JP2015020987A - ベンゾトリアゾール誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

ベンゾトリアゾール誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子材料として有用な新規材料の提供。
【解決手段】下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体。
Figure 2015020987

(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、Lは単結合又は連結基であり、Aは3環以上の縮環構造を有する基であり、nは1〜4の整数であり、mは1〜4の整数である。mが2以上の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。nが2以上の場合、複数のR〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。隣接するR〜R同士が結合して環構造を形成してもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ベンゾトリアゾール誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
一般に有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、陽極、陰極、及び陽極と陰極に挟まれた1層以上の有機薄膜層から構成されている。両電極間に電圧が印加されると、陰極側から電子、陽極側から正孔が発光領域に注入され、注入された電子と正孔は発光領域において再結合して励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際に光を放出する。
有機EL素子は、発光層に種々の発光材料を用いることにより、多様な発光色を得ることが可能であることから、ディスプレイ等への実用化研究が盛んである。特に赤色、緑色、青色の三原色の発光材料の研究が最も活発であり、特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
例えば、有機EL素子用の材料として、特許文献1〜4には、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物が開示されている。有機EL素子の分野においては、駆動電圧の低下等、さらなる素子性能の向上を目指すため、新たな材料系の開発が求められている。
特開2005−82701号公報 国際公開第2008/096736号 国際公開第2009/157429号 国際公開第2004/063159号
本発明は、有機EL素子材料として有用な新規材料、及びそれを用いた有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体、及びそれを含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提供される。
Figure 2015020987
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、
Lは単結合又は連結基であり、
Aは3環以上の縮環構造を有する基であり、
nは1〜4の整数であり、mは1〜4の整数である。
mが2以上の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。
nが2以上の場合、複数のR〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
隣接するR〜R同士が結合して環構造を形成してもよい。)
本発明によれば、有機EL素子材料として有用な新規材料、及びそれを用いた有機EL素子を提供できる。
本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
本発明において、「置換もしくは無置換の炭素数a〜bのX基」という表現における「炭素数a〜b」は、X基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、X基が置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
「環形成炭素」とは飽和環又は不飽和環を構成する炭素原子を意味し、前記環に結合している置換基の炭素数は含まない。
「環形成原子」とは飽和環又は不飽和環を構成する原子を意味し、前記環に結合している水素原子及び置換基の原子数は含まない。
また、本発明において「水素原子」とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)及び三重水素(tritium)を包含する。
更に、「置換もしくは無置換」というときの任意の置換基は、炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基;環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6)のシクロアルキル基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有する炭素数7〜51(好ましくは7〜30、より好ましくは7〜20)のアラルキル基;アミノ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基、環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基、及び環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基を有するアルコキシ基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有するアリールオキシ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基;環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のハロアルキル基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;ニトロ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基;、アルキルスルホニルオキシ基;アリールスルホニルオキシ基;アルキルカルボニルオキシ基;アリールカルボニルオキシ基;ホウ素含有基;亜鉛含有基;スズ含有基;ケイ素含有基;マグネシウム含有基;リチウム含有基;ヒドロキシ基;アルキル置換又はアリール置換カルボニル基;カルボキシル基;ビニル基;(メタ)アクリロイル基;エポキシ基;並びにオキセタニル基からなる群より選ばれるものが好ましい。
これらの置換基は、さらに上述の任意の置換基により置換されていてもよい。
[ベンズトリアゾール誘導体]
本発明の一態様であるベンズトリアゾール誘導体は、下記式(1)で表される。
Figure 2015020987
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、
Lは単結合又は連結基であり、
Aは3環以上の縮環構造を有する基であり、
nは1〜4の整数であり、mは1〜4の整数である。
mが2以上の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。
nが2以上の場合、複数のR〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
隣接するR〜R同士が結合して環構造を形成してもよい。)
式(1)において、R〜Rで表される置換基としては、それぞれ独立に、下記(A)群から選択されるものが好ましく、下記(B)群から選択されるものがより好ましく、下記(C)群から選択されるものがさらに好ましい。
上記(A)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ホウ素含有基、亜鉛含有基、スズ含有基、ケイ素含有基、マグネシウム含有基、リチウム含有基、ヒドロキシ基、アルキル置換又はアリール置換カルボニル基、カルボキシル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、並びにオキセタニル基からなる群である。
上記(B)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、並びに置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基からなる群である。
上記(C)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、並びにニトロ基からなる群である。
前記炭素数1〜50(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)、ウンデシル基(異性体を含む)、及びドデシル基(異性体を含む)、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、テトラコサニル基、テトラコンタニル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)、ウンデシル基(異性体を含む)、ドデシル基(異性体を含む)、トリデシル基、テトラデシル基、及びオクタデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、及びオクチル基(異性体を含む)がより好ましい。
前記環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6)のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
前記環形成炭素数6〜50(好ましくは環形成炭素数6〜25、より好ましくは環形成炭素数6〜18)のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基、s−インダセニル基、as−インダセニル基、フルオランテニル基、ベンゾフルオランテニル基、テトラセニル基、トリフェニレニル基、ベンゾトリフェニレニル基、ペリレニル基、コロニル基、ジベンゾアントリル基等が挙げられる。
また、前記環形成炭素数6〜50(好ましくは環形成炭素数6〜25、より好ましくは環形成炭素数6〜18)のアリーレン基としては、上記アリール基より水素原子を除いてなるものが挙げられる。
環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは環形成原子数5〜13)のヘテロアリール基は少なくとも1個、好ましくは1〜5個(より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のヘテロ原子、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、リン原子を含む。該へテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチオフェニル基、インドリジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、アザトリフェニレニル基、ジアザトリフェニレニル基、キサンテニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ベンゾフラノベンゾチオフェニル基、ベンゾチエノベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラノナフチル基、ジベンゾチエノナフチル基、及びジナフトチエノチオフェニル基等が挙げられる。
また、上記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基の具体例としては、下記式で表されるいずれかの化合物より水素原子を1つ除いてなる1価の基も好ましい。
Figure 2015020987
[式中、Aは、それぞれ独立に、CR200、又は窒素原子を表し、R200は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、
Yは、それぞれ独立に、単結合、C(R201)(R202)、酸素原子、硫黄原子又はN(R203)を表し、
201、R202及びR203は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、mは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
上記式中、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよく、複数のYは互いに同一でも異なっていてもよく、複数のmは互いに同一でも異なっていてもよい。
mが0の場合、Yは存在しない。]
上記式中における置換基としては、上述のものと同様のものが挙げられる。
前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有する総炭素数7〜51のアラルキル基としては、上記アリール基を有するアラルキル基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)及び環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基としては、上記アルキル基、上記アリール基及び上記ヘテロアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基を有するアルコキシ基としては、上記アルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。
前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有するアリールオキシ基としては、上記アリール基を有するアリールオキシ基が挙げられる。
炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基としては、上記アルキル基及び上記アリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のハロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の1以上が、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)により置換されたものが挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基としては、上記アルキル基又は上記アリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基としては、上記アルキル基及び上記アリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基が挙げられる。
前記式(1)の隣接するR〜R同士が互いに結合して形成する環構造は、飽和の環でも不飽和の環でもよい。
飽和の環としては、それぞれ、環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜6、より好ましくは5又は6)の脂肪族炭化水素環が好ましい。
また、不飽和の環としては、それぞれ、環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18)の芳香族炭化水素環、又は環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)の芳香族複素環が好ましい。
上記環形成炭素数3〜50の脂肪族炭化水素環の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、アダマンタン環等が挙げられ、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が好ましい。
上記環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾアントラセン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、ジベンゾフルオレン環、ピセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、s−インダセン環、as−インダセン環、フルオランテン環、ベンゾフルオランテン環、トリフェニレン環、ベンゾトリフェニレン環、ペリレン環、コロネン環、ジベンゾアントラセン環等が挙げられる。
上記環形成原子数5〜50の芳香族複素環の具体例としては、ピロール環、ピラゾール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、イソキノリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾピリジン環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環、プリン環、アクリジン環等が挙げられる。
Lの連結基としては、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、又は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基の少なくとも1つと、置換もしくは無置換の芳香族複素環基の少なくとも1つと、を連結した基が好ましい。
芳香族炭化水素環基としては、上述したR等が示す置換基の環形成炭素数6〜50(好ましくは環形成炭素数6〜25、より好ましくは環形成炭素数6〜18)のアリール基から水素原子を1つ除いた二価の基が挙げられる。好ましくは、単環の芳香族炭化水素環基である。例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、上述したR等が示す置換基の環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは環形成原子数5〜13)のヘテロアリール基から水素原子を1つ除いた二価の基が挙げられる。好ましくは、単環の芳香族複素環基である。例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン等が挙げられる。
Aが示す3環以上の縮環構造を有する基について、3環以上の縮環構造としては、アントラセン環、ベンゾアントラセン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、ジベンゾフルオレン環、ピセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、s−インダセン環、as−インダセン環、フルオランテン環、ベンゾフルオランテン環、トリフェニレン環、ベンゾトリフェニレン環、ペリレン環、コロネン環、ジベンゾアントラセン環等の炭化水素環、
ジベンゾチオフェン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、アクリジン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環等の複素環が挙げられる。
上記の縮環構造は、置換基を有していてもよく、置換基の例は、上述したR等と同様である。
本発明の一態様において、式(1)のnは1であることが好ましい。
本発明の一態様では、式(1)において、Aが下記式(2)で表される構造(アントラセン構造)であることが好ましい。
Figure 2015020987
式(1)で表され、アントラセン構造を有する化合物は、有機EL素子を構成する有機薄膜層の構成材料としても用いることができ、例えば、発光層と陰極との間の有機薄膜層(電子輸送層、正孔障壁層、電子注入層)や、発光層に好適である。
式(2)において、R11〜R20は、それぞれ独立に、単結合、水素原子、又は置換基を表し、少なくとも1つは単結合又は連結基Lを介して前記式(1)のベンズトリアゾール環の窒素原子と結合する。
置換基の例は、上述したR等と同様である。
例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015020987
(式中、R〜R、R11〜R20及びLは、それぞれ独立に、前記式(1)及び式(2)と同様な基を表わす。式(3)の括弧内の基は、単結合又は連結基Lを介してベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
本発明の一態様として、例えば、下記式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015020987
(式中、R〜R、R11〜R20及びLは、それぞれ独立に、前記式(1)及び式(2)と同様な基を表わす。)
また、R20が置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基であることが好ましい。アリール基及びヘテロアリール基の例は上述したRと同様である。
また、本発明の一態様では、Aが下記式(5)で表されることが好ましい。
Figure 2015020987
式(1)で表され、式(5)の構造を有する化合物は、例えば、陰極又は陽極極と、発光層との間に形成される有機薄膜層(電子輸送層、正孔障壁層、電子注入層)や、発光層に好適である。
式(5)において、XはNR21、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を表し、R21は、単結合、水素原子又は置換基を表す。
21〜A28は、それぞれ独立に、CR22又は窒素原子Nを表し、R22は単結合、水素原子又は置換基を表す。R22が複数ある場合、複数のR22は同一でも異なっていてもよく、隣接するR22同士が結合して環構造を形成してもよい。
21〜A28及びXの少なくとも1つは単結合又は連結基Lを介して前記式(1)のベンズトリアゾール環の窒素原子と結合する。
式(5)において、置換基の例は、上述したR等と同様である。
隣接するR22同士が互いに結合して形成する環構造の例は、上述した隣接するR〜R同士が互いに結合して形成する環構造と同様である。
具体的には、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015020987
(式中、R〜R、A21〜A28、X、及びLは、それぞれ独立に、前記式(1)及び式(5)と同様な基を表わす。式(6)の括弧内の基は、単結合又は連結基Lを介してベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
より具体的には、下記式(7)及び式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015020987
(式中、R〜R、A21〜A28、及びLは、それぞれ独立に、前記式(6)と同様な基を表わす。)
Figure 2015020987
(式中、R〜R、A21〜A28、X、及びLは、それぞれ独立に、前記式(6)と同様な基を表わす。A21〜A24のうち1つは、単結合によりL又はベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
式(8)で表される化合物のなかでも、下記式(9)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015020987
(式中、R〜R、A21〜A28、X、及びLは、それぞれ独立に、前記式(8)と同様な基を表わす。A23は単結合によりL又はベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
以下に、式(1)で表される化合物の一例を示す。
Figure 2015020987
Figure 2015020987
Figure 2015020987
Figure 2015020987
Figure 2015020987
上記ベンゾトリアゾール誘導体の製造方法は特に限定されず、従来公知の合成方法を組み合わせて製造できる。当業者であれば、例えば、本明細書の実施例を参照しながら、公知の合成方法を利用及び変更して製造することができる。
[有機エレクトロルミネッセンス素子用材料]
本発明の有機EL素子用材料は、上記式(1)で表される化合物を含む。有機EL素子用材料における上記化合物の含有量は、特に制限されず、例えば、1質量%以上であればよく、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、100質量%でもよい。尚、上記式(1)で表される化合物以外の材料としては、後述する発光層、電子輸送層、正孔輸送層等で使用する材料が挙げられる。
本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子における材料として有用であり、例えば、蛍光発光ユニットの発光層におけるホスト材料及びドーパント材料や、燐光発光ユニットの発光層におけるホスト材料として用いることができる。また、蛍光発光ユニット及び燐光発光ユニットのいずれにおいても、有機EL素子の陽極と発光層との間に設けられる陽極側有機薄膜層や、有機EL素子の陰極と発光層との間に設けられる陰極側有機薄膜層の材料、即ち、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層等の材料としても有用である。
尚、「発光ユニット」とは、一層以上の有機層を含み、そのうちの一層が発光層であり、注入された正孔と電子が再結合することにより発光することができる最小単位をいう。
[有機EL素子]
本発明の一態様である有機EL素子は、陰極と陽極の間に発光層を含有する1以上の有機薄膜層を有し、この有機薄膜層のうちの少なくとも1層が前述したベンズトリアゾール誘導体又は有機EL素子用材料を含むことを特徴とする。本発明の一態様である有機EL素子は、有機薄膜層のうちの少なくとも1層が前述したベンズトリアゾール誘導体又は有機EL素子用材料を含むことにより、低電圧での駆動が可能である。
前述の有機EL素子用材料が含まれる有機薄膜層の例としては、陽極と発光層との間に設けられる陽極側有機薄膜層(正孔輸送層、正孔注入層等)、発光層、陰極と発光層との間に設けられる陰極側有機薄膜層(電子輸送層、電子注入層等)、スペース層、障壁層等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前述の有機EL素子用材料は、上記いずれの層に含まれていてもよく、例えば、蛍光発光ユニットの発光層におけるホスト材料やドーパント材料、燐光発光ユニットの発光層におけるホスト材料、発光ユニットの正孔輸送層、電子輸送層等として用いることができる。
本発明の有機EL素子は、蛍光又は燐光発光型の単色発光素子であっても、蛍光/燐光ハイブリッド型の白色発光素子であってもよいし、単独の発光ユニットを有するシンプル型であっても、複数の発光ユニットを有するタンデム型であってもよく、中でも、燐光発光型であることが好ましい。
シンプル型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(1)陽極/発光ユニット/陰極
また、上記発光ユニットは、燐光発光層や蛍光発光層を複数有する積層型であってもよく、その場合、各発光層の間に、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐ目的で、スペース層を有していてもよい。発光ユニットの代表的な層構成を以下に示す。
(a)正孔輸送層/発光層(/電子輸送層)
(b)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層(/電子輸送層)
(c)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(d)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(e)正孔輸送層/第一燐光発光層/スペース層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(f)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/第一蛍光発光層/第二蛍光発光層(/電子輸送層)
(g)正孔輸送層/電子障壁層/発光層(/電子輸送層)
(h)正孔輸送層/発光層/正孔障壁層(/電子輸送層)
(i)正孔輸送層/蛍光発光層/トリプレット障壁層(/電子輸送層)
上記各燐光又は蛍光発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を示すものとすることができる。具体的には、上記積層発光層(d)において、正孔輸送層/第一燐光発光層(赤色発光)/第二燐光発光層(緑色発光)/スペース層/蛍光発光層(青色発光)/電子輸送層といった層構成等が挙げられる。
尚、各発光層と正孔輸送層あるいはスペース層との間には、適宜、電子障壁層を設けてもよい。また、各発光層と電子輸送層との間には、適宜、正孔障壁層を設けてもよい。電子障壁層や正孔障壁層を設けることで、電子又は正孔を発光層内に閉じ込めて、発光層における電荷の再結合確率を高め、寿命を向上させることができる。
タンデム型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(2)陽極/第一発光ユニット/中間層/第二発光ユニット/陰極
ここで、上記第一発光ユニット及び第二発光ユニットとしては、例えば、それぞれ独立に上述の発光ユニットと同様のものを選択することができる。
上記中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、第一発光ユニットに電子を、第二発光ユニットに正孔を供給する、公知の材料構成を用いることができる。
図1に、本発明の有機EL素子の一例の概略構成を示す。有機EL素子1は、基板2、陽極3、陰極4、及び該陽極3と陰極4との間に配置された発光ユニット10とを有する。発光ユニット10は、燐光ホスト材料と燐光ドーパントを含む少なくとも1つの燐光発光層を含む発光層5を有する。発光層5と陽極3との間に正孔注入・輸送層6等、発光層5と陰極4との間に電子注入・輸送層7等を形成してもよい。また、発光層5の陽極3側に電子障壁層を、発光層5の陰極4側に正孔障壁層を、それぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層5に閉じ込めて、発光層5における励起子の生成確率を高めることができる。
尚、本明細書において、蛍光ドーパントと組み合わされたホストを蛍光ホストと称し、燐光ドーパントと組み合わされたホストを燐光ホストと称する。蛍光ホストと燐光ホストは分子構造のみにより区分されるものではない。即ち、燐光ホストとは、燐光ドーパントを含有する燐光発光層を構成する材料を意味し、蛍光発光層を構成する材料として利用できないことを意味しているわけではない。蛍光ホストについても同様である。
(基板)
本発明の有機EL素子は、透光性基板上に作製する。透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400nm〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を原料として用いてなるものを挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
(陽極)
有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有するものを用いることが効果的である。陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅等が挙げられる。陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選択される。
(陰極)
陰極は電子注入層、電子輸送層又は発光層に電子を注入する役割を担うものであり、仕事関数の小さい材料により形成するのが好ましい。陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が使用できる。陰極も、陽極と同様に、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。また、必要に応じて、陰極側から発光を取り出してもよい。
(発光層)
発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料を含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。
燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
ここで、上記発光層は、例えば、電子輸送性のホストと正孔輸送性のホストを組み合わせる等して、発光層内のキャリアバランスを調整するダブルホスト(ホスト・コホストともいう)を採用してもよく、発光層が第1ホスト材料と第2ホスト材料とを含有し、前記第1ホスト材料が本発明の有機EL素子用材料であると好ましい。
また、量子収率の高いドーパント材料を二種類以上入れることによって、それぞれのドーパントが発光するダブルドーパントを採用してもよい。具体的には、ホスト、赤色ドーパント及び緑色ドーパントを共蒸着することによって、発光層を共通化して黄色発光を実現する態様が挙げられる。
上記発光層は、複数の発光層を積層した積層体とすることで、発光層界面に電子と正孔を蓄積させて、再結合領域を発光層界面に集中させて、量子効率を向上させることができる。
発光層への正孔の注入し易さと電子の注入し易さは異なっていてもよく、また、発光層中での正孔と電子の移動度で表される正孔輸送能と電子輸送能が異なっていてもよい。
発光層は、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法(Langmuir Blodgett法)等の公知の方法により形成することができる。また、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かした溶液をスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
発光層は、分子堆積膜であることが好ましい。分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことである。通常、この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは、凝集構造の相違や、高次構造の相違、又はそれに起因する機能的な相違により区分することができる。
ドーパント材料としては、公知の蛍光型発光を示す蛍光ドーパント又は燐光型発光を示す燐光ドーパントから選ばれる。
発光層を形成する燐光ドーパント(燐光発光材料)は三重項励状態から発光することのできる化合物であり、三重項励状態から発光する限り特に限定されないが、Ir、Pt、Os、Au、Cu、Re及びRuから選択される少なくとも一つの金属と配位子とを含む有機金属錯体であることが好ましい。前記配位子は、オルトメタル結合を有することが好ましい。燐光量子収率が高く、発光素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、Ir、Os及びPtから選ばれる金属原子を含有する金属錯体が好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体、特にオルトメタル化錯体がより好ましく、イリジウム錯体及び白金錯体がさらに好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体が特に好ましい。
燐光ドーパントの発光層における含有量は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。燐光ドーパントの含有量が0.1質量%以上であると十分な発光が得られ、70質量%以下であると濃度消光を避けることができる。
燐光ドーパントとして好ましい有機金属錯体の具体例を、以下に示す。
Figure 2015020987
Figure 2015020987
Figure 2015020987
Figure 2015020987
燐光ホストは、燐光ドーパントの三重項エネルギーを効率的に発光層内に閉じ込めることにより、燐光ドーパントを効率的に発光させる機能を有する化合物である。本発明の有機EL素子用材料は燐光ホストとして好適である。発光層は、本発明の有機EL素子用材料を1種含有していてもよく、本発明の有機EL素子用材料を2種以上含有していてもよい。
本発明の有機EL素子用材料を発光層のホスト材料として用いる場合、発光層に含まれる燐光ドーパント材料の発光波長は特に限定されない。なかでも、発光層に含まれる前記燐光ドーパント材料のうち少なくとも1種は、発光波長のピークが490nm以上700nm以下であることが好ましく、490nm以上650nm以下であることがより好ましい。発光層の発光色としては、例えば、赤色、黄色、緑色が好ましい。ホスト材料として本発明の化合物を用い、このような発光波長の燐光ドーパント材料をドープして発光層を構成することにより、長寿命な有機EL素子とすることができる。
本発明の有機EL素子において、本発明の有機EL素子用材料以外の化合物も、燐光ホストとして、上記目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の有機EL素子用材料とそれ以外の化合物を同一の発光層内の燐光ホスト材料として併用してもよいし、複数の発光層がある場合には、そのうちの一つの発光層の燐光ホスト材料として本発明の有機EL素子用材料を用い、別の一つの発光層の燐光ホスト材料として本発明の有機EL素子用材料以外の化合物を用いてもよい。また、本発明の有機EL素子用材料は発光層以外の有機層にも使用しうるものであり、その場合には発光層の燐光ホストとして、本発明の有機EL素子用材料以外の化合物を用いてもよい。
本発明の有機EL素子用材料以外の化合物で、燐光ホストとして好適な化合物の具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。燐光ホストは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2015020987
発光層が、第1ホスト材料と第2ホスト材料とを含有する場合、第1ホスト材料として本発明の有機EL素子用材料を用い、第2ホスト材料として本発明の有機EL素子用材料以外の化合物を用いてもよい。尚、本発明における「第1ホスト材料」及び「第2ホスト材料」という用語は、発光層に含有されている複数のホスト材料が、互いに構造が異なるという意味であり、発光層中の各ホスト材料の含有量で規定されるものではない。
前記第2ホスト材料としては、特に限定されず、本発明の有機EL素子用材料以外の化合物であり、かつ燐光ホストとして好適な化合物として前記した化合物と同じものが挙げられる。第2ホストとしては、カルバゾール誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレノン誘導体、芳香族第三アミン化合物が好ましい。
本発明の有機EL素子は、蛍光発光材料を含有する発光層、つまり蛍光発光層を有していてもよい。蛍光発光層としては、公知の蛍光発光材料を使用できる。該蛍光発光材料としては、アントラセン誘導体、フルオランテン誘導体、スチリルアミン誘導体及びアリールアミン誘導体から選択される少なくとも1種が好ましく、アントラセン誘導体、アリールアミン誘導体がより好ましい。特に、ホスト材料としてはアントラセン誘導体が好ましく、ドーパントとしてはアリールアミン誘導体が好ましい。具体的には、国際公開第2010/134350号や国際公開第2010/134352号に記載する好適な材料が選択される。本発明の有機EL素子用材料は、蛍光発光層の蛍光発光材料として用いてもよく、蛍光発光層のホスト材料として用いてもよい。
蛍光発光材料としての前記アントラセン誘導体の環形成炭素数は、好ましくは26〜100、より好ましくは26〜80、さらに好ましくは26〜60である。該アントラセン誘導体としては、より具体的には下記式(10)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
Figure 2015020987
(上記式(10)中、Ar31及びAr32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は環形成原子数5〜50の複素環基である。
81〜R88は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシル基である。)
上記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、いずれも、環形成炭素数6〜40のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。
上記環形成原子数5〜50の複素環基としては、いずれも、環形成原子数5〜40の複素環基が好ましく、環形成原子数5〜30の複素環基がより好ましい。
上記炭素数1〜50のアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
上記炭素数1〜50のアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がさらに好ましい。
上記炭素数7〜50のアラルキル基としては、炭素数7〜30のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基としては、環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリールチオ基としては、環形成炭素数6〜40のアリールチオ基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリールチオ基がより好ましい。
上記炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基がより好ましく、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基がさらに好ましい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
特に、Ar31及びAr32は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基であることが好ましい。
また、式(10)で表されるアントラセン誘導体としては、下記式(10−1)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
Figure 2015020987
(上記式(10−1)中、Ar33は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は環形成原子数5〜50の複素環基である。R81〜R88は、前記定義の通りである。R89は、R81〜R88の定義と同じである。aは、1〜7の整数である。)
81〜R88は、好ましいものも前記同様である。また、R89の好ましいものも、R81〜R88と同様である。aは1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
Ar33が表す環形成炭素数6〜50のアリール基としては、環形成炭素数6〜40のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましく、環形成炭素数6〜20のアリール基がさらに好ましく、環形成炭素数6〜12のアリール基が特に好ましい。
蛍光発光材料としての前記アリールアミン誘導体としては、アリールジアミン誘導体が好ましく、ピレン骨格を含有するアリールジアミン誘導体がより好ましく、ピレン骨格及びジベンゾフラン骨格を含有するアリールジアミン誘導体がさらに好ましい。
アリールジアミン誘導体としては、より具体的には、下記式(11)で表されるアリールジアミン誘導体が好ましい。
Figure 2015020987
(式(11)中、Ar34〜Ar37は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基を表す。
21は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基を表す。)
上記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、環形成炭素数6〜12のアリール基がさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
上記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、環形成原子数5〜40のヘテロアリール基が好ましく、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基がより好ましく、環形成原子数5〜20のヘテロアリール基がさらに好ましい。ヘテロアリール基としては、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基等が挙げられ、ジベンゾフラニル基が好ましい。該ヘテロアリール基の好ましい置換基としては、環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、環形成炭素数6〜40のアリーレン基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリーレン基がより好ましく、環形成炭素数6〜20のアリーレン基がさらに好ましく、ピレニル基が特に好ましい。
発光層の膜厚は、好ましくは5〜50nm、より好ましくは7〜50nm、さらに好ましくは10〜50nmである。5nm以上であると発光層の形成が容易であり、50nm以下であると駆動電圧の上昇が避けられる。
(電子供与性ドーパント)
本発明の有機EL素子は、陰極と発光ユニットとの界面領域に電子供与性ドーパントを有することも好ましい。このような構成によれば、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。ここで、電子供与性ドーパントとは、仕事関数3.8eV以下の金属を含有するものをいい、その具体例としては、アルカリ金属、アルカリ金属錯体、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属錯体、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、希土類金属錯体、及び希土類金属化合物等から選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
アルカリ金属としては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)、Cs(仕事関数:1.95eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRb又はCsであり、最も好ましくはCsである。アルカリ土類金属としては、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0eV〜2.5eV)、Ba(仕事関数:2.52eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。希土類金属としては、Sc、Y、Ce、Tb、Yb等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
アルカリ金属化合物としては、LiO、CsO、KO等のアルカリ酸化物、LiF、NaF、CsF、KF等のアルカリハロゲン化物等が挙げられ、LiF、LiO、NaFが好ましい。アルカリ土類金属化合物としては、BaO、SrO、CaO及びこれらを混合したBaSr1−xO(0<x<1)、BaCa1−xO(0<x<1)等が挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。希土類金属化合物としては、YbF、ScF、ScO、Y、Ce、GdF、TbF等が挙げられ、YbF、ScF、TbFが好ましい。
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体としては、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、β−ジケトン類、アゾメチン類、及びそれらの誘導体等が好ましいが、これらに限定されるものではない。
電子供与性ドーパントの添加形態としては、界面領域に層状又は島状に形成すると好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により電子供与性ドーパントを蒸着しながら、界面領域を形成する有機化合物(発光材料や電子注入材料)を同時に蒸着させ、有機化合物に電子供与性ドーパントを分散する方法が好ましい。分散濃度はモル比で有機化合物:電子供与性ドーパント=100:1〜1:100、好ましくは5:1〜1:5である。
電子供与性ドーパントを層状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を層状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1nm〜15nmで形成する。電子供与性ドーパントを島状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を島状に形成した後に、電子供与性ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05nm〜1nmで形成する。
本発明の有機EL素子における、主成分と電子供与性ドーパントの割合は、モル比で主成分:電子供与性ドーパント=5:1〜1:5であると好ましく、2:1〜1:2であるとさらに好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、発光層と陰極との間に形成される有機層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有する。電子輸送層が複数層で構成される場合、陰極に近い有機層を電子注入層と定義することがある。電子注入層は、陰極から電子を効率的に有機層ユニットに注入する機能を有する。本発明の有機EL素子用材料は、電子輸送層を形成する電子輸送層用材料としても好適である。
本発明の有機EL素子用材料以外で、電子輸送層に用いる電子輸送性材料としては、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する芳香族環、又は含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。
この含窒素環誘導体としては、例えば、下記式(A)で表される含窒素環金属キレート錯体が好ましい。
Figure 2015020987
含窒素環金属キレート錯体である式(A)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜40の炭化水素基、炭素数1〜40のアルコキシ基、炭素数数6〜50のアリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、環形成炭素数5〜50の芳香族複素環基であり、これらは置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の例としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。
アルキルアミノ基及びアラルキルアミノ基は−NQと表される。Q及びQは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアラルキル基を表す。Q及びQの一方は水素原子又は重水素原子であってもよい。
アリールアミノ基は−NArArと表され、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素数6〜50の非縮合芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArの一方は水素原子又は重水素原子であってもよい。
炭素数1〜40の炭化水素基はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む。
アルコキシカルボニル基は−COOY’と表され、Y’は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
Mは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)であり、Inであると好ましい。
Lは、下記式(A’)又は(A”)で表される基である。
Figure 2015020987
式(A’)中、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。また、前記式(A”)中、R13〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。
式(A’)及び式(A”)のR〜R12及びR13〜R27が示す炭素数1〜40の炭化水素基は、含窒素環金属キレート錯体である前記式(A)中のR〜Rが示す炭化水素基と同様である。また、R〜R12及びR13〜R27の互いに隣接する基が環状構造を形成した場合の2価の基としては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメタン−2,2’−ジイル基、ジフェニルエタン−3,3’−ジイル基、ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル基等が挙げられる。
電子輸送層に用いられる電子伝達性化合物としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2015020987
前記式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22及びAr25は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を示し、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、たがいに同一でも異なっていてもよい。芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基等が挙げられる。これらの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
Ar20、Ar23及びAr24は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数6〜50の2価の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を示し、Ar23とAr24は、たがいに同一でも異なっていてもよい。2価の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基等が挙げられる。これらの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
これらの電子伝達性化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2015020987
電子伝達性化合物としての含窒素複素環誘導体は、以下の式を有する有機化合物からなる含窒素複素環誘導体であって、金属錯体でない含窒素化合物が挙げられる。例えば、下記式(B)に示す骨格を含有する5員環もしくは6員環や、下記式(C)に示す構造のものが挙げられる。
Figure 2015020987
前記式(C)中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。ZならびにZは、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。
含窒素複素環誘導体は、さらに好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有する有機化合物である。さらには、このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記式(B)と(C)もしくは上記式(B)と下記式(D)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物が好ましい。
Figure 2015020987
前記の含窒素芳香多環有機化合物の含窒素基は、例えば、以下の式で表される含窒素複素環基から選択される。
Figure 2015020987
前記各式中、Rは、炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一又は異なっていてもよい。
さらに、好ましい具体的な化合物として、下記式(D1)で表される含窒素複素環誘導体が挙げられる。
HAr−L−Ar−Ar (D1)
前記式(D1)中、HArは、置換もしくは無置換の炭素数3〜40の含窒素複素環基であり、Lは単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基であり、Arは置換もしくは無置換の炭素数6〜40の2価の芳香族炭化水素基であり、Arは置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基である。
HArは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2015020987
前記式(D1)におけるLは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2015020987
前記式(D1)におけるArは、例えば、下記式(D2)、式(D3)のアリールアントラニル基から選択される。
Figure 2015020987
前記式(D2)、式(D3)中、R〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基であり、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基である。また、R〜Rは、いずれも水素原子又は重水素原子である含窒素複素環誘導体であってもよい。
前記式(D1)におけるArは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2015020987
電子伝達性化合物としての含窒素芳香多環有機化合物には、この他、下記の化合物も好適に用いられる。
Figure 2015020987
前記式(D4)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の脂肪族式環基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50の複素環基を表し、X、Xは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はジシアノメチレン基を表す。
また、電子伝達性化合物として、下記の化合物も好適に用いられる。
Figure 2015020987
前記式(D5)中、R、R、R及びRは互いに同一の又は異なる基であって、下記式(D6)で表される芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基である。
Figure 2015020987
前記式(D6)中、R、R、R、R及びRは互いに同一又は異なる基であって、水素原子、重水素原子、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20のアルコキシル基、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、又は炭素数1〜20のアルキルアミノ基である。R、R、R、R及びRの少なくとも1つは水素原子、重水素原子以外の基である。
さらに、電子伝達性化合物は、該含窒素複素環基又は含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
本発明の有機EL素子の電子輸送層は、下記式(E)〜(G)で表される含窒素複素環誘導体を少なくとも1種含むことが特に好ましい。
Figure 2015020987
(式(E)〜式(G)中、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子である。
及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のハロアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。
nは、0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する2つのR同士が互いに結合して、置換もしくは無置換の炭化水素環を形成していてもよい。
Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
Arは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
但し、Ar、Arのいずれか一方は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合芳香族炭化水素環基又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜50の縮合芳香族複素環基である。
Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基である。
、L及びLは、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜50の2価の縮合芳香族複素環基である。)
環形成炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ピレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、トリル基、フルオランテニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、ピローリル基、フリル基、チエニル基、シローリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、べンゾフリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、カルバゾリル基、セレノフェニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾーリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、前記アルキル基の1又は2以上の水素原子をフッ素、塩素、ヨウ素及び臭素から選ばれる少なくとも1のハロゲン原子で置換して得られる基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記アルキル基をアルキル部位としては有する基が挙げられる。
環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、前記アリール基から水素原子1個を除去して得られる基が挙げられる。
環形成原子数9〜50の2価の縮合芳香族複素環基としては、前記ヘテロアリール基として記載した縮合芳香族複素環基から水素原子1個を除去して得られる基が挙げられる。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1nm〜100nmである。
また、電子輸送層に隣接して設けることができる電子注入層の構成成分として、含窒素環誘導体の他に無機化合物として、絶縁体又は半導体を使用することが好ましい。電子注入層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えば、LiO、KO、NaS、NaSe及びNaOが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF及びBeF等のフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子注入層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子注入層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。尚、このような無機化合物としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
このような絶縁体又は半導体を使用する場合、その層の好ましい厚みは、0.1nm〜15nm程度である。また、本発明における電子注入層は、前述の電子供与性ドーパントを含有していても好ましい。
(正孔輸送層)
発光層と陽極との間に形成される有機層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有する。正孔輸送層が複数層で構成される場合、陽極に近い有機層を正孔注入層と定義することがある。正孔注入層は、陽極から正孔を効率的に有機層ユニットに注入する機能を有する。
正孔輸送層を形成する他の材料としては、芳香族アミン化合物、例えば、下記式(H)で表される芳香族アミン誘導体が好適に用いられる。
Figure 2015020987
前記式(H)において、Ar〜Arは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基、又は、それら芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基と芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基が結合した基を表す。
また、前記式(H)において、Lは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基を表す。
式(H)の化合物の具体例を以下に記す。
Figure 2015020987
また、下記式(J)の芳香族アミンも正孔輸送層の形成に好適に用いられる。
Figure 2015020987
前記式(J)において、Ar〜Arの定義は前記式(H)のAr〜Arの定義と同様である。以下に式(J)の化合物の具体例を記すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2015020987
本発明の有機EL素子の正孔輸送層は第1正孔輸送層(陽極側)と第2正孔輸送層(陰極側)の2層構造にしてもよい。
正孔輸送層の膜厚は特に限定されないが、10〜200nmであるのが好ましい。
本発明の有機EL素子では、正孔輸送層又は第1正孔輸送層の陽極側にアクセプター材料を含有する層を接合してもよい。これにより駆動電圧の低下及び製造コストの低減が期待される。
前記アクセプター材料としては下記式(K)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015020987
(上記式(K)中、R21〜R26は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にシアノ基、−CONH、カルボキシル基、又は−COOR27(R27は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を表す)を表す。ただし、R21及びR22、R23及びR24、並びにR25及びR26の1又は2以上の対が一緒になって−CO−O−CO−で示される基を形成してもよい。)
27としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アクセプター材料を含有する層の膜厚は特に限定されないが、5〜20nmであるのが好ましい。
(n/pドーピング)
上述の正孔輸送層や電子輸送層においては、特許第3695714号明細書に記載されているように、ドナー性材料のドーピング(n)やアクセプター性材料のドーピング(p)により、キャリア注入能を調整することができる。
nドーピングの代表例としては、電子輸送材料にLiやCs等の金属をドーピングする方法が挙げられ、pドーピングの代表例としては、正孔輸送材料にFTCNQ(2,3,5,6−Tetrafluoro−7,7,8,8−tetracyanoquinodimethane)等のアクセプター材料をドーピングする方法が挙げられる。
(スペース層)
上記スペース層とは、例えば、蛍光発光層と燐光発光層とを積層する場合に、燐光発光層で生成する励起子を蛍光発光層に拡散させない、あるいは、キャリアバランスを調整する目的で、蛍光発光層と燐光発光層との間に設けられる層である。また、スペース層は、複数の燐光発光層の間に設けることもできる。
スペース層は発光層間に設けられるため、電子輸送性と正孔輸送性を兼ね備える材料であることが好ましい。また、隣接する燐光発光層内の三重項エネルギーの拡散を防ぐため、三重項エネルギーが2.6eV以上であることが好ましい。スペース層に用いられる材料としては、上述の正孔輸送層に用いられるものと同様のものが挙げられる。
(障壁層)
本発明の有機EL素子は、発光層に隣接する部分に、電子障壁層、正孔障壁層、トリプレット障壁層といった障壁層を有することが好ましい。ここで、電子障壁層とは、発光層から正孔輸送層へ電子が漏れることを防ぐ層であり、正孔障壁層とは、発光層から電子輸送層へ正孔が漏れることを防ぐ層である。
トリプレット障壁層は、発光層で生成する三重項励起子が、周辺の層へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層内に閉じ込めることによって三重項励起子の発光ドーパント以外の電子輸送層の分子上でのエネルギー失活を抑制する機能を有する。
トリプレット障壁層を設ける場合、燐光素子においては、発光層中の燐光発光性ドーパントの三重項エネルギーをE 、トリプレット障壁層として用いる化合物の三重項エネルギーをE TBとすると、E <E TBのエネルギー大小関係であれば、エネルギー関係上、燐光発光性ドーパントの三重項励起子が閉じ込められ(他分子へ移動できなくなり)、該ドーパント上で発光する以外のエネルギー失活経路が断たれ、高効率に発光することができると推測される。ただし、E <E TBの関係が成り立つ場合であってもこのエネルギー差ΔE=E TB−E が小さい場合には、実際の素子駆動環境である室温程度の環境下では、周辺の熱エネルギーにより吸熱的にこのエネルギー差ΔEを乗り越えて三重項励起子が他分子へ移動することが可能であると考えられる。特に燐光発光の場合は蛍光発光に比べて励起子寿命が長いため、相対的に吸熱的励起子移動過程の影響が現れやすくなる。室温の熱エネルギーに対してこのエネルギー差ΔEは大きい程好ましく、0.1eV以上であるとさらに好ましく、0.2eV以上であると特に好ましい。一方、蛍光素子においては、国際公開WO2010/134350A1に記載するTTF素子構成のトリプレット障壁層として、本発明の有機EL素子用材料を用いることもできる。
また、トリプレット障壁層を構成する材料の電子移動度は、電界強度0.04〜0.5MV/cmの範囲において、10−6cm/Vs以上であることが望ましい。有機材料の電子移動度の測定方法としては、Time of Flight法等幾つかの方法が知られているが、ここではインピーダンス分光法で決定される電子移動度をいう。
電子注入層は、電界強度0.04〜0.5MV/cmの範囲において、10−6cm/Vs以上であることが望ましい。これにより陰極からの電子輸送層への電子注入が促進され、ひいては隣接する障壁層、発光層への電子注入も促進し、より低電圧での駆動を可能にするためである。
本発明の有機EL素子は、発光素子として各種ディスプレイ等に使用されるパネルモジュールに使用できる。
また、本発明の有機EL素子は、テレビ、携帯端末、パーソナルコンピュータ等の表示装置や、照明等の電子機器に使用できる。
[ベンゾトリアゾール誘導体の合成]
合成例1(化合物1の合成)
(1)ボロン酸中間体の合成
Figure 2015020987
(a)中間体(A)の合成
アルゴン雰囲気下、ベンゾトリアゾール(23.6g,198mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(50.9g,180mmol)、ヨウ化銅(I)(3.43g,18.0mmol)、炭酸セシウム(117g,360mmol)にDMF(400mL)を加え、140℃で15時間撹拌した。反応後、トルエンと水で希釈し、有機層を水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体(A)(23.2g,84.6mmol)(収率47%)を得た。
(b)中間体(B)の合成
アルゴン雰囲気下、中間体(A)(13.2g,48.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(18.3g,72.0mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(1.96g,2.40mmol)、酢酸カリウム(9.42g,96.0mmol)、に1,4−ジオキサン(150mL)を加え、9時間加熱還流下で撹拌した。室温まで冷却後、反応溶液を酢酸エチルで抽出し、水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体(B)(8.44g,26.4mmol)(収率55%)を得た。
(2)化合物(1)の合成
Figure 2015020987
アルゴン雰囲気下、中間体(A)(5.48g,20.0mmol)、10−(2−ナフチル)アントラセン−9−ボロン酸(10.4g,30.0mmol)、酢酸パラジウム(II)(225mg,1.00mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(821mg,10.0mmol)、リン酸カリウム(8.49g,60.0mmol)、テトラヒドロフラン(100mL)を混合し、8時間加熱還流下で攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物を濾過し、ショートカラムに通した後、酢酸エチルで洗浄して化合物(1)(2.99g,6.00mmol)(収率30%)を得た。本化合物は、質量分析の結果、目的物であり、分子量497.60に対し、m/e=497であった。
合成例2(化合物(2)の合成)
Figure 2015020987
化合物(1)の合成において、10−(2−ナフチル)アントラセン−9−ボロン酸の代わりに(4−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)フェニルボロン酸を、1−(4−ブロモフェニル)−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールの代わりに9,9−(5−ブロモ−1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾールを用いた他は同様に合成し、化合物(2)を得た。本化合物は、質量分析の結果、目的物であり、分子量502.58に対し、m/e=502であった。
合成例3(化合物(3)の合成)
Figure 2015020987
化合物(1)の合成において、10−(2−ナフチル)アントラセン−9−ボロン酸の代わりに(4−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)フェニルボロン酸を、1−(4−ブロモフェニル)−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールの代わりに2−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)ジベンゾフランを用いた他は同様に合成し、化合物(3)を得た。本化合物は、質量分析の結果、目的物であり、分子量513.60に対し、m/e=513であった。
合成例4(化合物(4)の合成)
Figure 2015020987
化合物(1)の合成において、10−(2−ナフチル)アントラセン−9−ボロン酸の代わりに3−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾールを用い、酢酸パラジウム(II)の代わりにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルの代わりにトリ−t−ブチルホスフィンを、リン酸カリウムの代わりにt−ブトキシナトリウムを、テトラヒドロフランの代わりにトルエンを用いて同様に合成し、化合物(4)を得た。本化合物は、質量分析の結果、目的物であり、分子量601.71に対し、m/e=601であった。
合成例5(化合物(5)の合成)
Figure 2015020987
アルゴン雰囲気下、2,6−ジヨード−9,10−ジナフタレン−2−イル−アントラセン(3.00g,4.40mmol)、ベンゾトリアゾール(2.62g,22.0mmol)、ヨウ化銅(I)(167g,0.879mmol)、トランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(250g,1.76mmol)、リン酸カリウム(6.53g,30.8mmol)にDMSO(30mL)を加え、150℃で10時間撹拌した。反応後、ジクロロメタンで希釈し、有機層を1%HCl、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(5)(1.23g,1.85mmol)(収率42%)を得た。本化合物は、質量分析の結果、目的物であり、分子量664.77に対し、m/e=664であった。
[有機EL素子の作製]
実施例1
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして下記化合物HI−1を蒸着して膜厚10nmのHI−1膜を成膜し、正孔注入層を形成した。
次に、この正孔注入層上に、第1正孔輸送材料として下記化合物A−1を蒸着して膜厚80nmのA−1膜を成膜し、第1正孔輸送層を形成した。
次に、この第1正孔輸送層上に、下記化合物A−2を蒸着して膜厚10nmのA−2膜を成膜し、第2正孔輸送層を形成した。
さらに、このA−2膜上に膜厚25nmで下記ホストH−1と下記ドーパントD−1を24:1の膜厚比で共蒸着により成膜し、発光層とした。発光層上に膜厚35nmで上記合成例1にて合成した化合物(1)とリチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)を1:1の膜厚比で共蒸着により成膜し、電子輸送層とした。
この電子輸送層上に金属Alを80nm蒸着させ金属陰極を形成することにより、有機EL素子を形成した。
Figure 2015020987
以上のように作製した有機EL素子を、10mA/cmの直流電流により発光させ、発光効率を測定した。その結果、外部発光量子効率は5.50%であった。これにより、本実施例の化合物が有機EL素子に適用可能なことが判明した。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
1 有機EL素子
2 基板
3 陽極
4 陰極
5 発光層
6 正孔注入・輸送層
7 電子注入・輸送層
10 発光ユニット

Claims (21)

  1. 下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、
    Lは単結合又は連結基であり、
    Aは3環以上の縮環構造を有する基であり、
    nは1〜4の整数であり、mは1〜4の整数である。
    mが2以上の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。
    nが2以上の場合、複数のR〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
    隣接するR〜R同士が結合して環構造を形成してもよい。)
  2. 前記nが1である、請求項1に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
  3. 前記連結基が、単結合、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基、及び、置換もしくは無置換の芳香族複素環基から選択されるか、又は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基の少なくとも1つと、置換もしくは無置換の芳香族複素環基の少なくとも1つと、を連結した基である、請求項1又は2に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
  4. 前記Aが、下記式(2)で表される、請求項1〜3のいずれかに記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式(2)において、R11〜R20は、それぞれ独立に、単結合、水素原子、又は置換基を表し、少なくとも1つは単結合又は連結基Lを介して前記式(1)のベンズトリアゾール環の窒素原子と結合する。)
  5. 下記式(3)で表される化合物である、請求項4に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜R、R11〜R20及びLは、それぞれ独立に、前記式(1)及び式(2)と同様な基を表わす。式(3)の括弧内の基は、単結合又は連結基Lを介してベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
  6. 下記式(4)で表される化合物である、請求項5に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜R、R11〜R20及びLは、それぞれ独立に、前記式(1)及び式(2)と同様な基を表わす。)
  7. 前記R20が置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である請求項4〜6のいずれかに記載のベンゾトリアゾール誘導体。
  8. 前記Aが、下記式(5)で表される、請求項1〜3のいずれかに記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式(5)において、XはNR21、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を表し、R21は、単結合、水素原子又は置換基を表す。
    21〜A28は、それぞれ独立に、CR22又は窒素原子Nを表し、R22は単結合、水素原子又は置換基を表す。R22が複数ある場合、複数のR22は同一でも異なっていてもよく、隣接するR22同士が結合して環構造を形成してもよい。
    21〜A28及びXの少なくとも1つは単結合又は連結基を介して前記式(1)のベンズトリアゾール環の窒素原子と結合する。)
  9. 下記式(6)で表される化合物である、請求項8に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜R、A21〜A28、X、及びLは、それぞれ独立に、前記式(1)及び式(5)と同様な基を表わす。式(6)の括弧内の基は、単結合又は連結基Lを介してベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
  10. 下記式(7)で表される化合物である、請求項9に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜R、A21〜A28、及びLは、それぞれ独立に、前記式(6)と同様な基を表わす。)
  11. 下記式(8)で表される化合物である、請求項9に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜R、A21〜A28、X、及びLは、それぞれ独立に、前記式(6)と同様な基を表わす。A21〜A24のうち1つは、単結合によりL又はベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
  12. 下記式(9)で表される化合物である、請求項11に記載のベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 2015020987
    (式中、R〜R、A21〜A28、X、及びLは、それぞれ独立に、前記式(8)と同様な基を表わす。A23は単結合によりL又はベンズトリアゾール環の窒素原子と結合している。)
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のベンズトリアゾール誘導体を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  14. 陰極と陽極との間に発光層を含む1以上の有機薄膜層を有し、前記有機薄膜層の少なくとも1層が、請求項1〜13のいずれかに記載のベンゾトリアゾール誘導体を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記発光層が前記ベンゾトリアゾール誘導体を含有する請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記陽極と前記発光層との間に、さらに陽極側有機薄膜層を有し、該陽極側有機薄膜層が前記ベンゾトリアゾール誘導体を含有する請求項14又は15に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記陰極と前記発光層との間に、さらに陰極側有機薄膜層を有し、該陰極側有機薄膜層が前記ベンゾトリアゾール誘導体を含有する請求項14〜16のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記発光層が蛍光発光材料を含有する請求項14〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記発光層が燐光発光材料を含有する請求項14〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記燐光発光材料が、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)及び白金(Pt)から選択される金属原子のオルトメタル化錯体である請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 請求項14〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
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