JP2015025424A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】コンロッド及びピストンピンの潤滑性及び冷却性を向上させる。【解決手段】ピストン1と、ピストンピン3を介してピストン1に連結される小端部21を有するコンロッド2と、を有するエンジンであって、ピストン1の裏面11bから小端部21に向かって突設され、小端部21の表面21cに対向する先端16aが突出した形状を有する突起部16を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、コネクティングロッドにより支持されるピストンを備えたエンジンに関するものである。
エンジンの運転時、エンジンの構成部品には、部品同士の摺動や回動によって生じる摩擦を低減させるために潤滑油(エンジンオイル)が供給される。従来、この潤滑油は、潤滑剤として利用されるだけでなく、エンジンの燃焼熱により高温になった部材を冷却するための冷却媒体としても利用されている。
例えば特許文献1には、潤滑油をピストンの裏面(下面)に向けて噴射し、ピストンの裏面に突設されたリブを挟む各側で潤滑油を流下させることによって、ピストンを冷却する技術が記載されている。この技術では、ピストンの裏面をリブで仕切ることによって、ピストンの裏面に供給された潤滑油が一方向に集中することを防止し、ピストンの裏面が均等に冷却されるようにしている。
実開平5−38341号公報
ピストンには強い圧力がかかるため、これを支持するコネクティングロッド(以下、コンロッドという。)と、コンロッドの小端部(上端部)に対して回動可能に挿通されるピストンピンとの間には、大きな摩擦が生じる。この摩擦が過大になると、コンロッド及びピストンピンの変形や破損,エンジン出力の大幅な低下等を招くおそれがある。したがって、コンロッド及びピストンピンに対して積極的に潤滑油を供給し、これらの潤滑及び冷却を促進することが求められている。
しかしながら、従来の技術では、コンロッド及びピストンピンに対して潤沢な潤滑油を供給することは困難である。例えば特許文献1の技術では、潤滑油をピストンの裏面で均等に流下させるため、コンロッド及びピストンピンに供給される潤滑油は、コンロッドの大端部(下端部)が接続されるクランクシャフトから飛散する僅かなものでしかない。
また、例えば、コンロッドの大端部に切り欠き(オイルジェット)を設けることによって積極的に潤滑油を飛散させる手法もあるが、この手法を用いても、飛散させた潤滑油を確実にコンロッド及びピストンピンに供給することは困難である。このため、従来の技術では、コンロッド及びピストンピンを積極的に潤滑及び冷却することは難しい。
本発明は、このような課題に鑑みて案出されたもので、コンロッド及びピストンピンの潤滑性及び冷却性を向上させることができるようにしたエンジンを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明のエンジンは、ピストンと、ピストンピンを介して前記ピストンに連結される小端部を有するコネクティングロッドと、を有するエンジンであって、前記ピストンの裏面から前記小端部に向かって突設され、前記小端部の表面に対向する先端が突出した形状を有する突起部を備えたことを特徴としている。
前記突起部の先端は、前記小端部の表面に対して対向して設けられることが好ましい。また、前記突起部の先端は、その周囲全体が正の曲率を持つ曲面に囲まれていることが好ましい。
(2)前記ピストンピンの半径方向に向かって前記小端部を貫通して形成される第一油路を備え、前記突起部は、前記ピストンが上死点にある際に(前記ピストンが上死点にあるときに)、前記第一油路の開口端から前記コネクティングロッドの長手方向頂部までの範囲内で前記先端が前記表面に近接するように配置されることが好ましい。
(3)また、前記ピストンの内部において中空に形成され、その内部を潤滑油が流通する空洞部と、前記空洞部と前記ピストンの裏面とを連通する第二油路と、を備え、前記第二油路の開口端が前記突起部あるいは前記突起部に隣接した位置に設けられることが好ましい。
この場合、前記第二油路の開口端は前記突起部の先端に形成されることが好ましい。
(4)また、前記ピストンの裏面から前記突起部と一体に突設され、前記突起部から前記ピストンの外周面に向かって延設された突条部を備えることが好ましい。
本発明のエンジンによれば、コネクティングロッドの小端部の表面に向かって先端が突出した突起部をピストンの裏面に突設することで、ピストンの裏面を伝って流れる潤滑油をコネクティングロッドに供給することができる。したがって、コネクティングロッド及びピストンピンの潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
第一実施形態に係るエンジンの要部構造を示す模式的な断面図であり、(a)は図2のB−B矢視断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 第一実施形態に係るエンジンの要部構造を示す模式的な断面図であり、図1(a)のA−A矢視断面図である。 第一実施形態に係るピストンを縦方向に切断した状態を示す模式的な斜視図である。 第二実施形態に係るエンジンの要部構造を示す模式的な断面図である。 変形例に係るピストンを示す模式的な図であり、(a)は(b)に示すC−C断面で切断した状態を示す斜視図であり、(b)は下面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.第一実施形態]
[1−1.構成]
[1−1−1.ピストン構成の概要]
本実施形態に係るエンジンのピストン1と、ピストン1を支持するコネクティングロッド2(以下、コンロッドという。)とを図1(a)に示す。図1(a)では、ピストン1が上死点付近にある状態を示している。以下、ピストン1が図示しないシリンダ内で往復運動する方向を上下方向とし、ピストン1の中心軸Cに向かう側を内側、その逆側を外側として説明する。
ピストン1及びコンロッド2は、例えば自動車のエンジンに備えられ、燃料の爆発燃焼によって生じた熱エネルギーを機械的エネルギーに変換する機構を構成している。ピストン1は、図示しないシリンダ内に配設され、爆発による圧力を受けてシリンダ内を上下方向に往復運動するものである。コンロッド2は、ピストン1とこれより下方のクランク室内に配設される図示しないクランクシャフトとを連結しており、ピストン1の往復運動を回転運動に変換するものである。
[1−1−2.ピストンの基本的な構造]
まず、ピストン1の基本的な構造について説明する。図1(a)に示すように、ピストン1は、この上方に形成される燃焼室4から爆発による圧力を受けて円筒状のシリンダ内を上下に摺動する部材であり、例えばアルミニウム系合金で円筒の頂面を閉塞したような形状に形成される。ピストン1には、燃焼室4側に設けられるヘッド部11と、ピストンピン3を介してコンロッド2と接続されるピンボス部12と、ヘッド部11の下方に延設されるスカート部13とが設けられている。なお、図1(a)は、ピストン1の中心軸Cを含み且つピストンピン3の中心軸Cと垂直な平面で切断した断面図(図2のB−B矢視断面図)である。
ヘッド部11は、ピストン1の中心軸Cと同軸を有する略円柱状の部位であり、その上面に図示しないシリンダヘッドと燃焼室4を形成するための空間であるキャビティ11aが凹設されている。また、ヘッド部11の下面であるピストン裏面11bは、コンロッド2と干渉しないように、後述する突起部16以外は外側が下方に傾斜する曲面で形成されている。
ヘッド部11の側面には、図示しないピストンリングを取付けるためのリング溝11cが凹設されている。ピストンリングは、ピストン1とこの外側に配設されるシリンダとの隙間を塞ぎ、燃焼室4の気密性を保持するとともに燃焼室4に潤滑油が混入することを抑制するための部材であり、ピストン1の熱をシリンダに逃がす機能も有する。
リング溝11cの内側には、ヘッド部11の内部において中心軸Cと同軸を有する環状の中空に形成された空洞部14が設けられている。空洞部14は、ピストン1を冷却するために内部を潤滑油が流通する部位である。また、図3に示すように、ヘッド部11には、潤滑油を空洞部14に出入りさせるための給排油路14aが形成されている。給排油路14aは、空洞部14からピストン裏面11bに向かって下方向に貫通しており、空洞部14とピストン裏面11bとを連通している。このヘッド部11には、二つの給排油路14aが中心軸Cを挟んで互いに対向した位置に設けられており、これらは潤滑油を空洞部14に供給する機能と潤滑油を空洞部14から排出する機能とをそれぞれ分担している。
図2に示すように、ピンボス部12は、ヘッド部11の下方において中心軸Cを挟んで互いに対向して設けられ、中心軸Cと直交する方向に軸を有する一対の略円筒状の部位である。一対のピンボス部12,12は同軸上に配置され、これらの間にはコンロッド2が配設されるための空間が確保されている。つまり、一対のピンボス部12,12は、ヘッド部11の下方においてコンロッド2を挟むように配置されている。
各ピンボス部12の内径はピストンピン3の外径に対応しており、各ピンボス部12の内周面によって囲まれるボス孔部12aには、ピストンピン3が回動可能に挿通されている。なお、各ボス孔部12aには外側から図示しないスナップリング等が嵌合されることによって、ピストンピン3の抜け落ちが防止されている。
スカート部13は、ヘッド部11の側面を下方に延設することにより形成される略円筒面を部分的に形成する部位である。スカート部13は、ヘッド部11の下方においてピストン1の中心軸C及びピストンピン3の中心軸Cを挟んで互いに対向して一対設けられる。つまり、ピストン1のうちヘッド部11より下方は、一対のピンボス部12,12及び一対のスカート部13,13が周方向に交互に並んで接続されることにより形成されている。
なお、スカート部13は、ピストン1の往復運動によってシリンダの内周面に対して摺動する部位であるが、シリンダに対する面圧は各ピンボス部12側で相対的に小さくなるため、各ピンボス部12に隣接する部位の下端部が削り取られている。これによって、ピストン1の軽量化が図られている。
[1−1−3.コンロッド]
次に、コンロッド2について説明する。コンロッド2は、ピストン1とクランクシャフトとを連結する部材であり、例えばニッケルクロム鋼やクロムモリブデン鋼等の特殊鋼を型打鍛造することによって形成される。図2に示すように、コンロッド2は、ピストン1のピンボス部12にピストンピン3を介して接続される小端部(上端部)21と、ピストン1の下方に配設されるクランクシャフトに接続される図示しない大端部(下端部)とを有している。
小端部21は、略円筒状に形成された部位である。小端部21の内周面は、ピストンピン3が挿通されるロッド孔部21aを形成している。ロッド孔部21aの孔径はピストンピン3の外径に対応しており、小端部21とピストンピン3とは互いに回動可能に接続されている。また、小端部21の表面であるロッド表面21cは、ピストン裏面11bに下方から対向して配設されている。
図1(a)の部分拡大図である図1(b)に示すように、小端部21には、ピストンピン3の半径方向に向かって貫通する第一油路22が形成されている。つまり、第一油路22は、ロッド表面21cとロッド孔部21aとを連通し、ロッド表面21cに開口した開口端22aからピストンピン3の中心軸Cに向かう潤滑油の通路を形成している。なお、ここでは、第一油路22がピストン1の中心軸Cに対して45度程度傾斜している。
[1−1−4.ピストンピン]
図2に示すように、ピストンピン3は、ピストン1とコンロッド2とを接続する軸状の部材であり、ピストン1のボス孔部12a及びコンロッド2のロッド孔部21aに挿通され、ピストン1とコンロッド2とを互いに回動自在に軸支している。これによって、コンロッド2は、ピストン1の往復運動に伴って、ピストンピン3の中心軸Cを中心にピストン1及びピストンピン3に対して相対的に回動する。
[1−1−5.ピストンの特徴的な構造]
次に、ピストン1の特徴的な構造について説明する。図1(b)に示すように、ピストン1のヘッド部11には、ピストン裏面11bからコンロッド2の小端部21に向かって突起部16が突設されている。突起部16は、ロッド表面21cに対向する先端16aが突出した形状を有しており、先端16a側を丸められた略円錐状に形成されている。先端16aは点状であり、その周囲全体が正の曲率を持つ曲面をなしている。突起部16の表面は、基端から先端16aに向かって傾斜した面勾配を有している。
突起部16は、ピストン1が上死点付近に位置する状態(図1に示す状態)において、第一油路22の開口端22aからコンロッド2の長手方向頂部であるロッド頂部21bまでの範囲内(図1(b)中に両矢印で示す範囲内)で先端16aがロッド表面21cに近接するように配置されている。本実施形態では、突起部16が、ピストン1の中心軸C上に配置され、ピストン1が上死点にあるときに、ロッド頂部21bで先端16aをロッド表面21cに近接させる。
なお、突起部16の先端16aとロッド頂部21bとの距離は、ピストン1やコンロッド2の壁面に付着する潤滑油の油膜の厚み程度に設定されている。
また、ヘッド部11には、空洞部14とピストン裏面11bとを連通する第二油路15が穿設されている。第二油路15は、空洞部14を流通する潤滑油をコンロッド2側に流下させるための潤滑油の通路であり、空洞部14から突起部16の基端に向かって傾斜している。言い換えると、突起部16の基端は第二油路15の開口端15aに位置しており、突起部16と第二油路15の開口端15aとが隣接するように配置されている。
[1−2.作用]
上述のように構成されたエンジンにおける潤滑油の供給作用について説明する。なお、図1(b)及び図3では、潤滑油が流れる方向を矢印で示す。
エンジンの運転時、エンジンの構成部品には潤滑油が供給される。このとき、クランクシャフトやコンロッド2の大端部に供給された潤滑油は、クランクシャフトの回転による遠心力で飛散する。主としてこのように潤滑油が飛散することによって、ピストン裏面11bには潤滑油が供給される。
ピストン裏面11bに供給された潤滑油は、その大部分がピストン裏面11bを伝って流れ、突起部16の基端に達すると、図1(b)に示すように突起部16の表面に沿って流れて点状の先端16aに集まる。このように先端16aに集まった潤滑油は、先端16aからロッド頂部21bでロッド表面21cに供給される。そして、ロッド頂部21bで供給された潤滑油は、ロッド表面21cを伝って流下し、開口端22aから第一油路22に導入される。第一油路22に導入された潤滑油は、第一油路22を通ってロッド孔部21aに挿通されているピストンピン3に供給される。
一方、ピストン裏面11bに飛散した潤滑油の一部は、図3に示すように一方の給排油路14aを通って空洞部14に流入する。この潤滑油は、空洞部14の内部を流通してピストン1を内部から冷却した後、他方の給排油路14aを通って空洞部14からピストン裏面11bに流出する。また、このように空洞部14の内部を流通する潤滑油のうち、一部は第二油路15を通って空洞部14からピストン裏面11bの開口端15aに流出する。このように開口端15aに流出した潤滑油は、開口端15aから連続する突起部16の表面を伝って突起部16の先端16aに流下する。
このように、突起部16の先端16aには、ピストン裏面11bに供給された潤滑油のうち、直接ピストン裏面11bを伝って流下するものと、空洞部14の内部から第二油路15を通って流出するものとが集約される。そして、集約された潤滑油は、先端16aからこれに近接するロッド表面21cに供給され、さらに第一油路22を通ってロッド孔部21aにも供給される。
[1−3.効果]
本実施形態のエンジンでは、ロッド表面21cに向かって先端16aが突出した突起部16をピストン裏面11bに突設することで、ピストン裏面11bを伝って流れる潤滑油をコンロッド2に供給することができる。したがって、コンロッド2及びこれに挿通されるピストンピン3の潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
また、突起部16の先端16aが第一油路22からロッド頂部21bまでの範囲内でロッド表面21cに近接するように設けられているため、突起部16の先端16aからロッド表面21cに供給された潤滑油を第一油路22に導入しやすくすることができる。したがって、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性をより向上させることができる。
また、第二油路15の開口端15aが突起部16に隣接した位置に設けられており、突起部16の面勾配が第二油路15の開口端15aから先端16aに向かって傾斜しているため、空洞部14からピストン裏面11b側に流出した潤滑油を突起部16の表面に伝わせることができる。つまり、空洞部14の内部を流通する潤滑油をコンロッド2及びピストンピン3に供給することができ、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
また、ピストン裏面11bとロッド表面21cとの距離が最も小さいロッド頂部21bにおいて、先端16aがロッド表面21cに近接するように突起部16を配置しているため、突起部16の体積を比較的小さく抑えることができる。したがって、重量増を抑制しながらコンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
また、突起部16をピストン1の中心軸Cについて対称な形状とすることによって、中心軸Cまわりで突起部16の重量のバランスをとることができる。これにより、ピストン1の傾きを抑制することができるため、スカート部13の磨耗を抑制することができる。なお、突起部16はピストン1に対して十分小さく軽いため、突起部16が中心軸Cについて対称な形状でない場合にも、中心軸Cまわりでピストン1の重量のバランスに影響を与えることはない。したがって、このような場合にも、上述したようにコンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
また、突起部16の先端16aとロッド表面21cとの距離を潤滑油の油膜の厚み程度に設定しているため、潤滑油を先端16aからロッド表面21cに油膜を伝わせて供給することができる。したがって、潤滑油をコンロッド2及びピストンピン3に途切れることなく安定して供給することができ、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性を安定して向上させることができる。
[2.第二実施形態]
[2−1.構成]
図4に示す第二実施形態に係るピストン20は、第一実施形態に係るピストン1に対して突起部26及び第二油路25の配置が変更されたものである。以下、ピストン20の突起部26及び第二油路25について説明し、他の要素については説明を省略する。なお、図4はピストン20の中心軸C20を含み且つピストンピン3の中心軸Cと垂直な平面で切断した断面図を示しており、ここでは第一実施形態で説明された要素に対応する要素や同一の要素に同一符号を付している。
図4に示すように、ピストン20のヘッド部11には、ピストン裏面11bからコンロッド2の小端部21に向かって突起部26が突設されている。突起部26は、ロッド表面21cに対向する先端26aが突出した形状を有しており、先端26a側を丸められた略円錐状に形成されている。先端26aは点状であり、その周囲全体が正の曲率を持つ曲面によって囲まれている。突起部26の表面は、基端から先端26aに向かって傾斜した面勾配を有している。
突起部26は、ピストン20が上死点付近に位置する状態(図4に示す状態)において、第一油路22の開口端22aで先端26aがロッド表面21cに近接するように配置されている。つまり、本実施形態では、突起部26が、ピストン20の中心軸C20から外れた位置に配置され、ピストン20が上死点にあるときに、先端26aをロッド表面21cに形成された開口端22aに近接させる。なお、突起部26の先端26aと開口端22aとの距離は、ピストン20やコンロッド2の壁面に付着する潤滑油の油膜の厚み程度に設定されている。
また、ピストン20のヘッド部11には、空洞部14とピストン裏面11bとを連通する第二油路25が穿設されている。第二油路25は、空洞部14を流通する潤滑油をコンロッド2側に流下させるための潤滑油の通路であり、空洞部14から突起部26の基端に向かって傾斜している。言い換えると、突起部26の基端は第二油路25の開口端25aに位置しており、突起部26と第二油路25の開口端25aとが隣接するように配置されている。本実施形態における第二油路25は、図1に示す第一実施形態における第二油路15に比べて、上下方向に対する傾斜が小さく且つ長さ方向の寸法が短く形成されている。
[2−2.作用]
上記のピストン20を備えたエンジンにおける潤滑油の供給作用について説明する。なお、図4では、潤滑油が流れる方向を矢印で示す。
ピストン20のピストン裏面11b及び空洞部14には、上述した第一実施形態のものと同様にして潤滑油が供給される。ピストン裏面11bに供給された潤滑油は、その大部分がピストン裏面11bを伝って流れ、突起部26の基端に達すると、図4に示すように突起部26の表面に沿って流れて点状の先端26aに集まる。先端26aに集まった潤滑油は、先端26aからロッド表面21cの開口端22aに供給され、開口端22aから第一油路22に導入される。第一油路22に導入された潤滑油は、第一油路22を通ってロッド孔部21aに挿通されているピストンピン3に供給される。
一方、ピストン裏面11bに飛散した潤滑油の一部は、一方の給排油路14aを通って空洞部14に流入する。この潤滑油は、空洞部14の内部を流通してピストン20を内部から冷却した後、他方の給排油路14aを通って空洞部14からピストン裏面11bに流出する。また、このように空洞部14の内部を流通する潤滑油のうち、一部は第二油路25を通って空洞部14からピストン裏面11bの開口端25aに流出する。このように開口端25aに流出した潤滑油は、開口端25aから連続する突起部26の表面を伝って突起部26の先端26aに流下する。
このように、突起部26の先端26aには、ピストン裏面11bに供給された潤滑油のうち、直接ピストン裏面11bを伝って流下するものと、空洞部14の内部から第二油路25を通って流出するものとが集約される。そして、集約された潤滑油は、先端26aからこれに近接する第一油路22の開口端22aに供給され、第一油路22を通ってロッド孔部21aに供給される。
本実施形態に係るピストン20では、突起部26の先端26aが第一油路22の開口端22aに近接しているため、第一実施形態に係るピストン1と比べて、第一油路22内に流入させることのできる潤滑油の量が増加する。
[2−3.効果]
本実施形態のエンジンでは、突起部26の先端26aが第一油路22の開口端22aでロッド表面21cに近接するように配置されているため、先端26aから第一油路22に潤滑油を直接的に導入することができる。したがって、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性をより向上させることができる。
また、本実施形態のエンジンでも、上記第一実施形態のエンジンと同様の効果を得ることができる。例えば、突起部26が突設されていることによって、ピストン裏面11bを伝って流れる潤滑油をコンロッド2に供給することができ、また、突起部26の面勾配が第二油路25の開口端25aから先端26aに向かって傾斜していることによっても、潤滑油をコンロッド2に供給することができるため、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
[3.変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
図5は変形例に係るピストン10を示している。図5(a)は、ピストン10を図5(b)に示すC−C断面で縦方向に切断した状態を示す斜視図であり、図5(b)は、ピストン10の下面図である。なお、図5では、第一実施形態で説明された要素に対応する要素や同一の要素には同一符号を付している。
図5(a)に示すように、ピストン10は、第一実施形態に係るピストン1に対して、ピストン裏面11bから突起部16と一体に突条部17が突設されている点が異なっている。以下、ピストン10の突条部17について説明し、ピストン10の他の要素については説明を省略する。
図5(b)に示すように、突条部17は、突起部16からピストン10の外周面向かって延設されている。ここに示す例では、突起部16から、ピストンピン3の中心軸Cとそれぞれ直交する方向に向かって一対の突条部17,17が延設されている。なお、突条部17は、突起部16からピストン10の外周面に向かう方向であれば、ピストンピン3の中心軸Cと直交する方向以外の方向に向かって延設されていてもよい。また、突条部17の個数は一対に限定されない。
このように構成されたピストン10では、突起部16からピストン10の外周面に向かって突起部16と一体に形成された突条部17を延ばして設けることで、ピストン裏面11bに飛散した潤滑油を突起部16に集めやすくすることができる。したがって、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性をより向上させることができる。
なお、上記には、ピストン1に突条部17を適用した例について説明したが、突条部17が適用されるピストンはこれに限られず、例えば第二実施形態に係るピストン20に対しても同様に突条部17を適用することができる。
また、上記実施形態では、第二油路15,25の開口端15a,25aが突起部16,26に隣接した位置に設けられているものとしたが、第二油路15,25の開口端15a,25aは突起部16,26の表面に設けられていてもよい。特に、第二油路15,25の開口端15a,25aが突起部16,26の先端16a,26aに設けられていれば、第二油路15,25を流れる潤滑油が、突起部16,26の表面を伝うことなく先端16a,26aに直接的に流下する。このため、より確実に突起部16,26の先端16a,26aに潤滑油を供給することができ、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性をより向上させることができる。
また、上記実施形態では、突起部16,26が先端16a,26a側を丸められた略円錐状に形成されるものとしたが、突起部16,26の形状はこれに限定されず、例えば、多平面により形成される三角錐や四角錐、あるいは、半球などであってもよい。また、突起部16,26の表面の傾斜角度は、例えば先端16a,26aを中心とした放射方向に異なる傾斜角度にするなど、適宜の角度に設定することができる。
また、突起部16,26,第一油路22及び第二油路15,25の個数は上記実施形態のものに限定されない。例えば、第一油路22が小端部21に複数個形成される場合、突起部16,26及び第二油路15,25もそれぞれの第一油路22に対応させて複数個ずつ設ければ、それぞれの第一油路22に対して突起部16,26から潤滑油を供給することができる。
また、第一油路22及び第二油路15,25は、それぞれ上記実施形態で示した角度以外の角度で傾斜していてもよい。また、ピストン1,10,20の形状は上記のものに限定されない。例えば、スカート部13の下端部の形状は任意であるとともに、キャビティ11aは省略してもよい。
また、本発明のエンジンは、第一油路22,第二油路15,25及び空洞部14を備えていないものであってもよく、この場合もピストン裏面11bを伝って流れる潤滑油をコンロッド2に供給することができるため、コンロッド2及びピストンピン3の潤滑性及び冷却性を向上させることができる。
さらに、本発明のエンジンは、ディーゼルエンジンであってもよいし、ガソリンエンジンであってもよく、その燃焼方式や燃料の種類などは任意である。また、本発明のエンジンは、車両や船舶,航空機,産業用機械といった様々な機械に搭載されるエンジンとして利用することができる。
1,10,20 ピストン
11b ピストン裏面
14 空洞部
15,25 第二油路
15a,25a 第二油路の開口端
16,26 突起部
16a,26a 突起部の先端
17 突条部
2 コネクティングロッド(コンロッド)
21 小端部
21b ロッド頂部
21c ロッド表面
22 第一油路
22a 第一油路の開口端
3 ピストンピン

Claims (4)

  1. ピストンと、ピストンピンを介して前記ピストンに連結される小端部を有するコネクティングロッドと、を有するエンジンであって、
    前記ピストンの裏面から前記小端部に向かって突設され、前記小端部の表面に対向する先端が突出した形状を有する突起部を備えた
    ことを特徴とする、エンジン。
  2. 前記ピストンピンの半径方向に向かって前記小端部を貫通して形成される第一油路を備え、
    前記突起部は、前記ピストンが上死点にある際に、前記第一油路の開口端から前記コネクティングロッドの長手方向頂部までの範囲内で前記先端が前記表面に近接するように配置される
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジン。
  3. 前記ピストンの内部において中空に形成され、その内部を潤滑油が流通する空洞部と、
    前記空洞部と前記ピストンの裏面とを連通する第二油路と、を備え、
    前記第二油路の開口端が前記突起部あるいは前記突起部に隣接した位置に設けられた
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジン。
  4. 前記ピストンの裏面から前記突起部と一体に突設され、前記突起部から前記ピストンの外周面に向かって延設された突条部を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。
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