JP2015017542A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速時における運動エネルギーを効率良く回生できる車両制御装置を提供する。【解決手段】この車両制御装置は、エンジンの動力で駆動される可変容量コンプレッサの容量制御を行うことによってエアコンの冷却能力を制御する車両制御装置である。この車両制御装置は、自車両の減速の開始を予測する減速予測手段と、可変容量コンプレッサの容量を制御する容量制御手段と、を有する。そして、減速予測手段により自車両の減速の開始が予測された場合に、容量制御手段が、自車両の減速開始よりも前に可変容量コンプレッサの容量を増大させる早期制御を実施する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の運動エネルギーをエアコンの冷却能力に回生させる車両制御装置に関する。
従来、車両が減速するときの運動エネルギーの一部を、可変容量コンプレッサ(以下、単にコンプレッサと示す)の駆動に用いて冷却能力に回生させる車両制御装置が知られている。
一般に、コンプレッサの容量が大きいほど回生エネルギーが大きくなることから、特許文献1では、エンジンの回転数が減少する際に、コンプレッサの容量を増加させる車両用空調制御装置が提案されている。この車両用空調制御装置は、車両が減速状態にあるか否かを判定し、減速状態であればコンプレッサの容量を増加させるようにするものである。
特開2004−231097号公報
しかしながら、特許文献1に提案された車両用空調制御装置は、車両が減速を開始したことをトリガーとしてコンプレッサの容量の増加を開始させる。このため、回生可能なエネルギーが大きい減速開始直後には、コンプレッサの容量を十分に確保することができず、エネルギーの回生が効率的ではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、減速時における運動エネルギーを効率良く回生できる車両制御装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンの動力で駆動される可変容量コンプレッサ(200)の容量制御を行うことによってエアコンの冷却能力を制御する車両制御装置であって、自車両の減速の開始を予測する減速予測手段(13)と、可変容量コンプレッサの容量を制御する容量制御手段(11)と、を有し、減速予測手段により自車両の減速の開始が予測された場合に、容量制御手段が、予測された減速開始タイミングよりも前に可変容量コンプレッサの容量を増大させる早期制御を実施することを特徴としている。
これによれば、この車両制御装置が減速予測手段を有していることにより、自車両が減速を開始する前に、容量制御手段が可変容量コンプレッサの容量を増大させることができる。このため、減速開始後にコンプレッサの容量を増大させる場合に較べて、減速を開始する時点におけるコンプレッサの容量を大きくしておくことができる。減速開始直後は自車両の運動エネルギーが大きいため、本発明を採用することにより、効率良くエネルギーをエアコンの冷却能力に回生させることができる。
第1実施形態に係る車両制御装置およびその周辺装置の概略構成を示すブロック図である。 車両制御装置の動作フローを示すフロー図である。 第2実施形態に係る車両制御装置におけるアクセルペダルの踏み込み量およびその変化量を示す図である。 第4実施形態に係るエアコン制御部およびその周辺装置の概略構成を示すブロック図である。 第6実施形態に係る早期制御の開始タイミングを示すタイミングチャートである。 第7実施形態に係るエンジンおよび補機の動作を示すタイミングチャートである。 エアコン制御部およびその周辺装置の概略構成を示すブロック図である。 ステップS3の詳細な動作フローを示すフロー図である。 第8実施形態に係る車両制御装置の動作フローを示すフロー図である。 ステップS14およびステップS20に係る回復制御の詳細な動作フローを示すフロー図である。 回復制御時におけるコンプレッサの容量変化を示すタイミングチャートである。 第9実施形態に係る可変容量コンプレッサの動作を示すタイミングチャートである。 可変容量コンプレッサの動作を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る車両制御装置の概略構成について説明する。
本実施形態に係る車両制御装置100は、図1に示すように、エアコン制御部10、エンジン制御指示部20、補機制御指示部30、周辺情報取得部40および減速履歴処理部50を有する。また、この車両制御装置100は、自車両が減速する可能性がある条件が記録された減速条件データベース(減速条件DB)60を有する。
エアコン制御部10は自車両内の空調を制御する部分である。また、このエアコン制御部10は、自車両が減速するときの運動エネルギーの一部をエアコンの冷却能力に回生させるための制御も行う。このため、エアコン制御部10は、可変容量コンプレッサ200(以下、コンプレッサ200と示す)の容量を制御する容量制御部11を有する。また、コンプレッサ200の容量が現在の容量から別の容量に変化するために要する時間を推定する到達時間推定部12を有する。
さらに、本実施形態に係るエアコン制御部10は減速予測部13を有する。本実施形態の特徴は、自車両が減速を開始する前にコンプレッサ200の容量を増大させて、減速時における自車両の運動エネルギーをエアコンの冷却能力に回生させることにある。減速予測部13は、自車両が実際に減速を開始する前に、将来減速するか否かを予測する部分であり、本実施形態の要部である。減速予測部13は、以下に記載するエンジン制御指示部20、補機制御指示部30、周辺情報取得部40および減速履歴処理部50から入力される各種情報に基づいて自車両の減速予測を行う。そして、自車両の減速が予測された場合に、コンプレッサ200の容量を予測された減速開始タイミングの前に増大させる早期制御を実施するよう信号を容量制御部11へ出力する。
エンジン制御指示部20は、エンジン制御部としてのエンジンECU(電子制御装置)300と、減速予測部13とを中継している。エンジンECU300は、エンジン310の回転数や燃料噴射量、スロットル開度のほか、エンジン310の動作にかかる要素を制御する部分である。エンジン制御指示部20は、減速予測部13からの信号に基づいてエンジン310の出力を変更するようエンジンECU300に指示したり、図示しないアクセルポジションセンサによりアクセルペダル400の踏み込み量(回転角)を取得し、取得した情報を減速予測部13に出力したりする。
補機制御指示部30は、補機制御部としての補機ECU500と、減速予測部13とを中継している。補機ECU500は、エンジン310からエネルギーの供給を受けて駆動する補機の動作を制御する部分である。補機とは、例えばオルタネータ510であり、本実施形態における補機制御指示部30は、減速予測部13からの信号に基づいてオルタネータ510の励磁電流量を制御して発電量を調整するよう、補機ECU500に指示を出す。
周辺情報取得部40は、自車両周辺の交通情報や地図情報を取得し、その情報を自車両の減速予測のために減速予測部13に出力する部分である。周辺情報取得部40は、ナビゲーション装置600と通信可能に接続され、地図情報のほか、例えば一時停止指示や信号、交差点の位置情報を取得する。また、周辺情報取得部40は、路車間通信装置700と通信可能に接続され、例えば信号の状態や規制情報、歩行者情報を取得する。さらに、周辺情報取得部40は、車車間通信装置800と通信可能に接続され、例えば自車両の周辺に存在する他車両の位置や速度の情報を取得する。
減速履歴処理部50は、記憶装置であるメモリ900と減速予測部13とを中継している。メモリ900は、例えばブレーキECU1000に接続され、自車両における過去の減速の履歴を蓄積する。減速履歴処理部50は、それらの情報を自車両の減速予測のために減速予測部13に出力する部分である。減速履歴処理部50は、例えば、減速のタイミングを自車両の速度や加速度と関連付けて減速予測部13にフィードバックする。また、減速のタイミングを周辺情報取得部40により取得される地図情報と減速位置を関連付けて減速予測部13にフィードバックする。
減速条件DB60は記憶装置に記録されたデータベースであり、自車両が遭遇すると想定される複数のシチュエーションと、各シチュエーションに対する自車両の減速確率が設定および保存されている。自車両が遭遇すると想定されるシチュエーションとは、例えば、「自車両が一時停止の道路標示に近づく」などというものである。そして、このシチュエーションに対する自車両の減速確率は、例えば、「95%」のように設定されている。なお、自車両がシチュエーションに遭遇する、とは、上記例では「自車両が一時停止の道路標示に近づく」に相当する条件を満たしていることを指す。例えば、一時停止の道路標示から所定半径内に自車両が存在し、且つ、自車両の速度ベクトルが一時停止の道路標示に向いていることをもって、「自車両が一時停止の道路標示に近づく」が成立する。そして、この条件が成立する場合において、自車両の減速確率が95%となる。この条件を満たさなければ、「自車両が一時停止の道路標示に近づく」は不成立となり、減速確率は0%に設定される。したがって、各シチュエーションに設定された減速確率は、自車両の置かれた状況によって変動する。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る車両制御装置100の動作フローについて説明する。
初めに、ステップS1を実施する。ステップS1は、自車両が減速すると想定されるシチュエーション下にあるか否かを判定するステップS1である。具体的には、減速予測部13が、エンジン制御指示部20、周辺情報取得部40、減速履歴処理部50および図示しない車速センサ等の各種センサからの情報と、減速条件DB60に記録されたシチュエーションとを比較する。そして、自車両の状態が減速条件DB60に記録されたシチュエーションに合致する場合(Yes判定)はステップS2に進む。すなわち、少なくとも一つのシチュエーションが成立した場合にステップS2に進む。合致しない場合(No判定)はステップS9に進む。ここでは、ステップS1においてYes判定だった場合を例に以下説明する。
次いで、ステップS2を実施する。ステップS2は、ステップS1において想定されたシチュエーションにおける自車両の減速確率が、早期制御を実施するための所定閾値以上か否かを判定するステップである。減速確率が所定閾値以上である場合(Yes判定)はステップS3に進む。減速確率が所定閾値未満である場合(No判定)はステップS9に進む。ここでは、ステップS2においてYes判定だった場合を例に以下説明する。
次いで、ステップS3を実施する。ステップS3は、コンプレッサ200の目標容量を算出するステップである。コンプレッサ200の容量が大きいほど、多くの運動エネルギーをエアコンの冷却能力に回生できるため、通常は、そのとき自車両が置かれた状況下における増大可能な最大容量を目標容量とする。
次いで、ステップS4を実施する。ステップS4は、コンプレッサ200の容量の現在値を取得するステップである。
次いで、ステップS5を実施する。ステップS5は、コンプレッサ200の容量の増大に要する時間を算出するステップである。具体的には、到達時間推定部12が、ステップS4で取得した現状のコンプレッサ容量が、ステップS3で算出したコンプレッサ200の目標容量に到達するまでの到達時間を算出する。
次いで、ステップS6を実施する。ステップS6は、予測された減速開始タイミングと、上記の到達時間と、に基づいて、早期制御の開始タイミングを算出するステップである。早期制御の開始タイミングとしては、減速開始タイミングよりも到達時間以上遡った時刻が設定される。
次いで、ステップS7を実施する。ステップS7は、ステップS6で算出した早期制御の開始タイミングと現時刻とを比較するステップである。現時刻に対して、早期制御の開始タイミングがすでに過去である場合(Yes判定)には、早期制御を行わずにステップS9に進む。逆に、現時刻に対して、早期制御の開始タイミングが未来である場合(No判定)には、ステップS8の早期制御を行う。すなわち、減速予測部13が容量制御部11に対して、早期制御の開始タイミングに至ると同時にコンプレッサ200の容量の増大を開始させるように制御パターンを出力する。
次いで、ステップS9を実施する。ステップS9は、前ステップの状態を所定の時間だけ継続するステップである。すなわち、前ステップを実施後、ステップS9において所定時間だけウェイト時間を持ってステップS10に進む。
次いで、ステップS10を実施する。ステップS10は、自車両が走行を終了している、あるいは冷房がオフされているか否かを判定するステップである。自車両が走行状態を維持しつつ冷房がオンの状態の場合(No判定)には、ステップS1に戻り、ステップS1〜S10を継続する。一方、自車両が走行を停止した、または冷房がオフされた場合(Yes判定)には、本実施形態に係る車両制御装置100の動作フローを終了する。
次に、上記した動作フローにおけるステップS1の減速予測の方法について、具体的に説明する。なお、本実施形態では、主に周辺情報取得部40を利用した予測方法について詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態における車両制御装置100は周辺情報取得部40を有する。そして、周辺情報取得部40には、ナビゲーション装置600、路車間通信装置700および車車間通信装置800が接続されている。
減速予測の一例として、自車両が一時停止の指示のある地点に近づいたことをもって、この自車両が将来減速するであろうことを予測することができる。道路交通法43条(平成25年7月10日現在)によれば、車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあっては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。これを利用して、自車両が一時停止の指示のある地点に近づいた場合に減速すると、減速予測部13に予測させる。ナビゲーション装置600は地図情報を有するとともに、GPS(全地球測位システム)を通じて、地図上の車両位置を追跡する。地図情報には、一時停止の道路標示や道路標識の設置位置の情報が予め含まれている。また、ナビゲーション装置600は、GPSを用いて所定時間間隔における車両位置を測位し、この結果に基づいて周辺情報取得部40が自車両の現在位置や進行方向を算出する。また、ナビゲーション装置600は、一時停止の道路標示や道路標識の設置位置の情報や、自車両の現在位置および進行方向についての情報を周辺情報取得部40に出力する。これにより、周辺情報取得部40は、一時停止の指示のある地点から所定距離内において、自車両が当該地点に近づきつつあることを把握することができる。そして、周辺情報取得部40は、自車両が一時停止の指示のある地点に近づきつつあることを減速予測部13に伝達する。このようにして、自車両が一時停止の指示のある地点に近づいたことをもって、この自車両が将来減速するであろうことを予測することができる。なお、一時停止の道路標示や道路標識の設置位置の情報は、路車間通信装置700を介して、道路上に設置された路側機から取得することもできる。
また、減速予測の他の例として、自車両が、カーブのある地点に、所定速度以上で近づいたことをもって、自車両が将来減速するであろうことを予測することができる。上記した一時停止指示の場合と同様に、周辺情報取得部40は、ナビゲーション装置600により、自車両がカーブに近づいたことを把握することができ、その情報を減速予測部13に伝達することができる。また、図示しない車速センサによりカーブに接近する自車両の速度をモニタリングする。これにより、減速予測部13は、自車両が所定の速度以上でカーブに近づくため、減速の可能性が高いと予測することができる。なお、カーブの定義について、予め所定以上の曲率半径を有する道路をカーブであるとしてもよいし、自車両の速度に応じてカーブであると判定すべき曲率半径を変動させてもよい。例えば、車速が速いほど、より大きな曲率半径の道路でもカーブと判断されるように設定してもよい。なお、カーブの位置情報についても、路車間通信装置700を介して、道路上に設置された路側機から取得する方法を採用することもできる。
また、減速予測の他の例として、自車両が交差点に近づいたことをもって、自車両が将来減速するであろうことを予測することができる。上記した一時停止指示あるいはカーブの場合と同様に、周辺情報取得部40は、ナビゲーション装置600により、自車両が交差点に近づいたことを把握することができ、その情報を減速予測部13に伝達することができる。これにより、減速予測部13は、自車両が交差点に近づくため、減速の可能性が高いと予測することができる。
具体的には、例えば、自車両が走行する道路に対して優先道路が交差する交差点に近づいた場合には、自車両が減速する可能性が高い。ナビゲーション装置600が有する地図情報には、優先道路の情報が予め含まれている。したがって、ナビゲーション装置600の有する地図情報、あるいは、道路上に設置された路側機との路車間通信によって、周辺情報取得部40は、自車両が、優先道路が交差する交差点に近づいたことを把握することができる。
なお、自車両が交差点に接近したとしても、そのまま直進する場合には減速の必要がないことがある。ただし、当該交差点で右左折を行う場合には減速の可能性が高い。ナビゲーション装置600は、一般的に、自車両を目的地まで案内するための経路を運転者に提示する経路提示手段、いわゆるルート案内を行う機能を有する。運転者がルート案内の機能を利用している場合、周辺情報取得部40は、ナビゲーション装置600により、自車両が右左折の予定された交差点に近づいたことを把握することができる。そして、周辺情報取得部40は、その情報を減速予測部13に伝達することができる。また、図示しない車速センサにより交差点に接近する自車両の速度をモニタリングする。これにより、減速予測部13は、自車両が所定の速度以上で右左折の予定された交差点に近づくため、自車両が減速する可能性が高いと予測することができる。
また、減速予測の他の例として、自車両と、該自車両の所定範囲内に存在する他車両と、の間の走行に関する相対関係を取得し、取得した情報に基づいて自車両の減速を予測することができる。相対関係とは、自車両と他車両との相対速度や相対位置を指す。車車間通信装置800は、自車両と、自車両の周辺を走行する他車両と、の間で通信を行うものである。車車間通信では、例えば、位置や速度などの情報を、自車両と他車両とで共有する。これにより、例えば、前方を走行する他車両が減速した場合や、他車線を走行していた他車両が自車両と同じ車線に車線変更して自車両の前方に割り込んだ場合など、の状況に応じて、減速予測部13が自車両の減速を予測することができる。
とくに、自車両の所定範囲内に存在する他車両として、自車両と同一の車線における直近の前走車を対象とすると、より減速の予測を行い易い。すなわち、直近の前走車が減速したこと、または、自車両と前走車との車間距離が所定値以下になったことをもって、減速予測部13が自車両の減速を予測することができる。なお、自車両の所定範囲内に存在する他車両の走行状況、または、自車両と他車両との間の車間距離の情報は、本実施形態のような車車間通信装置800を利用する他に、ミリ波レーダーや車載カメラを用いて取得することもできる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、主に周辺情報取得部40を利用した予測方法について説明した。本実施形態では、図2に示した動作フローにおけるステップS1の減速予測の方法について、エンジン制御指示部20を利用したものについて説明する。なお、車両制御装置100およびその他の周辺装置類の構成は第1実施形態と同様であるため、詳細の記載を省略する。
図1に示すように、車両制御装置100は、エンジン制御指示部20を有する。エンジン制御指示部20はエンジンECU300を介してエンジン310およびアクセルペダル400に接続される。エンジン制御指示部20は減速予測部13からの信号に基づいて、エンジンECU300に対して、エンジン310の制御に関する指示を出す。なお、エンジンECU300は、アクセルペダル400の踏み込み量に応じてエンジン310の出力を調整する。
減速予測の一例として、アクセルペダル400の踏み込み量およびその変化量を取得し、その情報に基づいて自車両の減速を予測することができる。エンジン制御指示部20は、アクセルペダル400に設置された図示しないアクセルポジションセンサから、アクセルペダル400の踏み込み量を取得する。エンジン制御指示部20はアクセルペダル400の踏み込み量の時間変化を演算(微分処理)して、アクセルペダル400の踏み込み量とその変化量を減速予測部13に出力する。すなわち、減速予測部13は、図3に示すような、アクセルペダル400の踏み込み量およびその変化量の情報をエンジン制御指示部20から取得する。そして、踏み込み量の変化量が正の値を取る範囲において、その変化量が極大値を示すことをもって自車両が減速すると予測することができる。具体的には、踏み込み量の変化量を、所定の時間間隔で随時モニタリングし、ある時点(図3における点A)における変化量を、次の時点(図3における点B)の変化量が所定値以上下回ったとき、点Aを変化量の極大値と判定して、自車両が減速すると予測する。
(第3実施形態)
本実施形態では、図2に示した動作フローにおけるステップS1の減速予測の方法について、減速履歴処理部50を利用したものについて説明する。なお、車両制御装置100およびその他の周辺装置類の構成は第1実施形態と同様であるため、詳細の記載を省略する。
図1に示すように、車両制御装置100は、減速履歴処理部50を有する。減速履歴処理部50は、データの書き換えが可能なメモリ900に接続され、自車両が実際に減速動作を実施した履歴をメモリ900に記録していく。そして、減速予測部13は、記録された減速履歴に基づいて自車両の減速を予測する。
減速予測の一例として、減速履歴処理部50とともに、第1実施形態に詳述した周辺情報取得部40を有する例を示す。減速履歴処理部50は、ナビゲーション装置600の有する地図情報と、メモリ900に保存された過去における自車両の減速履歴と、を互いに関連付ける。換言すれば、過去、当該自車両が実際に減速した地点が、減速履歴処理部50によって地図情報に付加される。これによれば、自車両が、過去に減速した頻度の高い地点に、所定速度以上で近づいたことをもって、自車両が将来減速するであろうことを予測することができる。周辺情報取得部40は、ナビゲーション装置600および減速履歴処理部50により、自車両が過去に減速した頻度の高い地点に近づいたことを把握することができ、その情報を減速予測部13に伝達することができる。また、図示しない車速センサにより当該地点に接近する自車両の速度をモニタリングする。これにより、減速予測部13は、自車両が所定の速度以上で当該地点に近づくため、減速の可能性が高いと予測することができる。
減速予測の他の例として、減速履歴処理部50とともに、第2実施形態に詳述したエンジン制御指示部20を有する例を示す。減速履歴処理部50は、アクセルペダル400の踏み込み量およびその変化量と、メモリ900に保存された過去における自車両の減速履歴と、を互いに関連付ける。換言すれば、減速履歴処理部50は、運転者のアクセルペダル400の踏み込み量の変化量と減速の相関関係を統計的に蓄積し、運転者の癖として学習する。例えば、運転者が、アクセルペダル400の踏み込み量の変化量が所定の値以上の場合に、次の動作として減速の傾向にあるとする。減速履歴処理部50は、アクセルペダル400の踏み込み量の変化量が所定の値以上の状況下で、運転者が減速の操作を行う確率を算出して減速条件DB60に保存する。減速予測部13は、アクセルペダル400の踏み込み量の変化量として上記所定の値が検出された際に、算出された確率を減速確率として、自車両が減速すると予測することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、複数のシチュエーションが同時に発生した場合における早期制御の実施について説明する。
図2に示すように、自車両の減速開始前にコンプレッサ200の容量を増大させる早期制御を実施するステップS8を実行するには、ステップS2がYes判定でなくてはならない。すなわち、各シチュエーションに応じたシチュエーション別減速確率Qが予め判っていなければならない。上述したように、車両制御装置100は減速条件DB60を有し、減速条件DB60には、自車両が遭遇すると想定される複数(例えば、n個)のシチュエーションと、各シチュエーションに対する自車両のシチュエーション別減速確率Q(i=1,2,3,・・・,n)が設定および保存されている。このため、自車両が、ある時刻において、単一のシチュエーションに遭遇した場合には、図2に示すステップS2において、各シチュエーションに設定されたそれぞれのシチュエーション別減速確率Qと予め設定された閾値とを比較すればよい。
これに対して、自車両が複数のシチュエーションに同時に遭遇することが減速予測部13によって予測された場合、減速確率Qを、
Q=1−(1−Q)(1−Q)…(1−Q
のように計算させることにより、複数のシチュエーションを考慮に入れた、総合した減速確率Qを算出することができる。第1実施形態において記載したように、シチュエーション別減速確率Qは自車両の置かれた状況(自車両の位置や速度)によって変動するものであるため、総合した減速確率Qもまた、自車両の置かれた状況によって変動する。ステップS2では、この総合した減速確率Qと、所定の閾値とを比較する。そして、総合した減速確率Qが閾値以上となった場合にステップS3に進む。
なお、上式によれば、遭遇するシチュエーションが単一の場合には、総合した減速確率Qも単一シチュエーションのときのシチュエーション別減速確率と等しくなる。このため、上式により表される総合した減速確率Qは、自車両が単一もしくは複数のシチュエーションに遭遇する場合いずれでも適用可能である。
(第5実施形態)
本実施形態では、上述の減速確率に加えて、エアコンの冷房状態を考慮に入れて早期制御の実施の有無を判定する例を示す。なお、本実施形態にて記載の減速確率は、シチュエーション別減速確率および総合した減速確率のいずれでも適用できるため、単に減速確率と示す。
図2に示すフロー図のステップS2において、減速確率Qと比較される閾値Qthを、エアコンの冷却能力の需要量Eに依存するように設定する。例えば、Qth∝1/Eとすることによって、需要量が大きい場合には、減速確率Qが小さくても早期制御を行うようにすることができる。なお、冷却能力の需要量とは、運転者による設定温度に到達させるために必要な冷却能力等を指す。
これによれば、自車両がエアコンの冷却能力の需要量が大きい状況下において、減速確率Qに対する閾値Qthを小さくでき、減速確率が低いシチュエーションでありながら自車両の減速が開始された場合でも減速のエネルギーを回生しやすくすることができる。逆に、自車両がエアコンの冷却能力の需要量が小さい状況下において、減速確率Qに対する閾値Qthを大きくでき、減速確率が高いシチュエーションでありながら自車両の減速が開始されなかった場合でも、冷却能力を過剰に上昇させることを抑制することができる。
(第6実施形態)
第1実施形態にて記載したように、図2に示すフロー図のステップS3〜S8においては、早期制御の開始タイミングが現時刻よりも未来である場合には早期制御を実施する。しかしながら、早期制御の開始タイミングが実際の減速に対して早すぎると、車両の運動エネルギーがエアコンの冷却能力の回生されすぎてしまい、燃費の悪化に繋がる虞がある。本実施形態では、これを抑制する構成について説明する。
ステップS6において、早期制御の開始タイミングとして、減速開始タイミングよりも到達時間だけ遡った時刻を設定する。これにより、図5に示すように、コンプレッサ200の容量が、目標容量に到達すると同時に自車両の減速が開始される。したがって、減速前に、自車両の運動エネルギーがエアコンの冷却能力の回生されすぎることなく、減速開始時にコンプレッサ200の容量を最大にしておくことができる。
(第7実施形態)
従来、車両の減速の開始と同時にコンプレッサ200の容量を増大させていた。しかしながら、本実施形態の主旨は、車両の減速開始時にコンプレッサ200の容量を前もって目標容量まで増大させておくことであり、車両の減速開始時に回生されるエネルギーが従来よりも大きい。したがって、車両の減速開始時において、従来に較べて過度な減速感を伴う虞がある。本実施形態では、これを抑制する構成について説明する。
図1に示すように、車両制御装置100は補機制御指示部30を有する。補機とはエンジン310からのエネルギー供給によって駆動されるものであって、本実施形態における補機はオルタネータ510である。補機制御指示部30は補機ECU500に指示を出すことにより、オルタネータ510に与える励磁電流を制御させ、オルタネータ510の発電量を調整する。
過度な減速感は、自車両の減速開始時においてコンプレッサ200の容量が従来よりも大きくなっており、運動エネルギーが過度に回生されることが原因である。このため、補機の消費エネルギーを減少させる操作を行うことにより、運動エネルギーの過度な減少を抑制することができる。あるいは、エンジン310の出力を上昇させることにより、運動エネルギーの過度な減少を抑制することができる。
具体的なオルタネータ510の駆動としては、図6に示すように、早期制御によってコンプレッサ200の容量の増大を開始させた後、自車両が減速を開始する前に励磁電流を抑制し、減速開始後に増加させる。これにより、オルタネータ510の消費エネルギーを減少させることができ、運動エネルギーの過度な減少を抑制することができる。したがって、早期制御による過度な減速感を抑制することができる。オルタネータ510は、コンプレッサ200に較べて、消費エネルギーを変更させるための動作について応答速度が速い。このため、自車両の減速開始後にオルタネータ510の励磁電流を短時間内に増加させることにより、回生エネルギー量の向上とドライバビリティ維持とを両立することができる。さらに、この制御は、エンジン310の出力を変化させるものではないため、後述する早期制御を中止するような制御が行われた場合であっても、余分な燃料を消費することがない。このため、早期制御を中止する制御が行われた場合の燃費の悪化を抑制することができる。
一方で、エンジン310の出力を増大させることにより、過度な減速感を抑制することもできる。例えば、燃料噴射量を大きくすることにより、エンジン310の出力を増大させることができる。噴射量の時間変化としては、図6に示すように、早期制御によってコンプレッサ200の容量の増大を開始させると同時に燃料噴射量の増大を開始し、減速開始と同時に噴射をオフにする。あるいは、スロットル開度を大きくすることにより、エンジン310の出力を増大させることができる。開度の時間変化としては、図6に示すように、早期制御によってコンプレッサ200の容量の増大を開始させると同時に開度を大きくし始め、減速開始と同時に閉じる。これにより、コンプレッサ200に回生されるエネルギーのうち過度な減速感に起因する成分を、エンジン310の出力の増分で補填することができる。したがって、過度な減速感を抑制することができる。
なお、本実施形態では、自車両が、補機としてオルタネータ510を有する例を示したが、補機として、例えば、冷却水用のウォーターポンプを用いてもよい。ウォーターポンプの駆動としては、図6に示すように、早期制御によってコンプレッサ200の容量の増大を開始させた後、自車両が減速を開始する前にウォーターポンプ容量を抑制し、減速開始後に増加させる。これにより、ウォーターポンプの消費エネルギーを減少させることができ、運動エネルギーの過度な減少を抑制することができる。したがって、過度な減速感を抑制することができる。
さらに、自車両の過度な減速感を抑制する構成として、図7に示すように、減速予測部13が制動力推定部15を有するようにするとよい。制動力推定部15は、自車両の置かれたシチュエーションと、車速と、ナビゲーション装置600の有する地図情報と、GPSにより得られる自車両の現在位置の情報と、に基づいて、自車両の停止位置を推定し、減速開始時の車速を予測し、自車両の制動に必要かつ十分な制動力を推定する。そして、その制動力を発揮するための、コンプレッサ200の目標容量を算出して容量制御部11に伝達する。これによれば、コンプレッサ200の容量の増分を必要最小限にすることができる。したがって、必要以上の制動力を発揮することを抑制でき、過度の減速感を生じさせないようにすることができる。
制動力推定部15の具体的な動作フローについて、図8を参照して説明する。なお、図8に示すフローは、図2におけるフローのうち、ステップS3に相当する。
ステップS2において、あるシチュエーションにおける減速確率が閾値以上であると判定(Yes判定)されると、ステップS31に進む。ステップS31は、自車両の置かれたシチュエーションと、ナビゲーション装置600の有する地図情報と、GPSにより得られる自車両の現在位置の情報と、に基づいて、自車両の停止位置を推定するステップである。
ステップS32は、自車両の置かれたシチュエーションと、推定された自車両の停止位置と、現状の車速と、から減速開始時の車速を予測するステップである。
ステップS33は、推定された自車両の停止位置および予測された減速開始時の車速から、停止に要する加速度、ひいては制動力を算出するステップである。
ステップS34は、算出された停止に要する加速度を得るために必要なコンプレッサ200の容量の増分(X)を算出するステップである。
ステップS35は、コンプレッサ200の現状の容量(N)を取得するステップである。
ステップS36は、コンプレッサ200の容量を可能な限り増大させた場合の、最大の容量増分(Y)を算出するステップである。
ステップS37は、上記した、停止に要する加速度を得るために必要なコンプレッサ200の容量の増分(X)と、コンプレッサ200の容量を可能な限り増大させた場合の、最大の容量増分(Y)と、を比較するステップである。ここで、X<Y、すなわち、増大可能な容量範囲内に、停止に要する加速度を得るために必要なコンプレッサ200の容量が含まれる場合には、目標容量を、制動力を得るために必要最低限の容量(N+X)とする(ステップS38)。逆に、X>Y、すなわち、増大可能な容量範囲内に、停止に要する加速度を得るために必要なコンプレッサ200の容量が含まれない場合には、目標容量を、現状可能な最大容量(N+Y)とする(ステップS39)。
以上のステップを経て、目標容量を決定し、図2に示すステップS4に進む。
(第8実施形態)
本実施形態では、早期制御の実施中に、自車両の置かれたシチュエーションが変化した場合の車両制御装置100の動作について、図9〜図11を参照して説明する。なお、図9におけるステップS1〜S10については第1実施形態(図2)に記載のステップと同様であるため、その詳細説明は省略する。
まず、全体の動作フローについて、図9を参照して説明する。
本実施形態では、図9に示すように、ステップS7とステップS8の間のステップS11において、車両制御装置100が早期制御の実施状態にある旨を示すフラグが立つ。すなわち、FLAG=1とする。
まず、第1実施形態において説明したように、ステップS1において、自車両が減速すると想定されるシチュエーション下にあるか否かを判定する。ステップS1において、自車両が減速の想定されるシチュエーションにない場合(No判定)、ステップS12に進む。
ステップS12は、車両制御装置100が早期制御の実施状態にあるか否かを判定するステップである。ステップS12の段階で、すでに早期制御の実施状態にある場合(Yes判定)には、早期制御の実施状態を示すフラグを解除する。すなわち、FLAG=0とする(ステップS13)。そして、容量制御部11が、増大されつつあるコンプレッサ200の容量を、早期制御を行わない通常制御時に容量に回復させる(ステップS14)。一方、ステップS12の段階で、自車両が早期制御の実施状態にない場合(No判定)には、第1実施形態と同様に、ステップS9に進む。なお、ステップS14に示す、コンプレッサ200の容量の回復制御については、追って詳述する。
ステップS1において、自車両が減速の想定されるシチュエーションにある場合(Yes判定)、ステップS15に進む。
ステップS15は、ステップS12と同様に、車両制御装置100が早期制御の実施状態にあるか否かを判定するステップである。ステップS15の段階で、自車両が早期制御の実施状態にない場合(No判定)には、第1実施形態と同様に、ステップS2に進む。ステップS2以降のフローは第1実施形態と同様である。一方、ステップS15の段階で、すでに早期制御の実施状態にある場合(Yes判定)には、ステップS16に進む。
ステップS16は、ステップS2と同様に、ステップS1において想定されたシチュエーションにおける自車両の減速確率が、早期制御を実施するための所定閾値以上か否かを判定するステップである。減速確率が所定閾値以上である場合(Yes判定)はステップS17に進む。減速確率が所定閾値未満である場合(No判定)はステップS18に進む。
ステップS17は、以前遭遇したシチュエーションに対して、直近遭遇したシチュエーションが異なるものであるか否かを判定するステップである。シチュエーションに変更がなければ(No判定)、そのままステップS19に進んで早期制御を続行する。一方、シチュエーションに変更がある場合(Yes判定)、ステップS3へ進んで、再度、コンプレッサ200の容量の目標容量の算出を行う。そして、ステップS3以降は第1実施形態に示したフローに従う。
ステップS16において、直近遭遇したシチュエーション下での減速確率が所定閾値未満である場合(No判定)は、早期制御の実施状態を示すフラグを解除する。すなわち、FLAG=0とする(ステップS18)。そして、容量制御部11が、増大されつつあるコンプレッサ200の容量を、早期制御を行わない通常制御時の容量に回復させる(ステップS20)。そして、ステップS9、S10を経て、ステップS1に戻る、あるいは制御を終了(END)する。
このような動作フローを採用することにより、自車両の置かれたシチュエーションが変化した場合でも、適切な早期制御を実施することができる。あるいは、早期制御を中止することができる。
次に、ステップS14およびステップS20に示す、コンプレッサ200の容量の回復制御について、図10および図11を参照して説明する。
コンプレッサ200の容量の回復制御は、早期制御実施中において、実際には自車両が減速しなかった、あるいは、自車両の置かれたシチュエーションが変更になり、自車両が減速しないシチュエーションであるとされた場合の制御である。
回復制御は、図10に示すように、先ずステップS21を実施する。ステップS21は、コンプレッサ200の容量について、早期制御を実施ししなかった場合(通常制御時)に想定されるコンプレッサ200の容量を算出するステップである。これは、早期制御開始前のコンプレッサ200の容量や、エアコンの冷却能力の需要等から算出することができる。
次いで、ステップS22を実施する。ステップS22は、早期制御実施中である現状のコンプレッサ200の容量を取得するステップである。
次いで、ステップS23を実施する。ステップS23は、現状の容量から、早期制御を実施しなかった場合の容量へ、コンプレッサ200の容量を変化させる際の容量変化率を算出するステップである。この容量変化率は、コンプレッサ200の容量の変化とともに、第7実施形態のように、エンジンや補機を協働させる場合に、エンジン出力や補機のエネルギー消費量の変化率を決定する際に用いられる。このため、エンジンや補機を協働しない場合には、ステップS23を省略してもよい。
次いで、ステップS24を実施する。ステップS24は、容量制御部11がコンプレッサ200の容量を変化させるステップである。また、このステップにおいて、協働するエンジン出力や補機のエネルギー消費量を変化させる。
以上のステップS21〜S24を経て、図11に示すように、コンプレッサ200の容量は、早期制御の状態から通常制御の状態に回復する。
(第9実施形態)
第8実施形態に関連し、自車両の減速予測が失敗して回復制御を行うような状況が発生することを鑑みて、早期制御を行うか否かを判定する例について、図12および図13を参照して説明する。
本実施形態に係る車両制御装置100は、燃料節約量F=FP−F(1−P)が、所定の閾値を超える場合に、早期制御を実施するようにするものである。Pは減速予測の正確率である。Fは、減速予測部13による自車両の減速予測が失敗した場合の、早期制御を実施しない通常制御時に対して余分に必要な燃料消費量である。Fは、自車両の減速予測が成功した場合の、通常制御時に対して節約される燃料消費量である。
以下、具体的に説明する。上記Fは、減速予測が失敗し回復制御を実施したような場合において、コンプレッサ200の早期制御と回復制御に要する燃料消費量から、コンプレッサ200の通常制御時に要する燃料消費量を除いたものである。これは、図12に示すところの、早期制御時のコンプレッサ200の容量変化曲線と、早期制御時のコンプレッサ200の容量変化曲線に囲まれた部分の面積(図12中ハッチング部)に、単位時間当たりの、コンプレッサ駆動に要する平均燃料消費量を乗算したものに相当する。
また、上記Fは、減速予測が成功したような場合であって、減速開始後において、コンプレッサ200の早期制御に要する燃料消費量から、コンプレッサ200の通常制御時に要する燃料消費量を除いたものである。これは、図13に示すように、減速開始タイミング以降において、早期制御時のコンプレッサ200の容量変化曲線と、早期制御時のコンプレッサ200の容量変化曲線に囲まれた部分の面積(図13中ハッチング部)に、単位時間当たりの、コンプレッサ駆動に要する平均燃料消費量を乗算したものに相当する。
なお、減速予測の正確率Pは、第4実施形態に記載した正確率Pと同様であり、正確率算出部14が、減速予測部13によって減速が正しく予測された割合を、過去の統計に基づいて算出したものである。
減速予測部13は、これらF、FおよびPの値から、燃料節約量F=FP−F(1−P)を算出する。燃料節約量Fは、早期制御が失敗した場合のリスクも考慮に入れた燃料消費量の利得である。つまり、燃料節約量Fが所定の閾値以上であれば、早期制御を実施するメリットを生ずる。よって、例えば、図9に示すフロー図において、減速確率を閾値と比較するステップS2およびステップS16の直前に、上記Fが所定の閾値Fth以上か(F≧Fth)を判定させるステップを挿入することにより、早期制御が失敗した場合のリスクも考慮に入れた上で、早期制御を実施するか否かを判断させることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した各実施形態は、いずれも第1実施形態を基準として、アクセルペダル400が接続されたエンジン制御支持部20、オルタネータ510が接続された補機制御指示部30、ナビゲーション装置600等が接続された周辺情報取得部40、減速履歴処理部50を有する構成を示した。しかしながら、これらの構成要素において、独立で自車両の減速が予測可能な場合は、その他の要素を省略してもよい。具体的には、エンジン制御支持部20、周辺情報取得部40、および、減速履歴処理部50のうち少なくとも一つを有していれば、予測された自車両の減速開始タイミング前にコンプレッサ200の容量の増大を開始させることができる。
100・・・車両制御装置
10・・・エアコン制御部,13・・・減速予測部
20・・・エンジン制御指示部
30・・・補機制御指示部
40・・・周辺情報取得部
50・・・減速履歴処理部
60・・・減速条件データベース

Claims (22)

  1. エンジンの動力で駆動される可変容量コンプレッサ(200)の容量制御を行うことによってエアコンの冷却能力を制御する車両制御装置であって、
    自車両の減速の開始を予測する減速予測手段(13)と、
    前記可変容量コンプレッサの容量を制御する容量制御手段(11)と、を有し、
    前記減速予測手段により前記自車両の減速の開始が予測された場合に、前記容量制御手段が、予測された減速開始タイミングよりも前に前記可変容量コンプレッサの容量を増大させる早期制御を実施することを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記可変容量コンプレッサの容量が所定の容量に到達するまでの到達時間を推定する到達時間推定手段(12)を有し、
    前記減速予測手段により推定される減速の開始タイミングよりも前記到達時間だけ前に、前記容量制御手段が、前記可変容量コンプレッサの容量の増大を開始させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記可変容量コンプレッサの容量の増大を開始すると同時に、エンジン制御手段(300)が前記エンジンの出力を上昇させるように指示するエンジン制御指示手段(20)と、
    前記可変容量コンプレッサの容量の増大を開始すると同時に、補機制御手段(500)が前記エンジンからエネルギーの供給を受けて駆動する補機のエネルギー消費を抑制させるように指示する補機制御指示手段(30)と、の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記可変容量コンプレッサの容量が所定の容量に到達するまでの到達時間を推定する到達時間推定手段(12)と、
    過去の予測の成功頻度を蓄積して予測の正確率Pを算出する正確率算出手段(14)と、を有し、
    前記減速予測手段による前記自車両の減速予測が失敗した場合の、前記早期制御を実施しない場合に対する余分な燃料消費量F1と、
    前記減速予測手段による前記自車両の減速予測が成功した場合の、前記早期制御を実施しない場合に対する節約された燃料消費量F2と、から算出される燃料節約量F=FP−F(1−P)が、所定の閾値を超える場合に、前記早期制御を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  5. 前記補機はオルタネータ(510)であり、該オルタネータの発電量を抑制することによりエネルギー消費を抑制させることを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  6. 前記減速予測手段は、前記自車両の位置情報およびその周辺の道路情報を取得し、取得した情報に基づいて前記自車両の減速を予測することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  7. 前記減速予測手段は、
    前記自車両が、一時停止の指示のある地点に近づいたことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項6に記載の車両制御装置。
  8. 前記減速予測手段は、前記自車両の車速を取得し、
    前記自車両が、カーブのある地点に、所定速度以上で近づいたことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両制御装置。
  9. 前記減速予測手段は、
    取得した前記自車両の位置情報およびその周辺の道路情報に基づき、前記自車両が交差点に近づいたことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  10. 自車両を目的地まで案内するための経路を運転者に提示する経路提示手段を備える前記自車両において、
    前記減速予測手段は、前記自車両の車速を取得し、前記自車両が、右左折が予定される交差点に、所定速度以上で近づいたことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
  11. 前記減速予測手段は、
    前記自車両が、該自車両の走行する道路に対して優先道路が交差する交差点に近づいたことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の車両制御装置。
  12. 前記減速予測手段は、前記自車両の車速と、前記自車両の過去における減速の履歴と、を取得し、取得した減速履歴および車速に基づいて、前記自車両が、過去に減速した頻度の高い地点に、所定速度以上で近づいたことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  13. 前記減速予測手段は、前記自車両の車速を取得し、
    減速時の前記自車両の加速度および前記加速度を実現するために必要な制動力を推定する制動力推定手段(15)を備え、
    前記制動力となる容量まで前記可変容量コンプレッサの容量を増大させるように、前記減速予測手段が前記容量制御手段を制御することを特徴とする請求項7または請求項11に記載の車両制御装置。
  14. 前記減速予測手段は、
    前記自車両と、該自車両の所定範囲内に存在する他車両と、の間の走行に関する相対関係を取得し、取得した情報に基づいて前記自車両の減速を予測することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  15. 前記他車両は、前記自車両と同一車線における直近の前走車であり、
    前記前走車が減速したこと、または、前記自車両と前記前走車との車間距離が所定値以下になったことをもって、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項14に記載の車両制御装置。
  16. 前記減速予測手段は、アクセルペダルの踏み込み量およびその変化量を取得し、取得した情報に基づいて前記自車両の減速を予測することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  17. 前記減速予測手段は、
    前記アクセルペダルの踏み込み量の変化量と、前記自車両の過去における減速の履歴と、の相関の統計に基づき、前記踏み込み量の変化量が所定の閾値を超えた場合に、前記自車両が減速すると予測することを特徴とする請求項16に記載の車両制御装置。
  18. 前記減速予測手段は、前記自車両の過去における減速の履歴を取得し、取得した減速履歴に基づいて前記自車両の減速を予測することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  19. 前記減速予測手段により前記自車両の減速が予測される少なくとも1つの外的要因に対して、それぞれシチュエーション別減速確率が設定され、
    前記減速予測手段は、該シチュエーション別減速確率から、総合した減速確率を算出し、
    該総合した減速確率が、所定の閾値を超える場合に、前記容量制御手段が前記早期制御を実施することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  20. 前記シチュエーション別減速確率がQ(n≧1)で与えられ、前記総合した減速確率がQ=1−(1−Q)(1−Q)・・・(1−Q)で与えられることを特徴とする請求項19に記載の車両制御装置。
  21. 前記エアコンの冷却能力の需要量と、前記総合した減速確率と、に基づき、前記減速予測手段が前記早期制御の実施の有無を決定することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の車両制御装置。
  22. 前記エアコンの冷却能力の需要量が大きいほど、前記減速予測手段が前記総合した減速確率Qに対する閾値を小さくすることを特徴とする請求項21に記載の車両制御装置。
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