JP2015021771A - 圧力センサ - Google Patents

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【課題】過渡的なノイズによる誤った信号の出力を防止することができる圧力センサを提供する。【解決手段】信号処理部30は、当該信号処理部30に入力される圧力信号、第2フィルタ部31から出力される大気圧信号、減算部32から出力される変化分信号、及び除算部33から出力される変化率信号の各デジタルデータをそれぞれ所定の周期で記憶する監視ブロック部34〜37を有している。また、信号処理部30は、圧力信号、大気圧信号、変化分信号、及び変化率信号の各信号について、監視ブロック部34〜37に今回記憶された信号と前回記憶された信号との差分をそれぞれ取得し、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超えない場合は監視ブロック部34〜37に今回値を出力させ、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超える場合は監視ブロック部34〜37に前回値を出力させる演算部38を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、大気圧に対する圧力媒体の圧力の変化率を取得する圧力センサに関する。
従来より、圧力媒体の圧力と大気圧との差圧を検出するに際し、大気圧の変化を補正するように構成された物理量検出装置が例えば特許文献1で提案されている。具体的には、物理量検出装置は、検出手段とフィルタと可変利得器とを備えて構成されている。
検出手段は、大気圧(P0)に応じた電圧成分及び大気圧(P0)との変化量(ΔP)に応じた電圧成分を含んだ検出信号(VS)を出力する。また、フィルタは、検出手段から検出信号を入力して検出信号から大気圧との変化量を除去した変化量信号(VSO)を出力する。そして、可変利得器は、検出手段から検出信号を入力すると共に、フィルタから変化量信号を入力し、これらの信号に基づいてΔP/P0に比例した信号を取得して外部に出力する。可変利得器はアナログ回路によって構成されている。
このように、可変利得器の出力は大気圧に対する圧力変化の比ΔP/P0に比例する。したがって、大気圧P0の変化による大気圧との変化量ΔPへの影響を受けないようになっている。
特開2007−256179号公報
しかしながら、上記従来の技術では、過渡的なノイズが検出信号に入力された場合、検出信号はノイズの影響を受けて変化する一方、フィルタを通過した変化量信号(VSO)はノイズの影響が取り除かれているので変化しない。このため、可変利得器は誤った信号を出力してしまうという問題がある。
また、フィルタは所定の時定数の遮断周波数が設定されているので、フィルタに過渡的なノイズが入力されてしまうと、フィルタの演算途中でエラーが発生して出力が所望の値から外れてしまう場合がある。このため、フィルタの出力値が収束するまでかなりの時間がかかってしまうので、可変利得器は誤った信号を出力し続けてしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑み、過渡的なノイズによる誤った信号の出力を防止することができる圧力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、大気圧に応じた大気圧成分と、大気圧とは異なる圧力による大気圧との圧力変化に応じた圧力変化成分と、を含んだ圧力を検出して圧力信号を出力する圧力検出部(10、20)を備えている。また、圧力信号をデジタルデータとして入力し、圧力信号をデジタル処理することにより、圧力信号に基づいて大気圧に対する圧力変化の変化率を取得する信号処理部(30)を備えている。
そして、信号処理部(30)は、圧力信号を入力し、当該圧力信号から圧力変化成分を除去することにより大気圧成分を有する大気圧信号を取得するフィルタ部(31)と、圧力信号を入力すると共にフィルタ部(31)から大気圧信号を入力し、圧力信号から大気圧成分を減算することにより圧力変化成分を有する変化分信号を取得する減算部(32)と、大気圧信号及び変化分信号を入力し、変化分信号に含まれる圧力変化成分を大気圧信号に含まれる大気圧成分で割ることにより大気圧に対する圧力変化の変化率成分を有する変化率信号を取得する除算部(33)と、を有している。
さらに、信号処理部(30)は、信号処理部(30)に入力される圧力信号、フィルタ部(31)から出力される大気圧信号、減算部(32)から出力される変化分信号、及び除算部(33)から出力される変化率信号の各デジタルデータをそれぞれ所定の周期で記憶する監視ブロック部(34〜37)と、圧力信号、大気圧信号、変化分信号、及び変化率信号のそれぞれの信号について、監視ブロック部(34〜37)に今回記憶された信号と前回記憶された信号との差分をそれぞれ取得し、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超えない場合は監視ブロック部(34〜37)に今回記憶した信号のデータを出力させ、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超える場合は監視ブロック部(34〜37)に前回記憶した信号のデータを出力させる演算部(38)と、を有していることを特徴とする。
これによると、過渡的なノイズ等によって各信号のいずれかに異常が発生した場合は演算部(38)が監視ブロック部(34〜37)から前回の信号のデータを出力させているので、信号処理部(30)において異常な信号が取り扱われないようにすることができる。例えば、過渡的なノイズ等によってフィルタ部(31)の出力値が所望の値から外れてしまったとしても、出力値が収束するまでの間はフィルタ部(31)が前回出力した正常なデータを取り扱えるようにすることができる。したがって、信号処理部(30)が過渡的なノイズによる誤った信号の出力を外部に出力することを防止することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る圧力センサの全体構成図である。 (a)は圧力信号Pabsの波形を示した図、(b)は大気圧信号P0の波形を示した図、(c)は変化率信号ΔP/P0の波形を示した図である。 信号処理部の作動を説明するための図である。 第3実施形態に係る信号値の変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る圧力センサは、例えば車両のドア内に設置され、車両のドア内の空気圧力の変化を検出して、車両のドアへの衝突を検出する場合に用いられる。同じドア体積変形でも低地と高地で絶対圧力変化が異なるため、圧力変化分をそのときの大気圧で補正することができる圧力センサである。
図1に示されるように、圧力センサは、センサ部10と、第1フィルタ部20と、信号処理部30と、を備えている。このうちのセンサ部10は、大気圧に応じた大気圧成分と、大気圧とは異なる圧力による大気圧との圧力変化に応じた圧力変化成分と、を含んだ圧力を検出してセンサ信号を出力するように構成されている。本実施形態では、「大気圧とは異なる圧力」は車両のドアへの衝突に基づく圧力であり、当該衝突に基づく圧力が「圧力変化に応じた圧力変化成分」に該当する。
センサ部10は、シリコン基板等の半導体基板から構成されたセンサチップに形成されている。また、センサ部10は、センサチップに形成された歪み部としてのダイヤフラムを有し、このダイヤフラムに拡散抵抗などにより形成されたブリッジ回路等を備えたセンシング部を有している。すなわち、センシング部は、ピエゾ抵抗効果を利用して圧力を検出するように構成されている。
第1フィルタ部20は、センサ部10から入力したセンサ信号に含まれるノイズを除去するように構成されたローパスフィルタ回路である。本実施形態では、第1フィルタ部20は、遮断周波数が例えば370Hzに設定されている。これにより、第1フィルタ部20は、センサ信号に含まれる成分のうち遮断周波数を超える周波数のノイズ成分を除去する。
また、第1フィルタ部20は、センサ信号からノイズを除去した信号を圧力信号として信号処理部30に出力する。ここで、第1フィルタ部20は、圧力信号を2値化した信号すなわちデジタルデータとして信号処理部30に出力する。なお、以下では圧力信号をPabsとする。
信号処理部30は、第1フィルタ部20から圧力信号Pabsをデジタルデータとして入力し、圧力信号Pabsをデジタル処理することにより、圧力信号Pabsに基づいて大気圧に対する圧力変化の変化率を取得するように構成されたデジタル回路部である。このような信号処理部30は、第2フィルタ部31と、減算部32と、除算部33と、複数の監視ブロック部34〜37と、演算部38と、を有している。
第2フィルタ部31は、第1フィルタ部20から圧力信号Pabsを入力し、当該圧力信号Pabsから圧力変化成分を除去するように構成されたローパスフィルタ回路である。すなわち、第2フィルタ部31は、大気圧成分を有する大気圧信号を取得する回路である。
本実施形態では、第2フィルタ部31は、遮断周波数が例えば0.3Hzに設定されている。これにより、第2フィルタ部31は、圧力信号Pabsに含まれる成分のうち遮断周波数を超える圧力変化成分を除去する。なお、以下では大気圧信号をP0とする。
減算部32は、圧力信号Pabsを入力すると共に第2フィルタ部31から大気圧信号P0を入力し、圧力信号Pabsから大気圧成分を減算するように構成された減算回路である。すなわち、減算部32は、圧力変化成分を有する変化分信号を取得する回路である。なお、以下では変化分信号をΔPとする。
車両の衝突が無く、圧力変化が生じない場合、変化分信号ΔP=Pabs−P0=0が減算部32から出力される。一方、車両の衝突によって圧力変化が生じた場合は、過渡的な圧力変化として変化分信号ΔP=Pabs−P0が減算部32から出力される。
除算部33は、大気圧信号P0及び変化分信号ΔPを入力し、変化分信号ΔPに含まれる圧力変化成分を大気圧信号P0に含まれる大気圧成分で割る除算回路である。すなわち、除算部33は、大気圧に対する圧力変化の変化率成分を有する変化率信号を取得する回路である。このように、変化分信号ΔPを大気圧信号P0で割ることで、大気圧に依存しない過渡的な圧力変化としての出力(変化率成分)を取り出すことができる。なお、以下では変化率信号をΔP/P0とする。
複数の監視ブロック部34〜37は、信号処理部30における各信号経路のうちの所定の経路における信号のデジタルデータを所定の周期で監視すると共に、当該データをラッチやメモリ等の図示しない記憶手段に記憶する監視回路である。「所定の周期」は、予め設定されたサンプリング周期である。なお、図示しない記憶手段は各監視ブロック部34〜37に含まれていても良い。
具体的に、監視ブロック部34(A)は、信号処理部30に入力される圧力信号Pabsを所定の周期で監視及び記憶する。監視ブロック部35(B)は、減算部32から出力される変化分信号ΔPのデジタルデータを所定の周期で監視及び記憶する。監視ブロック部36(C)は、第2フィルタ部31から出力される大気圧信号P0のデジタルデータを所定の周期で監視及び記憶する。監視ブロック部37(D)は、除算部33から出力される変化率信号ΔP/P0のデジタルデータを所定の周期で監視及び記憶する。
演算部38は、各監視ブロック部34〜37に記憶された圧力信号Pabs、大気圧信号P0、変化分信号ΔP、及び変化率信号ΔP/P0のそれぞれの信号のデジタルデータを用いて各データの異常の有無を判定する判定処理機能を有する演算回路である。
具体的に、判定処理機能では、演算部38が各監視ブロック部34〜37に今回記憶された信号と前回記憶された信号との差分をそれぞれ取得し、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超えるか否かを判定する。また、演算部38は、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超えない場合は各監視ブロック部34〜37に今回記憶された信号のデータを出力させる。一方、演算部38は、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超える場合は各監視ブロック部34〜37に前回記憶された信号のデータを出力させる。
また、演算部38は、圧力信号Pabs、大気圧信号P0、変化分信号ΔP、及び変化率信号ΔP/P0のうちのいずれかについて、取得した差分が閾値を超える場合、外部に異常を通知する通知機能を有している。この機能により、異常が発生していることを外部に把握させることができる。以上が、本実施形態に係る圧力センサの全体構成である。
次に、上記の圧力センサの作動について説明する。まず、圧力信号Pabs、大気圧信号P0、及び変化率信号ΔP/P0がどのように変化するのかを図2を参照して説明する。ここで、図2に示された各信号は全て正常値である。
図2(a)に示されるように、大気圧は例えば100kPaである。そして、0.00sで車両の衝突により圧力変化の成分が発生すると、圧力信号Pabsが大きくなっていく。そして、圧力信号Pabsは衝突発生から20ms後に約110kPaとなり、その後は減衰して大気圧である100kPaに収束する。
このような圧力信号Pabsの挙動に対して、第2フィルタ部31を通過した大気圧信号P0は図2(b)に示されるように大気圧である100kPaを維持している。すなわち、20msで変化する圧力変化成分が第2フィルタ部31に入力されたとしても、当該圧力変化成分は除去されて大気圧成分のみが第2フィルタ部31から出力される。
そして、図2(c)に示されるように、除算部33では大気圧に対する圧力変化成分の割合として変化率信号ΔP/P0(=(Pabs−P0)/P0)が算出されるので、圧力変化率が0%の状態から20ms後に圧力変化率が最大値となり、その後、圧力変化率は0%に戻る。具体的には、大気圧100kPaに対して圧力検出値が110kPaまで変化したので、圧力変化の変化率は最大で10%変化したことを示している。このように、信号処理部30からは大気圧に対する圧力変化の変化率のデータが外部に出力される。
続いて、各信号のいずれかに異常が発生した場合の演算部38の判定処理機能について、図3を参照して説明する。上述のように、各監視ブロック部34〜37(A〜D)によって所定のサンプリング周期で各信号のデータが監視及び記憶されている。なお、図3の各時点T1〜T5は、それぞれデータのサンプリングの時点を示している。
図3の時点T1では、全ての監視ブロック部34〜37の値(A1〜D1)は正常である。続いて、時点T2においても、全ての監視ブロック部34〜37の値(A1〜D1)は正常である。
例えば圧力信号Pabsに係る監視ブロック部34(A)についてみてみると、監視ブロック部34(A)によって今回記憶された信号(A1)と前回記憶された信号(A2)との差分(A1−A2)が取得される。
また、当該差分(A1−A2)が圧力信号Pabsについて設定された閾値を超えるか否かが判定される。ここで、差分(A1−A2)は例えば絶対値として取得される。そして、各値A1及びA2は正常値であるので、演算部38で取得された差分(A1−A2)は圧力信号Pabsについて設定された閾値を超えない。したがって、圧力信号Pabsについては監視ブロック部34(A)に今回記憶されたデータ(A2)が第2フィルタ部31及び減算部32に出力される。
他の監視ブロック部35〜37についても上記と同様に差分の取得と閾値との比較がそれぞれ行われる。そして、監視ブロック部35(B)に今回記憶されたデータ(B2)及び監視ブロック部36(C)に今回記憶されたデータ(C2)が除算部33に出力される。また、監視ブロック部37(D)に今回記憶されたデータ(D2)が外部に出力される。
この後、時点T3では、信号処理部30のうちの減算部32と除算部33との間に過渡的なノイズが発生し、監視ブロック部35(B)で監視されている変化分信号ΔPの値(B3)が異常値になったとする。他の信号の値(A3、C3、D3)は正常値であり、動作も上記の正常の場合と同じである。
この場合、監視ブロック部35(B)によって今回記憶された信号(B3)と前回記憶された信号(B2)との差分(B2−B3)が取得される。また、当該差分(B2−B3)が変化分信号ΔPについて設定された閾値を超えるか否かが判定される。そして、B3は異常値であるので、演算部38で取得された差分(B2−B3)は変化分信号ΔPについて設定された閾値を超える。したがって、変化分信号ΔPについては監視ブロック部35(B)によって前回記憶されたデータ(B2)が除算部33に出力される。これにより、除算部33では変化分信号ΔPについて前回のデータが用いられて変化率信号ΔP/P0が算出される。さらに、演算部38によって変化分信号ΔPについて、外部に異常が通知される。
時点T4では、変化分信号ΔPの値(B4)が正常値に戻ったとする。これにより、変化分信号ΔPについては今回記憶された信号(B4)と前回記憶された信号(B3)との差分(B3−B4)は閾値を超えるので、上記の時点T3と同様に監視ブロック部35(B)によって前回記憶されたデータ(B3)が除算部33に出力され、当該データに基づいて変化率信号ΔP/P0が算出される。また、演算部38によって変化分信号ΔPについて、外部への異常の通知が継続される。
そして、時点T5では、全ての値が正常値であるとする。この場合は上述の時点T2と同様に各値についての前回値と今回値との差分は閾値を超えず、各監視ブロック部34〜37からは今回値が出力される。また、演算部38による外部への異常の通知は解除される。
上記のように、データの差分が大きい場合で例えば数サンプリング以内に元に戻った場合は、差分が大きくなる前回データが監視ブロック部34〜37によって保持され、そのデータが処理に使用される。データの差分が大きい場合で例えば10サンプリング以上元の値に戻らない場合は、演算部38によって信号処理が異常であることが外部に通知され、フィルタ処理が正常に戻るまで通知が継続される。恒常的なデータのズレが長期間にわたって継続している場合には外部への異常の通知が継続して行われる。
以上説明したように、本実施形態では、各信号を監視及び記憶する監視ブロック部34〜37を設け、異常値が発生した場合は前回値を用いた処理が行われることが特徴となっている。これにより、過渡的なノイズ等によって各信号のいずれかに異常が発生した場合は当該異常な信号が取り扱われないようにすることができる。したがって、信号処理部30が過渡的なノイズによる誤った信号の出力を外部に出力することを防止することができる。
特に、第2フィルタ部31はローパスフィルタ回路であり、過渡的なノイズ等によって出力値が所望の値から外れた場合には出力値が収束するまでに時間を要する。しかしながら、出力値が収束するまでの間は第2フィルタ部31が前回出力した正常なデータを取り扱えるようにすることができ、出力値の異常な変化に対応することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、センサ部10及び第1フィルタ部20が特許請求の範囲の「圧力検出部」に対応する。また、第2フィルタ部31が特許請求の範囲の「フィルタ部」に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、演算部38は、圧力信号Pabs、大気圧信号P0、変化分信号ΔP、及び変化率信号ΔP/P0のうちのいずれかについて、取得した差分が一定時間継続して閾値を超える場合、外部に異常を通知する。すなわち、演算部38は、各信号について取得した差分が閾値を超えたタイミングで直ぐに外部に異常を通知するのではなく、当該タイミングから一定時間をカウントした後にもなお取得した差分が閾値を超えている場合に外部に異常を通知する。
以上のように、演算部38によって異常が継続して発生していることが確認された上で外部に対して異常の通知が行われるので、圧力センサから外部への異常の通知の信頼性を高めることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1及び第2実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、演算部38は、取得した差分が閾値を超えた後、監視ブロック部34〜37に今回記憶された信号の値が前回記憶された信号の値を基準とした一定範囲に含まれる場合、外部への異常の通知を解除する。
具体的には、図4に示されるように、信号処理部30内で異常が発生したことにより、いずれかの信号値が正常値から大きく離れてしまった場合、上述のように前回値と今回値との差分が閾値を超えるので、正常値である前回値が用いられる。また、時間の経過と共に信号値が正常値に戻ってくる。そして、信号値が前回値を基準とした一定範囲に含まれる値になった場合、演算部38によって外部への異常の通知が解除される。これにより、圧力センサの信号処理が正常に戻ったことを外部に把握させることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された圧力センサの構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、上記各実施形態では、圧力センサは車両の衝突を検出するものであったが、圧力センサの用途は車両に限られず、他の用途で用いられても良い。
10 センサ部(圧力検出部)
20 第1フィルタ部(圧力検出部)
30 信号処理部
31 フィルタ部
32 減算部
33 除算部
34〜37 監視ブロック部
38 演算部

Claims (4)

  1. 大気圧に応じた大気圧成分と、前記大気圧とは異なる圧力による前記大気圧との圧力変化に応じた圧力変化成分と、を含んだ圧力を検出して圧力信号を出力する圧力検出部(10、20)と、
    前記圧力信号をデジタルデータとして入力し、前記圧力信号をデジタル処理することにより、前記圧力信号に基づいて前記大気圧に対する前記圧力変化の変化率を取得する信号処理部(30)と、
    を備え、
    前記信号処理部(30)は、
    前記圧力信号を入力し、当該圧力信号から前記圧力変化成分を除去することにより前記大気圧成分を有する大気圧信号を取得するフィルタ部(31)と、
    前記圧力信号を入力すると共に前記フィルタ部(31)から前記大気圧信号を入力し、前記圧力信号から前記大気圧成分を減算することにより前記圧力変化成分を有する変化分信号を取得する減算部(32)と、
    前記大気圧信号及び前記変化分信号を入力し、前記変化分信号に含まれる前記圧力変化成分を前記大気圧信号に含まれる前記大気圧成分で割ることにより前記大気圧に対する前記圧力変化の変化率成分を有する変化率信号を取得する除算部(33)と、
    前記信号処理部(30)に入力される前記圧力信号、前記フィルタ部(31)から出力される前記大気圧信号、前記減算部(32)から出力される前記変化分信号、及び前記除算部(33)から出力される前記変化率信号の各デジタルデータをそれぞれ所定の周期で記憶する監視ブロック部(34〜37)と、
    前記圧力信号、前記大気圧信号、前記変化分信号、及び前記変化率信号のそれぞれの信号について、前記監視ブロック部(34〜37)に今回記憶された信号と前回記憶された信号との差分をそれぞれ取得し、取得した差分が信号毎に設定された閾値を超えない場合は前記監視ブロック部(34〜37)に今回記憶された信号のデータを出力させ、取得した差分が前記信号毎に設定された閾値を超える場合は前記監視ブロック部(34〜37)に前回記憶された信号のデータを出力させる演算部(38)と、
    を有していることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記演算部(38)は、前記圧力信号、前記大気圧信号、前記変化分信号、及び前記変化率信号のうちのいずれかについて、前記取得した差分が閾値を超える場合、外部に異常を通知することを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記演算部(38)は、前記圧力信号、前記大気圧信号、前記変化分信号、及び前記変化率信号のうちのいずれかについて、前記取得した差分が一定時間継続して閾値を超える場合、外部に異常を通知することを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  4. 前記演算部(38)は、前記取得した差分が閾値を超えた後、前記監視ブロック部(34〜37)に今回記憶された信号の値が前回記憶された信号の値を基準とした一定範囲に含まれる場合、外部への異常の通知を解除することを特徴とする請求項2または3に記載の圧力センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018235385A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 シャープ株式会社 端末装置およびその制御方法、ならびに制御プログラム

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