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液16>
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 30部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例4)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液17に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液17>
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 27部
・硬化剤(カルボジイミド系硬化剤、日清紡ケミカル(株)製、商品名CARBODILITE SV−02) 3部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例4´)
上記の比較例4で作製した感熱紙で、保護層を除いた以外は、比較例4と同様にして、感熱紙を作製した。
(比較例5)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液18に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液18>
・アルカリ処理ゼラチン(等イオン点が4.5)(新田ゼラチン(株)製) 21部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 9部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例6)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液19に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液19>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 27部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 3部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
(比較例7)
実施例1で作製した感熱紙における感熱発色層用塗工液1を下記組成の感熱発色層用塗工液20に代えた以外は実施例1と同様にして、感熱紙を作製した。
<感熱発色層用塗工液20>
・酸処理ゼラチン(等イオン点が9.2)(新田ゼラチン(株)製) 3部
・カルボキシル基を有するアクリル樹脂(BASFジャパン社製、商品名ジョンクリルJDX−6180) 27部
・A液 10.55部
・B液 14.45部
・C液 15.75部
・D液 29.25部
・水 100部
上記のゼラチンにおける等イオン点は、以下の条件で測定した。
[ゼラチンの等イオン点]
pH計を用い、イオン交換樹脂により脱塩した検液の水素イオン濃度を測定する。具体的には、以下の通りに行う。
・試薬:(1)強酸性陽イオン交換樹脂(H型)(アンバーライトIR−120B、ロームアンドハース社製)
(2)強塩基性陰イオン交換樹脂(I型)(アンバーライトIRA−401、ロームアンドハース社製)
・装置:pH計(HM−20P、東亜ディーケーケー社製)
・検疫:試料ゼラチンの1%溶液
・測定:(1)強酸性陽イオン交換樹脂5mlと強塩基性陰イオン交換樹脂10mlとを混合する。
(2)混合した樹脂を純水で2回洗浄した後純水を入れ、35℃に保温する。
(3)保温した樹脂の水を切り、検液100mlを加え、35℃で20分以上攪拌する。
(4)デカンテーション法により、検液からイオン交換樹脂を除去する。
(5)検液の液温を35℃にし迅速にpHを測定する。得られたpH値を等イオン点とする。
上記の実施例及び比較例の各感熱紙の作製において、感熱発色層用塗工液における安定性(インキ安定性と略す)と、基材上の感熱発色層及び保護層のスライドコートにおける同時塗工適性について、評価した。その評価方法、評価基準は以下のとおりである。
(イ)インキ安定性の評価方法
上記の各例の感熱紙の感熱発色層用塗工液(以下、インキと略す)を調整後、インキの温度を40℃に保った状態で、24時間静置して、そのインキの状態を目視して評価した。その評価基準は下記の通りとした。
◎:インキ作成後24時間で、インキに変化がない。
○:インキ作成後24時間で、沈殿物が若干見られるが、撹拌すれば作成時の状態に戻る。
△:インキ作成後24時間で、沈殿物が見られるが、撹拌すれば作成時の状態に戻る。
×:インキ作成後24時間で、沈殿物が見られ、撹拌しても元の状態に戻らない。
(ロ)同時塗工適性の評価方法
基材上に、感熱発色層、保護層を重ねて塗工する際、スライドコートにおける同時塗工方式で、塗工した時の塗工適性を、塗工された面の状態を目視により観察して調べた。その評価基準は下記の通りとした。
◎:塗工面にムラがない。
○:塗工面に若干のムラが見られる。
△:塗工面にムラが見られる。
×:塗工面のムラが著しく、大きな欠陥である。
上記の作製した実施例及び比較例の各感熱紙に対し、ソニー(株)製UP−897MD 感熱プリンターにより、テストパターンで記録を行なって、印画物を用意して、以下に示す条件で、印画物保存性を調べた。
(ハ)印画物保存性
40℃90%RHの環境下で、印画物を48時間保存し、保存前と比べ印画物の状態を目視にて調べた。その評価基準は下記の通りとした。
◎:印画物に変化がない。
○:印画物濃度が若干低下しているが、画像の解読が可能である。
△:印画物濃度が低下しているが、画像の解読が可能である。
×:印画物濃度が著しく低下し、画像の解読が不可能である。
上記のインキ安定性、同時塗工適性及び印画物保存性の評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2015030227
上記の結果に示すように、実施例1〜13の感熱紙は、インキ安定性、同時塗工適性及び印画物保存性の評価の全てにおいて、良好な結果であった。特に実施例5〜11の感熱紙では、印画物保存性において印画物濃度で低下がなく、非常に優れていた。なお、実施例5´の感熱紙は、保護層がないので、印画物保存性で、印画物の濃度が少し低下していた。
比較例1、6の感熱紙は、印画物保存性で印画物濃度が著しく低下し、画像の解読が不可能となり、不良であった。比較例2の感熱紙は、印画物保存性で画像の解読が可能ではあるが、印画物濃度が低下していた。比較例3、4、7の感熱紙は、同時塗工適性で塗工面のムラが著しく、不良であった。また比較例5の感熱紙は、インキ安定性及び同時塗工適性の両方で、不良であった。
また、比較例2´の感熱紙は、保護層がないので、印画物保存性で、比較例2の感熱紙よりも印画物濃度が低下していた。また比較例4´の感熱紙は、保護層がないので、比較例4の感熱紙よりも印画物濃度が低下していた。
1 感熱紙
2 基材
3 感熱発色層
4 保護層

Claims (3)

  1. 基材上に感熱発色層を設けた感熱紙であって、前記感熱発色層はロイコ染料と、顕色剤と、バインダーを含み、前記バインダーは、等イオン点が7以上のゼラチンとカルボキシル基を有するアクリル樹脂を、固形分質量比(等イオン点が7以上のゼラチン/カルボキシル基を有するアクリル樹脂)が1/4以上4/1以下の割合で含有することを特徴とする感熱紙。
  2. 前記感熱発色層に含むゼラチンの等イオン点が7以上11以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱紙。
  3. 前記感熱発色層に、更に硬化剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱紙。
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