JP2015025515A - 防振装置 - Google Patents

防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015025515A
JP2015025515A JP2013155668A JP2013155668A JP2015025515A JP 2015025515 A JP2015025515 A JP 2015025515A JP 2013155668 A JP2013155668 A JP 2013155668A JP 2013155668 A JP2013155668 A JP 2013155668A JP 2015025515 A JP2015025515 A JP 2015025515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid chamber
central axis
vibration
receiving portion
partition member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013155668A
Other languages
English (en)
Inventor
健一郎 岩崎
Kenichiro Iwasaki
健一郎 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2013155668A priority Critical patent/JP2015025515A/ja
Publication of JP2015025515A publication Critical patent/JP2015025515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

【課題】簡易な構成で、複数種の周波数帯の振動を減衰・吸収することが可能となる。【解決手段】防振受け部Tに連結される筒状の外筒2、および振動発生部Pに連結される内筒3と、これらの外筒2及び内筒3同士を連結するゴム材料等からなる弾性部材4と、液体が封入された外筒2内の液室を、外筒2の中心軸線Oに沿って、弾性部材4を壁面の一部とする主液室2Aと、副液室2Bと、に区画する仕切り部材10と、を備え、仕切り部材10は、外筒2内にその中心軸線O回りに回転自在に嵌合され、仕切り部材10には、主液室2Aと副液室2Bとを連通するオリフィス通路11が弾性変形可能に形成され、仕切り部材10には、仕切り部材10が外筒2内で中心軸線O回りに回転させられ、かつオリフィス通路11を弾性変形させるように、液室内の液体が流動する際の流体圧を受け止める受圧部14が配設された防振装置1Aを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、液体封入型の防振装置において、複数種の周波数に対応して振動減衰を行うことを可能とした防振装置に関するものである。
この種の防振装置として、従来、振動発生部および振動受部のうちいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材同士を連結する弾性体と、液体が封入された第1取付け部材内の液室を、第1取付け部材の中心軸線に沿って、弾性体を壁面の一部とする主液室と、副液室と、に区画する仕切り部材と、この仕切り部材に形成され、主液室と副液室とを連通するオリフィス通路と、を備えたものが知られている。
このような防振装置では、入力された振動の振幅や周波数によらず、1つのオリフィス通路で発生する液柱共振によって振動を減衰している。すなわち、主液室と副液室とを接続するオリフィス通路を液体が流動することで液柱共振を発生させ、入力振動を減衰する構成が、例えば下記特許文献1に開示されている。
特開2008−185201号公報
しかしながら、特許文献1の防振装置では、オリフィス通路の断面積および流路長によって共振周波数が決定されるものであり、その範囲外の入力振動を効果的に減衰することが難しく、その点で改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、複数種の周波数帯の振動を減衰・吸収することが可能となる防振装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受け部のうちいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材同士を連結する第1弾性体と、液体が封入された前記第1取付け部材内の液室を、該第1取付け部材の中心軸線に沿って、前記第1弾性体を壁面の一部とする主液室と、副液室と、に区画する仕切り部材と、を備える防振装置であって、前記仕切り部材は、前記第1取付け部材内にその中心軸線回りに回転自在に嵌合され、該仕切り部材には、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路が弾性変形可能に形成され、前記仕切り部材には、当該仕切り部材が前記第1取付け部材内で前記中心軸線回りに回転させられ、かつ前記オリフィス通路を弾性変形させるように、前記液室内の液体が流動する際の流体圧を受け止める受圧部が配設されていることを特徴としている。
本発明では、受圧部が配設されているので、振動が入力されて液室内の液体が大きく流動したときに、その流れを受圧部に受け止めさせることで、仕切り部材が第1取付け部材内で前記中心軸線回りに回転させられることとなり、この回転に伴って、オリフィス通路が弾性変形により前記中心軸線回りにねじり変形させられることとなる。これにより、オリフィス通路が回転方向に沿って斜めに傾き、流路長及び断面積が変化し、オリフィス通路が細長くなり、アスペクト比が変更されるため、局所的な液流力を発生させることができ、振幅等に応じて種々の減衰する共振周波数を連続的に変えることができ、異なる周波数の振動を減衰・吸収することができる。特に振幅の大きい低周波では、オリフィスのアスペクト比が細長くなることで顕著な効果が得られる。
以上のように、仕切り部材に、例えばプランジャ部材や付勢部材等を設けて、互いに共振周波数が異なる複数のオリフィス通路を切り替える構成を採用しなくても、単に仕切り部材に、中心軸線回りの回転力を得るとともに、オリフィス通路を弾性変形可能とする受圧部を備えさせれば足りるので、構造を複雑にすることなく、複数の周波数帯の振動を減衰吸収することができる。
しかも本発明では、入力振動に応じて仕切り部材の回転量を変化させることができ、オリフィス通路の変形量を変えることが可能となるので、複数種のオリフィス通路を設けずに、異なる周波数の振動を減衰吸収することができる。
また、上記本発明の防振装置において、前記仕切り部材は、第2弾性体と剛性体とが積層された積層板を備えていることが好ましい。
この発明によれば、仕切り部材が弾性体と剛性体とによって積層されることで、前記中心軸線回りに回転し易い構成となるので、仕切り部材のうち、受圧部が配設されている部分が前記中心軸線回りに回転し、これに伴い、第2弾性体は、全体が一体で回転せずに、順次、前記中心軸線回りに回転することになる。これにより、オリフィス通路が回転方向に沿って斜めに傾き、縦断面視で略平行四辺形状となり、流路長及び断面積が変化してオリフィス通路が細長くなる。そのため、上述と同様に振幅等に応じて種々の減衰する共振周波数を連続的に変えることができ、異なる周波数の振動を減衰吸収することができる。この場合も、仕切り部材に第2弾性体と剛性体とからなる積層板を備えさせれば足りるので、構造を複雑にすることなく、複数の周波数帯の振動を減衰吸収することができる。
また、積層板の第2弾性体および剛性体の積層数を増やすことで、より詳細な減衰特性を有する防振装置を設計することが可能となる。
また、上記本発明の防振装置では、前記受圧部は、前記オリフィス通路の開口を覆う被覆体を有し、該被覆体には、その内部に液体が出入する周方向に開口する開口部が形成されていることが好ましい。
この場合、開口部から被覆体内に流入した液体がオリフィス通路へ誘導され、又はオリフィス通路を通過した液体が被覆体を介して開口部から液室へ通導されるので、被覆体を有する受圧部で受け止める受衝力が向上することとなり、入力振動の大きさに対応したオリフィス通路の流路長及び断面積を変化させる精度を向上させることができるという利点がある。
また、上記本発明の防振装置では、前記主液室および前記副液室のうち、前記受圧部が位置する液室に配設されていて、入力振動に起因して流動する液体を前記受圧部に導く誘導部が配設されていることが好ましい。
この場合、誘導部によって入力振動に起因して流動する液体を受圧部へ向けて誘導させることができ、流体圧を分散させず受圧部に集中して作用させることが容易となるので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
また、上記本発明の防振装置では、前記誘導部は、前記中心軸線を中心として前記液室の内周面に沿って螺旋をなしつつ前記中心軸線方向に傾斜して延びる板体となっていることが好ましい。
この場合には、誘導部が仕切り部材と同軸の螺旋をなしているので、受圧部で受け止める液体の流れを仕切り部材の前記中心軸線を中心とした回転方向と同じ向きに誘導することができる。そのため、流体圧を効率よく受圧部で受け止めることが可能となり、受圧部で受け止める受衝力をさらに向上させることができる。
本発明に係る防振装置によれば、単に仕切り部材に、中心軸線回りに回転自在でオリフィス通路を弾性変形させる受圧部を備えるといった簡易な構成により、複数種の周波数帯の振動を減衰・吸収することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態による防振装置を示す一部破断斜視図である。 仕切り部材の構成を示す斜視図である。 仕切り部材の縦断面図であって、(a)は回転前の状態を示す図、(b)は回転時の状態を示す図である。 仕切り部材を上から見た平面図である。 受圧部の構成を示す縦断面図である。 図1に示す防振装置において、仕切り部材を回転させた状態の一部破断斜視図である。 第2の実施の形態による防振装置を示す一部破断斜視図である。 変形例による防振装置における仕切り部材の縦断面図であって、(a)は回転前の状態を示す図、(b)は回転時の状態を示す図である。
以下、本発明に係る防振装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本第1の実施の形態の防振装置1Aは、例えば自動車のエンジンマウントとして用いられ、エンジンのブラケット等の振動発生部Pと、車体等の振動受け部Tと、の間に介装されている。
防振装置1Aは、防振受け部Tに連結される筒状の外筒2(第1取付け部材)、および振動発生部Pに連結される内筒3(第2取付け部材)と、これらの外筒2及び内筒3同士を連結するゴム材料等からなる弾性部材4(第1弾性体)と、液体が封入された外筒2内の液室を、外筒2の中心軸線Oに沿って、弾性部材4を壁面の一部とする主液室2Aと、副液室2Bと、に区画する仕切り部材10と、を備えている。
なお、中心軸線Oに沿った方向を、必要に応じて上下方向として以下説明する。
上述した振動発生部Pと振動受け部Tとは例えば金属製の剛体からなり、互いに上下方向に対向して配置され、上下方向に沿って上側に振動発生部Pが設けられ、下側に振動受け部が設けられている。なお、振動発生部Pから振動受け部Tへの振動の入力方向は、必ずしも上下方向になるものではなく、一定ではない。
内筒3は、下方に向かうに従って漸次縮径する固定部31が形成され、その上部には軸心Oに沿って延びる連結部32が形成されている。固定部31には、弾性部材4の内周面4bが固着されている。また連結部32には、振動発生部Pから例えば下向きに突出する図示しないボルトが捻じ込まれる等により振動発生部Pに固定されている。
外筒2は、円柱形状の金属部材からなり、上端2aが弾性部材4の外周縁4aに加硫接着され、下端部分2bが振動受け部Tに固定されている。外筒2の内周面には、全面にわたって弾性部材4に連設するゴム状の内面ゴム材21が積層されている。
また、外筒2の下端開口2cには、ゴム等の弾性材料からなるダイヤフラム5が加硫接着されている。このダイヤフラム5は、凸の腕状に形成され、中心軸線Oに沿って下方へ突出するように組み付けられている。当該防振装置1Aに振動発生部Pにより弾性部材4を介して液室内の液体に荷重が入力されることにより、主液室2Aから副液室2Bへ仕切り部材10を通過して液体が流入し、ダイヤフラム5が下方に膨張して張力が付与されるようになっている。
弾性部材4は、中心軸線O回りに全周にわたって設けられる外周縁4aが外筒2に加硫接着されるとともに、内周面4bが内筒3の固定部31の外周部に加硫接着されている。これにより、外筒2と内筒3とが弾性的に連結されている。
仕切り部材10は、外筒2内においてその中心軸線O回りに回転自在に嵌合されるとともに、主液室2Aと副液室2Bとを連通するオリフィス通路11が弾性変形可能に形成された構成となっている。
具体的に仕切り部材10は、図2および図3(a)に示すように、中心軸線Oに直交する方向に沿って延在し、上述した外筒2の内周面の内面ゴム材21に対して液密に固着する固定板12と、固定板12の上下面のそれぞれに設けられた積層板13(上部積層板13A、下部積層板13B)と、固定板12および積層板13A、13Bを中心軸線O方向(積層方向)に沿って貫通する一対の前記オリフィス通路11と、が備えられている。そして、仕切り部材10には、オリフィス通路11の両端開口11aを覆う受圧部14(被覆体)が配設されている。
図1に示すように、固定板12は、外筒2の内径と略同径の平面視で円形状をなし、その外周シール部12aが、外筒2内の液室において上下方向の中間部で内面ゴム材21に対して回転不能な状態で液密に嵌合されている。この固定板12にも上記オリフィス通路11の一部を構成する円孔12b(図3参照)が形成されている。なお、固定板12は、金属製の部材(例えば、後述する剛性体132と同一の部材など)から形成されている。
図2および図3(a)に示すように、上部積層板13Aおよび下部積層板13Bは、それぞれ複数の弾性板131(第2弾性体)と剛性板132(剛性体)とが交互に積層された構成であり、平面視形状が上記固定板12と略同径の円形状をなしている(図4参照)。これら積層板13A、13Bは、それぞれ固定板12には弾性板131が固着され、中心軸線O方向に沿って固定板12から最も離反する最上層(最下層)には剛性板132が配置されている。
これら積層板13A、13Bは、弾性板131の弾性変形によりそれぞれが各別で中心軸線Oに直交する方向に沿って自在な方向に移動可能な構成であり、ここでは積層板13の外周部が外筒2によって保持されているので、中心軸線O回りに回転自在となっている。
各積層板13A、13Bには、図3(a)に示すように、上記オリフィス通路11の一部を構成するとともに、前記固定板12の円孔12bと同軸となる貫通孔13aが形成されている。この貫通孔13aは、各積層板13A、13B自体に対して周方向の一方に回転力が作用すると、積層されている弾性板131の弾性変形により固定端となる固定板12側の端部(これを固定端13bという)を基点として周方向に回転することにより、貫通孔13aの軸方向が前記回転に伴って周方向にねじれるようにして細長く伸びる構成となっている。そして、本実施の形態では、液室内の液体が貫通孔13a内を流動するときに積層板13A、13Bが周方向に回転し、上部積層板13Aと下部積層板13Bの回転方向が中心軸線Oの一方向から見てそれぞれ逆方向に回転する。
ここで、図1および図2において、上部積層板13Aが回転する第1回転方向を矢印F1で示し、下部積層板13Bが回転する第2回転方向を矢印F2で示している。
一対のオリフィス通路11は、図4に示すように、平面視で積層板13における中心軸線Oを挟んで対向する位置に配置されている。オリフィス通路11は、その流路軸が、液体が流動しない状態で中心軸線O方向と平行となるように配置されている。そして、図3(b)に示すように、積層板13A、13Bに周方向の回転力が作用して弾性板131が弾性変形することにより周方向に回転し、オリフィス通路11の流路軸は前記回転に伴って周方向に傾斜するようにねじれ、細長く伸びた形状となる。
図2および図5に示すように、受圧部14は、オリフィス通路11の開口11aを覆うとともに、周方向の一方向側に開口部14aを有しており、図1に示すように液室内の液体が流動する際の流体圧を、仕切り部材10が外筒2内で中心軸線O回りに回転させられ、かつオリフィス通路11を弾性変形させるように、受け止める構成となっている。
受圧部14は、図2および図4に示すように、積層板13におけるオリフィス通路11の開口11aの、回転方向の前側の位置で液室側に突設された立ち上がり壁部14Aと、立ち上がり壁部14Aに突設されるとともに、オリフィス通路11の開口11aを覆うように対向して配置されるひさし壁部14Bと、積層板13におけるオリフィス通路11の開口11aの径方向の内側および外側から突設されるとともに、それぞれがひさし壁部14Bの径方向の内周縁および外周縁に連設された内周壁部14Cおよび外周壁部14Dと、を備えている。すなわち、開口部14aは、ひさし壁部14Bにおける回転方向の後側に位置している。
ひさし壁部14Bは、図3(a)、(b)に示すように、立ち上がり壁部14A側から離間するに従い漸次、オリフィス通路11の開口11aから離間するように傾斜した形状となっている。つまり、ひさし壁部14Bに中心軸線O方向に対向する位置にオリフィス通路11の開口11aが位置しているので、ひさし壁部14Bの開口部14aから流入した液体はひさし壁部14Bに当たってオリフィス通路11内へ向かう方向に流通角度が変わる。一方、オリフィス通路11から流出する液体も同様に、ひさし壁部14Bに当たって開口部14aの外方へ向かう方向に流通角度が変わることになる。
仕切り部材10には、図1に示すように、主液室2Aおよび副液室2Bのうち、受圧部14が位置する主液室2Aおよび副液室2Bに配設されていて、入力振動に起因して流動する液体を受圧部14に導く誘導板15(誘導部)が配設されている。この誘導板15は、中心軸線Oを中心として液室(外筒2)の内周面に沿って螺旋をなしつつ中心軸線O方向に傾斜して延びる板体をなしている。そして、各誘導板15の周方向の下端の位置は、仕切り部材10の回転方向で受圧部14の開口部14aよりも後側に配置されている。これら誘導板15は、受圧部14ごとに各別に設けられており、上部積層板13A側と下部積層板13B側のそれぞれにおいて2つずつ配置された二重螺旋を形成している(図2参照)。ここで、誘導板15の周方向の延在長は1周未満となっているので、二重螺旋のそれぞれが互いに干渉しないように配置されている。なお、図2では、主液室側の誘導板が省略されている。
次に、以上のように構成された防振装置1Aの作用について、図面を使用して具体的に説明する。
本実施の形態の防振装置1Aでは、図1、図2、図3および図6に示すように、受圧部14が配設されているので、振動が入力されて液室内の液体が大きく流動したときに、その流れを受圧部14に受け止めさせることで、仕切り部材10が外筒2内で前記中心軸線O回りに回転させられることとなり、この回転に伴って、オリフィス通路11が弾性変形により前記中心軸線O回りにねじり変形させられることとなる。そして、入力振動が停止して液室内に流動圧が作用しなくなると、受圧部14への受衝圧が低下し、オリフィス通路11内の液体の流動が停止するとともに、弾性板131の弾性変形が元に戻り、オリフィス通路11の変形がなくなって待機状態となる。
具体的に本実施の形態では、受圧部14のひさし壁部14Bの内側に液室内の液流が衝突すると、積層板13に回転力が作用する。衝突した液体は、ひさし壁部14Bがオリフィス通路11の開口11aへ向けて液体が流れるように傾斜しているので、オリフィス通路11内を液体が流通することになる。
そして、仕切り部材10が複数枚の弾性板131と剛性板132とによって積層されることで、中心軸線O回りに回転し易い構成となるので、仕切り部材10のうち、受圧部14が配設されている部分(上部積層板13Aの主液室2A側の剛性体132、又は下部積層板13Bの副液室2B側の剛性体132)が中心軸線O回りに回転し、これに伴い、弾性板131は、全体が一体で回転せずに、順次、前記中心軸線回りに回転することになる。上層積層板13Aは第1回転方向F1に回転し、下部積層板13Bは上部積層板13Aと逆向きとなる第2回転方向F2に回転する。
これにより、オリフィス通路11がそれぞれ回転方向に沿って斜めに傾き、縦断面視で略平行四辺形状となり、流路長及び断面積が変化してオリフィス通路11が細長くなり、アスペクト比が変更されるため、局所的な液流力を発生させることができ、振幅等に応じて種々の減衰する共振周波数を連続的に変えることができ、異なる周波数の振動を減衰吸収することができる。特に振幅の大きい低周波では、オリフィスのアスペクト比が細長くなることで顕著な効果が得られる。
以上のように、仕切り部材10に、例えばプランジャ部材や付勢部材等を設けて、互いに共振周波数が異なる複数のオリフィス通路を切り替える構成を採用しなくても、単に弾性板131と剛性板132とからなる積層板13を備えた仕切り部材10に、中心軸線O回りの回転力を得るとともに、オリフィス通路11を弾性変形可能とする受圧部14を備えさせれば足りるので、構造を複雑にすることなく、複数の周波数帯の振動を減衰吸収することができる。
しかも、入力振動に応じて仕切り部材10の回転量を変化させることができ、オリフィス通路11の変形量を変えることが可能となるので、複数種のオリフィス通路を設けずに、異なる周波数の振動を減衰吸収することができる。
また、積層板13の弾性板131および剛性板132の積層数を増やすことで、より詳細な減衰特性を有する防振装置を設計することが可能となる。
また、本実施の形態では、受圧部14の開口部14aから受圧部14内に流入した液体がオリフィス通路11へ誘導され、又はオリフィス通路11を通過した液体が受圧部14を介して開口部14aから液室へ通導されるので、受圧部14で受け止める受衝力が向上することとなり、入力振動の大きさに対応したオリフィス通路11の流路長及び断面積を変化させる精度を向上させることができるという利点がある。
さらに、本実施の形態では、誘導板15によって入力振動に起因して流動する液体を受圧部14の開口部14a内へ向けて誘導させることができ、流体圧を分散させず受圧部14に集中して作用させることが容易となるので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
とくに、本実施の形態では、誘導板15が仕切り部材10と同軸の螺旋をなしているので、受圧部14で受け止める液体の流れを仕切り部材の前記中心軸線を中心とした回転方向と同じ向きに誘導することができる。そのため、流体圧を効率よく受圧部で受け止めることが可能となり、受圧部で受け止める受衝力をさらに向上させることができる。
上述のように本実施の形態による防振装置1Aでは、単に仕切り部材10に、中心軸線O回りに回転自在でオリフィス通路11を弾性変形させる受圧部14を備えるといった簡易な構成により、複数種の周波数帯の振動を減衰・吸収することが可能となる。
次に、本発明の防振装置による他の実施形態について、図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
(第2の実施の形態)
図7に示すように、本第2の実施の形態の防振装置1Bは、上述した第1の実施の形態による積層板13を備えた仕切り部材10(図1参照)に代えて、回転手段にベアリングからなる回転体16を用いた仕切り部材10Aを備えたものである。
本実施の形態の仕切り部材10Aは、外筒2内で中心軸線O回りに回転自在に回転体16が設けられ、この回転体16の径方向の外側に主液室2Aと副液室2Bとを連通する一対のオリフィス管17(オリフィス通路)が弾性変形可能に配設されている。
回転体16は、中心軸線Oに同軸に配置される上部回転体16A、下部回転体16Bが固定板12の主液室2A側と副液室2B側のそれぞれに固定された構成となっている。各回転体16A、16Bには、固定板12とは反対側の端部に回転板16Cが中心軸線Oと同軸に固定されている。すなわち、上下に設けられる回転板16Cは、回転体16A、16Bの固定板12側の固定端16aとしてそれぞれ回転体16A、16Bによって第1回転方向F1、第2回転方向F2に回転する。
オリフィス管17は、例えばゴム製のチューブ等が採用され、上部回転体16Aおよび下部回転体16Bとは別体で設けられ、固定板12を貫通し、その両端(上端、下端)が回転板16Cに接続し、回転板16Cにおいて開口17aを形成している。そして、一対の回転板16Cには、オリフィス管17を弾性変形させるように、液室内の液体が流動する際の流体圧を受け止める受圧部14が配設されている。
なお、上記第1の実施の形態と同様に、受圧部14の開口部14aに液体を誘導する螺旋状の誘導板を設けることも勿論可能である。
本第2の実施の形態では、受圧部14のひさし壁部14Bの内側に液室内の液流が衝突すると、回転板16Cを介して回転体16A、16Bに回転力が作用する。衝突した液体は、ひさし壁部14Bがオリフィス管17の開口17aへ向けて液体が流れるように傾斜しているので、オリフィス管17内を液体が流通することになる。
そして、回転体16A、16Bがベアリングからなり、中心軸線O回りに回転し易い構成であるので、仕切り部材10Aのうち、受圧部14が配設されている部分(上部回転体16Aの主液室2A側の回転板16C、又は下部回転体16Bの副液室2B側の回転板16C)が中心軸線O回りに回転することになる。
これにより、各回転板16Cに接続するオリフィス管17がそれぞれ回転方向に沿って斜めに傾き、縦断面視で略平行四辺形状となり、流路長及び断面積が変化してオリフィス管17が細長くなり、アスペクト比が変更されるため、局所的な液流力を発生させることができ、振幅等に応じて種々の減衰する共振周波数を連続的に変えることができ、上記第1の実施の形態と同様に、異なる周波数の振動を減衰吸収することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、仕切り部材の構成として、上記第1の実施の形態ではオリフィス通路11を有する積層板13を設けた構成とし、第2の実施の形態ではベアリングからなる回転体16とオリフィス管17を別体で設ける構成としているが、これらの形態に限定されることはない。例えば、第2の実施の形態の回転体に代えて、弾性板と剛性板とからなる積層板を採用することも可能である。その他、回転体として、ベアリングでない構成のものであっても良い。
また、本実施の形態では、受圧部14について、ひさし壁部14Bがオリフィス通路11(オリフィス管17)の開口11a(17a)の全体を覆う構成となっているが、これに限らず、オリフィス通路の開口の一部を覆うような形状であっても良い。
さらに、受圧部14の立ち上がり壁部14Aに、受圧部14内と液室とを連通する開口、又は挿通穴を設けて、受圧部14内に流入した過剰な液体を逃がすことが可能な構成としても良い。
さらにまた、受圧部14の開口部14aの大きさ、内空の大きさ、位置、或いはひさし壁部14Bの傾斜寸法などの構成についても、仕切り部材の形状、構成や、液室の大きさ等の条件に応じて、適宜変更可能である。
また、本実施の形態では螺旋状の誘導板15を設ける構成としているが、螺旋形状であることに限定されることはなく、またこの誘導板15を省略することも可能である。
さらに、仕切り部材の構成、すなわち積層板の厚さ、第2弾性体および剛性体の数量、オリフィス通路の流路径、数量などの構成については、本実施の形態に限らず、適宜変更することができる。
例えば、本実施の形態では、仕切り部材10に形成される一対のオリフィス通路11の形状として、中心軸線O方向に沿って貫通する形状となっており、各積層板13A、13B自体に対して周方向の一方に回転力が作用し、積層されている弾性板131の弾性変形により固定端13bを基点として周方向に回転することにより、貫通孔13aの軸方向が回転に伴って周方向にねじれるようにして細長く伸びる構成となっているが、このような構成であることに限定されることはない。
すなわち、図8(a)に示す変形例による防振装置1Cように、回転力が作用しないときに、オリフィス通路11の軸方向が回転方向と反対側にねじれるようにして細長く伸びる形状としてもよい。この場合、オリフィス通路11は、図8(b)に示すように、各積層板13A、13B自体に対して回転方向に回転力が作用し、積層されている弾性板131の弾性変形により固定端13bを基点として周方向に回転することにより、その回転に伴って貫通孔13aの軸方向のねじれが戻るように変形し、中心軸線O方向に沿って貫通する形状となる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1A、1B、1C 防振装置
2 外筒(第1取付け部材)
3 内筒(第2取付け部材)
4 弾性部材(第1弾性体)
5 ダイヤフラム
10、10A 仕切り部材
11 オリフィス通路
12 固定板
13 積層板
13A 上部積層板
13B 下部積層板
131 弾性板(第2弾性体)
132 剛性板(剛性体)
13a 貫通孔
14 受圧部
14A 立ち上がり壁部
14B ひさし壁部
14a 開口部
15 誘導板(誘導部)
16 回転体
17 オリフィス管(オリフィス通路)
F1 第1回転方向
F2 第2回転方向
O 中心軸線

Claims (5)

  1. 振動発生部および振動受け部のうちいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、
    これらの両取付け部材同士を連結する第1弾性体と、
    液体が封入された前記第1取付け部材内の液室を、該第1取付け部材の中心軸線に沿って、前記第1弾性体を壁面の一部とする主液室と、副液室と、に区画する仕切り部材と、
    を備える防振装置であって、
    前記仕切り部材は、前記第1取付け部材内にその中心軸線回りに回転自在に嵌合され、
    該仕切り部材には、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路が弾性変形可能に形成され、
    前記仕切り部材には、当該仕切り部材が前記第1取付け部材内で前記中心軸線回りに回転させられ、かつ前記オリフィス通路を弾性変形させるように、前記液室内の液体が流動する際の流体圧を受け止める受圧部が配設されていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記仕切り部材は、第2弾性体と剛性体とが積層された積層板を備えていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記受圧部は、前記オリフィス通路の開口を覆う被覆体を有し、
    該被覆体には、その内部に液体が出入する周方向に開口する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記主液室および前記副液室のうち、前記受圧部が位置する液室に配設されていて、入力振動に起因して流動する液体を前記受圧部に導く誘導部が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防振装置。
  5. 前記誘導部は、前記中心軸線を中心として前記液室の内周面に沿って螺旋をなしつつ前記中心軸線方向に傾斜して延びる板体となっていることを特徴とする請求項4に記載の防振装置。
JP2013155668A 2013-07-26 2013-07-26 防振装置 Pending JP2015025515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013155668A JP2015025515A (ja) 2013-07-26 2013-07-26 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013155668A JP2015025515A (ja) 2013-07-26 2013-07-26 防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015025515A true JP2015025515A (ja) 2015-02-05

Family

ID=52490324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013155668A Pending JP2015025515A (ja) 2013-07-26 2013-07-26 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015025515A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018193895A1 (ja) * 2017-04-17 2018-10-25 株式会社ブリヂストン 防振装置
JP2018179190A (ja) * 2017-04-17 2018-11-15 株式会社ブリヂストン 防振装置
US10132380B2 (en) 2014-04-30 2018-11-20 Bridgestone Corporation Vibration-damping device
CN109424693A (zh) * 2017-08-24 2019-03-05 现代自动车株式会社 发动机支座

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10132380B2 (en) 2014-04-30 2018-11-20 Bridgestone Corporation Vibration-damping device
WO2018193895A1 (ja) * 2017-04-17 2018-10-25 株式会社ブリヂストン 防振装置
JP2018179190A (ja) * 2017-04-17 2018-11-15 株式会社ブリヂストン 防振装置
CN110506168A (zh) * 2017-04-17 2019-11-26 株式会社普利司通 隔振装置
US11371578B2 (en) 2017-04-17 2022-06-28 Bridgestone Corporation Vibration dampening device
CN109424693A (zh) * 2017-08-24 2019-03-05 现代自动车株式会社 发动机支座
CN109424693B (zh) * 2017-08-24 2021-03-05 现代自动车株式会社 发动机支座

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3026292B1 (en) Vibration prevention device
JP6245646B2 (ja) 防振装置
WO2016147698A1 (ja) 防振装置
JP6196682B2 (ja) 防振装置
JP6344870B2 (ja) 防振装置
WO2015141104A1 (ja) 防振装置
JP6134629B2 (ja) 防振装置
JP6300407B2 (ja) 防振装置
JP2015025515A (ja) 防振装置
JP6300406B2 (ja) 防振装置
JPWO2016027604A1 (ja) 防振装置
WO2015122034A1 (ja) 防振装置
JP4939997B2 (ja) 防振装置
JP6355242B2 (ja) 防振装置
WO2014196368A1 (ja) 防振装置
WO2014196382A1 (ja) 防振装置
JP6674334B2 (ja) 防振装置
EP3617546A1 (en) Vibration damping device
JP6155122B2 (ja) 防振装置
WO2018225289A1 (ja) 防振装置
WO2017221816A1 (ja) 防振装置
KR101746461B1 (ko) 엔진마운트의 구조
JP6071682B2 (ja) 防振装置