JP5706033B1 - 樹脂組成物、樹脂成形品、および樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂成形品、および樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メッキ性を維持しつつ、曲げ弾性率、曲げ強度、シャルピー衝撃強度や荷重たわみ温度などの各種機械的特性および難燃性に優れた樹脂組成物の提供。【解決手段】樹脂成分40〜95質量%およびガラス繊維5〜60質量%を含む成分100質量部に対し、エラストマー0.5〜10質量部、銅およびクロムを含むレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤5〜20質量部、ホスファゼン化合物5〜30質量部およびポリテトラフルオロエチレン0.1〜1質量部を含み、前記樹脂成分が、ポリカーボネート樹脂65〜90重量%とスチレン系樹脂35〜10重量%を含むレーザーダイレクトストラクチャリング用樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、レーザーダイレクトストラクチャリング用樹脂組成物に関する。さらに、前記樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品および、前記樹脂成形品の表面に、メッキ層を形成したメッキ層付樹脂成形品の製造方法に関する。
近年、スマートフォンを含む携帯電話の開発に伴い、携帯電話の内部にアンテナを製造する方法が種々検討されている。特に、携帯電話に3次元設計ができるアンテナを製造する方法が求められている。このような3次元アンテナを形成する技術の1つとして、レーザーダイレクトストラクチャリング(以下、「LDS」ということがある)技術が注目されている。LDS技術は、例えば、LDS添加剤を含む樹脂成形品の表面にレーザーを照射し、レーザーを照射した部分のみを活性化させ、前記活性化させた部分に金属を適用することによってメッキ層を形成する技術である。この技術の特徴は、接着剤などを使わずに、樹脂基材表面に直接にアンテナ等の金属構造体を製造できる点にある。かかるLDS技術は、例えば、特許文献1〜4等に開示されている。
国際公開WO2011/095632号パンフレット 国際公開WO2011/076729号パンフレット 国際公開WO2011/076730号パンフレット 国際公開WO2012/128219号パンフレット
ここで、機械的特性を向上させるためにガラス繊維を配合しようとすると、難燃性が劣る傾向にある。また、本発明者が検討したところ、LDS添加剤の種類によっても、難燃性に影響が出ることが分かった。特に、LDS添加剤は、メッキの形成には必要であるが、樹脂成形品中の異物となりえる。本発明はかかる従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、メッキ性を維持しつつ、曲げ弾性率、曲げ強度、シャルピー衝撃強度や荷重たわみ温度などの各種機械的特性および難燃性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、下記の手段<1>により、好ましくは<2>〜<13>により、上記課題は解決された。
<1>樹脂成分40〜95質量%およびガラス繊維5〜60質量%を含む成分100質量部に対し、
エラストマー0.5〜10質量部、銅およびクロムを含むレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤5〜20質量部、ホスファゼン化合物5〜30質量部およびポリテトラフルオロエチレン0.1〜1質量部を含み、
前記樹脂成分が、ポリカーボネート樹脂65〜90重量%とスチレン系樹脂35〜10重量%を含むレーザーダイレクトストラクチャリング用樹脂組成物。
<2>前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、スピネル構造体である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記エラストマーが、シロキサン共重合エラストマーである、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記ガラス繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率が1.5以下である、<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<5>前記ガラス繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率が1.5を超え8.0以下である、<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
<7>厚さ1.6mmにおける樹脂成形品のUL−94試験の評価がV−0である、<6>に記載の樹脂成形品。
<8>前記樹脂成形品の表面にメッキ層を有する、<6>または<7>に記載の樹脂成形品。
<9>前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、<8>に記載の樹脂成形品。
<10>携帯電子機器部品である、<6>〜<9>のいずれかに記載の樹脂成形品。
<11><1>〜<5>のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<12>前記メッキ層が銅メッキ層である、<11>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<13><11>または<12>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
本発明により、メッキ性を維持しつつ、曲げ弾性率、曲げ強度、シャルピー衝撃強度や荷重たわみ温度などの各種機械的特性および難燃性に優れた樹脂組成物を提供することが可能になった。
樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を示す概略図である。図1中、1は樹脂成形品を、2はレーザーを、3はレーザーが照射された部分を、4はメッキ液を、5はメッキ層をそれぞれ示している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルを表す。
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分40〜95質量%およびガラス繊維5〜60質量%を含む成分100質量部に対し、エラストマー0.5〜10質量部、銅およびクロムを含むレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤5〜20質量部、ホスファゼン化合物5〜30質量部およびポリテトラフルオロエチレン0.1〜1質量部を含み、前記樹脂成分が、ポリカーボネート樹脂65〜90重量%とスチレン系樹脂35〜10重量%を含むことを特徴とする。このようなLDS用樹脂組成物を用いることにより、より高いメッキ性が達成できる。
以下、本発明の樹脂組成物の詳細について説明する。
<樹脂成分>
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分を含む。
本発明の樹脂組成物において、樹脂成分は、ポリカーボネート樹脂65〜90重量%とスチレン系樹脂35〜10重量%を含み、ポリカーボネート樹脂65〜85重量%とスチレン系樹脂35〜15重量%を含むことがより好ましい。樹脂成分は、他の樹脂成分を含んでいてもよい。しかしながら、前記他の樹脂は全樹脂成分の5重量%以下であることが好ましい。樹脂成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
<<ポリカーボネート樹脂>>
本発明で用いるポリカーボネート樹脂としては特に制限されず、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートのいずれも用いることができる。中でも芳香族ポリカーボネートが好ましく、さらに、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体がより好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−P−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。さらに、難燃性が高い組成物を調製する目的で、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物、またはシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーもしくはオリゴマー等を、使用することができる。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂の好ましい例には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体;が含まれる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、14,000〜30,000であるのが好ましく、15,000〜28,000であるのがより好ましく、16,000〜26,000であるのがさらに好ましい。粘度平均分子量が前記範囲であると、機械的強度がより良好となり、且つ成形性もより良好となるので好ましい。
ポリカーボネート樹脂の製造方法については、特に限定されるものではなく、本発明には、ホスゲン法(界面重合法)、および溶融法(エステル交換法)等の、いずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、本発明では、一般的な溶融法の製造工程を経た後に、末端基のOH基量を調整する工程を経て製造されたポリカーボネート樹脂を使用してもよい。
さらに、本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、バージン原料としてのポリカーボネート樹脂のみならず、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂であってもよい。
その他、本発明で用いるポリカーボネート樹脂については、例えば、特開2012−072338号公報の段落番号0018〜0066の記載を参酌でき、その内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
<<スチレン系樹脂>>
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分として、ポリカーボネート樹脂の他にスチレン系樹脂を含む。
スチレン系樹脂とは、スチレン系単量体からなるスチレン系重合体、スチレン系単量体と他の共重合可能なビニル系単量体との共重合体、ゴム質重合体の存在下でスチレン系単量体又はスチレン系単量体と他の共重合可能なビニル系単量体とを重合させた共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を言う。これらの中でも、ゴム質重合体の存在下にスチレン系単量体を又はスチレン系単量体と他の共重合可能なビニル系単量体との共重合体を用いることが好ましい。
スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等のスチレン誘導体が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。尚、これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することもできる。
上記のスチレン系単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、へキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、へキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、マレイミド、N,N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
さらにスチレン系単量体と共重合可能なゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンランダム共重合体及びブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとブタジエンとの共重合体、ポリブタジエン−ポリイソプレンジエン系共重合体、エチレン−イソプレンランダム共重合体及びブロック共重合体、エチレン−ブテンランダム共重合体及びブロック共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体等のエチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体等のエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマー、アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレート又はメタクリレートゴムとからなる複合ゴム等が挙げられる。
この様なスチレン系樹脂は、例えば、スチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)が好ましく、より好ましくはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)であり、特に好ましいのはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)である。
上記のスチレン系樹脂は、乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合あるいは塊状・懸濁重合等の方法により製造されるが、本発明においては、スチレン系重合体、又はスチレン系ランダム共重合体あるいはブロック共重合体の場合は、塊状重合、懸濁重合又は塊状・懸濁重合により製造されたものが好適であり、スチレン系グラフト共重合体の場合は塊状重合、塊状・懸濁重合あるいは乳化重合によって製造されたものが好適である。
本発明において、特に好適に用いられるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)とは、ブタジエンゴム成分にアクリロニトリルとスチレンをグラフト共重合した熱可塑性グラフト共重合体とアクリロニトリルとスチレンの共重合体の混合物である。ブタジエンゴム成分は、ABS樹脂成分100重量%中、5〜40重量%であることが好ましく、中でも10〜35重量%、特に13〜25重量%であることが好ましい。またゴム粒子径は0.1〜5μmであることが好ましく、中でも0.2〜3μm、さらに0.3〜1.5μm、特に0.4〜0.9μmであることが好ましい。ゴム粒子径の分布は、単一分布でも二山以上の複数の分布を有するもののいずれであってもよい。
本発明の樹脂組成物は、スチレン系樹脂を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、組成物の合計の40重量%以上が樹脂成分であることが好ましく、50重量%以上が樹脂成分であることがより好ましく、60重量%以上が樹脂成分であることがさらに好ましい。
<ガラス繊維>
本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維を含む。
ガラス繊維は、Aガラス、Cガラス、Eガラスなどのガラス組成からなり、特に、Eガラス(無アルカリガラス)が好ましい。
ガラス繊維とは、長さ方向に直角に切断した断面形状が真円状、多角形状で繊維状外嵌を呈するものをいう。
ガラス繊維の形態は、単繊維や複数本撚り合わせたものを連続的に巻き取った「ガラスロービング」、長さ1〜10mmに切りそろえた「チョップドストランド」、長さ10〜500μm程度に粉砕した「ミルドファイバー」などのいずれであってもよい。かかるガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」や「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。ガラス繊維は、形態が異なるものを併用することもできる。
また、本発明ではガラス繊維として、円形断面形状のものおよび異形断面形状のもののいずれも好ましい。ここで、断面形状は、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率で区別される。本発明における扁平率は、平均扁平率とする。
本発明では、低そり性の観点から、扁平率1.5を超え8.0以下のガラス繊維が好ましく、扁平率2.0〜6.0のガラス繊維がより好ましく、扁平率2.0〜4.0のガラス繊維がさらに好ましい。かかる扁平ガラスについては、特開2011−195820号公報の段落番号0065〜0072の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明では、長径D2は、18〜30μmが好ましく、短径D1は、5〜12μmが好ましい。
一方、ウェルド強度の向上という観点から、扁平率1.5以下のガラス繊維が好ましく、扁平率1.3以下のガラス繊維がより好ましく、扁平率1.1以下のガラス繊維がさらに好ましく、扁平率1のガラス繊維が特に好ましい。
ガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、その付着量は、通常、ガラス繊維の重量の0.01〜1質量%である。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
本発明の樹脂組成物におけるガラス繊維の配合量は、樹脂成分とガラス繊維の合計量を100質量%としたとき、5〜60質量%であり、15〜60質量%が好ましく、15〜55質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。このような範囲とすることにより、より高いメッキ性を達成可能となる。
本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
本発明の樹脂組成物では、通常、樹脂成分とガラス繊維で、全成分の70質量%以上を占めることが好ましい。
<エラストマー>
本発明の樹脂組成物は、エラストマーを含む。エラストマーを含有することで、樹脂組成物の耐衝撃性を改良することができる。本発明に用いるエラストマーとしては、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム共重合体(MB樹脂)、SBS、SEBSと呼ばれているスチレン−ブタジエン系トリブロック共重合体とその水添物、SPS、SEPSと呼ばれているスチレン−イソプレン系トリブロック共重合体とその水添物、TPOと呼ばれているオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系エラストマー、シロキサン系ゴム、アクリレート系ゴム、シロキサン共重合エラストマー等が挙げられる。エラストマーとしては、特開2012−251061号公報の段落番号0075〜0088に記載のエラストマー、特開2012−177047号公報の段落番号0101〜0107に記載のエラストマー等を用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。本発明で特に好ましくは、MBS樹脂、MB樹脂またはシロキサン共重合エラストマーが用いられ、シロキサン共重合エラストマーがより好ましい。
本発明に用いるエラストマーは、ゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体が好ましい。グラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれの製造方法であってもよく、共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。
ゴム成分は、ガラス転移温度が通常0℃以下、中でも−20℃以下が好ましく、更には−30℃以下が好ましい。ゴム成分の具体例としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブチルアクリレートやポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体などのポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムなどのシリコーン系ゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN(Interpenetrating Polymer Network)型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴムやエチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴムなどのエチレン−α−オレフィン系ゴム、エチレン−アクリルゴム、フッ素ゴムなど挙げることができる。これらは、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、ポリブタジエンゴム、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
ゴム成分とグラフト共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)などが挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。
ゴム成分を共重合したグラフト共重合体は、耐衝撃性や表面外観の点からコア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましい。なかでもポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分をコア層とし、その周囲に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層からなる、コア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。上記コア/シェル型グラフト共重合体において、ゴム成分を40質量%以上含有するものが好ましく、60質量%以上含有するものがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸は、10質量%以上含有するものが好ましい。尚、本発明におけるコア/シェル型とは必ずしもコア層とシェル層が明確に区別できるものでは無なくてもよく、コアとなる部分の周囲にゴム成分をグラフト重合して得られる化合物を広く含む趣旨である。
これらコア/シェル型グラフト共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB)、メチルメタクリレート−アクリルゴム共重合体(MA)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン共重合体(MAS)、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体、ポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとを含むシリコーン−アクリル複合ゴム等が挙げられ、ポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとを含むシリコーン−アクリル複合ゴムおよびメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB)が特に好ましい。このようなゴム性重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このようなエラストマーとしては、例えば、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製の「パラロイド(登録商標、以下同じ)EXL2602」、「パラロイドEXL2603」、「パラロイドEXL2655」、「パラロイドEXL2311」、「パラロイドEXL2313」、「パラロイドEXL2315」、「パラロイドKM330」、「パラロイドKM336P」、「パラロイドKCZ201」、三菱レイヨン社製の「メタブレン(登録商標、以下同じ)C−223A」、「メタブレンE−901」、「メタブレンS−2001」、「メタブレンSRK−200」、「メタブレンS−2030」カネカ社製の「カネエース(登録商標、以下同じ)M−511」、「カネエースM−600」、「カネエースM−400」、「カネエースM−580」、「カネエースM−711」、「カネエースMR−01」、宇部興産製の「UBESTA XPA」等が挙げられる。
エラストマーの配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100重量部に対し、0.5〜10重量部であり、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜5重量部がさらに好ましい。本発明の樹脂組成物は、エラストマーを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(LDS添加剤)>
本発明の樹脂組成物は、銅およびクロムを含むLDS添加剤を含む。銅およびクロムを含むLDS添加剤を用いることで、難燃性およびメッキ性を向上させることができる。
本発明におけるLDS添加剤は、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロン(登録商標)、S−3000F)100質量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を4質量部添加し、1064nmのYAGレーザーを用い、出力2.6〜13Wの範囲のいずれか、速度1〜2m/sのいずれか、周波数10〜50μsの範囲のいずれかの条件でレーザー照射により印字し、続いて、試験片を硫酸にて脱脂後、キザイ社製THPアルカリアクチ及びTHPアルカリアクセで処理後、キザイ社製SELカッパ―にてメッキ処理を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品はLDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。
本発明におけるLDS添加剤は、銅およびクロムを含んでいれば特に限定されない。本発明におけるLDS添加剤としては、銅を10〜30質量%含むことが好ましい。また、クロムを15〜50質量%含むことが好ましい。
本発明におけるLDS添加剤は、銅およびクロムを含む酸化物であることが好ましい。
銅およびクロムの含有形態としては、スピネル構造体が好ましい。スピネル構造体とは、複酸化物でAB24型の化合物(AとBは金属元素)にみられる代表的結晶構造型の一つである。
LDS添加剤は、銅およびクロムの他に、他の金属を微量含んでいてもよい。他の金属としては、アンチモン、スズ、鉛、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、銀、ビスマス、ヒ素、マンガン、マグネシウム、カルシウムなどが例示される。これら金属は酸化物として存在していてもよい。これら金属の含有量は、それぞれ0.001質量%以下が好ましい。
LDS添加剤の粒子径は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましい。このような構成とすることにより、メッキを適応した際のメッキ表面状態の均一性が良好になる傾向にある。
LDS添加剤の配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100質量部に対し、5〜20質量部であり、6〜15質量部が好ましく、8〜13質量部がより好ましい。配合量が20質量部以上配合すると、衝撃性が低下したり、樹脂成分中のポリカーボネート樹脂が分解したり、難燃性が劣ってしまう。
本発明の樹脂組成物は、LDS添加剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<ホスファゼン化合物>
本発明の樹脂組成物は、ホスファゼン化合物を含む。ホスファゼン化合物を配合させることで、難燃性を向上させることができる。
ホスファゼン化合物は、分子中に−P=N−結合を有する有機化合物であり、好ましくは、下記一般式(1)で表される環状ホスファゼン化合物、下記一般式(2)で表される鎖状ホスファゼン化合物、ならびに、下記一般式(1)及び下記一般式(2)からなる群より選択される少なくとも一種のホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる架橋ホスファゼン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
Figure 0005706033
式(1)中、aは3〜25の整数であり、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリロキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アリール基又はアルキルアリール基を示す。
Figure 0005706033
式(2)中、bは3〜10000の整数であり、R3及びR4は、同一又は異なっていてもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリロキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アリール基又はアルキルアリール基を示す。
5は、−N=P(OR33基、−N=P(OR43基、−N=P(O)OR3基、−N=P(O)OR4基から選ばれる少なくとも1種を示し、R6は、−P(OR34基、−P(OR44基、−P(O)(OR32基、−P(O)(OR42基から選ばれる少なくとも1種を示す。
上記式(1)及び式(2)中、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられるが、通常メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜14のシクロアルキル基が挙げられるが、中でも炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜8のアルキニル基やエチニルベンゼン基等のアリール等も挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル(即ち、トリル)基、ジメチルフェニル(即ち、キシリル)基、トリメチルフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられるが、なかでも炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
アルキルアリール基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数6〜20のアラルキル基が挙げられるが、なかでも炭素数7〜10のアラルキル基が好ましく、ベンジル基が特に好ましい。
なかでも、上記一般式(1)におけるR1及びR2、上記一般式(2)におけるR3及びR4が、アリール基、アリールアルキル基であるものが好ましい。このような芳香族ホスファゼンを用いることで、樹脂組成物の熱安定性を効果的に高めることができる。このような観点より、上記R1、R2、R3及びR4は、アリール基であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
一般式(1)及び(2)で表される環状及び/又は鎖状ホスファゼン化合物としては、例えば、フェノキシホスファゼン、o−トリルオキシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p−トリルオキシホスファゼン等の(ポリ)トリルオキシホスファゼン、o,m−キシリルオキシホスファゼン、o,p−キシリルオキシホスファゼン、m,p−キシリルオキシホスファゼン等の(ポリ)キシリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリメチルフェニルオキシホスファゼン、フェノキシo−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン等の(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m−キシリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p−キシリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p−キシリルオキシホスファゼン等(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−トリメチルフェニルオキシホスファゼン等が例示でき、好ましくは環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン等である。
一般式(1)で表される環状ホスファゼン化合物としては、R1及びR2がフェニル基である環状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。このような環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状及び直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。また、環状フェノキシホスファゼン化合物は、一般式(1)中のaが3〜8の整数である化合物が好ましく、aの異なる化合物の混合物であってもよい。
上記aの平均は、3〜5であることが好ましく、3〜4であることがより好ましい。また、なかでも、a=3のものが50質量%以上、a=4のものが10〜40質量%、a=5以上のものが合わせて30質量%以下である化合物の混合物が好ましい。
一般式(2)で表される鎖状ホスファゼン化合物としては、R3及びR4がフェニル基である鎖状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。このような鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。直鎖状フェノキシホスファゼン化合物の、一般式(2)中のbは、好ましくは3〜1000、より好ましくは3〜100、さらに好ましくは3〜25である。
架橋ホスファゼン化合物としては、例えば、4,4'−スルホニルジフェニレン(すなわち、ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4'−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4'−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。
また、架橋ホスファゼン化合物としては、一般式(1)においてR1、R2がフェニル基である環状フェノキシホスファゼン化合物が上記架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物、又は、上記一般式(2)においてR3、R4がフェニル基である鎖状フェノキシホスファゼン化合物が上記架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物が難燃性の点から好ましく、環状フェノキシホスファゼン化合物が上記架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物がより好ましい。
また、架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、一般式(1)で表される環状ホスファゼン化合物及び/又は一般式(2)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基及びフェニレン基数を基準として、通常50〜99.9%、好ましくは70〜90%である。また、架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しない化合物であることが特に好ましい。
本発明においては、ホスファゼン化合物は、上記一般式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物、及び、上記一般式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物よる成る群から選択される少なくとも1種であることが、樹脂組成物の難燃性及び機械的特性の点から好ましい。
ホスファゼン化合物の配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100質量部に対し、5〜30質量部であり、6〜25質量部が好ましく、8〜18質量部が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ホスファゼン化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<ポリテトラフルオロエチレン>
本発明の樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有する。ポリテトラフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好ましい。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)6−Jや、ダイキン化学工業(株)製のポリフロンF201L、FA500B、FA500Cが挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液として、ダイキン化学工業(株)製のフルオンD−1や、ビニル系単量体を重合してなる多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン化合物が挙げられる。いずれのタイプも本発明の樹脂組成物に用いることができる。
ポリテトラフルオロエチレンを含有した樹脂組成物を射出成形した成形品の外観をより向上させるためには、有機系重合体で被覆された特定の被覆ポリテトラフルオロエチレン(以下、被覆ポリテトラフルオロエチレンと略記することがある)を使用することができる。特定の被覆ポリテトラフルオロエチレンとは、被覆ポリテトラフルオロエチレン中のポリテトラフルオロエチレンの含有比率が40〜95質量%の範囲内となるものであり、中でも、43〜80質量%、更には45〜70質量%、特には47〜60質量%となるものが好ましい。特定の被覆ポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三菱レイヨン社製のメタブレンA−3800、A−3700、KA−5503や、PIC社製のPoly TS AD001等が使用できる。
ポリテトラフルオロエチレンの配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100質量部に対し、0.1〜1質量部であり、0.2〜0.8質量部がより好ましく、0.3〜0.6質量部が特に好ましい。なお、被覆ポリテトラフルオロエチレンの場合、添加量はポリテトラフルオロエチレン純分の量に相当する。ポリテトラフルオロエチレンの配合量が0.1質量部未満の場合には、難燃効果としては不十分であり、一方、1質量部を超えると成形品外観の低下が起こる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレンを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<有機リン系安定剤>
本発明の樹脂組成物は、有機リン系安定剤を含むことが好ましい。有機リン系安定剤を配合することで、LDS添加剤によるポリカーボネート樹脂を分解しにくくし、本発明の効果がより効果的に発揮される。有機リン系安定剤としては、特開2009−35691号公報の段落番号0073〜0095の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。より好ましい有機リン系安定剤としては、下記一般式(3)で表される化合物である。
一般式(3)
O=P(OH)m(OR)3-m・・・(3)
(一般式(3)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。mは0〜2の整数である。)
Rは炭素数1〜30のアルキル基または、炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジtert−ブチルフェニル基、2,4−ジtert−ブチルメチルフェニル基、トリル基がより好ましい。
中でも、下記一般式(3’)で表されるリン酸エステルが好ましい。
O=P(OH)m'(OR’)3-m'・・・(3’)
一般式(3’)中、R’は炭素数2〜25のアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。m’は1または2である。ここで、アルキル基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、テトラデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基が好ましく、オクタデシル基が特に好ましい。
リン酸エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスフォナイト、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルとしては、下記一般式(4)で表される化合物も好ましい。
一般式(4)
Figure 0005706033
(一般式(4)中、R'は、アルキル基またはアリール基であり、各々同一でも異なっていてもよい。)
R'は炭素数1〜25のアルキル基または、炭素数6〜12のアリール基であることが好ましい。R’がアルキル基である場合、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。R’がアリール基である場合、炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
亜リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、モノブチルジフエニルホスファイト、モノオクチルジフエニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の亜リン酸のトリエステル、ジエステル、モノエステル等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物がリン系安定剤を含む場合、リン系安定剤の配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100重量部に対し、0.01〜5質量が好ましく、0.05〜1.0質量部がより好ましく、0.08〜0.5質量部がさらに好ましく、0.08〜0.3質量部が特に好ましい。0.01質量部以上とすることで、LDS添加剤によるポリカーボネート樹脂の分解をより効果的に抑制させることができ、5質量部以下とすることで、ガラス繊維とポリカーボネートとの密着強度を上げ、強度をより向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、有機リン系安定剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明では、特に、有機リン系安定剤として、モノステアリルアシッドホスフェートおよび/またはジステアリルアシッドホスフェートを、樹脂成分およびガラス繊維100質量部に対し、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましく、0.3質量部以下が特に好ましく、0.25質量部以下が一層好ましい。また、下限値としては、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.08以上がさらに好ましい。
0.01質量部以上とすることにより、ポリカーボネート樹脂の分解を顕著に抑制でき、0.5質量部以下とすることにより、ガラス繊維との密着性を向上させ、機械的強度を顕著に向上させることができる。
<酸化防止剤>
本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤が好ましく、より具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、および3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。中でも、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好ましい。
本発明の樹脂組成物が酸化防止剤を含む場合、酸化防止剤の配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100重量部に対し、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.05〜3重量部がより好ましい。本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<離型剤>
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、および数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。中でも、脂肪族カルボン酸、および脂肪族カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましく用いられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和または不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸またはトリカルボン酸を挙げることができる。本明細書では、脂肪族カルボン酸の用語は、脂環式カルボン酸も包含する意味で用いる。脂肪族カルボン酸の中でも、炭素数6〜36のモノまたはジカルボン酸が好ましく、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がより好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸エステルを構成する脂肪族カルボン酸成分としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、脂肪族カルボン酸エステルを構成するアルコール成分としては、飽和または不飽和の1価アルコール、飽和または不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価または多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコールまたは多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸および/またはアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物が離型剤を含む場合、離型剤の配合量は、樹脂成分およびガラス繊維を含む成分100重量部に対し、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.05〜3重量部がより好ましい。本発明の樹脂組成物は、離型剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、リン系安定剤以外の安定剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
これらの成分については、特開2007−314766号公報、特開2008−127485号公報および特開2009−51989号公報、特開2012−72338号公報等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に定めるものではなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。具体的には、各成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練することによって樹脂組成物を製造することができる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明の樹脂組成物を製造することもできる。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の樹脂組成物を製造することもできる。
本発明では、ホスファゼン化合物をマスターバッチとして、また、特定の顆粒状ホスファゼンとして配合することが好ましい。具体的には、以下の態様が例示される。
(第一の態様)
第一の態様としては、重量平均分子量15000〜55000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)40〜65質量%と芳香族ホスファゼン化合物(B)35〜60質量%とを溶融混練することによって得られることを特徴とする難燃剤マスターバッチであって、(A)成分と(B)成分の合計が95〜100質量%であることを特徴とする難燃剤マスターバッチが例示される。このような構成とすることにより、樹脂と溶融混練する際の作業性にも優れ、さらには熱可塑性樹脂に配合した際に、難燃性、機械物性に優れる難燃剤マスターバッチが得られる。
(第二の態様)
第二の態様としては、重量平均分子量5,000〜55,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ホスファゼン化合物(B)を加圧ニーダーにて溶融混練して得られる難燃剤マスターバッチである。このような構成とすることにより、難燃性と機械物性を効果的に且つ安定的に発現させることができる難燃剤マスターバッチが得られる。
(第三の態様)
第三の態様としては、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)85〜20質量%と芳香族ホスファゼン化合物(B)15〜80質量%の合計100質量部と、フルオロポリマー(C)を0.005〜2質量部とを溶融混練することによって得られることを特徴とする難燃剤マスターバッチである。この様な構成とすることにより、樹脂と溶融混練する際の作業性にも優れ、さらには熱可塑性樹脂に配合した際に、難燃性、機械物性に優れる難燃剤マスターバッチが得られる。
(第四の態様)
第四の態様としては、目開き400μmの篩上の割合が55質量%以上で、嵩密度が0.3〜1.5g/mlであることを特徴とする顆粒状ホスファゼン化合物として樹脂に配合する態様である。ホスファゼン化合物は、常温で微粉状であるが、圧縮やせん断に対して固化する性質を有しており、このままでは熱可塑性樹脂と共に押出機にて溶融混練する際、押出機スクリュウへホスファゼン化合物が固着する等の不具合を生じやすいが、顆粒状ホスファゼン化合物とすることにより、押出機スクリュウへの固着等の不具合を起こしにくくできる。
(第五の態様)
ホスファゼン化合物(A)に、目開き1000μmの篩を通過する割合が30質量%以上であるポリカーボネート樹脂粉粒体(B)を、(A)/(B)の質量比が85/15〜5/95で混合してなり、嵩密度が0.4〜1.5g/mlであることを特徴とする顆粒状ホスファゼン化合物として樹脂に配合する態様である。このような構成とすることにより、生産性に優れ、熱可塑性樹脂と溶融混練する際の作業性にも優れる。
本発明の樹脂組成物から樹脂成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサ−ト成形、IMC(インモ−ルドコ−ティング成形)成形法、押出成形法、シ−ト成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法等を採用することができる。また、ホットランナ−方式を用いた成形法を選択することもできる。
本発明のメッキ層付樹脂成形品は、本発明の樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む。
以下、本発明の樹脂組成物を成形した樹脂成形品の表面にメッキ層を設ける工程を図1に従って説明する。図1は、レーザーダイレクトストラクチャリング技術によって、樹脂成形品1の表面にメッキを形成する工程を示す概略図である。図1では、樹脂成形品1は、平坦な基板となっているが、必ずしも平坦な基板である必要はなく、一部または全部が曲面している樹脂成形品であってもよい。また、樹脂成形品は、最終製品に限らず、各種部品も含む趣旨である。本発明における樹脂成形品としては、携帯電子機器、車両および医療機器の部品や、その他の電気回路を含む電子部品に用いることが好ましい。特に、本発明の樹脂成形品は、高い耐衝撃性と剛性、優れた耐熱性を併せ持つうえ、異方性が小さく、反りが小さいものとすることができるため、電子手帳、携帯用コンピューター等のPDA、ポケットベル、携帯電話、PHSなどの内部構造物および筐体として極めて有効である。特に樹脂成形品がリブを除く平均肉厚が1.2mm以下(下限値は特に定めるものではないが、例えば、0.4mm以上)である平板形状の部品に適しており、中でも携帯電子機器の筐体として特に適している。
また、平均厚さ1.6mmにおける樹脂成形品のUL−94試験の評価がV−0であることが求められる用途に適している。
再び図1に戻り、樹脂成形品1にレーザー2を照射する。ここでのレーザーとは、特に定めるものではなく、YAGレーザー、エキシマレーザー、電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YAGレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではない。好ましい波長範囲は、200nm〜1200nmである。特に好ましくは800〜1200nmである。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀、パラジウムが混合されているものが好ましく、銅がより好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回路間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。かかる回路は携帯電子機器部品のアンテナとして好ましく用いられる。すなわち、本発明の樹脂成形品の好ましい実施形態の一例として、本発明の樹脂成形品(好ましくは、携帯電子機器部品)の表面に設けられたメッキ層(好ましくは、銅メッキ層)が、アンテナとしての性能を保有する樹脂成形品が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<樹脂成分>
S−3000F:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ポリカーボネート樹脂
AT−08:日本エイアンドエル製、ABS樹脂
<ガラス繊維>
T−187:日本電気硝子社製、直径が13μm、カット長3mmの円形断面を有するガラス繊維(扁平率1)
3PA−820:日東紡績社製、直径28μm、短径7μmの扁平断面を有するガラス繊維(扁平率4)
3PL−820:日東紡績社製、直径20μm、短径10μmの扁平断面を有するガラス繊維(扁平率2)
<LDS添加剤>
Black1G:シェパードジャパン社製、スピネル構造体の銅クロム酸化物
<エラストマー>
S−2030:三菱レイヨン社製、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル/ジメチルシロキサンの共重合体
M711:カネカ社製、ブタジエン系のコアと、アクリル系のシェルとからなるコア/シェル型エラストマー
<ホスファゼン化合物>
FP−100:伏見製薬社製、フェノキシホスファゼン化合物
<PTFE>
6−J:三井デュポンフロロケミカル社製、フィブリル形成能を有するフルオロポリマー
<リン系安定剤>
AX−71:ADEKA社製、(モノおよびジステアリルアシッドフォスフェート)の略等モルの混合物
<酸化防止剤>
Irg1076:Irganox1076、BASF社製、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
<離型剤>
VPG861:コグニスオレオケミカルズジャパン社製、ペンタエリスリトールテトラステアレート
<コンパウンド>
後述する表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、樹脂組成物のペレットを得た。
<難燃性(UL−94試験)>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所社製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、平均厚さ1.6mmのUL試験用試験片を成形した。
各樹脂組成物の難燃性の評価は、上述の方法で得られたUL試験用試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表に示す基準を満たすことが必要となる。
Figure 0005706033
ここで残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片の有炎燃焼を続ける時間の長さである。また、ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。さらに、5試料のうち、1つでも上記基準を満たさないものがある場合、V−2を満足しないとしてNR(not rated)と評価した。
<曲げ弾性率および曲げ強度>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業製、SG75−MIIを用いて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形し、4mm厚さのISO引張り試験片を成形した。
ISO178に準拠して、上記ISO引張り試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で曲げ弾性率(単位:MPa)および曲げ強度(単位:MPa)を測定した。
<シャルピー衝撃強度>
上記で得られたISO引張り試験片(4mm厚)を用い、ISO179に準拠し、23℃の条件で、ノッチ有シャルピー衝撃強度を測定した。
<荷重たわみ温度(DTUL)>
上記で得られたISO引張り試験片(4mm厚)を用い、ISO75−1及びISO75−2に準拠して荷重1.80MPaの条件で荷重たわみ温度を測定した。
<メッキ性(LDS活性)−Plating Index>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業製、SG75−MIIを用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形し、3mm厚さのプレートを成形した。
上記で得られた3mm厚のプレートに1064nmのYAGレーザーを用い、出力2.6〜13Wの範囲のいずれか、速度1〜2m/sのいずれか、周波数10〜50μsの範囲のいずれかの条件から組み合わされた各種条件でレーザー照射により印字し、続いて、試験片を硫酸にて脱脂後、キザイ社製THPアルカリアクチ及びTHPアルカリアクセで処理後、キザイ社製SELカッパ―にてメッキ処理を行った。メッキ処理後の試験片を目視にて判定し、下記5段階に分類した。
5:各種レーザー条件中、明瞭にメッキが載った条件が75〜100%
4:各種レーザー条件中、明瞭にメッキが載った条件が50〜74%
3:各種レーザー条件中、明瞭にメッキが載った条件が30〜49%
2:各種レーザー条件中、明瞭にメッキが載った条件が10〜29%
1:各種レーザー条件中、明瞭にメッキが載った条件が10%に満たない
<反り>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業製、NEX80を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度100℃、成形サイクル40秒の条件で射出成形し、サイド1点ゲートで充填される0.8mm厚さ×直径100mmの円板を成形した。成形後平板上に試験片を置き、反りによって平板から最も浮き上がっている高さを測定し、反り量(mm)とした。
結果を下記表に示す。
Figure 0005706033
上記表から明らかなとおり、本発明の組成物を用いた場合(実施例1〜9)、メッキ性を維持しつつ、曲げ弾性率、曲げ強度、シャルピー衝撃強度や荷重たわみ温度などの各種機械的特性および難燃性に優れた試験片が得られた。これに対し、難燃剤の配合量が少ない場合(比較例1)、難燃性が劣っていた。また、LDS添加剤の配合量が少ない場合(比較例2)、メッキ性が劣っていた。また、難燃剤とLDS添加剤を必要な量配合しても、ABS樹脂の割合が多い場合(比較例3)、難燃性が劣ることが分かった。また、扁平断面を有するガラス繊維を用いた場合(実施例4、7〜9)、反りが特に小さいことが分かった。

Claims (13)

  1. 樹脂成分40〜95質量%およびガラス繊維5〜60質量%を含む成分100質量部に対し、
    エラストマー0.5〜10質量部、銅およびクロムを含むレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤5〜20質量部、ホスファゼン化合物5〜30質量部ならびにポリテトラフルオロエチレン0.1〜1質量部を含み、
    前記樹脂成分が、ポリカーボネート樹脂65〜90重量%とスチレン系樹脂35〜10重量%を含むレーザーダイレクトストラクチャリング用樹脂組成物。
  2. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、スピネル構造体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記エラストマーが、シロキサン共重合エラストマーである、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ガラス繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率が1.5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ガラス繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率が1.5を超え8.0以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
  7. 平均厚さ1.6mmにおける樹脂成形品のUL−94試験の評価がV−0である、請求項6に記載の樹脂成形品。
  8. 前記樹脂成形品の表面にメッキ層を有する、請求項6または7に記載の樹脂成形品。
  9. 前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、請求項8に記載の樹脂成形品。
  10. 携帯電子機器部品である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  12. 前記メッキ層が銅メッキ層である、請求項11に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  13. 請求項11または12に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
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