JP2012013647A - 電池検査方法及び電池検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池への負担を軽減するとともに、短時間で電池の劣化状態を検査できる電池検査定方法及び電池検査装置を提供する。
【解決手段】電池検査方法は、測定周波数及び関係式導出工程S10と、インピーダンス測定工程S11と、判定工程S13とを有する。測定周波数及び関係式導出工程S10は、測定したインピーダンスの絶対値が導出した内部抵抗に一致する1つの周波数を測定周波数として導出する。また、電池の入出力特性を測定し、測定周波数におけるインピーダンスと入出力特性の関係式を導出する。インピーダンス測定工程は、検査対象電池に対して測定周波数の交流電圧を印加しインピーダンスを測定する。判定工程は、測定したインピーダンスに基づいて劣化状態を判定する。そのため、大きな電流を流す必要がなく、1つの測定周波数に対して測定すればよい。従って、電池への負担を軽減し、短時間で電池の劣化状態を判定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池の劣化状態を検査する電池検査方法及び電池検査装置に関する。
従来、電池の劣化状態を検査する電池検査方法や電池検査装置として、劣化状態と相関関係がある内部抵抗によって電池の劣化状態を検出するものがある。例えば、特許文献1に開示されている蓄電池監視装置や、特許文献2に開示されている2次電池の状態判定方法である。
特許文献1の蓄電池監視装置は、蓄電池に大電流を流して内部抵抗を測定する。そして、測定した内部抵抗に基づいて蓄電池の劣化状態を監視する。
一方、特許文献2の2次電池の状態判定方法は、周波数の異なる複数の交流電圧を2次電池に印加して周波数毎のインピーダンスを測定する。そして、測定した周波数毎のインピーダンスから内部抵抗を算出し、算出した内部抵抗に基づいて2次電池の状態を判定する。インピーダンスを測定できればよいため、2次電池に大きな電流を流す必要がない。従って、大電流を流すことなく内部抵抗を算出し、劣化状態を判定することができる。
特開平7−29614号公報 特許第3598873号
前述したように、特許文献1の蓄電池監視装置は、蓄電池に大電流を流すことによって内部抵抗を測定し、劣化状態を監視する。しかし、大電流を流さなければならないため、蓄電池に大きな負担が加わるという問題があった。また、大電流を流さなければならないため、内部抵抗の測定に時間がかかるという問題もあった。
一方、特許文献2の2次電池の状態判定方法は、周波数の異なる複数の交流電圧を2次電池に印加することによって最終的に内部抵抗を算出し、劣化状態を判定する。しかし、周波数の異なる交流電圧を複数印加しなければならないため、内部抵抗の算出に時間がかかるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、電池への負担を軽減するとともに、短時間で電池の劣化状態を検査できる電池検査定方法及び電池検査装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、特定した1つの測定周波数におけるインピーダンスに基づいて入出力特性を導出し、電池の劣化状態を判定することで、電池への負担を軽減するとともに、短時間で電池の劣化状態を検査できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の電池検査方法は、検査対象の電池の劣化状態を検査する電池検査方法において、特定した1つの測定周波数で検査対象の電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて検査対象の電池の入出力特性を導出する入出力特性導出工程と、入出力特性導出工程において導出した入出力特性に基づいて検査対象の電池の劣化状態を判定する判定工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、インピーダンスを測定できればよいため、検査対象の電池に大きな電流を流す必要がない。そのため、検査対象の電池への負担を軽減できる。しかも、特定した1つの測定周波数でインピーダンスを測定すればよい。そのため、従来のように、複数の周波数でインピーダンスを測定する必要がない。従って、短時間で検査対象の電池の劣化状態を検査できる。
請求項2に記載の電池検査方法は、測定周波数は、周波数を可変して電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、電池の等価回路のインピーダンスが、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに一致する等価回路における内部抵抗を導出する内部抵抗導出工程と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスの絶対値が、内部抵抗導出工程において導出した内部抵抗に一致する1つの周波数を導出して測定周波数とする測定周波数導出工程と、によって特定されることを特徴とする。
この構成によれば、測定周波数は、インピーダンスの絶対値が内部抵抗に一致する1つの周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって、内部抵抗と所定の関係を有する入出力特性を等価的に求めることができる。従って、1つの測定周波数でインピーダンスを測定することで、検査対象の電池の劣化を確実に検査することができる。
請求項3に記載の電池検査方法は、入出力特性導出工程は、インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスと、特定した電池の入出力特性と測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数の関係式に基づいて検査対象の電池の入出力特性を導出する工程であることを特徴とする。この構成によれば、電池の入出力特性を確実に導出することができる。
請求項4に記載の電池検査方法は、関係式は、電池の入出力特性を測定する関係式導出用入出力特性測定工程と、関係式導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定した測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数に基づいて関係式を導出する関係式導出工程と、によって特定されることを特徴とする。この構成によれば、入力特性と測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数の関係式を確実に導出することができる。
請求項5に記載の電池検査方法は、判定工程は、入出力特性導出工程において導出した入出力特性を、劣化していない電池の入出力特性と比較し、比較結果に基づいて検査対象の電池の劣化状態を判定する工程であることを特徴とする。この構成によれば、入出力特性に基づいて検査対象の電池の劣化状態を確実に判定することができる。
請求項6に記載の電池検査方法は、測定周波数導出用インピーダンス測定工程は、0.1Hz〜100kHzの周波数範囲で電池のインピーダンスを測定する工程であることを特徴とする。この構成によれば、測定周波数を導出するのに充分なインピーダンスを測定することができる。
請求項7に記載の電池検査方法は、測定周波数は、0.1Hz以上であることを特徴とする。この構成によれば、測定周波数の周期を抑えることができる。そのため、検査時間を短縮することができる。
請求項8に記載の電池検査方法は、測定周波数は、劣化状態の異なる複数の電池の入出力特性を測定する測定周波数導出用入出力特性測定工程と、周波数を可変して劣化状態の異なる複数の電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、測定周波数導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が所定値以上となる1つの周波数を測定周波数として導出する測定周波数導出工程と、によって特定されることを特徴とする。
この構成によれば、測定周波数は、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が所定値以上となる1の周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって入出力特性を等価的に求めることができる。従って、1つの測定周波数でインピーダンスを測定することで、検査対象の電池の劣化を確実に検査することができる。
請求項9に記載の電池検査方法は、測定周波数導出工程は、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が0.95以上となる1つの周波数を測定周波数として導出する工程であることを特徴とする。この構成によれば、測定周波数におけるインピーダンスによって等価的に求められる入出力特性の精度を向上させることができる。そのため、検査対象の電池の劣化判定精度を向上させることができる。
請求10に記載の電池検査装置は、検査対象の電池の劣化状態を検査する電池検査装置において、特定した1つの測定周波数を入力する測定周波数入力手段と、測定周波数入力手段によって入力された測定周波数で検査対象の電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、インピーダンス測定手段の測定したインピーダンスに基づいて検査対象の電池の入出力特性を導出する入出力特性導出手段と、入出力特性導出手段の導出した入出力特性に基づいて検査対象の電池の劣化状態を判定する判定手段と、有することを特徴とする。
この構成によれば、インピーダンスを測定できればよいため、検査対象の電池に大きな電流を流す必要がない。そのため、検査対象の電池への負担を軽減できる。しかも、特定した1つの測定周波数でインピーダンスを測定すればよい。そのため、従来のように、複数の周波数でインピーダンスを測定する必要がない。従って、短時間で検査対象の電池の劣化状態を検査できる。
請求項11に記載の電池検査装置は、測定周波数は、周波数を可変して電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、電池の等価回路のインピーダンスが、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに一致する等価回路における内部抵抗を導出する内部抵抗導出工程と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスの絶対値が、内部抵抗導出工程において導出した内部抵抗に一致する周波数を導出して測定周波数とする測定周波数導出工程と、によって特定されることを特徴とする。
この構成によれば、測定周波数は、インピーダンスの絶対値が内部抵抗に一致する1つの周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって、内部抵抗と所定の関係を有する入出力特性を等価的に求めることができる。従って、1つの測定周波数でインピーダンスを測定することで、検査対象の電池の劣化を確実に検査することができる。
請求項12に記載の電池検査装置は、定周波数は、劣化状態の異なる複数の電池の入出力特性を測定する測定周波数導出用入出力特性測定工程と、周波数を可変して劣化状態の異なる複数の電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、測定周波数導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて入出力特性とインピーダンスの逆数の相関係数が所定値以上となる1つの周波数を測定周波数として導出する測定周波数導出工程と、によって特定されることを特徴とする。
この構成によれば、測定周波数は、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が所定値以上となる1の周波数である。つまり、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数との間に強い相関関係を有する1つの周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって入出力特性を等価的に求めることができる。従って、1つの測定周波数でインピーダンスを測定することで、検査対象の電池の劣化を確実に検査することができる。
請求項13に記載の電池検査装置は、特定した電池の入出力特性と測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数の関係式を入力する関係式入力手段と、インピーダンス測定手段の測定したインピーダンスと、関係式入力手段によって入力された関係式に基づいて、検査対象の電池の入出力特性を導出する入出力特性導出手段と、入出力特性導出手段の導出した入出力特性に基づいて検査対象の電池の劣化状態を判定する判定手段と、を有することを特徴とする。この構成によれば、関係式入力手段によって入力された関係式に基づいて、検査対象の電池の入出力特性を導出し、検査対象の電池の劣化を確実に検査することができる。
請求項14に記載の電池検査装置は、特定した劣化していない電池の入出力特性を判定基準として入力する判定基準入力手段を有し、判定手段は、入出力特性導出手段の導出した入出力特性を、判定基準入力手段によって入力された判定基準と比較し、比較結果に基づいて検査対象である電池の劣化状態を判定することを特徴とする。この構成によれば、判定基準入力手段によって入力された判定基準に基づいて検査対象である電池の劣化状態を確実に判定することができる。
第1実施形態における電池検査方法のフローチャートである。 測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスの特性線図である。 電池の内部抵抗に関連する部分の等価回路図である。 測定周波数導出工程を説明するためのインピーダンスの特性線図である。 電池測定装置のブロック図である。 第2実施形態における電池検出方法のフローチャートである。 劣化状態の異なる複数の電池における入力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数を示す特性図である。
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して電池検査方法について説明する。ここで、図1は、第1実施形態における電池検査方法のフローチャートである。図2は、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスの特性線図である。図3は、電池の内部抵抗に関連する部分の等価回路図である。図4は、測定周波数導出工程を説明するためのインピーダンスの特性線図である。
電池検査方法は、特定した1つの測定周波数で検査対象の電池のインピーダンスを測定し、検査対象の電池の劣化状態を検査する方法である。具体的には、リチウム2次電池の劣化状態を検査する方法である。図1に示すように、電池検査方法は、測定周波数及び関係式導出工程S10と、インピーダンス測定工程S11と、入出力特性導出工程S12と、判定工程S12とを有している。
測定周波数及び関係式導出工程S10は、検査対象の電池のインピーダンスを測定する際の測定周波数、及び、電池のインピーダンスと入出力特性の関係式を導出する工程である。なお、測定周波数及び関係式導出工程S10に用いる電池は、検査対象の電池であってもよいし、検査対象とは劣化状態の異なる電池であってもよい。検査対象の電池の同種の電池であればよい。測定周波数及び関係式導出工程S10は、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S100と、内部抵抗導出工程S101と、測定周波数導出工程S102と、関係式導出用入出力特性測定工程S103と、関係式導出工程S104とを有している。
まず、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S100において、周波数を可変して電池のインピーダンスを測定する。具体的には、0.1Hz〜100kHzの周波数範囲で周波数を可変して電池のインピーダンスを測定する。測定したインピーダンスを実軸と虚軸とからなる複素平面上にプロットすると、図2に示すような特性線図となる。
その後、内部抵抗導出工程S101において、電池の等価回路のインピーダンスが、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S100において測定したインピーダンスに一致する等価回路における内部抵抗を導出する。つまり、等価回路のインピーダンスを測定したインピーダンスにフィッティングさせることによって内部抵抗を導出する。
図3に示すように、電池の等価回路は、電子抵抗Reと、イオン抵抗Rsと、負極反応抵抗Rct1と、負極容量C1と、正極反応抵抗Rct2と、イオン拡散インピーダンスZwと、正極容量C2とを備えている。電子抵抗Re、イオン抵抗Rs、負極反応抵抗Rct1、正極反応抵抗Rct2及びイオン拡散インピーダンスZwは直列接続されている。負極反応抵抗Rct1には、負極容量C1が並列接続されている。直列接続された正極反応抵抗Rct2及びイオン拡散インピーダンスZwには、正極容量C2が並列接続されている。ここでは、電子抵抗Re、イオン抵抗Rs、負極反応抵抗Rct1及び正極反応抵抗Rct2の和(Re+Rs+Rct1+Rct2)を内部抵抗として規定する。
内部抵抗導出工程S101は、具体的には、図3に示す等価回路のインピーダンスが、図2に示すインピーダンスの測定結果に一致する内部抵抗を導出する。
そして、測定周波数導出工程S102において、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S100において測定したインピーダンスの絶対値が、内部抵抗導出工程S101において導出した内部抵抗に一致する1つの周波数を導出して測定周波数とする。具体的には、図4に示すように、測定したインピーダンスの絶対値が導出した内部抵抗に一致する1つの周波数を導出して測定周波数とする。この電池の場合、測定周波数は、結果的に1Hzとなった。
次に、関係式導出用入出力特性測定工程S103において、電池の入出力特性を測定する。
そして、関係式導出工程S104において、関係式導出用入出力特性測定工程S103において測定した入出力特性と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S100において測定した測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数に基づいて、これらの関係式を導出する。
ここで、入出力特性は、数1によって表される。
Figure 2012013647
このように、入出力特性は内部抵抗の逆数に比例する。電池が劣化すると、内部抵抗が大きくなり入出力特性の値が小さくなる。前述したように、測定周波数におけるインピーダンスの絶対値は内部抵抗と等しい。そのため、入出力特性は、インピーダンスの絶対値の逆数に比例することになる。従って、関係式導出工程S104において、関係式は所定値の比例定数となる。
次に、インピーダンス測定工程S11において、測定周波数導出工程S102において導出した1つの測定周波数で検査対象の電池のインピーダンスを測定する。具体的には、1Hzの測定周波数で検査対象の電池のインピーダンスを測定する。
その後、入出力特性導出工程S12において、インピーダンス測定工程S11において測定したインピーダンスと、関係式導出工程S104において導出した関係式に基づいて、検査対象の電池の入出力特性を導出する。
そして、判定工程S13において、入出力特性導出工程S12において導出した入出力特性を劣化していない電池の入出力特性と比較し、比較結果に基づいて検査対象の電池の劣化状態を判定する。
このようにして、検査対象の電池の劣化状態を検出することができる。
次に、図5を参照して電池検査装置について説明する。ここで、図5は、電池検査装置のブロック図である。
図5に示す電池検査装置1は、図1に示す電池検査方法に基づいて、特定した1つの測定周波数で検査対象の電池のインピーダンスを測定し、検査対象の電池の劣化状態を検査する装置である。図5に示すように、電池検査装置1は、入力部10(測定周波数入力手段、関係式入力手段、判定基準入力手段)と、インピーダンス測定部11(インピーダンス測定手段)と、処理部12(入出力特性導出手段、判定手段)とを備えている。
入力部10は、図1に示す測定周波数導出用インピーダンス測定工程S100、内部抵抗導出工程S101及び測定周波数導出工程S102によって導出された測定周波数、関係式導出用入出力特性測定工程S103及び関係式導出工程S104によって導出された関係式を入力するためのブロックである。また、劣化していない電池の入出力特性を判定基準として入力するブロックでもある。入力部10は、スイッチによって構成されている。
インピーダンス測定部11は、図1に示すインピーダンス測定工程S11を実施するためのブロックである。インピーダンス測定部11は、交流発振部110と、インピーダンスアナライザ111とを備えている。
交流発振部110は、インピーダンスの測定の際に検査対象の電池に印加する、測定周波数の交流電圧を出力するブロックである。インピーダンスアナライザ111は、検査対象の電池に印加される交流電圧、及び、検査対象の電池に流れる交流電流に基づいてインピーダンスを導出するブロックである。
処理部12は、図1に示す入出力特性導出工程S12及び判定工程S13を実施するためのブロックである。処理部12は、CPU120と、プログラムメモリ121と、データメモリ122とを備えている。
CPU120は、図1に示す入出力特性導出工程S12及び判定工程S13を実施するブロックである。 プログラムメモリ121は、図1に示す入出力特性導出工程S12及び判定工程S13の実施をCPU120に指示するためのプログラムを記憶するブロックである。データメモリ122は、入力部10から入力された測定周波数、関係式、判定基準、及び、インピーダンス測定部11によって測定されたデータを記憶するブロックである。
このように構成された電池検査装置1において電池検査方法を実施することによって、検査対象の電池の劣化状態を実際に検出することができる。
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、インピーダンスを測定できればよいため、検査対象の電池に大きな電流を流す必要がない。そのため、検査対象の電池への負担を軽減できる。しかも、特定した1つの測定周波数でインピーダンスを測定すればよい。そのため、従来のように、複数の周波数でインピーダンスを測定する必要がない。従って、短時間で検査対象の電池の劣化状態を検査できる。
第1実施形態によれば、測定周波数は、インピーダンスの絶対値が内部抵抗に一致する1つの周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって、内部抵抗と所定の関係を有する入出力特性を等価的に求めることができる。従って、1つの測定周波数でインピーダンスを測定することで、検査対象の電池の劣化状態を確実に検査することができる。
第1実施形態によれば、入出力特性導出工程において、測定した入出力特性と特定した入出力特性とインピーダンスの関係式に基づいて、電池の入出力特性を確実に導出することができる。
第1実施形態によれば、関係式導出工程において、測定した入力特性と測定したインピーダンスに基づいて、関係式を確実に導出することができる。
第1実施形態によれば、判定工程において、導出した入出力特性と劣化していない電池の入出力特性の比較結果に基づいて、検査対象の電池の劣化状態を確実に判定することができる。
第1実施形態によれば、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において、0.1Hz〜100kHzの周波数範囲で周波数を可変して電池のインピーダンスを測定する。そのため、測定周波数を導出するのに充分なインピーダンスを測定することができる。
第1実施形態によれば、測定周波数導出工程において導出された測定周波数は1Hzである。そのため、測定周波数が0.1Hz未満のような場合に比べ、測定周波数の周期を抑えることができる。従って、検査時間を短縮することができる。
なお、第1実施形態では、電子抵抗Re、イオン抵抗Rs、負極反応抵抗Rct1及び正極反応抵抗Rct2の和(Re+Rs+Rct1+Rct2)を内部抵抗として規定した例を挙げているが、これに限られるものではない。電子抵抗Re、イオン抵抗Rs、負極反応抵抗Rct1、正極反応抵抗Rct2及びイオン拡散インピーダンスZwの和(Re+Rs+Rct1+Rct2+Zw)を内部抵抗として規定してもよい。少なくとも、電池の劣化によって値が変化する負極反応抵抗Rct1及び正極反応抵抗Rct2が含まれていればよい。
また、第1実施形態では、測定周波数が結果的に1Hzとなった例を挙げているが、これに限られるものではない。測定周波数は、測定したインピーダンスの絶対値が導出した内部抵抗に一致する1つの周波数として結果的に導出されるが、0.1Hz以上であるとよい。
さらに、第1実施形態では、リチウム2次電池の劣化状態を検出する例を挙げているが、これに限られるものではない。適切な等価回路を用いることにより、他の2次電池にも適用することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電池検査方法について説明する。第2実施形態の電池検査方法は、第1実施形態の電池検査方法に対して測定周波数の導出方法を変更したものである。
まず、図6及び図7を参照して第2実施形態の電池検査方法について説明する。ここで、図6は、第2実施形態における電池検査方法のフローチャートである。図7は、劣化状態の異なる複数の電池における入力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数を示す特性図である。
図6に示すように、電池検査方法は、測定周波数及び関係式導出工程S20と、インピーダンス測定工程S21と、入出力特性導出工程S22と、判定工程S23とを有している。インピーダンス測定工程S21、入出力特性導出工程S22及び判定工程S23は、第1実施形態のインピーダンス測定工程S11、入出力特性導出工程S12及び判定工程S13と同一である。
測定周波数及び関係式導出工程S20は、測定周波数導出用入出力特性測定工程S200と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S201と、測定周波数導出工程S202と、関係式導出用入出力特性測定工程S203と、関係式導出工程S204とを有している。関係式導出用入出力特性測定工程S203及び関係式導出工程S204は、第1実施形態の関係式導出用入出力特性測定工程S103及び関係式導出工程S104と同一である。
まず、測定周波数導出用入出力特性測定工程S200において、劣化状態の異なる複数の電池の入出力特性を測定する。
その後、測定周波数導出用インピーダンス測定工程S201において、周波数を可変して劣化状態の異なる複数の電池のインピーダンスを測定する。具体的には、0.1Hz〜100kHzの周波数範囲で周波数を可変して電池のインピーダンスを測定する。
そして、測定周波数導出工程S202において、測定周波数導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が所定値以上となる1つの周波数を測定周波数として導出する。
図7に示すように、劣化状態の異なる複数の電池における入力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数は周波数によって変化する。測定周波数導出工程S202において、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が0.95以上となる周波数のうち、相関係数が最大となる1Hzを測定周波数として導出する。
以降は、第1実施形態の電池検査方法と同様にして、検査対象の電池の劣化状態を検査することができる。また、第1実施形態の電池検査装置によって、検査対象の電池の劣化状態を実際に検査することができる。
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、測定周波数は、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が所定値以上となる1の周波数である。つまり、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数との間に強い相関関係を有する1つの周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって入出力特性を等価的に求めることができる。従って、1つの測定周波数でインピーダンスを測定することで、検査対象の電池の劣化を確実に検査することができる。
第2実施形態によれば、測定周波数は、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が0.95以上となる周波数のうち、相関係数が最大となる1つの周波数である。つまり、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数との間により強い相関関係を有する1つの周波数である。そのため、測定周波数におけるインピーダンスによって等価的に求められる入出力特性の精度を向上させることができる。従って、検査対象の電池の劣化判定精度を向上させることができる。
なお、第2実施形態では、相関係数が0.95以上となる周波数のうち、相関係数が最大となる1Hzを測定周波数として導出した例を挙げているが、これに限られるものではない。測定周波数は、相関係数が0.95以上となる周波数であればよい。充分な劣化判定精度を確保することができる。
また、第2実施形態では、リチウム2次電池の劣化状態を検出する例を挙げているが、これに限られるものではない。他の2次電池にも適用できる。
S10、S20・・・測定周波数及び関係式導出工程、S100・・・測定周波数導出用インピーダンス測定工程、S101・・・内部抵抗導出工程、S102・・・測定周波数導出工程、S103、S203・・・関係式導出用入出力特性測定工程、S104、S204・・・関係式導出工程、S200・・・測定周波数導出用入出力特性測定工程、S201・・・測定周波数導出用インピーダンス測定工程、S202・・・測定周波数導出工程、S11、S21・・・インピーダンス測定工程、S12、S22・・・入出力特性導出工程、S13、S23・・・判定工程、1・・・電池検査装置、10・・・入力部(測定周波数入力手段、関係式入力手段、判定基準入力手段)、11・・・インピーダンス測定部(インピーダンス測定手段)、110・・・交流発振部、111・・・インピーダンスアナライザ、12・・・処理部(入出力特性導出手段、判定手段)、120・・・CPU、121・・・プログラムメモリ、122・・・データメモリ

Claims (14)

  1. 検査対象の電池の劣化状態を検査する電池検査方法において、
    特定した1つの測定周波数で検査対象の前記電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、
    前記インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて検査対象の前記電池の入出力特性を導出する入出力特性導出工程と、
    前記入出力特性導出工程において導出した入出力特性に基づいて検査対象の前記電池の劣化状態を判定する判定工程と、
    を有することを特徴とする電池検査方法。
  2. 前記測定周波数は、
    周波数を可変して前記電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、
    前記電池の等価回路のインピーダンスが、前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに一致する前記等価回路における内部抵抗を導出する内部抵抗導出工程と、
    前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスの絶対値が、前記内部抵抗導出工程において導出した前記内部抵抗に一致する1つの周波数を導出して前記測定周波数とする測定周波数導出工程と、
    によって特定されることを特徴とする請求項1に記載の電池検査方法。
  3. 前記入出力特性導出工程は、前記インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスと、特定した前記電池の入出力特性と前記測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数の関係式に基づいて検査対象の前記電池の入出力特性を導出する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池検査方法。
  4. 前記関係式は、
    前記電池の入出力特性を測定する関係式導出用入出力特性測定工程と、
    前記関係式導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定した前記測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数に基づいて前記関係式を導出する関係式導出工程と、
    によって特定されることを特徴とする請求項3に記載の電池検査方法。
  5. 前記判定工程は、前記入出力特性導出工程において導出した入出力特性を、劣化していない前記電池の入出力特性と比較し、比較結果に基づいて検査対象の前記電池の劣化状態を判定する工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池検査方法。
  6. 前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程は、0.1Hz〜100kHzの周波数範囲で前記電池のインピーダンスを測定する工程であることを特徴とする請求項2に記載の電池検査方法。
  7. 前記測定周波数は、0.1Hz以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池検査方法。
  8. 前記測定周波数は、
    劣化状態の異なる複数の前記電池の入出力特性を測定する測定周波数導出用入出力特性測定工程と、
    周波数を可変して劣化状態の異なる複数の前記電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、
    前記測定周波数導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が所定値以上となる1つの周波数を前記測定周波数として導出する測定周波数導出工程と、
    によって特定されることを特徴とする請求項1に記載の電池検査方法。
  9. 前記測定周波数導出工程は、入出力特性とインピーダンスの絶対値の逆数の相関係数が0.95以上となる1つの周波数を前記測定周波数として導出する工程であることを特徴とする請求項8に記載の電池検査方法。
  10. 検査対象の電池の劣化状態を検査する電池検査装置において、
    特定した1つの測定周波数を入力する測定周波数入力手段と、
    前記測定周波数入力手段によって入力された前記測定周波数で検査対象の前記電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、
    前記インピーダンス測定手段の測定したインピーダンスに基づいて検査対象の前記電池の入出力特性を導出する入出力特性導出手段と、
    前記入出力特性導出手段の導出した入出力特性に基づいて検査対象の前記電池の劣化状態を判定する判定手段と、
    有することを特徴とする電池検査装置。
  11. 前記測定周波数は、
    周波数を可変して前記電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、
    前記電池の等価回路のインピーダンスが、前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに一致する前記等価回路における内部抵抗を導出する内部抵抗導出工程と、
    前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスの絶対値が、前記内部抵抗導出工程において導出した前記内部抵抗に一致する周波数を導出して前記測定周波数とする測定周波数導出工程と、
    によって特定されることを特徴とする請求項10に記載の電池検査装置。
  12. 前記測定周波数は、
    劣化状態の異なる複数の前記電池の入出力特性を測定する測定周波数導出用入出力特性測定工程と、
    周波数を可変して劣化状態の異なる複数の前記電池のインピーダンスを測定する測定周波数導出用インピーダンス測定工程と、
    前記測定周波数導出用入出力特性測定工程において測定した入出力特性と、前記測定周波数導出用インピーダンス測定工程において測定したインピーダンスに基づいて入出力特性とインピーダンスの逆数の相関係数が所定値以上となる1つの周波数を前記測定周波数として導出する測定周波数導出工程と、
    によって特定されることを特徴とする請求項10に記載の電池検査装置。
  13. 特定した前記電池の入出力特性と前記測定周波数におけるインピーダンスの絶対値の逆数の関係式を入力する関係式入力手段と、
    前記インピーダンス測定手段の測定したインピーダンスと、前記関係式入力手段によって入力された前記関係式に基づいて、検査対象の前記電池の入出力特性を導出する入出力特性導出手段と、
    前記入出力特性導出手段の導出した入出力特性に基づいて検査対象の前記電池の劣化状態を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の電池検査装置。
  14. 特定した劣化していない前記電池の入出力特性を判定基準として入力する判定基準入力手段を有し、
    前記判定手段は、前記入出力特性導出手段の導出した入出力特性を、前記判定基準入力手段によって入力された前記判定基準と比較し、比較結果に基づいて検査対象である前記電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の電池検査装置。
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