JP2015024583A - 液体吐出ヘッド、記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の吐出精度が低下してしまう可能性を低減しつつ、保護部材が流路部材から剥がれてしまう可能性を低減することができる液体吐出ヘッド、および記録装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドは、吐出孔面4−1および吐出孔面4−1に隣接した側面4−3a、4−3bを含み、吐出孔面4−1に設けられており且つ液体を吐出するための複数の吐出孔8を有した流路部材4と、吐出孔面4−1上に位置する第1部位31、および、側面4−3a、4−3bに対向する第2部位32を有した保護部材と、を備え、保護部材は、第1部位31から複数の吐出孔8が露出するように設けられた開口部33を有しており、開口部33は、第1部位31から第2部位32に亘って設けられている。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来から、液体吐出ヘッドとしては、例えば、液滴を記録媒体上に吐出することによって各種の印画を行うインクジェットヘッドが知られている。このような液体吐出ヘッドは、流路部材および加圧部を備えている。流路部材は、吐出孔面に設けられた複数の吐出孔と、当該複数の吐出孔のそれぞれに対して個別に連結された複数の加圧室を有する。このような液体吐出ヘッドでは、加圧部によって加圧室を加圧することで、当該加圧室内に位置する液体を吐出孔から吐出することができる(例えば、特許文献1参照)。
ここで、吐出孔面上には、例えば、吐出孔面を保護する目的で、保護部材が設けられる。保護部材には、当該保護部材から吐出孔面の一部が露出するように開口部が設けられている。複数の吐出孔は、開口部において保護部材から露出している(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−121186号公報 特開2001−277490号公報
ところで、上記従来の液体吐出ヘッドは、例えば、液滴の吐出後において吐出孔面上に残留した液体を除去する目的で、開口部から露出した吐出孔面をワイパーによって拭き取る場合がある。このような場合、ワイパーの進行方向に吐出孔面と保護部材とがなす段差が存在すると、当該段差において液体の一部が拭き残ってしまう可能性があった。このため、拭き残った液体が吐出孔の周縁に残留することにより、その後の液滴の吐出精度が低下してしまう可能性があった。
そこで、液体の一部が拭き残ってしまう可能性を低減するためには、開口部に代えて切欠部を設ける必要がある。すなわち、ワイパーの進行方向において、保護部材の外縁の一部が凹むように切欠部を設ける必要がある。このように、開口部に代えて切欠部を設けると、ワイパーの進行方向に吐出孔面と保護部材とがなす段差が存在しないため、液体の一部が拭き残ってしまう可能性を低減することができる。しかしながら、このような構成にしてしまうと、保護部材の外縁に凹凸が生じるため、保護部材が流路部材から剥がれてしまう可能性があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の吐出精度が低下してしまう可能性を低減しつつ、保護部材が流路部材から剥がれてしまう可能性を低減することができる液体吐出ヘッド、記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
本発明の液体吐出ヘッドにおける一態様は、主面および該主面に隣接した側面を含み、前記主面に設けられており且つ液体を吐出するための複数の吐出孔を有した流路部材と、前記主面上に位置する第1部位、および、前記側面に対向する第2部位を有した保護部材
と、を備え、前記保護部材は、前記第1部位から複数の前記吐出孔が露出するように設けられた開口部を有しており、前記開口部は、前記第1部位から前記第2部に亘って設けられている。
本発明の記録装置における一態様は、本発明に係る液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送部と、を備える。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法における一態様は、主面および該主面に隣接した側面を含み、前記主面に設けられており且つ液体を吐出するための複数の吐出孔を有した流路部材と、前記主面上に位置する第1部位、および、前記側面に対向する第2部位を有した保護部材と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、開口部を有した保護部材を準備する工程と、前記開口部から複数の吐出孔が露出するように、前記保護部材を前記流路部材の前記主面上に設ける工程と、前記開口部が前記主面と前記側面とがなす角部を跨いで位置するように、前記保護部材の端部を前記角部よりも外側に配置する工程と、前記角部に沿って前記保護部材の前記端部を前記流路部材の前記側面側に折り曲げる工程と、を有する。
本発明の液体吐出ヘッド、記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法は、液体の吐出精度が低下してしまう可能性を低減しつつ、保護部材が流路部材から剥がれてしまう可能性を低減することができる、という効果を奏する。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの長手方向における断面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの短手方向における断面図である。 (a)は、本実施形態に係るヘッド本体の概略構成を示す図であって、加圧室面側から見た平面図である。(b)は、本実施形態に係る流路部材の概略構成を示す図であって、加圧室面側から見た平面図である。 図5中に示した1点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図であり、説明の便宜上、一部の記載を省略した図である。 図5中に示した1点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図であり、説明の便宜上、一部の記載を省略した図である。 図6中に示したI−I線断面図である。 本実施形態に係る流路部材および保護部材の概略構成を示す図であって、(a)は、吐出孔面側から見た平面図である。(b)は、第1側面側からみた平面図である。(c)は、第2側面側から見た平面図である。(d)は、(a)に示したII−II線断面図である。 本実施形態の係る保護部材の概略構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示す図であって、(a)は、本実施形態に係る流路部材を吐出孔面側から見た平面図である。(b)は、本実施形態に係る板状部材の平面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示す図であって、本実施形態に係る流路部材および板状部材の平面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示す図であって、(a)は、図12に示したIII−III線断面図である。(b)は、本実施形態に係る流路部材および板状部材の平面図であって、板状部材の端部を折り曲げた図である。 変形例1に係る流路部材および保護部材の概略構成を示す図であって、(a)は、吐出孔面側から見た平面図である。(b)は、第1側面側からみた平面図である。(c)は、第2側面側から見た平面図である。(d)は、(a)に示したIV−IV線断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る液体吐出ヘッド、および記録装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。なお、本実施形態では、プリンタ1は、カラーインクジェットプリンタであるが、これに限らず、モノクロインクジェットプリンタ等の記録装置であってもよい。
プリンタ1は、制御部100、給紙ユニット114、搬送ユニット120、液体吐出ヘッド2、および紙受け部116を有する。ここで、プリンタ1における液体吐出ヘッド2および搬送ユニット120は、本発明に係る記録装置の一実施形態となる。
制御部100は、上記の各部材における動作を制御する役割を有する。なお、制御部100の配置については、特に限定されない。
給紙ユニット114は、用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。用紙収容ケース115は、記録媒体を収容する役割を有する。本実施形態では、用紙収容ケース115には、記録媒体としての印刷用紙Pが複数枚積層された状態で収容されている。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に収容された印刷用紙Pを、搬送ユニット120に向けて1枚ずつ送り出す役割を有する。
なお、本実施形態では、給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、上記の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bによってガイドされて、搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、搬送ベルト111、ベルトローラ106および107、搬送モータ174、ならびに、ニップローラ138および139を有している。
搬送ベルト111は、用紙収容ケースから送り出された印刷用紙Pを、液体吐出ヘッド2に対して搬送する役割を有する。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107の共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。なお、液体吐出ヘッド2は、当該2つの平面のうち、一方側の平面に対向して配置される。このため、搬送ベルト111のうち液体吐出ヘッド2に対向する面は、印刷用紙Pを搬送するための搬送面127となる。
搬送モータ174は、搬送ベルト111を移動させる役割を有する。搬送モータ174は、ベルトローラ106に接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送ベルト111は、搬送モータ174によってベルトローラ106を回転させることで、矢印Aの方向に沿って移動することができ
る。
ニップローラ138および139は、搬送面127上に印刷用紙Pを固着する役割を有する。ニップローラ138および139は、搬送面127を挟み込んで、互いに対向して配置されている。ニップローラ138および139は、搬送ベルト111の移動に連動して回転する。ここで、給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送面127との間に挟み込まれる。このため、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられことで、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の移動に従って、液体吐出ヘッド2に対して搬送される。
液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pに対して液体を吐出する役割を有する。液体吐出ヘッド2は、搬送面127に対向して配置されている。具体的には、液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aは、搬送面127に近い側に位置している。なお、液体吐出ヘッド2の詳細な構成については、後述する。
ここで、本実施形態では、ヘッド本体2aからは、4色の液滴(インク)が吐出される。当該4色としては、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)を採用することができる。給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111の搬送面127との隙間を通過する。その際に、ヘッド本体2aから印刷用紙Pに向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pには、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。また、当該画像が形成された印刷用紙Pは、紙受け部116へと送り出される。
なお、本実施形態では、搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140、二対の送りローラ121aおよび121b、ならびに、122aおよび122bが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。
紙受け部116は、搬送ユニット120から送り出された印刷用紙Pを収容する役割を有する。紙受け部116は、搬送ユニット120から送り出された印刷用紙Pの搬送方向に配置されている。
なお、本実施形態では、液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間において、紙面センサ133が配置されている。紙面センサ133は、搬送面127上に搬送された印刷用紙Pの位置情報を検出する役割を有する。紙面センサ133は、例えば、発光素子および受光素子を有する。ここで、紙面センサ133によって検出された印刷用紙Pの位置情報は、制御部100に送信される。制御部100は、紙面センサ133から受信した検出結果に基づき、液体吐出ヘッド2あるいは搬送モータ174等を制御する。これによって印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とを同期させることができる。
次に、図2〜図4を参照しながら、液体吐出ヘッド2の構成について説明する。図2は、液体吐出ヘッド2の概略構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド2の長手方向(図2にてX方向)における断面図である。図4は、液体吐出ヘッド2の短手方向(図2にてY方向)における断面図である。なお、図3および図4では、説明の便宜上、流路部材4およびリザーバ40における流路の記載は省略する。
図2〜図4に示すように、液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2a、保護部材30、リザ
ーバ40、筺体90、配線基板94、コネクタ95、信号伝達部92、ドライバIC55、押圧板96、および断熱性弾性部材97を備えている。
ヘッド本体2aは、流路部材4、および当該流路部材4の加圧室面4−2上に設けられた圧電アクチュエータ基板21を有する。ヘッド本体2aは、圧電アクチュエータ基板21の変位に応じて流路部材4の吐出孔面4−1から液滴を吐出することで、記録媒体に対して所定の印画を行う役割を有する。リザーバ40は、ヘッド本体2aの流路部材4に対して、液体を供給する役割を有する。リザーバ40は、ヘッド本体2a上に設けられている。
ここで、図2〜図4に加えて、図5〜図8を参照しつつ、ヘッド本体2aについて、詳細に説明する。
図5の(a)は、ヘッド本体2aの概略構成を示す図であって、加圧室面4−2側から見た平面図である。図5の(b)は、流路部材4の概略構成を示す図であって、加圧室面4−2側から見た平面図である。図5の(b)では、圧電アクチュエータ基板21が位置する領域を2点鎖線で示している。図6は、図5中に示した1点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図である。なお、図6において示される各部材は、説明の便宜上実線で記載している。図7は、図5中に示した1点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図である。なお、図7において示される各部材は、説明の便宜上実線で記載している。図8は、図6中に示したI−I線断面図である。
ヘッド本体2aは、流路部材4および圧電アクチュエータ基板21を有している。なお、本実施形態では、ヘッド本体2aは、平面視して略矩形状であるが、これに限らず、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。
流路部材4は、ヘッド本体2aと同様に、平面視して略矩形状である。流路部材4は、図8に示すように、複数のプレートが積層された積層構造を有している。具体的には、流路部材4は、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜g、カバープレート4hおよびノズルプレート4iが順次積層して構成されている。
ここで、ノズルプレート4iの下面は、吐出孔8が設けられる吐出孔面4−1である。吐出孔面4−1には、図示しない撥水膜が設けられている。また、キャビティプレート4aの上面は、圧電アクチュエータ基板21が配置される加圧室面4−2である。すなわち、加圧室面4−2は、吐出孔面4−1の反対側に位置している。吐出孔面4−1に隣接する面は、流路部材4の側面4−3である。具体的には、側面4−3は、吐出孔面4−1と加圧室面4−2との間に位置している。本実施形態では、側面4−3は、各プレート4a〜iのそれぞれが有する端面によって構成される。側面4−3は、第1側面4−3aおよび第2側面4−3bを含んでいる。第1側面4−3aおよび第2側面4−3bは、X方向における流路部材4の両端に位置する側面4−3である。すなわち、第1側面4−3aは、第2側面4−3bの反対側に位置している。本実施形態では、吐出孔面4−1と第1側面4−3aとがなす角を角部C1と称する。また、吐出孔面4−1と第2側面4−3bとがなす角を角部C2と称する。
各プレート4a〜iの構成材料としては、例えば、金属材料、ステンレス、シリコンが挙げられる。特に、ノズルプレート4iの構成材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、ポリイミド、シリコン等が挙げられる。流路部材4は、例えば、各プレート4a〜iが80〜150℃の温度条件下で硬化させた接着材を介して互いに接着されることで形成される。また、各プレート4a〜iの厚みは、例えば、10〜300μmとすることが
できる。
ここで、各プレート4a〜iには、多数の孔が形成されている。本実施形態では、当該孔が互いに連通して、マニホールド5、個別流路12、および吐出孔8を構成する。なお、当該孔は、例えば、各プレート4a〜iの所定箇所にエッチングを施すことによって形成される。
マニホールド5は、個別流路12に対して液体を供給する役割を有する。マニホールド5は、マニホールドプレート4e〜gに形成された複数の孔によって主に構成される。本実施形態では、X方向に沿って延びている4つのマニホールド5が、略平行に配置されている。なお、流路部材4の加圧室面4−2は、図5(a)に示すように、流路部材4のX方向における両端部において流入孔5aを有する。流入孔5aは、加圧室面4−2のうちリザーバ40が載置される領域である領域E1に位置している。当該流入孔5aは、マニホールド5に連通している。
個別流路12は、マニホールド5から供給された液体を吐出孔8へと導く流路である。具体的には、個別流路12は、マニホールド5から、個別供給路14、しぼり6、加圧室10を介して、吐出孔8へと連通する流路を指す。
個別供給路14は、サプライプレート4dに形成された孔によって構成される。個別供給路14は、複数設けられている。複数の個別供給路14は、それぞれ、マニホールド5と連通している。このため、マニホールド5に収容された液体は、複数の個別供給路14を介して、複数の吐出孔8へと個別に供給される。
しぼり6は、加圧室10が加圧された場合に、当該加圧室10内に収容された液体が、マニホールド5へと逆流する可能性を低減する役割を有する。このため、しぼり6における流路の断面積は、加圧室10と吐出孔8とを連通する流路の断面積よりも小さい。しぼり6は、アパーチャ(しぼり)プレート4cに形成された孔によって構成される。しぼり6は、個別供給路14と連通している。このため、しぼり6は、複数の個別供給路14のそれぞれに対応して、複数設けられている。
加圧室10は、圧電アクチュエータ基板21によって加圧されることによって、当該加圧室10内に収容された液体を吐出孔8へと供給する役割を有する。加圧室10は、キャビティプレート4aに形成された孔によって構成される。加圧室10は、ベースプレート4bに形成された孔を介して、しぼり6と連通している。このため、加圧室10は、複数のしぼり6のそれぞれに対応して、複数設けられている。
加圧室10は、図6および図7に示すように、平面視して角部にアールが施された略菱形状をなしている。複数の加圧室10は、千鳥状に配置されている。また、複数の加圧室10は、X方向に沿って列状に配置されている。本実施形態では、列状に配置された複数の加圧室10を、加圧室列11と称する。加圧室列11は、マニホールド5の両側に2列ずつ設けられている。ここで、マニホールド5は、4つ設けられている。このため、加圧室列11は、合計16列設けられている。なお、本実施形態では、各加圧室列11に含まれた互いに隣り合う加圧室10同士の間隔は、略同じである。また、各加圧室列11の端に位置する加圧室10は、マニホールド5と連通していないダミーとなっている。このため、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の構造(剛性)と近くなり、液体吐出特性の差を小さくすることができる。
吐出孔8は、加圧室10から供給された液体を外部に吐出する役割を有する。吐出孔8は、ノズルプレート4iに形成された孔が、吐出孔面4−1において開口することで構成
される。吐出孔8は、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜g、カバープレート4hおよびノズルプレート4iに形成された複数の孔を介して、加圧室10と連通している。このため、吐出孔8は、複数の加圧室10のそれぞれに対応して、複数設けられている。
複数の吐出孔8は、X方向に沿って列状に配置されている。本実施形態では、列状に配置された複数の吐出孔8を、吐出孔列9と称する。吐出孔列9は、加圧室列11に対応して、16列設けられている。具体的には、加圧室10と吐出孔8とを連通する個別流路12は、Y方向に沿って、加圧室10の角部から遠ざかるように設けられている。このため、吐出孔列9は、Y方向において、加圧室列11と並んで位置している。また、吐出孔列9に含まれた互いに隣り合う吐出孔8同士の間隔は、加圧室列11に含まれた互いに隣り合う加圧室10同士の間隔と略同一である。
ここで、1列の吐出孔列9に含まれた互いに隣り合う吐出孔8のうち、一方の吐出孔8からY方向に引いた仮想線を線X1とする。また、他方の吐出孔8からY方向に引いた仮想線を線X2とする。本実施形態では、吐出孔列9は、合計16列設けられており、線X1と線X2との間には、前記の一方の吐出孔8と他方の吐出孔8とを含めると、合計17個の吐出孔8が存在する。
また、X方向に延びる投影仮想線に対して、当該17個の吐出孔8をY方向に移動させることにより投影すると、プロット仮想線に投影された各点は、互いに等間隔に配置されている。すなわち、本実施形態では、液体吐出ヘッド2は、線X1と線X2との間隔をRdpi(dot per inch)とするとき、16Rdpiの解像度で画像を形成することができる。なお、本実施形態では、600dpiの解像度で画像を形成することができる液体吐出ヘッド2について説明したが、本発明は、これに限定されない。本発明は、例えば、300dpi、1200dpiといった解像度で画像を形成することができる液体吐出ヘッドにも適用可能である。
なお、複数の加圧室10および複数の吐出孔8の配置位置あるいは個数については、上記に限らず、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。このため、複数の吐出孔8は、列状に設けられていなくともよい。
圧電アクチュエータ基板21は、ヘッド本体2aと同様に、平面視して略矩形状である。圧電アクチュエータ基板21の平面視における面積は、流路部材4の加圧室面4−2の平面視における面積よりも小さい。具体的には、圧電アクチュエータ基板21は、流路部材4における流入孔5aが露出するように、当該流路部材4の加圧室面4−2上に設けられている。圧電アクチュエータ基板21は、圧電セラミック層21a,21b、共通電極24、個別電極25、接続電極26、ダミー接続電極27、および共通電極用表面電極28を有する。
圧電セラミック層21aは、振動板としての役割を有する。圧電セラミック層21aは、加圧室面4−2上において、キャビティプレート4aに形成された複数の孔を覆っている。圧電セラミック層21aに覆われた複数の孔は、加圧室10を構成する孔である。共通電極24は、圧電セラミック層21aの略全面上に設けられている。圧電セラミック層21bは、共通電極24の略全面上に設けられている。個別電極25は、圧電セラミック層21b上において、加圧室10に対応して複数設けられている。具体的には、個別電極25は、平面視して加圧室10と重なるように配置された個別電極本体25a、および、加圧室10と重ならないように配置された引き出し電極25bを有している。ここで、共通電極24は、圧電セラミック層21b上に設けられた共通電極用表面電極28を介して、信号伝達部92に電気的に接続されている。また、個別電極本体25aは、引き出し電
極25b上に設けられた接続電極26を介して、信号伝達部92に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、圧電セラミック層21b上にダミー電極27が設けられている。このため、信号伝達部92と、共通電極用表面電極28および接続電極26との電気的接続信頼性を向上することができる。
圧電アクチュエータ基板21では、信号伝達部92から共通電極24および個別電極25へと送出された駆動信号に応じて、圧電セラミック層21bが変位する。そして、圧電セラミック層21aは、圧電セラミック層21bの変位に応じて加圧室10側へと湾曲することで、当該加圧室10に所定の圧力を加える。これにより、加圧室10に収容された液体が、吐出孔8へと供給される。
圧電セラミック層21a,21bの構成材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛
またはチタン酸バリウムが挙げられる。共通電極24、個別電極25、接続電極26、ダミー接続電極27、および共通電極用表面電極28の構成材料としては、例えば、Au、Ag、Pd、Ag―Pd、Pt、Ni、Cuが挙げられる。圧電アクチュエータ基板21の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、ロールコータ法、スリットコーター法等のテープ成形法により、圧電性セラミック粉末および有機組成物からなるテープの成形を行ない、焼成後に圧電セラミック層21a、21bとなる複数のグリーンシートを作製する。次に、グリーンシートの表面に、共通電極24となる電極ペーストを印刷法等により形成する。また、グリーンシートの一部にビアホールを形成し、その内部にビア導体を充填する。その後、各グリーンシートを積層して積層体を作製し、加圧密着を行なう。加圧密着後、積層体を高濃度酸素雰囲気下で焼成する。そして、焼成後の積層体に個別電極25および接続電極26となる電極ペーストを印刷法等により形成し、焼成する。これにより、圧電アクチュエータ基板21が形成される。
なお、本実施形態では、圧電アクチュエータ基板21を用いて加圧室10を加圧する液体吐出ヘッド2について説明したが、これに限らず、発熱素子を用いて加圧室10を加圧するサーマル方式の液体吐出ヘッドであってもよい。すなわち、加圧室10を加圧する手段は任意であり、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。
次に、図2〜図8に加えて、図9および図10を参照しながら、保護部材30について詳細に説明する。図9は、流路部材4および保護部材30の概略構成を示す図であって、(a)は、吐出孔面4−1側から見た平面図である。(b)は、第1側面4−3a側から見た平面図である。(c)は、第2側面4−3b側から見た平面図である。(d)は、(a)に示したII−II線断面図である。図10は、保護部材30の概略構成を示す斜視図である。
保護部材30は、流路部材4を保護する役割を有する。保護部材30は、第1部位31および第2部位32を有する。
第1部位31は、流路部材4の吐出孔面4−1上に位置する部位である。第1部位31が吐出孔面4−1上に位置すると、機械的衝撃によって吐出孔面4−1が傷付いてしまう可能性を低減することができる。また、本実施形態のように、吐出孔面4−1上に撥水膜が設けられている場合、記録媒体が撥水膜と接触することによって当該撥水膜の撥水性が低下してしまう可能性を低減することができる。
第2部位32は、流路部材4の第1側面4−3aおよび第2側面4−3bに対向する部位である。第2部位32が流路部材4の第1側面4−3aおよび第2側面4−3bと対向していると、第1側面4−3aおよび第2側面4−3bに機械的衝撃が加わることによって各プレート4a〜iに剥がれが生じてしまう可能性を低減することができる。なお、本
実施形態では、第2部位32は、第1側面4−3aおよび第2側面4−3bと対向しているが、これに限らず、第1側面4−3aまたは第2側面4−3bのいずれか一方と対向していてもよい。
第1部位31および第2部位32は、例えば、図示しない接着材料を介して流路部材4の吐出孔面4−1、第1側面4−3a、および第2側面4−3bに接着されていてもよい。また、第1部位31および第2部位32は、ネジ等の止め具によって吐出孔面4−1、第1側面4−3a、および第2側面4−3b上に固定されていてもよい。
保護部材30は、開口部33を有している。開口部33は、第1部位31から複数の吐出孔8が露出するように設けられている。本実施形態では、16列の吐出孔列9のうち、隣り合う2列の吐出孔列9が1つの開口部33において露出するように位置している。このため、開口部33は、X方向に沿って延びるように設けられるとともに、Y方向に8つ並んで位置している。なお、開口部33の形状、配置、および個数については、吐出孔面4−1における複数の吐出孔8の配置に応じて適宜変更することができる。
ここで、開口部33は、第1部位31から第2部位32に亘って設けられている。このため、液体の吐出精度が低下してしまう可能性を低減しつつ、保護部材30が流路部材4から剥がれてしまう可能性を低減することができる。
具体的には、従来の液体吐出ヘッドでは、保護部材は、吐出孔面上にのみ設けられていた。このため、平面視して、保護部材の開口部の全部は、流路部材の吐出孔面と側面とがなす角部よりも内側に位置していた。ところで、液体吐出ヘッドでは、例えば、液滴の吐出後において吐出孔面上に残留した液体を除去する目的で、開口部から露出した吐出孔面をワイパーによって拭き取る場合がある。このような場合、従来の液体吐出ヘッドでは、ワイパーの進行方向(本実施形態では、X方向)において、吐出孔面と保護部材とがなす段差が存在することになる。このため、当該段差において液体が拭き残ってしまう可能性があった。このため、拭き残った液体が吐出孔の周縁に残留することにより、その後の液滴の吐出精度が低下してしまう可能性があった。
ここで、液体の一部が拭き残ってしまう可能性を低減するためには、開口部に代えて切欠部を設ける必要がある。すなわち、ワイパーの進行方向(本実施形態では、X方向)において、保護部材の外縁の一部が凹むように切欠部を設ける必要がある。このように、開口部に代えて切欠部を設けると、当該切欠部において流路部材の吐出孔面と側面とがなす角部の一部が露出することになる。このため、切欠部において露出した角部側へとワイパーを進行させることで、液体が拭き残ってしまう可能性を低減することができる。しかしながら、このような構成によれば、保護部材の外縁に凹凸が生じるため、当該凹凸を起点として保護部材が流路部材から剥がれてしまう可能性があった。特に、切欠部によって保護部材が複数の部位に分断された場合、部品点数が増加してしまう上に、複数の部位のそれぞれに剥がれが生じる可能性があるため好ましくない。
そこで、本実施形態の係る液体吐出ヘッド2では、開口部33は、第1部位31から第2部位32に亘って設けられている。具体的には、開口部33の一部は、第1部位31に設けられており、開口部33の残部は、第2部位32に設けられている。このため、角部C1,C2の一部は、開口部33において保護部材30から露出している。このため、開口部33において露出した角部C1,C2側へとワイパーを進行させることで、液体が拭き残ってしまう可能性を低減することができる。そのため、拭き残った液体が吐出孔8の周縁に残留することにより液滴の吐出精度が低下してしまう可能性を低減することができる。また、開口部33は、保護部材30の一部が貫通するように設けられる部位であるため、保護部材30の外縁に凹凸が生じる可能性を低減することができる。このため、保護
部材30が流路部材4から剥がれてしまう可能性を低減することができる。また、開口部33によって保護部材30が複数の部材に分断されることがないため、部品点数が増加してしまう可能性を低減することができる。
なお、本実施形態のように、開口部33は、第1側面4−3aに対向する第2部位32から、第1部位31を介して、第2側面4−3bに対向する第2部位32に亘って設けられていることが好ましい。このような構成によれば、1つの開口部33によって、角部C1,C2が露出することになる。このため、開口部33から露出した吐出孔面4−1をワイパーによって拭き取る場合に、開口部33から露出した角部C1から角部C2に亘ってワイパーを進行させることができる。このため、開口部33から露出した吐出孔面4−1において液体の一部が拭き残ってしまう可能性をより低減することができる。なお、開口部33は、第1側面4−3aに対向する第2部位32から第1部位31亘ってのみ設けられていてもよい。また、第2側面4−3bに対向する第2部位32から第1部位31に亘ってのみ設けられていてもよい。
また、本実施形態のように、断面視して、第1部位31に位置する開口部33の幅は、流路部材4の吐出孔面4−1に近づくにつれて小さくなっていることが好ましい。具体的には、本実施形態では、図9の(d)に示すように、領域E2に位置する開口部33の断面視幅は、流路部材4の吐出孔面4−1に近づくにつれて小さくなっている。換言すれば、開口部33に隣接するとともに領域E1に位置する保護部材30の縁部は、吐出孔8に近づくにつれて厚みが小さくなっている。このような構成によれば、吐出孔面4−1と保護部材30の縁部とがなす角の角度を相対的に大きくすることができる。このため、液体が拭き残ってしまう可能性をより低減することができる。
ここで、図11〜図13を参照しながら、液体吐出ヘッド2の製造方法について説明する。図11の(a)は、流路部材4を吐出孔面4−1側から見た平面図である。図11の(b)は、板状部材200の平面図である。図12は、流路部材4および板状部材200を示した図であって、吐出孔面4−1側から見た平面図である。図13の(a)は、図12に示したIII−III線断面図である。図13の(b)は、流路部材4および板状部材200の断面図であって、板状部材200の端部220を折り曲げた図である。
まず、図11の(a)において、流路部材4を吐出孔面4−1側から見た平面図を示す。本実施形態では、流路部材4は、上述のとおり、エッチング法等によって複数の孔を形成した各プレート4a〜iを積層することによって作成される。次に、図11の(b)において、板状部材200の平面図を示す。板状部材200は、液体吐出ヘッド2が備える保護部材30の前駆体である。板状部材200は、流路部材4よりもX方向における長さが長い略矩形状の部材である。ここで、板状部材200には、複数の開口部210が形成される。当該複数の開口部210を形成する方法としては、例えば、エッチング法等が挙げられる。
複数の開口部210が形成された板状部材200は、図12および図13の(a)に示すように、流路部材4の吐出孔面4−1上に設けられる。この際、複数の吐出孔8は、開口部210において板状部材200から露出するように配置される。また、板状部材200の端部220は、吐出孔面4−1と第1側面4−3aとがなす角部C1、および、吐出孔面4−1と第2側面4−3bとがなす角部C2よりも外側に配置される。この際、開口部210は、角部C1,C2を跨いで位置するように配置される。なお、板状部材200を流路部材4の吐出孔面4−1上に設ける工程と、開口部210を角部C1,C2を跨いで位置するように配置する工程とは、同時に行ってもよい。
そして、図13の(b)に示すように、板状部材200の一方側の端部220は、角部
C1に沿って第1側面4−3a側に折り曲げられる。また、板状部材200の他方側の端部220は、角部C2に沿って第2側面4−3b側に折り曲げられる。この際、開口部210が角部C1,C2を跨いで位置していることから、開口部210の一部は、第1側面4−3aと対向する領域、および第2側面4−3bと対向する領域に延在することとなる。このため、板状部材200の端部220を折り曲げることによって、保護部材30が形成される。
このように、本実施形態に係る液体吐出ヘッド2の製造方法では、開口部210を形成した板状部材200の端部220を折り曲げることによって、保護部材30を形成することができる。このため、比較的簡易な製造工程によって本実施形態に係る液体吐出ヘッド2を製造することができる。
なお、本実施形態のように、角部C1,C2に対応して板状部材200に凹部230を設けることが好ましい。具体的には、図11の(b)に示すように、板状部材200には、流路部材4の吐出孔面4−1に対向する側に凹部230が設けられている。凹部230は、Y方向に沿って設けられている。凹部230は、例えば、板状部材200の所定箇所において、吐出孔面4−1に対向する側からハーフエッチングを施すことで形成される。ここで、図12に示すように、板状部材200を流路部材4の吐出孔面4−1上に設けた場合、凹部230は、角部C1,C2と重なって位置している。すなわち、図13の(a)に示すように、板状部材200が吐出孔面4−1上に設けられた場合、角部C1,C2は、板状部材200とは接していない状態である。このような状態で、図13の(b)に示すように板状部材200の端部220を凹部230に沿って折り曲げると、角部C1,C2が傷付く可能性を低減することができる。また、板状部材200が略直角となるように端部220を折り曲げることができるため、流路部材4と保護部材30との密着力を向上することができる。
リザーバ40は、ヘッド本体2a上に配置されている。具体的には、リザーバ40は、流路部材4の加圧室面4−2上に配置されている。具体的には、リザーバ40は、加圧室面4−2のうちX方向における両端部に位置する領域E1上に配置されている。本実施形態では、リザーバ40は、領域E1において、図示しない接着材料を介して流路部材4の加圧室面4−2と接着されている。また、リザーバ40は、圧電アクチュエータ基板21と空間S1を介して離間して配置されている。
リザーバ40には、当該リザーバ40に対して液体を供給するために、図示しない液体供給孔が設けられている。また、リザーバ40の内部には、流路部材4に対して液体を供給するために、図示しない流路が設けられている。当該流路は、液体供給孔と連通するとともに、領域E1に位置する流入孔5aに対しても連通している。このようにして、リザーバ40は、流路部材4に対して液体を供給することができる。なお、リザーバ40が有する流路は、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜設計変更することができる。また、流入孔5aの一部は、マニホールド5から液体を流出させる役割を担っていてもよい。
リザーバ40は、例えば、流路部材4と同様に、複数のプレートが積層された積層構造を有している。複数のプレートの構成材料としては、例えば、金属材料、樹脂材料、あるいはセラミック材料等が挙げられる。また、リザーバ内の流路は、例えば、複数のプレートの所定箇所にエッチングを施すことによって形成される。
筺体90は、液体吐出ヘッド2が備える各部材を収容する役割を有する。筺体90は、少なくとも流路部材4の吐出孔面4−1の一部が露出するように、液体吐出ヘッド2が備える各部材を収容している。本実施形態では、筺体90は、リザーバ40上に設けられている。筺体90の構成材料としては、例えば、金属材料あるいは樹脂材料等が挙げられる
配線基板94は、液体吐出ヘッド2がプリンタ1に組み込まれた場合に、制御部100から送信された駆動信号を受信する役割を有する。配線基板94は、リザーバ40上に設けられている。また、配線基板94には、コネクタ95が実装されている。配線基板94としては、例えば、樹脂基板上あるいはセラミック基板上に各種の電子部品を備えたものを用いることができる。
ここで、圧電アクチュエータ基板21は、信号伝達部92を介して、コネクタ95に接続されている。信号伝達部92には、ドライバIC55が実装されている。信号伝達部92としては、例えば、従来周知のフレキシブルプリント配線基板を用いることができる。
液体吐出ヘッド2では、配線基板94は、制御部100から受信した駆動信号を信号伝達部92に送信する。次に、信号伝達部92に実装されたドライバIC55は、当該駆動信号に所定の処理を施し、処理後の駆動信号を圧電アクチュエータ基板21に対して送信する。そして、圧電アクチュエータ基板21は、当該処理後の駆動信号に応じて変位することで、吐出孔面4−1に設けられた複数の吐出孔8から液滴を吐出させる。このように、複数の吐出孔8から吐出した液滴によって、記録媒体に対して所定の印画を行うことができる。
なお、配線基板94およびドライバIC55の搭載個数については、特に限定されず、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。また、配線基板94はなくともよく、例えば、制御部100と信号伝達部92とが、直接電気的に接続されていてもよい。
押圧板96は、ドライバIC55を筺体90に対して押し当てる役割を有する。押圧板96は、リザーバ本体41上に設けられている。押圧板96には、断熱性弾性部材97が取り付けられている。ここで、押圧板96は、断熱性弾性部材97および信号伝達部92を介してドライバIC55を筺体90に押し当てている。このため、ドライバIC55において発生した熱を、筺体90へと伝達することができる。そのため、当該熱を液体吐出ヘッド2の外側へと放熱することができる。
なお、当該熱を液体吐出ヘッド2の外側へと効率的に放熱するために、筺体90の構成材料は、熱伝導率が相対的に大きい材料であることが好ましい。具体的には、筺体90の構成材料は、例えば、金属材料であることが好ましい。
また、本実施形態では、信号伝達部92は、筺体90内において湾曲して配置されている。このため、信号伝達部92には、湾曲状態から定常状態へと戻ろうとする力が働く。ここで、ドライバIC55は、当該力によって、筺体90により強く押し当てられることになる。そのため、ドライバIC55において発生した熱を、筺体90により伝達しやすくなる。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示したものであり、種々の変形が可能である。以下、主な変形例を示す。
[変形例1]
変形例1では、液体吐出ヘッド300について、図14を参照しながら説明する。図14は、変形例1に係る流路部材4および保護部材330の概略構成を示す図であって、(a)は、吐出孔面4−1側から見た平面図である。(b)は、第1側面4−3a側からみた平面図である。(c)は、第2側面4−3b側から見た平面図である。(d)は、(a
)に示したIV−IV線断面図である。なお、図14において、図9と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、液体吐出ヘッド300は、液体吐出ヘッド2が備える保護部材30に代えて、保護部材330を備えている。
保護部材330は、保護部材30と同様の役割を有する。保護部材330は、第1部位331および第2部位332を有する。第1部位331は、流路部材4の吐出孔面4−1上に位置する部位である。第2部位332は、流路部材4の第1側面4−3aおよび第2側面4−3bに対向する部位である。また、保護部材330は、開口部333をさらに有している。開口部333は、第1部位331から複数の吐出孔8が露出するように設けられている。開口部333は、第1部位331から第2部位332に亘って設けられている。
ここで、図14に示すように、開口部333は、第1開口部333aおよび第2開口部333bを有する。第1開口部333aおよび第2開口部333bは、厚み方向において開口部333を2分割した場合における各部位を指す。具体的には、第1開口部333aは、2分割した開口部333のうち、吐出孔面4−1側に位置する部位である。また、第2開口部333bは、第1開口部333aよりも吐出孔面4−1から遠い側に位置する部位である。
液体吐出ヘッド300では、第1開口部333aの断面視幅は、吐出孔面4−1に近づくにつれて大きくなっている。第2開口部333bの断面視幅は、吐出孔面4−1に近づくにつれて小さくなっている。また、第1開口部333aの厚みは、第2開口部333bの厚みよりも小さい。換言すれば、吐出孔面4−1から第1開口部333aと第2開口部333bとの境界点D1までの最短離間距離は、保護部材300の厚みの1/2以下である。このような構成によれば、開口部333から露出した吐出孔面4−1をワイパーによって拭き取る場合に、当該吐出孔面4−1上に液体が残留してしまったとしても、第2開口部333bの隅に位置する領域E3において当該液体を保持することができる。このため、吐出孔面4−1上に残留した液体が吐出孔8側へ流れることによって吐出精度が低下してしまう可能性を低減することができる。
なお、第1開口部333aは、例えば、保護部材330の一方の面からエッチング処理を施すことによって形成される。第2開口部333bは、例えば、保護部材330の他方の面(一方の面とは反対側に位置する面)からエッチング処理を施すことによって形成される。また、第1開口部333aを形成する際のエッチング条件と第2開口部333bを形成する際のエッチング条件を異なるものとすることで、第1開口部333aの厚みを第2開口部333bの厚みよりも小さくすることができる。
[変形例2]
なお、本明細書は、上記の実施形態および変形例1について個別具体的に説明したが、これに限らず、上記の実施形態および変形例1に個別に記載された事項を適宜組み合わせた例についても記載されているものである。すなわち、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体吐出ヘッド2,300に限定されるものではなく、上記の実施形態および変形例1に個別に記載された事項を適宜組み合わせた液体吐出ヘッドも含む。
また、本実施形態では、液体吐出ヘッド2を備えたプリンタ1について説明したが、本発明に係る記録装置は、これに限定されない。本発明に係る記録装置は、液体吐出ヘッド2に代えて、液体吐出ヘッド300を備えていてもよい。
C1,C2 角部
1 プリンタ(記録装置)
2,300 液体吐出ヘッド
4 流路部材
4−1 吐出孔面(流路部材の主面)
4−2 加圧室面
4−3 側面(流路部材の側面)
4−3a 第1側面
4−3b 第2側面
8 吐出孔
9 吐出孔列
30,330 保護部材
31,331 第1部位
32,332 第2部位
33,333 開口部
333a 第1開口部
333b 第2開口部
120 搬送ユニット(搬送部)
200 板状部材
210 開口部
220 端部
230 凹部

Claims (9)

  1. 主面および該主面に隣接した側面を含み、前記主面に設けられており且つ液体を吐出するための複数の吐出孔を有した流路部材と、
    前記主面上に位置する第1部位、および、前記側面に対向する第2部位を有した保護部材と、を備え、
    前記保護部材は、前記第1部位から複数の前記吐出孔が露出するように設けられた開口部を有しており、
    前記開口部は、前記第1部位から前記第2部に亘って設けられている、液体吐出ヘッド。
  2. 前記側面は、第1側面および該第1側面の反対側に位置する第2側面を含み、
    前記開口部は、前記第1側面側に位置する前記第2部位、前記第1部位、および前記第2側面側に位置する第2部位に亘って設けられている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 第1方向に沿って略列状に配置された複数の前記吐出孔を吐出孔列とするとき、
    前記開口部は、前記第1部位から前記吐出孔列が露出するように前記第1方向に沿って設けられている、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 断面視して、前記第1部位に位置する前記開口部の幅は、前記流路部材の前記主面に近づくにつれて小さくなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記第1部位に位置する前記開口部を前記第1部位の厚み方向において2分割した場合に、前記流路部材の前記主面側に位置する部位を第1開口部とし、該第1開口部よりも前記流路部材の前記主面から遠い側に位置する部位を第2開口部とするとき、
    断面視して、
    前記第1開口部の幅は、前記流路部材の前記主面に近づくにつれて大きくなっており、
    前記第2開口部の幅は、前記流路部材の前記主面に近づくにつれて小さくなっており、
    前記第1開口部の厚みは、前記第2開口部の厚みよりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記流路部材の前記主面上に設けられた撥水膜をさらに備えた、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送部と、を備えた記録装置。
  8. 主面および該主面に隣接した側面を含み、前記主面に設けられており且つ液体を吐出するための複数の吐出孔を有した流路部材と、
    前記主面上に位置する第1部位、および、前記側面に対向する第2部位を有した保護部材と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    開口部を有した保護部材を準備する工程と、
    前記開口部から複数の吐出孔が露出するように、前記保護部材を前記流路部材の前記主面上に設ける工程と、
    前記開口部が前記主面と前記側面とがなす角部を跨いで位置するように、前記保護部材の端部を前記角部よりも外側に配置する工程と、
    前記角部に沿って前記保護部材の前記端部を前記流路部材の前記側面側に折り曲げる工程と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記角部に対応して前記板状部材に凹部を設ける工程をさらに有し、
    前記板状部材の前記端部は、前記凹部に沿って前記流路部材の前記側面側に折り曲げられる、請求項8に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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