JP2015021040A - 半導体発光装置の製造方法、成形体の製造方法、電子線硬化性樹脂組成物、リフレクター用樹脂フレーム、およびリフレクター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光半導体素子と、前記光半導体素子の周りに設けられ、前記光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有する半導体発光装置の製造方法であって、前記リフレクターを、平均分子量が30万〜40万のポリメチルペンテンおよび白色顔料を含む電子線硬化性樹脂組成物を射出成形する射出成形工程と、前記射出成形工程の前あるいは後、又は前及び後に電子線照射する電子線照射工程と、
によって得ることを特徴とする半導体発光装置の製造方法である。
【選択図】図1
Description
また、LED素子の発光時の温度上昇においても反射率が低下しないことも要求されることとなる。
さらに、リフレクターを構成する材質には、上記特性とともに、生産性を高くするためリフレクターへの加工がしやすいとの性質、すなわち、成形性が高いことも要求される。
特許文献2で使用される樹脂組成物は熱可塑性で量産性は問題ないといえる。しかし、樹脂劣化を防止する観点から成形は低温で行われるため、樹脂の流動性が低くなり無機成分の高充填が不可能となる。その結果、樹脂成分が相対的に多くなって長期耐熱性が低くなる問題がある。
を含む成形体の製造方法。
本実施形態の半導体発光装置は、光半導体素子と、前記光半導体素子の周りに設けられ、前記光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有する半導体発光装置の製造方法であって、前記リフレクターを、平均分子量が30万〜40万のポリメチルペンテンおよび白色顔料を含む電子線硬化性樹脂組成物を射出成形する射出成形工程と、前記射出成形工程の前あるいは後、又は前及び後に電子線照射する電子線照射工程と、経ることによって製造される。
なお、リフレクター12の内面は、光半導体素子10からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられていてもよい(図1参照)。
また、リフレクター12は、レンズ18側の端部を、当該レンズ18の形状に応じた形に加工された場合には、レンズホルダーとしても機能させることができる。
本実施形態の電子線硬化性樹脂組成物は、平均分子量が30万〜40万のポリメチルペンテンと白色顔料とを含んでなる。
本明細書においてポリメチルペンテンの平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwを示すものとし、260℃にてポリメチルペンテンを溶融することにより測定した。
具体的には、シリカ粒子、ガラス繊維等が挙げられる。このような電子線硬化性樹脂組成物は、特にリフレクター用に好適である。
飽和もしくは不飽和の環構造としては、シクロ環、ヘテロ環、芳香環等が挙げられる。環構造を形成する原子の数は、3〜12であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。
また、環構造の数は1〜3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
上記のような架橋処理剤であれば、加工時に流動性に優れるため、熱可塑性樹脂の加工温度を低下させ熱負荷を軽減したり、加工時の摩擦を軽減したり、無機成分の充填量を増やすことができる。
さらに本発明に係る架橋処理剤は、下記式(1)又は(2)で表されることが好ましい。
上記式(2)で表される架橋処理剤としてはオルトフタル酸のジアリルエステル、イソフタル酸のジアリルエステル等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、トリメトキシシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等が挙げられる。
このような成形体は、本実施形態の成形方法により製造することが好ましい。すなわち、本実施形態の電子線硬化性樹脂組成物に対し、シリンダー温度200〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形する射出成形工程と、射出成形工程の前又は後に、電子線照射処理を施す電子線照射工程を含む成形方法により作製することが好ましい。
なお、成形性を損なわない限りは、電子線照射による架橋反応は成形前に行うことができる。
本実施形態のリフレクター用樹脂フレームは既述の本発明の電子線硬化性樹脂組成物を成形した硬化物からなる。具体的には、本実施形態の電子線硬化性樹脂組成物をペレットとし、射出成形により所望の形状の樹脂フレームとすることで、本実施形態のリフレクター用樹脂フレームが製造される。リフレクター用樹脂フレームの厚さは0.1〜3.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがより好ましく、0.1〜0.8mmであることがさらに好ましい。
本実施形態のリフレクターは、既述の本実施形態の電子線硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物からなる。
当該リフレクターは、前述した半導体発光装置と組み合わせて用いてよいし、他の材料からなる半導体発光装置(LED実装用基板)と組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のリフレクターは、主として、半導体発光装置のLED素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。リフレクターの詳細については、本実施形態の半導体発光装置に適用されるリフレクター(前述したリフレクター12)と同じであるためここでは省略する。
上記のように、球状溶融シリカ粒子を含有させた電子線硬化性樹脂組成物を用いてリフレクターを形成した半導体発光素子は、当該リフレクターに不良を生じるほどの微細孔が形成されることがないため、微細孔に起因した不良が生じ難くなる。そのため、当該製品としての耐久性が向上することになる。
なお、本実施例1〜2及び比較例1〜2において使用した材料は下記の通りである。
・樹脂(1):平均分子量30万
ポリメチルペンテン:TPX RT18(三井化学株式会社製)
・樹脂(2):平均分子量40万
ポリメチルペンテン:TPX RT31(三井化学株式会社製)
・樹脂(3):平均分子量20万
ポリメチルペンテン:TPX DX231(三井化学株式会社製)
・樹脂(4):平均分子量80万
ポリメチルペンテン:TPX DX845(三井化学株式会社製)
架橋処理剤については下記の通りである。また、下記架橋処理剤の構造については、下記表1及び化学式に示す。
TAIC(トリアリルイソシアヌレート) 日本化成社製
・酸化チタン粒子 :PF−691(石原産業(株)製 ルチル型構造 平均粒径0.21μm)
・ガラス繊維:PF70E−001(日東紡(株)製、繊維長70μm)
・シランカップリング剤:KBM−3063(信越化学(株)製)
・離型剤 :SZ−2000(堺化学(株)製)
・1次酸化防止剤 :IRGANOX1010(BASF・ジャパン(株)製)
・2次酸化防止剤(1):PEP−36(アデカ(株)製)
・2次酸化防止剤(2):IRGAFOS168(BASF・ジャパン(株)製)
下記表2に示すように各種材料を配合、混練しペレット化し、樹脂組成物を得た。なお、樹脂組成物のペレット化は、下記のようにして行った。
樹脂組成物のペレット化は、各種材料を配合し、押出機(日本プラコン(株)MAX30:ダイス径3.0mm)とペレタイザー((株)東洋精機製作所 MPETC1)を用いて行った。押出機条件は、スクリュー回転200rpm、シリンダー温度260℃、吐出量20kg/hourとして、ペレット長さ3.2mmの樹脂組成物(ペレット)を得た。
・メルトボリュームレート(MVR)の測定
樹脂組成物のMFRはJIS K 7210:1999 熱可塑性プラスチックのメルトフローレート(MFR)に記載の方法に準拠した方法により測定した。具体的には、試験温度260℃、試験荷重2.16kg、標準移動距離2.5cmで行った。測定装置としては、チアスト社製 メルトフローテスターを用いた。
・成形性
上記で得たペレットを射出成形機 ソディックTR40ERソディック(プリプラ式)を用いて、銀メッキフレーム(厚さ:250μm)に樹脂組成物(厚み:700μm、外形寸法:35mm×35mm、開口部:2.9mm×2.9mm)を成形しリフレクター用樹脂フレームを得た。射出成形機条件は、シリンダー温度:240℃、金型温度:20〜50℃、射出速度:200mm/sec、保圧力:80MPa、保圧時間:1sec、冷却時間:8secとした。
成形性は成形した樹脂フレーム開口部のバリを顕微鏡を用いて計測し、最大幅が100μm未満をバリ発生無し(○)、100μm以上をバリ発生有り(×)とした。
また、成形した樹脂フレーム開口部の未充填箇所(ショート)を顕微鏡を用いて倍率20倍にて観察し、未充填箇所が存在するものをショート有り(×)、存在しなかったものをショートなし(○)とした。
・耐熱性
得られた試料に、加速電圧800kVにて電子線吸収線量が400kGyとなるように電子線を照射した後、貯蔵弾性率(E’)を測定した。試料を製品名:RSA−III,ティー・エイ・インスツルメント社製にセットし、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法(引張りモード,周波数:1Hz,測定温度範囲:25〜400℃、昇温速度5℃/min、Strain 0.1%)により、貯蔵弾性率(E’)を測定した。結果を表2示す。
以上から、本発明の樹脂組成物は、リフレクターや半導体発光装置用の反射材に有用であるといえる。
12・・・リフレクター
14・・・基板
16・・・リード線
18・・・レンズ
Claims (10)
- 光半導体素子と、前記光半導体素子の周りに設けられ、前記光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有する半導体発光装置の製造方法であって、
前記リフレクターを、平均分子量が30万〜40万のポリメチルペンテンおよび白色顔料を含む電子線硬化性樹脂組成物を射出成形する射出成形工程と、
前記射出成形工程の前あるいは後、又は前及び後に電子線照射する電子線照射工程と、
によって得ることを特徴とする半導体発光装置の製造方法。 - 平均分子量が30万〜40万のポリメチルペンテンおよび白色顔料を含む電子線硬化性樹脂組成物を射出成形する射出成形工程と、
前記射出成形工程の前あるいは後、又は前及び後に電子線照射処理を施す電子線照射工程と、
を含む成形体の製造方法。 - 平均分子量が30万〜40万のポリメチルペンテンおよび白色顔料を含む電子線硬化性樹脂組成物。
- 白色顔料と白色顔料以外の無機粒子から選ばれる少なくとも1つ以上を含む請求項3に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 前記白色顔料以外の無機粒子がシリカ粒子、ガラス繊維、又は、シリカ粒子及びガラス繊維である請求項4に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 分散剤及び架橋処理剤が配合されてなる請求項3〜5のいずれか1項に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の電子線硬化性樹脂組成物の硬化物からなるリフレクター用樹脂フレーム。
- 厚さが0.1〜3.0mmである請求項7に記載のリフレクター用樹脂フレーム。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の電子線硬化性樹脂組成物の硬化物からなるリフレクター。
- 光半導体素子と、該光半導体素子の周りに設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有し、
前記リフレクターの光反射面の少なくとも一部が請求項3〜6のいずれか1項に記載の電子線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる半導体発光装置。
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