JP2015024484A - 刃材固定治具および刃材加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】横形マシニングセンタでプレス型の刃材を加工する場合に段取りに要する時間を低減できる刃材固定治具を提供する。
【解決手段】刃材固定治具10は、横形マシニングセンタ1のパレット2に、プレス型用の刃材Wを、セットするための治具である。この刃材固定治具10は、支持具11と、梁12と、支柱13と、押えボルト14とを備える。支持具11は、プレス型に接合される取付面M1を主軸30に向けた状態で刃材Wの刃部W1を下方から支持する。梁12は、刃材Wの上方に配置される。支柱13は、取付面M1に隣接する両側で梁12の両端をパレット2に連結する。押えボルト14は、梁12から取付面M1に沿って延び刃部W1の背に突き当たり刃材Wをパレット2に向けて押え込む。
【選択図】 図1
【解決手段】刃材固定治具10は、横形マシニングセンタ1のパレット2に、プレス型用の刃材Wを、セットするための治具である。この刃材固定治具10は、支持具11と、梁12と、支柱13と、押えボルト14とを備える。支持具11は、プレス型に接合される取付面M1を主軸30に向けた状態で刃材Wの刃部W1を下方から支持する。梁12は、刃材Wの上方に配置される。支柱13は、取付面M1に隣接する両側で梁12の両端をパレット2に連結する。押えボルト14は、梁12から取付面M1に沿って延び刃部W1の背に突き当たり刃材Wをパレット2に向けて押え込む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プレス加工機に装着される刃材を複数に分割して製造する際に使用される刃材固定治具、およびその治具を使用する刃材加工方法に関する。
フライス加工機によってワークの表面を切削加工する場合、加工定盤の上面に設けられたTスロット溝にボルトやクランプ治具などを装着し、ワークを加工定盤へ固定する。ワークの加工対象となる面が複数ある場合、加工機のヘッドとクランプ治具などとが干渉しないように、必要に応じてボルトやクランプを付け直す、いわゆる「段取り変え」を行う。加工機の可動軸数が少ないほど加工機に合わせてワークをセットしなければならないため、段取り変えが必要になる。
直方体のワークの六面を加工するための加工機が特許文献1に記載されている。この加工機は、ワークを乗せて一方向に往復移動するワーク載置台と、ワーク載置台の移動方向に沿ってワークの上面及び対向する両側面をそれぞれ加工する3つの加工ヘッドとを有している。この加工機によれば、さらに、ワークの表裏面を反転させる反転機構と、水平に90°方向を変える方向転換機構とを備えている。この加工機は、1回の段取りで3面を加工し、反転機構と方向転換機構とでワークの向きを変え、次の段取りで残りの3面を加工することで、全6面の加工を行っている。また、反転機構を介して90°の配置にこの加工機を2台用意し、全6面の加工を行うことも特許文献1に記載されている。
ところで、それぞれの面に対してフライス加工のみを施すのであれば、特許文献1に記載された加工機が適しているかもしれない。しかしながら、ワークに対して孔加工を含めた複合的な加工を施す場合、加工ヘッドが3つあっても同時に加工できるわけではないので、加工機の機能として余分なものになってしまう。1つの加工ヘッドで複数面の加工を少ない段取り変えで行えるようにしたい。
複数の面に対して複合的な加工を施す製品の一例として、車両のボディやフレームを構成する鋼材をプレス加工で成形する場合に使用される金型の刃材がある。刃材は、金型の上型および下型の刃を複数個でそれぞれ構成する。刃材は、鋳造品であり、金型に装着するための取付面、刃材を金型に固定するためのボルト孔、隣り合う刃材との間の継面、などを加工する必要がある。
複合的な加工に適した加工機として、横形マシニングセンタがある。この横形マシニングセンタは、直交三軸制御される水平な主軸と、鉛直軸を中心に回転制御されるパレットとを有している。横形マシニングセンタは、鉛直面に沿うフライス加工、鉛直面に垂直すなわち水平な穴開け加工およびエンドミル加工を行うことができる。
一組の金型に使用される刃材は、すべて形状が異なるため、加工機に対して一つ一つセットしなければならず、また加工面を変えるたびに段取り変えが必要である。このようにワークの形状が多様な場合、汎用の治工具によってワークを固定する。治工具は、通常、加工機のヘッドの負荷を受け止めるため、ワークに対して加工ヘッドの反対側に配置される。このとき、ボルト孔は、貫通した両端面の加工が必要である。横形マシニングセンタでワークを加工する場合にパレットを利用してワークを反転させても、汎用の治工具で固定する場合は必ず、段取り変えが必要になる。
また、刃材は、鋳造によっておおよその概形に形成されている。したがって、実際に切削する量は少なく加工時間も短い。しかしながら、加工の基準面となる部分がないため、まず基準面を加工する必要がある。したがって、刃材を汎用の治工具で固定して加工するための段取りは、基準面を加工するための段取りと、ボルト孔加工のための2回の段取りとで、少なくとも3回の段取りが必要である。段取り回数が多いと、加工機の加工効率が著しく低下する。
そこで、本発明は、横形マシニングセンタでプレス型の刃材を加工する場合に段取りに要する時間を低減できる刃材固定治具を提供する。
本発明に係る一実施形態の刃材固定治具は、鉛直軸を中心に回転するパレットおよび直交三軸制御される水平な主軸を有する横形マシニングセンタのパレットに、少なくとも1つの側部にプレス型用の刃部が形成される刃材を、ワークとしてセットするための治具である。この刃材固定治具は、支持具と、梁と、支柱と、押えボルトとを備える。支持具は、プレス型に接合される取付面を主軸に向けた状態で刃材の刃部を下方から支持する。梁は、刃材の上方に配置される。支柱は、取付面に隣接する両側で梁の両端をパレットに連結する。押えボルトは、梁から取付面に沿って延び刃部の背に突き当てて刃材をパレットに向けて押え込む。
この刃材固定治具において、支柱から刃材の側部に突き当てて刃材を保持する保持ボルトをさらに備えることも好ましい。また、この刃材固定治具において、梁は、刃材の取付面に加工されるボルト穴及び基準ピン孔がそれぞれ配置される基準となるピッチの整数倍のピッチで、押えボルトが取り付けられる複数のネジ穴を有していることも好ましい。
本発明に係る一実施形態の刃材加工方法は、鉛直軸を中心に回転するパレットおよび直交三軸制御される水平な主軸を有する横形マシニングセンタによって、少なくとも1つの側部にプレス型用の刃部が形成される刃材を加工する。刃材は、刃材固定治具によってパレットにセットする。刃材固定治具は、支持具と、梁と、支柱と、抑えボルトとを有している。支持具は、刃材の刃部を下方から支持する。梁は、プレス型に接合される刃材の取付面を主軸に向けた第1の状態の刃材の上方に配置される。支柱は、梁の両端を取付面に隣接する両側でパレットに連結する。押えボルトは、梁から取付面に沿って延び刃部の背に突き当てて刃材をパレットに向けて押え込む。そして、第1の状態で、刃材の取付面と、取付面に垂直な刃部の継面と、を少なくとも加工し、取付面を主軸に対して反対に向けた第2の状態にパレットを反転させ、第2の状態で、ボルト穴の座刳りを少なくとも加工する。
このとき、第1の状態で、取付面を隔てて刃部と反対側に位置するバックアップ面を加工してもよい。
本発明に係る刃材固定治具によれば、横形マシニングセンタのパレットに刃材を一度セットするだけで、段取り変えをせずに、刃材の取付面、刃部の継面、座刳りも含めたボルト穴加工を行える。つまり、この刃材固定治具を使用することで、作業効率及び加工機の稼働効率が向上する。また、刃材は、梁から刃部の背に突き当てられた押えボルトでパレットに固定されているので、刃部の反対側に位置する刃材のバックアップ面も同じ段取りで加工することができる。
支柱から刃材の側部に突き当てて刃材を固定する保持ボルトを備える刃材固定治具によれば、刃部が湾曲している場合や、バックアップ面が加工される場合にこのバックアップ面に対して刃部が平行ではない場合にも安定して刃材を保持することができる。
刃材の取付面に加工されるボルト穴及び基準ピン孔がそれぞれ配置される基準となるピッチの整数倍のピッチで、押えボルトが取り付けられる複数のネジ穴を梁が有している刃材固定治具によれば、ボルト穴及び基準ピン孔のいずれか1つが押えボルトに干渉しないように刃材をセットすれば、すべての押えボルトをボルト穴及び基準ピン孔に対して干渉しないように取り付けることができる。刃材固定治具に対して刃材をセットする際の作業効率が向上する。
また、本発明に係る刃材加工方法によれば、刃材の取付面を横形マシニングセンタの主軸に向けた第1の状態で、刃材の取付面、刃部の継面を少なくとも加工し、刃材固定治具で刃材を固定したパレットごと反転させ、取付面と反対側の面を主軸に向けた第2の状態で、ボルト穴の座刳りを少なくとも加工する。刃材固定治具で刃材をパレット上にセットしたのち段取り変えすることなく、刃材の取付面、刃部の継面、ボルト穴、座刳りの加工を行える。刃材を一度固定した後、段取り変えをしないので、作業員の作業効率及び横形マシニングセンタの稼働効率が向上する。
本発明に係る第1の実施形態の刃材固定治具10について、図1から図11を参照して説明する。刃材固定治具10を横形マシニングセンタ1のパレット2に取り付けて刃材Wをセットした状態を図1に示す。横形マシニングセンタ1は、鉛直軸を中心に回転するパレット2と、直交三軸制御される水平な主軸30とを有する。
パレット2は、上面に沿って平行に配置された複数のT形横スロット21および鉛直軸を横切りT形横スロット21と直交するT形縦スロット22を有している。一般的にワークや治具は、T形横スロット21およびT形縦スロット22を利用してクランプやボルトで固定される。本実施形態において刃材固定治具10は、このT形横スロット21を利用してパレット2に固定される。
主軸30には、正面フライス31(図6参照)、エンドミル32、ドリル33、タップ34、リーマ35などを、回転工具として取り付けられるようになっている。これらの工具は、主軸30を位置決めするマニピュレータ3の側部に設けられた工具マガジン301に保管されており、主軸30の上方に配置された自動工具交換装置302によって交換される。
ここで、刃材固定治具10が保持するワークである刃材Wについて、図2及び図3を用いて説明する。刃材Wは、図2に示すように、プレス加工の型枠であるホルダHに装着され、鋼材を型抜きしたり、さらに型抜きされた一次加工品の外周縁などを折り返したりする工程で使用される。車両のボディやフレームを構成する鋼材をプレス加工で成形する場合の金型は、非常に大きいので、上型の刃および下型の刃は、それぞれ複数の刃材Wで構成される。図2では、ホルダHに取り付けられて刃Bを構成する刃材Wのうちの半分ほどが取り外した状態で図示されている。刃Bを構成する残りの刃材Wも同様にホルダHに取り付けられる。
それぞれの刃材Wは、一般に鋳造製品であり、図3に示すように、ホルダHに装着するための取付面M1、刃材WをホルダHに固定するためのボルト穴M2、このボルト穴M2に通されるボルトの頭が嵌る座刳りM3、刃部W1の両側の端部W2,W3で隣り合う刃材Wとの間の継面M4,M5、刃材WをホルダHに対して位置決めするための基準ピン孔M6、のそれぞれが加工される。上型および下型の刃Bをそれぞれ構成する刃材Wは、それぞれ異なる形状である。
型抜きするための金型であれば、取付面M1に平行な荷重が刃部W1に作用しないので、刃部W1と反対側の端部W4を受け止める必要がない。しかし、型抜きした鋼板の外周縁を曲げるようなプレス加工に利用される金型の場合、取付面M1に平行な荷重が刃部W1に作用する。このとき、鋼板の外周部の曲げ位置の加工精度を維持するために、刃材Wが逃げないよう刃部W1の反対側を精度良く位置決めする必要がある。したがって、曲げ加工をする金型の刃材Wは、取付面M1を隔てて刃部W1と反対側に位置する端部W4をバックアップ面M7として利用するために加工される。
個々に細部の形状が異なる刃材Wを効率よく加工するために、横形マシニングセンタ1のパレット2に取り付けられる刃材固定治具10は、図4及び図5に示すように、支持具11と、梁12と、支柱13と、押えボルト14とを備える。図5は、横形マシニングセンタ1側から見た場合の刃材Wの第1の状態を示し、図4は、横形マシニングセンタ1側から見た場合の刃材Wの第2の状態を示す。第1の状態P1から第2の状態P2にする場合、パレット2を180°回転させるだけである。
支持具11は、プレス型に接合される刃材Wの取付面M1を主軸30に向けた第1の状態P1で刃材Wの刃部W1を下方から支持する。支持具11は、加工中に刃材Wが動かないように刃材Wを安定させて支持できればよいので、刃材Wに対して複数個所、好ましくは3か所で支持できればよい。本実施形態の場合、図4及び図5に示すように、3つの支持具11を配置し、いわゆる三点支持をしている。刃材Wの形状によっては、支持具11を3つ以上配置してもよい。支持具11の頂部111は、三角錐形状であり、加工前の鋳肌である刃部W1に対して滑らないように十分に尖っている。刃材を鋳造する際に、支持具11が当たる部分に受部を設けておいてもよい。パレット2の上面に設置される基部112に対して頂部111は、ねじ113で高さを調整できるように構成されている。なお、ねじ113で高さの調整が可能な複数の頂部111を有し、基部112が一体に連結された1つの支持具11であってもよい。
梁12は、支持具11に支持された刃材Wの上方、この場合、刃材Wの刃部W1の反対側の端部W4よりも高い位置に配置される。梁12は、中央部分に刃材Wに向かって貫通したネジ穴121を複数有している。刃材Wのボルト穴M2及び基準ピン孔M6は、刃材Wの取付加工を標準化するために便宜上設定される特定のピッチに配置される。ネジ穴121は、この特定のピッチの整数倍の位置に設けられる。支柱13は、刃材Wの取付面M1に隣接する両側で梁12の両端122をパレット2に連結する。支柱13の下端131は、刃材Wの取付面M1を貫通する方向に脚部132を有しており、パレット2のT形横スロット21を利用して締結具でパレット2に固定される。
押えボルト14は、梁12のネジ穴121に通され梁12から取付面M1に沿って平行に延び、先端を刃部W1の背に突き当てて刃材Wをパレット2に向けて押え込む。押えボルト14の配置は、梁12のネジ穴121を適宜選択することで、ボルト穴M2及び基準ピン孔M6と同じピッチに配置する。つまり、ボルト穴M2及び基準ピン孔M6の位置に対して半ピッチずらして押えボルト14を配置することで、ボルト穴M2及び基準ピン孔M6を確実に回避した位置に押えボルト14が配置される。押えボルト14が刃部W1の背に対して垂直に当接しない場合、押えボルト14の先端と刃部W1の背との間に受座142を設置する。受座142は、刃部W1の背に対して滑りにくいように加工された底面と、球面に形成されたボルト14の先端に接する球面またはリングと、を有する。
以上のように構成された刃材固定治具10によってパレット2にセットされた刃材Wは、図6に示すように第1の状態において正面フライス31で取付面M1を加工する。次に、工具を自動工具交換装置302でエンドミル32に交換し、図7に示すように第1の状態においてエンドミル32で刃部W1の両側の端部W2,W3の継面M4,M5及び刃部W1と反対側に位置する端部W4のバックアップ面M7を加工する。さらに、工具を自動工具交換装置302でドリル33に交換し、取付面M1を貫通するボルト穴M2及び基準ピン孔M6を加工する。
ボルト穴M2と基準ピン孔M6とは口径が異なるので、工具も異なる口径のドリル33に交換される。取付面M1を加工した後、ボルト穴M2及び基準ピン孔M6を加工するか、継面M4,M5及びバックアップ面M7を加工するかは、どちらが先になってもよい。また、図8に示すように、押えボルト14がボルト穴M2及び基準ピン孔M6を回避したに位置に配置されるので、ボルト穴M2及び基準ピン孔M6を加工する際に押えボルト14が貫通したドリル33に干渉しない。
第1の状態P1で加工できる部位を加工し終わると、図9に示すように、刃材固定治具10に干渉しない位置まで主軸30を移動させ、この実施形態では、上方へ退避させ、パレット2を回転させ、刃材Wを第2の状態P2にする。この間に、上方へ退避させた主軸30の工具を穴開け用のドリル33から座刳り用のリーマ35またはドリル33に交換する。図10に示すように、刃材Wが第2の状態P2になるようにパレット2が回転されると、段取り替えすることなく、ボルト穴M2のそれぞれに座刳りM3を加工する。
刃材Wの刃部W1を下方から支持し、かつ、刃部W1の背に上から押えボルト14を突き当てることによって、刃材固定治具10は、刃材Wを固定する。刃材Wは、刃部W1で保持され、取付面M1を横形マシニングセンタ1の主軸30に向けた状態で、取付面M1、刃部W1の端部W2,W3の継面M4,M5を少なくとも加工され、パレットを回転させたのち反対側からボルト穴M2の座刳りM3を少なくとも加工する。このとき、取付面M1に対して垂直に貫通されるボルト穴M2及び基準ピン孔M6は、座刳りM3を加工する前に、取付面M1側から加工されてもよいし、座刳りM3側から加工されてもよい。穴加工したことによるバリが貫通した側に残ることを考慮すると、取付面M1側からボルト穴M2及び基準ピン孔M6を加工することが好ましい。
以上のように、刃材固定治具10は、横形マシニングセンタ1に対して刃材Wをセットすれば、段取り変えをすることなく、刃部W1を除いて刃材Wに必要な加工を全て行うことができる。
本発明に係る第2の実施形態の刃材固定治具10について、図11を参照して説明する。図11に示す刃材固定治具10は、第1の実施形態の刃材固定治具10に加えて、保持ボルト15を備える。支柱13は、刃材Wの刃部W1の端部W2,W3を、主軸30に取り付けられた工具で加工可能に、刃材Wから十分に離れて配置されている。この支柱13の中央部辺りには、刃材Wに向かって水平方向に貫通したネジ穴133が設けられている。保持ボルト15は、このネジ穴133に通され、支柱13から水平に刃材Wの側部に突き当たることで、水平方向に刃材Wを保持する。
図2に示した金型の刃として角部に位置する刃材Wのように刃部W1の形状が湾曲している刃材Wや、バックアップ面M7を加工する場合にバックアップ面M7に対して刃部W1が平行ではない刃材Wは、保持ボルト15を取り付けることによってしっかりと保持される。
以上のように構成された刃材固定治具10でパレット2に刃材Wが第1の状態P1に固定されると、取付面M1、ボルト穴M2、基準ピン孔M6、継面M4,M5の加工が行われ、刃材Wを第2の状態P2に回転させたのち、座刳りM3の加工が行われる。バックアップ面M7の加工が必要である場合は、刃材Wが第1の状態P1である間に実施する。また、保持ボルト15を装着したことによって刃材Wが第1の状態P1である間に刃部W1の端部W2,W3の継面M4,M5を加工しにくくなる場合、パレット2を回転させて刃材Wを第2の状態P2にして加工する。
第2の実施形態の刃材固定治具10によれば、横形マシニングセンタ1に対して刃材Wをセットすれば、第1の実施形態と同様に、段取り変えをすることなく、刃部W1を除いて刃材Wに必要な加工を全て行うことができる。また、保持ボルト15で水平方向に保持されているので、刃部W1の形状が湾曲している場合や、刃部W1がバックアップ面M7に対して平行ではない場合でも、安定して加工することができる。
第1の実施形態及び第2の実施形態における刃材固定治具10を使用して刃材Wを加工する手順について、図12のフローチャートを参照して説明する。刃材Wを加工する場合、まず、刃部W1を下にして取付面M1となる側を横形マシニングセンタ1に向けた第1の状態P1にして刃材固定治具10にセットする(S1)。主軸30の工具として正面フライス31を選択し、取付面M1を加工する(S2)。
主軸30の工具をボルト穴M2用のドリル33に交換してボルト穴M2を加工し、さらに基準ピン孔M6用のドリル33に交換して基準ピン孔M6を加工する(S3)。基準ピン孔M6は、刃材の位置決めに使用されるので、さらに加工精度を高くするために工具をリーマ35に交換して仕上げ加工を行う。ボルト穴M2と基準ピン孔M6のどちらから加工してもよい。
バックアップ面M7の加工が必要であるか確認(S4)し、必要である場合は、工具をエンドミル32に交換してバックアップ面M7を加工する(S5)。バックアップ面M7の加工が不要である場合は、保持ボルト15が装着されているか否かをあらかじめ入力される情報から判定(S6)する。保持ボルト15が装着されている場合は、さらに刃部W1の継面M4,M5が第1の状態P1で加工できるか否か判定する(S7)。
保持ボルト15が有るか無いかの判定(S6)および主軸30や工具が周囲に干渉することなく刃材の継面M4,M5を加工できるか否かの判定(S7)は、刃材固定治具10を移すカメラを設置し、その画像認識によって判定してもよい。刃材Wを刃材固定治具10にセットするのは作業員であり、セットされる刃材Wも鋳造品である。画像認識によってS6およびS7を判定することで、形状が一つ一つ異なる刃材Wを刃材固定治具10に対して正確に位置決めしてセットしなくてもよくなる。したがって、刃材Wを刃材固定治具10にセットする際に要する段取り時間が短縮され、作業効率が向上する。また、画像認識によってS6およびS7の判定をすることで、新たに有線のセンサを刃材固定治具10やパレット上に設置しなくてもよい。
保持ボルト15にエンドミル32または主軸30が干渉する場合、パレット2を180°回転させて刃材Wを第2の状態P2にする(S8)。保持ボルト15が装着されていない場合、保持ボルト15が装着されていても継面M4,M5を加工できる場合、または、第1の状態P1で継面M4,M5を加工できないのでパレット2を回転させた場合、刃部W1の継面M4,M5をエンドミル32で加工する(S9)。
継面M4,M5の加工が終わると、刃材Wが第2の状態であるか確認する(S10)。S6において保持ボルトが装着されていないと判断した場合、S7において第1の状態P1で継面M4,M5を加工できると判断した場合、刃材Wは、第1の状態P1のままであるので、第2の状態P2ではない場合にパレット2を180°回転させて刃材Wを第2の状態にする(S11)とともに、工具を座刳り用のリーマ35またはドリル33に交換し、ボルト穴M2の座刳りM3を加工する(S12)。また、S7において第1の状態P1で継面M4,M5を加工できないと判断した場合、S8において刃材Wを第2の状態P2にしているので、S10における判定の結果、座刳りM3を加工する(S12)。
以上のように刃材固定治具10を使用して刃材Wを横形マシニングセンタ1で加工する刃材加工方法によれば、刃材Wを刃材固定治具10に最初に固定した後、段取り変えをすることなく刃部W1以外で刃材Wに必要な加工を全て行うことができる。また、段取り替えの必要がないので、刃材Wの取付面M1、ボルト穴M2及びその座刳りM3、刃部W1の継面M4,M5、基準ピン孔M6の加工を無人運転で完了させることができる。さらに、刃部W1に対するバックアップ面M7の加工が必要である場合には、このバックアップ面M7も一連の無人運転の間に加工できる。
1…横形マシニングセンタ、2…パレット、10…刃材固定治具、11…支持具、12…梁、121…ネジ穴、13…支柱、133…ネジ穴、14…押えボルト、15…保持ボルト、30…主軸、W…刃材、M1…取付面、M2…ボルト穴、M3…座刳り、M4,M5…継面、M6…基準ピン孔、M7…バックアップ面。
Claims (5)
- 鉛直軸を中心に回転するパレットおよび直交三軸制御される水平な主軸を有する横形マシニングセンタの前記パレットに、少なくとも1つの側部にプレス型用の刃部が形成される刃材を、ワークとしてセットするための刃材固定治具であって、
前記プレス型に接合される前記刃材の取付面を前記主軸に向けた状態で前記刃材の前記刃部を下方から支持する支持具と、
前記支持具に支持された前記刃材の上方に配置される梁と、
前記取付面に隣接する両側で前記梁の両端を前記パレットに連結する支柱と、
前記梁から前記取付面に沿って延び前記刃部の背に突き当てて前記刃材を前記パレットに向けて押え込む押えボルトと、を備える
ことを特徴とする刃材固定治具。 - 前記支柱から前記刃材の側部に突き当てて前記刃材を保持する保持ボルトをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載された刃材固定治具。 - 前記梁は、前記刃材の前記取付面に加工されるボルト穴及び基準ピン孔がそれぞれ配置される基準となるピッチの整数倍のピッチで、前記押えボルトが取り付けられる複数のネジ穴を有している
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された刃材固定治具。 - 鉛直軸を中心に回転するパレットおよび直交三軸制御される水平な主軸を有する横形マシニングセンタによって、少なくとも1つの側部にプレス型用の刃部が形成される刃材を加工する刃材加工方法において、
前記刃材の前記刃部を下方から支持する支持具と、前記プレス型に接合される前記刃材の取付面を前記主軸に向けた第1の状態の前記刃材の上方に配置される梁と、前記梁の両端を前記取付面に隣接する両側で前記パレットに連結する支柱と、前記梁から前記取付面に沿って延び前記刃部の背に突き当てて前記刃材を前記パレットに向けて押え込む押えボルトと、を有した刃材固定治具で前記パレットにセットし、
前記第1の状態で、前記刃材の前記取付面と、前記取付面に垂直な前記刃部の継面と、を少なくとも加工し、
前記取付面を前記主軸に対して反対に向けた第2の状態に前記パレットを反転させ、
前記第2の状態で、前記ボルト穴の座刳りを少なくとも加工する
ことを特徴とする刃材加工方法。 - 前記取付面を隔てて前記刃部と反対側に位置するバックアップ面を、前記第1の状態で加工する
ことを特徴とする請求項4に記載された刃材加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013156751A JP2015024484A (ja) | 2013-07-29 | 2013-07-29 | 刃材固定治具および刃材加工方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013156751A JP2015024484A (ja) | 2013-07-29 | 2013-07-29 | 刃材固定治具および刃材加工方法 |
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JP (1) | JP2015024484A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101725405B1 (ko) * | 2016-04-04 | 2017-04-11 | 안병표 | 솔 플레이트의 강판부재 측면가공용 고정유닛 |
-
2013
- 2013-07-29 JP JP2013156751A patent/JP2015024484A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101725405B1 (ko) * | 2016-04-04 | 2017-04-11 | 안병표 | 솔 플레이트의 강판부재 측면가공용 고정유닛 |
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