JP5947577B2 - 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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本発明は、かかる従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、無機繊維とLDS添加剤を配合した熱可塑性樹脂組成物であって、適切にメッキが形成でき、かつ、機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
具体的には、以下の手段により、上記課題は解決された。
<1>熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機繊維10〜150重量部およびレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30重量部を含み、前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことを特徴とする、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<2>前記LDS添加剤中、アンチモンの割合が3.5重量%以上である、<1>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<3>前記LDS添加剤中、錫の割合が60重量%以上である、<1>または<2>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<4>無機繊維がガラス繊維である、<1>〜<3>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<5>熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、<1>〜<4>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<6>前記LDS添加剤は、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<7>前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含む、<1>〜<6>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<8>前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含み、かつ、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の配合量が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜15重量部である、<1>〜<6>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<9><1>〜<8>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
<10>さらに、表面にメッキ層を有する、<9>に記載の樹脂成形品。
<11>携帯電子機器部品である、<9>または<10>に記載の樹脂成形品。
<12>前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、<9>または<10>に記載の樹脂成形品。
<13><1>〜<8>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<14>前記メッキが銅メッキである、<13>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<15><13>または<14>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
本発明におけるモース硬度は、一般的に鉱物の硬さの指標として用いられる10段階モース硬度を用いる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂の種類は特に定めるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂のアロイ、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂のアロイ、熱可塑性ポリエステル樹脂、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、メチルメタアクリレート/スチレン共重合樹脂、メチルメタアクリレート樹脂、ゴム強化メチルメタアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。本発明では、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂が好ましく用いられ、ポリアミド樹脂がさらに好ましい。熱可塑性樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、特開2010−174223号公報の段落番号0013〜0016の記載を参酌することができる。
ポリアセタール樹脂としては、特開2003−003041号公報の段落番号0011、特開2003−220667号公報の段落番号0018〜0020の記載を参酌することができる。
ポリフェニレンサルファイド樹脂としては、特開平10−292114号公報の段落番号0014〜0016の記載、特開平10−279800号公報の段落番号0011〜0013の記載、特開2009−30030号公報の段落番号0011〜0015の記載を参酌できる。
好ましくは、ジアミン構成単位の70モル%以上、より好ましくは80モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特には80モル%以上が、炭素原子数が好ましくは4〜20の、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。4〜20のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸は、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸などが好適に使用できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機繊維を含む。無機繊維は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物では、通常、熱可塑性樹脂と無機繊維で、全成分の60重量%以上を占める。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるLDS添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことを特徴とする。本発明で用いるLDS添加剤は、アンチモンと錫を含み、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含み、かつ、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことが好ましい。
本発明で用いられるLDS添加剤として、アンチモンがドープされた錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化アンチモンがドープされた酸化錫が例示できる。
本発明におけるLDS添加剤中、アンチモンの割合は3.5重量%以上であることが好ましく、3.5〜25重量%がより好ましく、5〜20重量%がさらに好ましく、7〜18重量%が特に好ましく、8〜18重量%が最も好ましい。
本発明におけるLDS添加剤中、錫の割合は、60〜96.5重量%が好ましく、60〜80重量%がさらに好ましく、60〜73重量%がさらに好ましく、60〜67重量%が特に好ましい。このような範囲とすることにより、機械的強度がより向上する傾向にある。
本発明で用いるLDS添加剤に含まれる金属成分のうち、アンチモンと錫の合計で、63.5重量%以上を占めることが好ましく、75重量%以上であることが好ましい。
本発明におけるLDS添加剤は、三菱ガス化学社製PA−MP6(後述する実施例で合成しているMAMP6)樹脂100重量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を4重量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sにて照射し、その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製M−Copper85のメッキ槽にて実施し、該レーザー照射面に金属を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品はLDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。公知のLDS添加剤は、黒色のものが多かったが、本発明では、黒色でないLDS添加剤も広く採用できるので、樹脂成形品に色をつけることが可能になる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はアルカリを含んでいてもよい。本発明で用いるLDS添加剤が酸性物質(例えば、pH6以下)の場合に、組み合わせによって自身が還元することで色目がまだら模様となるケースがあるが、アルカリを添加することにより、得られる樹脂成形品の色あいをより均一にすることができる。アルカリの種類は特に定めるものではなく、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。アルカリは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、アルカリの配合量は、LDS添加剤の種類及びアルカリの種類にもよるが、LDS添加剤の配合量の、好ましくは0.01〜3重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は無機顔料を含んでいてもよい。本発明では、無機顔料を添加することにより、樹脂成形品を着色することが可能になる。無機顔料は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。無機顔料としては、CIELabにおけるL*値が80以上、かつ、モース硬度が5.0以下の無機顔料が好ましい。L*値は、50〜100がより好ましい。
本発明では、無機顔料のモース硬度が2〜5(好ましくは2.5〜4.5)である実施形態が挙げられる。このような無機顔料としては、ZnS(L*値:(87〜95)、モース硬度:3〜3.5)、ZnO(L*値:(88〜96)、モース硬度:4〜5)が例示され、ZnSがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における無機顔料の配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、0.5〜12重量部であることがさらに好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はタルクを含んでいてもよい。本発明では、タルクを配合することにより、LSD添加剤の添加量を減らしても適切なメッキの形成が可能になる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、タルクの配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、1〜20重量部であることが好ましく、2〜15重量部であることがより好ましく、2〜10重量部であることがさらに好ましい。タルクを配合することにより、LDS添加剤の配合量を、熱可塑性樹脂100重量部に対し、例えば、1〜15重量部とすることができ、さらには、1〜10重量部とすることができる。
また、これらの成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機繊維以外の成分99重量%以上が無機繊維成分よりもモース硬度が低いことが好ましく、無機繊維以外の成分のすべてが、無機繊維成分よりもモース硬度が低いことがより好ましい。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
光安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びシアノアクリレート系化合物などの紫外線吸収効果のある化合物、並びにヒンダードアミン系化合物及びヒンダードフェノール系化合物などのラジカル捕捉能力のある化合物などが挙げられる。
光安定剤としては、紫外線吸収効果のある化合物とラジカル捕捉能力のある化合物を併用することにより、より高い安定化効果を発揮させることができる。
光安定剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施の形態の樹脂組成物は、熱安定剤をさらに含有していてもよい。熱安定剤としては、フェノール系化合物、ホスファイト系化合物、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物、及びイオウ系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
熱安定剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシフェニルトリアジン類としては、例えば、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−ヘキシルオキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2'−ヒドロキシ−4'−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4'−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−イソプロピルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−n−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−エトキシカルボニルメトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、任意の方法が採用される。
例えば、熱可塑性樹脂、無機繊維、LDS添加剤等をV型ブレンダー等の混合手段を用いて混合し、一括ブレンド品を調整した後、ベント付き押出機で溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。あるいは、二段階練込法として、予め、無機繊維以外の成分等を、十分混合後、ベント付き押出機で溶融混練りしてペレットを製造した後、そのペレットと無機繊維を混合後、ベント付き押出機で溶融混練りする方法が挙げられる。
更に、無機繊維以外の成分等を、V型ブレンダー等で十分混合したものを予め調整しておき、それをベント付き二軸押出機の第一シュートより供給し、無機繊維は押出機途中の第二シュートより供給して溶融混練、ペレット化する方法が挙げられる。
混練を促進するエレメントとしては、順送りニーディングディスクエレメント、直交ニーディングディスクエレメント、幅広ニーディングディスクエレメント、および順送りミキシングスクリューエレメント等が挙げられる。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀、パラジウムが混合されているものが好ましく、銅がより好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回線間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。かかる回路は携帯電子機器部品のアンテナとして好ましく用いられる。すなわち、本発明の樹脂成形品の好ましい実施形態の一例として、携帯電子機器部品の表面に設けられたメッキ層が、アンテナとしての性能を保有する樹脂成形品が挙げられる。
(ポリアミド(PAMP6)の合成)
アジピン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35Mpa)下でジアミンとアジピン酸(ローディア社製)とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を270℃まで上昇させた。滴下終了後、滴下終了後、0.06MPaまで減圧し10分間反応を続け分子量1,000以下の成分量を調整した。その後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミドを得た。以下、「PAMP6」という。
03T−296GH:ガラス繊維(日本電気硝子製)(モース硬度:6.5)
T1−5L:三菱マテリアル製、酸化アンチモンドープ酸化錫、SnO2:Sb2O5の重量比=95:5、LDS添加剤中のアンチモンの量は約3.76重量%である。
T1:三菱マテリアル製、酸化アンチモンドープ酸化錫、SnO2:Sb2O5の重量比=90:10、LDS添加剤中のアンチモンの量は約7.53重量%である。
T1−20L:三菱マテリアル製、酸化アンチモンドープ酸化錫、SnO2:Sb2O5の重量比=80:20、LDS添加剤中のアンチモンの量は約15.1重量%である。
Black 1G:CuCr2O4(Shephred color company製)
ライトアマイドWH255:共栄社化学製(アマイド)
405MP:三井化学製(ポリエチレンワックス)
Ca(OH)2
<タルク>
タルク:林化成製、ミクロンホワイト5000S
後述する表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、無機繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、無機繊維をサイドフィードして樹脂ペレットを作成した。押出機の温度設定は、280℃とした。
上記の製造方法で得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、ファナック社製射出成形機(100T)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度130℃の条件で、ISO引張り試験片(3mm厚、4mm厚)を射出成形した。
射出速度:ISO引張試験片中央部の断面積から樹脂流速を計算して300mm/sとなるように設定した。約95%充填時にVP切替となるように保圧に切り替えた。保圧はバリの出ない範囲で高めに500kgf/cm2を25秒とした。
ISO178に準拠して、上記ISO引張り試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で曲げ強度(単位:MPa)及び、曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
上述の方法で得られたISO引張試験片(3mm厚)を用い、ISO179に準拠し、23℃の条件で、ノッチ付きシャルピー衝撃強度及びノッチなしシャルピー衝撃強度を測定した。結果を下記表に示す。
金型として100×100mmで厚みの2mmのキャビティに、一辺100mmが0.8mm厚みのファンゲートから樹脂を充填して成形を行った。ゲート部分をカットし、プレート試験片を得た。
上記で得られたプレート試験片の10×10mmの範囲に、Trumpf製、VMc1のレーザー照射装置(波長1064nmのYAGレーザー最大出力15W)を用い、出力80%、周波数10kHz、速度1m/sにて照射した。その後のメッキ工程は無電解のEnthone社製、ENPLATE LDS CU 400 PCの48℃のメッキ槽にて実施した。メッキ性能は20分間にメッキされた銅の厚みを目視にて判断した。
以下の通り評価した。結果を下記表に示す。
◎:非常に良好な外観(銅の色も濃くメッキが厚く乗っている様子が確認された)
○:良好な外観
△:メッキは乗っているが若干薄い様子(実用レベル)
×:全くメッキが乗らない様子
実施例1において、コンパウンド時に、6重量部のZnS(L*値:90%、モース硬度:3)を添加し、他は同様に行った。この結果、実施例1と同レベルの曲げ強度、曲げ弾性率およびシャルピー衝撃強度、Plating外観を維持しつつ、白色に着色されたペレットを形成できた。
Claims (14)
- 熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機繊維10〜150重量部およびレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30重量部を含み、
前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少なく、かつ、pH6以下の酸性物質であり、
前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であり、
さらに、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも1種を、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の0.01〜3重量%の割合で含む、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。 - 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤中、アンチモンの割合が3.5重量%以上である、請求項1に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤中、錫の割合が60重量%以上である、請求項1または2に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 無機繊維がガラス繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含み、かつ、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の配合量が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜15重量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
- 携帯電子機器部品である、請求項8に記載の樹脂成形品。
- さらに、表面にメッキ層を有する、請求項8または9に記載の樹脂成形品。
- 前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、請求項10に記載の樹脂成形品。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
- 前記メッキが銅メッキである、請求項12に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
- 請求項12または13に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
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