JP2015020923A - ガラス板及びガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板の表面特性を改善することができるガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】当該方法は、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、オーバーフローダウンドロー法を用いて、前記熔融ガラスを成形してガラスリボンを形成する成形工程と、前記ガラスリボンを冷却する徐冷工程と、を含み、少なくとも前記成形工程では、成形炉内の雰囲気を制御することで、前記ガラスリボン表面の組成をガラスリボン内部の組成から変化させる表面特性改善処理を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、表面の特性が改善されたガラス板及び表面特性が改善されたガラス板の製造方法に関する。
例えば、オーバーフローダウンドロー法を用いたガラス板の製造方法では、成形工程において、熔融ガラスは、成形炉内に配された成形体上部からオーバーフローし、成形体の両側に分かれ、それぞれ成形体表面を伝って下方に流れ、成形体の下端で合流することによりガラスリボンが成形される。そして、成形されたガラスリボンが成形体の下方に配された冷却ローラ対によってその幅方向両端が狭持されながら下方向に引き込まれることで、ガラスリボンは、所望の厚みに引き延ばされ、その後徐冷され、所定のサイズに切断加工され、ガラス板となる。
ところで、化学強化用ガラス板や、例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイや携帯電話等のディスプレイとして用いられるフラットパネルディスプレイ用のガラス板は、それぞれの用途に必要なガラスのバルク特性(例えば、ヤング率、耐熱性、膨張係数 等)を有しているが、好ましい表面特性(例えば、屈折率、表面電気抵抗、膜・接着剤との密着性等)との両立が困難な場合がある。
特に、前記フラットパネルディスプレイ用ガラス板は、フラットパネルディスプレイの製造工程において、ガラス表面にTFT(Thin Film Transistor)等を形成するために、複数の半導体製造装置の反応容器内のサセプタ上に置かれて成膜処理される。その際、ガラス基板に複数の異なる薄膜を形成するため、成膜処理は、半導体製造装置を替えながら複数回行われ、成膜処理が行われる度に、ガラス基板はサセプタから取り外される。このとき、サセプタのガラス基板を載置する金属表面とガラス基板との間で摩擦による静電気、すなわち剥離帯電が発生し、ガラス基板に静電荷が蓄積される。このため、複数回の成膜処理工程後のガラス基板は大きな静電荷を蓄積することになる。特に、液晶表示装置に用いられる無アルカリガラスからなるガラス基板は帯電し易く、静電気が除去され難い。このような剥離帯電が重なると、ガラス基板は、サセプタ等の金属表面に静電力により張り付き易くなり、ガラス基板をサセプタから取り外す際に過度な力を与えてガラス基板を破損させる場合がある。
また、剥離帯電によって生じ蓄積された静電荷による大きな電圧は、ガラス表面に形成されたTFT素子を破壊する場合もある。
このような状況下、フラットパネルディスプレイの製造プロセス中での帯電を引き起こしにくいガラス基板およびその製造方法が提案されている。
(特許文献1)
電極線や各種デバイスが形成される第一の表面と、これらが形成されない第二の表面とを有するガラス基板において、少なくとも第二の表面の表面粗さRaが0.3nm以上10nm以下であることを特徴とするガラス基板であり、当該ガラス基板の第二の表面は、物理的研磨又は化学処理された面である。
(特許文献2)
一方の面の下記方法で求めた平均表面粗さが、0.8〜2.0nmである、ディスプレイ用ガラス基板であり、当該ガラス基板は、圧縮空気とともに、液体および研磨砥粒を含むスラリーをノズルからガラス基板の一方の面に吹き付けて粗面化処理することで製造されている。
(特許文献3)
半導体素子が形成されるフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の製造方法であって、半導体素子が形成されるガラス基板の半導体素子形成面と反対側のガラス表面を洗浄処理する工程と、洗浄された前記ガラス表面にエッチング処理をする工程と、を有し、前記エッチング処理された前記ガラス表面のRa(原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の算術平均粗さ)が0.3(nm)以上1.0(nm)以下であって、Rz−Rzjis(Rzjisは原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の10点平均粗さであり、Rzは原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の最大高さである)が0.2(nm)以下になるように、前記ガラス表面の前記洗浄処理および前記エッチング処理が行われる、ことを特徴とするガラス基板の製造方法であり、特に、前記ガラス基板の洗浄処理方法は、大気圧プラズマ洗浄である。
特開2005−255478号 特開2008−120638号 特開2012−171831号
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、表面の特性を改善したガラス板およびガラス板の表面の特性を改善することができるガラス板の製造方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、ガラス板の表面の特性を改善したフラットパネルディスプレイ用ガラス板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るガラス板の製造方法は、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
オーバーフローダウンドロー法を用いて、前記熔融ガラスを成形してガラスリボンを形成する成形工程と、
前記ガラスリボンを冷却する徐冷工程と、を含み
前記成形工程では、成形炉内の雰囲気を制御することで、少なくとも前記ガラスリボン表面の組成をガラスリボン内部の組成から変化させる表面改質処理を行う、ことを特徴とする。
さらに、本発明の他の一態様に係るガラス板の製造方法は、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
前記熔融ガラスを成形してガラスリボンを形成する成形工程と、
前記ガラスリボンを冷却する徐冷工程と、を含み、
前記成形工程では、成形炉内雰囲気を制御することで、少なくとも前記ガラスリボン表面の組成をガラスリボン内部の組成から変化させる表面改質処理を行う、ことを特徴とする。
さらに、本発明の他の一態様に係るフラットパネルディスプレイ用ガラス板は、ガラス板の表面部の特性改善成分の含有率が、前記ガラス板の厚さ方向の中心部の前記特性改善成分の含有率よりも高いもしくは低い、ことを特徴とする。
上述の製造方法によれは、成形工程において特性改善処理が施されることで、少なくともガラス板の表面部の特性改善成分の含有率が、前記ガラス板の厚さ方向の中心部の前記特性改善成分の含有率よりも高くするもしくは低くすることができ、表面特性を改善することができる。
本実施形態のガラス板の製造方法のフローの一例を示す図である。 本実施形態の熔解工程〜切断工程を行う装置を模式的に示す図である。 本実施形態の成形工程及び徐冷工程を行う成形装置の構成を主に示す図である。 図3の成形装置の成形体をより詳細に示す図である。 図3の成形装置をより詳細に示す図である。 本実施形態の変形例1で用いられる成形装置をより詳細に示す図である。 本実施形態の変形例1で用いられる成形装置をより詳細に示す図である。 本実施形態のガラス板を示す図である。
以下、本実施形態のガラス板の製造方法について説明する。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
図1は、ガラス板の製造方法の工程図である。
このガラス板の製造方法では、無アルカリガラス、アルカリ微量ガラス、アルカリガラスのいずれを用いてガラス板を製造してもよい。なお、本明細書では、無アルカリガラスは、アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスであり、アルカリ金属酸化物の含有量が0.05質量%未満のガラスを示すものとする。また、アルカリ微量ガラスとは、アルカリ金属酸化物の含有量が0.05〜2質量%のガラスを示すものとする。さらに、アルカリガラスとは、アルカリ金属酸化物の含有量が2質量%を超えるガラスを示すものとする。
ガラス板の製造方法は、フラットパネルディスプレイ用のガラス板の製造方法であって、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、端面の研削・研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で箱詰めもしくは積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
図2は、熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行う装置を模式的に示す図である。当該装置は、図3に示すように、主に熔解装置200と、成形装置300と、切断装置400と、を有する。熔解装置200は、熔解槽201と、清澄槽202と、攪拌槽203と、第1配管204と、第2配管205と、を有する。成形装置300については後述する。熔解槽201、清澄槽202、攪拌槽203、第1配管204は、後述する炉30の外側に設置され、第2配管205は攪拌槽203から炉内部空間内に延びて設置されている。熔熔解槽201と清澄槽202との間のガラス供給管以降第2配管205まで、白金又は白金合金により構成されている。
熔解工程(ST1)では、熔解槽201内に供給されたガラス原料を、図示されない火焔および電極を用いた直接通電で加熱して熔解することで熔融ガラスを得る。
清澄工程(ST2)は、清澄槽202において行われ、清澄槽202内の熔融ガラスを加熱することにより、熔融ガラス中に含まれる気泡が、清澄剤の酸化反応で生じた酸素を吸収することにより成長し液面に浮上して放出される。その後、熔融ガラスを冷却する過程で清澄剤の還元反応により気泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に吸収されて、気泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、第1配管204を通って供給された攪拌槽203内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。
供給工程(ST4)では、第2配管205を通して熔融ガラスが成形装置300に供給される。
成形装置300では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをガラスリボンG(図4参照)に成形し、ガラスリボンGの流れを作る。本実施形態では、後述する成形体310を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、所望の厚さに成形されて流れるガラスリボンGが切断可能となるように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置400において、成形装置300から供給されたガラスリボンGを所定の長さに切断することで、板状のガラス板G1(図4参照)を得る。
切断されたガラス板G1はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス板G1が作製される。この後、ガラス端面の研削、研磨、さらにはガラス板の洗浄が行われ、さらに、気泡や脈理、失透等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス板G1が最終製品として梱包される。なお、本発明のガラス板の製造方法は、切断工程を有していなくてもよく、例えば、切断工程に代えて、成形装置300から供給されたガラスリボンGを長尺のまま巻き取る工程を有していてもよい。
(成形工程及び徐冷工程の説明)
図4は、成形工程、徐冷工程および切断工程を行う建物Bの構成を主に示す図である。 建物Bには、炉30(成形炉40と徐冷炉50)および切断装置400から設置されている。
成形工程(ST5)を行う成形炉40および徐冷工程(ST6)を行う徐冷炉50は、耐火物で構成された炉壁に囲まれて構成されている。成形炉40は、徐冷炉50に対して鉛直上方に設けられている。なお、成形炉40および徐冷炉50をあわせて炉30という。成形炉40の炉壁で囲まれた成形炉内部空間に、成形装置300が設置されており、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、搬送ローラ350a〜350cと、が設けられている。
成形体310は、図3に示す第2配管205を通して熔解装置200から流れてくる熔融ガラスをガラスリボンGに成形する。これにより、成形装置300内で、鉛直下方のガラスリボンGの流れが作られる。成形体310は、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように断面が楔形状を成している。成形体310の上部には、熔融ガラスを導く流路となる供給溝312が設けられている。供給溝312は、成形装置300に設けられた供給口において第2配管205と接続され、第2配管205を通して流れてくる熔融ガラスは、供給溝312を伝って流れる。供給溝312の深さは、熔融ガラスの流れの下流ほど浅くなっており、溝312から熔融ガラスが鉛直下方に向かって溢れ出るようになっている。
供給溝312から溢れ出た熔融ガラスは、成形体310の両側の側壁の垂直壁面および傾斜壁面を伝わって流下する。側壁を流れた熔融ガラスは、図4に示す成形体310の下方端部313で合流し、1つのガラスリボンGが成形される。ここで、本実施形態において、熔融ガラスとは、熔融されたガラスのうち成形体310の下方端部313で合流するよりも上流側のガラスをいい、ガラスリボンGとは、成形体310の下方端部313で合流した後の帯状のガラスをいう。
ここで、図5を参照して、成形体310に基いてより詳細に説明する。図5は、成形体310をより詳細に示す図である。
成形工程で用いる成形体310は、本体部314と、一対のガイド板316と、を主に有する。本体部314は、耐火レンガで構成されている。一対のガイド板316は、白金または白金合金により構成された板部材であり、本体部314の両側の端部に設けられて、熔融ガラスのガイド部として機能する。ガイド部とは、ガイド板316の縁部分であって、垂直壁面313a及び傾斜壁面313bから突出した部分であり、壁面を伝って流れる熔融ガラスの位置と幅を規制する部分をいう。ガイド板316のそれぞれは、ガイド部の高さ分、本体部314の形状に比べて面積が大きい形状を成している。一対のガイド板316のうち、第2配管205と接続される側のガイド板316には、本体部314の供給溝312に熔融ガラスを供給するための切り欠き部が設けられている。
成形装置300は、成形体310の上部に設けられた供給溝312に第2配管205を介して熔融ガラスを供給することにより、供給溝312の上部から熔融ガラスを溢れ出させる。そのとき、成形体310の壁面から突出した一対のガイド部が熔融ガラスの流れの幅を規制しつつ、成形体310の下部の両側それぞれの側壁の壁面に沿って熔融ガラスを流下させる。成形装置300は、流下する熔融ガラスを、成形体310の最下端部313に導き、最下端部313において両側の壁面のそれぞれを流れる熔融ガラスを合流させることにより、ガラスリボンGを成形する。成形されたガラスリボンGは、冷却ローラ330によって下方に引っ張られる。
成形体310の下方端部313の下方近傍には、雰囲気仕切り部材320が設けられている。雰囲気仕切り部材320は、一対の板状の断熱部材であって、ガラスリボンGを厚さ方向の両側から挟むように構成されている。すなわち、雰囲気仕切り部材320には、ガラスリボンGと接触しない程度に隙間があけられている。雰囲気仕切り部材320は、成形炉内部空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材320の上方の炉内部空間と下方の炉内部空間との間の熱の移動を遮断する。本実施形態において、後述する特性改善成分による特性改善処理が主に行われるのは、主として成形炉40内のうち、上記雰囲気仕切り部材320の上方の炉内部空間である。
雰囲気仕切り部材320の下方には冷却ローラ330が設けられている。冷却ローラ330は、ガラスリボンGの幅方向の両端近傍のガラスリボンG表面と接触して、ガラスリボンGを下方に引き下げて所望の厚さにガラスリボンGをするとともに、ガラスリボンGを冷却する。なお、冷却ローラ330は、他の実施形態では、雰囲気仕切り部材320の上方に設けられてもよい。
冷却ローラ330の下方には、搬送ローラ350a〜350cが所定の間隔で設けられ、ガラスリボンGを下方向にけん引する。冷却ローラ330を含む下方の空間は、徐冷炉50の炉内部空間となっている。搬送ローラ350a〜350cのそれぞれは、ローラ対を有し、ガラスリボンGの両側を挟むようにガラスリボンGの幅方向の両側端部に設けられている。
このように、成形装置300は、成形体310を通って流下した熔融ガラスからガラスリボンGを成形する。その際、成形したガラスリボンGは重力に従って成形体310の壁面を鉛直下方に落下する流れから、下方に位置する冷却ローラ330および搬送ローラ350a〜350cを用いて下方に強制的に引かれる流れに変化する。
成形炉40の炉壁の外側には、大気圧雰囲気に対して建物Bの隔壁で区切られた空間、すなわち炉外部空間S1,S2,S3a〜S3cが設けられている。これらの空間のそれぞれは、高さ方向に関して、床面411,412,413a〜413cによって区切られている。すなわち、成形装置300は、複数のフロアを有する建物Bに設けられ、床面によって複数に区切られた炉外部空間(部分空間)S1,S2,S3a〜S3cが各フロアに設けられている。さらに、炉外部空間S3cの下方には、フロア414上に壁で区切られた空間S4(切断空間)が設けられている。空間S4には、炉壁は設けられない。
成形炉40には、図示されない複数のヒータが配されている。成形炉40内の雰囲気温度は、ヒータとこれに接続された図示されない制御装置により、成形工程の間、例えば1000〜1300℃の範囲内に保たれるよう制御される。
(特性改善処理)
成形炉40には、成形炉40内雰囲気の特性改善成分濃度(分圧)を調整するための特性改善成分供給装置が設けられている。特性改善成分供給装置としては、特性改善成分供給容器517(図6参照)が挙げられる。特性改善成分供給容器517は、耐火物、白金または白金合金で構成された容器であり、成形炉40内での温度で固体もしくは液体の特性改善成分を収容できる。特性改善成分供給容器517は、成形炉40内の雰囲気仕切り部材320上の一箇所もしくは複数箇所に載置することができる。
各特性改善成分供給容器517に収容される特性改善成分の合計量は、成形装置300の運転中、成形炉40内、特に雰囲気仕切り部材320の上方の炉内部空間において、熔融ガラス表面及びガラスリボンG表面のうち少なくとも熔融ガラス表面への特性改善成分の導入量を十分に確保できるだけの量である。熔融ガラス表面及びガラスリボンG表面のうち少なくとも熔融ガラス表面への特性改善成分の導入量を十分に確保できるだけの量は、例えば、最終製品であるガラス板をX線光電子分光装置で測定した結果から決定することができる。例えば、最終製品であるガラス板をX線光電子分光装置で測定した結果、ガラス板表面の特性改善成分の濃度が特性改善に必要な濃度よりも小さくなっていた場合、成形炉40内の特性改善成分濃度(分圧)が十分ではないので、特性改善成分の特性改善成分供給容器517に収容される合計量を、成形装置300の運転が終了した後に、あるいは成形装置300の運転中に、図示しない供給装置を用いて特性改善成分供給容器517に増加させる。
本実施形態では、成形装置300の運転開始前に、予め炉外部空間S2内のヒータにより、炉内温度が、運転中の成形炉40内温度と同程度となるよう保たれる。これにより、特性改善成分供給容器517内の特性改善成分を、ガスの状態(有効な分圧)で成形炉40内に満たすことができる。そして、成形装置300の運転中も、絶えず特性改善成分供給容器517から特性改善成分ガスが成形炉40内に満たされ、熔融ガラス表面から特性改善成分が導入されやすい雰囲気が保たれる。
なお、成形、徐冷後のガラス板の表面組成をX線光電子分光装置等で定期的に測定し、ガラス板表面での特性改善成分の導入量の低下が確認された場合、特性改善成分供給容器517内の特性改善成分が消費されてしまい、成形炉30内の特性改善成分濃度(分圧)が低下したと判断し、特性改善成分供給容器517に特性改善成分を供給するようにしてもよい。
本実施形態において特性改善成分としては、一価の金属成分(例えば、Li、Na、K)、二価の金属成分(例えば、Ma、Ca、Sr、Ba、Zn)、B等が挙げられる。なお、前記成分は、単体もしくは種々の化合物として成形炉内に導入され、単体、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物等として成形炉内雰囲気に存在する。 また、複数の成分を共用することで表面改善処理が促進される場合がある。例えば、酸化ホウ素(B)とアルカリ金属酸化物(Li、Na、K)が共存すると、気化が促進されるため、共用することが好ましい。
このような特性改善処理によれば、熔成形炉40内雰囲気と接触する溶融ガラス表面へ、特性改善成分が導入されることで、ガラス板の表面特性を改善することができる。
(変形例1)
変形例1の成形工程で用いられる成形装置は、成形炉40の外側に、液体の特性改善成分を気体化して成形炉40内に送り込むための特性改善成分供給装置419(図7参照)が設けられている。特性改善成分供給装置419の構成は特に限定されないが、液体の特性改善成分(例えば、水)が収容され、かつ前記液体の特性改善成分を加熱して気体状の特性改善成分を生成させる気化装置419aを有するとともに、先端が成形炉40内に延びる配管420に接続されていてもよい。特性改善成分供給装置419は、配管420途中に設けられた弁420aが開閉することにより、特性改善成分含有ガスの供給量が調節されてもよい。弁420aは、図示されない制御装置に接続さている。また、配管420では、気化装置419aからの移送される気体状特性改善成分の温度制御することが好ましく、成形炉40内部の温度と同等の温度に加熱することが望ましい。
このような特性改善処理によれば、熔成形炉40内雰囲気と接触する溶融ガラス表面へ、特性改善成分が導入されることおよび/またはガラス成分の一部が熔融ガラス表面から選択的にガラス外部に移動することで、ガラス板の表面特性を改善することができる。
(変形例2)
変形例2の成形工程で用いられる成形装置は、成形炉40の外側に、気体の特性改善成分を成形炉40内に送り込むための特性改善成分供給装置430(図8参照)が設けられている。特性改善成分供給装置430の構成は特に限定されないが、気体の特性改善成分(例えば、SOガス)および移送ガス供給装置(例えば、ボンベ)が収容され、かつ前記気体の特性改善成分の濃度を制御する濃度制御装置430aを有するとともに、先端が成形炉40内に延びる配管420に接続されていてもよい。特性改善成分供給装置430は、配管420途中に設けられた弁420aが開閉することにより、特性改善成分含有ガスの供給量が調節されてもよい。弁420aは、図示されない制御装置に接続さている。また、配管420では、気化装置430aからの移送される気体状特性改善成分の温度制御することが好ましく、成形炉40内部の温度と同等の温度に加熱することが望ましい。
このような特性改善処理によれば、熔成形炉40内雰囲気と接触する溶融ガラス表面へ、特性改善成分が導入されることおよび/またはガラス成分の一部が熔融ガラス表面から選択的にガラス外部に移動することで、ガラス板の表面特性を改善することができる
なお、前記特性改善処理、変形例1および2において必須ではないが、特性改善成分分圧センサ418(図4に示す)を設けてもよい。分圧センサ418は、炉内部空間の特性改善成分濃度(分圧)を直接計測するものに制限されず、他の雰囲気成分の測定値を代用するものであってもよい。特性改善成分分圧センサ418は、成形炉40内に設けられている。なお、特性改善成分分圧センサ418は、成形炉40内に常設されている必要はなく、炉内部空間の特性改善成分分圧の測定時に挿入されてもよい。あるいは、炉内部空間の特性改善成分分圧は、特性改善成分分圧センサ418を用いる代わりに、炉内部空間の雰囲気から所定量の気体を取り出し、その気体中に含まれる特性改善成分量を測定することで計測することもできる。
このとき供給される特性改善成分の量は、例えば、成形炉40内の特性改善成分濃度(分圧)が、特性改善成分ガスが供給されていない成形装置300運転時における特性改善成分濃度(分圧)の値より高くなる量である。
このとき成形炉40内に供給される気体状特性改善成分の温度は、成形炉40内部の温度と同等の温度となるよう加熱されていることが好ましい。これにより、成形時に、熔融ガラス及びガラスリボンGのうち少なくとも熔融ガラスに特性改善成分含有ガスが接触して冷却されてしまうのを防ぎ、ガラス板において板厚偏差が生じるのを回避することができる。より詳細には、熔融ガラス及びガラスリボンGのうち少なくとも熔融ガラスに特性改善成分含有ガスが接触した領域のみ冷却され、粘度が高くなってしまうことを抑制できるので、冷却ローラ330によってガラスリボンGが引き伸ばされる際に、粘度が高くなった領域のみ十分に引き伸ばすことができず、板厚が厚くなってしまうということを回避することができる。
また、成形炉40内において特性改善成分濃度(分圧)を高くするように制御することにより、成形炉40内の気圧も高くなり、ガラスリボンGに沿って発生する上昇気流が成形炉40内に進入することも抑制することができる。これにより、上記上昇気流が成形炉40内に存在する熔融ガラス及び/又はガラスリボンGと接触することを抑制できるので、成形炉40内に存在する熔融ガラス及び/又はガラスリボンGのうち、上記上昇気流と接触する領域の温度が局部的に低下してしまうことを抑制できる。このように、上昇気流が接触した領域のみ冷却され、粘度が高くなってしまうことを抑制できるので、冷却ローラ330によってガラスリボンGが引き伸ばされる際に、粘度が高くなった領域のみ十分に引き伸ばすことができず、板厚が厚くなってしまうということを回避することができる。
(ガラス板)
次に、本実施形態のガラス板について説明する。
本実施形態に用いるガラスの種類は、ボロシリケイトガラス、アルミノシリケイトガラス、アルミノボロシリケイトガラス、ソーダライムガラス、アルカリシリケイトガラス、アルカリアルミノシリケイトガラス等が挙げられる。
なお、As、Sb2O、PbOおよびFは、環境負荷が大きい物質であり、実質 的に含まないことが好ましい。
本実施形態のガラス板は、組成比は限定されないが、フラットパネルディスプレイ用ガラス板の一例として、以下のような組成比のガラス板を挙げることができる。
SiO 50〜75質量%、
Al 3〜30質量%、
0〜18質量%、
MgO 0〜15質量%、
CaO 0〜20質量%、
SrO 0〜20質量%、
BaO 0〜10質量%、
SnO 0〜0.5質量%、
が含有されるガラス板。
さらにフラットパネルディスプレイ用ガラス板の他の一例として、以下のような組成比のガラス板を挙げることができる。
SiO 50〜70質量%、
Al 10〜25質量%、
1〜18質量%、
MgO 0〜10質量%、
CaO 0〜20質量%、
SrO 0〜20質量%、
BaO 0〜10質量%、
アルカリ土類金属 5〜20質量%、
が含有されるガラス板。
なお、アルカリ土類金属酸化物は、MgO、CaO、SrO、BaOが含まれてよく、これら合計の濃度を指す。
さらにカバーガラスの一例として、以下のような組成比のガラス板を挙げることができる。
SiO 50〜70質量%、
Al 5〜20質量%、
0〜5質量%、
NaO 6〜30質量%、
LiO 0〜8質量%未満
O 0〜10質量%、
MgO 0〜10質量%、
CaO 0〜20質量%、
ZrO 0〜10質量%、
が含有されるガラス板。
これら3種のガラス板は、いずれも、より好ましくは、As、Sbは実質的に含有しない。さらに、BaOも環境負荷の大きな物質であるため、ガラス板は実質的に含有しないことが好ましい。また、これら2種のガラス板をTFTが形成されるフラットパネルディスプレイ用ガラス板に適用する場合は、アルカリ金属酸化物は実質的に含有しないことが好ましい。また、アルカリ金属酸化物は、熔解性を高める観点から、0.01〜0.4%含有されてよい。本明細書において、%表示は、いずれも質量%を表す。なお、KOは、ガラス板から溶出してTFT特性を劣化させるおそれがあるが、LiOやNaOと比較して、分子量が大きいため、ガラス板から溶出しにくい。このことから、アルカリ金属酸化物を含有させる場合には、KOを含有させることが好ましい。また、液晶ディスプレイ用ガラス板
や有機ELディスプレイ用ガラス板は、薄膜トランジスタ(TFT)の特性劣化を防止する観点から、LiO、NaOは実質的に含有されない。また、いずれのガラス板も、より好ましくは、Feは0.005〜0.5%(より好ましくは、0.01〜0.1質量%)含有されている。
他方、カバーガラスなどの化学強化用ガラス板やプラズマディスプレイ用ガラス板などは、アルカリ金属が必須となる。
なお、ガラス板のガラス組成は、各成分濃度を測定することで確認できる。各成分濃度は、例えば、X線光電子分光装置を用いて公知の方法により測定できる。
ガラス板は、失透温度が1270℃以下、好ましくは1250℃以下、より好ましくは1200℃以下、さらに好ましくは1150℃以下となるよう、ガラス組成が定められることが好ましい。このような温度範囲のガラス組成によれば、成形温度を下げることができる。例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス板は、各種特性を満たすため、失透温度が1100℃以上となるものが多い。
なお、失透温度としては、例えば、試料ガラスを粉砕して得たガラス粒を、温度勾配をもった炉内で一定時間保持し、その後、ガラス内部に発生した失透が観察された最高温度が用いられる。
また、ガラス板は、成形工程における熔融ガラスの液相粘度が104.5dPa・s以上、好ましくは104.9dPa・s以上で、かつ、失透温度が1250℃未満、好ましくは1200℃未満となるよう、ガラス組成が定められることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法を用い熔融ガラスの成形は、このような物性を有するガラス組成において実質的に可能となるからである。
なお、液相粘度は、高温粘性の測定結果を用いて、失透温度での粘性を算出することで得られる。高温粘性は、白金球引き上げ式自動粘度測定装置を用いて測定され、この測定結果より、粘度102.5dPa・sの時の温度(熔融温度)が算出されて得られる。
本実施形態のガラス板の厚さは、例えば0.1mm〜1.5mmである。好ましくは0.1〜1.2mm、より好ましくは0.2〜1.0mm、さらにより好ましくは0.3〜0.8mm、特に好ましくは0.3〜0.5mmである。
本実施形態のガラス板の幅方向の長さは、例えば500mm〜3500mmであり、1000mm〜3500mmであることが好ましく、2000mm〜3500mmであることがより好ましい。一方、ガラス板の縦方向の長さも、例えば500mm〜3500mmであり、1000mm〜3500mmであることが好ましく、2000mm〜3500mmであることがより好ましい。
本実施形態のガラス板の製造方法は、オーバーフローダウンドロー法のほか、スリットダウンドロー法等、他の製造方法にも適用できる。
(ガラス板の概略説明)
以下、図8を参照して、ガラス板について説明する。
図8は、本実施形態のガラス板10を示す図である。
本実施形態のガラス板10は、フラットパネルディスプレイ用のガラス板である。フラットパネルディスプレイには、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイが含まれる。液晶ディスプレイには、ガラス板の表面にアモルファスシリコン(α−Si)薄膜トランジスタ(TFT)、低温ポリシリコン(LTPS)TFT等、いずれのタイプのTFTを形成したディスプレイも含まれる。
本実施形態のガラス板10は、フラットパネルディスプレイ用ガラス板である。ガラス板10は、表面部10aの特性改善成分含有率が、厚さ方向の中心部10bの特性改善成分含有率よりも高い。表面部10cは、表面部10aと反対の方向(図8において紙面下方向)の領域であって、ガラス板表面に要求される特性によって、表面部10aと同等の厚さでもよく、また、ほとんど無くてもよい。
表面部10aおよび/または10cの厚さは、特に限定されず、少なくともガラス表面を含んでいればよい。表面部10aおよび/または10cの厚さは、ガラス板10の厚さの50万分の1〜5千分の1、好ましくは25万分の1〜2万5千分の1であり、例えば、1〜100nm、好ましくは2〜50nmである。中心部10bは、ガラス板10の厚さ方向中心を含む厚さ方向の領域である。中心部10bの厚さは、特に限定されず、少なくとも厚さ方向中心を含んでいればよい。本実施形態では、中心部は、表面部10aおよび/または10c以外のガラス板内部の部分をいう。
一般に、フラットパネルディスプレイ用ガラス板は、無アルカリもしくは微アルカリガラスであり、ガラス基板表面の電気抵抗が高い。このため、ディスプレイの製造工程において帯電、特に、剥離帯電が問題となっている。
剥離帯電とは、液晶ディスプレイ等の製造工程で用いる半導体形成装置において、薄膜形成やドライエッチング等のプロセス処理毎にサセプタ等の載置台に載せられて処理されたガラス板が載置台から取り外される時に生じる帯電をいう。この帯電が蓄積されて大きくなると、新たに載置台に載せて別のプロセス処理をしたとき、ガラス板が帯電により載置台に吸着されるので、ガラス板を載置台から取り外すことが難しくなり、最終的にガラス板を破損させるといった問題が生じる。
ガラス板の帯電を防止するために、本実施形態を用いてガラス表面に導電性成分を導入することが考えられる。例えば、特性改善成分として、H、一価の金属成分(例えば、Li、Na、K)をガラス表面に導入することが好ましい。この場合は、ガラス板裏面(TFTとの電気回路形成面の反対面)で電荷が発生するため、少なくとも主に裏面に対し、前記特性改善処理を実施することが好ましい。
(実験例)
従来のガラス製造装置(成形工程はオーバーフローダウンドロー法)を用いて、下記表1に示す組成および特性のアルミノシリケイトガラス、アルカリアルミシリケートのガラス板を製造した。本実施形態の効果を確認するために、特性改善成分供給装置419(図7参照)を用いて、特性改善成分である水(HO)を気化装置419aにて気化し、配管420にて成形炉40内に導入した。配管420途中に設けられた弁420aが開閉度を調整することにより、水蒸気の供給量を調節すると共に、配管420では水蒸気の温度を、成形炉40内部の温度と同等に加熱し、成形炉40内に導入した。
Figure 2015020923
表1に示す特性のうち、失透温度および液相粘度は上述した測定方法により測定し、その他の特性は下記要領で測定した。
(歪点)
試験片ガラスに対して、ビーム曲げ測定装置を用いて測定を行い、ビーム曲げ法に従い計算により求めた。
(平均熱膨張係数)
試料ガラスを、φ5mm、長さ20mmの円柱状に加工して、試験片とした。この試験片に対し、示差熱膨張計(Thermo Plus TMA8310)を用いて、昇温過程における温度と試験片の伸縮量との測定結果を基に100〜300℃の温度範囲における平均熱膨張系数として測定した。
(ヤング率)
ヤング率は、厚さ5mmのガラスを作成して、超音波パルス法により測定した。
(密度)
密度は、アルキメデス法によって測定される。
(比弾性率)
ヤング率で示される弾性率を密度で除して求めた。
得られたガラス板の特性改善処理の有無で比較すると、特性改善処理品は溶融ガラス表面へOH基が導入されたことで、ガラス板の表面特性の改善(例えば、表面抵抗値の低下)がみられた。

「帯電防止」
ガラス板の帯電性を評価した。帯電性の評価は、温度25℃および湿度60%に制御されたクリーンブース内で行った。
ガラス板の帯電性の評価は、テーブルとガラス板との剥離帯電により評価を行った。最初に、ガラス板をテーブルに載せて昇降ピンで支持し、次に、テーブルの載置面に対して昇降ピンを下降させ、ガラス板を下降させてテーブルに載置した。
テーブルの載置面に設けられた吸引口からガラス板を吸引し、その後、ガラス板の吸引を終了して、昇降ピンを上昇させた。
上述したガラス板の下降、吸引、吸引終了および上昇の工程を1サイクルとして、繰り返し実施した。その後、ガラス基板の帯電量を計測した。
なお、帯電量の計測は、ガラス中央部のガラス表面の電位を計測することで代用した。帯電量の計測は、表面電位計(オムロン社製ZJ−SD)を用いた。表面電位計は、ガラス板の粗面化面の反対側の面から高さ10mmの位置に設置した。
上記したガラス板の表面特性の改善により、表面抵抗値を小さくしたガラス板では、従来のガラス板に対して帯電量が少なく、表面特性の改善が確認された。
以上から明らかなように、成形時に表面特性改善処理を行うことにより、ガラス板の特性を改善することができた。
以上、本発明のガラス板及びガラス板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明は、フラットパネルディスプレイ用ガラス板だけでなく、携帯機器のディスプレイを保護するカバーガラス、携帯機器の筐体用ガラス板、磁気ディスク用ガラス板、太陽電池用ガラス板、理化学用ガラス物品、などにも適用することが可能である。
30 炉
40 成形炉
50 徐冷炉
200 熔解装置
201 熔解槽
202 清澄槽
203 攪拌槽
204 第1配管
205 第2配管
300 成形装置
310 成形体
311 供給口
312 溝
313 下方端部
316 ガイド板
320 雰囲気仕切り部材
330 冷却ローラ
350a〜350h 搬送ローラ
400 切断装置
411,412,413a,413b,413c,414 床面
418,421 表面特性改善成分分圧センサ
419 表面特性改善成分供給装置
419a 表面特性改善成分気化装置
420 配管
420a 弁
430 表面特性改善成分ガス供給装置
430a 表面特性改善成分濃度制御装置
517 表面特性改善成分供給装置
S1,S2,S3a〜S3c 炉外部空間
G ガラスリボン
G1 ガラス板

Claims (6)

  1. ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    オーバーフローダウンドロー法を用いて、前記熔融ガラスを成形してガラスリボンを形成する成形工程と、
    前記ガラスリボンを冷却する徐冷工程と、を含み、
    少なくとも前記成形工程では、成形炉内の雰囲気を制御することで、前記ガラスリボン表面の組成をガラスリボン内部の組成から変化させる表面特性改善処理を行う、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記表面特性改善処理では、前記成形炉内雰囲気中の表面特性改善成分の分圧が制御される、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記表面特性改善処理では、前記成形炉内雰囲気の表面特性改善成分である、H(OH)、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Bの少なくともいずれか1つの成分をガラスリボン表面に導入する、請求項1又は2に記載のガラスの製造方法。
  4. 前記ガラス板は、アルカリ金属酸化物を0〜2質量%含有する、請求項1から3のいずれかに記載のガラス板の製造方法。
  5. ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    前記熔融ガラスを成形してガラスリボンを形成する成形工程と、
    前記ガラスリボンを冷却する徐冷工程と、を含み、
    少なくとも前記成形工程では、成形炉内の雰囲気を制御することで、前記ガラスリボン表面の組成をガラスリボン内部の組成から変化させる表面特性改善処理を行う、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  6. ガラス板の表面部の表面特性改善成分の含有率が、前記ガラス板の厚さ方向の中心部の表面特性改善含有率よりも高い、ことを特徴とするガラス板。
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