JP2015023046A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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啓之 屋敷
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Abstract

【課題】基板上に液膜を形成してこれを凍結させ、該凍結膜を解凍することにより基板を処理する基板処理装置および基板処理方法において、冷却ガスの流路の詰まりを防止するとともに、凍結膜による基板へのダメージを防止する。
【解決手段】略水平姿勢に保持された基板Wの上面に液体を供給して液膜を形成する液膜形成手段41と、液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の冷却ガスを液膜に対して吐出する冷却ガス吐出ノズル51と、液膜が凍結してなる凍結膜に対して解凍液を吐出する解凍液吐出ノズル52と、加熱された解凍液を配管を介して解凍液吐出ノズルに供給する解凍液供給手段と、退避位置に位置決めされた冷却ガス吐出ノズルおよび解凍液吐出ノズルからそれぞれ吐出される冷却ガスと解凍液とを受け入れて共通の流路に流通させる受け入れ手段59とを備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、基板上に液膜を形成してこれを凍結させ、さらに該凍結膜を解凍することにより基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
基板に付着したパーティクル等の付着物を除去するための洗浄技術として、凍結洗浄技術が研究されている。この技術は、処理対象物である基板の表面に液膜を形成してこれを凍結させ、凍結膜を解凍除去することにより、液体が凍結する際の体積変化を利用して付着物を基板から剥離させるものである。この技術においては、付着物の除去効率をさらに向上させるための提案が従来よりなされている。
例えば特許文献1に記載の技術は、基板上面に沿って走査移動するノズルから基板上の液膜に低温の冷却ガスを供給することで液膜を凍結させるものである。この従来技術では、基板上から退避した待機位置に位置決めされた冷却ガス吐出ノズルから低流量の冷却ガスを継続的に吐出させておくことで、基板上の液膜に対して当初から十分に低温のガスを供給することができるようにしている。このときノズルから吐出されるガスについては排出経路に案内して回収することで、基板の周囲雰囲気内のミストが冷却ガスで冷やされることに起因するウォーターマークの発生を防止している。
特開2012−204559号公報(例えば、図4)
上記従来技術においては、処理に水等の液体が使用されることで基板周囲が高湿度雰囲気となっており、冷却ガスを排出する流路に入り込んだ液体成分が冷却ガスの流通により凍結し流路を詰まらせるおそれがある。また、液膜が凍結してなる凍結膜を解凍除去するに際しては常温のリンス液を基板に供給しているため、凍結膜が短時間で解凍されず、部分的に残った凍結膜が基板上を移動して基板にダメージを与えるおそれがある。しかしながら、上記従来技術ではこれらの問題への対応がなされていなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板上に液膜を形成してこれを凍結させ、該凍結膜を解凍することにより基板を処理する基板処理装置および基板処理方法において、冷却ガスの流路の詰まりを防止するとともに、凍結膜による基板へのダメージを防止することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理装置の一の態様は、上記目的を達成するため、基板を略水平姿勢に保持する基板保持手段と、前記基板保持手段により保持された前記基板の上面に液体を供給して液膜を形成する液膜形成手段と、前記基板保持手段に保持された前記基板の上面に対向する対向位置と前記基板の上面から側方に退避した退避位置との間で移動可能に構成され、前記液膜を構成する前記液体の凝固点よりも低温の冷却ガスを前記液膜に対して吐出する冷却ガス吐出ノズルと、前記基板保持手段に保持された前記基板の上面に対向する対向位置と前記基板の上面から側方に退避した退避位置との間で移動可能に構成され、前記液膜が凍結してなる凍結膜に対して解凍液を吐出する解凍液吐出ノズルと、加熱された前記解凍液を配管を介して前記解凍液吐出ノズルに供給する解凍液供給手段と、それぞれの退避位置において前記冷却ガス吐出ノズルおよび前記解凍液吐出ノズルからそれぞれ吐出される前記冷却ガスと前記解凍液とを受け入れて共通の流路に流通させる受け入れ手段とを備えている。
また、この発明にかかる基板処理方法は、上記目的を達成するため、基板を略水平姿勢に保持する保持工程と、前記基板の上面に液体を供給して液膜を形成する液膜形成工程と、前記基板の上面に対向位置決めした冷却ガス吐出ノズルから、前記液膜を構成する前記液体の凝固点よりも低温の冷却ガスを吐出させて前記液膜を凍結させる凍結工程と、前記基板の上面に対向位置決めした解凍液吐出ノズルから、解凍液供給手段から配管を介して供給される加熱された前記解凍液を吐出させて前記液膜が凍結してなる凍結膜を解凍する解凍工程とを備え、前記凍結工程に先立って、前記基板の上面から側方に退避した退避位置に位置決めした前記冷却ガス吐出ノズルから前記冷却ガスを吐出させておく一方、前記解凍工程に先立って、前記基板の上面から側方に退避した退避位置に位置決めした前記解凍液吐出ノズルから前記配管内の前記解凍液を吐出させ、しかも、それぞれの退避位置において前記冷却ガス吐出ノズルおよび前記解凍液吐出ノズルからそれぞれ吐出される前記冷却ガスと前記解凍液とを共通の流路に流通させる。
これらの発明では、解凍液供給手段から供給される加熱された解凍液を、基板上面との対向位置に位置決めされた解凍液吐出ノズルから凍結膜に対し吐出することで、凍結膜を短時間で解凍除去することができる。このとき、解凍液供給手段から解凍液吐出ノズルに至る配管内に温度の低下した解凍液が残存している可能性があり、このように温度の低下した解凍液が凍結膜に供給されると解凍の進行が遅滞し、部分的に残った凍結膜が基板にダメージを与えるおそれがある。本発明では、予め退避位置で配管内の解凍液を吐出させてから、解凍液吐出ノズルを基板上面との対向位置に位置決めし凍結膜への解凍液の供給を行うことが可能であり、これにより当初から十分に高温の解凍液を供給して凍結膜を急速に解凍することができるので、基板へのダメージを防止しながら処理を行うことが可能である。
一方、液膜を凍結させるための冷却ガスについても、液膜に向けた吐出に先立って退避位置にある冷却ガス吐出ノズルから吐出させておくことが可能であり、こうすることによって、冷却ガス吐出ノズルに至る流通経路内での冷却ガスの温度上昇を抑えて、当初から十分に低温の冷却ガスを液膜に供給して液膜を短時間で凍結させることができる。この場合、前述したように、退避位置において冷却ガス吐出ノズルから吐出される冷却ガスの流路が液体成分の凍結により詰まってしまうおそれがあるが、同じ流路に解凍液を流通させることで、このような流路の詰まりを防止または解消することが可能である。
このように、本発明では、退避位置において冷却ガス吐出ノズルから予め冷却ガスを吐出させておくことで基板上の液膜を短時間で凍結させることができる。また、退避位置において解凍液吐出ノズルから予め解凍液を吐出させておくことで、当初より高温の解凍液を凍結膜に供給して凍結膜を急速に解凍することができるので、部分的に残った凍結膜による基板へのダメージを防止することができる。そして、それぞれの退避位置において冷却ガス吐出ノズルおよび解凍液吐出ノズルから吐出される冷却ガスおよび解凍液を共通の流路に流通させることで、流路の詰まりをも防止することができる。
なお本発明において、冷却ガス吐出ノズルの「退避位置」と解凍液吐出ノズルの「退避位置」とが同一の位置を指し示すものではない。すなわち、冷却ガス吐出ノズルに対応する退避位置と、解凍液吐出ノズルに対応する退避位置とは、それぞれ個別に設定可能なものである。
この発明によれば、基板上の液膜に対し冷却ガスを吐出するのに先立って退避位置で冷却ガス吐出ノズルから冷却ガスを吐出させることで、液膜に対し当初より十分に低温の冷却ガスを供給して、液膜を短時間で凍結させることができる。また、凍結膜の解凍に先立って退避位置で解凍液吐出ノズルから解凍液を吐出させることで、配管内の温度が低下した解凍液を排出して、凍結膜に対し当初より十分に高温の解凍液を供給して、凍結膜を急速に解凍することができる。これにより、基板へのダメージが防止される。そして、退避位置において吐出される冷却ガスと解凍液とを共通の流路に流通させることで、流路内で液体が凍結することに起因する詰まりを防止することができる。
本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を模式的に示す側面図である。 図1の基板処理装置の各ノズルの配置および移動態様を示す平面図である。 基板洗浄処理の一例を示すフローチャートである。 基板洗浄処理における各部の動作を模式的に示す図である。 基板洗浄処理における各部の動作を模式的に示す図である。 解凍液の温度および流量と基板ダメージとの関係を示す図である。 高温DIW吐出ノズルから吐出される解凍液の温度変化を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第1の変形例の主要構成を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第2の変形例の主要構成を示す図である。
図1は本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を模式的に示す側面図であり、図2は図1の基板処理装置の各ノズルの配置および移動態様を示す平面図である。この基板処理装置1は、半導体ウエハ等の基板Wの表面(パターン形成面)Wfに付着しているパーティクル等の付着物を除去するための基板洗浄処理を実行可能な枚葉式の基板洗浄装置として機能する。より具体的には、この基板処理装置1は、基板Wの表面Wfに液膜を形成してこれを凍結させた後に凍結膜を除去することで、基板Wに付着した付着物を凍結膜とともに除去する凍結洗浄処理を基板洗浄処理として実行する。
基板処理装置1は、基板Wに対して洗浄処理を施す処理空間SPをその内部に有する処理チャンバー10を備え、処理チャンバー10内に基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平に保持して回転させるスピンチャック20が配設されている。そして、スピンチャック20に保持された基板Wに対して、後述する一連の基板処理が実行される。
処理チャンバー10の上面の中央部には、処理チャンバー10の内部の処理空間SPへ清浄な気体を供給するFFU(ファンフィルタユニット:fun filter unit)11が設けられている。FFU11は、ファン111によって処理チャンバー10の外部雰囲気を取り込み、内蔵されたフィルタ(図示省略)により雰囲気中の微粒子等を捕集し清浄化した上で処理空間SP内へ供給する。したがって、処理空間SPが清浄雰囲気に保たれるとともに、処理空間SPの上方から下方へ向かう気流(ダウンフロー)が生成される。これにより、基板洗浄処理中に発生する液体の飛沫やミスト等は処理空間SPの下方へ押し流され、これらが基板Wに付着することが抑制される。FFU11の動作はFFU制御部14によって制御され、例えば、FFU制御部14がファン111の回転数を制御することで、FFU11を介して処理空間SPに供給される気体の流量や流速を変化させることができる。
処理空間SP内に配設されたスピンチャック20は、その上端部に円盤状のスピンベース21を有している。スピンベース21は基板Wと同等またはこれより少し大きい直径を有しており、その周縁部には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン22が設けられている。チャックピン22のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面に当接して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン22が基板Wを下方および側方から保持することにより、基板Wはスピンベース21の上面から離間した状態で略水平姿勢に保持される。チャック回転機構23は、スピンベース21を回転させることができるとともに、その回転速度を変更することができる。したがって、チャック回転機構23がスピンベース21を適当な回転速度で回転させることにより、基板Wをスピンベース21の回転中心A0を中心に所望の回転速度で回転させることができる。
処理チャンバー10の内部には、スピンチャック20に保持された基板Wに対して後述の各処理を実行するために、複数種類のノズル、すなわちフッ酸等の薬液を吐出する薬液吐出ノズル31、DIW(脱イオン水:deionized water)等のリンス液を吐出するリンス液吐出ノズル32、低温のDIWを吐出する低温DIW吐出ノズル41、低温の窒素ガスを吐出する冷却ガス吐出ノズル51、および高温のDIWを吐出する高温DIW吐出ノズル52が設けられている。以下、各ノズルに関わる構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、各ノズルを支持するアームと各ノズルに流体を供給する配管とを別体としているが、各配管はアーム内またはアームと一体的に設けられてもよい。
薬液吐出ノズル31は、処理液供給部38から供給される薬液を吐出することで、基板Wに対して薬液処理を行うことができる。また、リンス液吐出ノズル32は、処理液供給部38から供給されるリンス液を吐出することで、基板Wに対してリンス処理を行うことができる。
薬液吐出ノズル31およびリンス液吐出ノズル32は、略水平方向に一体移動可能に設けられている。具体的には、薬液吐出ノズル31およびリンス液吐出ノズル32は共通のノズル取付部33を介して、それぞれ略水平方向に延設されたアーム34、35(図2)の先端部に取り付けられている。アーム34、35は略平行に設けられており、アーム34、35の基端部はともに略鉛直方向に延設された回動軸36に接続されている。アーム回動機構37が回動軸36を回転中心A1を中心に回転させることで、図2に示すように、薬液吐出ノズル31およびリンス液吐出ノズル32が、基板Wに対向する対向位置P11と基板Wの上方から側方に退避した退避位置P12との間で、回転中心A1を中心に一体的に移動可能となっている。そして、対向位置P11にある薬液吐出ノズル31から下向きに薬液が吐出されることで基板表面Wfに対して薬液処理が実行され、対向位置P11にあるリンス液吐出ノズル32から下向きにリンス液が吐出されることで基板表面Wfに対してリンス処理が実行される。なお、薬液吐出ノズル31およびリンス液吐出ノズル32は、基板Wと対向する任意の位置に位置決め可能であり、図2に示す対向位置P11はその一例を示すものである。
低温DIW吐出ノズル41には、DIW供給部91から供給される常温のDIWを熱交換器92で冷却して生成された低温のDIW(以下、「低温DIW」と称する)が配管411を介して供給される。そして、低温DIW吐出ノズル41から吐出された低温DIWが基板表面Wfに供給されることで、基板表面Wfに低温DIWからなる液膜を形成することができる。
低温DIW吐出ノズル41は、スピンチャック20により保持された基板Wの上方から側方に外れた位置、より具体的には後述するスプラッシュガード60のポート61の上面部612の上方位置にて支持部材42(図2)により固定支持されている。低温DIW吐出ノズル41の固定位置は、上述した可動式の薬液吐出ノズル31やリンス液吐出ノズル32、および後述する可動式の冷却ガス吐出ノズル51や高温DIW吐出ノズル52、さらにはこれらのノズルを支持するアーム34、35、53、54の移動軌跡とは交差しない位置となっている。
低温DIW吐出ノズル41は、その吐出口41aが基板Wの回転中心A0の方向に向けて配設されている。低温DIW吐出ノズル41の下方には、吐出口41aから落下する低温DIWを受けるための受け部材43が設けられている。より詳細には、受け部材43は上部が開口した凹状となっており、吐出口41aから落下する低温DIWは受け部材43で受け止められる。そして、受け部材43によって受け止められた低温DIWは、配管431を介して処理チャンバ10外へ排出され、気液回収部45にて回収される。
低温DIW吐出ノズル41からの低温DIWの吐出流量は変更可能となっており、吐出口41aから吐出された低温DIWが基板表面Wfに到達する程度の比較的多い流量(以下、「液膜形成用流量」と称する)とした場合には、基板表面Wfの略中心に低温DIWが供給されて、基板表面Wfに低温DIWからなる液膜を形成する液膜形成処理が実行される。一方、低温DIWの吐出流量を液膜形成用流量よりも少なく、吐出口41aから吐出された低温DIWが基板表面Wfに到達せずに全て受け部材43に落下するような流量(以下、「スローリーク用流量」と称する)とすることで、低温DIWを基板表面Wfに供給しない態様で吐出口41aから吐出するスローリーク処理を実行することができる。スローリーク処理を液膜形成処理前に実行することで、熱交換器92から低温DIW吐出ノズル41に至る配管411内および低温DIW吐出ノズル41内で低温DIWが滞留して温度が上昇することを抑制し、液膜形成処理の初期から十分に低温のDIWを基板表面Wfに供給することができる。なお、低温DIWの液温については、液膜を短時間で凍結させることを可能にするために、DIWの凝固点よりもわずかに高い温度としておくことが好ましい。
冷却ガス吐出ノズル51は、窒素ガス供給部57から供給される窒素ガスを熱交換器58で冷却して生成された低温の窒素ガス(以下、「冷却ガス」と称する)を吐出する。冷却ガスはDIWの凝固点よりも低温に冷却されており、基板表面Wfに形成した液膜に向けて冷却ガスを吐出することで、液膜を凍結させて凍結膜を形成する凍結処理を実行することができる。また、高温DIW吐出ノズル52には、DIW供給部91から供給される常温のDIWを加熱器93で加熱して生成された高温のDIW(以下、「高温DIW」と称する)が配管521を介して供給される。そして、基板表面Wfに形成された凍結膜に向けて高温DIWを吐出することで、凍結膜を解凍する解凍処理を実行することができる。
冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52は、略水平方向に一体移動可能に設けられている。具体的には、冷却ガス吐出ノズル51は略水平方向に延設されたアーム53の先端部に取り付けられており、アーム53の基端部が略鉛直方向に延設された回動軸55に接続されている。また、高温DIW吐出ノズル52はアーム53と略平行に延設されたアーム54の先端部に取り付けられており、アーム54の基端部はアーム53と同様に回動軸55に接続されている。アーム回動機構56が回動軸55を回転中心A2を中心に回転させることで、図2に示すように、冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52が、基板Wに対向する対向位置P21と基板Wの上方から側方に退避した退避位置P22との間で、回転中心A2を中心に一体的に移動可能となっている。なお、冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52は、基板Wと対向する任意の位置に位置決め可能であり、図2に示す対向位置P21はその一例を示すものである。
凍結処理の際には、冷却ガス吐出ノズル51が液膜形成後の基板Wの周縁部の上方と基板Wの中心近傍の上方との間を移動しつつ下向きに冷却ガスを吐出することで液膜が凍結する。その後、高温DIW吐出ノズル52が基板Wの略中心の上方に位置決めされた状態で下向きに高温DIWを吐出することで解凍処理が実行される。このように高温DIWが基板上の液膜が凍結してなる凍結膜に供給されることで、凍結膜を短時間で解凍することができる。また、冷却ガス吐出ノズル51と高温DIW吐出ノズル52とが一体的に移動することで、液膜の凍結から解凍に至る処理時間を短くすることができる。
冷却ガス吐出ノズル51からの冷却ガスの吐出流量は、必要に応じて変更可能となっている。凍結処理の際には、吐出流量を比較的多い流量(以下、「凍結用流量」と称する)とすることで、基板表面Wfに形成された液膜に多量の冷却ガスを供給して液膜を凍結させる。一方、冷却ガスの吐出流量を、凍結用流量よりも少ない流量(以下、「スローリーク用流量」と称する)とすることで、冷却ガス吐出ノズル51から低流量の冷却ガスを吐出するスローリーク処理を実行することができる。スローリーク処理を凍結処理前に実行することで、熱交換器58から冷却ガス吐出ノズル51に至る配管511内および冷却ガス吐出ノズル51内で冷却ガスが滞留して温度が上昇することを抑制し、凍結処理の初期から十分に低温の冷却ガスを液膜に供給して、速やかに液膜を凍結させることができる。
ここで、スローリーク処理の際に冷却ガス吐出ノズル51から吐出された冷却ガスが、基板表面Wfに存在している薬液やリンス液等の処理液の一部を部分的に凍結させてしまうと、これらの凍結片により基板表面Wfに形成されているパターンがダメージを受けるおそれがある。また、処理空間SP内に放出された冷却ガスにより雰囲気中の水蒸気が凝結し基板Wに付着するおそれがある。そのため、スローリーク処理において冷却ガス吐出ノズル51から吐出される冷却ガスを回収する必要がある。この目的のために、退避位置P22に位置決めされた冷却ガス吐出ノズル51の下方には、スローリーク処理で吐出される冷却ガスを受け入れる受入部材59が設けられている。受入部材59は上部が開口した凹状となっており、開口を通じて受入部材59に流入する冷却ガスは、配管591を介して受入部材59と接続されている気液回収部45にて回収される。
なお、受入部材59は、退避位置P22に位置決めされた高温DIW吐出ノズル52から吐出される高温DIWも受け入れることができるように配設されている。具体的には、受入部材59の上部に設けられた開口が、退避位置P22に位置決めされた高温DIW吐出ノズル52の直下位置を含むように設けられている。後述するように、退避位置P22にある高温DIW吐出ノズル52から高温DIWを吐出するプリディスペンスを実行すると、吐出された高温DIWは受入部材59に流入し、冷却ガスと同じ配管591を介して気液回収部45にて回収される。プリディスペンスは、加熱器93から高温DIW吐出ノズル52に至る配管521内および高温DIW吐出ノズル52内で滞留して温度が低下した高温DIWを予め排出しておくことで、解凍処理の初期から十分に高温のDIWを凍結膜に供給して速やかに凍結膜を解凍するために行われる。
また、基板処理装置1には、スピンチャック20の側方周囲を取り囲むように、基板Wに供給されて落下する液体を受け止めるためのスプラッシュガード60が設けられている。より詳しくは、スプラッシュガード60は、スピンベース21を取り囲んで設けられ基板Wから振り切られる液滴を受け止めるポート61と、ポート61の内側面に沿って流下する液体を受けるカップ62と、ポート61およびカップ62を内部に収容する排気リング63とを備えている。スピンチャック20はこれらの各部材により囲まれた内部空間に配置されている。
ポート61の側壁611は基板回転中心A0と略同軸の円筒状に、また上面部612は内側に向けてせり出す鍔状に形成されている。換言すると、上面部612は側壁611の上端部から中央に向かってわずかに上方に延びており、中央部分にはスピンベース21の直径よりわずかに大きい開口径を有する回転中心A0と略同軸の開口613が設けられている。ポート61はポート昇降機構64により昇降可能となっており、図1に実線で示す下位置では開口面がスピンベース21の上面よりわずかに下がった位置となって基板Wの側面を処理空間SP内に露出させる。一方、図1に点線で示す上位置では、開口面がスピンベース21に保持された基板Wの上面よりも上方に位置し、これにより基板Wの側面がポート61の側壁611に囲まれる。基板Wに各種の処理液が供給されるときには、ポート61が上位置に位置決めされて基板Wの周縁部から振り切られる液体を受け止める。ポート61の内壁面に沿って流下する液体は、ポート61の側壁611の下方に設けられて上部が開口するカップ62に落下し、カップ62から廃液回収部65に回収される。
ポート61およびカップ62により形成される内部空間には高濃度の薬液蒸気が充満するため、これを排気するために排気リング63が設けられている。排気リング63はポート61およびカップ62を取り囲むように配置され、排気リング63の下方には処理チャンバー10の外部まで延びる排気管12が連通している。排気管12は排気ポンプ13に接続されており、排気リング63内の気体が排気ポンプ13により排気される。したがって、ポート61上部の開口613から処理空間SP内の清浄雰囲気が取り込まれ、ポート61とカップ62との隙間を通って排気リング63を介し外部へ流れ出す気流が生成される。これにより、スプラッシュガード60の内部空間に発生する薬液蒸気やミスト等が処理空間SPに流れ出すことが抑制される。
以上のように構成された基板処理装置1を用いて実行される基板洗浄処理の流れについて説明する。図3は基板洗浄処理の一例を示すフローチャートであり、図4および図5は基板洗浄処理における各部の動作を模式的に示す図である。基板処理装置1では、処理チャンバー10内に搬入された未処理の基板Wが、その表面Wfを上方に向けた状態でスピンチャック20により保持されて洗浄処理が実行される。また、洗浄処理中は、チャック回転機構23がスピンベース21とともに基板Wを各処理に応じた所定の回転速度で適宜回転させる。スプラッシュガード60のポート61は上位置に位置決めされる。
洗浄処理が開始されると、まず低温DIW吐出ノズル41の吐出口41aからスローリーク用流量(例えば0.1L/min)で低温DIWを吐出するスローリーク処理、および退避位置P22にある冷却ガス吐出ノズル51からスローリーク用流量(例えば10L/min)で冷却ガスを吐出するスローリーク処理が開始される(ステップS101、図4(a))。低温DIWのスローリーク処理を実行している間、低温DIW吐出ノズル41の吐出口41aから比較的低流量で吐出された低温DIWは、基板Wまで到達せずに受け部材43によって受け止められ、最終的に気液回収部45で回収される。同様に、冷却ガスのスローリーク処理を実行している間、冷却ガス吐出ノズル51から吐出された冷却ガスは受入部材59に流入し、最終的に気液回収部45で回収される。
低温DIWおよび冷却ガスをそれぞれのスローリーク用流量で吐出させたまま、続いてチャック回転機構23により基板Wを例えば800rpmで回転させた状態で、薬液処理およびリンス処理が実行される(ステップS102、103)。まず、アーム回動機構37によって基板Wの略中心の上方に位置決めされた薬液吐出ノズル31から基板表面Wfへ向けて薬液を吐出することで薬液処理が実行される。薬液処理が終わると、引き続き、アーム回動機構37によって基板Wの略中心の上方に位置決めされたリンス液吐出ノズル32から基板表面Wfへ向けてリンス液を吐出してリンス処理が実行される。
リンス処理が終わると、チャック回転機構23により基板Wの回転速度を例えば150rpmに低下させるとともに、低温DIW吐出ノズル41の吐出口41aからの低温DIWの吐出流量をスローリーク流量から液膜形成用流量(例えば1.5L/min)に増加させて液膜形成処理を実行する(ステップS104、図4(b))。低温DIWの吐出流量を液膜形成用流量に増加させることで、低温DIW吐出ノズル41の吐出口41aから吐出される低温DIWを基板表面Wfの中央部に到達させて、基板表面Wfに低温DIWを供給し液膜LPを形成する。
そして、基板表面Wfに供給された低温DIWが遠心力により基板Wの中央部から周辺部へと広がり、低温DIWからなる液膜LPの形成範囲が拡大する。このとき、基板Wの回転速度を低下させていることで、基板表面Wfに供給された低温DIWが過度の遠心力によって基板表面Wfから振り切られることを抑制し、効率的に液膜LPを形成することができる。基板表面Wfの全面に液膜LPが形成されて液膜形成処理が完了すると、低温DIWの吐出流量をスローリーク用流量に戻して、スローリーク処理を再開する(ステップS105)。このように、液膜形成処理の実行時以外に低温DIWのスローリーク処理を実行しておくことで、低温DIW吐出ノズル41に至る配管411内および低温DIW吐出ノズル41内で低温DIWが滞留して暖められることを抑制し、液膜形成処理の初期から温度上昇が抑制された十分に低温のDIWを供給することができる。
液膜形成処理が終了するよりも前に、並行して退避位置P22にある高温DIW吐出ノズル52から所定量の高温DIWを吐出するプリディスペンスを行う(ステップS121、図4(b))。このプリディスペンスは、加熱器93から高温DIW吐出ノズル52へと至る配管521内において滞留して周辺雰囲気により冷やされた高温DIWを配管521内から排出する処理である。プリディスペンスを行うことで、後の解凍処理では高温DIW吐出ノズル52から当初より十分に高温のDIWが吐出される。プリディスペンスにおけるDIWの排出量は、加熱器93よりも下流側の配管521および高温DIW吐出ノズル52の内容積以上とされる。なお、プリディスペンスにより高温DIW吐出ノズル52から吐出された高温DIWは受入部材59によって受けられ、最終的に気液回収部45で回収される。
プリディスペンスを終えると、アーム回動機構56が冷却ガス吐出ノズル51を退避位置P22から基板Wの中心近傍上方に向けて移動させる。そして、液膜形成処理が終了した時点、換言すると低温DIW吐出ノズル41からの吐出流量が液膜形成用流量からスローリーク用流量に戻されて基板表面Wfへの低温DIWの供給がなくなった時点において、ポート61を下位置へ移動させて基板Wを露出させるとともに、冷却ガス吐出ノズル51を基板Wの中心近傍に対向させた状態とする(ステップS122、図4(c))。液膜形成と並行して冷却ガス吐出ノズル51の移動を行うことで、基板表面Wfの全面に液膜LPが形成された後、直ちに冷却ガス吐出ノズル51から液膜LPに向けて冷却ガスを吐出することができる。これにより液膜LPの温度上昇を抑制するとともに、処理時間の短縮を図ることができる。
なお、ステップS122にて冷却ガス吐出ノズル51の移動を開始する際には、冷却ガスの吐出流量をスローリーク流量から凍結用流量(例えば90L/min)へと増加させる。こうすることで、冷却ガス吐出ノズル51が退避位置P22から基板Wの中心近傍上方へ向けて移動している過程においても、液膜LPに凍結用流量の冷却ガスを供給することができ、液膜LPの冷却を行うことができる。また、冷却ガス吐出ノズル51を移動し始めるまでは冷却ガスのスローリーク処理が行われているので、凍結用流量で吐出される冷却ガスを最初から十分に低温とすることができる。
冷却ガス吐出ノズル51が基板Wの中心近くまで到達すると、チャック回転機構23により基板Wを回転速度を例えば50rpmに低下させる。そして、当該回転速度で基板Wを回転させた状態で、アーム回動機構56が冷却ガス吐出ノズル51を基板Wの上面に沿って基板Wの中心近傍上方から基板Wの周縁部上方に向けて移動させ、その間、冷却ガス吐出ノズル51は基板表面Wfの液膜LPへ向けて凍結用流量で冷却ガスを吐出する。こうして、液膜LPを凍結させて凍結膜FLを形成する凍結処理が実行される(ステップS106、図5(a))。液膜LPは、冷却ガス吐出ノズル51の移動に伴い基板中心から周縁部に向けて順次凍結し、最終的に基板表面Wf全体に凍結膜FLが形成される。冷却ガス吐出ノズル51が基板周縁部まで到達すると、冷却ガスの吐出が停止され(ステップS107)、スプラッシュガード60のポート61は上位置に戻される。
次に、アーム回動機構56が高温DIW吐出ノズル52を基板Wの略中心上方に位置決めし、高温DIW吐出ノズル52から基板表面Wfの凍結膜FLへ向けて高温DIWを吐出する。これにより凍結膜を高温DIWにより解凍する解凍処理が実行される(ステップS108、図5(b))。なお、解凍処理では、チャック回転機構23により基板Wの回転速度を例えば2000rpmに増大させることで、解凍された凍結膜を付着物とともに基板表面Wfから大きな遠心力で除去することができる。退避位置P22において予めプリディスペンスが行われているため、高温DIW吐出ノズル52から当初より高温のDIWを吐出することが可能である。解凍処理が終わると、高温DIW吐出ノズル52からの高温DIWの吐出を停止し(ステップS109)、アーム回動機構56により冷却ガス吐出ノズル51を退避位置P22に退避させてから、冷却ガスのスローリーク処理を再開する(ステップS110)。
その後、アーム回動機構37により、リンス液吐出ノズル32を退避位置P12から対向位置P11へ移動させる。そして、基板Wの略中心上方に位置決めされたリンス液吐出ノズル32から基板表面Wfへ向けてリンス液を吐出してリンス処理が実行される(ステップS111)。最後に、基板Wへのリンス液の供給を停止してからリンス液吐出ノズル32を退避位置P12に退避させた後、チャック回転機構23により基板Wの回転速度を例えば2500rpmに増大させてスピン乾燥を実行することで(ステップS112)、一連の洗浄処理が終了する。
以上のように、この実施形態では、洗浄対象たる基板Wの表面Wfに液膜を形成してこれを凍結させ、凍結膜を解凍除去することにより、基板Wに付着するパーティクル等の付着物を除去する。処理のスループットを向上させるために、この実施形態では、
(1)基板Wに低温DIWを供給して液膜を形成する、
(2)低温DIWの供給終了時点で、冷却ガス吐出ノズル51を基板W上の対向位置に配置しておく、
(3)凍結膜に対して高温DIWを供給することで、凍結膜を急速に解凍する、
(4)低温DIW、冷却ガス、高温DIWの各流体については、基板Wへの供給に先立ってノズルから吐出させておくことで、吐出の初期段階から所望温度の流体が吐出されるようにする、
との構成を採っている。このうち(3)の構成は、単に洗浄処理のスループットを向上させるためだけではなく、以下に説明するように良好な洗浄結果を得ることにも寄与している。
図6は解凍液の温度および流量と洗浄後の基板に残るダメージとの関係を示す図である。より詳しくは、基板Wに形成した液膜を凍結させた後、該凍結膜に供給する解凍液としてのDIWの液温および流量を変化させたときの、洗浄後に基板Wに残るダメージの個数を計測した結果の例を示す図である。図から明らかなように、同じ流量では液温が25℃のときよりも80℃のときの方がダメージが少なく、また同じ液温では流量が多い方がダメージが少なかった。
本願発明者らの知見によると、このようなダメージは、基板W上で部分的に解凍された凝固膜の断片が解凍液とともに基板Wに沿って流れるときに基板表面Wfを摺擦することによって生じるものと考えられる。すなわち、基板Wに供給される解凍液の温度が低いあるいは流量が小さいときには、基板W上の凍結膜の全体を解凍するだけの熱量を凝固膜に与えることができず、部分的に残った凝固膜の断片が基板表面Wfを摺擦しながら移動することで基板表面Wfにダメージを与える。これに対し、解凍液の液温が高温であるか、また流量が十分に大きいときには、凝固膜が一気に解凍されるため、その断片による基板Wのダメージが抑制される。このため、この実施形態では、基板W上の液膜が凍結してなる凍結膜を除去するための解凍液として、約80℃の高温DIWを用いている。
高温DIWは、DIW供給部91から供給される常温のDIWが加熱器93により加熱されることにより生成される。加熱器93から送出される高温DIWは、解凍処理において、配管521を経由して高温DIW吐出ノズル52から基板Wに向けて吐出される。基板Wへの吐出を開始する前、配管521および高温DIW吐出ノズル52の内部には滞留して温度の低下した解凍液が残留している。このように温度の低下した解凍液が解凍処理の初期に基板W上の凍結膜に供給されてしまうと、上記したように凍結膜の不十分な解凍に起因するダメージが基板に発生するおそれがある。
この問題を解消するために、この実施形態では、高温DIW吐出ノズル52を基板Wとの対向位置に位置決めし解凍液を吐出させて解凍処理を行うのに先立って、退避位置P22にある高温DIW吐出ノズル52から所定量の解凍液を排出するプリディスペンスを行う(図3のステップS121)。こうすることで、配管521から高温DIW吐出ノズル52に至る流通経路の内部で滞留し温度の低下した解凍液を予め排出して、流通経路内の液体を新たに加熱器93から送出された高温DIWに置換することができる。そのため、高温DIW吐出ノズル52を基板Wの中心上方に位置させて解凍処理を行うとき、その初期段階から十分な熱量を有する高温DIWを基板W上の凍結膜に対して供給することができる。これにより、基板W上の凍結膜は短時間で一気に解凍され、解凍されずに残った凍結膜の断片が基板Wにダメージを与えることが防止される。
プリディスペンスにおいて排出される解凍液の量(体積)は、加熱器93から高温DIW吐出ノズル52に至る解凍液の流通経路の内容積以上とされる。これにより、流通経路内に残留していた温度の低下した解凍液は全て排出され、新たに加熱器93から送出された高温DIWによって全て置換される。
低温DIW吐出ノズル41または冷却ガス吐出ノズル51においては、低流量の低温DIWまたは冷却ガスを常時ノズルから吐出させるスローリーク処理を実行しておくことで、これらのノズルから吐出される流体の温度上昇を抑制することが可能である。一方、高温DIW吐出ノズル52については、冷却ガス吐出ノズル51から冷却ガスを吐出して基板W上の液膜を凍結させる間、高温DIW吐出ノズル52からの解凍液の吐出を停止させておく必要がある。例えば高温DIW吐出ノズル52を退避位置P22から基板Wの回転中心A0の直上へ移動させる際など、解凍処理の実行時以外にも高温DIWが吐出されていると、凍結膜を部分的に融解させてダメージの原因となったり、凍結洗浄の効果が損なわれるなどのおそれがあるからである。また、基板Wおよびその周辺部材の温度を上昇させてしまい、処理に要する時間を増大させてしまう可能性がある。
これらの問題に鑑み、この実施形態のプリディスペンスでは、凍結処理を実行するために冷却ガス吐出ノズル51とともに高温DIW吐出ノズル52を退避位置P22から基板Wとの対向位置へ移動させる直前に、配管521および高温DIW吐出ノズル52内に残留する解凍液を排出する。凍結処理、つまり冷却ガス吐出ノズル51による基板Wの走査に要する時間は数秒程度であり、その後に高温DIW吐出ノズル52が基板Wの回転中心A0に位置決めされ解凍液の吐出が開始されるまでの時間を含めても、この間の解凍液の温度低下は僅かである。冷却ガス吐出ノズル51と高温DIW吐出ノズル52とを近接配置し一体的に移動するように構成することで、凍結処理から解凍処理に移行する時間も短くすることができる。また、凍結処理実行前の液膜形成処理の実行中にプリディスペンスを行っておけば、液膜形成処理から凍結処理に移行する時間も短くすることができる。
図7は高温DIW吐出ノズルから吐出される解凍液の温度変化を示す図である。より詳しくは、高温DIW吐出ノズル52から吐出された直後の解凍液の温度を、プリディスペンスを行った場合と行っていない場合とでそれぞれ実測した結果の例を示す図である。なお、解凍液の吐出よりも前においては周囲雰囲気の温度が検出されている。図7に実線で示すように、予めプリディスペンスを行っている場合には、吐出開始直後から70℃〜80℃程度の高温の解凍液が高温DIW吐出ノズル52から吐出される。その後、時間とともに解凍液の温度が低下するが、これは加熱器93内に留まる時間が短く十分な熱量を受け取っていないDIWが吐出されるためと考えられる。
なお、基板Wへのダメージ等、解凍液の熱量不足が問題となるのは解凍液の吐出開始直後の僅かな期間(例えば数秒間)であり、この期間に十分な熱量を有する高温の解凍液が吐出されれば足りる。したがって、吐出開始直後の液温が最も重要であり、吐出開始から時間が経過してからの温度低下は問題とならない。
一方、図7に点線で示すように、プリディスペンスを行わずに高温DIW吐出ノズル52から解凍液を吐出させた場合、吐出開始直後には常温付近まで温度の低下した解凍液が吐出され、その後液温が次第に上昇するが、最高温度は60℃程度に留まっている。このように、プリディスペンスを行うことで吐出開始直後から高温の解凍液を基板W上の凍結膜に供給することができ、凍結膜を短時間で急速に解凍して、基板Wへのダメージを効果的に抑制することが可能となる。
ところで、図2および図4(b)に示したように、退避位置P22にある高温DIW吐出ノズル52からプリディスペンスのために吐出される解凍液は、該ノズルの下方に設けられた受入部材59に流入する。この受入部材59は、冷却ガス吐出ノズル51からスローリーク処理のために吐出される冷却ガスを気液回収部45に回収する機能も有するものである。このように、冷却ガス吐出ノズル51からスローリーク処理のために吐出される冷却ガスと、高温DIW吐出ノズル52からプリディスペンスのために吐出される解凍液とを同一の回収経路で回収する構成とした理由について説明する。
受入部材59から配管591を介して気液回収部45に至る回収経路内には、スローリーク処理のために冷却ガス吐出ノズル51から吐出される冷却ガスの他、処理空間SP内の高湿度雰囲気も流入する。このような高湿度雰囲気が冷却ガスにより冷却され、回収経路内に結露や霜が生じて回収経路を詰まらせることがあり得る。この問題に対して本実施形態では、比較的高温の液体である解凍液を回収経路に流入させることで霜の付着を解消し、回収経路の詰まりを防止する。
プリディスペンスのために高温DIW吐出ノズル52から吐出される解凍液をこの目的に利用することで、単に廃棄されるだけの解凍液が有効に再利用され、また回収経路から霜を除去するための装備を別途設けたり、処理液等を消費する必要もない。プリディスペンスにおける解凍液の排出量を、加熱器93から新たに送出された高温DIWの一部が受入部材59に到達する程度の量とすれば、高温の解凍液が受入部材59に流入することで霜の除去をより確実に行うことができる。気液回収部45に回収された冷却ガス(窒素ガス)および解凍液(DIW)は、図示しない公知の気液分離手段によって気体成分と液体成分とに分離され、それぞれ廃棄されまたは再使用に供される。
このように、この実施形態では、退避位置においてスローリーク処理を行う冷却ガス吐出ノズル51から吐出される冷温の冷却ガスと、退避位置においてプリディスペンスを行う高温DIW吐出ノズル52から吐出される解凍液としての高温DIWとを、共通の受入部材59により受けるとともに、共通の配管591を介して処理チャンバー10の外部へ排出し気液回収部45により回収する。
冷却ガス吐出ノズル51を基板Wに対向させて冷却ガスを基板W上の液膜に供給するのに先立って退避位置でスローリーク処理を行っておくことで、冷却ガスの流通経路の温度上昇を抑制し、凍結処理の初期段階から十分に低温の冷却ガスを液膜に供給して短時間で凍結させることができる。特に、基板Wに低温DIWを供給して液膜の形成を行っている間にスローリーク処理を行うことで、液膜形成後に直ちに低温の冷却ガスを基板Wに供給することができる。
また、高温DIW吐出ノズル52を退避位置から基板Wとの対向位置に移動させるのに先立ってプリディスペンスを行うことによって、流通経路内に滞留して温度が低下した解凍液を予め排出し、解凍処理の初期段階から十分に高温の解凍液を凍結膜に供給して凍結膜を短時間で解凍除去することができる。凍結膜を短時間で一気に解凍することで、凍結膜の断片が基板Wにダメージを与えることも防止される。
そして、基板Wに供給されることなく吐出され回収される冷却ガスおよび解凍液については、これらを共通の回収経路(受入部材59および配管591)に流通させることにより、冷却ガスが流れ込むことで配管591内に生じる霜が回収経路を詰まらせるのを防止することができる。
より具体的には、冷却ガス吐出ノズル51の退避位置と高温DIW吐出ノズル52の退避位置とを近接させておき、それぞれの退避位置に位置決めされた冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52の直下位置をともにカバーする受入部材59を設ける。そして、冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52からそれぞれ吐出される冷却ガスおよび解凍液をともに受入部材59に流入させ、配管591を介して処理チャンバー10の外部へ排出する。
また、この実施形態は、回動軸55からそれぞれ略水平方向に延びるアーム53,54によって冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52をそれぞれ支持し、回動軸55が回動することで冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52が互いの距離を維持しつつ一体的に回動することで基板Wに対し移動するように構成されている。これらの2つのノズルから基板Wへの流体の供給は異なるタイミングで実行されるので、このように両者を一体的に移動させることが可能であり、そのような構成とすることで、基板W周りに配接される部材や回動機構の簡素化を図ることが可能である。
そして、このような構成では、退避位置において高温DIW吐出ノズル52によるプリディスペンスを行った後、冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52を一体的に基板Wとの対向位置に移動させて凍結処理および解凍処理を順次実行するようにすればよい。こうすることで、凍結処理と解凍処理とを連続して行うことができ、処理のスループットを向上させることができる。また、液膜を凍結させた後その温度が上昇しないうちに解凍処理を実行することで、パーティクル除去率も向上する。
以上説明したように、この実施形態では、スピンチャック20が本発明の「基板保持手段」として機能し、低温DIW吐出ノズル41、冷却ガス吐出ノズル51および高温DIW吐出ノズル52がそれぞれ本発明の「液膜形成手段」、「冷却ガス吐出ノズル」および「解凍液吐出ノズル」として機能している。また、DIW供給部91および加熱器93が一体として本発明の「解凍液供給手段」として機能しており、配管521が本発明の「配管」として機能している。
また、この実施形態では、受入部材59が本発明の「流体受け部」として機能する一方、受入部材59から気液回収部45に至る配管591が本発明の「流路」に相当しており、これら全体が本発明の「受け入れ手段」として機能している。また、この実施形態では、アーム53,54および回動軸55、アーム回動機構56が一体として本発明の「ノズル保持手段」として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、冷却ガス吐出ノズル51と高温DIW吐出ノズル52とを一体移動させているが、このような構成に限定されるものでない。例えば、以下のような構成の装置に対しても本発明を適用することが可能である。以下の説明において、上記実施形態と同一の構成には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図8はこの発明にかかる基板処理装置の第1の変形例の主要構成を示す図である。より詳しくは、図8(a)はこの変形例の主要構成を示す側面図、図8(b)および(c)はその上面図である。この変形例では、冷却ガスを吐出する冷却ガス吐出ノズル251と、解凍液としての高温DIWを吐出する高温DIW吐出ノズル252とが独立して基板Wに対し走査移動する。具体的には、冷却ガス吐出ノズル251は、回動中心A21周りに回動する回動軸221から水平方向に延びるアーム231の先端に取り付けられており、回動軸221の回動に伴うアーム231の揺動により、基板Wの上面と対向しながら水平移動する。一方、高温DIW吐出ノズル252は、回動中心A22周りに回動する回動軸222から水平方向に延びるアーム232の先端に取り付けられており、回動軸222の回動に伴うアーム232の揺動により、基板Wの上面と対向しながら水平移動する。冷却ガス吐出ノズル251および高温DIW吐出ノズル252は、基板Wの回転中心A0の直上位置へ移動可能となっている。
基板W上方から側方に外れた退避位置に位置決めされたとき、冷却ガス吐出ノズル251と高温DIW吐出ノズル252とが近接位置となるようにこれらの可動範囲が設定されている。そして、退避位置にある冷却ガス吐出ノズル251および高温DIW吐出ノズル252の下方に受入部材259が設けられており、退避位置で冷却ガス吐出ノズル251および高温DIW吐出ノズル252がそれぞれ吐出する冷却ガスおよび解凍液を受け入れて気液回収部へ排出する。
この場合の基板洗浄処理では各部が次のように動作する。基板洗浄処理の基本的な動作は上記した実施形態のものと同じであるが、凍結処理および解凍処理におけるノズルの移動の態様が異なっている。すなわち、凍結処理においては、冷却ガス吐出ノズル251が図8(b)に点線で例示するように基板Wとの対向位置に移動し、冷却ガスを吐出しながら基板Wに対し走査移動する。冷却ガス吐出ノズル251は基板Wの周縁部まで走査移動した後、実線で示す退避位置に戻る。冷却ガス吐出ノズル251によるスローリーク処理は、この変形例においても凍結処理に先立って実行される。
一方、高温DIW吐出ノズル252は、凍結処理が実行される間、図8(b)に実線で示す退避位置に位置決めされている。そして、凍結処理が終了する直前に、高温DIW吐出ノズル252が所定量の解凍液を吐出するプリディスペンスを行った後、図8(c)に示す基板Wの回転中心A0直上位置へ移動して、解凍液たる高温DIWを基板W上の凍結膜に供給する。解凍液の供給を所定時間継続した後、高温DIW吐出ノズル252は退避位置へ戻る。
このように、この変形例では、冷却ガス吐出ノズル251と高温DIW吐出ノズル252とがそれぞれ独立した揺動アームに装着されている。そして、これらのノズルが退避位置では互いに近接して配置されるとともに、そのときのノズル下方に受入部材259が設けられて、スローリーク処理のために冷却ガス吐出ノズル251から吐出される冷却ガスと、プリディスペンスのために高温DIW吐出ノズル252から吐出される解凍液とがいずれも受入部材259に流入し、共通の配管を介して気液回収部へ回収される。なお、冷却ガス吐出ノズル251(およびアーム231)と高温DIW吐出ノズル252(およびアーム232)とが互いに干渉することなく退避位置と基板Wとの対向位置との間で移動可能とするために、少なくとも一方のアームが昇降可能に構成されてもよい。
図9はこの発明にかかる基板処理装置の第2の変形例の主要構成を示す図である。この変形例における冷却ガス吐出ノズル351およびこれを支持するアーム331の構造は上記第1の変形例における冷却ガス吐出ノズル251およびアーム231のものと同一である。また、受入部材359の構造および機能も、第1の変形例における受入部材259と同じである。
一方、この変形例における高温DIW吐出ノズル352は、図9(a)に示すように、基板Wに液膜を形成するための低温DIW吐出ノズル41(図1)と同様に、スプラッシュガード60のポート61よりも上方かつ側方に外れた位置に固定されている。図9(b)に示すように、冷却ガス吐出ノズル351が基板Wとの対向位置で基板W上の液膜に対して冷却ガスを供給している間に、高温DIW吐出ノズル352から比較的低流量で解凍液が吐出されてプリディスペンスが行われる。このときに高温DIW吐出ノズル352から流下する解凍液が受入部材359に流れ込むように、高温DIW吐出ノズル352および受入部材359の配置と高温DIW吐出ノズル352からの吐出量とが設定される。
基板Wへの冷却ガス供給が終了すると冷却ガス吐出ノズル351は受入部材359直上の退避位置へ戻り、図9(c)に示すように、高温DIW吐出ノズル352から比較的高流量の解凍液(高温DIW)が基板Wの回転中心A0に向けて供給される。これにより、基板W上の凍結膜が解凍される。
上記2つの変形例においては、凍結処理の実行中も高温DIW吐出ノズルを退避位置に位置させておくことができる。このため、退避位置にある高温DIW吐出ノズルから解凍処理の直前に一定量の解凍液を排出するプリディスペンスに代えて、低温DIW吐出ノズル41におけるスローリーク処理と同様に、低流量の解凍液を継続的に吐出させておくようにすることも可能である。これらの変形例に示したように、本発明は、冷却ガス吐出ノズルと高温DIW吐出ノズルとが一体的に移動する構成、これらが個別に移動する構成および一方が固定された構成のいずれに対しても適用することが可能である。
また例えば、上記実施形態では基板Wに低温DIWを供給して液膜LPを形成する低温DIW吐出ノズル41を基板Wの上方よりも側方に退避した位置に設けているが、例えば冷却ガス吐出ノズル51等と同様に、揺動するアームに低温吐出ノズルを設け、該ノズルを基板Wとの対向位置に移動させて低温DIWを供給するようにしてもよい。
また、上記実施形態の基板処理装置1は、薬液を用いた湿式処理から洗浄後の乾燥処理までを処理チャンバー10内で連続的に行う一体型の処理装置であるが、本発明の適用対象はこれに限定されず、少なくとも、基板Wに液膜を形成してこれを凍結させ、凍結膜を解凍除去するための構成を備える基板処理装置全般に対して、本発明を適用することが可能である。
この発明は、基板上に液膜を形成してこれを凍結させ、さらに該凍結膜を除去することにより基板を処理する基板処理装置および基板処理方法の全般に対して適用可能である。処理対象の基板としては、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板など各種の基板が含まれる。
20 スピンチャック(基板保持手段)
21 スピンベース
41 低温DIW吐出ノズル(液膜形成手段)
51,251,351 冷却ガス吐出ノズル
52,252,352 高温DIW吐出ノズル(解凍液吐出ノズル)
91 DIW供給部(解凍液供給手段)
93 加熱器(解凍液供給手段)
521 配管
59 受入部材(流体受け部、受け入れ手段)
591 配管(流路、受け入れ手段)
53,54 アーム(ノズル保持手段)
55 回動軸(ノズル保持手段)
56 アーム回動機構(ノズル保持手段)
W 基板

Claims (9)

  1. 基板を略水平姿勢に保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段により保持された前記基板の上面に液体を供給して液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記基板保持手段に保持された前記基板の上面に対向する対向位置と前記基板の上面から側方に退避した退避位置との間で移動可能に構成され、前記液膜を構成する前記液体の凝固点よりも低温の冷却ガスを前記液膜に対して吐出する冷却ガス吐出ノズルと、
    前記基板保持手段に保持された前記基板の上面に対向する対向位置と前記基板の上面から側方に退避した退避位置との間で移動可能に構成され、前記液膜が凍結してなる凍結膜に対して解凍液を吐出する解凍液吐出ノズルと、
    加熱された前記解凍液を配管を介して前記解凍液吐出ノズルに供給する解凍液供給手段と、
    それぞれの退避位置において前記冷却ガス吐出ノズルおよび前記解凍液吐出ノズルからそれぞれ吐出される前記冷却ガスと前記解凍液とを受け入れて共通の流路に流通させる受け入れ手段と
    を備える基板処理装置。
  2. 前記解凍液吐出ノズルは、退避位置において前記配管内の前記解凍液を前記受け入れ手段に対して吐出した後、前記基板上面との対向位置に移動して、前記基板に対して前記解凍液供給手段からの前記解凍液を吐出する請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記冷却ガス吐出ノズルは、退避位置において前記受け入れ手段に対し所定流量の前記冷却ガスを吐出する請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記冷却ガス吐出ノズルおよび前記解凍液吐出ノズルを保持して一体的に移動させるノズル保持手段を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記受け入れ手段は、上面に前記流路と連通する開口が設けられ前記開口に流入する流体を前記流路に案内する流体受け部を有し、それぞれの退避位置においては前記冷却ガス吐出ノズルおよび前記解凍液吐出ノズルがいずれも前記流体受け部の前記開口の上方に位置する請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 基板を略水平姿勢に保持する保持工程と、
    前記基板の上面に液体を供給して液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記基板の上面に対向位置決めした冷却ガス吐出ノズルから、前記液膜を構成する前記液体の凝固点よりも低温の冷却ガスを吐出させて前記液膜を凍結させる凍結工程と、
    前記基板の上面に対向位置決めした解凍液吐出ノズルから、解凍液供給手段から配管を介して供給される加熱された前記解凍液を吐出させて前記液膜が凍結してなる凍結膜を解凍する解凍工程と
    を備え、
    前記凍結工程に先立って、前記基板の上面から側方に退避した退避位置に位置決めした前記冷却ガス吐出ノズルから前記冷却ガスを吐出させておく一方、前記解凍工程に先立って、前記基板の上面から側方に退避した退避位置に位置決めした前記解凍液吐出ノズルから前記配管内の前記解凍液を吐出させ、しかも、それぞれの退避位置において前記冷却ガス吐出ノズルおよび前記解凍液吐出ノズルからそれぞれ吐出される前記冷却ガスと前記解凍液とを共通の流路に流通させる
    ことを特徴とする基板処理方法。
  7. 前記解凍液供給手段から前記解凍液吐出ノズルに至る前記配管内の前記解凍液の全てを退避位置に位置決めした前記解凍液吐出ノズルから吐出させた後、前記解凍工程を実行する請求項6に記載の基板処理方法。
  8. 前記液膜形成工程の実行中に、退避位置に位置決めした前記冷却ガス吐出ノズルから前記冷却ガスを吐出させる請求項6または7に記載の基板処理方法。
  9. 前記冷却ガス吐出ノズルと前記解凍液吐出ノズルとを前記基板に対し一体的に移動させ、しかも、
    退避位置に位置決めした前記解凍液吐出ノズルから所定量の前記解凍液を吐出させた後、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板上面との対向位置へ位置決めして前記凍結工程を実行し、さらに前記基板上面との対向位置へ位置決めした前記解凍液吐出ノズルにより前記解凍工程を実行する請求項6ないし8のいずれかに記載の基板処理方法。
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