JP2015016940A - エレベーター昇降路内機器の防錆装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、大雨などによる冠水時に昇降路内機器の防錆特性を維持可能なエレベーター昇降路内機器の防錆装置を提供することにある。【解決手段】本発明であるエレベーター昇降路内機器の防錆装置は、大雨その他の原因で昇降路内の冠水状態を水位センサ1で検知したなら、この検知信号が制御装置2に送信され、この制御装置2はポンプ4に駆動させて、不活性ガスタンク3から配管31、81を介して前記エレベーターブレーキ装置10内部に窒素などの不活性ガスを放出させるよう制御を行い不活性ガスでエレベーターブレーキ装置10内部を満たすことで、この内部の酸素比率を低下、さらに内部圧力上昇による水の流入阻止により、スプラインハブを含むエレベーターブレーキ装置10内部機器の防錆特性を向上させることが可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、エレベーター昇降路内機器の防錆装置に関する。
一般に、エレベーターのディスク式ブレーキは、回転軸上に軸方向のみに移動可能に係合された回転ディスクを固定体に押圧して制動力を発生させている。
この回転ディスクは、回転軸の外周部に設けられ、山部と谷部が交互に一定ピッチで形成されたスプラインハブに係合され、ブレーキの制動及び釈放に伴ってスプラインハブ上をこのスプラインハブの軸方向のみに移動し、回転方向にはスプラインハブを介して回転軸と一体的に回転する。
このようなディスクブレーキでは、回転ディスクを押圧するブレーキライニング等の摩耗粉や周囲の粉塵が回転ディスクとスプラインハブとの係合部に付着すると、回転ディスクがスプラインハブ上で固渋することがある。
したがって、スプラインハブの山部と谷部のそれぞれを、スプラインハブの全周にわたって定期的に清掃する作業が必要であった。
しかし、前記清掃作業により、スプラインハブに塗布されていた防錆油も除去されてしまい、その防錆特性の低下が懸念されている。
ところで従来において、エレベーターのディスクブレーキ以外の分野では、防錆を意図する部位に不活性ガスを外部から導入、充填させることで錆の発生を抑制させる方法が提案されていた(特許文献1〜3参照)。
しかし前記従来における不活性ガスを外部から導入、充填させることで錆の発生を抑制させる方法は、常時、不活性ガスを供給出来るような設備が整った場所、または定期的に不活性ガスの供給源を交換しなければ防錆効果が維持出来ず、屋内・屋外の多種多様な環境に設置されている防錆を意図した機器に対しては新たに設備投資が必要となるため、必ずしも有効ではないという問題があった。
また、大雨その他の原因で防錆を意図する部位が冠水する危機に瀕した場合に対し、これを検知し対応する様な機構は無いという問題があった。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたもので、その目的は、大雨などによる冠水時に昇降路内機器の防錆特性を維持可能なエレベーター昇降路内機器の防錆装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、エレベーターの乗かごが昇降する昇降路内に設置されるエレベーター昇降路内機器の防錆装置において、前記昇降路の底部に設けられ前記昇降路内の冠水状態を検知する水位センサと、前記昇降路内機器に近接して設けられる不活性ガスタンクと、前記水位センサの検知時に前記不活性ガスタンクから不活性ガスを前記昇降路内機器内に放出するとともに、前記不活性ガスの放出終了後に外気を前記昇降路内機器内に放出するポンプとを備えて構成したことを特徴とする。
本発明は以上のようにエレベーター昇降路内機器の防錆装置を構成したため、大雨などによる冠水時に昇降路内機器の防錆特性を維持可能である。
以下、本発明であるエレベーター昇降路内機器の防錆装置の一実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1、2に示すように、本発明のエレベーター昇降路内機器の防錆装置は、昇降路底部9に設けられ昇降路内の冠水状態を検知する水位センサ1と、昇降路内に設置される機器の一つであるエレベーターブレーキ装置10に近接して設けられる不活性ガスタンク3と、前記水位センサ1の検知時に前記不活性ガスタンク3から不活性ガスを前記エレベーターブレーキ装置10内に放出するとともに、前記不活性ガスの放出終了後に外気を前記エレベーターブレーキ装置10内に放出するポンプ4と、このポンプ4の駆動制御を行う制御装置2と、前記ポンプ4を含む防錆装置全体の駆動電源となる単独で発電可能な非常電源5と、前記外気の取込口6と、前記エレベーターブレーキ装置10内の圧力低下を抑制するカバー13とを備えた構成とした。
また前記ポンプ4と前記不活性ガスタンク3との間は配管31で、前記ポンプ4と前記ブレーキ装置10との間は配管81で、前記ポンプ4と前記外気の取込口6とは配管61で各々連結されており、これらの配管を通して不活性ガスもしくは外気がエレベーターブレーキ装置10内に放出される。
さらに、前記配管31、81と前記ポンプ4との間には外気制御弁7が設けられており、不活性ガスタンク3から不活性ガスをエレベーターブレーキ装置10に供給している際に外気を供給しないよう逆止弁とし、外気を供給する際にだけ開く構造である。
さらにまた、前記カバー13の内部には前記エレベーターブレーキ装置10内部の圧力を検出する圧力センサ8が設けられている。
また、外気取込口6および外気制御弁7には、図示しない交換可能なフィルターが取り付けられ、外気から塵埃が流入するのを防止できるよう構成されており、また、湿潤した空気が取り込まれるのを防ぐため、交換可能な乾燥剤、吸湿剤で構成された図示しない力ートリッジが取付け可能に構成されている。
次に本発明であるエレベーター昇降路内機器の防錆装置の動作について説明する。
まず、大雨その他の原因で昇降路内の冠水状態を水位センサ1で検知したなら、この検知信号が前記制御装置2に送信され、この制御装置2はポンプ4に駆動させて、前記不活性ガスタンク3から配管31、配管81を介して前記エレベーターブレーキ装置10内部に窒素などの不活性ガスを放出させるよう制御を行う。
このように不活性ガスでエレベーターブレーキ装置10内部を満たすことで、この内部の酸素比率を低下、さらに内部圧力上昇による水の流入阻止により、スプラインハブを含むエレベーターブレーキ装置10内部機器の防錆特性を向上させることが可能である。
次に、不活性ガスが不活性ガスタンク3内に無くなることで、エレベーターブレーキ10内の圧力が低下し、圧力センサ8の検出値が低下(例えば、1.2気圧を下回った場合)したことを前記制御装置2が判定した場合、この制御装置2は、外気制御弁7を解放するとともに、ポンプ4を駆動させて、外気取込口6から配管61、外気制御弁7、配管81を介してエレベーターブレーキ10内に外気を放出させるよう制御を行う。
このように外気でエレベーターブレーキ装置10内部を満たすことで、この内部圧力上昇による水の流入阻止により、スプラインハブを含むエレベーターブレーキ装置10内部機器の防錆特性を向上させることが可能である。
本発明の防錆装置は、非常電源5により動作するが、冠水しても停電が起こらなかった場合は、建屋の通常電源から電力を供給して作動する構成としても良い。
また、水位センサ1は電気的に水位を感知するものでも良く、電気を使用せずフロート式スイッチのものでも良い。
なお、上記実施の形態では、エレベーターブレーキ装置10の防錆特性を向上させるよう説明したが、同様に冠水により故障する昇降路内機器、例えば駆動装置、制御盤、安全装置、スイッチ、接点類にも同様の構成で使用出来るものである。
1 水位センサ
2 制御装置
3 不活性ガスタンク
4 ポンプ
5 非常電源
6 外気取込ロ
7 外気制御弁
8 圧力センサ
9 昇降路底部
10 エレベーターブレーキ装置
13 カバー
2 制御装置
3 不活性ガスタンク
4 ポンプ
5 非常電源
6 外気取込ロ
7 外気制御弁
8 圧力センサ
9 昇降路底部
10 エレベーターブレーキ装置
13 カバー
Claims (3)
- エレベーターの乗かごが昇降する昇降路内に設置されるエレベーター昇降路内機器の防錆装置において、
前記昇降路の底部に設けられ前記昇降路内の冠水状態を検知する水位センサと、前記昇降路内機器に近接して設けられる不活性ガスタンクと、前記水位センサの検知時に前記不活性ガスタンクから不活性ガスを前記昇降路内機器内に放出するとともに、前記不活性ガスの放出終了後に外気を前記昇降路内機器内に放出するポンプとを備えて構成したことを特徴とするエレベーター昇降路内機器の防錆装置。 - 請求項1に記載のエレベーター昇降路内機器の防錆装置において、
前記昇降路内機器内に圧力センサを設け、この圧力センサによる圧力低下の検知時に前記ポンプを駆動させて外気を前記昇降路内機器内に放出するよう構成したことを特徴とするエレベーター昇降路内機器の防錆装置。 - 請求項1に記載のエレベーター昇降路内機器の防錆装置において、
前記ポンプの駆動電源は単独で発電可能な非常電源としたことを特徴とするエレベーター昇降路内機器の防錆装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013143952A JP2015016940A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | エレベーター昇降路内機器の防錆装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013143952A JP2015016940A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | エレベーター昇降路内機器の防錆装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015016940A true JP2015016940A (ja) | 2015-01-29 |
Family
ID=52438338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013143952A Pending JP2015016940A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | エレベーター昇降路内機器の防錆装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015016940A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108609445A (zh) * | 2016-12-09 | 2018-10-02 | 日立电梯(中国)有限公司 | 一种轿门门锁保护装置 |
CN109353908A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-02-19 | 辽宁工程技术大学 | 一种电梯状态信息感知方法及系统 |
-
2013
- 2013-07-09 JP JP2013143952A patent/JP2015016940A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108609445A (zh) * | 2016-12-09 | 2018-10-02 | 日立电梯(中国)有限公司 | 一种轿门门锁保护装置 |
CN108609445B (zh) * | 2016-12-09 | 2020-05-12 | 日立电梯(中国)有限公司 | 一种轿门门锁保护装置 |
CN109353908A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-02-19 | 辽宁工程技术大学 | 一种电梯状态信息感知方法及系统 |
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