JP2015025127A - 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性および難燃性を維持しつつ、反射率が高く、メッキ特性(Plating外観)に優れた熱可塑性樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)波長450nmにおける反射率が25%以上であるレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤2〜30重量部、(C)酸化チタン30〜150重量部、および、(D)リン系難燃剤5.5重量部以上を含む、熱可塑性樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、特に、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに、該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品および、該樹脂成形品の表面に、メッキ層を形成したメッキ層付き樹脂成形品の製造方法に関する。
近年、発光ダイオード(LED)、有機ELなどの新しい光源が、低電力、高寿命などのメリットを活かして、照明、表示素子などとして需要を拡大しつつある。特にLEDは、携帯電話などの移動通信機器、ディスプレイ、自動車コンソールパネル、信号機器、その他の家電用品など種々の用途に使用されている。このような電気電子機器製品においては、意匠性、携帯性等の要求のために、ますます軽薄短小化が進んでいる。
このような軽薄短小化を実現するための鍵となる技術として、表面実装技術(SMT)が普及し、多くの電気電子機器製品に使用されている。これにより電子基板の実装密度が飛躍的に向上し、従来では実現できなかったような軽薄短小化が達成されている。
SMTが適用される場合には、電子基板上に実装された部品全体をハンダ付けするために、ハンダ付けの温度(230〜240℃)に耐えられる材料でなければ使用できない。このような用途に使用できる材料として、耐熱性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
ここで、LED等に、直接に、3次元設計ができるメッキを形成する技術の1つとして、レーザーダイレクトストラクチャリング(以下、「LDS」ということがある)技術が注目されている。LDS技術は、例えば、LDS添加剤を含む樹脂成形品の表面にレーザーを照射し、レーザーを照射した部分のみを活性化させ、該活性化させた部分に金属を適用することによってメッキ層を形成する技術である。この技術の特徴は、接着剤などを使わずに、樹脂基材表面に金属構造体を製造できる点にある。かかるLDS技術は、例えば、特許文献2〜4等に開示されている。
特開2004−075994号公報 特表2000−503817号公報 特表2004−534408号公報 国際公開WO2009/141800号パンフレット
LEDは一般に、発光する半導体部、リード線、ハウジングを兼ねたリフレクタ、半導体を封止する透明な封止剤から構成されている。このうち、リフレクタ部分についてはセラミックや耐熱性樹脂組成物など種々の材料で製品化されているが、セラミックでは生産性が、耐熱性樹脂組成物では射出成形工程、封止剤の熱硬化工程や実際の使用環境下において、変色による光反射率の低下が問題とされている。さらに、近年、かかる樹脂組成物についても、難燃性が要求されている。しかしながら、LDS添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物においては、添加剤を配合するとメッキ性が落ちてしまうことが懸念される。
本発明は上記要求を満たし、かつ、問題点を解決した樹脂組成物を提供することを目的としたものであって、耐熱性および難燃性を維持しつつ、反射率が高く、メッキ特性(Plating外観)に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が検討を行った結果、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<23>により上記課題を解決しうることを見出した。
<1>(A)示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)波長450nmにおける反射率が25%以上であるレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤2〜30重量部、(C)酸化チタン30〜150重量部、および、(D)リン系難燃剤5.5重量部以上を含む、熱可塑性樹脂組成物。
<2>さらに、ガラスフィラーを前記(A)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、ガラスフィラー10〜90重量部を含む、<1>に記載の熱可塑性樹脂組成物。
<3>さらに、硼酸亜鉛を含む、<1>または<2>に記載の熱可塑性樹脂組成物。
<4>(D)リン系難燃剤が、(a)メラミンとリン酸との反応生成物、(b)(ジ)ホスフィン酸塩および(c)ホスファゼン化合物から選択される、<1>〜<3>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<5>(A)結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、<1>〜<4>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<6>(C)レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、アンチモンおよび錫を含むことを特徴とする、<1>〜<5>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<7>(C)レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、アンチモンおよび錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多いことを特徴とする、<1>〜<6>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<8>前記熱可塑性樹脂組成物中のハロゲン原子の割合が全体の0.1重量%以下である、<1>〜<7>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<9>さらに、タルクを熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し0.1〜20重量部の割合で含む<1>〜<8>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<10>(D)酸化チタンの平均一次粒子径が、1μm以下である、<1>〜<9>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<11>(D)酸化チタンがルチル型である、<1>〜<10>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<12>(B)ガラスフィラーが、チョップドストランド、ミルドファイバー、フレーク、ビーズおよびバルーンから選択される少なくとも1種である、<2>〜<11>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<13>(B)ガラスフィラーがEガラスである、<2>〜<12>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<14>(A)結晶性熱可塑性樹脂が、分子内に芳香環を含み、芳香環を構成する炭素原子のポリアミド樹脂分子中に対する割合が30モル%以上であるポリアミド樹脂である、<1>〜<13>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<15><1>〜<14>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
<16>発光ダイオード機器部品である、<15>に記載の樹脂成形品。
<17>前記発光ダイオード機器部品が反射板としての機能を有する、<16>に記載の樹脂成形品。
<18>さらに、表面にメッキ層を有する、<15>〜<17>のいずれかに記載の樹脂成形品。
<19>前記メッキ層が導電回路としての性能を保有する、<18>に記載の樹脂成形品。
<20><1>〜<19>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<21>前記メッキが、銅、ニッケル、銀、および金の少なくとも1種を含む、<20>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<22>前記メッキを多層構造で使用する<21>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<23><20>〜<22>のいずれかに記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、導電回路を有する発光ダイオード機器部品の製造方法。
本発明により、耐熱性および難燃性を維持しつつ、反射率が高く、メッキ特性(Plating外観)に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供可能になった。
樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を示す概略図である。図1中、1は樹脂成形品を、2はレーザーを、3はレーザーが照射された部分を、4はメッキ液を、5はメッキ層をそれぞれ示している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本明細書における反射率は特に述べない限り、波長450nmにおける反射率をいう。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)波長450nmにおける反射率が25%以上であるレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤2〜30重量部、(C)酸化チタン30〜150重量部、および、(D)リン系難燃剤5.5重量部以上を含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、耐熱性および難燃性を維持しつつ、反射率が高く、メッキ特性(Plating外観)に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明の各構成成分について説明する。
<(A)結晶性熱可塑性樹脂>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上であることを特徴とし、融点が255℃以上であることが好ましい。上限は特に定めるものではないが、通常、350℃以下である。このような樹脂を採用することにより、リフローハンダ工程時の製品寸法がより効果的に保持される。
結晶性熱可塑性樹脂とは、明確に結晶構造または結晶化可能な分子構造を有し、非ガラス様特性を示す熱可塑性樹脂であり、測定可能な融解熱を有し明確な融点を示すものをいう。融点および融解熱は、示差走査熱量測定装置、例えば、パーキン・エルマー(PERKIN-ELMER)社製、DSC−IIを用いて測定することができる。すなわち、この装置を用いて測定される融解熱が、1カロリー/グラム以上のものを、結晶性熱可塑性樹脂と定義する。融点は、示差走査熱量測定装置を用いて、1分間当り10℃の昇温速度で、試料を予測される融点以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃の速度で降温し、20℃まで冷却し、そのまま約1分間放置した後、再び1分間当り10℃の速度で加熱昇温することにより測定することができる。
結晶性熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマーなどが挙げられ、ポリアミド樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、特開2010−174223号公報の段落番号0013〜0016の記載を参酌することができる。
ポリアセタール樹脂としては、特開2003−003041号公報の段落番号0011、特開2003−220667号公報の段落番号0018〜0020の記載を参酌することができる。
ポリアミド樹脂としては、特開2011−132550号公報の段落番号0011〜0013の記載を参酌することができる。好ましくは、ジアミン構成単位(ジアミンに由来する構成単位)の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂である。ジアミンの50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸と重縮合されたキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。
好ましくは、ジアミン構成単位の70モル%以上、より好ましくは80モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特には80モル%以上が、炭素原子数が好ましくは4〜20の、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。4〜20のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸は、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸などが好適に使用できる。
本発明では特に、分子内に芳香環を含み、芳香環を構成する炭素原子のポリアミド樹脂分子中に対する割合が30モル%以上であるポリアミド樹脂が好ましい。このような樹脂を採用することにより、吸水率の減少し、結果として、吸水寸法変化がより効果的に抑えられる。
本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点は、40〜180℃であることが好ましく、60〜130℃であることがより好ましい。
本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂の数平均分子量は、5000〜45000であることが好ましく、10000〜25000であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中における結晶性熱可塑性樹脂の配合量は、50〜95重量%であることが好ましく、60〜90重量%であることがより好ましい。結晶性熱可塑性樹脂は、単独でも2種類の樹脂の混合物であってもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記の範囲となることが好ましい。
<(B)レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるLDS添加剤は、波長450nmにおける反射率が25%以上であることを特徴とし、反射率が50〜100%であることが好ましく、反射率が60〜100%であることがさらに好ましい。LDS添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明におけるLDS添加剤は、三菱ガス化学社製PAMP6(後述する実施例で合成しているPAMP6)100重量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を4重量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sにて照射し、その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製M−Copper85のメッキ槽にて実施し、該レーザー照射面に金属を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。例えば、仮に上記樹脂に添加剤を添加した場合にYAGレーザーの吸収が悪く、樹脂の表面がきれいに焼けない場合、レーザーで表面を焼くために酸化チタンを10〜40重量部添加して評価しても良い。
本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品はLDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。公知のLDS添加剤は、黒色のものが多かったが、本発明では、黒色でないLDS添加剤も広く採用できるので、樹脂成形品に色をつけることが可能になる。
本発明で用いるLDS添加剤は、銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含むことが好ましく、アンチモンと錫を含むことがより好ましく、アンチモンと錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多いことがさらに好ましく、アンチモンと酸化錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多いことが特に好ましい。また、酸化アンチモンと酸化錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多い態様も好ましく例示される。
アンチモンと錫を含む場合、その重量比は、3.5:96.5〜25:75が好ましく、7.5:92.5〜20:80がより好ましい。
さらに、本発明で用いるLDS添加剤は、波長450nmにおける反射率が50%以上の組成物を中心部とし、中心部の表面の一部または全部に、銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含む組成物がコーティングされているものであることが好ましい。より好ましくは、反射率が50%以上の組成物を中心部とし、中心部の表面積の60%以上の領域に、銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含む組成物がコーティングされているものである。このような構成とすることにより、銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含む組成物が表面に出る割合が多くなり、少量の銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含む組成物でも、高いLDS効果を発揮させることが可能になる。また、中心部を構成する組成物に反射率が50%以上の組成物を採用することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物の高い反射率を達成することができる。
中心部を構成する組成物の反射率は、80%以上であることがより好ましい。
中心部を構成する、反射率が50%以上の組成物は、金属酸化物を含むことが好ましく、二酸化ケイ素、マイカおよび酸化チタンの少なくとも1種を含むことがより好ましく、二酸化チタンを含むことがさらに好ましい。本発明実施形態として、中心部を構成する反射率が50%以上の組成物が、その20重量%以上が金属酸化物(好ましくは実質的に金属酸化物のみ)からなる組成物である実施形態が挙げられる。かかる金属酸化物は、酸化チタンが好ましい。
コーティングされる、銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含む組成物は、アンチモンと錫を含む組成物であることが好ましく、アンチモンと錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多い組成物であることがより好ましく、アンチモンと酸化錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多い組成物であることがさらに好ましい。また、酸化アンチモンと酸化錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多い組成物も好ましく例示される。
アンチモンと錫を含む場合、その重量比は、3.5:96.5〜25:75が好ましく、7.5:92.5〜20:80がより好ましい。
LDS添加剤が、反射率が50%以上の組成物を中心部とし、中心部の表面の一部または全部に、銅、錫およびアンチモンの少なくとも1種を含む組成物がコーティングされているものである場合、中心部の組成物と、コーティング部分の組成物の重量比が、40〜90:60〜10であることが好ましく、70〜90:30〜10であることがより好ましい。
本発明で用いられるLDS添加剤として、アンチモンがドープされた錫、および、アンチモンがドープされた酸化錫および酸化アンチモンがドープされた酸化錫、ならびに、これらの1種が、反射率が50%以上の組成物を中心部とし、その表面にコーティングされたものを好ましく用いることができる。
LDS添加剤の平均粒径は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましい。このような構成とすることにより、メッキを適応した際のメッキ表面状態の均一性が良好になる傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、LDS添加剤の配合量は、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、2〜30重量部であり、好ましくは3〜25重量部であり、より好ましくは5〜22重量部であり、さらに好ましくは、8〜20重量部である。LDS添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上用いる場合は、合計量が上記範囲となる。
特に、後述するタルクを配合する場合、LDS添加剤の配合量を少なくしても本発明の効果をより効果的に発揮させることができる。
<(C)酸化チタン>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(C)酸化チタンを少なくとも1種を含む。
酸化チタンとしては、一般に市販されているもののなかで白色度と隠蔽性の点で、酸化チタンを80重量%以上含有するものを用いるのが好ましい。
本発明で使用する酸化チタンとしては、例えば、一酸化チタン(TiO)、三酸化ニチタン(Ti23)、二酸化チタン(TiO2)などが挙げられ、これらのいずれを使用してもよいが、二酸化チタンが好ましい。また、酸化チタンとしては、ルチル型の結晶構造を有するものが好ましく使用される。
酸化チタンの平均一次粒子径は、1μm以下であることが好ましく、0.001〜0.5μmの範囲内であることがより好ましく、0.002〜0.1μmの範囲内であることがさらに好ましい。酸化チタンの平均粒径をこのような範囲とし、配合量を上記の範囲内とすることにより、白色度が高く、表面反射率の高い成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
酸化チタンとして、表面処理を施したものを使用してもよい。表面処理剤としては、無機材料および/または有機材料が好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の金属酸化物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機材料などが挙げられる。
また、酸化チタンとして、市販されているものを使用することができる。さらには、塊状のものや平均粒径が大きなものを適宜粉砕し、必要に応じて篩い等によって分級して、上記した平均粒径となるようにしたものを使用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(C)酸化チタンの配合量は、(A)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、30〜150重量部であり、好ましくは30〜145重量部であり、さらに好ましくは35〜110重量部である。酸化チタンは1種類のみ含んでいても良く、2種類以上含んでいても良い。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<(D)リン系難燃剤>
本発明で使用する(D)リン系難燃剤とは、リン原子を含有する難燃剤であり、例えば、(a)メラミンとリン酸との反応生成物、(b)(ジ)ホスフィン酸塩、(c)ホスファゼン化合物等を挙げることができる。
(D)リン系難燃剤の配合量は、(A)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、リン系難燃剤5.5重量部以上であり、好ましくは6〜60重量部であり、より好ましくは7〜30重量部であり、さらに好ましくは、8〜20重量部であり、特に好ましくは8〜15重量部である。リン系難燃剤は1種類のみ含んでいても良く、2種類以上含んでいても良い。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
より具体的には、(b)(ジ)ホスフィン酸塩は、(A)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、10〜40重量部であることが好ましく、15〜35重量部であることがより好ましい。
より具体的には、(c)ホスファゼン化合物は、(A)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、5.5〜25重量部であることが好ましく、7〜20重量部であることがより好ましい。
(a)メラミンとリン酸との反応生成物とは、メラミンまたはメラミンの縮合生成物と、リン酸、ピロリン酸、もしくはポリリン酸との実質的に等モルの反応生成物から得られるものを意味し、製法には特に制約はない。通常、リン酸メラミンを窒素雰囲気下、加熱縮合して得られるポリリン酸メラミン(化学式「(C366・HPO3n」(ここでnは縮合度を表す))を挙げることができる。
ここでリン酸メラミンを構成するリン酸としては、具体的にはオルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるが、特にオルトリン酸、ピロリン酸を用いたメラミンとの付加物を縮合したポリリン酸メラミンが難燃剤としての効果が高く、好ましい。特に耐熱性の点から、かかるポリリン酸メラミンの縮合度nは5以上が好ましい。
また、ポリリン酸メラミンはポリリン酸とメラミンの等モルの付加塩であっても良く、上記ポリリン酸とメラミンの全てが付加塩を形成しているものには限られず、これらの混合物であってもよい。すなわち、メラミンとの付加塩を形成するポリリン酸としては、いわゆる縮合リン酸と呼ばれる鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸を用いてもよい。これらポリリン酸の縮合度nには特に制約はなく通常3〜50であるが、得られるポリリン酸メラミン付加塩の耐熱性の点で、ここに用いるポリリン酸の縮合度nは5以上が好ましい。かかるポリリン酸メラミン付加塩は、メラミンとポリリン酸との混合物を例えば水スラリーとなし、よく混合して両者の反応生成物を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、さらに必要であれば焼成し、得られた固形物を粉砕して得られる粉末である。
また、該ポリリン酸メラミンは、リン酸とメラミン縮合生成物の付加塩であってもよく、上記リン酸とメラミン縮合生成物の全てが付加塩を形成しているものには限られず、これらの混合物であってもよい。リン酸と付加塩を形成するメラミン縮合生成物としては、メレム、メラム、メロン等が挙げられる。
本発明においては、成形品の機械的強度や外観の点で、ポリリン酸メラミンの重量平均粒径が好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下になるように粉砕した粉末を用いるのが好ましい。特に、0.5〜20μmの粉末を用いることにより、高い難燃性を発現するばかりでなく、成形品の強度が著しく向上するのでさらに好ましい。また、ポリリン酸メラミンは必ずしも完全に純粋である必要はなく、未反応のメラミン、メラミン縮合物、あるいはリン酸、ポリリン酸が多少残存していてもよい。さらに、ポリリン酸メラミン中のリン原子の含有量は8〜18重量%であるものが、成形加工時に成形金型に汚染物質が付着する現象が少なく特に好ましい。
本発明に用いられる(b)(ジ)ホスフィン酸塩とは、下記式(I)で表されるホスフィン酸塩および/または下記式(II)で表されるジホスフィン酸塩であり、例えば、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物を用いて水性媒体中で製造されたものが挙げられる。該(ジ)ホスフィン酸塩は、本質的にモノマー性化合物であるが、反応条件に依存して、環境によっては縮合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩となる場合もある。
Figure 2015025127
Figure 2015025127
(一般式(I)および(II)において、R1およびR2は、それぞれ、線状もしくは分枝状の炭素数1〜6(「C1〜C6」と記載する。以下同様)のアルキル基および/またはC6〜C10のアリール基、R3は線状もしくは分枝状のC1〜C10のアルキレン基、C6〜C10のアリーレン基、C7〜C10のアルキルアリーレン基またはC7〜C10のアリールアルキレン基、MはCa、Mg、Alおよび/またはZn、mはMの価数を表し、2n=mxであり、nは1または3、xは1または2である。)
ここで、mまたはnが2以上の場合、それぞれの、R1〜R3は同一であっても良いし異なっていても良い。
ホスフィン酸としては、例えば、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また金属成分(M)としてはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンおよび/または亜鉛イオン等が挙げられる。
ホスフィン酸塩としては、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
ジホスフィン酸塩としては、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)亜鉛等が挙げられる。
これら、(ジ)ホスフィン酸塩の中でも、特に、難燃性、電気特性の観点から、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
本発明においては、成形品の機械的強度や外観の点で、(ジ)ホスフィン酸塩の重量平均粒径が好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下になるように粉砕した粉末を用いるのが好ましい。特に、0.5〜50μmの粉末を用いることにより、高い難燃性を発現するばかりでなく成形品の強度が著しく向上するのでより好ましい。さらに、(ジ)ホスフィン酸塩中のリン原子の割合は5〜40重量%のものが、成形加工時に成形金型に汚染物質が附着する現象が少なく特に好ましい。該(ジ)ホスフィン酸塩は難燃剤として作用するが、(a)メラミンとリン酸との反応生成物と併用することで、優れた難燃性と優れた電気特性を発現することができる。
本発明において用いられる(c)ホスファゼン化合物は分子中に−P=N−結合を有する有機化合物、好ましくは、下記一般式(III)で表される環状フェノキシホスファゼン、下記一般式(IV)で表される鎖状フェノキシホスファゼン、ならびに、下記一般式(III)および下記一般式(IV)からなる群より選択される少なくとも一種のフェノキシホスファゼンが、下記一般式(V)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。(c)ホスファゼン化合物は難燃化効果が高く、特に後述の硼酸金属塩と併用することにより、少ない含有量でも優れた難燃性を発揮することができため、難燃剤の配合によって起こり得る機械的強度の低下やガスの発生を抑制しやすい傾向にあり好ましい。
Figure 2015025127
(一般式(III)において、mは3〜25の整数であり、Phはフェニル基を示す。)
Figure 2015025127
(一般式(IV)において、X1は−N=P(OPh)3基、または、−N=P(O)OPh基であり、Y1は−P(OPh)4基、または、−P(O)(OPh)2基であり、nは3〜10000の整数であり、Phはフェニル基を示す。)
Figure 2015025127
(一般式(V)において、Aは−C(CH32−、−SO2−、−S−、または−O−であり、qは0または1である。)
一般式(III)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状および直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。また、該環状フェノキシホスファゼン化合物は、一般式(III)中のmが3〜8の整数である化合物が好ましい。
一般式(IV)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。該直鎖状フェノキシホスファゼン化合物の、一般式(IV)中のnは、好ましくは3〜1000、より好ましくは3〜100、さらに好ましくは3〜25である。
架橋フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、4,4'−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4'−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4'−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、一般式(III)で表される環状ホスファゼン化合物および/または一般式(IV)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基およびフェニレン基数を基準として、通常50〜99.9%、好ましくは70〜90%である。また、該架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しない化合物であることが特に好ましい。
上記環状フェノキシホスファゼン化合物および鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、H.R.Allcook著「Phosphorus−Nitrogen Compounds(Academic Press,(1972))」、J.E.Mark、H.R.Allcook、R.West著「Inorganic Polymers(Prentice−Hall International、Inc.(1992))」に記載されている方法によって合成することができる。
リン系難燃剤、特に、ホスファゼンはマスターバッチとして配合してもよい。その他、国際公開WO2009/141799号パンフレットに記載の難燃剤も好ましく用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、(D)リン系難燃剤以外の難燃剤、例えば、トリアジン系、金属水和物系、シリコーン系等の難燃剤を配合することができる。これら、その他の難燃剤成分の含有量は、添加する場合、本発明の熱可塑性樹脂組成物中の0.5〜10重量%であることが好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、ハロゲン系難燃剤を実質的に含まないことが好ましく、例えば、本発明の熱可塑性樹脂組成物の0.1重量%以下であることが好ましい。このような構成とすることにより、環境にやさしい組成物とすることができる。さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、リン系難燃剤の代わりにハロゲン系の難燃剤を用いるとメッキ性が劣ってしまう。特に、ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンの組み合わせでは、メッキ性が劣る傾向にある。さらには、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、ハロゲン原子を実質的に含まないことが好ましく、例えば、本発明の熱可塑性樹脂組成物の全体の0.1重量%以下であることが好ましい。
<難燃助剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、難燃性を高めるために難燃助剤を配合してもよい。難燃助剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、酸化鉄、酸化硼素、錫酸亜鉛、硼酸金属塩等が挙げられ、これらの中でも、水酸化マグネシウム、硼酸金属塩が好ましく、特に硼酸亜鉛が好ましい。本発明の組成物に硼酸亜鉛を配合することにより、該組成物を加熱すると水を放出する。この水が冷却効果を奏し、難燃性をより向上させる。このような添加剤は、メッキ性能を低下させる場合があるが、硼酸亜鉛では高いメッキ性を維持できる点で価値が高い。
本発明において、難燃助剤として使用してもよい硼酸金属塩とは、通常用いる処理条件下で安定的であり、揮発成分のないものが好ましい。硼酸金属塩としては硼酸のアルカリ金属塩(四硼酸ナトリウム、メタ硼酸カリウム等)あるいはアルカリ土類金属塩(硼酸カルシウム、オルト硼酸マグネシウム、オルト硼酸バリウム、硼酸亜鉛等)等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、2ZnO・3B23・xH2O(x=3.3〜3.7)で示される水和硼酸亜鉛塩であり、好ましくは、2ZnO・3B23・3.5H2Oで示されるものであり、より好ましくは260℃またはそれより高い温度まで安定なものである。
本発明においては、成形品の機械的強度や成形品外観の点で、硼酸金属塩の重量平均粒径が、30μm以下のものが好ましく、20μm以下のものがより好ましい。特に、1〜20μmの粉末を用いることにより、機械的強度が安定するため好ましい。
難燃助剤の含有量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物中の、例えば、10重量%以下であることが好ましい(ただし、全成分の合計を100重量%とする)。含有量を10重量%以下とすることにより、成形時の樹脂の分解を抑制することができる。難燃性と電気特性、機械的特性のバランスの点から、より好ましくは1〜9重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。
<ガラスフィラー>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ガラスフィラーを含むことが好ましい。ガラスフィラーは、チョップドストランド、ミルドファイバー、フレーク、ビーズおよびバルーンから選択される少なくとも1種であり、チョップドファイバー、ミルドファイバー、フレークが好ましい。
チョップドストランドとは、ガラスファイバーを1〜10mmに切りそろえものであり、ミルドファイバーとは、ガラスファイバーを長さ10〜500μm程度に粉砕したものである。ガラスファイバーとしては、日本電気硝子社より、市販されており、容易に入手可能である。
ガラスフレークとは、厚さ1〜20μm、一辺の長さ0.05〜1.0mmの鱗片状のものであり、例えば、日本板硝子社より、「フレカ」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
また、ガラスビーズとは、外径10〜100μmの球状のものであり、例えば、東芝バロティーニ社より、商品名「EGB731」として市販されており、容易に入手可能である。
バルーンとは、中空のガラスビーズであり、東海工業社より、「PZ6000」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
原料ガラスの組成は、無アルカリのものが好ましく、例えば、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Rガラス等が挙げられるが、本発明では、Eガラスが好ましく用いられる。
ガラスフィラーは、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、その付着量は、通常、ガラスフィラーの重量の0.01〜1重量%である。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウンム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、ガラスフィラーの配合量は、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは10〜100重量部であり、より好ましくは15〜90重量部であり、さらに好ましくは20〜80重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物では、通常、結晶性熱可塑性樹脂とガラスフィラーで、全成分の70重量%以上を占める。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、タルク、熱安定剤、光安定剤、アルカリ、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。
また、これらの成分は、それぞれ、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
<タルク>
本発明の熱可塑性樹脂組成物はタルクを含んでいてもよい。本発明では、タルクを配合することにより、レーザーを照射した部分のメッキ性能がより向上する傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、タルクの配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜50重量部であることが好ましく、0.5〜20重量部であることがより好ましく、1〜15重量部であることがさらに好ましく、1〜10重量部であることが特に好ましい。
<熱安定剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、有機系および/または無機系熱安定剤をさらに含有していてもよく、有機系熱安定剤を含むことがより好ましい。
本発明で用いる熱安定剤は、実質的に、銅を含まないことが好ましい。実質的にとは、検出限界以下であることをいう。このように銅の配合量を少なくすることにより、変色を抑えることが可能になる。
有機系熱安定剤としては、フェノール系化合物、ホスファイト系化合物、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物、及びイオウ系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
熱安定剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒンダートフェノール系化合物を挙げることができる。ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、N,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及び1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などが挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−テトラ−トリデシル)ジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、テトラ(C1〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェニルポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル))・1,6−ヘキサノールジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、トリス(4、4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル))ホスファイト、トリス(1,3−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2、2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイト、及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を挙げることもできる。ペンタエリストール型ホスファイト化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
ペンタエリストール型ホスファイト化合物としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びビス(2、6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが好ましく、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトがより好ましい。
ヒンダードアミン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物などが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン類が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン類としては、例えば、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−ヘキシルオキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2'−ヒドロキシ−4'−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4'−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−イソプロピルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−n−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−エトキシカルボニルメトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
イオウ系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオネート、及びジステアリル3,3'−チオジプロピオネートなどを挙げることができる。
無機系熱安定剤の例としては、金属水酸化物が好ましく、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムや、三酸化アンチモンが例示され、よりメッキ性を向上させる観点からは、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムが好ましい。特に、LDS添加剤が酸性物質のときに、無機系熱安定剤として、アルカリを添加すると、後述するLDS添加剤の色合いを均一するためのアルカリ成分を兼ねることができる。また、このようなアルカリは、熱安定剤としても働く場合がある。
熱安定剤の含有量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、0.01重量部〜5重量部であることが好ましく、0.03〜4重量部であることがより好ましい。熱安定剤が少なすぎると熱安定効果が不十分となる可能性があり、熱安定剤が多すぎると効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
<光安定剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、有機系および/または無機系光安定剤を含むことが好ましく、有機系光安定剤を含むことがより好ましい。
有機系光安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びシアノアクリレート系化合物などの紫外線吸収効果のある化合物、並びにヒンダードアミン系化合物及びヒンダードフェノール系化合物などのラジカル捕捉能力のある化合物などが挙げられる。
光安定剤としては、紫外線吸収効果のある化合物とラジカル捕捉能力のある化合物を併用することにより、より高い安定化効果を発揮させることができる。
光安定剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ベンゾフェノン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、及び2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
サリシレート系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、及びp−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2'−ヒドロキシ−3'−(3'',4'',5'',6''−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5'−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}、及び6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6'−t−ブチル−4'−メチル−2,2'−メチレンビスフェノールなどが挙げられる。
シアノアクリレート系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、及びエチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N'−ビス−ホルミル−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンドゥバー(Sanduvor)(クラリアント(Clariant);CAS登録番号[106917−31−1])、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、N,N',N",N'''−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10ジアミン、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などが挙げられ、中でもビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、N,N',N",N'''−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10ジアミンなどが挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3ハイドロキシ−2,6−ジメチルベンジ)イソシアネートなどが挙げられる。
光安定剤の含有量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、0.01重量部〜5重量部であることが好ましく、0.01〜4重量部であることがより好ましい。
<アルカリ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物はアルカリを含んでいてもよい。本発明で用いるLDS添加剤が酸性物質(例えば、pH6以下)の場合に、組み合わせによって自身が還元することで色目がまだら模様となるケースがあるが、アルカリを添加することにより、得られる樹脂成形品の色あいをより均一にすることができる。アルカリの種類は特に定めるものではなく、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。アルカリは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、アルカリの配合量は、LDS添加剤の種類及びアルカリの種類にもよるが、LDS添加剤の配合量の、好ましくは0.01〜20重量%であり、より好ましくは0.05〜15重量%である。
<離型剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族又は脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、脂肪族炭化水素の数平均分子量は好ましくは5,000以下である。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
離型剤の含有量は、熱可塑性樹脂とガラスフィラーの合計100重量部に対して、0.001〜2重量部であることが好ましく、0.01〜1重量部であることがより好ましい。離型剤の含有量を0.001重量部以上とすることにより、離型性の効果がより効果的に発揮され、2重量部以下とすることにより、耐加水分解性が低下し、射出成形時の金型汚染が効果的に抑制される。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、任意の方法が採用される。
例えば、熱可塑性樹脂、ガラスフィラー、LDS添加剤等をV型ブレンダー等の混合手段を用いて混合し、一括ブレンド品を調整した後、ベント付き押出機で溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。あるいは、二段階練込法として、予め、ガラスフィラー以外の成分等を、十分混合後、ベント付き押出機で溶融混練りしてペレットを製造した後、そのペレットとガラスフィラーを混合後、ベント付き押出機で溶融混練りする方法が挙げられる。
更に、ガラスフィラー以外の成分等を、V型ブレンダー等で十分混合したものを予め調整しておき、それをベント付き二軸押出機の第一シュートより供給し、ガラスフィラーは押出機途中の第二シュートより供給して溶融混練、ペレット化する方法が挙げられる。
押出機の混練ゾーンのスクリュー構成は、混練を促進するエレメントを上流側に、昇圧能力のあるエレメントを下流側に配置されることが好ましい。
混練を促進するエレメントとしては、順送りニーディングディスクエレメント、直交ニーディングディスクエレメント、幅広ニーディングディスクエレメント、および順送りミキシングスクリューエレメント等が挙げられる。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常180〜360℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュー構成の選定が望ましい。混練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
樹脂成形品の製造方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形した樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を図1に従って説明する。図1は、レーザーダイレクトストラクチャリング技術によって、樹脂成形品1の表面にメッキを形成する工程を示す概略図である。図1では、樹脂成形品1は、平坦な基板となっているが、必ずしも平坦な基板である必要はなく、一部または全部が曲面している樹脂成形品であってもよい。また、得られるメッキ層付き樹脂成形品は、最終製品に限らず、各種部品も含む趣旨である。
再び図1に戻り、樹脂成形品1にレーザー2を照射する。ここでのレーザーとは、特に定めるものではなく、YAGレーザー、エキシマレーザー、電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YGAレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではない。好ましい波長範囲は、200nm〜1200nmである。特に好ましくは800〜1200nmである。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として、銅、ニッケル、銀、金、およびパラジウムの少なくとも1種以上からなるメッキ液(特に、無電解のメッキ液)が好ましく、銅、ニッケル、銀、および金の少なくとも1種以上からなるメッキ液(特に、無電解のメッキ液)がより好ましく、銅を含むメッキ液(特に、無電解のメッキ液)がさらに好ましい。すなわち、本発明におけるメッキ層は、金属成分が、上記金属の少なくとも1種からなることが好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回線間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。メッキは、形成した回路の腐食や劣化を抑えるために、例えば無電解メッキを実施した後にニッケル、金で更に保護することも出来る。また、同様に無電解メッキ後に電解メッキを用い、必要な膜厚を短時間で形成することも出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、例えば、コネクタ、スイッチ、リレー、導電回路等の電子部品、ランプリフレクタ等の反射板、ギヤ、カム等のような摺動部品、エアインテークマニホールドなどの自動車部品、流し台などの水回り部品、種々の装飾部品、あるいは、フィルム、シート、繊維などの種々の用途に用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形方法にもよるが、白色度が高く、反射率に優れた成形品を与える。本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品の白色度(ハンター式)は、通常92以上、好ましくは94以上である。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、耐熱性に優れるとともに、実際の使用環境下での光安定性に優れている。従って、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、光を反射する機能を有する部品、特に、発光ダイオード(LED)機器部品、好ましくは、LEDの反射板や導電回路として働く。メッキ層は、1層のみであってもよいし、多層構造であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2011−219620号公報、特開2011−195820号公報、特開2011−178873号公報、特開2011−168705号公報、特開2011−148267号公報の記載を参酌することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<熱可塑性樹脂>
(1)ポリアミド樹脂PAP10は下記方法により合成した。
(ポリアミド(PAP10)の合成)
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50リットルの反応容器に、精秤したセバシン酸(伊藤製油(株)製、製品名セバシン酸TA)8950g(44.25mol)、次亜リン酸カルシウム12.54g(0.074mol)、酢酸ナトリウム6.45g(0.079mol)を秤量して仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.4MPaに加圧し、撹拌しながら20℃から190℃に昇温して55分間でセバシン酸を均一に溶融した。次いでパラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)5960g(43.76mol)を撹拌下で110分を要して滴下した。この間、反応容器内温は293℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.42MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。パラキシリレンジアミン滴下終了後、反応容器内圧力0.42MPaにて20分間重縮合反応を継続した。この間、反応容器内温は296℃まで上昇させた。その後、30分間で反応容器内圧力を0.42MPaから0.12MPaまで減圧した。この間に内温は298℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で減圧し、20分間で0.08MPaまで減圧し、分子量1,000以下の成分量を調整した。減圧完了時の反応容器内の温度は301℃であった。その後、系内を窒素で加圧し、反応容器内温度301℃、樹脂温度301℃で、ストランドダイからポリマーをストランド状に取出して20℃の冷却水にて冷却し、これをペレット化し、約13kgのポリアミド樹脂を得た。なお、冷却水中での冷却時間は5秒、ストランドの引き取り速度は100m/分とした。以下、「PAP10」という。融点は、290℃であった。
(2)ポリアミド樹脂MP6は下記方法により合成した。
(ポリアミド(MP6)の合成)
アジピン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35Mpa)下でジアミンとアジピン酸(ローディア社製)とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を270℃まで上昇させた。滴下終了後、滴下終了後、0.06MPaまで減圧し10分間反応を続け分子量1,000以下の成分量を調整した。その後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミドを得た。以下、「MP6」という。融点は、257℃であった。
上記融点は、パーキン・エルマー(PERKIN-ELMER)社製、DSC−IIを用い、1分間当り10℃の昇温速度で、試料を予測される融点以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃の速度で降温し、20℃まで冷却し、そのまま約1分間放置した後、再び1分間当り10℃の速度で加熱昇温することにより測定した。
<LDS添加剤>
(1)CP5C:Keeling&Walker社製、アンチモンドープ酸化スズ(酸化スズ95重量%、酸化アンチモン5重量%、酸化鉛0.02重量%、酸化銅0.004重量%)からなる。反射率61.7%
(2)Minatec 40CM: (Sb/Sn)O2(43重量%)からなる組成物をコーティングした、マイカ+SiO2(合計57重量%)(メルク製)、反射率51.1%
(3)Black 1G:CuCr24(Shephred color company製)、反射率7.2%
上記反射率は、LDS添加剤の粉を約100μm厚のポリエチレン製の袋に入れ、可視紫外分光器、島津製作所製、UV−3100PCを用いて測定したものである。
<酸化チタン>
CR−63:石原産業製、ルチル型、平均一次粒子径0.21μm
<ガラスフィラー>
03T−296GH:日本電気硝子製、Eガラス
<熱安定剤>
Irganox1098:ヒンダートフェノール系熱安定剤、BASF社製
<難燃剤>
PME90FRの作製方法
ポリフェニレンエーテル樹脂34.7重量%、無水マレイン酸0.3重量%、ホスファゼン35重量%および硼酸亜鉛30重量%をドライブレンド後、東芝機械株式会社製「TEX−30α」を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hの条件で溶融混練を行い、ホスファゼンマスターバッチのペレットを得た。
<<マスターバッチの製造に使った原料>>
ポリフェニレンエーテル樹脂:製造元:三菱エンジニアリングプラスチックス製、品番:PX100L
ホスファゼン:製造元:大塚化学製、品番:SPS−100
ZnB:製造元:RIO TINTO製、品番:Fire Break ZB
<その他難燃剤>
OP−1230:製造元:クラリアントジャパン製、品番:EXOLIT OP−1230
HP3010:ハロゲン系難燃剤、アルベマール製
<難燃助剤>
ZnB:製造元:RIO TINTO製、品番:Fire Break ZB
Sb23:製造元:日本精鉱製、品番:PATOX
<アルカリ>
Ca(OH)2
<タルク>
MW5000S:林化成製
<離型剤>
CS−8CP:製造元:日東化工製、品番:CS−8CP
<コンパウンド>
後述する下記表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、ガラスフィラーを除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、ガラスフィラーをサイドフィードして樹脂ペレットを作成した。押出機の温度設定は、300℃とした。
<反射率(450nm)>
射出成形により、60mm×60mm×2mmtの試験片を作製した。可視紫外分光器、島津製作所製、UV−3100PCを用いて、波長450nmにおける反射率(単位:%)を測定した。450nmは青色発光ダイオードの波長領域である。成形品の初期反射率50%以上であるものは、良好な反射率であると判断され、反射率が要求される用途に使用できる可能性があると判断できる。
<難燃性>
射出成形により、1.5mm厚さの試験片を作製した。
UL−94試験に従い、1.5mm厚さにおける難燃性を以下の通り評価した。結果を下記表に示す。
A:V−0が達成できた。
B:V−1以下のレベルであった。
<メッキ性(Plating外観)>
金型として60×60mmで厚みの2mmのキャビティに、一辺60mmが1.5mm厚みのファンゲートから樹脂を充填して成形を行った。ゲート部分をカットし、プレート試験片を得た。
得られたプレート試験片の10×10mmの範囲に、SUNX(株)製LP−Z SERIESのレーザー照射装置(波長1064nmのYAGレーザー最大出力13W)を用い、出力80%、パルス周期20μs(マイクロ秒)、速度4m/sにて照射した。その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製、MIDCopper100XB Strikeを用い、60℃のメッキ槽にて実施した。メッキ性能は15分間にメッキされた銅の厚みを目視にて判断した。
以下の通り評価した。結果を下記表に示す。
A:良好な外観(銅の色も濃くメッキが厚く乗っている様子が確認された)
B:メッキがほとんど確認されない様子
<ハンダ耐熱性>
上記プレート試験片(0.8mmt)の試験片を作製し、240℃のハンダ浴を用い、試験片を1分間浸漬し、変形の度合いを目視にて確認した。以下の通り評価した。
A:1分間の浸漬においても変形がなく良好な外観であった
B:1分以内に若干試験片の角に変形が見られた
C:1分以内に試験片が確実に変形した
Figure 2015025127
上記表から明らかなとおり、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ハンダ耐熱性および難燃性に優れ、反射率が高く、メッキ性が高いことが分かった(実施例1〜12)。リン系難燃剤の配合量が少ない場合や配合しない場合(比較例1〜3)、難燃性が劣っていた。また、リン系難燃剤以外の難燃剤を用いた場合(比較例4)、メッキ性やハンダ耐熱性が劣っていた。また、LDS添加剤の反射率が低い場合(比較例5)、反射率が劣っていた。LDS添加剤の配合量が少ない場合(比較例6)、メッキ性が劣っていた。
1 樹脂成形品
2 レーザー
3 レーザーが照射された部分
4 メッキ液
5 メッキ層

Claims (23)

  1. (A)示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)波長450nmにおける反射率が25%以上であるレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤2〜30重量部、(C)酸化チタン30〜150重量部、および、(D)リン系難燃剤5.5重量部以上を含む、熱可塑性樹脂組成物。
  2. さらに、ガラスフィラーを前記(A)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、ガラスフィラー10〜90重量部を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. さらに、硼酸亜鉛を含む、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. (D)リン系難燃剤が、(a)メラミンとリン酸との反応生成物、(b)(ジ)ホスフィン酸塩および(c)ホスファゼン化合物から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. (C)レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、アンチモンおよび錫を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. (C)レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、アンチモンおよび錫を含み、アンチモンよりも錫の方が含有量が多いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性樹脂組成物中のハロゲン原子の割合が全体の0.1重量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. さらに、タルクを熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し0.1〜20重量部の割合で含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. (D)酸化チタンの平均一次粒子径が、1μm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. (D)酸化チタンがルチル型である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. (B)ガラスフィラーが、チョップドストランド、ミルドファイバー、フレーク、ビーズおよびバルーンから選択される少なくとも1種である、請求項2〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. (B)ガラスフィラーがEガラスである、請求項2〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. (A)結晶性熱可塑性樹脂が、分子内に芳香環を含み、芳香環を構成する炭素原子のポリアミド樹脂分子中に対する割合が30モル%以上であるポリアミド樹脂である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
  16. 発光ダイオード機器部品である、請求項15に記載の樹脂成形品。
  17. 前記発光ダイオード機器部品が反射板としての機能を有する、請求項16に記載の樹脂成形品。
  18. さらに、表面にメッキ層を有する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
  19. 前記メッキ層が導電回路としての性能を保有する、請求項18に記載の樹脂成形品。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  21. 前記メッキが、銅、ニッケル、銀、および金の少なくとも1種を含む、請求項20に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  22. 前記メッキを多層構造で使用する請求項21に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  23. 請求項20〜22のいずれか1項に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、導電回路を有する発光ダイオード機器部品の製造方法。
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