まず、本実施例に係るICカードチャージ装置10におけるチャージ処理の概要を説明する。図1は、本実施例に係るICカードチャージ装置10におけるチャージ処理の概要を説明するための説明図である。図1は、破線の左側が利用者によるICカードチャージ装置10に対する操作を示し、破線の右側は利用者の操作によって行われるICカードチャージ装置10の処理内容や画面に表示される内容を表している。
ICカードチャージ装置10が待機中でメニューを表示している状態で、現金チャージを行うことを示すボタンが操作されると、ICカードチャージ装置10は、チャージ対象の非接触式ICカードを読ませることをガイドするメッセージを画面に表示する。利用者が該ガイドのメッセージに応じて非接触式ICカードをセット(1)すると、ICカードチャージ装置10は、セットされた非接触式ICカードから読み取ったデータを記憶して、チャージする現金の挿入をガイドするメッセージを画面に表示する。
利用者が画面に表示されたメッセージに応じて現金を挿入すると、ICカードチャージ装置10は、図1に示すチャージ確認画面を表示する。チャージ確認画面には、挿入された現金を挿入した合計金額と、挿入済みの現金の返却を指示するための「返却」ボタンと、挿入済みの現金のチャージを指示するための「チャージ」ボタンと、チャージする場合には「チャージ」ボタンを押下して、チャージ処理をキャンセルする場合には「返却」ボタンを押下する旨のメッセージとが表示される。
チャージ確認画面が表示されている状態で、「チャージ」ボタンが押下されると、ICカードチャージ装置10は、カードがセットされていない場合にはカードセットをガイドするメッセージを画面に表示する。利用者が(1)でセットしたカードと同じカードをセット(2)したならば、ICカードチャージ装置10は、挿入済みの現金を装置内に収納して、収納した現金に応じた額を(2)でセットした非接触式ICカードの残高に加算する。
また、チャージ確認画面が表示されている状態で、「返却」ボタンが押下されると、ICカードチャージ装置10は、カードがセットされていない場合にはカードセットをガイドするメッセージを画面に表示する。利用者が(1)でセットしたカードと同じカードをセット(2)したならば、ICカードチャージ装置10は、挿入済みの現金を返却口に搬送する。
また、チャージ確認画面が表示されている状態で、所定時間内に「チャージ」ボタンも「返却」ボタンも押下されなかった場合、若しくは「チャージ」ボタン若しくは「返却」ボタンが押下されて、所定時間内に(1)でセットしたカードと同じカードがセットされなかった場合、若しくは「チャージ」ボタン若しくは「返却」ボタンが押下されて、(1)と異なる非接触式ICカードがセットされた場合には、挿入済みの現金を装置内に収納して、収納した現金を挿入した利用者の非接触式ICカードの識別情報と収納した現金の合計金額とを未済データとして記録する。
利用者が、ICカードチャージ装置10の操作において、現金を挿入した時点や、「チャージ」ボタンを押下した時点でチャージ処理が完了するものと思い込んで、現金を挿入してから「チャージ」ボタンの押下やチャージ対象の非接触式ICカードのセット操作を行わずに立ち去った場合には、挿入された現金が収納されていない状態(保留状態)で装置に残っていることとなる。該保留状態で他の利用者が「返却」ボタンの操作で現金を取り出すことができたり、「チャージ」ボタンの押下と他の利用者の非接触式ICカードのセットで他の利用者の非接触式ICカードにチャージが出来てしまうことを避けるために、ICカードチャージ装置10は、チャージ操作時だけではなく返却操作時にも(1)でセットしたのと同じ非接触式ICカードがセットされることをもって現金を挿入した利用者であることの確認を行っている。
また、チャージが行われていなかったことを利用者が申し出た場合には、当該利用者の非接触式ICカードの識別情報で未済データを検索することによって、上記の操作誤りによるチャージが行われなかった実績の有無を判定することができる。また、非接触式ICカードの識別情報に対応する未済データがあったならば、該未済データに記録された金額を係員に通知することによって、係員は通知された金額を利用者に返金することによって対処を完了することができる。
このように、現金の挿入の前に非接触式ICカードを読み取って、挿入済みの現金をチャージする場合若しくは挿入済みの現金を返却する場合には、現金挿入の前に読み取った非接触式ICカードがセットされない限りチャージ処理も返却処理も行わないようにした。また、現金挿入の前に読み取った非接触式ICカードがセットされなかった場合には挿入済みの現金は装置内に収納し、収納した金額と現金挿入前に読み取った非接触式ICカードの識別情報を未済データとして記録するようにした。利用者からのチャージ実績に係る問い合わせに対しては未済データを照会することによって、当該利用者に対応する未済データが存在した場合には利用者に返金する金額を通知するようにしたので、現金の受付が行われたにもかかわらず、電子マネーの記憶媒体との通信が行えなかったことによって正常にチャージ処理が行われなかった場合の、受け付けた現金を適切に管理することができる。
次に、ICカードチャージ装置10の外観構成を説明する。図2は、ICカードチャージ装置10の外観構成を示す図である。図2に示すように、ICカードチャージ装置10は外観構成上、表示操作部11、音声出力部12、カードリーダライタ13、レシート発行口14a及び紙幣挿入口兼返却口15aを有している。
表示操作部11は、画面の表示と画面上に表示されたボタン等の操作によって入力操作を受け付けるタッチパネルディスプレイ等の入出力部である。音声出力部12は、音声による操作のガイドや注意メッセージなどを出力する出力部である。
カードリーダライタ13は、非接触式ICカードに記憶されている内容を読み込んだり、非接触式ICカードにデータを書き込んだりする入出力部である。該カードリーダライタ13は、非接触式ICカードを装置内に挿入する形式のものではなく、該カードリーダライタ13の上に非接触式ICカードを置くか近づけることによってデータの読み書きが行える。本実施例では、説明の便宜上電子マネーの記憶媒体を非接触式ICカードとして説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、非接触式ICチップを内蔵した携帯電話機などのようにカードの形態以外のものであってもよい。
レシート発行口14aは、ICカードチャージ装置10の機内に配置される図示しないレシートプリンタ14によって印字されるレシート類を装置外へ排出する口である。レシートプリンタ14は、チャージ実施時のレシートや後述する未済レシートなどを発行する出力部である。紙幣挿入口兼返却口15aは、非接触式ICカードへのチャージ実施時にチャージする現金を挿入する口である。また、一旦、紙幣挿入口兼返却口15aから現金を挿入して計数された後に、現金の返却を指示する操作がされた場合には、挿入された現金は紙幣挿入口兼返却口15aに排出される。
次に、ICカードチャージ装置10の本実施例に係る内部構成を説明する。図3は、ICカードチャージ装置10の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。ICカードチャージ装置10は、表示操作部11、音声出力部12、カードリーダライタ13、レシートプリンタ14、紙幣入金部15、記憶部16及び制御部17を有する。
紙幣入金部15は、紙幣挿入口兼返却口15a、一時保留部15b及び収納部15cを含み、紙幣挿入口兼返却口15aから挿入された現金の真贋判定、現金の種類の判定及び種類毎の枚数の判定を行って、真券と判定した場合には一時保留部15bに搬送し、真券とは判定されなかった場合には紙幣挿入口兼返却口15aに排出する。また、紙幣入金部15は、制御部17からの収納の指示によって、一時保留部15bにある紙幣を収納部15cに搬送する。また、紙幣入金部15は、制御部17からの返却の指示によって、一時保留部15bにある紙幣を紙幣挿入口兼返却口15aに排出する。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、処理中カードデータ16a、紙幣入金データ16b、未済データ16c、未了データ16d及び全取引履歴データ16eを有する。
処理中カードデータ16aは、カードリーダライタ13にセットされた処理中の非接触式ICカードから取得したカード番号、残額及び直前の取引データを有するデータである。紙幣入金データ16bは、紙幣挿入口兼返却口15aから挿入された紙幣に関して、紙幣入金部15で真贋判定で真券であると判定された紙幣の合計金額を記憶するデータである。
未済データ16cは、図1で説明した「チャージ」ボタン押下後に正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかったり、「返却」ボタン押下後に正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかったことによって、チャージや返却が行われなかった現金に関するデータである。詳細は後述する。
未了データ16dは、「チャージ」ボタン押下後に一旦正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされたものの、非接触式ICカードをカードリーダライタ13から取り除くタイミングが早かったことなどによって、非接触式ICカードからのチャージが正常に完了した旨の応答が受け取れなかった場合に記録されるデータである。詳細は後述する。
全取引履歴データ16eは、当該ICカードチャージ装置10において処理された取引履歴を記憶する。また、全取引履歴データ16eは、取引時にカードリーダライタ13にセットされた接触式ICカードから取得したカード番号に関連付けて、取引内容と該取引の直前の取引履歴とを記憶する。
制御部17は、ICカードチャージ装置10の全体を制御する制御部であり、画面制御部17a、カード制御部17b、紙幣入金制御部17c、プリンタ出力部17d、チャージ制御部17e、処理履歴記録部17f及び処理履歴照会部17gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
画面制御部17aは、待機時のメニューの表示を行い、利用者によって処理内容が選択されたならば対応する機能処理部を起動して、起動した機能処理部の指示に従って表示操作部11への画面の表示や表示操作部11からの入力操作を受け付ける。
カード制御部17bは、カードリーダライタ13で読み取った非接触式ICカードの情報を処理中カードデータ16aに書き込む。また、カード制御部17bは、既に処理中カードデータ16aにデータが書き込まれている時にカードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットされると、セットされた非接触式ICカードから読み取ったカード番号が処理中カードデータ16aに書き込まれているカード番号と一致するか否かの判定を行う。また、カード制御部17bは、チャージ制御部17eの指示によって、カードリーダライタ13にセットされた非接触式ICカードの残高及び取引履歴の更新処理を行う。
紙幣入金制御部17cは、紙幣入金部15からの通知を受け付けて現金の計数結果を紙幣入金データ16bに書き込む。また、紙幣入金制御部17cは、チャージ制御部17eからの収納の指示に従って、紙幣入金部15に一時保留部15bにある紙幣を収納部15cに収納の指示を行う。また、紙幣入金制御部17cは、チャージ制御部17eからの返却の指示に従って、紙幣入金部15に一時保留部15bにある紙幣を紙幣挿入口兼返却口15aに搬送して紙幣入金データ16bの内容をクリアする。
プリンタ出力部17dは、チャージ処理が正常に終了した場合には、チャージ制御部17eからの指示に従って、レシートの出力内容を編集してレシートプリンタ14に出力指示を行う。また、プリンタ出力部17dは、処理履歴照会部17gからの指示に従って未済データ16cのデータを編集した未済レシートをレシートプリンタ14に出力指示を行う。未済レシートの詳細は後述する。
チャージ制御部17eは、ICカードチャージ装置10の待機画面において、「現金チャージ」が選択されてから、チャージ処理が完了するまでの、チャージ処理全体の制御を行う。チャージ制御部17eの詳細は後述する。
処理履歴記録部17fは、図1で説明した「チャージ」ボタン押下後に正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかったり、「返却」ボタン押下後に正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかった場合に記録する未済データ16cの出力を行う。また、処理履歴記録部17fは、「チャージ」ボタン押下後に一旦正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされたものの、非接触式ICカードをカードリーダライタ13から取り除くタイミングが早かったことなどによって、非接触式ICカードからのチャージが正常に完了した旨の応答が受け取れなかった場合に記録する未了データ16dの出力を行う。
処理履歴照会部17gは、非接触式ICカードの識別情報であるカード番号に対応する未済データ16cのレコード若しくは未了データ16dのレコードの有無の判定をして、その結果を出力する。処理履歴照会部17gの詳細は後述する。
次に、本実施例に係る電子マネーの記憶媒体である非接触式ICカードの有するデータ構成について説明する。図4は、本実施例に係る電子マネーの記憶媒体である非接触式ICカードの有するデータ構成について説明するための説明図である。本実施例に係る電子マネーの記憶媒体である非接触式ICカードは、カード残高データとカード取引履歴データとを有する。
カード残高データは、非接触式ICカードの識別情報であるカード番号と電子マネーの残高とを有する。図4のカード残高データの例は、非接触式ICカードのカード番号が「123456789」で、電子マネーの残高が「150」円であることを示している。
カード取引履歴データは、非接触式ICカードに記憶された直近の取引履歴であり、取引を行った日付、時刻、取引内容、取引金額、取引後の残高及び取引通番をレコードの項目として有している。取引内容は当該非接触式ICカードを利用して決済を行ったことを示す「利用」や、チャージを行ったことを示す「チャージ」などがある。本実施例は、非接触式ICカードに記憶されているカード取引履歴データは直近の5取引の履歴を有するものとしているが、記憶するレコード数は5レコードに限定するものではない。また、カード取引履歴データは、カード発行直後などはレコードが存在しなかったり、5レコードに満たない数のレコードしかない場合もある。
図4のカード取引履歴データの例は、日付が「2013/4/5」で、時刻が「10:00」に、取引通番「128」の取引が実行され、「500」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「150」円となり、日付が「2013/4/5」で、時刻が「8:30」に、取引通番「127」の取引が実行され、「600」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「650」円となり、日付が「2013/4/1」で、時刻が「12:30」に、取引通番「126」の取引が実行され、「220」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「1250」円となり、日付が「2013/3/30」で、時刻が「17:00」に、取引通番「125」の取引が実行され、「150」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「1470」円となり、日付が「2013/3/30」で、時刻が「11:00」に、取引通番「124」の取引が実行され、「260」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「1620」円となったことを示している。
次に、ICカードチャージ装置10の本実施例に係るデータ構成を説明する。図5は、ICカードチャージ装置10の本実施例に係るデータ構成について説明するための説明図である。
処理中カードデータ16aは、カードリーダライタ13で読み取った非接触式ICカードに記憶されている、非接触式ICカードの識別情報であるカード番号と電子マネーの残高とカード取引履歴データの中の直前の取引の履歴を有する。図5の処理中カードデータ16aの例は、カードリーダライタ13で読み取った非接触式ICカードのカード番号が「123456789」で、電子マネーの残高が「150」円であり、日付「2013/4/5」の時刻「10:00」に、取引通番「128」の取引が実行され、「500」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「150」円となった取引が直前の取引履歴であることを示している。
未済データ16cは、カード番号、未済データを生成した日付と時刻、預かった金額及びカード番号に対応する非接触式ICカードのチャージ前の残高をレコードの保有項目とするデータである。図5の未済データ16cの例は、カード番号が「123456789」の残高が「200」円の非接触式ICカードに対して日付が「2013/4/10」で、時刻が「17:00」に「1,000」円を預かったが、チャージも返金も行われずにICカードチャージ装置10に収納されたことを示すレコードが含まれていることを表している。
未了データ16dは、カード番号、未了データを生成した日付と時刻、チャージ金額及びチャージ直前の当該カードの取引履歴をレコードの保有項目とするデータである。チャージ直前の当該カードの取引履歴は、チャージを実施する直前に非接触式ICカードに記録されていた取引履歴の中で最新の情報を転記したものであり、保有項目は非接触式ICカードの有するカード取引履歴データと同じである。
図5の未了データ16dの例は、カード番号が「123456789」の非接触式ICカードに対して、日付が「2013/4/10」で、時刻が「15:00」に、「3,000」円のチャージを行おうとしたが、当該非接触式ICカードに対するチャージが完了しているか否かが不明で、当該非接触式ICカードのチャージ処理直前の取引履歴が、日付が「2013/4/5」で、時刻が「10:00」に、取引通番「128」の取引が実行され、「500」円の「利用」の取引を行い、取引後の残高が「150」円であることを示すレコードが含まれていることを表している。
図3でも説明した通り、未了データ16dは、「チャージ」ボタン押下後に一旦正しい非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされたものの、非接触式ICカードをカードリーダライタ13から取り除くタイミングが早かったことなどによって、非接触式ICカードからのチャージが正常に完了した旨の応答が受け取れなかった場合に作成される。非接触式ICカード自体は取引履歴を有しているものの、直近の有限個の取引履歴しか有していない。このため、チャージがされていない旨の問い合わせを受けても、非接触式ICカードの取引履歴からだけでは、非接触式ICカードへの書き込みが完了していなかったから取引履歴が存在しないのか、チャージは完了したがチャージを行った後に記憶できる取引履歴数以上の取引を行ったからチャージの履歴が無いのかの区別はつかない。しかしながら、未了データ16dを用いれば、チャージを行おうとした直前の取引履歴が記録されるため、チャージを行おうとした直前の取引履歴があって、チャージの取引履歴のない場合には明らかにチャージができていないということの判定が可能となる。チャージが完了した後に記憶できる取引履歴数以上の取引を行った場合には、未了データ16dのチャージを行おうとした直前の取引履歴もカードの取引履歴には残らないが、そのようなケースはむしろまれなケースであり、未了データ16dを記録することによって多くのケースでチャージが完了したのか否かの判定を可能としている。
全取引履歴データ16eは、カード番号に関連付けてICカードチャージ装置10で行われた取引の内容を示す取引内容データと、取引の対象となった非接触式ICカードから読み取った直前の取引履歴とをレコードの項目として有する。取引内容データには、取引を行った日付、時刻、取引金額及び取引結果を含む。取引結果には、チャージを行ったことを示す「チャージ」と、一旦現金を挿入したがチャージを行わず返却を行ったことを示す「返却」がある。また、直前の取引履歴の保有項目は、非接触式ICカードに記録されていた取引履歴の中で最新の情報を転記したものであり、保有項目は非接触式ICカードの有するカード取引履歴データと同じである。
図5に示す全取引履歴データ16eの1つ目のレコードは、カード番号が「123456789」に対して、日付「2013/4/10」の時刻「15:00」に「3,000」円のチャージが行われ、その処理の対象の非接触式ICカードに記録されていた直前の取引履歴は、日付「2013/4/5」の時刻「10:00」に取引内容「利用」が示す取引が行われ、取引金額が「500」円、取引後の残高が「150」円、取引通番が「128」であることを示している。
図5に示す全取引履歴データ16eの2つ目のレコードは、カード番号が「567891011」に対して、日付「2013/4/10」の時刻「12:50」に「1,000」円のチャージが行われ、その処理の対象の非接触式ICカードに記録されていた直前の取引履歴は、日付「2013/4/4」の時刻「19:30」に取引内容「利用」が示す取引が行われ、取引金額が「1,200」円、取引後の残高が「1,300」円、取引通番が「255」であることを示している。
図5に示す全取引履歴データ16eの3つ目のレコードは、カード番号が「246810246」に対して、日付「2013/4/10」の時刻「12:20」に「2,000」円の現金挿入が行われたが返却され、その処理の対象の非接触式ICカードに記録されていた直前の取引履歴は、日付「2013/4/1」の時刻「12:30」に取引内容「利用」が示す取引が行われ、取引金額が「2,500」円、取引後の残高が「2,300」円、取引通番が「398」であることを示している。
次に、ICカードチャージ装置10のチャージ処理に係る画面表示内容、操作内容及び処理内容を説明する。図6は、ICカードチャージ装置10のチャージ処理に係る画面表示内容、操作内容及び処理内容を説明するための説明図である。
図6の(1)の待機画面は、ICカードチャージ装置10が待機状態の場合に表示操作部11に表示する画面である。(1)の待機画面で「現金チャージ」ボタンが押下されると、チャージ制御部17eは、表示操作部11に(2)に示すカードセット要求メッセージを表示する。(2)のカードセット要求メッセージに従って利用者により非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされたならば、カード制御部17bは、非接触式ICカードから読み込んだデータを、処理中カードデータ16aに書き込み、チャージ制御部17eは、表示操作部11に(3)に示す現金挿入要求メッセージを表示する。
図6の(3)に示す現金挿入要求メッセージに従って利用者により紙幣挿入口兼返却口15aに現金が挿入されると、紙幣入金制御部17cは、紙幣入金部15から通知される計数結果を紙幣入金データ16bに書き込み、チャージ制御部17eは、(4)に示すチャージ確認画面を表示する。チャージ確認画面は、紙幣入金部15から通知される計数結果と、計数された現金でチャージすることを指示するための「チャージ」ボタンと、挿入された現金を返却することを指示するための「返却」ボタンと、「チャージ」ボタン若しくは「返却」ボタンのいずれかを操作する旨をガイドするメッセージとを含んでいる。
図6の(4)に示すチャージ確認画面において、「返却」ボタンが押下された場合には、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセット済みか否かの判定を行って、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセット済みではない場合には、チャージ制御部17eは、(5)に示すカードセット要求メッセージの表示を行う。チャージ制御部17eは、(5)に示すカードセット要求メッセージの表示後、所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかった場合には、(b)の未済処理を行う。(b)の未済処理では、紙幣入金部15で計数されて一時保留部15bにある現金を収納部15cに収納し、未済データ16cにレコード追加を行う。
また、図6の(4)に示すチャージ確認画面において、「返却」ボタンが押下された時にカードリーダライタ13に非接触式ICカードがセット済みの場合、若しくは、セットされていなくて(5)のカードセット要求メッセージに従って所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされた場合には、読み込まれた非接触式ICカードのカード番号が処理中カードデータ16aに記憶されているカード番号と等しいか否かの判定を行う。読み込まれた非接触式ICカードのカード番号が処理中カードデータ16aに記憶されているカード番号に等しい場合には、紙幣入金制御部17cは、紙幣入金部15の一時保留部15bにある現金を紙幣挿入口兼返却口15aに搬送する。また、チャージ制御部17eは、(6)に示す紙幣挿入口兼返却口15aに返却した現金の抜取をガイドする現金抜取要求メッセージを表示する。読み込まれた非接触式ICカードのカード番号が処理中カードデータ16aに記憶されているカード番号に等しくない場合には、現金を挿入した利用者とは別の利用者による操作と判定し、(b)の未済処理を実施する。
図6の(4)に示すチャージ確認画面において、「チャージ」ボタンが押下された場合には、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセット済みか否かの判定を行って、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセット済みではない場合には、チャージ制御部17eは、(7)に示すカードセット要求メッセージの表示を行う。チャージ制御部17eは、(7)に示すカードセット要求メッセージの表示後、所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかった場合には、(b)の未済処理を行う。
また、図6の(4)に示すチャージ確認画面において、「チャージ」ボタンが押下された時にカードリーダライタ13に非接触式ICカードがセット済みの場合、若しくは、セットされていなくて(7)のカードセット要求メッセージに従って所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされた場合には、読み込まれた非接触式ICカードのカード番号が処理中カードデータ16aに記憶されているカード番号に等しいか否かの判定を行う。読み込まれた非接触式ICカードのカード番号が処理中カードデータ16aに記憶されているカード番号に等しくない場合には、現金を挿入した利用者とは別の利用者による操作と判定し、(b)の未済処理を実施する。読み込まれた非接触式ICカードのカード番号が処理中カードデータ16aに記憶されているカード番号に等しい場合には、チャージ制御部17eは、非接触式ICカードに対する(a)のチャージ金額書込処理を行い、非接触式ICカードからのチャージ金額書込に対する応答の待ち合わせを行う。
図6の(a)のチャージ金額書込処理では、紙幣入金部15の一時保留部15bにある現金を収納部15cに搬送して、カードリーダライタ13にセットされている非接触式ICカードの残高をチャージ後の残高に更新の要求を行う。
図6の(a)のチャージ金額書込処理後には、非接触式ICカードからのチャージ金額書込に対する応答の待ち合わせを行い、書込応答を受け付けたならば、チャージ制御部17eは、チャージが完了した旨を示す(8)に示すチャージ完了画面を表示する。また、非接触式ICカードからのチャージ金額書込に対する応答を受け付けずタイムアウトしてしまった場合には、(a)で行ったカードリーダライタ13にセットされている非接触式ICカードの残高のチャージ後の残高への更新処理が実施されたのか否かが不明であるため(c)の未了処理が行われる。(c)の未了処理では、未了データ16dにレコードの追加を行う。
図6の(4)に示すチャージ確認画面において、所定の時間内に「返却」ボタン若しくは「チャージ」ボタンのいずれのボタン操作も行われなかった場合には、(b)の未済処理を実施する。
次に、ICカードチャージ装置10で発行される未済レシートの出力内容を説明する。図7は、ICカードチャージ装置10で発行される未済レシートの出力内容を説明するための説明図である。
未済レシートとは、処理履歴照会部17gが、指定された非接触式ICカードの識別情報であるカード番号に対応する未済データ16cのレコードの有無の判定をして、対応する未済データ16cのレコードが存在した場合に、該レコードの情報を基にして編集して出力したものである。
1行目には、当該レシートに対応する未済データ16cのレコードの未済データ生成日時が印刷される。2行目には、現金だけ収納されてチャージが行われなかったことを示す「現金チャージ未済」が印刷される。3行目には、現金だけ収納されてチャージが行われなかった対象の非接触式ICカードのカード番号が表示される。また、5行目には、現金だけ収納されてチャージが行われなかった対象の非接触式ICカードの現金挿入時の電子マネーの残高が、6行目には、その時に挿入して紙幣入金部15に収納された金額が印刷される。
7行目には、チャージが正常に行われなかった理由が印字され、図7の例では、カードセットをガイドするメッセージを表示したにもかかわらず、所定時間内にカードがセットされなかったことを示す「操作タイムアウト」が印刷されている。この「操作タイムアウト」以外には、別なカードがセットされたことによることを示す「カード相違」などがある。9行目には、ICカードチャージ装置10に収納された金額が印字される。通常は6行目に印字されるお預かり金額に同じ額が印字される。
また、本未済レシートは、収納されてチャージが行われなかった現金を利用者に返金する際の領収書も兼ねており、係員は受取確認のサインが書き込まれた未済レシートと引き換えに利用者に返金を行う。10行目、11行目には未済レシート下部のお客様サインの領域にサインをもらったうえで返金を行うことの、係員向けの手続きに関するガイドメッセージが印刷される。
次に、ICカードチャージ装置10におけるチャージ処理の処理手順を説明する。図8は、ICカードチャージ装置10におけるチャージ処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、表示操作部11に表示された待機画面で「現金チャージ」ボタンの押下の有無の判定を行う(ステップS101)。「現金チャージ」のボタンが押下されなかった場合(ステップS101;No)には、処理を終了する。また、「現金チャージ」のボタンが押下された場合(ステップS101;Yes)には、表示操作部11にカードリーダライタ13に非接触式ICカードのセットをガイドするメッセージの表示を行う(ステップS102)。
カード制御部17bは、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットをされるのを監視して(ステップS103)、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットされない場合(ステップS103;No)には、ステップS103を繰り返すことによって、非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされるのを待ち合わせる。カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットされた場合(ステップS103;Yes)には、カード制御部17bは、非接触式ICカードからカード番号、残高、直前の取引履歴のデータを読み取って、読み取ったデータを処理中カードデータ16aに書き込む(ステップS104)。
次に、チャージ制御部17eは、表示操作部11に現金の挿入をガイドするメッセージの表示を行う(ステップS105)。紙幣入金制御部17cは、現金の挿入操作の有無を判定し(ステップS106)、現金の挿入が行われたならば(ステップS106;Yes)、挿入された現金を計数した金額の情報を含むチャージ確認画面を表示して(ステップS107)、ステップS106に移行する。
新たな現金の挿入操作を検知せず(ステップS106;No)、チャージ確認画面に配置された「チャージ」ボタンの押下が検知された場合(ステップS108;Yes)には、カードリーダライタ13への非接触式ICカードのセットの確認処理を行う(ステップS109)。所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされない場合(ステップS110;Yes)や、所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされたが、セットされた非接触式ICカードがステップS104でセットされた非接触式ICカードとは異なるカードである場合(ステップS110;NoかつステップS111;No)には、ステップS124に移行する。
所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされて、セットされた非接触式ICカードがステップS104でセットされた非接触式ICカードと同一のカードである場合(ステップS110;NoかつステップS111;Yes)には、紙幣入金制御部17cは、紙幣入金部15の一時保留部15bにある紙幣を収納部15cに収納する(ステップS112)。また、カード制御部17bは、収納した紙幣に応じた額をカードリーダライタ13にセットされたカードの電子マネーの残高の更新処理を行ってカードからの更新処理の応答の待ち合わせを行う(ステップS113)。
非接触式ICカードからの更新処理の応答を受け付けたならば(ステップS114;Yes)、チャージ制御部17eは、非接触式ICカードの電子マネー残高のチャージ処理が正常に行えたことを示すチャージ完了画面を表示操作部11に表示し、取引内容を全取引履歴データ16eに登録し、処理中カードデータ16aをクリアして(ステップS115)、処理を終了する。非接触式ICカードからの更新処理の応答が所定時間内に受け付けられなければ(ステップS114;No)、処理履歴記録部17fは、未了データ16dに当該チャージ処理に関するレコードを追加し、取引内容を全取引履歴データ16eに登録し、処理中カードデータ16aをクリアして(ステップS116)、処理を終了する。
また、チャージ確認画面に配置された「チャージ」ボタンの押下が検知されず(ステップS108;No)に、「返却」ボタンの押下が検知された場合(ステップS117;Yes)には、カードリーダライタ13への非接触式ICカードのセットの確認処理を行う(ステップS118)。所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされない場合(ステップS119;Yes)や、所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされたが、セットされた非接触式ICカードがステップS104でセットされた非接触式ICカードとは異なるカードである場合(ステップS119;NoかつステップS120;No)には、ステップS124に移行する。
所定時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされて、セットされた非接触式ICカードがステップS104でセットされた非接触式ICカードと同一のカードである場合(ステップS119;NoかつステップS120;Yes)には、紙幣入金制御部17cは、紙幣入金部15の一時保留部15bにある紙幣を紙幣挿入口兼返却口15aに搬送する(ステップS121)。また、チャージ制御部17eは、表示操作部11に返却した現金を抜き取ることをガイドするメッセージを表示し、取引内容を全取引履歴データ16eに登録し、処理中カードデータ16aをクリアして(ステップS122)、処理を終了する。
また、「返却」ボタンの押下が検知されなかった場合(ステップS117;No)には、ステップS107によって最後にチャージ確認画面が更新されてから所定の時間の経過を判定し(ステップS123)、既に所定の時間が経過していた場合(ステップS123;Yes)には、ステップS124に移行する。また、まだ所定の時間が経過していない場合(ステップS123;No)には、ステップS106に移行する。処理がステップS124に移行後は、紙幣入金制御部17cは、紙幣入金部15の一時保留部15bにある紙幣を収納部15cに収納して(ステップS124)、処理履歴記録部17fは、未済データ16cに当該チャージ処理に関するレコードを追加し、取引内容を全取引履歴データ16eに登録し、処理中カードデータ16aをクリアして(ステップS125)、処理を終了する。
ステップS109及びステップS118のカード確認処理について説明する。カード制御部17bは、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットされているか否かの判定を行う(ステップS201)。非接触式ICカードがセットされていない場合(ステップS201;No)で、非接触式ICカードのカードリーダライタ13へのセットをガイドするメッセージが表示済でなければ(ステップS202;No)、表示操作部11にカードリーダライタ13に非接触式ICカードのセットをガイドするメッセージの表示を行う(ステップS203)。非接触式ICカードのカードリーダライタ13へのセットをガイドするメッセージを既に表示済であれば(ステップS202;Yes)ステップS204に移行する。
非接触式ICカードのカードリーダライタ13へのセットをガイドするメッセージの表示を行ってから所定の時間内に非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされなかったならば(ステップS204;Yes)、非接触式ICカード未セットでタイムアウトとして処理を終了する。また、非接触式ICカードのカードリーダライタ13へのセットをガイドするメッセージの表示を行ってから所定の時間が経過していなければ(ステップS204;No)、ステップS201に移行する。
またステップS201において、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットされていると判定されたならば(ステップS201;Yes)、非接触式ICカードセット済として処理を終了する。
次に、ICカードチャージ装置10におけるチャージ実績の照会処理の処理手順を説明する。図9は、ICカードチャージ装置10におけるチャージ実績の照会処理の処理手順を示すフローチャートである。チャージ実績の照会処理は、ICカードチャージ装置10の利用者から、当該装置で行ったチャージ操作によって正しくチャージが行えているか否かの問い合わせを受けた時などに使用する機能である。チャージ実績の照会処理は、図6で説明した(b)の未済処理や(c)の未了処理で生成したデータを利用して、収納した現金に応じたチャージが行われたか否かの判定を行い、収納した現金に応じたチャージが行われていないと判定した場合には、返金する金額を出力する。問い合わせを受け付けた係員は、チャージ実績の照会処理を行うことによって、現金の返却の要否、現金の返却をする場合の返却金額などの情報を取得することができ、利用者からの問い合わせに効率的な対処を行うことが可能となる。
処理履歴照会部17gは、表示操作部11にチャージ実績の照会対象の非接触式ICカードのカードリーダライタ13へのセットをガイドするメッセージの表示を行う(ステップS301)。カード制御部17bは、非接触式ICカードがカードリーダライタ13にセットされるのを監視して、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットされない場合(ステップS302;No)には、ステップS302に戻ることによって非接触式ICカードのセットを待ち合わせる。また、カードリーダライタ13に非接触式ICカードがセットさた場合(ステップS302;Yes)には、カード制御部17bは読み取った非接触式ICカードのデータを処理中カードデータ16aに書き込む(ステップS303)。
処理履歴照会部17gは、処理中カードデータ16aのカード番号で未済データ16cを検索して(ステップS304)、未済データ16cに処理中カードデータ16aのカード番号に対応するレコードが存在する場合(ステップS305;Yes)には、該レコードに対応する未済レシートをレシートプリンタ14で出力して(ステップS306)、処理を終了する。係員は、未済レシートに収納済金額として印字された金額の現金を利用者に返金し、サイン記入欄にサインをもらって対処を完了する。
次に、未済データ16cに処理中カードデータ16aのカード番号に対応するレコードが存在しない場合(ステップS305;No)には、処理履歴照会部17gは、処理中カードデータ16aのカード番号で未了データ16dを検索して(ステップS307)、未了データ16dに処理中カードデータ16aのカード番号に対応するレコードが存在しない場合(ステップS308;No)には、チャージ処理が正常に終了したか否かが不明なチャージ処理が過去になかったことを示す未了データ16dがない旨のメッセージを表示して(ステップS309)、処理を終了する。
また、未了データ16dに処理中カードデータ16aのカード番号に対応するレコードが存在した場合(ステップS308;Yes)には、未了データ16dの当該レコードとカードに記憶されているカード取引履歴データを比較することによって、当該レコードに対応するチャージ内容が非接触式ICカードに反映されているか否かのチャージ実績の判定を行う(ステップS310)。
チャージ実績の判定処理(ステップS310)について、具体的に説明する。未了データ16dの当該レコードは、図5で示した通りチャージ処理を行った日時、チャージしようとした金額及びチャージ処理を行う直前の取引履歴を記録している。また、カード取引履歴データは、非接触式ICカードに記憶されているデータである。カードに記憶されているカード取引履歴データに、未了データ16dの当該レコードのチャージしようとした金額に対応する取引履歴があれば、未了データ16dの当該レコードに対するチャージ処理は正しく完了していることになる。また、カードに記憶されているカード取引履歴データに、未了データ16dの当該レコードの直前の取引履歴に対応するデータがあって、その直後に未了データ16dの当該レコードのチャージしようとした金額に対応する処理履歴がなければ、未了データ16dの当該レコードに対するチャージ処理は行われていないことになる。また、カードに記憶されているカード取引履歴データに、未了データ16dの当該レコードの直前の取引履歴に対応するデータがない場合には、未了データ16dの当該レコードに対するチャージ処理によって非接触式ICカードにチャージ額が反映されたか否かの判定は、ICカードチャージ装置10では不明となる。
ステップS310のチャージ実績判定処理の結果、非接触式ICカードにチャージが行われなかったと判定されたならば(ステップS311;Yes)、処理履歴照会部17gは、表示操作部11にチャージが行われていない旨のメッセージとその時のチャージしようとした金額を表示して(ステップS312)、処理を終了する。係員はステップS312で表示されたメッセージを参照して、表示された金額を利用者に返却することによって対応は完了となる。
また、ステップS310のチャージ実績判定処理の結果、非接触式ICカードにチャージが行われたと判定されたならば(ステップS311;NoかつステップS313;Yes)、処理履歴照会部17gは、表示操作部11にチャージが正常に行われた旨のメッセージを表示して(ステップS314)、処理を終了する。
また、ステップS310のチャージ実績判定処理の結果、非接触式ICカードにチャージが行われたか否かの判定ができなかったならば、(ステップS311;NoかつステップS313;No)、処理履歴照会部17gは、表示操作部11にチャージが正常に行われたか否か不明な取引があるが、ICカードチャージ装置10では判定不能な旨のメッセージを表示して(ステップS315)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、現金の挿入の前に非接触式ICカードを読み取って、挿入済みの現金をチャージする場合若しくは挿入済みの現金を返却する場合には、現金挿入の前に読み取った非接触式ICカードがセットされない限りチャージ処理も返却処理も行わないようにした。また、現金挿入の前に読み取った非接触式ICカードがセットされなかった場合には挿入済みの現金は装置内に収納し、収納した金額と現金挿入前に読み取った非接触式ICカードの識別情報を未済データとして記録するようにした。利用者からのチャージ実績に係る問い合わせに対しては未済データを照会することによって、当該利用者に対応する未済データが存在した場合には利用者に返金する金額を通知するよう構成したので、現金の受付が行われたにもかかわらず、電子マネーの記憶媒体との通信が行えなかったことによって正常にチャージ処理が行われなかった場合の、受け付けた現金を適切に管理することができる。
なお、上述の本実施例では、説明の便宜上電子マネーの記憶媒体を非接触式ICカードとして説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、非接触式ICチップを内蔵した携帯電話機などの非接触式ICチップを内蔵したカードの形態以外のものであってもよい。
また、上述の本実施例では、ICカードチャージ装置10には紙幣入金部15を有し、チャージ時には紙幣のみが使用できるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、硬貨の真贋判定、硬貨の種類の判定及び硬貨の種類ごとの枚数の計数を行える硬貨入金部や紙幣入金部15と前記硬貨入金部の機能を備えた紙幣硬貨入金部であってもよい。
なお、上述の本実施例では、利用者からのチャージ実績の問い合わせがあった場合に、問い合わせのあった利用者に係るデータが未済データ16cに存在した時には、未済レシートを発行するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、画面上への出力のみとしても良い。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。