JP2015028909A - 放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影システム - Google Patents

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Yoshio Suzuki
義勇 鈴木
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Koji Yamazaki
康二 山▲崎▼
角田 浩一
Koichi Tsunoda
浩一 角田
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Abstract

【課題】放射線発生管と、前記放射線発生管を収容し、外側が導電性部材で内側が絶縁性部材である二重構造を備えた収納容器とを備えている放射線発生装置において、収納容器の耐圧性を損なうことなくメンテナンスのための開閉構造を付与する。【解決手段】収納容器3を本体32と蓋体31とし、蓋体31の絶縁性部材31bと本体32の絶縁性部材32bとの係合部に、絶縁性部材31b、32bの厚さ方向断面において屈曲部又は湾曲部を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用できる放射線発生管を備えた放射線発生装置と放射線撮影システムに関する。
放射線発生管は、陰極、陽極及び管状の絶縁管からなる真空管であって、陰極に接続された電子放出源から放出された電子を、高電圧で加速し、陽極に設けられた金属ターゲットに照射して、放射線を発生させるものである。このような放射線発生管が収納容器内に封入された放射線発生装置においては、放射線発生管と接地電位に規定される収納容器との間で放電し、耐圧不良となる恐れがある。特許文献1の図3には、収納容器の内面に高電圧を絶縁するための絶縁板を配置することで、放射線発生管と収納容器との間で生じる放電を抑制する構造が開示されている。
特開2007−080568号公報
放射線発生装置においては、内部の放射線発生管の交換等のメンテナンスを行う場合があるが、特許文献1に開示された収納容器においては、メンテナンスのための開閉構造について記載されていない。特許文献1の放射線発生装置は、収納容器の内側全面に絶縁板が配置されているが、係る収納容器に開閉構造を持たせた場合には、絶縁板に隙間を生じ、係る隙間において放射線発生管と収納容器との間で放電が発生する恐れがある。
本発明は、収納容器の内側に絶縁性部材を配置して耐圧性を付与すると同時に、係る耐圧性を損なうことなく、収納容器に開閉構造を付与してメンテナンスの実施を可能とした放射線発生装置を提供することにある。また、本発明は、係る放射線発生装置を用いた放射線撮影システムを提供するものである。
本発明の第1は、放射線発生管と、前記放射線発生管を収容し、外側が導電性部材で内側が絶縁性部材である二重構造を備えた収納容器とを備えている放射線発生装置であって、
前記収納容器が、取り外し可能な蓋体と、前記蓋体で開口部を覆われる本体とからなり、
前記本体の絶縁性部材と前記蓋体の絶縁性部材の係合部が、前記絶縁性部材の厚さ方向断面において屈曲部又は湾曲部を有することを特徴とする。
本発明の第2は、前記本発明の第1の放射線発生装置と、
前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システムである。
本発明によれば、内側に絶縁性部材を配置して耐圧性を付与した収納容器において、開閉構造を持たせたことに起因する耐圧性の低下を抑制することができる。よって、従来よりも小型でメンテナンスが可能で、耐圧劣化を抑制した放射線発生装置を提供することができる。さらに、本発明では係る放射線発生装置を用いて、信頼性の高い放射線撮影システムを提供することができる。
本発明の放射線発生装置の一実施形態の断面模式図である。 本発明の放射線発生装置の収納容器の絶縁性部材の係合部の具体的な形態を示す断面模式図である。 本発明の放射線発生装置の他の実施形態の断面模式図である。 管電圧回路を備えた本発明の放射線発生装置の断面模式図である。 本発明の放射線撮影システムの一実施形態のブロック図である。 本発明の放射線発生装置の他の実施形態の係合部の断面模式図であり、(a)は係合状態を示す部分拡大図、(b)はガラスクロス面の繊維方向を示す部分拡大図である。 本発明の放射線発生装置の他の実施形態の係合部の断面模式図であり、(a)は係合状態を示す部分拡大図、(b)はガラスクロス面の繊維方向を示す部分拡大図である。
以下、図面を参照し、本発明の放射線発生装置について好適な実施形態を挙げて説明する。但し、本発明は係る実施形態に限定されるものではない。また、係る実施形態に記載されていない事項については、従来の技術が好ましく適用される。
図1は本発明の放射線発生装置の好ましい一実施形態の断面図であり、図1(a)は図1(b)中のB−B’に相当する断面模式図であり、図1(b)は図1(a)中のA−A’に相当する断面模式図である。
本発明の放射線発生装置1は、放射線発生管2を収納容器3内に収容している。放射線発生管2としては、反射型、透過型のいずれでも用いることができ、放射線発生管2の放射線放射位置(ターゲット11)に対応して収納容器3に放射線を透過する放射線放出窓12が設けられている。尚、本例では透過型放射線発生管を用いた構成例を示す。
透過型の放射線発生管2は、管状の絶縁管7の一方の開口に陰極5が、他方の開口に陽極6が接合されている。絶縁管7としては、小型化や作り易さを考慮して円筒形が好ましく、本例においても円筒形の構成例を示すが、本発明においてはこれに限定されず、角筒形であっても良い。また、陰極5及び陽極6は絶縁管7の開口に応じた形状、即ち、本例では円形である。
放射線発生管2の内部には、陰極5の電位を基準に電位規定された電子放出源8を有しており、本例では、さらに、グリッド電極9、集束電極10を備えている。また、陽極6にはターゲット11が接合されている。
この様な放射線発生管2において、陰極5と陽極6との間に40kV乃至150kV程度の電位差を与え、電子放出源8から放出された電子をグリッド電極9により引き出し、集束電極10により陽極6上のターゲット11へと向けて照射する。加速された電子線が照射されたターゲット11は放射線を発生し、透過型のターゲット11においては、電子線の照射面とは反対側から放射線発生管2の外部に放射線を取り出す。
本発明においては、収納容器3が本体32と取り外し可能な蓋体31とからなり、放射線発生装置1がメンテナンス可能に構成されていることに特徴を有する。収納容器3は、耐圧性を得るために、外側が導電性部材、内側が絶縁性部材の二重構造を有している。即ち、蓋体31は外側が導電性部材31aで構成され、内側が絶縁性部材31bで構成されており、本体32は外側が導電性部材32aで構成され、内側が絶縁性部材32bで構成されている。本発明において、蓋体31と本体32とは別体であるが、それぞれを構成する導電性部材31aと絶縁性部材31b、導電性部材32aと絶縁性部材32bはそれぞれ一体であっても、別体であってもよい。別体の場合には、導電性部材31aの蓋体と32aの本体とからなる外容器の中に、絶縁性部材31bの蓋体と32bの本体とからなる内容器が入れ子状態で収納される。
本発明においては、導電性部材31aと絶縁性部材31b、導電性部材32aと絶縁性部材32bがそれぞれ一体であっても別体であっても、本体32から蓋体31を取り外すことで容易に内部のメンテナンスを行うことができる。
本発明においては、蓋体31の導電性部材31aと本体32の導電性部材32aとは、係合部を介して係合される。本発明において「係合」とは、接着等の接合を行わず、簡単に分離できる状態を意味する。本例では、導電性部材31aが導電性部材32aの開口部を覆い、導電性部材31aの周縁部が導電性部材32aの開口端に接触して係合部が形成されている。よって、放射線発生装置1を組み上げる際には、導電性部材31aの周縁部と導電性部材32aの開口端とを不図示のパッキン等を介したねじ締め構造等により留め付けて収納容器3を密封する。導電性部材31a、32aの材料としては、鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属が使用可能である。
また、蓋体31の絶縁性部材31bと本体32の絶縁性部材32bも、係合部を介して係合されるが、本発明においては、係る係合部が絶縁性部材31bと32bの厚さ方向断面において屈曲部又は湾曲部を有していることを特徴とする。絶縁性部材31bと32bとの係合部においては、両者の表面が互いに接触するが、加工によって生じる凹凸によって両表面間に微小な空隙を生じ、係る空隙は寸法精度を上げても減じることができない。この微小な空隙は絶縁性部材31b、32bの対向面に平行な方向において微小距離で隣接するか、もしくは連なり合って、放電経路となりうる。そのため、放射線発生装置の小型化を図ると、係る係合部を介して収納容器3の導電性部材31a、32aと高電圧部との間で放電を生じる懸念があった。
本発明においては、絶縁性部材31bと32bとの係合部が、絶縁性部材31bと32の厚さ方向断面において屈曲部又は湾曲部を有している。これにより、微小空隙が隣接又は連なって形成される絶縁距離が延伸され、放電抑制効果が得られる。また、放電が発生した場合であっても、放電中の電子の進路が屈曲部や湾曲部に沿うことで直進できず、絶縁性部材31b又は32bに衝突してエネルギーを弱め、放電規模が減少する。
絶縁性部材31bと32bとの係合部の具体的な形態について図2に例を挙げて説明する。
図2(a)は、絶縁性部材31bが、外周近傍に該外周に沿った突出部21を有し、該突出部21が絶縁性部材32bの内壁面に係合している形態である。絶縁性部材31bと32bとの係合部は、絶縁性部材31b、32bの厚さ方向断面において直角の屈曲部を1箇所有している。
図2(b)は、絶縁性部材31bが、外周近傍に該外周に沿った凹部22を有し、絶縁性部材32bの開口端が内側が外側より突出する突出部23を有し、該突出部23が上記凹部22に嵌合している。さらに、絶縁性部材31bは凹部22の内壁面から連続する外壁面を有する突出部24を有し、該突出部24の外壁面が絶縁性部材32bの内壁面に係合している。よって、図2(b)の形態では、絶縁性部材31bと32bとの係合部は直角の屈曲部を3箇所有しており、凹部34の内壁面に沿った領域と外壁面に沿った領域が平行となり、放電電子の進路が電界方向と逆向きになる。よって、いずれかの領域において電子が進行しにくくなり、放電抑制効果が高い。
図2(c)は、絶縁性部材31bが、外周に沿って厚さの薄い周縁部25と該周縁部に囲まれた厚さの厚い中間部26とを有しており、周縁部25が絶縁性部材32bの開口端と係合し、中間部26の側壁が絶縁性部材32bの内壁面と係合している。よって、絶縁性部材31bと32bとの係合部は直角の屈曲部を1箇所有している。
図2(d)は、絶縁性部材31bと32bとの係合部が、絶縁性部材31b、32bの厚さ方向断面において湾曲部を有している形態である。図2(d)においては、絶縁性部材31bの外周に沿って凹の湾曲部27を形成し、絶縁性部材32bの開口端に係る湾曲部27に対応する凸の湾曲部28を形成している。
図2(a)におけるL1,L2及び図2(b)におけるL5+L6、L7+L8、即ち絶縁性部材31b、32bの厚さとしては、500μm以上、20mm以下が好ましい。また、係合部の安定性の観点と反り等の熱変形抑制の観点からは、1mm以上、10mm以下がより好ましい。
本発明に係る絶縁性部材31b、32bの材料としては、耐油性と耐圧性能を併せ持つ樹脂が好ましく用いられる。具体的には、アクリル樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂や、ガラス繊維の入ったガラスエポキシなどが使用可能である。
本発明においては、収納容器3の本体32の底部についても、蓋体31と同様の構成とすることが可能である。具体的に図3を用いて説明する。
図3(a)は収納容器3を構成する導電性部材と絶縁性部材とを一体とした形態において、本体32の底部33を蓋体31と同様に取り外し可能とした形態の断面模式図である。よって、底部33においても蓋体31、本体32と同様に、導電性部材33a、絶縁性部材33bの二重構造を備えている。そして、底部33の絶縁性部材33bと本体32の絶縁性部材32bとの係合部は、蓋体31の絶縁性部材31bと本体32の絶縁性部材32bとの係合部と同様の、屈曲部又は湾曲部を有する構造とする。
また、図3(b)は収納容器3を構成する導電性部材と絶縁性部材とを別体とした形態である。係る形態では、本体32の導電性部材32aについては、底部と側壁とを一体としておき、絶縁性部材についてのみ側壁32cと底部32dとを別体とする。そして、絶縁性部材の側壁32cと底部32dとの係合部は、蓋体31の絶縁性部材31bと側壁32cとの係合部と同様の、屈曲部又は湾曲部を有する構造とする。
本発明の放射線発生装置1は、図4(a)、図4(b)に示すように、内部に管電圧回路40を備える場合がある。尚、図4(a)は図4(b)中のD−D’に相当する断面模式図であり、図4(b)は図4(a)中のC−C’に相当する断面模式図である。
図1に示した実施形態においては、収納容器3の内部の余剰空間には絶縁性液体4が充填されている。このように、絶縁性液体4が充填される放射線発生装置1は、収納容器3に不図示の絶縁性液体4の注入口と、高電圧部から十分遠い場所に放射線発生装置1の外部からコントロールするための不図示の配線引き出し部を有する。収納容器3を構成する導電性部材と絶縁性部材とを別体とした時、導電性部材には絶縁性液体4の注入口を設け、絶縁性部材には注入口を設けない。導電性部材に設けた注入口から注入された絶縁性液体4は、外側の導電性部材と内側の絶縁性部材との隙間を通り、絶縁性部材に設けた配線引き出し部より絶縁性部材の内側に充填される。また、収納容器3を構成する導電性部材と絶縁性部材とを一体とした時には、絶縁性液体4の注入口自体を高電圧部から十分遠い場所に設けておき、係る注入口より絶縁性液体4を内部に充填する。いずれにおいても、絶縁性液体4は、電気絶縁性が高く、冷却能力の高いものが良い。また、熱による変質の少ないものが好ましい。例えば電気絶縁油として、PFPE油(パーフルオロポリエーテル)、シリコーン油等が使用可能である。
次に、図5に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一実施形態を説明する。
図5に示すように、本発明の放射線発生装置1は、必要に応じて、その放射線放出窓12部分に設けられた可動絞りユニット42を備えている。可動絞りユニット42は、放射線発生装置1から照射される放射線43の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット42として、放射線43の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置202は、放射線発生装置1と放射線検出装置201とを連携制御する。管電圧回路40は、システム制御装置202による制御の下に、放射線発生管2に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置1から放出される放射線43の放出状態が制御される。放射線発生装置1から放出された放射線43は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。
放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生装置と放射線撮影システムは、X線発生装置とX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
図1に示す構造の放射線発生装置1を作製した。陰極5及び陽極6にはFeNiCo合金を用い、絶縁管7にはアルミナを用い、ろう付けにより接合した。電子放出源8には含浸カソードを用い、ターゲット11はダイアモンド基板上にタングステンを成膜したものを用いた。
収納容器3は蓋体31と本体32において、導電性部材31aと絶縁性部材31b、導電性部材32aと絶縁性部材32bをそれぞれ別体とし、導電性部材31a,32aからなる外容器と、絶縁性部材31b、32bからなる内容器とした。絶縁性部材31bと32bとの係合部は図2(a)に示す形態である。
外容器は真鍮製の直方体であり、内容器はガラスエポキシからなる直方体である。蓋体31は、導電性部材31a、絶縁性部材31bのいずれもが直方体の一面であり、互いに重なるように配置した。
本体32の絶縁性部材32aは厚さL2=4mmのガラスエポキシ板5枚を用い、エポキシ接着剤により容器状に接着して形成した。また、蓋体31の絶縁性部材31aは厚さL1=4mmのガラスエポキシ板の外周から4mm内側に、高さL4=4mmで厚さL3=2mmの棒状のガラスエポキシをエポキシ接着剤によって接着し、突出部21を形成した。
上記外容器内に上記内容器を挿入し、放射性発生管2及び管電圧回路20を収容して内容器の絶縁性部材31bに固定し、蓋体3の絶縁性部材31aで絶縁性部材31bの開口部を塞いだ。次いで、本体2の導電性部材32aの開口部を導電性部材31aで覆い、導電性部材32aと31aとの係合部において、シール用パッキン(不図示)を介してねじ留め(不図示)を行い、収納容器3を密閉した。
絶縁性液体4としては高圧絶縁油A(JX日鉱日石エネルギー製)を用い、外容器に設けた注入口(不図示)より充填した。
陰極5と陽極6との間に印加する電圧をVaとして、外容器を接地電位、陰極5を−Va/2、陽極6を+Va/2に規定し、電子放出源8を駆動して放射線を発生させた。尚、本例の効果を見積もるため、管電圧回路40によりVaを10kVずつ昇圧し、各電圧で30分保持した。外容器との電位差で考えると、5kVずつの昇圧となる。
比較として、内容器の係合部に屈曲部がない装置を構成し、駆動したところ、Va=120kVにて1分後に放電した。屈曲部を設けた本実施例の場合は、Va=130kVにて28分で放電した。
評価を終えて、本実施例の放射線発生装置1の内部を観察したところ、管電圧回路40の出力端に放電痕があった。管電圧回路40の出力端は、管電圧回路40において内容器の係合部に最も近い場所である。管電圧回路40の高電圧部と内容器の係合部との最短距離は18mmである。
一方、本例の放射線発生装置において、内容器の絶縁性部材31bと32bとの係合部は、従来のL2=4mmに対してL2+L4=8mmとなり、L4の分だけ放電中の電子の進路が長くなる。係合部に屈曲部がない場合、絶縁性液体4の介する距離は、L2+18mmで22mmとなる。一方、係合部に屈曲部がある本実施例の場合の絶縁性液体4の介する距離は、L2+L4+18mmで26mmである。また、微小放電が発生した場合でも、放電中の電子は屈曲部のガラスエポキシに衝突するため、放電のエネルギーを減じられる。
よって、係合部に屈曲部を設けることにより、絶縁性液体4の介する距離を延長でき、耐圧を向上させることができた。
尚、内部を観察するために分解された放射線発生装置1は、放電箇所を修理した後、再び組直し、X線を発生させることが可能であった。
(実施例2)
内容器の係合部の形態を図6(a)とする以外は、実施例1と同様にして放射線発生装置1を作製した。内容器の絶縁性部材31b、32bとしては、厚さ2mmのガラスエポキシ板を用いた。絶縁性部材31bについては、厚さL5=2mmのガラスエポキシ板の外周に沿って幅L7=2mmの棒状のガラスエポキシをエポキシ接着剤で接着した。さらに、接着した棒状のガラスエポキシからL8=2mmあけて内側に厚さL6=2mmのガラスエポキシ板をエポキシ接着剤で接着し、凹部22を形成した。絶縁性部材32bは、厚さL7=L8=2mmのガラスエポキシ板を2枚、内側の外周が外側の外周よりもL6=2mm突出するように大きさを変えてエポキシ接着剤で接着し、内側に突出部23を形成した。
尚、本実施例の絶縁性部材31b、32bは、図6(b)に示す様に、ガラス繊維が平面状に織られてなるガラスクロスをエポキシ樹脂を用いて積層し加圧加熱成形された部材である。そして、上記ガラスクロスの積層方向が絶縁性部材31b、32bそれぞれの板厚方向となっている。
従って、図6(b)に示す様に、絶縁性部材31b、32bのガラスクロス面方向36、37においてガラス繊維は二次元的に延在し連続性が高く、積層方向においてガラス繊維は層間を介し連続性は低い。
本実施例では内容器の係合部の距離が従来のL7+L8=4mmからL7+L6+L8+L6=2mm+2mm+2mm+2mm=8mmに延長される。また、屈曲部が3箇所あり、係合部が放電経路となった場合には電子が逆方向に進まなければならない。よって、絶縁性液体4の介する距離の延長に加えて、耐圧向上が期待できる。
本実施例の放射線放出装置1を実施例1と同様に駆動したところ、管電圧回路40の出力上限であるVa=135kVにて30分無放電であった。
(実施例3)
本発明の第3の実施例について図7(a)、(b)を用いて説明する。
本発明を適用した様々な構成を比較した結果、ガラスエポキシ板の絶縁破壊電圧(部材耐圧)は、ガラスクロス面方向と、積層方向とに有意な差があった。本発明者等の検討の結果、ガラスクロス面と電界方向とが平行な配置の部材耐圧Vpは、ガラスクロス面と電界方向が垂直な場合の部材耐圧Vnより低く、部材耐圧比Vp/Vnは1/2以下であった。これらの部材耐圧のガラス繊維の延在方向依存性の結果は、延在する方向が放電電流の通過経路となるためであると推定された。
本発明者等は、これらの知見に基づき、屈曲部において積層方向において部材厚が薄い部分の耐圧低下を原因とする放電耐圧を向上するために、図7(a)に示すように係合部に絶縁性部材31cを備えた放射線発生装置1を作製した。
本実施例は、図7(a)において破線35で示された領域に、図7(b)に示すように、外容器の内面と平行となるようにガラスクロス面を有する絶縁性部材31cを配置している点が、実施例2と相違する。
本実施例の効果を確認するため、実施例2と同様の評価を行ったところ、管電圧135kVを継続印加した場合、実施例2と同様に無放電な状態で30分の管電圧を維持することが確認された。さらに、耐圧評価期間中の管電流に認められるスパイク状の微小電流の頻度が実施例2に比較して1/2以下に抑制され耐圧信頼性が高いことが確認された。
本実施例においては、屈曲部の絶縁性部材の板厚が薄い部分(破線35で示された領域)の外容器に接する部分において、絶縁性部材の繊維組織の配向(ガラスクロス面の向き)を外容器に向かう方向とせずに外容器の内壁と平行としたことによって絶縁耐圧の向上が確認された。
1:放射線発生装置、2:放射線発生管、3:収納容器、4:絶縁性液体、21,23,24:突出部、22:凹部、25:周縁部、26:中間部、27,28:湾曲部、31:蓋体、32:本体、31a,32a,33a:導電性部材、31b,32b,33b:絶縁性部材、33:底部、43:放射線、201:放射線検出装置、202:システム制御装置、204:被検体

Claims (11)

  1. 放射線発生管と、前記放射線発生管を収容し、外側が導電性部材で内側が絶縁性部材である二重構造を備えた収納容器とを備えている放射線発生装置であって、
    前記収納容器が、取り外し可能な蓋体と、前記蓋体で開口部を覆われる本体とからなり、
    前記本体の絶縁性部材と前記蓋体の絶縁性部材の係合部が、前記絶縁性部材の厚さ方向断面において屈曲部又は湾曲部を有することを特徴とする放射線発生装置。
  2. 前記蓋体の絶縁性部材が、前記蓋体の外周近傍に前記外周に沿った突出部を有し、前記突出部が前記本体の絶縁性部材の内壁面に係合することを特徴とする請求項1に記載の放射線発生装置。
  3. 前記蓋体の絶縁性部材が、前記蓋体の外周近傍に前記外周に沿った凹部を有し、前記本体の絶縁性部材の開口端が内側が外側より突出する突出部を有し、前記突出部が前記凹部に嵌合している請求項1に記載の放射線発生装置。
  4. 前記蓋体の絶縁性部材が、前記凹部の内壁面から連続する外壁面を有する突出部を有し、前記凹部の内壁面及び前記突出部の外壁面が前記本体の絶縁性部材の内壁面に係合している請求項2に記載の放射線発生装置。
  5. 前記蓋体の絶縁性部材が、前記蓋体の外周に沿って厚さの薄い周縁部と前記周縁部に囲まれた厚さの厚い中間部とを有し、前記周縁部が前記本体の絶縁性部材の開口端と係合し、前記中間部の側壁が前記本体の絶縁性部材の内壁面と係合していることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生装置。
  6. 前記本体の絶縁性部材の開口端と、前記開口端に係合する前記蓋体の絶縁性部材の周縁部とがそれぞれ、前記絶縁性部材の厚さ方向断面において湾曲部を有する請求項1に記載の放射線発生装置。
  7. 前記収納容器の本体が、管状の側壁と前記側壁の開口部を覆う底部とからなり、
    前記側壁の絶縁性部材と前記底部の絶縁性部材とが、前記本体の絶縁性部材と前記蓋体の絶縁性部材と同じ構造で係合していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  8. 前記本体及び蓋体のそれぞれにおいて、導電性部材と絶縁性部材とが一体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  9. 前記本体及び蓋体のそれぞれにおいて、導電性部材と絶縁性部材とが別体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  10. 前記放射線発生管を収容した前記収納容器の内部の余剰空間には、絶縁性液体が満たされていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線発生装置と、
    前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
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