JP2015017714A - 密閉式石油温風暖房機 - Google Patents

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幸八 眞賀
Kohachi Maga
幸八 眞賀
啓 鈴木
Hiroshi Suzuki
啓 鈴木
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Abstract

【課題】熱交換器の熱交換効率を高めた運転と対流ファンの静音性を高めた運転とを備える密閉式石油温風暖房機を提供する。
【解決手段】火力制御部42は、火力設定部41が設定した設定火力にバーナの火力を制御する。対流ファン34からの送風は、熱交換器28において燃焼排ガスと熱交換してから、室内へ供給される。対流ファン制御部43は、送風流量マップに設定火力を適用して設定送風流量を求め、対流ファン34の送風流量を設定送風流量に制御する。送風流量マップ切替部44は、送風流量がバーナ火力の制御範囲において高流量の第1特性マップと低流量の第2特性マップにユーザ指示に応じて送風流量マップを切替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、密閉式石油温風暖房機に関する。
従来より、給湯装置や暖房機等の燃焼装置においては、バーナの燃焼状態が良好に維持されるように、バーナに燃焼用空気を供給する燃焼ファンの回転速度が制御されている(例えば特許文献1〜3参照)。
また、バーナを備えた燃焼装置として、密閉式石油温風暖房機が普及している。密閉式石油温風暖房機は、屋外及び室内から空気を吸入し、燃料としての石油(厳密には灯油)を屋外空気とバーナにおいて混合して、燃焼させ、燃焼により生じた燃焼排ガスを屋外に排出する。そして、燃焼排ガスは、屋外排出前に熱交換器において室内空気と熱交換を実施し、熱交換により加熱された室内空気が室内に戻されている。密閉式石油温風暖房機は、石油の燃焼のために室内の空気を使用せず、また、燃焼排ガスを室内に排出しないので、室内の空気を清潔に維持することができる。
密閉式石油温風暖房機は、燃焼ファンの他に、室内空気を、熱交換器を経由して対流させるための対流ファンを備えており、バーナの燃焼状態を良好に維持するとともに、熱交換器における熱交換効率が高いことが要求される。
さらに、密閉式石油温風暖房機は室内に設置されるため、暖房運転時の静音性が重視される場合もある。
特許第3571774号公報 特開平5−118533号公報 実開昭59−195368号公報
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、熱交換器により室内空気を加熱する際の熱交換効率を高めるという要求と、静音性を高めるという要求に応えた密閉式石油温風暖房機を提供することを目的とする。
本発明の密閉式石油温風暖房機は、石油を、屋外から吸入された空気と混合して燃焼させるバーナと、前記石油の燃焼により生じた燃焼排ガスを屋外へ導く排気通路と、両端が室内に連通した対流通路と、前記対流通路の一端から他端へ室内空気を流す対流ファンと、前記排気通路の燃焼排ガスと前記対流通路の室内空気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、所定の暖房条件に応じて前記バーナの火力を所定の火力制御範囲内で設定火力として設定する火力設定部と、前記火力設定部が設定した設定火力にバーナの火力を制御する火力制御部と、前記火力制御範囲におけるバーナ火力に対して、前記対流ファンの送風流量を設定する送風流量マップに、前記火力設定部で設定された設定火力を適用して、該設定火力に対応する前記対流ファンの送風流量を設定送風流量として求め、該設定送風流量に前記対流ファンの送風流量を制御する対流ファン制御部と、ユーザの指示に応じて、前記送風流量マップを、前記火力制御範囲の最小火力と最大火力とをそれぞれ前記対流ファンの所定の送風流量制御範囲における最小送風流量と最大送風流量とに対応付けるとともに、前記火力制御範囲において前記バーナの火力の増大に連れて前記対流ファンの送風流量が増大する第1特性マップと、前記最小火力と前記最大火力との間の火力としての中間火力を設定し、前記最小火力と前記中間火力とをそれぞれ前記最小送風流量と前記最大送風流量とに対応付けるとともに、前記最小火力と前記中間火力との間の火力範囲では、前記対流ファンの送風流量が前記第1特性マップよりも大きい側に設定されている第2特性マップとに切替える送風流量マップ切替部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザの指示に応じて、バーナの火力と対流ファンの送風流量との関係が第1特性マップ又は第2特性マップに設定される特性に切替えられる。第1特性マップでは、第2特性マップに対して対流ファンの送風流量が小さく設定されているので、密閉式石油温風暖房機を、静音性を高めて、使用することができる。
第2特性マップでは、第1特性マップに対して対流ファンの送風流量が大きく設定されているので、熱交換器における熱交換効率を高めて、密閉式石油温風暖房機を使用することができる。
このように、本発明によれば、第1特性マップを用いることで、静音性を高めるという要求に応えることができる。また、第2特性マップを用いることで、熱交換器により室内空気を加熱する際の熱交換効率を高めるという要求に応えることができる。
本発明において、前記第2特性マップは、前記中間火力と前記最大火力との間の火力範囲では、前記対流ファンの送風流量が前記最大送風流量に設定されていることが好ましい。
この構成よれば、第2特性マップは、中間火力と最大火力との間の火力範囲においても、対流ファンの送風流量が設定されているとともに、該火力範囲では、対流ファンの送風流量が最大送風流量に設定されている。したがって、ユーザは、該火力範囲において、第2特性マップが選択されることにより、対流ファンの送風流量を高めて、密閉式石油温風暖房機の熱効率を高めることができる。
(a)及び(b)はそれぞれ据付け状態における密閉式石油温風暖房機の概略的な正面図及び側面図。 密閉式石油温風暖房機の主要部の構成図。 密閉式石油温風暖房機の対流ファン制御において制御器が参照する送風流量マップにおけるバーナ火力と送風流量との関係を示す図。 対流ファンの制御ルーチンのフローチャート。
図1を参照して、密閉式石油温風暖房機1の外部構造について概略的に説明する。密閉式石油温風暖房機1は、背面側において壁3の室内側の面との間に十分な距離を空けて部屋の床2の上に載置される。壁3は、内面側が室内であり、外面側が屋外になっている。
密閉式石油温風暖房機1は、本体6と、床2に置かれて上側に本体6を載せられる置き台7とを備える。本体6は、正面に温風吹出し部8、表示部9及び操作部10を備える。本体6は、背面上部に吸気口13を備える。
温風吹出し部8は、本体6の正面の大部を占め、密閉式石油温風暖房機1の運転時では温風が本体6内から本体6の外部としての室内へ吹き出される。表示部9及び操作部10は、密閉式石油温風暖房機1の正面視で温風吹出し部8の右下に上下に並んで配備される。
表示部9には、時刻や設定温度の数値表示部、及び運転ランプ等が配備される。なお、運転ランプは、運転スイッチを兼ね、押下されるごとに、運転スイッチがオンとオフとを交互に繰り返される。運転ランプは、運転スイッチのオン時に点灯し、オフ時に消灯する。
操作部10は、火力調節部、室温設定部、及びタイマボタン等が配備される。火力調節部は、「自動」、「微小」、「小」、「中」及び「大」の5つのうちからいずれか1つを選択するスライドつまみを備える。「微小」、「小」、「中」及び「大」は、手動操作で火力を調節する場合の4段階の火力に対して小さい順に割当てた呼び名である。
給排気筒15は、外側管と内側管との二重管構造になっており、壁3を貫通し、両端をそれぞれ屋外及び室内に突出させている。排気管16は、両端を本体6と給排気筒15の外側管の室内側端部とに接続されて、本体6内で生成された燃焼排ガスを給排気筒15の外側管を介して、屋外へ導く。給気ホース17は、両端を本体6と給排気筒15の内側管とに接続されて、給排気筒15の内側管を介して屋外の空気を本体6内へ導く。
図2を参照して、密閉式石油温風暖房機1における制御関連の構成について説明する。
バーナ20には、燃料供給部22から燃料としての石油(厳密には灯油)を供給され、燃焼ファン23からは燃焼用空気が供給される。燃料供給部22には、配管(図示せず)を介して屋外の燃料タンクから燃料が供給される。バーナ20における火力は、燃料供給部22からバーナ20への燃料の供給流量が増大するに連れて、増大する。
燃焼ファン23は、給気ホース17を介して屋外から吸入した燃焼用空気をバーナ20に供給する。燃焼ファン23は、図示していない駆動モータにより駆動され、制御器40は、該駆動モータの駆動電圧を増減して燃焼ファン23の回転速度を変更することにより燃焼用空気の供給流量を制御する。
バーナ20は、燃料供給部22から供給された燃料を、燃焼ファン23から供給される燃焼用空気と混合して、燃焼室21に燃焼炎を生成する。燃料は、燃焼室21において燃焼した後、燃焼排ガスとなる。
排気通路としての内部排気管27は、水平方向に長手方向を揃えて、燃焼室21の上側に配設される。内部排気管27は、一端側において連通管29を介して燃焼室21に接続され、他端側において接続口30を介して外部の排気管16(図1)へ接続されている。燃焼排ガスは、燃焼室21から内部排気管27に導入され、接続口30及び排気管16を経て屋外に排出される。熱交換器28は、内部排気管27に配設され、内面側には、屋外排出前の燃焼排ガスが通過する。
対流ファン34は、横流ファン形式であり、回転軸を水平に揃えて、熱交換器28の上側に配設され、駆動モータ35により駆動される。対流通路37は、両端において温風吹出し部8及び吸気口13に接続され、対流ファン34及び熱交換器28を巡るようにして、本体6内に形成される。温風吹出し部8及び吸気口13は、対流通路37の空気流出口及び空気流入口となる。
対流ファン34が駆動モータ35により回転駆動されると、室内の空気は、吸気口13から対流通路37内に導入され、対流ファン34の吐出側から熱交換器28の外面側に吹き付けられる。該室内空気は、熱交換器28内の燃焼排ガスと熱交換してから、さらに、対流通路37内を通って、温風吹出し部8から本体6の外としての室内へ吹き出される。
制御器40は、火力設定部41、火力制御部42、対流ファン制御部43及び送風流量マップ切替部44を備える。制御器40は、基板上にマイクロプロセッサを備える。マイクロプロセッサは、RAM、プログラムが記憶されるROM、及びフラッシュメモリを一体に備えるか、又はそれらと外部接続され、ROMから読み出した各種プログラムを実行する。火力設定部41、火力制御部42、対流ファン制御部43及び送風流量マップ切替部44は、プログラムの実行に伴い実現されるソフト上の機能である。
制御器40は、操作部10におけるユーザ指示や、室温センサ(図示せず)等からの入力に基づいてバーナ20への燃料の供給流量、並びに燃焼ファン23及び駆動モータ35の回転速度(駆動電圧)を制御する。
火力設定部41及び火力制御部42によるバーナ20の火力(以下、「バーナ火力」という)の設定及び制御について説明する。火力設定部41は、バーナ火力を設定し(以下、設定したバーナ火力を「設定火力」という。)、火力制御部42は、バーナ火力を設定火力に制御する。設定火力が大きいほど、バーナ20への燃料の供給流量が増大し、バーナ火力が上昇する。
火力制御部42によるバーナ火力の制御は、燃料供給部22からバーナ20への燃料供給の流量の制御と、燃焼ファン23からバーナ20への燃焼用空気の供給流量の制御とにより行われる。最初に、燃料供給部22からバーナ20への燃料供給の流量の制御について説明し、次に、燃焼ファン23からバーナ20への燃焼用空気の供給流量の制御について説明する。
火力制御部42は、燃料供給部22からバーナ20への燃料の供給流量を燃料供給部22における比例弁(図示せず)の開度により制御する。該比例弁の開度が増大するほど、燃料供給流量は増大し、それに伴いバーナ火力は増大する。
火力設定部41は、操作部10において、手操作による火力調節の「微小」、「小」、「中」又は「大」が選択されている場合は、設定火力を、それぞれ「微小」、「小」、「中」又は「大」に固定する。火力制御部42は、「微小」、「小」、「中」及び「大」の設定火力に対し、その順番に燃料供給部22の比例弁の開度を増大させる。
火力設定部41は、操作部10における火力調節が「自動」に選択されている場合は、室温センサ(図示せず)が検出した室温Trとユーザが設定した室温Tdとの差に応じて、設定火力を決める。
Thを所定値と定義して、制御器40による火力制御について説明する。制御器40は、一定時間ごとに、Trを室温センサから取得する。火力設定部41は、Td>Tr+Thであれば、設定火力を所定量Δ、増大させる。火力設定部41は、Td<Tr−Th であれば、設定火力を所定量Δ、減少させる。火力設定部41は、Tr−Th≦Td≦Tr+Thであれば、現在の設定火力を維持する。火力制御部42は、設定火力が大きいほど、燃料供給部22の比例弁の開度を増大させて、バーナ火力を増大させる。
火力制御部42は、火力制御範囲内(後述の図3のRmin〜Rmax)の任意のバーナ火力に対してバーナ20における空気充填率が一定になるように、燃焼ファン23からバーナ20への燃焼用空気の供給流量を制御する。
ここで、空気充填率とは、バーナ20に供給される空気及び燃料の重量流量をそれぞれWa,Wfと定義すると、空気充填率={Wa/(Wa+Wf)}×100%と定義される。火力制御部42は、火力制御範囲内の任意のバーナ火力に対してもバーナ20における空気充填率が一定になるようにするために、バーナ火力の増大に連れて、燃焼ファン23の回転速度を増大させ、燃焼ファン23からバーナ20への燃焼用空気の供給流量を増大させる。
図3は、制御器40による対流ファン制御ルーチン(図4)の実行の際に参照される標準特性マップF1及び効率優先特性マップF2が規定するバーナ火力R−送風流量Gの特性関係を示している。該特性関係に係るデータは、送風流量マップとして制御器40のROMに記憶され、対流ファン制御部43が、対流ファン34の送風流量を制御する際に、適宜、参照される。
図3において、横軸はバーナ火力Rであり、縦軸は、対流ファン34の送風流量Gである。対流ファン制御部43は、各時点のバーナ火力Rを火力制御部42から入力し、認識する。
図3において、Rmin,Rmaxは、バーナ火力Rの制御範囲の下限(最小火力)及び上限(最大火力)である。Gmin,Gmaxは、対流ファン34の送風流量Gの送風流量制御範囲の下限(最小送風流量)及び上限(最大送風流量)である。なお、Rmin>0である。また、バーナ火力Riは、Rmin<Ri<Rmaxとして、すなわちRminとRmaxとの間の中間火力である。
手操作による火力調節における「微小」、「小」、「中」及び「大」と図3のバーナ火力Rとの対応関係を説明する。Rminは「微小」に対応するバーナ火力である。Rmaxは「大」に対応するバーナ火力である。Riは例えば「中」に対応するバーナ火力である。
標準特性マップF1のR−G特性は、図3において両端を(Rmin,Gmin)及び(Rmax,Gmax)とする線分になっている。すなわちバーナ火力RminとRmaxとがそれぞれ対流ファン34の送風流量GminとGmaxとに対応付けられている。
効率優先特性マップF2のR−G特性は、図3において(Rmin,Gmin)と(Ri,Gmax)とを結ぶ線分と、(Ri,Gmax)と(Rmax,Gmax)とを結ぶ線分との結合線になっている。すなわち、効率優先特性マップF2のR−G特性では、バーナ火力RminとRiとがそれぞれ対流ファン34の送風流量GminとGmaxとに対応付けられている。
効率優先特性マップF2は、バーナ火力Rが、Rmin<R≦Riの火力範囲内にある場合も、Ri≦R<Rmaxの火力範囲内にある場合も、送風流量Gが標準特性マップF1の送風流量Gよりも大きい側に設定されている。
標準特性マップF1と効率優先特性マップF2とを対比すると、標準特性マップF1は、バーナ火力Rの制御範囲の全体(Rmin〜Rmax)にわたり、バーナ火力Rの増大に連れて対流ファン34の送風流量が増大する特性となっている。これに対し、効率優先特性マップF2は、バーナ火力Rの制御範囲のうち、Rmin〜Riの範囲においてのみ、バーナ火力Rの増大に連れて対流ファン34の送風流量が増大する特性となっている。
標準特性マップF1のR−G特性は、Rmin<R<Rmaxにおいて、対流ファン34の送風流量Gが効率優先特性マップF2のそれよりも小さくなっているので、対流ファン34の作動音が低下する。したがって、対流ファン34の静音性の点で効率優先特性マップF2より優れている。一方、効率優先特性マップF2は、標準特性マップF1より、送風流量Gが増大するので、熱交換器28における熱交換効率が向上する。
図3では、効率優先特性マップF2は、Ri≦R≦RmaxにおいてG=Gmaxに固定されている。効率優先特性マップF2を、Ri≦R≦Rmaxにおいて、R≦Riの特性線の延長線(破線で示されている。)にすると、熱交換器28における熱交換効率は十分に大きくなるが、Rmaxの場合の破線上のGを確保するために、対流ファン34及び駆動モータ35が大型化する問題が生じる。したがって、効率優先特性マップF2のR−G特性では、Ri≦R≦Rmaxにおいて、G=Gmaxに固定されて、駆動モータ35の大型化を回避している。しかしながら、Ri≦R<Rmaxにおいても、効率優先特性マップF2の方が標準特性マップF1より熱交換器28における熱交換効率は高くなる。
図4は対流ファン34の送風流量を制御するルーチン(以下、「対流ファン制御ルーチン」という。)のフローチャートである。実際上は、対流ファン制御部43は、対流ファン34の送風流量を直接制御するのではなく、駆動モータ35の駆動電圧の制御を介して間接的に制御している。したがって、ROMに記憶されている標準特性マップF1及び効率優先特性マップF2のデータも、バーナ火力Rと送風流量Gとの関係ではなく、バーナ火力Rと駆動モータ35の駆動電圧Vとの関係で記憶されている。
対流ファン制御ルーチンは、密閉式石油温風暖房機1の作動及び停止を切替える運転スイッチがオン(作動)になっている期間では、一定時間が経過するごとに、メインルーチンに割り込む割込みプログラムとして実施される。又はメインルーチンの一部として組み込まれて、最大実行時間間隔を所定値以内に保証されつつ、メインルーチンの一部として実行される。
STEP1では、送風流量マップ切替部44は、密閉式石油温風暖房機1の運転が標準モード及び効率優先モードのいずれが選択されているかを判断する。ユーザは、操作部10における操作により標準モードと効率優先モードとのどちらかを選択する。
標準特性マップF1は標準モードに対応し、効率優先特性マップF2は効率優先モードに対応する。ユーザは、使用状況に応じて標準モード又は効率優先モードを選択する。ユーザは、対流ファン34の作動音がさほど気にならず、かつ熱交換器28における熱交換効率の高い運転を希望する場合には、効率優先モードを選択する。ユーザは、対流ファン34の静音性を希望する状況下では、標準モードを選択する。
送風流量マップ切替部44は、標準モードが選択されていると判断すると、処理をSTEP1からSTEP2へ進ませる。送風流量マップ切替部44は、効率優先モードが選択されていると判断すると、処理をSTEP1からSTEP3へ進ませる。
STEP2では、送風流量マップ切替部44は、標準特性マップF1を選択する。STEP3では、送風流量マップ切替部44は、効率優先特性マップF2を選択する。送風流量マップ切替部44は、STEP2又は3の実行後、処理をSTEP2又は3からSTEP4へ進ませる。
STEP4では、対流ファン制御部43は、現在のバーナ火力RをRnとして認識する。対流ファン制御部43は、Rn=火力設定部41における現在の設定火力として、Rnを火力設定部41の出力からRnを認識する。なお、所定の温度センサを例えばバーナ20又はその近辺に配備し、該温度センサの出力からRnを検出することもできる。
STEP5では、対流ファン制御部43は、STEP4で認識したバーナ火力Rnを標準特性マップF1(標準モードが選択されている場合)又は効率優先特性マップF2(効率優先モードが選択されている場合)に適用して、Rnに対応する送風流量Gnを求める。Gnは本発明の設定送風流量に相当する。
STEP6では、対流ファン制御部43は、Gnに対応する駆動電圧を駆動モータ35に出力する。この結果、対流ファン34は、Gnを生じる回転速度で回転する。
密閉式石油温風暖房機1が標準モードで運転されている場合は、対流ファン34の送風流量Gはバーナ火力Rに対して図3の標準特性マップF1の特性となって、各バーナ火力に対する送風流量Gが抑えられるので、対流ファン34の静音性が高まる。一方、密閉式石油温風暖房機1が効率優先モードで運転されている場合は、対流ファン34の送風流量Gはバーナ火力Rに対して図3の効率優先特性マップF2の特性となって、各バーナ火力に対する送風流量Gが高められるので、熱交換器28の熱交換効率が高まる。
なお、標準特性マップF1及び効率優先特性マップF2の特性に係るデータは、ROMに記憶されているが、典型的には、火力制御範囲Rmin〜Rmaxを有限数nで等分割し、Rmin,Rmax及び等分割点のRとそれに対応する駆動モータ35の駆動電圧VのみのデータをROMに記憶する。そして、対流ファン制御部43が、バーナ火力Rに対応する駆動モータ35の駆動電圧Vを求める場合に、バーナ火力RのデータがROMに記憶されていないときは、対流ファン制御部43は、周知の補間法によりバーナ火力Rに対応する駆動電圧Vを算出する。
図3の標準特性マップF1及び効率優先特性マップF2の特性は、線分で設定されているので、ROMに記憶する標準特性マップF1及び効率優先特性マップF2のデータは、該線分の傾き、該線分上の所定の1点の(R,V)、及びRmin,Rmax,Riのデータのみに留めて、記憶する送風流量マップのデータ量を低減することもできる。なお、その場合は、任意のバーナRに対する駆動電圧は、線分の式から算出されることになる。
本発明の実施形態について説明した。標準特性マップF1は、本発明の第1特性マップに相当し、効率優先特性マップF2は、本発明の第2特性マップに相当する。本発明では、第2特性マップとして、効率優先特性マップF2以外の効率優先特性マップを採用することもできる。
実施形態では、Riは、手操作による火力調節の「微小」、「小」、「中」及び「大」のうち、「中」の火力として設定したが、「小」に設定したり、「小」と「大」との間の火力に設定することもできる。
実施形態において説明した火力調節部における「微小」、「小」、「中」及び「大」は、手操作で火力を調節する場合に、バーナの火力を所定の火力制御範囲内で設定する際の所定の暖房条件の一例である。実施形態において説明したTd>Tr+Th,Tr−Th≦Td≦Tr+Th,Td<Tr−Thは、自動で火力を調節する場合に、バーナの火力を所定の火力制御範囲内で設定する際の所定の暖房条件の一例である。
図3では、第2特性としての効率優先特性マップF2は、1つだけであるが、複数の効率優先特性マップF2a,F2b,・・・、設定することもできる。例えば、F2a,F2b,・・・の順番で、各バーナ火力Rに対して対流ファン34の送風流量Gが多くなるように、設定されてあれば、ユーザは、対流ファンの34の作動音を許容できる範囲で、熱交換器28の熱交換効率が最大となる効率優先特性マップを選択して、熱交換器28の熱交換効率を高くした運転を密閉式石油温風暖房機1に行わせることができる。
1・・・密閉式石油温風暖房機、20・・・バーナ、27・・・内部排気管(排気通路)、28・・・熱交換器、34・・・対流ファン、37・・・対流通路、41・・・火力設定部、42・・・火力制御部、43・・・対流ファン制御部、44・・・送風流量マップ切替部。

Claims (2)

  1. 石油を、屋外から吸入された空気と混合して燃焼させるバーナと、
    前記石油の燃焼により生じた燃焼排ガスを屋外へ導く排気通路と、
    両端が室内に連通した対流通路と、
    前記対流通路の一端から他端へ室内空気を流す対流ファンと、
    前記排気通路の燃焼排ガスと前記対流通路の室内空気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
    所定の暖房条件に応じて前記バーナの火力を所定の火力制御範囲内で設定火力として設定する火力設定部と、
    前記火力設定部が設定した設定火力にバーナの火力を制御する火力制御部と、
    前記火力制御範囲におけるバーナ火力に対して、前記対流ファンの送風流量を設定する送風流量マップに、前記火力設定部で設定された設定火力を適用して、該設定火力に対応する前記対流ファンの送風流量を設定送風流量として求め、該設定送風流量に前記対流ファンの送風流量を制御する対流ファン制御部と、
    ユーザの指示に応じて、前記送風流量マップを、前記火力制御範囲の最小火力と最大火力とをそれぞれ前記対流ファンの所定の送風流量制御範囲における最小送風流量と最大送風流量とに対応付けるとともに、前記火力制御範囲において前記バーナの火力の増大に連れて前記対流ファンの送風流量が増大する第1特性マップと、前記最小火力と前記最大火力との間の火力としての中間火力を設定し、前記最小火力と前記中間火力とをそれぞれ前記最小送風流量と前記最大送風流量とに対応付けるとともに、前記最小火力と前記中間火力との間の火力範囲では、前記対流ファンの送風流量が前記第1特性マップよりも大きい側に設定されている第2特性マップとに切替える送風流量マップ切替部とを備えることを特徴とする密閉式石油温風暖房機。
  2. 請求項1記載の密閉式石油温風暖房機において、
    前記第2特性マップは、前記中間火力と前記最大火力との間の火力範囲では、前記対流ファンの送風流量が前記最大送風流量に設定されていることを特徴とする密閉式石油温風暖房機。
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