JP2015022976A - コネクタ - Google Patents

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明広 長田
Akihiro Osada
明広 長田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、充填剤の充填性の向上を図りつつ、止水性の向上を図ったコネクタを提供することにある。【解決手段】コネクタ1は、電線10に接続される少なくも一対の端子金具2と、該一対の端子金具2のそれぞれを貫通させる貫通孔7を有するインナプレート3と、該インナプレートを収容する筒状のハウジング4と、を備え、ハウジングにインナプレートが収容された状態で、ハウジングの内部に端子金具の後端部と該端子金具2の前端部との間を止水するための充填剤6が充填される。一対の貫通孔間には、空気抜き孔8が設けられ、ハウジングの内部に流動状態の充填剤が注入される前の状態で、貫通孔と空気抜き孔との間には、少なくともインナプレートの前端側に、貫通孔と空気抜き孔とを連通する連通室9が設けられ、流動状態の充填剤が、貫通孔の後端部及び、空気抜き孔から連通室を介して、貫通孔内に流入される。【選択図】図2

Description

本発明は、電線の端末に接続される端子金具と、電線及び端子金具を収容するハウジングと、を備えたコネクタに関する。
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。この電子機器に電力や制御信号などを伝えるためにワイヤハーネスが用いられる。ワイヤハーネスは、複数の電線とコネクタ(例えば、特許文献1参照)とを備えている。
特許文献1に記載された従来のコネクタは、図10に示すように、筒状に形成されたハウジング110を有しており、このハウジング110内には、複数本の電線120の端部に圧着等によって接続された、導電性を有する金属材料から形成されたターミナル130が配置されている。ターミナル130は、ハウジング110内に収容されたインナープレート140にそれぞれ保持されており、また、電線120は、ハウジング110の後端側に嵌め込まれたシール栓150に保持されている。インナープレート140は、ハウジング110に形成された図示しない係合爪との係合力によってハウジング110からの抜け止めが防止される。
ハウジング110の接続端110A側(前端側)から挿入されるインナープレート140は、上下に配列された複数のキャビティー141を有する平面視矩形状のターミナル保持部142を有している。ターミナル保持部142に形成された複数のキャビティー141には、電線120に接続されたターミナル130が後端側から挿入されて保持されている。また、このインナープレート140には、キャビティー141以外の部分であるターミナル保持部142における上下のキャビティー141の間に、キャビティー141の配列(延在)方向に沿って複数の空気抜き孔144が形成されている。
従来のコネクタ101は、シール栓150よりも前方側におけるハウジング110の内部に、エポキシ樹脂等からなる充填材160が充填されており、インナープレート140が充填材160によって覆われている。このような従来のコネクタにあっては、図示しない相手側コネクタとの接続箇所(ハウジング110の前端110A側)から雨水や油等が入り込んだとしても、雨水や油がハウジング110の内部を通って自動車のエンジンルームやオートマチックトランスミッション等のケース内へ浸入するような不具合が防止されている。
特開2012−84482号公報
しかしながら、上述した従来のコネクタ101において、インナープレート140には、上下のキャビティー141の間に、キャビティー141の配列方向(延在方向)に沿って複数の空気抜き孔144が形成されている。即ち、各キャビティー141及び空気抜き孔144は、それぞれ、独立して形成されていた。このため、キャビティー141には、その後端部からのみしか充填材160が注入されず、よって、ターミナル130とキャビティー141との間に充填材160が充填され難く、ターミナル130とキャビティー141との間に隙間が生じてしまう虞れがあった。
本発明の目的は、充填剤の充填性の向上を図りつつ、止水性の向上を図ったコネクタを提供することにある。
請求項1に記載の本発明は、電線に接続される少なくも一対の端子金具と、該一対の端子金具のそれぞれを貫通させる貫通孔を有するインナプレートと、該インナプレートを収容する筒状のハウジングと、を備え、前記ハウジングに、前記端子金具が貫通した前記インナプレートが収容された状態で、前記ハウジングの内部に、前記端子金具の前記電線に接続された後端部と該端子金具の前端部との間を止水するための充填剤が充填されるコネクタであって、前記一対の貫通孔間には、流動状態の前記充填剤が注入された際に、前記ハウジング内部の空気を外部に排出する空気抜き孔が設けられ、前記ハウジングの内部に前記流動状態の充填剤が注入される前の状態で、前記貫通孔と前記空気抜き孔との間には、少なくとも前記インナプレートの前端側に、前記貫通孔と前記空気抜き孔とを連通する連通室が設けられ、前記流動状態の充填剤が、前記貫通孔の後端部及び、前記空気抜き孔から前記連通室を介して、前記貫通孔内に流入されることを特徴とするコネクタである。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記インナプレートにおける前記連通室の後端側には、前記連通室を構成する内壁から突出して形成されて、前記端子金具の前記空気抜き孔側への移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載のコネクタにおいて、前記インナプレートの前端面において、前記貫通孔は、前記一対の貫通孔が並ぶ方向に交差する幅方向の寸法が、前記連通室の前記幅方向に沿う寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、一対の貫通孔間には、流動状態の充填剤が注入された際に、ハウジング内部の空気を外部に排出する空気抜き孔が設けられ、ハウジングの内部に流動状態の充填剤が注入される前の状態で、貫通孔と空気抜き孔との間には、少なくともインナプレートの前端側に、貫通孔と空気抜き孔とを連通する連通室が設けられ、流動状態の充填剤が、貫通孔の後端部及び、空気抜き孔から連通室を介して、貫通孔内に注入される。即ち、従来技術においては、流動状態の充填剤は、貫通孔内に、その後端部からのみしか流入されなかったが、本願発明では、空気抜き孔側からも連通室を介して流入されることとなり、流動状態の充填剤が流入される部分の面積が大きくされることとなり、よって、端子金具と貫通孔との間に流動状態の充填剤が流入され易くなる。これにより、速やかに貫通孔内に流動状態の充填剤が充填されることとなり、貫通孔内に流動状態の充填剤が隙間なく流入されることで、コネクタの止水性の向上を図ることができる。
請求項2記載の本発明によれば、インナプレートにおける連通室の後端側には、連通室を構成する内壁から突出して形成されて、端子金具の空気抜き孔側への移動を規制する規制部が設けられている。この規制部が設けられていることにより、端子金具の移動を規制しつつ、流動状態の充填剤を注入することができる。
請求項3記載の本発明によれば、インナプレートの前端面において、貫通孔は、一対の貫通孔が並ぶ方向に交差する幅方向の寸法が、空気抜き孔の幅方向に沿う寸法よりも小さくなるように形成され、連通室の幅方向に沿う寸法よりも大きくなるように形成されている。このように、連通室の幅寸法が、貫通孔の幅寸法よりも小さく形成されていることにより、連通室の幅寸法が、貫通孔の幅寸法よりも大きく形成されているのに比べて、端子金具を移動規制することができる。よって、充填剤の充填性の向上を図りつつ、端子金具の移動を規制することができる。
本発明の一実施の形態にかかるコネクタを示す分解斜視図である。 (A)は、図1に示されたコネクタを示す断面図であり、(B)は、(A)の要部を拡大して示す図である。 図1に示されたコネクタを示す平面図である。 図1に示されたコネクタを構成するインナプレートを示す斜視図である。 図4に示されたインナプレートの平面図である。 図5中のI−I線に沿う断面図である。 図6に示されたインナプレートの斜視図である。 図1に示されたコネクタを構成するハウジングを示す平面図である。 図8中のII−II線に沿う断面図である。 従来のコネクタの断面図である。
本発明の一実施の形態にかかるコネクタを、図1〜図9を参照して説明する。コネクタ1は、図1〜図3に示すように、自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成するものであり、ワイヤハーネスを構成する電線10に接続される複数(図示例では8個)の端子金具2と、各端子金具2を貫通させてこれらの端子金具2を保持するインナプレート3と、インナプレート3を収容する筒状のハウジング4と、各端子金具2に接続された電線10を貫通させるとともにハウジング4の後端開口を塞ぐゴム栓5と、を備えている。ハウジング4は、その内部に、端子金具2が貫通したインナプレート3が収容され、かつ、ハウジング4の後端開口がゴム栓5で塞がれた状態で、端子金具2の後端部(電線10に接続された側)と、前端部(端子金具2の先端部)との間を止水するための充填剤6(図2に示す)が充填されている。コネクタ1は、端子金具2の後端部と前端部との間を止水することで、端子金具2と図示しない相手方端子金具との接続箇所から雨水や油等がハウジング4の内部に浸入することを防止して、雨水や油等が、ハウジング4の内部から、電線10の後端側に設けられた自動車のエンジンルーム内等に浸入することを防止している。
端子金具2は、図1、図2にも示すように、導電性の板金に打ち抜き加工や曲げ加工が施されることで得られるものである。端子金具2は全部で8個設けられている。8個の端子金具2は、端子金具2の延在方向に直交する方向(図1中の矢印Y方向)に2個ずつ並んで設けられ、この各2個の上下方向の列が左右方向(図1中の矢印X方向)に沿って4列設けられている。
ここで、端子金具2の電線10に接続された後端部と該端子金具2の前端部(先端部)とを結ぶ方向、即ち端子金具2の延在方向、及び、端子金具2の貫通方向を矢印Zで示し、2個の端子金具2の並び方向であり、矢印Z方向に直交する図3中の上下方向を矢印Yで示し、端子金具2の列並び方向、並びに、端子収容室7(貫通孔)、空気抜き孔8及び連通室9の幅方向であり、矢印Zと矢印Yとの双方向に直交する方向を矢印X方向で示す。また、本明細書では、矢印Zで示す方向を「前後方向」と記し、矢印Yで示す方向を「上下方向」と記し、矢印Xで示す方向を「左右方向」と記す場合がある。
端子金具2は、図2に示すように、電線10に接続される電線接続部21と、この電線接続部21の前端に連続されて相手方端子に接続される棒状の電気接触部22と、を備えている。電線接続部21は、電気接触部22の後端部に連続された底壁(図示しない)と、この底壁から立設して設けられて皮むきされた電線10の芯線を加締める一対の加締め片(図示しない)と、インナプレート3の段差71に係止する係止片23と、が設けられている。
インナプレート3は、図4に示すように、直方体状のプレート本体31と、このプレート本体31の上下の面31A、31Bそれぞれから突出して設けられて、ハウジング4に係止する一対のロックアーム32と、を備えている。
プレート本体31には、図5にも示すように、各端子金具2を貫通させて端子金具2を保持する複数(本実施形態では8個)の端子収容室7(貫通孔)と、ハウジング4内部の空気を外部に排出するための複数(本実施形態では4個)の空気抜き孔8と、各端子収容室7と各空気抜き孔8との間を上下方向(矢印Y方向)に亘って形成されて、各端子収容室7と各空気抜き孔8とを上下方向に連通する連通室9と、が設けられている。また、プレート本体31には、その左右方向(矢印X方向)の両面31C、31Dに、ハウジング4の内面に形成された一対のガイド突起43に係止する一対のガイド溝33が形成されている。また、プレート本体31の左右方向の面31C、31Dにおける一対のガイド溝33間の一部34(以下、当接部34と記す)は、インナプレート3がハウジング4に収容される際に、ハウジング4の一対のガイド突起43間に形成された当接受け部44に当接することで、インナプレート3をハウジング4の前後方向(矢印Z方向)に位置決めしている。
8個の端子収容室7は、図6、図7にも示すように、上下に2個ずつ並んで設けられ、この各2個の上下方向(矢印Y方向)の列が左右方向(矢印X方向)に4列設けられている。各端子収容室7は、プレート本体31を前後方向(矢印Z方向)に貫通して形成されている。また、各端子収容室7には、該端子収容室7を形成する上下方向の第1内面7Aから凹に形成されて、端子金具2に係止する段差71が形成されている。この段差71は、プレート本体31の前後方向の略中央部から後方側に延在して設けられている。また、端子収容室7は、その前後方向の寸法が、端子金具2の前後方向の寸法よりも小さくなるように形成されている。そして、端子金具2が端子収容室7を貫通してインナプレート3に保持された状態で、端子金具2の前端部及び後端部は、インナプレート3から突出(露出)して設けられている。
空気抜き孔8には、図7に示すように、該空気抜き孔8を形成する左右方向(矢印X方向)の第2内面8Aそれぞれに、凹溝状の切欠部81が形成されている。第2内面8Aは、矢印YZ方向に沿って平坦に設けられている。切欠部81は、プレート本体31の前端面を切り欠いて形成されていて、後方に向かって直線状に延在して形成されている。切欠部81の後端は、端子収容室7に形成された段差71と上下方向(矢印Y方向)に並ぶ位置に設けられている。即ち、切欠部81の後端は、プレート本体31の前後方向(矢印Z方向)の略中央部まで設けられている。
連通室9は、図6、図7に示すように、プレート本体31の前端部に、その前端面を切り欠いて形成されている。この連通室9は、端子収容室7内に挿入された端子金具2の空気抜き孔8側への移動を規制する規制部91を有している。この規制部91は、連通室9を形成する左右方向(矢印X方向)の第3内面9A(請求項中の「内壁」)の後端部に設けられているとともに、互いに対向する第3内面9Aから互いに近付く方向(矢印X方向)に突出して、互いに対向する第3内面9A間に渡って設けられている。そして、規制部91は、各端子収容室7と各空気抜き孔8との間を仕切りつつ、連通室9の一部を塞ぐように設けられている。第3内面9Aは、空気抜き孔8を形成する第2内面8Aに連続して形成されるとともに、第2内面8Aの面延在方向(YZ方向)に沿って平坦に設けられている。
さらに、プレート本体31には、第3内面9Aから凹に設けられた凹部92(図6に示す)が形成されている。凹部92は、規制部91の後方に隣接して設けられている。
インナプレート3は、図5に示すように、その前端面において、端子収容室7の幅寸法L1(端子収容室7において、左右方向Xに対向する第4内面7B間の寸法)が、連通室9の幅寸法L2(連通室9において、左右方向Xに対向する第3内面9A間の寸法)よりも大きくなるように形成されている。また、端子収容室7の幅寸法L1が、空気抜き孔8の幅寸法(左右方向Xに対向する切欠部81の第5内面8B間の寸法)よりも小さくなるように形成されている。このように、端子収容室7の幅寸法L1が、連通室9の幅寸法L2よりも大きくなるように形成されていることにより、端子収容室7に挿入された端子金具2の空気抜き孔8側への移動を抑制することができる。また、空気抜き孔8の幅寸法が、端子収容室7の幅寸法よりも大きくなるように形成されていることにより、ハウジング4の内部に流動状態の充填剤6が注入された際に、ハウジング4の内部の空気を外部に排出し易くできる。
このようなインナプレート3に端子金具2を貫通させて保持する際には、予め端子金具2の電線接続部21に電線10を接続しておき、端子収容室7の後端に、端子金具2の電気接触部22の先端を近付けて挿入する。すると、端子金具2の係止片23が端子収容室7の段差71に係止する。こうして、インナプレート3が端子金具2を保持する。この際、端子金具2の前端部及び後端部は、インナプレート3から突出(露出)して設けられている。
一対のロックアーム32は、図4に示すように、プレート本体31の上下の面31A、31Bそれぞれから突出して設けられている。各ロックアーム32は、一端がプレート本体31の面31A、31Bそれぞれに連続されるとともに、他端が後方に向かって延びた片持ち状に形成されている。また、ロックアーム32は、その他端(後端)が、プレート本体31の後端よりも後方に突出して設けられている。このロックアーム32は、その後端、即ち自由端に上下方向(矢印Y方向)に貫通した係止孔32aが形成されていて、この係止孔32aに、ハウジング4に形成された係止突起45が嵌って係止するように構成されている。
ハウジング4は、図1、図8に示すように、その内部にインナプレート3が収容された状態で、常温放置により硬化するエポキシ樹脂(充填剤)が充填される。ハウジング4は、円筒状に形成されたハウジング本体41と、このハウジング本体41の前方側に連続して形成されて、相手方コネクタに嵌合案内するフード部42と、を備えている。ハウジング本体41には、その後端部にゴム栓5が圧入して取り付けられる。ハウジング本体41の後端開口は、ゴム栓5により塞がれている。
フード部42は、図9に示すように、インナプレート3を挿入可能な楕円形筒状に形成されている。このフード部42の内周面には、インナプレート3の一対のガイド溝33が係止する一対のガイド突起43と、一対のガイド溝33を隔てる当接部34に当接する当接受け部44と、インナプレート3のロックアーム32が係止する係止突起45と、設けられている。一対のガイド突起43及び当接受け部44は、フード部42の後端部に設けられているとともに、その左右方向(矢印X方向)側の内面にそれぞれ設けられている。一対のガイド突起43は、上下方向(矢印Y方向)に間隔をあけて設けられている。また、一対のガイド突起43の後端には、一対のガイド突起43間の溝を埋めるように設けられて、一対のガイド溝33を隔てる当接部34に当接する当接受け部44が設けられている。係止突起45は、フード部42の内周面における上下方向側の内面にそれぞれ設けられている。この係止突起45は、当接受け部44と前後方向に並ぶ位置に設けられている。
このようなインナプレート3をハウジング4に収容する際には、インナプレート3が端子金具2を貫通させて保持した状態で、電線10の後端側を、ハウジング4の前端に近付けて挿入し、インナプレート3を後方側に移動する。すると、ハウジング4のガイド突起43に、インナプレート3のガイド溝33が係止する。さらにインナプレート3を移動するに伴って、インナプレート3の当接部34が、ハウジング4の当接受け部44に当接する。また、一対のロックアーム32の自由端がハウジング4の係止突起45に当接し、ロックアーム32が撓んで、この係止孔32aに係止突起45が嵌るとともにロックアーム32が弾性復元して、ロックアーム32が係止孔32aに係止する。こうして、インナプレート3は、ハウジング4の前後方向(矢印Z方向)に位置決めされてハウジング4に収容される。
ゴム栓5には、図1に示すように、電線10を挿通させる挿通孔5aが形成されている。この挿通孔5aは、その内径寸法が、電線10の外径寸法よりも僅かに小さくなるように形成されていて、電線10は、ゴム栓5の挿通孔5aに圧入されて支持される。
次に、コネクタ1の組み立て手順の一例について説明する。
まず、予めゴム栓5の挿通孔5aに電線10を挿通してから、端子金具2と電線10とを接続する。この端子金具2を上述した手順でインナプレート3に保持して、端子金具2を保持したインナプレート3を上述した手順でハウジング4に収容する。この後、ハウジング4の後端部にゴム栓5を圧入して取り付けて、ハウジング4の後端開口を塞ぐ。次に、流動状態の充填剤6を注入するための注入ノズルを、フード部42の前端開口側からフード部42とインナプレート3との間に差し込んで、流動状態の充填剤6をハウジング4の内部に注入する。すると、ハウジング本体41の内部に流動状態の充填剤6が流入される。空気抜き孔8からハウジング本体41の内部の空気が外部に排出される。さらに充填剤6が流入されるに伴って、流動状態の充填剤6が、端子収容室7の後端部から端子収容室7内に流入されるとともに、空気抜き孔8の後端部から空気抜き孔8内に流入される。さらに、流動状態の充填剤6が、空気抜き孔8から連通室9を介して、端子収容室7内に流入される。こうして、端子収容室7、空気抜き孔8及び、連通室9内に、流動状態の充填剤6が充填される。この後、常温放置により流動状態の充填剤6が硬化される。こうして、コネクタ1を組み立てる。
このように、空気抜き孔8側からも連通室9を介して流入されることとなり、流動状態の充填剤6が注入される部分の面積が大きくされることとなり、よって、端子金具2と端子収容室7(貫通孔)との間に流動状態の充填剤6が流入され易くなる。これにより、速やかに端子収容室7内に流動状態の充填剤6が充填されることとなり、端子収容室7内に流動状態の充填剤6が隙間なく流入されることで、コネクタ1の止水性の向上を図ることができる。
また、組み立てられたコネクタ1にあっては、端子収容室7、空気抜き孔8及び、連通室9内に、充填剤6が充填されているから、充填剤6により、端子収容室7、空気抜き孔8及び、連通室9が塞がれていることになる。よって、外力による、端子金具2の移動(位置ずれ)を抑制することができる。また、端子収容室7、空気抜き孔8及び、連通室9内に、充填剤6が充填されていることで、プレート本体31が中実に設けられていることとなり、よって上下方向(矢印Y方向)に変形し難くなる。従って、インナプレート3のハウジング4に対する係止力が増加される。
なお、上述した実施形態では、8個の端子金具2が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。端子金具2は少なくとも2個(一対)設けられ、一対の端子金具2が上下方向に間隔をあけて設けられていればよい。
また、上述した実施形態では、各端子収容室7と各空気抜き孔8とを連通する連通室9は、インナプレート3の前端部のみに設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。連通室9は、インナプレート3の前後方向(矢印Z方向)に延在して設けられていてもよい。この場合には、連通室9の規制部91は、省略してもよい。
また、上述した実施形態では、充填剤としてエポキシ樹脂が用いられていたが、本発明はこれに限ったものではなく、加熱することで硬化する熱硬化型の液状シリコーン等を用いてもよい。即ち、流動状態の充填剤が、端子収容室7(貫通孔)内に流入された後、硬化されるものであれば、充填剤は適宜選択してもよい。
また、前述した各実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は実施形態に実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のコネクタ1の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1 コネクタ
2 端子金具
3 インナプレート
4 ハウジング
6 充填剤
7 端子収容室(貫通孔)
8 空気抜き孔
9 連通室
10 電線

Claims (3)

  1. 電線に接続される少なくも一対の端子金具と、
    該一対の端子金具のそれぞれを貫通させる貫通孔を有するインナプレートと、
    該インナプレートを収容する筒状のハウジングと、を備え、
    前記ハウジングに、前記端子金具が貫通した前記インナプレートが収容された状態で、前記ハウジングの内部に、前記端子金具の前記電線に接続された後端部と該端子金具の前端部との間を止水するための充填剤が充填されるコネクタであって、
    前記一対の貫通孔間には、流動状態の前記充填剤が注入された際に、前記ハウジング内部の空気を外部に排出する空気抜き孔が設けられ、
    前記ハウジングの内部に前記流動状態の充填剤が注入される前の状態で、前記貫通孔と前記空気抜き孔との間には、少なくとも前記インナプレートの前端側に、前記貫通孔と前記空気抜き孔とを連通する連通室が設けられ、
    前記流動状態の充填剤が、前記貫通孔の後端部及び、前記空気抜き孔から前記連通室を介して、前記貫通孔内に流入されることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記インナプレートにおける前記連通室の後端側には、前記連通室を構成する内壁から突出して形成されて、前記端子金具の前記空気抜き孔側への移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記インナプレートの前端面において、前記貫通孔は、前記一対の貫通孔が並ぶ方向に交差する幅方向の寸法が、前記連通室の前記幅方向に沿う寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017003939A (ja) * 2015-06-16 2017-01-05 矢崎総業株式会社 光コネクタ
CN110383584A (zh) * 2017-03-22 2019-10-25 京瓷株式会社 连接器
JP2020149777A (ja) * 2019-03-11 2020-09-17 ホシデン株式会社 コネクタ

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