JP2015021473A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】1気筒当たりに2つの吸気弁7および2つの排気弁8が設けられ、ピストン4とシリンダヘッド3との間に燃焼室が形成されるエンジン1において、吸気行程で発生されるタンブル流が圧縮行程で横渦に変化することを抑制して、燃焼効率を向上可能とする。【解決手段】ピストン4の頂面にはタンブル流を維持するためのキャビティ43が設けられている。ピストン4の頂面および吸気弁7を前記燃焼室の頂部側から平面視した場合に、2つの吸気弁7が全開状態において当該両吸気弁7の各傘部7aの中心間の中点およびピストン4の中心点4bを通るピストン2分割仮想線400に対して、キャビティ43周縁において仮想線400から最も離れた箇所P2までの距離をCとし、2つの吸気弁7の各傘部7aの周縁において仮想線400から最も離れた箇所P1までの距離をXとし、Xに対するCの割合が77.34%〜81.8%とされている。【選択図】図4

Description

本発明は、1気筒当たりに2つの吸気弁および2つの排気弁が設けられ、ピストンとシリンダヘッドとの間に燃焼室が形成されるエンジンに関する。詳しくは、このエンジンに備えるピストンは、その頂面にタンブル流を維持するためのキャビティが設けられている。
一般に、エンジンの出力ならびに燃料消費率(燃費)を向上するには、吸気行程時に燃焼室内に吸入される空気を積極的にタンブル流(縦方向の渦流)にさせるとともに、圧縮行程においても前記タンブル流を維持させるようにして、燃焼効率を高めることが好ましい。
例えば特許文献1に示すピストンの頂面には、2つの吸気弁および2つの排気弁に対応する4つのバルブリセスと、気筒内で生成されるタンブル流を維持するためのキャビティとが設けられている。
このピストンの頂面において前記キャビティよりも外径側の領域は、前記キャビティの存在によって前記頂面から隆起されるようになっている。この隆起領域の隆起量は、エンジン設計段階において目標となる燃焼室容積や圧縮比に応じて適宜に調整される。
なお、前記キャビティは、平面視でほぼ矩形状とされていて、このキャビティの開口縁には、ピストンピン孔の中心軸線と平行となる2つの辺(横辺と言う)と、前記ピストンピン孔の中心軸線に直交しかつ前記ピストンの径方向に伸びる仮想線と平行になる2つの辺(縦辺と言う)とが設けられている。
特開2007−303339号公報
上記特許文献1は、前記キャビティ内部で2方向のスキッシュ流を形成することによりインジェクタから噴射される燃料噴霧を拡散させて燃焼室内の混合気を均質にして、燃焼速度を向上させるということが記載されているものの、前記隆起領域の径方向に沿う幅や前記キャビティの開口縁における2つの縦辺の位置を言及するような記載は無い。
ところで、本願発明者は、吸気行程において燃焼室内で生成されたタンブル流の一部が圧縮行程において前記隆起領域に衝突することによって横渦に変化するようなことがあると、前記タンブル流のエネルギーがロスする他、点火時期において前記タンブル流の乱れが弱くなることを知見した。また、本願発明者は、点火時期において前記タンブル流の乱れが強いほど、燃焼速度が速くなって燃焼効率が向上することを知見した。要するに、本願発明者は、前記タンブル流が圧縮行程において横渦に変化することを抑制すれば燃焼効率が向上することを見出し、本発明を出願するに至った。
したがって、本発明は、1気筒当たりに2つの吸気弁および2つの排気弁が設けられ、ピストンとシリンダヘッドとの間に燃焼室が形成されるエンジンにおいて、吸気行程で生成されるタンブル流が圧縮行程で横渦に変化することを抑制して、燃焼効率を向上可能とすることを目的としている。
本発明は、1気筒当たりに2つの吸気弁および2つの排気弁が設けられ、ピストンとシリンダヘッドとの間に燃焼室が形成されるエンジンであって、前記ピストンの頂面には、タンブル流を維持するためのキャビティが設けられており、前記ピストンの頂面および前記吸気弁を燃焼室の頂部側から平面視した場合に、前記2つの吸気弁が全開状態において前記2つの吸気弁の各傘部の中心間の中点および前記ピストンの中心点を通るピストン2分割仮想線に対して、前記キャビティ周縁において前記ピストン2分割仮想線から最も離れた箇所までの距離をCとし、前記2つの吸気弁の各傘部の周縁において前記ピストン2分割仮想線から最も離れた箇所までの距離をXとし、前記Xに対する前記Cの割合が77.34%〜81.8%とされている、ことを特徴としている。
このようにピストンの頂面に前記キャビティを設けている場合には、当該頂面において前記キャビティの周縁よりも外径側の領域(キャビティ周縁からピストンの外周縁までの領域)が前記頂面から隆起する状態になる。この隆起領域の径方向に沿う幅は、前記ピストンのキャビティの周縁(開口縁における2つの縦辺)の位置を特定することにより、間接的に把握することが可能である。また、前記キャビティの周縁(開口縁における2つの縦辺)の位置は、前記Xに対するCの割合を特定することにより把握することが可能である。
そのことから、本発明では、前記Xに対するCの割合を特定することにより前記隆起領域の幅を間接的に特定している。これにより、吸気行程で生成されるタンブル流が圧縮行程において前記隆起領域に衝突して横渦に変化することを抑制することが可能になる。そのため、前記タンブル流を圧縮行程後半まで維持しやすくなるので、点火時期に前記タンブル流の乱れが強くなって、燃焼速度が向上するようになって燃焼効率が向上するようになる。
好ましくは、前記吸気ポートにおける前記吸気弁の受け座の近傍には、当該吸気ポートの内壁面に沿って流れる吸気を剥離させるための段差が設けられる、構成とすることができる。
このように段差を設けた場合には、吸気行程において前記吸気ポートの内壁面に沿って流れる吸入空気が前記吸気ポートの下流側で剥離されることになって、前記吸気弁の傘部の円周方向所定角度領域と吸気ポートとの間から集中して燃焼室に流入することになる。そのため、燃焼室内で強いタンブル流が生成されるようになる。
好ましくは、前記エンジンには、前記燃焼室に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁が設けられ、前記ピストンのキャビティの内面において前記ピストンピン孔に対応する領域には、前記燃料噴射弁から噴射される霧状燃料をシリンダヘッド側に巻き上げるための立ち上がり壁が設けられる、構成とすることができる。
この構成では、燃料噴射弁から噴射される霧状燃料が巻き上げられることによって吸気のタンブル流と混ざりやすくなる。
本発明は、1気筒当たりに2つの吸気弁および2つの排気弁が設けられ、ピストンとシリンダヘッドとの間に燃焼室が形成されるエンジンにおいて、吸気行程で生成されるタンブル流が圧縮行程で横渦に変化することを抑制できるようになる。その結果、本発明では、燃焼効率を向上させることが可能になるから、エンジンの出力ならびに燃費の向上に貢献できるようになる。
本発明に係るエンジンの一実施形態で、燃焼室周辺の縦断面構造を示す図である。 図1の吸気ポートおよび排気ポートとピストンとの相対的な位置関係を模式的に示す斜視図である。 図1のピストン単体を示す斜視図である。 図1のピストンの頂面におけるキャビティおよび左右2つの隆起領域の形状や大きさを説明するための上面図である。 図4において吸気弁を無くした状態を示す上面図である。 図1において吸気行程で生成される吸入空気のタンブル流を模式的に示す図である。 図1において圧縮行程後半まで維持されたタンブル流を模式的に示す図である。 ピストンの頂面における左右の隆起領域の径方向に沿う幅(サイド外周幅)と燃焼室内の1点における気流の乱れ強さ(流速の変動幅)との相関関係を示すグラフである。 クランクアングルと燃焼室全体の気流の乱れ(流速の変動幅)の平均との相関関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図9に本発明の一実施形態を示している。図中、1はエンジンである。図面に例示するエンジン1は、気筒2a内に燃料を直接噴射する筒内直接噴射式(直噴式とも言う)とされている。このエンジン1は、気筒(シリンダボア)2aが設けられるシリンダブロック2と、気筒2aの上部開口を塞ぐようにしてシリンダブロック2に取り付けられるシリンダヘッド3とを有している。
なお、以下の説明において、気筒2aの中心軸線100に沿う方向を、「気筒軸方向」と言う。この気筒軸方向において、シリンダヘッド3側へ向かう側を「上側」と言い、図示していないクランクシャフト側へ向かう側を「下側」と言うことにする。
シリンダブロック2の気筒2aには、ピストン4が挿入されている。このピストン4は、図示していないが、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結されている。このクランクシャフトが2回転することに伴い気筒2a内をピストン4が上下2往復することにより、吸気行程、圧縮行程、燃焼−膨張行程、排気行程を順次行う。
シリンダヘッド3においてシリンダブロック2の各気筒2aに対向する領域には、円錐形状の凹部3aが設けられている。この凹部3aは、気筒2aとピストン4とで、いわゆるペントルーフ型の燃焼室を形成する。このシリンダヘッド3の凹部3aの中央部には、点火プラグ5が設けられている。
シリンダヘッド3の吸気ポート3b側には、燃料噴射弁6が設けられている。この燃料噴射弁6からの燃料噴射方向は、ピストンピン孔4aの一方側から見たときに、シリンダブロック2の気筒2aの上方に向かうように斜め下向きに設定されており、また、気筒2aの上方から見たときに、気筒2aの中心に向かうように設定されている。
実際には、燃料噴射弁6から噴射される霧状燃料は、上下方向(気筒軸方向)ならびに左右方向(横方向)に徐々に広がるようになっている。そのため、この霧状燃料は、平面視だと扁平な扇形になる。但し、シリンダヘッド側から燃料噴射弁6を見た状態において、燃料噴射弁6の中心軸線200(図4参照)に沿う方向を、単に「燃料噴射方向」と言うことがある。
シリンダヘッド3には、吸気ポート3bおよび排気ポート3cがそれぞれ設けられている。吸気ポート3bは吸気弁7で、排気ポート3cは排気弁8でそれぞれ開閉される。これら吸気弁7および排気弁8は、不図示のバルブガイドを介して開閉動作可能な状態でシリンダヘッド3に取り付けられている。
この実施形態では、図1に示すように、吸気ポート3bの下流側および排気ポート3cの下流側がそれぞれ二股に分岐されているので、吸気弁7と排気弁8とは2本ずつ用いられる。
この実施形態に示すエンジン1は、吸気行程において燃焼室に強いタンブル流を生成させるために、図6の太線矢印で示すように、吸入空気を吸気ポート3bの開口の円周所定角度領域から集中して燃焼室に流入させるように構成している。
そのようにするために、吸気ポート3bにおいて吸気弁7の受け座となるバルブシート9の近傍に、急峻な段差10を設けるようにしている。
このような段差10を設けた場合には、図6の太線矢印で示すように、吸気行程において吸気ポート3bの内壁面に沿って流れる吸入空気が吸気ポート3bの下流側で剥離されることになって、吸気弁7の傘部7aの円周方向所定角度領域と吸気ポート3bとの間から集中して燃焼室に流入するようになる。そのため、燃焼室内で強いタンブル流が生成されるようになる。
そして、この実施形態では、前記吸気行程によって燃焼室内に生成される強いタンブル流を圧縮行程後半まで維持させるようにピストン4の頂面の形状を工夫している。このピストン4の詳細について、図3から図5を参照して説明する。
具体的に、ピストン4の頂面には、2つの吸気側バルブリセス41,41と、2つの排気側バルブリセス42,42と、キャビティ43と、4つの隆起領域44a〜44dとが設けられている。
なお、ピストン4の頂面において、ピストンピン孔4aの中心軸線300を挟んで、2つの吸気側バルブリセス41,41が存在する領域(シリンダヘッド3の吸気ポート3bに対応する領域)を「吸気側領域」と言うことがあり、また、2つの排気側バルブリセス42,42が存在する領域(シリンダヘッド3の排気ポート3cに対応する領域)を「排気側領域」と言うことがある。
2つの吸気側バルブリセス41,41は、2つの吸気弁7との干渉を回避するために設けられており、2つの排気側バルブリセス42,42は、2つの排気弁8との干渉を回避するために設けられている。
また、ピストン4の頂面において、ピストンピン孔4aの中心軸線300に沿う方向を、単に「横方向、左右方向」と言うことがある。また、ピストンピン孔4aの中心軸線300と直交しかつピストン4の頂面の中心4bを通って径方向に沿う方向を、単に「縦方向、前後方向」と言うことがある。
図4において、ピストン4の頂面および吸気弁7を燃焼室の頂部側から平面視した場合に、2つの吸気弁7が全開状態において当該両吸気弁7の各傘部7aの中心7b間の中点7cおよびピストン4の中心点4bを通る直線を、「ピストンを2分割する仮想線400」と言う。この仮想線400は、図4に示すように、ピストン4の頂面を平面視したときに燃料噴射弁6の中心軸線200と一致している。
キャビティ43は、気筒2a内で生成されるタンブル流を維持するために設けられている。このキャビティ43は、ピストン4の頂面においてピストン4の中心軸線に沿う方向(気筒2aの中心軸線100と一致)の下向き(図示省略のクランクシャフト側)に陥没するような凹みとされている。
より詳しくは、このキャビティ43は、平面視でほぼ矩形状とされていて、このキャビティ43の開口縁には、ピストンピン孔4aの中心軸線300と平行となる2つの辺(横辺と言う)43a,43bと、ピストンピン孔4aの中心軸線300に対して直交しかつピストン4の径方向に伸びる仮想線400と平行になる2つの辺(縦辺と言う)43c,43dとが設けられている。
4つの隆起領域44a〜44dは、前記キャビティ43の存在によってピストン4の中心軸線に沿う方向の上向き(シリンダヘッド3側)に隆起したようになっていて、その面積や隆起量はエンジン設計段階において目標となる燃焼室容積や圧縮比に応じて適宜に調整される。この4つの隆起領域44a〜44dは、ピストン4の外周縁へ向けて斜め下がりに形成されている。
なお、以下では、ピストン4の横辺43a,43bの外径側に位置する2つの隆起領域44a,44bを「前後の隆起領域」と言い、ピストン4の縦辺43c,43dの外径側に位置する2つの隆起領域44c,44dを「左右の隆起領域」と言うことにする。吸気側バルブリセス41,41が配置される側を「前側」、また、排気側バルブリセス42,42が配置される側を「後ろ側」とそれぞれ言うことにする。
さらに、キャビティ43の内面において吸気側領域と排気側領域とは、ピストン4の中心軸線に沿う方向(気筒軸方向)に高低差がつけられていて、これら吸気側領域と排気側領域との境界に立ち上がり壁45が設けられている。
この立ち上がり壁45は、ピストン4の頂面においてピストンピン孔4aに対応する領域に設けられていて、平面視で部分円弧形状に湾曲されている。この立ち上がり壁45は、燃料噴射弁6から噴霧される扁平な扇形の霧状燃料が衝突されることによって点火プラグ5へ向かわせるように巻き上げるために設けられている。これにより、霧状燃料と前記吸入空気のタンブル流とが混ざりやすくなる。
このような形状のピストン4において、吸気行程において燃焼室内で生成されたタンブル流の一部が圧縮行程において左右2つの隆起領域44c,44dに衝突することによって横渦に変化することを抑制するために、ピストン4のキャビティ43の開口縁における2つの縦辺43c,43dの横に位置する左右2つの隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅W(サイド外周幅とも言う)を特定するようにしている。
以下、前記幅Wを詳細に説明する。
図4において、ピストン4の頂面および吸気弁7を燃焼室の頂部側から平面視した場合に、「A」は、仮想線400から2つの吸気弁7の各傘部7aそれぞれの中心7bまでの距離であり、「B」は、2つの吸気弁7の各傘部7aそれぞれの中心7bから接線500までの距離であり、「C」は、仮想線400からP2までの距離である。前記P2は、キャビティ43周縁において仮想線400から最も離れた箇所である。言い換えると、前記P2は、ピストン4の頂面において仮想線400から左右の縦辺43c,43dの長手方向中央位置(左右の縦辺43c,43dとピストンピン孔4aの中心軸線300とが交差する位置)である。
そして、A+B=Xとする。この「X」は、図4のようにピストン4の頂面および吸気弁7を燃焼室の頂部側から平面視した場合に、仮想線400からP1までの距離と言うことができる。なお、前記P1は、2つの吸気弁7の各傘部7aの周縁において仮想線400から最も離れた箇所である。
図8には、左右2つの隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wと、燃焼室内の気流の乱れ強さとの相関関係を適宜のシミュレーションにより調べ、その結果を示している。なお、図8に示す曲線は、前記シミュレーションによる計算結果7点(図中の◆参照)に対して多項式近似(6次)を実施することにより得られる多項式近似線である。また、前記乱れ強さとは、燃焼室内の1点における吸入空気の流速の単位時間当たりの変動幅のことである。この乱れ強さの数値が大きいほど、点火時期におけるタンブル流の乱れが強くなり、燃焼速度が向上することになる。
図9には、エンジン1のクランクアングルと、燃焼室全体の気流の乱れ(流速の変動幅)の平均との相関関係を適宜のシミュレーションにより調べ、その結果を示している。この図9では吸気行程で生成されるタンブル流の乱れが圧縮行程の後半で最大になることが判る。
なお、図8および図9に示すデータを取得したサンプルとなるエンジン1における気筒2aの内径(ボア径)は80.5mm、ピストン4のストロークは97.6mmである。また、このエンジン1に使用するピストン4において前記Xは35mmである。ピストン4の頂面における直径寸法は前記気筒2aの内径より適宜小さく設定されている。
図8に示すデータにおいて乱れ強さが最大となる点M1での幅Wは「11.20mm」となり、この点M1での前記割合(C/X)は「79.86%」となる。この値が最適値となるが、以下のように数値に幅を持たせることができる。
ここで、本願発明者は、設計上の目標燃焼速度を確保するために必要な前記乱れ強さを調べたところ、「4m/s」以上であることを知見した。このことから、前記乱れ強さの目標値(閾値)として、「4m/s」以上とすることが好ましいと考えた。
前記目標値を「4m/s」に設定した場合には、図8において前記目標値である一点鎖線が多項式近似線と交差する点M2,M3での幅Wがそれぞれ「10.52mm」、「12.08mm」となる。この点M2,M3での前記割合(C/X)はそれぞれ「81.8%」、「77.34%」となる。
また、前記目標値を「4.05m/s」に設定した場合には、図8において前記目標値である二点鎖線が多項式近似線と交差する点M4,M5での幅Wがそれぞれ「10.74mm」、「11.78mm」となる。この点M4,M5での前記割合(C/X)はそれぞれ「81.17%」、「78.20%」となる。
さらに、前記目標値を「4.10m/s」に設定した場合には、図8において前記目標値である破線が多項式近似線と交差する点M6,M7での幅Wがそれぞれ「10.97mm」、「11.45mm」となる。この点M6,M7での前記割合(C/X)はそれぞれ「80.5%」、「79.14%」となる。
このようなことから、前記Xを「35mm」に設定した場合、前記幅Wは「11.20mm」とすることが最も好ましい。この場合、前記割合(C/X)は「79.86%」となる。但し、前記幅Wは、「10.52mm〜12.08mm」、好ましくは「10.74mm〜11.78mm」、さらに好ましくは「10.97mm〜11.45mm」と幅を持たせることができる。前記幅Wを「10.52mm〜12.08mm」とする場合、前記割合(C/X)は「77.34%〜81.8%」となり、前記幅Wを「10.74mm〜11.78mm」とする場合、前記割合(C/X)は「78.20%〜81.17%」となり、前記幅Wを「10.97mm〜11.45mm」とする場合、前記割合(C/X)は「79.14%〜80.5%」となる。
ところで、この実施形態では、図4および図5に示しているように、キャビティ43の周縁をほぼ矩形状にしたうえで、当該周縁における2つの縦辺43c,43dを直線形状とせずに部分円弧形状にしていて、かつ、この2つの縦辺43c,43dの曲率をピストン4の外周面の曲率よりも小さくしている。
このような場合には、2つの縦辺43c,43dの長手方向中央位置P2における隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wが、2つの縦辺43c,43dの長手方向両端位置P3における隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wよりも大きくなる。
そこで、2つの縦辺43c,43dを部分円弧形状にする場合には、当該縦辺43c,43dの長手方向中央位置P2における隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wを、前記数値の最適値または数値範囲に特定することが可能である。
また、2つの縦辺43c,43dを部分円弧形状にする場合には、前記中央位置P2における隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wを前記数値範囲の上限値として、前記位置P3における隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wを前記数値範囲の下限値とすることが可能である。
次に、このような構成のピストン4を用いるエンジン1において吸入空気および噴射燃料の流動形態について説明する。
まず、エンジン1の吸気行程で吸入される空気は、吸気ポート3bおよびピストン4の頂面の形状を工夫することによって、燃焼室内で例えば図6の矢印で示すような強いタンブル流となる。
この燃焼室内で生成されたタンブル流は、ピストン4の頂面のキャビティ43によって、図7に示すように、圧縮行程後半まで維持されやすくなる。そして、燃料噴射弁6から噴射される霧状燃料は、キャビティ43内の立ち上がり壁45によって点火プラグ5に向かうように巻き上げられることになって前記吸入空気のタンブル流と良好に混合されるようになる。
この実施形態のように、ピストン4の頂面において左右2つの隆起領域44c,44dの径方向に沿う幅Wを特定すれば、吸気行程で生成されるタンブル流が圧縮行程において左右2つの隆起領域44c,44dに衝突して横渦に変化することを抑制できるようになる。
そのため、タンブル流の流体エネルギーがロスしにくくなるとともに、従来例に比べると、吸気行程で生成されるタンブル流が圧縮行程後半まで維持されやすくなる。これにより、点火時期において前記タンブル流の乱れが強くなって、燃焼速度が向上するようになる。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した実施形態では、ピストン4の頂面においてXに対するCの割合を特定することにより、左右2つの隆起領域44c,44dの幅Wを間接的に特定している。
これにより、吸気行程で生成されるタンブル流が圧縮行程において横渦に変化することを抑制できるようになる。そのため、点火時期においてタンブル流の乱れが強くなって、燃焼速度が向上するようになる。したがって、この実施形態のピストン4を備えるエンジン1であれば、燃焼効率を向上させることが可能になるので、エンジン1の出力ならびに燃費の向上に貢献できるようになる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)上記実施形態では、吸気ポート3bの燃焼室寄り開口の手前に段差10を設けることにより燃焼室内に強いタンブル流を生成させるようにした場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記段差10を設けないようにすることも可能である。
(2)上記実施形態では、キャビティ43に立ち上がり壁45を設けた例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばキャビティ43の内側に立ち上がり壁45を設けないようにすることも可能である。
本発明は、エンジンに用いられるピストン、特にタンブル流を維持するためのキャビティが頂面に設けられるピストンに好適に利用することが可能である。
1 エンジン
2a シリンダブロックの気筒
4 ピストン
4a ピストンピン孔
4b ピストンの中心
5 点火プラグ
6 燃料噴射弁
7 吸気弁
7a 吸気弁の傘部
8 排気弁
9 バルブシート(受け座)
10 段差
41 吸気側バルブリセス
42 排気側バルブリセス
43 ピストンのキャビティ
43c キャビティの開口縁の左側の縦辺
43d キャビティの開口縁の右側の縦辺
44c ピストンの左側の隆起領域
44d ピストンの右側の隆起領域
45 ピストンの立ち上がり壁
300 ピストンピン孔の中心軸線(横方向)
400 ピストン2分割仮想線(縦方向)

Claims (2)

  1. 1気筒当たりに2つの吸気弁および2つの排気弁が設けられ、ピストンとシリンダヘッドとの間に燃焼室が形成されるエンジンであって、
    前記ピストンの頂面には、タンブル流を維持するためのキャビティが設けられており、
    前記ピストンの頂面および前記吸気弁を前記燃焼室の頂部側から平面視した場合に、前記2つの吸気弁が全開状態において前記2つの吸気弁の各傘部の中心間の中点および前記ピストンの中心点を通るピストン2分割仮想線に対して、前記キャビティ周縁において前記ピストン2分割仮想線から最も離れた箇所までの距離をCとし、前記2つの吸気弁の各傘部の周縁において前記ピストン2分割仮想線から最も離れた箇所までの距離をXとし、
    前記Xに対する前記Cの割合が77.34%〜81.8%とされている、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    吸気ポートにおける前記吸気弁の受け座の近傍には、当該吸気ポートの内壁面に沿って流れる吸気を剥離させるための段差が設けられる、ことを特徴とするエンジン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016173087A (ja) * 2015-03-18 2016-09-29 マツダ株式会社 遮熱膜付エンジン燃焼室容積の調整方法
JP2016200042A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 日産自動車株式会社 エンジン
DE102018009956A1 (de) * 2018-12-18 2020-06-18 Daimler Ag Kolben fur eine Hubkolbenmaschine, insbesondere eines Kraftfahrzeugs

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