JP2015021909A - インピーダンス測定装置 - Google Patents

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康良 鎌田
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Abstract

【課題】正常なショート補正値をより高い確度で測定する。【解決手段】処理部13は、一対の電流供給プローブ3および一対の電圧検出プローブ4がショート状態での第1電流I1および第1電圧V1に基づいてショート補正値Zsを測定するショート補正値測定処理、並びに各プローブ3,4が測定対象2に接続されている状態での第1電流I1および第1電圧V1に基づいて測定対象2のインピーダンスZを測定すると共にショート補正値Zsで補正して測定対象2についての最終的なインピーダンスZを算出するインピーダンス測定処理を実行する。また、処理部13は、このショート補正値測定処理において、第1電流I1および第1電圧V1に基づいて算出した残留インピーダンスが上限値Zth1以下のときにこれをショート補正値Zsとして測定する。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の各端部に接触させられる一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブを備えて測定対象のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
この種のインピーダンス測定装置として、出願人は、下記非特許文献1に開示されたインピーダンス測定装置(LCRメータ)を既に提案している。このインピーダンス測定装置は、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブを備えて測定対象のインピーダンスを4端子法によって測定可能に構成されている。また、このインピーダンス測定装置は、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブ(以下、「測定プローブ」ともいう)の浮遊アドミタンス(オープン残留成分)を測定してオープン補正値として記憶する機能、および測定プローブの残留インピーダンス(ショート残留成分)を測定してショート補正値として記憶する機能を備え、算出した測定対象のインピーダンスに対して、記憶しているオープン補正値およびショート補正値で補正することにより、測定対象のインピーダンスをより少ない誤差で測定可能になっている。
IM3533 IM3533−01 LCRメータ、取扱説明書、日置電機株式会社、2012年9月発行 改訂1版、付録8(オープン補正とショート補正について)
ところで、上記の2つの補正値のうちのショート補正値を測定する際には、上記の非特許文献1に記載されているように、例えばショートバーなどを使用して一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブのすべてをショート(短絡)させ、この状態においてインピーダンスを測定する。このようにして測定されたインピーダンスは、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブ全体(測定プローブ)の残留インピーダンスであるため、上記のインピーダンス測定装置は、この測定された残留インピーダンスをショート補正値として記憶する。
しかしながら、このショート補正値の測定の際に、希に、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブのすべてをショートさせたつもりであっても、一対の電圧検出プローブのうちのいずれか一方または双方が一対の電流供給プローブとショートに近い状態ではあるが良好なショート状態にはなっていない場合がある。この場合には、測定される残留インピーダンスは誤った値であるため、インピーダンス測定装置がこの測定された残留インピーダンスをショート補正値として誤って記憶するという事態が発生することがある。したがって、このインピーダンス測定装置には、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブのすべてが良好にショートされていないときに測定されたショート補正値を正常なショート補正値であると誤って記憶することが希に発生するという改善すべき課題が存在している。
また、オープン補正値を測定する際には、一対の電流供給プローブのうちの一方の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブのうちの一方の電圧検出プローブ(測定対象の一方の電極に接触させるプローブ)をショート(短絡)させると共に、一対の電流供給プローブのうちの他方の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブのうちの他方の電圧検出プローブ(測定対象の他方の電極に接触させるプローブ)をショート(短絡)させ、かつ一方の電流供給プローブおよび一方の電圧検出プローブと他方の電流供給プローブおよび他方の電圧検出プローブとの間をオープンにし(一対の電流供給プローブをオープンにするのと等価である)、この状態においてインピーダンスを測定する。このようにして測定されたインピーダンスの逆数は、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブの浮遊アドミタンスであるため、上記のインピーダンス測定装置は、この測定された浮遊アドミタンスをオープン補正値として記憶する。
しかしながら、このオープン補正値の測定の際にも、希に、一方の電流供給プローブおよび一方の電圧検出プローブをショートさせたつもりであっても、ショートに近い状態ではあるが良好なショート状態にはなっていない場合や、他方の電流供給プローブおよび他方の電圧検出プローブをショートさせたつもりであっても、ショートに近い状態ではあるが良好なショート状態にはなっていない場合がある。また、一対の電流供給プローブをオープンにしたつもりであっても、オープンに近い状態ではあるが良好なオープン状態にはなっていない場合がある。これらのうちの良好なショート状態ではないもののショートに近い状態にはなっている上記の2つの場合においては、オープン補正値はほぼ正常に測定できる。しかしながら、一対の電流供給プローブが良好なオープン状態にはなっていない場合には、測定される浮遊アドミタンスは誤った値であるため、インピーダンス測定装置がこの測定された浮遊アドミタンスをオープン補正値として誤って記憶するという事態が発生することがある。したがって、このインピーダンス測定装置には、一対の電流供給プローブが良好なオープン状態ではないときに測定されたオープン補正値を正常なオープン補正値であると誤って記憶することが希に発生するという改善すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、正常なショート補正値をより高い確度で測定し得るインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。また、正常なオープン補正値をより高い確度で測定し得るインピーダンス測定装置を提供することを他の主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のインピーダンス測定装置は、一方が測定対象の一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の他方の端部に接触させられる一対の電流供給プローブと、一方が前記測定対象の前記一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の前記他方の端部に接触させられる一対の電圧検出プローブと、前記一対の電流供給プローブ間に第1電流を供給する第1電流供給部と、前記第1電流供給部による前記第1電流の供給状態において前記一対の電圧検出プローブ間に発生する第1電圧を検出する第1電圧検出部と、前記一対の電流供給プローブおよび前記一対の電圧検出プローブがショート状態での前記第1電流および前記第1電圧に基づいてショート補正値を測定するショート補正値測定処理、並びに前記一対の電流供給プローブおよび前記一対の電圧検出プローブが前記測定対象に接続されている状態での前記第1電流および前記第1電圧に基づいて前記測定対象のインピーダンスを測定すると共に当該測定されたインピーダンスを前記ショート補正値で補正して当該測定対象についての最終的なインピーダンスを算出するインピーダンス測定処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記ショート補正値測定処理において、前記第1電流および前記第1電圧に基づいて算出した残留インピーダンスが予め規定された上限値以下のときに、当該残留インピーダンスを前記ショート補正値として測定する。
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置は、一方が測定対象の一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の他方の端部に接触させられる一対の電流供給プローブと、一方が前記測定対象の前記一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の前記他方の端部に接触させられる一対の電圧検出プローブと、前記一対の電流供給プローブ間に第1電流を供給する第1電流供給部と、前記第1電流供給部による前記第1電流の供給状態において前記一対の電圧検出プローブ間に発生する第1電圧を検出する第1電圧検出部と、前記一方の電流供給プローブおよび前記一方の電圧検出プローブ間がショート状態であり、前記他方の電流供給プローブおよび前記他方の電圧検出プローブ間がショート状態であり、かつ前記一対の電流供給プローブがオープン状態であるときの前記第1電流および前記第1電圧に基づいてオープン補正値を測定するオープン補正値測定処理、並びに前記一対の電流供給プローブおよび前記一対の電圧検出プローブが前記測定対象に接続されている状態での前記第1電流および前記第1電圧に基づいて前記測定対象のインピーダンスを測定すると共に当該測定されたインピーダンスを前記オープン補正値で補正して当該測定対象についての最終的なインピーダンスを算出するインピーダンス測定処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記オープン補正値測定処理において、前記第1電流および前記第1電圧に基づいて算出した浮遊アドミタンスが予め規定された上限値以下のときに、当該浮遊アドミタンスを前記オープン補正値として測定する。
請求項1記載のインピーダンス測定装置では、処理部は、ショート補正値測定処理において、算出したショート補正値と予め規定された上限値とを比較して、ショート補正値が上限値以下のときに(すなわち、一対の電流供給プローブおよび一対の電圧検出プローブが互いに良好な状態でショートされているとみなせるときに)、このショート補正値をこのショート補正値測定処理で測定されたショート補正値とする。したがって、このインピーダンス測定装置によれば、測定したショート補正値が正常なショート補正値を測定し得る状態で測定したショート補正値である確度をより高めることができるため、測定対象のインピーダンスを正確に測定する確度を高めることができる。
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置では、処理部は、オープン補正値測定処理において、算出したオープン補正値と予め規定された上限値とを比較して、オープン補正値が上限値以下のときに(すなわち、一対の電流供給プローブがオープン状態にあるとみなせるときに)、このオープン補正値をこのオープン補正値測定処理で測定されたオープン補正値とする。したがって、このインピーダンス測定装置によれば、測定したオープン補正値が正常なオープン補正値を測定し得る状態で測定したオープン補正値である確度をより高めることができるため、測定対象のインピーダンスを正確に測定する確度を高めることができる。
インピーダンス測定装置1の構成を示す構成図である。 ショート補正値測定処理50を説明するためのフローチャートである。 インピーダンス測定処理60を説明するためのフローチャートである。 他のショート補正値測定処理50Aを説明するためのフローチャートである。 オープン補正値測定処理70を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、インピーダンス測定装置の実施の形態について説明する。
まず、インピーダンス測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
インピーダンス測定装置1は、図1に示すように、測定対象2のインピーダンスZを測定する装置であって、一対の電流供給プローブ3a,3b(特に区別しないときには「電流供給プローブ3」ともいう)、一対の電圧検出プローブ4a,4b(特に区別しないときには「電圧検出プローブ4」ともいう)、第1電流供給部5、第2電流供給部6、第3電流供給部7、第1電圧検出部8、第2電圧検出部9、第3電圧検出部10、スイッチ11,12、処理部13、記憶部14および出力部15を備えている。
一対の電流供給プローブ3は、図1に示すように、第1電流供給部5に接続されると共に、一方の電流供給プローブ3aが測定対象2の一方の端部2aに接触され、他方の電流供給プローブ3bが測定対象2の他方の端部2bに接触される。一対の電圧検出プローブ4は、第1電圧検出部8に接続されると共に、一方の電圧検出プローブ4aが測定対象2の一方の端部2aに接触され、他方の電圧検出プローブ4bが測定対象2の他方の端部2bに接触される。
第1電流供給部5は、図1に示すように、一例として定電流源5aとスイッチ5bとを備えて構成されている。また、定電流源5aは、予め規定された電流値(振幅が一定)の第1電流(一例として、予め規定された周波数の交流定電流)I1を出力可能に構成されると共に、スイッチ5bを介して一対の電流供給プローブ3に接続されている。また、定電流源5aは処理部13によって制御されることにより、第1電流I1の出力およびその停止を実行する。また、定電流源5aは、電流検出器およびA/D変換器(いずれも図示せず)を備えて、出力している第1電流I1をこの電流検出器で電圧信号に変換すると共に、この変換された電圧信号をこのA/D変換器で波形データDi(第1電流I1の電流波形を示す波形データ)に変換して出力する。なお、この波形データDiを出力する機能については、上記のように定電流源5aに内蔵させる構成を採用することもできるし、第1電流供給部5の外部に、上記の機能を有する電流検出器およびA/D変換器を配設する構成を採用することもできる。
また、第1電流供給部5については、定電流源5aを使用する上記の構成に代えて、電圧源、電流検出器、A/D変換器、およびスイッチ5bを有する構成を採用することもできる。この構成の第1電流供給部5では、電圧源は、予め規定された周波数の交流電圧を出力可能に構成されると共に、スイッチ5bを介して一対の電流供給プローブ3に接続されている。また、電流検出器は、電圧源からの交流電圧がスイッチ5bを介して一対の電流供給プローブ3間に印加されることによって電圧源から出力される電流を第1電流I1として検出して電圧信号に変換し、A/D変換器は、この変換された電圧信号を波形データDiに変換して出力する。
また、スイッチ5bは、処理部13によって制御されることにより、オン状態またはオフ状態のいずれか一方の状態に移行して、オン状態のときに一対の電流供給プローブ3を定電流源5aに接続し、オフ状態のときに一対の電流供給プローブ3を定電流源5aから切り離す。
なお、定電流源5aは、予め規定された周波数で第1電流I1を出力する構成に代えて、処理部13によって設定された周波数で第1電流I1を出力する構成を採用することもできる。この構成を採用することにより、処理部13は、定電流源5aから任意の周波数で第1電流I1を出力させることが可能になる。
第2電流供給部6は、図1に示すように、予め規定された既知の電流値の第2電流(直流定電流)I2を一対の出力端子(図示せず)から出力可能に構成されている。また、第2電流供給部6は、一対の出力端子がスイッチ11を介して一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aに接続されている。また、第2電流供給部6は、処理部13によって制御されることにより、第2電流I2の出力およびその停止を実行する。また、スイッチ11も、処理部13によって制御されることにより、オン状態またはオフ状態のいずれか一方の状態に移行して、オン状態のときに一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aを第2電流供給部6の一対の出力端子に接続し、オフ状態のときに一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aをこの一対の出力端子から切り離す。
第3電流供給部7は、図1に示すように、予め規定された既知の電流値の第3電流(直流定電流)I3を一対の出力端子(図示せず)から出力可能に構成されている。また、第3電流供給部7は、一対の出力端子がスイッチ12を介して他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bに接続されている。また、第3電流供給部7は、処理部13によって制御されることにより、第3電流I3の出力およびその停止を実行する。また、スイッチ12も、処理部13によって制御されることにより、オン状態またはオフ状態のいずれか一方の状態に移行して、オン状態のときに他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bを第3電流供給部7の一対の出力端子に接続し、オフ状態のときに他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bをこの一対の出力端子から切り離す。
第1電圧検出部8は、図1に示すように、一例として増幅部8aおよびA/D変換部8bで構成されている。増幅部8aは、一対の入力端子(図示せず)のうちの一方の入力端子が一方の電圧検出プローブ4aに接続されると共に、他方の入力端子が他方の電圧検出プローブ4bに接続されている。この構成により、増幅部8aは、一対の電圧検出プローブ4a,4b間に発生する第1電圧V1を入力して、所定の増幅率で増幅して電圧信号V1aとして出力する。A/D変換部8bは、電圧信号V1aを所定の周波数のサンプリングクロック(図示せず)でサンプリングすることにより、電圧信号V1aの波形データD1を出力する。
第2電圧検出部9は、図1に示すように、一例として増幅部9aおよびA/D変換部9bで構成されている。増幅部9aは、一対の入力端子(図示せず)のうちの一方の入力端子が第2電流供給部6の一対の出力端子のうちの一方の出力端子に接続されると共に、他方の入力端子が第2電流供給部6の他方の出力端子に接続されている。したがって、増幅部9aは、一対の入力端子がスイッチ11を介して一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aに接続されている。この構成により、増幅部9aは、スイッチ11がオン状態のときには、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4a間に発生する第2電圧V2をスイッチ11を介して入力して、所定の増幅率で増幅して電圧信号V2aとして出力する。A/D変換部9bは、電圧信号V2aを所定の周波数(一例としてA/D変換部8bと同じ周波数)のサンプリングクロック(図示せず)でサンプリングすることにより、電圧信号V2aの波形データD2を出力する。
第3電圧検出部10は、図1に示すように、一例として増幅部10aおよびA/D変換部10bで構成されている。増幅部10aは、一対の入力端子(図示せず)のうちの一方の入力端子が第3電流供給部7の一対の出力端子のうちの一方の出力端子に接続されると共に、他方の入力端子が第3電流供給部7の他方の出力端子に接続されている。したがって、増幅部10aは、一対の入力端子がスイッチ12を介して他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bに接続されている。この構成により、増幅部10aは、スイッチ12がオン状態のときには、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4b間に発生する第3電圧V3をスイッチ12を介して入力して、所定の増幅率で増幅して電圧信号V3aとして出力する。A/D変換部10bは、電圧信号V3aを所定の周波数(一例としてA/D変換部8bと同じ周波数)のサンプリングクロック(図示せず)でサンプリングすることにより、電圧信号V3aの波形データD3を出力する。
処理部13は、一例としてCPUで構成されて、ショート補正値測定処理50(図2参照)、オープン補正値測定処理、接続検出処理、およびインピーダンス測定処理60(図3参照)を実行する。また、処理部13は、第1電流供給部5、第2電流供給部6、第3電流供給部7およびスイッチ11,12に対する上記した制御についても実行する。
この場合、処理部13は、ショート補正値測定処理50では、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4b全体の残留インピーダンスZsをショート補正値(以下、「ショート補正値Zs」ともいう)として測定して記憶する。また、処理部13は、オープン補正値測定処理では、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aと他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bとの間の浮遊アドミタンスYoをオープン補正値(以下、「オープン補正値Yo」ともいう)として測定して記憶する。
また、処理部13は、接続検出処理では、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aが互いに接続されているか否か(ショート状態であるか否か)を検出すると共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bが互いに接続されているか否か(ショート状態であるか否か)を検出する。また、処理部13は、インピーダンス測定処理60では、測定対象2のインピーダンスZを測定する。
記憶部14は、ROMやRAMなどの半導体メモリで構成されて、処理部13のためのワークメモリとして機能する。また、記憶部14には、処理部13についての動作プログラム、後述するショート補正値Zsに対する上限値Zth1、および後述するオープン補正値Yoに対する上限値Zth2が予め記憶されている。出力部15は、一例としてLCDなどの表示装置で構成されて、処理部13によって実行されたショート補正値測定処理およびオープン補正値測定処理での処理結果(エラー表示)、並びにインピーダンス測定処理での処理結果(エラー表示およびインピーダンスZ)を表示する。
次に、インピーダンス測定装置1の動作について説明する。
インピーダンス測定装置1では、まず、処理部13が、図2に示すショート補正値測定処理50を実行する。なお、処理部13によるショート補正値測定処理50の実行前に、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bは、例えばショートバーなどを使用して互いにショート(短絡)させられている。
ショート補正値測定処理50では、処理部13は、まず、ショート補正値算出処理を実行する(ステップ51)。このショート補正値算出処理では、処理部13は、最初に、第1電流供給部5に対する制御を実行して、スイッチ5bをオン状態に移行させることにより、一対の電流供給プローブ3を定電流源5aに接続する。
次いで、処理部13は、定電流源5aに対する制御を実行して、一対の電流供給プローブ3間への第1電流I1の供給を開始させる。これにより、第1電圧検出部8では、増幅部8aが、一対の電流供給プローブ3間に第1電流I1が流れることによって一対の電流供給プローブ3間に発生する第1電圧V1を入力すると共に増幅して、電圧信号V1aとして出力する。A/D変換部8bは、この電圧信号V1aを波形データD1に変換して処理部13に出力する。また、定電流源5aは、第1電流I1の供給を開始したときには、波形データDiの処理部13への出力についても開始する。処理部13は、各波形データD1,Diを、例えば第1電流I1の1周期分だけ取得して、記憶部14に記憶させる。
続いて、処理部13は、記憶部14に記憶されている各波形データD1,Diに基づいて、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4b全体の残留インピーダンスZsをショート補正値Zsとして算出する。
次いで、処理部13は、算出したショート補正値Zsと予め規定されたショート補正値Zsについての上限値Zth1とを比較して、このショート補正値Zsが上限値Zth1以下か否かを判別する(ステップ52)。
この場合、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが上記したようにショートバーなどで互いに良好な状態でショートさせられている(ショート補正値の測定条件が満たされている)ときには、相互間の接触抵抗は極めて小さいのに対し、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられていないときには、相互間の接触抵抗は大きくなる。このため、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが上記したようにショートバーなどで互いに良好な状態でショートさせられているときに算出される残留インピーダンスZsを実験などで予め複数回測定し、この測定した複数の残留インピーダンスZsの上限値を上記した上限値Zth1として使用する。
これにより、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられているときには、算出されたショート補正値Zsは上限値Zth1以下になり、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられていないときには、算出されたショート補正値Zsは上限値Zth1を上回る。言い換えれば、算出されたショート補正値Zsが上限値Zth1以下のときには、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられているとみなすことができ、一方、算出されたショート補正値Zsが上限値Zth1を上回るときには、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられていないとみなすことができる。
したがって、処理部13は、ステップ52での比較の結果、ショート補正値Zsが上限値Zth1以下ではない(ショート補正値Zsが上限値Zth1を上回る)と判別したときには、このショート補正値Zsは一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられていない(ショート補正値の測定条件が満たされていない)ときのものであるため、誤ったショート補正値Zsであるとして、その旨をエラー表示として出力部15に表示させ(ステップ53)、ショート補正値測定処理50を完了させる。この場合、インピーダンス測定装置1の作業者は、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bをショート状態に接続し直して、処理部13にショート補正値測定処理50の実行を再度開始させる。
一方、処理部13は、ステップ52での比較の結果、ショート補正値Zsが上限値Zth1以下であると判別したときには、このショート補正値Zsは一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bが良好な状態でショートさせられている(ショート補正値の測定条件が満たされている)ときのものであるため、正しいショート補正値Zsであるとして、記憶部14に記憶させ(ステップ54)、ショート補正値測定処理50を完了させる。
このインピーダンス測定装置1では、このようにショート補正値測定処理において、一対の電流供給プローブ3および一対の電圧検出プローブ4のすべてがショート状態になっているとみなせる状態にあることを検出して初めてショート補正値Zsを記憶する構成を採用することで、測定したショート補正値Zsが正常なショート補正値Zsを測定し得る状態で測定したショート補正値Zsである確度をより高めることが可能になっている。
次いで、処理部13は、図5に示すオープン補正値測定処理70を実行する。なお、処理部13によるオープン補正値測定処理70の実行前に、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aを互いに接続(ショート)させると共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bを互いに接続(ショート)させる。また、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aと、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bとをオープン状態(未接続状態)に移行させる。この場合、上記のように電流供給プローブ3aおよび電圧検出プローブ4aが互いにショートされ、かつ電流供給プローブ3bおよび電圧検出プローブ4bが互いにショートされている状態においては、電流供給プローブ3aおよび電圧検出プローブ4aと、電流供給プローブ3bおよび電圧検出プローブ4bとをオープン状態にすることと、一対の電流供給プローブ3をオープン状態にすることと同じである。
処理部13は、このオープン補正値測定処理70では、まず、オープン補正値算出処理を実行する(ステップ71)。このオープン補正値算出処理では、処理部13は、最初に、第1電流供給部5に対する制御を実行して、スイッチ5bをオン状態に移行させることにより、一対の電流供給プローブ3を定電流源5aに接続する。
次いで、処理部13は、定電流源5aに対する制御を実行して、一対の電流供給プローブ3間への第1電流I1の供給を開始させる。これにより、第1電圧検出部8では、増幅部8aが、一対の電流供給プローブ3間に第1電流I1が流れることによって一対の電流供給プローブ3間に発生する第1電圧V1を入力すると共に増幅して、電圧信号V1aとして出力する。A/D変換部8bは、この電圧信号V1aを波形データD1に変換して処理部13に出力する。また、定電流源5aは、第1電流I1の供給を開始したときには、波形データDiの処理部13への出力についても開始する。処理部13は、各波形データD1,Diを、例えば第1電流I1の1周期分だけ取得して、記憶部14に記憶させる。
続いて、処理部13は、記憶部14に記憶されている各波形データD1,Diに基づいて、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4b全体のインピーダンスを算出すると共に、その逆数である浮遊アドミタンスYoをオープン補正値Yoとして算出する。
次いで、処理部13は、算出したオープン補正値Yoと予め規定されたオープン補正値Yoについての上限値Zth2とを比較して、このオープン補正値Yoが上限値Zth2以下か否かを判別する(ステップ72)。
この場合、上記したように、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aがショートされると共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bがショートされ、かつ、一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行されているときには、浮遊アドミタンスYoは小さくなるのに対して、一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行していないときには、浮遊アドミタンスYoは大きくなる。このため、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aがショートされると共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bがショートされ、かつ一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行されているときに算出される浮遊アドミタンスYoを実験などで予め複数回測定し、この測定した複数の浮遊アドミタンスYoの上限値を上記した上限値Zth2として使用する。
これにより、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aがショートされると共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bがショートされ、かつ一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行されているとき(オープン補正値の測定条件が満たされているとき)には、算出されるオープン補正値Yoは上限値Zth2以下になり、このオープン補正値の測定条件のうちの一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行されるという条件が満たされていないときには、算出されたオープン補正値Yoは上限値Zth2を上回る。言い換えれば、算出されたオープン補正値Yoが上限値Zth2以下のときには、このオープン補正値の測定条件が満たされているとみなすことができ、一方、算出されたオープン補正値Yoが上限値Zth2を上回るときには、オープン補正値の測定条件が満たされていない(少なくとも、一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行させられていない)とみなすことができる。
したがって、処理部13は、ステップ72での比較の結果、オープン補正値Yoが上限値Zth2以下ではない(オープン補正値Yoが上限値Zth2を上回る)と判別したときには、このオープン補正値Yoは、一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行させられていない(つまり、オープン補正値の測定条件が満たされていない)ときのものであるとみなし、その結果、誤ったオープン補正値Yoであるとして、その旨をエラー表示として出力部15に表示させ(ステップ73)、オープン補正値測定処理70を完了させる。この場合、インピーダンス測定装置1の作業者は、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aをショート状態に接続し直すと共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bをショート状態に接続し直し、かつ一対の電流供給プローブ3をオープン状態にし直して、処理部13にオープン補正値測定処理70の実行を再度開始させる。
一方、処理部13は、ステップ72での比較の結果、オープン補正値Yoが上限値Zth2以下であると判別したときには、このオープン補正値Yoは、オープン補正値の測定条件が満たされている状態で測定されたものであるとみなし、正常なオープン補正値Yoであるとして、記憶部14に記憶させ(ステップ74)、オープン補正値測定処理70を完了させる。
このインピーダンス測定装置1では、このようにオープン補正値測定処理70において、上記のオープン補正値Yoを正常に測定するためのオープン補正値の測定条件のうちの一対の電流供給プローブ3が良好なオープン状態に移行させられているという1つの条件を満たすことを検出して初めてオープン補正値Yoを記憶する構成を採用することで、測定したオープン補正値Yoが正常なオープン補正値Yoを測定し得る状態で測定したオープン補正値Yoである確度をより高めることが可能になっている。
次に、インピーダンス測定装置1では、処理部13が、図3に示すインピーダンス測定処理60を実行する。なお、処理部13によるインピーダンス測定処理60の実行前に、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aを測定対象2の一方の端部2aに接触させ、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bを測定対象2の他方の端部2bに接触させる。
インピーダンス測定処理60では、処理部13は、まず、接続検出処理を実行することにより、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aが共に測定対象2の一方の端部2aに接触し(つまり、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aが一方の端部2aを介してショートし)、かつ他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bが共に測定対象2の他方の端部2bに接触し(つまり、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bが他方の端部2bを介してショートし)ているか否かを検出する(ステップ61)。
具体的には、この接続検出処理では、処理部13は、まず、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aのショート状態を検出する際には、第1電流供給部5に対する制御を実行して、スイッチ5bをオフ状態に移行させることにより、一対の電流供給プローブ3a,3bを定電流源5aから切り離す。次いで、処理部13は、スイッチ11に対する制御を実行して、スイッチ11をオフ状態からオン状態に一定時間(例えば数秒)だけ移行させることにより、増幅部9aの一対の入力端子と第2電流供給部6の一対の出力端子とに、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aをそれぞれ一定時間だけ接続する。
続いて、処理部13は、第2電流供給部6に対する制御を実行して、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4a間への第2電流I2の供給を上記の一定時間の間だけ実行させる。これにより、第2電圧検出部9では、増幅部9aが、この両プローブ3a,4aに第2電流I2が流れることによって両プローブ3a,4a間に発生する第2電圧V2を入力すると共に増幅して、電圧信号V2aとして出力する。A/D変換部9bは、この電圧信号V2aを波形データD2に変換して出力する。
処理部13は、上記の一定時間の間にこの波形データD2を取得すると共に、この波形データD2に基づいて第2電圧V2の電圧値を算出する。また、処理部13は、この算出した第2電圧V2の電圧値と第2電流I2の既知の電流値とに基づいて、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4a間のインピーダンス(この例では抵抗値)を算出する。また、処理部13は、算出した抵抗値を予め規定されたしきい値と比較する。この接続検出処理では、処理部13は、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aがショート状態(この例ではショートバーを介してのショート状態)であるか否かを検出するため、しきい値は例えば1Ω未満の小さい抵抗値に規定されている。
処理部13は、この比較の結果、算出した抵抗値がこのしきい値を超えるときには、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aがショート状態にはないと判別して接続検出処理を一旦終了させ、出力部15にエラー表示を行って(ステップ62)、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bをショート状態に接続し直す作業を作業者に対して促した後に、接続検出処理を再度開始する。
一方、処理部13は、ステップ61での比較の結果、算出した抵抗値がこのしきい値以下のときには、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aがショート状態にあると判別して、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bのショート状態についての検出を開始する。なお、上記の一定時間の間だけオン状態に移行していたスイッチ11は、処理部13により、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aのショート状態についての検出が完了するまでにオフ状態に制御されている。
この各プローブ3b,4bのショート状態の検出に際して、処理部13は、スイッチ12に対する制御を実行して、スイッチ12をオフ状態からオン状態に一定時間(例えば数秒)だけ移行させることにより、増幅部10aの一対の入力端子と第3電流供給部7の一対の出力端子とに、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bをそれぞれ一定時間だけ接続する。
続いて、処理部13は、第3電流供給部7に対する制御を実行して、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4b間への第3電流I3の供給を上記の一定時間の間だけ実行させる。これにより、第3電圧検出部10では、増幅部10aが、この両プローブ3b,4bに第3電流I3が流れることによって両プローブ3b,4b間に発生する第3電圧V3を入力すると共に増幅して、電圧信号V3aとして出力する。A/D変換部10bは、この電圧信号V3aを波形データD3に変換して出力する。
処理部13は、上記の一定時間の間にこの波形データD3を取得すると共に、上記した波形データD2のときと同様にして、第3電圧V3の電圧値を算出し、この算出した第3電圧V3の電圧値と第3電流I3の既知の電流値とに基づいて、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4b間のインピーダンス(この例では抵抗値)を算出する。また、処理部13は、算出した抵抗値を予め規定されたしきい値と比較することにより、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bがショート状態であるか否かを検出する。
処理部13は、この比較の結果、算出した抵抗値がこのしきい値を超えるときには、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bがショート状態にはないと判別して接続検出処理を一旦終了させ、出力部15にエラー表示を行って(ステップ62)、一対の電流供給プローブ3a,3bおよび一対の電圧検出プローブ4a,4bをショート状態に接続し直す作業を作業者に対して促した後に、接続検出処理を再度開始する。
一方、処理部13は、ステップ61での検出の結果、算出した抵抗値がこのしきい値以下のときには、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bがショート状態にあると判別して接続検出処理を終了させ、次いで、インピーダンス算出処理を実行する(ステップ63)。なお、処理部13によって上記の接続検出処理において一定時間だけオン状態に移行させられた各スイッチ11,12については、このインピーダンス算出処理の実行前までにいずれもオフ状態に移行させられている。
このインピーダンス算出処理では、処理部13は、まず、第1電流供給部5のスイッチ5bに対する制御を実行して、オン状態に移行させることにより、一対の電流供給プローブ3を定電流源5aに接続する。次いで、処理部13は、定電流源5aに対する制御を実行して、一対の電流供給プローブ3間への第1電流I1の供給を開始させる。これにより、測定対象2の各端部2a,2b間には、第1電流I1が流れることによって測定対象2のインピーダンスZに応じた交流電圧が発生する。
第1電圧検出部8では、増幅部8aが、この交流電圧を一対の電圧検出プローブ4を介して第1電圧V1として入力すると共に増幅して電圧信号V1aとして出力し、A/D変換部8bが、電圧信号V1aを波形データD1に変換して処理部13に出力する。
処理部13は、この波形データD1と定電流源5aから出力される波形データDiとを取得して、記憶部14に記憶させる。次いで、処理部13は、記憶部14に記憶されている各波形データD1,Diに基づいて、一対の電流供給プローブ3、一対の電圧検出プローブ4および測定対象2全体のインピーダンスを算出する。続いて、処理部13は、この算出したインピーダンスを、記憶部14に記憶されているショート補正値Zsおよびオープン補正値Yoで補正することにより、測定対象2の最終的なインピーダンスZを算出して記憶部14に記憶させる。これによりインピーダンス算出処理が完了する。
次いで、処理部13は、出力処理を実行して(ステップ64)、算出したインピーダンスZを出力部15にインピーダンス測定処理の処理結果として表示させる。これにより、インピーダンス測定処理が完了する。
このように、このインピーダンス測定装置1では、処理部13は、ショート補正値測定処理50において、算出したショート補正値Zsと予め規定されたショート補正値Zsについての上限値Zth1とを比較して、このショート補正値Zsが上限値Zth1以下のときに(つまり、ショート補正値の測定条件が満たされているとみなせるときに)、この算出したショート補正値Zsをショート補正値測定処理50で測定されたショート補正値Zsとして記憶部14に記憶させる。
したがって、このインピーダンス測定装置1によれば、測定したショート補正値Zsが正常なショート補正値Zsを測定し得る状態で測定したショート補正値Zsである確度をより高めることができるため、このショート補正値Zsに基づいて測定対象のインピーダンスZを正確に測定し得る確度を高めることができる。
また、このインピーダンス測定装置1では、処理部13は、オープン補正値測定処理70において、算出したオープン補正値Yoと予め規定されたオープン補正値Yoについての上限値Zth2とを比較して、このオープン補正値Yoが上限値Zth2以下のときに(つまり、オープン補正値の測定条件が満たされているとみなせるときに)、この算出したオープン補正値Yoをオープン補正値測定処理70で測定されたオープン補正値Yoとして記憶部14に記憶させる。
したがって、このインピーダンス測定装置1によれば、測定したオープン補正値Yoが正常なオープン補正値Yoを測定し得る状態で測定したオープン補正値Yoである確度をより高めることができるため、このオープン補正値Yoに基づいて測定対象のインピーダンスZを正確に測定し得る確度をより高めることができる。
なお、上記の例では、第1電流供給部5の定電流源5aが予め規定された一定の周波数(1つの周波数)の第1電流I1を供給し、処理部13が、このときの各波形データD1,Diに基づいてこの一定の周波数での測定対象2のインピーダンスZを測定する構成を採用しているため、ショート補正値Zsおよびオープン補正値Yoについてもこの一定の周波数の第1電流I1を供給して測定する構成を採用しているが、第1電流供給部5の定電流源5aが予め規定された複数の周波数の第1電流I1を順次供給し、処理部13が、各周波数での各波形データD1,Diに基づいて各周波数での測定対象2のインピーダンスZを測定する構成を採用することもでき、この構成を採用したときには、ショート補正値Zsやオープン補正値Yoについても周波数毎に測定する必要がある。
以下、ショート補正値Zsを例に挙げて説明する。この場合、処理部13は、図2に示す上記したショート補正値測定処理50に、第1電流I1の周波数を設定するステップ55と、予め規定された複数の周波数での補正値(ショート補正値Zs)の測定がすべて完了したか否かを判別するステップ56とを追加した図4に示すショート補正値測定処理50Aを実行することにより、複数の周波数でのショート補正値Zsを測定して記憶部14に記憶させる。
この構成を採用したインピーダンス測定装置1では、処理部13は、複数の周波数のうちの1つの周波数に第1電流I1の周波数を設定し(ステップ55)、この設定した周波数においてショート補正値算出処理を実行してショート補正値Zsを算出し(ステップ51)、この算出したショート補正値Zsが上限値Zth1以下か否かを検出し(ステップ52)、この比較の結果、ショート補正値Zsが上限値Zth1を上回っているときには、算出したショート補正値Zsに誤りがあると判別して、その旨を示すエラー表示を行い(ステップ53)、ショート補正値Zsが上限値Zth1以下のときには、算出したショート補正値Zsがショート補正値の測定条件を満たしたときに測定されたものであるとみなして、算出したショート補正値Zsをショート補正値測定処理でのショート補正値として記憶部14に記憶させる(ステップ54)という動作を、ステップ56において全周波数でのショート補正値Zsの測定が完了したか否かを判別しつつ繰り返すことにより、複数の周波数でのショート補正値Zsの測定を実行する。
したがって、このインピーダンス測定装置1によれば、正常なショート補正値Zsを測定し得るとみなせる状態で各周波数においてショート補正値Zsを測定することができるため、この正常なショート補正値Zsに基づいて各周波数での測定対象2のインピーダンスZを正確に測定し得る確度を高めることができる。なお、オープン補正値Yoについても、上記したショート補正値Zsのときと同様にして、複数の周波数でのオープン補正値Yoの測定を実行してもよいのは勿論である。
また、上記のインピーダンス測定装置1では、一対の電流供給プローブ3間に第1電流I1を供給する第1電流供給部5と、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4a間に第2電流I2を供給する第2電流供給部6と、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4b間に第3電流I3を供給する第3電流供給部7とを個別に備える構成を採用しているが、第1電流供給部5を不図示の切替スイッチを介して一対の電流供給プローブ3および一対の電圧検出プローブ4に接続して、この切替スイッチを切り替えることにより、1つの第1電流供給部5を、必要に応じて、一対の電流供給プローブ3間、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4a間、および他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4b間のいずれかに接続する構成を採用することもできる。この構成を採用することにより、1つの第1電流供給部5で第1電流I1、第2電流I2および第3電流I3を供給することができるため、装置コストを低減することができる。
また、上記のインピーダンス測定装置1では、一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4a間のショート状態を検出するために、スイッチ11、第2電流供給部6および第2電圧検出部9を配設すると共に、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4b間のショート状態を検出するために、スイッチ12、第3電流供給部7および第3電圧検出部10を配設する構成を採用しているが、第2電流供給部6および第2電圧検出部9か、第3電流供給部7および第3電圧検出部10のいずれか一方の電流供給部および電圧検出部で他方の電流供給部および電圧検出部を兼用する構成を採用することもできる。
この構成では、スイッチ11およびスイッチ12に代えて設けたスイッチ回路を介して、一方の電流供給部および電圧検出部を一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aと、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bとに切り替えて接続する構成を採用する。この構成を採用することにより、1つの電流供給部と1つの電圧検出部によって一方の電流供給プローブ3aおよび一方の電圧検出プローブ4aのショート状態と、他方の電流供給プローブ3bおよび他方の電圧検出プローブ4bのショート状態の双方を検出することができるため、インピーダンス測定装置の回路構成を簡略化することができる。
また、上記のインピーダンス測定装置1では、算出したショート補正値Zsについての測定条件が満たされているか否かを検出してからショート補正値Zsを記憶するショート補正値測定処理50と、算出したオープン補正値Yoについての測定条件が満たされているか否かを検出してからオープン補正値Yoを記憶するオープン補正値測定処理70の双方を実行する好ましい構成を採用しているが、ショート補正値Zsについては上記のショート補正値測定処理50を実行するものの、オープン補正値Yoについては、算出したオープン補正値Yoについての測定条件が満たされているか否かを検出することなく記憶するオープン補正値測定処理を実行する構成や、逆に、オープン補正値Yoについては上記のオープン補正値測定処理70を実行するものの、ショート補正値Zsについては、算出したショート補正値Zsについての測定条件が満たされているか否かを検出することなく記憶するショート補正値測定処理を実行する構成を採用することもできる。
1 インピーダンス測定装置
2 測定対象
2a 一方の端部
2b 他方の端部
3a,3b 電流供給プローブ
4a,4b 電圧検出プローブ
5 第1電流供給部
8 第1電圧検出部
13 処理部
I1 第1電流
V1 第1電圧
Yo オープン補正値
Z インピーダンス
Zs ショート補正値

Claims (2)

  1. 一方が測定対象の一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の他方の端部に接触させられる一対の電流供給プローブと、
    一方が前記測定対象の前記一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の前記他方の端部に接触させられる一対の電圧検出プローブと、
    前記一対の電流供給プローブ間に第1電流を供給する第1電流供給部と、
    前記第1電流供給部による前記第1電流の供給状態において前記一対の電圧検出プローブ間に発生する第1電圧を検出する第1電圧検出部と、
    前記一対の電流供給プローブおよび前記一対の電圧検出プローブがショート状態での前記第1電流および前記第1電圧に基づいてショート補正値を測定するショート補正値測定処理、並びに前記一対の電流供給プローブおよび前記一対の電圧検出プローブが前記測定対象に接続されている状態での前記第1電流および前記第1電圧に基づいて前記測定対象のインピーダンスを測定すると共に当該測定されたインピーダンスを前記ショート補正値で補正して当該測定対象についての最終的なインピーダンスを算出するインピーダンス測定処理を実行する処理部とを備え、
    前記処理部は、前記ショート補正値測定処理において、前記第1電流および前記第1電圧に基づいて算出した残留インピーダンスが予め規定された上限値以下のときに、当該残留インピーダンスを前記ショート補正値として測定するインピーダンス測定装置。
  2. 一方が測定対象の一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の他方の端部に接触させられる一対の電流供給プローブと、
    一方が前記測定対象の前記一方の端部に接続され、他方が当該測定対象の前記他方の端部に接触させられる一対の電圧検出プローブと、
    前記一対の電流供給プローブ間に第1電流を供給する第1電流供給部と、
    前記第1電流供給部による前記第1電流の供給状態において前記一対の電圧検出プローブ間に発生する第1電圧を検出する第1電圧検出部と、
    前記一方の電流供給プローブおよび前記一方の電圧検出プローブ間がショート状態であり、前記他方の電流供給プローブおよび前記他方の電圧検出プローブ間がショート状態であり、かつ前記一対の電流供給プローブがオープン状態であるときの前記第1電流および前記第1電圧に基づいてオープン補正値を測定するオープン補正値測定処理、並びに前記一対の電流供給プローブおよび前記一対の電圧検出プローブが前記測定対象に接続されている状態での前記第1電流および前記第1電圧に基づいて前記測定対象のインピーダンスを測定すると共に当該測定されたインピーダンスを前記オープン補正値で補正して当該測定対象についての最終的なインピーダンスを算出するインピーダンス測定処理を実行する処理部とを備え、
    前記処理部は、前記オープン補正値測定処理において、前記第1電流および前記第1電圧に基づいて算出した浮遊アドミタンスが予め規定された上限値以下のときに、当該浮遊アドミタンスを前記オープン補正値として測定するインピーダンス測定装置。
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