JP5947577B2 - 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物(以下、単に、「熱可塑性樹脂組成物」ということがある)に関する。さらに、該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品および、該樹脂成形品の表面に、メッキ層を形成したメッキ層付樹脂成形品の製造方法に関する。
近年、スマートフォンを含む携帯電話の開発に伴い、携帯電話の内部にアンテナを製造する方法が種々検討されている。特に、携帯電話に3次元設計ができるアンテナを製造する方法が求められている。このような3次元アンテナを形成する技術の1つとして、レーザーダイレクトストラクチャリング(以下、「LDS」ということがある)技術が注目されている。LDS技術は、例えば、LDS添加剤を含む樹脂成形品の表面にレーザーを照射し、レーザーを照射した部分のみを活性化させ、該活性化させた部分に金属を適用することによってメッキ層を形成する技術である。この技術の特徴は、接着剤などを使わずに、樹脂基材表面に直接にアンテナ等の金属構造体を製造できる点にある。かかるLDS技術は、例えば、特許文献1〜3等に開示されている。
特表2000−503817号公報 特表2004−534408号公報 国際公開WO2009/141800号パンフレット
ここで、本発明者が検討したところ、無機繊維を配合した熱可塑性樹脂にLDS添加剤を配合する場合、メッキは適切に形成されるものの、LDS添加剤の種類によっては、無機繊維が本来達成する機械的強度が達成されないことが分かった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、無機繊維とLDS添加剤を配合した熱可塑性樹脂組成物であって、適切にメッキが形成でき、かつ、機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、LDS添加剤として、アンチモンと錫を含むLDS添加剤であって、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないLDS添加剤を用いることにより、機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出した。すなわち、無機繊維を含まない処方では、LDS添加剤の種類によって、機械的強度が変化することは見られなかったが、無機繊維を含む処方では、LDS添加剤の種類によって、機械的強度が大きく変化することを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、以下の手段により、上記課題は解決された。
<1>熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機繊維10〜150重量部およびレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30重量部を含み、前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことを特徴とする、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<2>前記LDS添加剤中、アンチモンの割合が3.5重量%以上である、<1>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<3>前記LDS添加剤中、錫の割合が60重量%以上である、<1>または<2>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<4>無機繊維がガラス繊維である、<1>〜<3>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<5>熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、<1>〜<4>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<6>前記LDS添加剤は、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<7>前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含む、<1>〜<6>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<8>前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含み、かつ、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の配合量が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜15重量部である、<1>〜<6>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<9><1>〜<8>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
<10>さらに、表面にメッキ層を有する、<9>に記載の樹脂成形品。
<11>携帯電子機器部品である、<9>または<10>に記載の樹脂成形品。
<12>前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、<9>または<10>に記載の樹脂成形品。
<13><1>〜<8>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<14>前記メッキが銅メッキである、<13>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<15><13>または<14>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
本発明により、曲げ強度、曲げ弾性率およびシャルピー衝撃強度に優れ、かつ、表面にメッキを適切に形成できる熱可塑性樹脂成形品を提供可能になった。
樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を示す概略図である。図1中、1は樹脂成形品を、2はレーザーを、3はレーザーが照射された部分を、4はメッキ液を、5はメッキ層をそれぞれ示している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明におけるモース硬度は、一般的に鉱物の硬さの指標として用いられる10段階モース硬度を用いる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機繊維10〜150重量部およびレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30重量部を含み、前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂の種類は特に定めるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂のアロイ、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂のアロイ、熱可塑性ポリエステル樹脂、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、メチルメタアクリレート/スチレン共重合樹脂、メチルメタアクリレート樹脂、ゴム強化メチルメタアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。本発明では、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂が好ましく用いられ、ポリアミド樹脂がさらに好ましい。熱可塑性樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂としては、特開2008−120866号公報の段落番号0008〜0013の記載を参酌することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、特開2010−174223号公報の段落番号0013〜0016の記載を参酌することができる。
ポリアセタール樹脂としては、特開2003−003041号公報の段落番号0011、特開2003−220667号公報の段落番号0018〜0020の記載を参酌することができる。
ポリフェニレンサルファイド樹脂としては、特開平10−292114号公報の段落番号0014〜0016の記載、特開平10−279800号公報の段落番号0011〜0013の記載、特開2009−30030号公報の段落番号0011〜0015の記載を参酌できる。
ポリアミド樹脂としては、特開2011−132550号公報の段落番号0011〜0013の記載を参酌することができる。好ましくは、ジアミン構成単位(ジアミンに由来する構成単位)の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂である。ジアミンの50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸と重縮合されたキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。
好ましくは、ジアミン構成単位の70モル%以上、より好ましくは80モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特には80モル%以上が、炭素原子数が好ましくは4〜20の、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。4〜20のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸は、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸などが好適に使用できる。
<無機繊維>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機繊維を含む。無機繊維は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、ミルドファイバー、アルミナ繊維、チタン酸カリウムウィスカー等、金属繊維として、スチール繊維、ステンレス繊維等が挙げられるが、特に、ガラス繊維が好ましい。一般的に熱可塑性樹脂に使用されるガラス繊維はEガラスであり、そのガラス繊維のモース硬度は通常6.5である。
本発明で好ましく使用されるガラス繊維は、平均直径が20μm以下のものが好ましく、さらに1〜15μmのものが、物性バランス(強度、剛性、耐熱剛性、衝撃強度)をより一層高める点、並びに成形反りをより一層低減させる点で好ましい。また、通常断面形状が円形のガラス繊維が一般的に用いられることが多いが、本発明では、特に限定はなく、例えば断面形状がまゆ形、楕円形、矩形の形状においても同様に使用できる。
ガラス繊維の長さは特定されるものでなく、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)等から選択して用いることができる。この場合の集束本数は、100〜5000本程度であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物混練後の熱可塑性樹脂組成物中のガラス繊維の長さが平均0.1mm以上で得られるならば、いわゆるミルドファイバー、ガラスパウダーと称せられるストランドの粉砕品でもよく、また、連続単繊維系のスライバーのものでもよい。原料ガラスの組成は、無アルカリのものも好ましく、例えば、Eガラス、Cガラス、Sガラス等が挙げられるが、本発明では、Eガラスが好ましく用いられる。
ガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等で表面処理されていることが好ましく、その付着量は、通常、ガラス繊維重量の0.01〜1重量%である。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウンム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
本発明では、無機繊維のモース硬度が、LDS添加剤のモース硬度より1.5以上大きい実施形態が例示される。この実施形態では、無機繊維とLDS添加剤のモース硬度の差は、1.5〜6.5であることが好ましく、1.5〜5.5であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、無機繊維の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、10〜150重量部であり、好ましくは10〜130重量部であり、より好ましくは20重量部以上100重量部未満である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物では、通常、熱可塑性樹脂と無機繊維で、全成分の60重量%以上を占める。
<レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるLDS添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことを特徴とする。本発明で用いるLDS添加剤は、アンチモンと錫を含み、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含み、かつ、アンチモンの方が錫よりも含有量が少ないことが好ましい。
本発明で用いられるLDS添加剤として、アンチモンがドープされた錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化アンチモンがドープされた酸化錫が例示できる。
本発明におけるLDS添加剤中、アンチモンの割合は3.5重量%以上であることが好ましく、3.5〜25重量%がより好ましく、5〜20重量%がさらに好ましく、7〜18重量%が特に好ましく、8〜18重量%が最も好ましい。
本発明におけるLDS添加剤中、錫の割合は、60〜96.5重量%が好ましく、60〜80重量%がさらに好ましく、60〜73重量%がさらに好ましく、60〜67重量%が特に好ましい。このような範囲とすることにより、機械的強度がより向上する傾向にある。
本発明で用いるLDS添加剤に含まれる金属成分のうち、アンチモンと錫の合計で、63.5重量%以上を占めることが好ましく、75重量%以上であることが好ましい。
LDS添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明におけるLDS添加剤は、三菱ガス化学社製PA−MP6(後述する実施例で合成しているMAMP6)樹脂100重量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を4重量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sにて照射し、その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製M−Copper85のメッキ槽にて実施し、該レーザー照射面に金属を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品はLDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。公知のLDS添加剤は、黒色のものが多かったが、本発明では、黒色でないLDS添加剤も広く採用できるので、樹脂成形品に色をつけることが可能になる。
本発明では、モース硬度が1.0〜5.0(好ましくは2.0〜5.0)であるLDS添加剤を用いる実施形態が挙げられる。また、LDS添加剤の平均粒子径は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましい。このような構成とすることにより、メッキを適応した際のメッキ表面状態の均一性が良好になる傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、LDS添加剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜30重量部であり、好ましくは2〜25重量部であり、より好ましくは3〜18重量部である。また、後述するとおり、タルクと組み合わせることにより、少ない添加量でメッキ形成が可能になる。
<アルカリ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物はアルカリを含んでいてもよい。本発明で用いるLDS添加剤が酸性物質(例えば、pH6以下)の場合に、組み合わせによって自身が還元することで色目がまだら模様となるケースがあるが、アルカリを添加することにより、得られる樹脂成形品の色あいをより均一にすることができる。アルカリの種類は特に定めるものではなく、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。アルカリは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、アルカリの配合量は、LDS添加剤の種類及びアルカリの種類にもよるが、LDS添加剤の配合量の、好ましくは0.01〜3重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。
<無機顔料>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は無機顔料を含んでいてもよい。本発明では、無機顔料を添加することにより、樹脂成形品を着色することが可能になる。無機顔料は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。無機顔料としては、CIELabにおけるL*値が80以上、かつ、モース硬度が5.0以下の無機顔料が好ましい。L*値は、50〜100がより好ましい。
本発明では、無機顔料のモース硬度が2〜5(好ましくは2.5〜4.5)である実施形態が挙げられる。このような無機顔料としては、ZnS(L*値:(87〜95)、モース硬度:3〜3.5)、ZnO(L*値:(88〜96)、モース硬度:4〜5)が例示され、ZnSがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における無機顔料の配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、0.5〜12重量部であることがさらに好ましい。
<タルク>
本発明の熱可塑性樹脂組成物はタルクを含んでいてもよい。本発明では、タルクを配合することにより、LSD添加剤の添加量を減らしても適切なメッキの形成が可能になる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、タルクの配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、1〜20重量部であることが好ましく、2〜15重量部であることがより好ましく、2〜10重量部であることがさらに好ましい。タルクを配合することにより、LDS添加剤の配合量を、熱可塑性樹脂100重量部に対し、例えば、1〜15重量部とすることができ、さらには、1〜10重量部とすることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、離型剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。
また、これらの成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機繊維以外の成分99重量%以上が無機繊維成分よりもモース硬度が低いことが好ましく、無機繊維以外の成分のすべてが、無機繊維成分よりもモース硬度が低いことがより好ましい。
<離型剤>
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族又は脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、脂肪族炭化水素の数平均分子量は好ましくは5,000以下である。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
離型剤の含有量は、熱可塑性樹脂と無機繊維の合計100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上であり、また、通常2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
<光安定剤>
光安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びシアノアクリレート系化合物などの紫外線吸収効果のある化合物、並びにヒンダードアミン系化合物及びヒンダードフェノール系化合物などのラジカル捕捉能力のある化合物などが挙げられる。
光安定剤としては、紫外線吸収効果のある化合物とラジカル捕捉能力のある化合物を併用することにより、より高い安定化効果を発揮させることができる。
光安定剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ベンゾフェノン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、及び2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
サリシレート系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、及びp−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2'−ヒドロキシ−3'−(3'',4'',5'',6''−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5'−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}、及び6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6'−t−ブチル−4'−メチル−2,2'−メチレンビスフェノールなどが挙げられる。
シアノアクリレート系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、及びエチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N'−ビス−ホルミル−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンドゥバー(Sanduvor)(クラリアント(Clariant);CAS登録番号[106917−31−1])、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、N,N',N",N'''−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10ジアミン、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などが挙げられ、中でもビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、N,N',N",N'''−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10ジアミンなどが挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3ハイドロキシ−2,6−ジメチルベンジ)イソシアネートなどが挙げられる。
光安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂と無機繊維の合計100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.03重量部以上であり、また、通常3重量部以下、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
<熱安定剤>
本実施の形態の樹脂組成物は、熱安定剤をさらに含有していてもよい。熱安定剤としては、フェノール系化合物、ホスファイト系化合物、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物、及びイオウ系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
熱安定剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒンダートフェノール系化合物を挙げることができる。ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、N,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及び1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などが挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−テトラ−トリデシル)ジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、テトラ(C1〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェニルポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル))・1,6−ヘキサノールジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、トリス(4、4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル))ホスファイト、トリス(1,3−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2、2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイト、及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を挙げることもできる。ペンタエリストール型ホスファイト化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
ペンタエリストール型ホスファイト化合物としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びビス(2、6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが好ましく、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトがより好ましい。
ヒンダードアミン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物などが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン類が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン類としては、例えば、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−ヘキシルオキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2'−ヒドロキシ−4'−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4'−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2',4'−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−イソプロピルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−n−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び2,4,6−トリス(2'−ヒドロキシ−4'−エトキシカルボニルメトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
イオウ系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオネート、及びジステアリル3,3'−チオジプロピオネートなどを挙げることができる。
熱安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂と無機繊維の合計100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.03重量部以上であり、また、通常3重量部以下、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。熱安定剤が少なすぎると熱安定効果が不十分となる可能性があり、熱安定剤が多すぎると効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、任意の方法が採用される。
例えば、熱可塑性樹脂、無機繊維、LDS添加剤等をV型ブレンダー等の混合手段を用いて混合し、一括ブレンド品を調整した後、ベント付き押出機で溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。あるいは、二段階練込法として、予め、無機繊維以外の成分等を、十分混合後、ベント付き押出機で溶融混練りしてペレットを製造した後、そのペレットと無機繊維を混合後、ベント付き押出機で溶融混練りする方法が挙げられる。
更に、無機繊維以外の成分等を、V型ブレンダー等で十分混合したものを予め調整しておき、それをベント付き二軸押出機の第一シュートより供給し、無機繊維は押出機途中の第二シュートより供給して溶融混練、ペレット化する方法が挙げられる。
押出機の混練ゾーンのスクリュー構成は、混練を促進するエレメントを上流側に、昇圧能力のあるエレメントを下流側に配置されることが好ましい。
混練を促進するエレメントとしては、順送りニーディングディスクエレメント、直交ニーディングディスクエレメント、幅広ニーディングディスクエレメント、および順送りミキシングスクリューエレメント等が挙げられる。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常180〜360℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュウー構成の選定が望ましい。混練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
樹脂成形品の製造方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形した樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を図1に従って説明する。図1は、レーザーダイレクトストラクチャリング技術によって、樹脂成形品1の表面にメッキを形成する工程を示す概略図である。図1では、樹脂成形品1は、平坦な基板となっているが、必ずしも平坦な基板である必要はなく、一部または全部が曲面している樹脂成形品であってもよい。また、樹脂成形品は、最終製品に限らず、各種部品も含む趣旨である。本発明における樹脂成形品としては、携帯電子機器部品が好ましい。携帯電子機器部品は、高い耐衝撃特性と剛性、優れた耐熱性を併せ持つうえ、異方性が小さく、反りが小さいという特徴を有し、電子手帳、携帯用コンピューター等のPDA、ポケットベル、携帯電話、PHSなどの内部構造物及び筐体として極めて有効であり、特に成形品がリブを除く平均肉厚が1.2mm以下(下限値は特に定めるものではないが、例えば、0.4mm以上)である平板形状の携帯電子機器用部品に適しており、中でも筐体として特に適している。
再び図1に戻り、樹脂成形品1にレーザー2を照射する。ここでのレーザーとは、特に定めるものではなく、YAGレーザー、エキシマレーザー、電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YGAレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではない。好ましい波長範囲は、200nm〜1200nmである。特に好ましくは800〜1200nmである。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀、パラジウムが混合されているものが好ましく、銅がより好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回線間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。かかる回路は携帯電子機器部品のアンテナとして好ましく用いられる。すなわち、本発明の樹脂成形品の好ましい実施形態の一例として、携帯電子機器部品の表面に設けられたメッキ層が、アンテナとしての性能を保有する樹脂成形品が挙げられる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2011−219620号公報、特開2011−195820号公報、特開2011−178873号公報、特開2011−168705号公報、特開2011−148267号公報の記載を参酌することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<製造例1>
(ポリアミド(PAMP6)の合成)
アジピン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35Mpa)下でジアミンとアジピン酸(ローディア社製)とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を270℃まで上昇させた。滴下終了後、滴下終了後、0.06MPaまで減圧し10分間反応を続け分子量1,000以下の成分量を調整した。その後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミドを得た。以下、「PAMP6」という。
<無機繊維>
03T−296GH:ガラス繊維(日本電気硝子製)(モース硬度:6.5)
<LSD添加剤>
T1−5L:三菱マテリアル製、酸化アンチモンドープ酸化錫、SnO2:Sb25の重量比=95:5、LDS添加剤中のアンチモンの量は約3.76重量%である。
T1:三菱マテリアル製、酸化アンチモンドープ酸化錫、SnO2:Sb25の重量比=90:10、LDS添加剤中のアンチモンの量は約7.53重量%である。
T1−20L:三菱マテリアル製、酸化アンチモンドープ酸化錫、SnO2:Sb25の重量比=80:20、LDS添加剤中のアンチモンの量は約15.1重量%である。
Black 1G:CuCr24(Shephred color company製)
<離型剤>
ライトアマイドWH255:共栄社化学製(アマイド)
405MP:三井化学製(ポリエチレンワックス)
<アルカリ>
Ca(OH)2
<タルク>
タルク:林化成製、ミクロンホワイト5000S
<コンパウンド>
後述する表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、無機繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、無機繊維をサイドフィードして樹脂ペレットを作成した。押出機の温度設定は、280℃とした。
<ISO引張り試験片の作成>
上記の製造方法で得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、ファナック社製射出成形機(100T)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度130℃の条件で、ISO引張り試験片(3mm厚、4mm厚)を射出成形した。
射出速度:ISO引張試験片中央部の断面積から樹脂流速を計算して300mm/sとなるように設定した。約95%充填時にVP切替となるように保圧に切り替えた。保圧はバリの出ない範囲で高めに500kgf/cm2を25秒とした。
<曲げ強度および曲げ弾性率>
ISO178に準拠して、上記ISO引張り試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で曲げ強度(単位:MPa)及び、曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
<シャルピー衝撃強度>
上述の方法で得られたISO引張試験片(3mm厚)を用い、ISO179に準拠し、23℃の条件で、ノッチ付きシャルピー衝撃強度及びノッチなしシャルピー衝撃強度を測定した。結果を下記表に示す。
<プレート試験>
金型として100×100mmで厚みの2mmのキャビティに、一辺100mmが0.8mm厚みのファンゲートから樹脂を充填して成形を行った。ゲート部分をカットし、プレート試験片を得た。
<Plating外観>
上記で得られたプレート試験片の10×10mmの範囲に、Trumpf製、VMc1のレーザー照射装置(波長1064nmのYAGレーザー最大出力15W)を用い、出力80%、周波数10kHz、速度1m/sにて照射した。その後のメッキ工程は無電解のEnthone社製、ENPLATE LDS CU 400 PCの48℃のメッキ槽にて実施した。メッキ性能は20分間にメッキされた銅の厚みを目視にて判断した。
以下の通り評価した。結果を下記表に示す。
◎:非常に良好な外観(銅の色も濃くメッキが厚く乗っている様子が確認された)
○:良好な外観
△:メッキは乗っているが若干薄い様子(実用レベル)
×:全くメッキが乗らない様子
Figure 0005947577
上記表から明らかな通り、本発明で規定するLDS添加剤を用いた場合、曲げ強度、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度およびPlating外観のいずれにも優れた熱可塑性樹脂組成物が得られた(実施例1〜3)。また、錫およびアンチモンを含まないLDS添加剤を用いた場合(比較例1)、Plating外観は優れていたが、曲げ強度、曲げ弾性率およびシャルピー衝撃強度が劣る結果となった。
<着色ペレットの作成>
実施例1において、コンパウンド時に、6重量部のZnS(L*値:90%、モース硬度:3)を添加し、他は同様に行った。この結果、実施例1と同レベルの曲げ強度、曲げ弾性率およびシャルピー衝撃強度、Plating外観を維持しつつ、白色に着色されたペレットを形成できた。

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機繊維10〜150重量部およびレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30重量部を含み、
    前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、錫とアンチモンを含み、アンチモンの方が錫よりも含有量が少なく、かつ、pH6以下の酸性物質であり、
    前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であり、
    さらに、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも1種を、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の0.01〜3重量%の割合で含む、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤中、アンチモンの割合が3.5重量%以上である、請求項1に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤中、錫の割合が60重量%以上である、請求項1または2に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  4. 無機繊維がガラス繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤は、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、タルクを1〜20重量部含み、かつ、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の配合量が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜15重量部である、請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
  9. 携帯電子機器部品である、請求項8に記載の樹脂成形品。
  10. さらに、表面にメッキ層を有する、請求項8または9に記載の樹脂成形品。
  11. 前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、請求項10に記載の樹脂成形品。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  13. 前記メッキが銅メッキである、請求項12に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。

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