JP2015016452A - 薄膜形成方法、及び、有機電子デバイスの製造方法 - Google Patents

薄膜形成方法、及び、有機電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することが可能な薄膜形成方法を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態に係る薄膜形成方法は、複数のノズル51の配列方向に2つ以上のインクジェットヘッド5a,5bが並んでいる印刷装置を用いて、基材の表面に、液滴12a,12bが着弾し、濡れ広がることによって薄膜を形成する方法であって、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bは、複数のノズル51の一部が配列方向に交差する方向に重なり合うように配置されており、薄膜における領域Roであって、隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分によって形成される当該領域には、一方のインクジェットヘッド5aから吐出された液滴12aと他方のインクジェットヘッド5bから吐出された液滴12bとが混在するように、基材に薄膜を形成するための液滴を吐出する。【選択図】図3

Description

本発明は、薄膜形成方法、及び、有機電子デバイスの製造方法に関するものである。
基材の表面に厚さ100nm以下の薄膜を形成する方法として、スピンコーター、スリットコーター等の方法があるが、これらの方法では基材表面の任意の部分に、任意の形状で薄膜を形成することができない。そこで、インクジェット印刷方法によって基材表面の任意の部分に、任意の形状で薄膜を形成する方法が提案されている。このインクジェット印刷方法では、複数のノズルが直線状に配置されたインクジェットヘッドを走査方向に移動させつつ、各ノズルからインクを滴下させることにより、基材上に所定の間隔をあけてインクを滴下する。基材上に供給されたインクは、基材上を広がり、それぞれ隣に滴下したインクと連なり、これによって薄膜が形成される。
このような方法では、インクジェットヘッドと同じ幅の薄膜を形成することは可能であるが、インクジェットヘッドの幅を超えるような幅の薄膜を形成する場合には、複数のインクジェットヘッドを一列に配列させて印刷する。しかしながら、インクジェットヘッドを複数配列させて印刷すると、その取り付け精度及び位置調整精度に起因して、インクジェットヘッド同士の連結部分に線状の膜厚の不均一(ノズル間つなぎムラ)が発生してしまう。さらに、1つのインクジェットヘッド内においても、通常は、特に吐出端部に配置されるノズルから吐出される液滴の量にはばらつきがあるため、一列に配列される複数のインクジェットヘッドの接合部分において、ノズルから吐出される液滴の量にばらつきが生じ、このヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して、インクジェットヘッド同士の連結部分に線状の膜厚の不均一(ノズル間つなぎムラ)が発生してしまう。
この点に関し、特許文献1には、2個以上のインクジェットヘッドから液滴を射出する塗布方法であって、塗布されたヘッド間の繋ぎ部に対し超音波発信機により発せられる振幅を伝播させることを特徴とする塗布方法が開示される。また、特許文献2には、塗工液吐出ヘッドから飛翔させた塗工液を基板上に分散配置させ、この分散配置された塗工液を基板上に濡れ広がらせる処理として、基板を加熱処理する方法、基板に光照射する方法、塗工液より低い表面張力を有する溶媒の蒸気雰囲気下に放置する方法が開示されている。これらの方法によれば、ヘッドの繋ぎ部などに生ずる塗膜の段差を解消し、塗膜の厚さを均一にできるとしている。
特開2008−142612号公報 特開2006−7079号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示の方法では、超音波発信機や加熱・光照射のための装置、溶媒蒸気雰囲気で満たされた密閉空間などを設ける必要があり、設備、工程の点で負荷が増大する。
そこで、本発明は、特別な追加の設備を必要とせず、より簡便にインクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することが可能な薄膜形成方法、及び、有機電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、隣り合うインクジェットヘッドをノズルの一部が重なり合うように配置し、重なり合う部分によって形成される薄膜の領域では、一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴と他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴とを混在させることにより、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減できることを見出した。これは、インクジェットヘッド同士の取り付け精度及び位置調整精度に起因して液滴間の距離が大きくなる部分、又は、小さくなる部分では、これらの液滴が濡れ広がることにより膜厚が薄くなる部分、又は、膜厚が厚くなる部分が生じるが、これら膜厚が薄くなる部分、又は、膜厚が厚くなる部分が、インクジェットヘッドの走査方向に狭い範囲で一列に並ぶことを防止することができたことによるものと考えられる。もしくは、ヘッド間近傍ノズルでの吐出量差によっても膜厚が薄くなる部分、又は、膜厚が厚くなる部分が生じうるが、これら膜厚が薄くなる部分、又は、膜厚が厚くなる部分が、インクジェットヘッドの走査方向に狭い範囲で一列に並ぶことを防止することができたことによるものと考えられる。
そこで、本発明の薄膜形成方法は、複数のノズルが配列されているインクジェットヘッドを2つ以上備え、複数のノズルの配列方向にインクジェットヘッドが並んでいる印刷装置を用いて、基材の少なくとも一方の表面に、インクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴が着弾し、濡れ広がることによって薄膜を形成する方法であって、印刷装置における隣り合うインクジェットヘッドを、複数のノズルの一部が配列方向に交差する方向に重なり合うように配置し、薄膜における領域であって、隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分によって形成される当該領域には、一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴と他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴とが混在するように、基材に薄膜を形成するための液滴を吐出する。
この薄膜形成方法によれば、隣り合うインクジェットヘッドは、ノズルの一部が重なり合うように配置されており、重なり合う部分によって形成される薄膜の領域には、一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴と他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴とが混在しているので、インクジェットヘッド同士の取り付け精度及び位置調整精度、もしくはヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して生じる膜厚が薄くなる部分、又は、厚くなる部分が、インクジェットヘッドの走査方向に狭い範囲で一列に並ぶことを防止することができる。したがって、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することができる。
また、本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、隣り合うインクジェットヘッドをノズルの一部が重なり合うように配置し、重なり合う部分によって形成される薄膜の領域では、一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴と他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴との境界が、印刷行方向に重複しないように、超一様分布列(Low-discrepancy sequence:LDS)に基づいて生成した数列に従って並ぶことにより、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減できることを見出した。これは、インクジェットヘッド同士の取り付け精度及び位置調整精度、もしくはヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して生じる膜厚が薄くなる部分、又は、膜厚が厚くなる部分が、インクジェットヘッドの走査方向に狭い範囲で一列に並ぶことを防止することができたことによるものと考えられる。
そこで、上記した薄膜形成方法は、隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分のノズルに、一方のインクジェットヘッドから他方のインクジェットヘッドへ向けてノズル番号をK個付し(Kは2以上の整数)、基底bに基づく非負整数n

(dは[0,b)に属する整数、bは2以上の整数)
に対して定義されるvan der Corput数列g(n)

のうち、g(m)から始まる連続したK個の数列g(m+k)を求め、当該数列g(m+k)を、配列方向に交差する方向に並ぶK行の印刷行と関連付け(mは非負整数、kはK−1以下の非負整数)、数列g(m+k)に、数値の昇順又は降順で数列番号を付し、印刷行におけるk行目では、当該k行目の印刷行に関連付けされた数列g(m+k)の数列番号に相当するノズル番号が、他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置であって、一方及び他方のインクジェットヘッドによって配列方向に2分割印刷する際の他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置となるように、基材に薄膜を形成するための液滴を吐出してもよい。
この薄膜形成方法によれば、隣り合うインクジェットヘッドは、ノズルの一部が重なり合うように配置されており、重なり合う部分によって形成される薄膜の領域では、一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴と他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴との境界を、印刷行方向に重複しないように分布させることができるので、インクジェットヘッド同士の取り付け精度及び位置調整精度、もしくはヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して生じる膜厚が薄くなる部分、又は、厚くなる部分が、インクジェットヘッドの走査方向に狭い範囲で一列に並ぶことを防止することができる。したがって、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することができる。
上記した薄膜形成方法では、基底bはK/2以下であってもよい。
また、上記した薄膜形成方法では、数列番号を逆引印刷行とするとともに、印刷行を逆引数列番号とし、逆引印刷行におけるk行目では、当該k行目の逆引印刷行に関連付けされた逆引数列番号に相当するノズル番号が、他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置であって、一方及び他方のインクジェットヘッドによって配列方向に2分割印刷する際の他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置となるように、基材に薄膜を形成するための液滴を吐出してもよい。
また、上記した薄膜形成方法では、隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分のノズルにノズル番号を付すことに代えて、隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分のノズルのうちの隣接する2以上のノズルを含むノズル群に、一方のインクジェットヘッドから他方のインクジェットヘッドへ向けてノズル番号をK個付してもよい。
次に、本発明の有機電子デバイスの製造方法は、基材上に第1の電極を形成する工程と、実質的に第1の電極上に有機層を形成する工程と、実質的に有機層上に第2の電極を形成する工程とを備える有機電子デバイスの製造方法であって、有機層を形成する工程では、有機層となる材料を含む液滴を上記の薄膜形成方法のいずれかによって吐出することにより、有機層となる薄膜を形成する。
ここで、「実質的に第1の電極上に有機層を形成する」とは、直接的に第1の電極上に有機層を形成することのみならず、他の機能層を介して間接的に第1の電極上に有機層を形成することをも含むこととする。同様に、「実質的に有機層上に第2の電極を形成する」とは、直接的に有機層上に第2の電極を形成することのみならず、他の機能層を介して間接的に有機層上に第2の電極を形成することをも含むこととする。
この有機電子デバイスの製造方法によれば、有機層を形成する工程において、上述と同様の理由から、インクジェットヘッド同士の取り付け精度及び位置調整精度、もしくはヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して生じる膜厚が薄くなる部分、又は、厚くなる部分が、インクジェットヘッドの走査方向に狭い範囲で一列に並ぶことを防止することができる。したがって、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することができる。
例えば、有機電子デバイスが有機EL素子である場合、有機発光層において、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することにより、線状の輝度の不均一を低減することができる。
本発明によれば、特別な追加の設備を必要とせず、より簡便にインクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法、及び、有機EL素子の断面を示す図である。 インクジェットによる従来の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法における発光層(有機層)形成工程、及び、従来の薄膜形成方法を示す図である。 本実施形態の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法における発光層(有機層)形成工程、及び、本発明の一実施形態に係る薄膜形成方法を示す図である。 基底b=2、整数m=0の場合の本実施形態の発光層(有機層)形成工程、及び、本実施形態の薄膜形成方法における各手順を示す(a)〜(b)と、18行の印刷行に対する数列番号(ノズル番号)の分布X、及び、18行の逆引印刷行に対する逆引数列番号(ノズル番号)の分布Yを示す(c)である。 基底b=3、整数m=0の場合(a)、基底b=9、整数m=0の場合(b)、及び、基底b=17、整数m=0の場合(c)の18行の印刷行に対する数列番号(ノズル番号)の分布X、及び、18行の逆引印刷行に対する逆引数列番号(ノズル番号)の分布Yを示す図である。 本実施形態の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法を実施した有機EL素子の発光面を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法、及び、有機EL素子の断面を示す図である。図1に示す有機EL素子1は、第1の電極(陽極)20と、第2の電極(陰極)70と、これらの電極20,70の間に設けられた発光層(有機層)50とを備える。この有機EL素子1では、基板(基材)10側が発光面である。なお、電極20,70間には、発光層50以外に所定の機能層が設けられてもよい。機能層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などが挙げられる。以下では、機能層として正孔注入層30、正孔輸送層40、電子注入層60を備える形態を例示する。
図1に示すように、本実施形態の有機EL素子の製造方法では、まず基板(基材)10上に第1の電極20を形成し(第1の電極形成工程)、次に第1の電極20上に正孔注入層30を形成し(正孔注入層形成工程)、次に正孔注入層30上に正孔輸送層40を形成し(正孔輸送層形成工程)、次に正孔輸送層40上に発光層50を形成し(発光層形成工程:有機層形成工程)、次に発光層50上に電子注入層60を形成し(電子注入層形成工程)、次に電子注入層60上に第2の電極70を形成する(第2の電極形成工程)。
次に、有機EL素子を構成する各層の材料および形成方法について説明する。
基板10には、可撓性基板またはリジットな基板が用いられ、たとえばガラス基板やプラスチック基板などが用いられる。
第1の電極20には、金属酸化物、金属硫化物および金属などからなる薄膜を用いることができ、具体的には酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、インジウム亜鉛酸化物(IndiumZinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、および銅などから成る薄膜が用いられる。発光層から放射される光が陽極を通って素子外に出射する構成の有機EL素子の場合、第1の電極20には光透過性を示す電極が用いられる。
正孔注入層30には公知の正孔注入材料を用いることができる。正孔注入材料としては、たとえば酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、および酸化アルミニウムなどの酸化物や、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、アモルファスカーボン、ポリアニリン、およびポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔輸送層40には公知の正孔輸送材料を用いることができる。正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
発光層50は、通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、または該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。なお発光層に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層を構成する発光材料としては、例えば公知の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料を挙げることができる。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などを挙げることができる。
金属錯体系材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素系材料や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどを挙げることができる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、白色としては、上記した青色、緑色、赤色を混ぜて作成することが出来る。
ドーパント材料としては、例えばペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
電子輸送層には公知の電子輸送材料を用いることができる。電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
電子注入層60には公知の電子注入材料を用いることができる。電子注入材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上を含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。
第2の電極70の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易で、電気伝導度の高い材料が好ましい。また第1の電極側から光を取出す構成の有機EL素子では、発光層から放射される光を第2の電極で第1の電極側に反射するために、第2の電極70の材料としては可視光反射率の高い材料が好ましい。第2の電極70には、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および周期表の13族金属などを用いることができる。また、第2の電極70としては導電性金属酸化物および導電性有機物などから成る透明導電性電極を用いることができる。
上記の各層および電極を形成する工程では、各層および電極は、蒸着法や塗布法によって形成することができる。塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法およびノズルコート法などのコート法、並びにグラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの塗布法を挙げることができる。パターン塗布が必要な場合には、パターン塗布が可能な塗布法によって形成され、とくに後述の、発光層形成工程において適用される本発明のインクジェットプリント法によって形成されることが好ましい。
なお塗布法に用いるインク(塗布液)の溶媒としては、各材料を溶解させるものであれば特に制限はなく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒、および水を挙げることができる。
本実施形態では、上記の各層のうちの少なくとも発光層を形成する工程では、インクジェットプリント法を用いる。以下では、本実施形態の発光層形成工程(有機層形成工程)について説明する。なお、本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成方法では、本実施形態の発光層形成工程において、「第1の電極」及び「正孔輸送層」を「基材」に置き換え、「発光層(有機層)」を「薄膜」に置き換えることとする。
インクジェットプリント法では、インクジェット印刷装置を用いる。図2に示すように、印刷装置におけるインクジェットヘッド部5は、それぞれ複数のノズル51を有する2つ以上のインクジェットヘッド5a,5bから構成される。これらインクジェットヘッド5a,5bは、印刷方向Aに直交する方向に配列され、印刷方向Aにおいて互いの端部が重なるように固定部材(図示せず)を介して連結されている。なお、図2(及び、後述する図3)には、本発明の特徴の明確化のために、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bのみを示す。
このインクジェットヘッド部5を、印刷方向Aに沿って、正孔輸送層40に対して相対的に走査しながら、所定のタイミングでノズルから液滴を吐出する。すると、液滴は、正孔輸送層40に着弾し、その後正孔輸送層40表面で濡れ広がり、相互に繋がることによって、発光層(有機層)50が形成される。図2(及び、後述する図3)には、インクジェットヘッド5aのノズルから吐出された液滴12a、及び、インクジェットヘッド5bのノズルから吐出された液滴12bが示されている。実際には液滴は正孔輸送層40表面で濡れ広がり、互いに繋がって発光層50を形成するが、図2(及び、後述する図3)では説明のため濡れ広がる前の液滴の着弾位置を示している。
ここで、図2に示すように、インクジェットヘッド5a,5bを複数配列させて印刷すると、その取り付け精度及び位置調整精度、もしくは、ヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して、インクジェットヘッド5a,5b同士の連結部分Cに線状の膜厚の不均一(ノズル間つなぎムラ)が発生してしまう。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bは、複数のノズル51の一部が印刷方向A(走査方向、ノズルの配列方向に交差する方向)に重なり合うように配置されている。そして、この重なり合う部分によって形成される有機層50のオーバーラップ領域Roには、インクジェットヘッド5aから吐出される液滴12aとインクジェットヘッド5bから吐出される液滴12bとの境界が、印刷方向A(印刷行方向)に重複、連続しないように、超一様分布するように、印刷する。
具体的には、まず、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bを、K個(例えば18個)のノズル51が印刷方向A(走査方向、ノズルの配列方向に交差する方向)に重なり合うように配置する(手順0)。次に、重なり合うノズルに、インクジェットヘッド5bからインクジェットヘッド5aへ向けてノズル番号k(0≦k≦K−1、例えば0〜17)を付す(手順1)。
次に、van der Corput数列g(n)を求める。van der Corput数列g(n)とは、勝手な非負整数nに対して、そのb進表記を

(dは[0,b)に属する整数、基底bは2以上の整数)
としたときに、このb進表記を小数点で折り返して得られるb進表記が表す実数を

と定義される数列である。このvan der Corput数列g(n)から、重なり合うノズルの個数と同じK個(例えば18個)を求めればよい。求めるK個の数列は、van der Corput数列g(n)のうちg(m)を先頭とする連続したK個の数列g(m+k)とする。ここで、mは任意の非負整数である。そして、数列g(m+k)を、印刷方向Aに並ぶK行(例えば18行)の印刷行と関連付ける(手順2)。図4(a)に、基底b=2、整数m=0の場合の本実施形態の有機層形成工程における各手順を示す。
次に、数列g(m+k)に、数値が小さい順(昇順)に1〜K(例えば1〜18)の数列順位を付す(手順3)。次に、数列順位から1を減じた0〜(K−1)(例えば0〜17)の数列番号を求める(手順4)。
次に、印刷行におけるk行目では、このk行目の印刷行に関連付けされた数列g(m+k)の数列番号に相当するノズル番号が、インクジェットヘッド5a,5bによって配列方向に2分割印刷する際のインクジェットヘッド5aの印刷開始位置となるように、配光パターンを印刷する。例えば、1行目では、対応の数列番号9に相当するノズル番号9よりインクジェットヘッド5a側をインクジェットヘッド5aで印刷し、ノズル番号8よりインクジェットヘッド5b側をインクジェットヘッド5bで印刷する。
その後、数列g(m+k)を新たに求め直すように、手順2以降の処理を繰り返してもよいし、求めた数列g(m+k)を何度も利用して配光パターンを繰り返し印刷してもよい。
図4(c)に、18行の印刷行に対する数列番号(ノズル番号)の分布Xを示す。この図4(c)及び図3に示すように、第1の実施形態の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法、及び、第1の実施形態の薄膜形成方法によれば、発光層(有機層)形成工程において、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bは、ノズル51の一部が印刷方向A(ノズルの配列方向に交差する方向)に重なり合うように配置されており、重なり合う部分によって形成される発光層(薄膜)のオーバーラップ領域Roでは、一方のインクジェットヘッド5aから吐出された液滴12aと他方のインクジェットヘッド5bから吐出された液滴12bとの境界を、印刷方向A(印刷行方向)に重複しないように分布させることができるので、インクジェットヘッド5a,5b同士の取り付け精度及び位置調整精度、もしくはヘッド間近傍ノズルでの吐出量差に起因して生じる膜厚が薄くなる部分、又は、厚くなる部分が、印刷方向A(インクジェットヘッド5a,5bの走査方向)に一列に並ぶことを防止することができる。したがって、インクジェットヘッド5a,5b同士の連結部分Cにおける線状の膜厚の不均一を低減することができる。
その結果、有機発光層において、インクジェットヘッド同士の連結部分における線状の膜厚の不均一を低減することにより、線状の輝度の不均一を低減することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法では、発光層(有機層)形成工程において、印刷行と数列番号との逆引きを行う点で第1の実施形態の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法と異なっている。
すなわち、第2の実施形態の発光層形成工程では、図4(b)に示すように、上記した手順4で求めた数列番号を逆引印刷行とし、上記した印刷行を逆引数列番号として印刷する。具体的には、逆引印刷行におけるk行目では、このk行目の逆引印刷行に関連付けされた逆引数列番号に相当するノズル番号が、インクジェットヘッド5a,5bによって配列方向に2分割印刷する際のインクジェットヘッド5aの印刷開始位置となるように印刷する(手順5)。
なお、本発明の第2の実施形態に係る薄膜形成方法でも、本実施形態の発光層形成工程において、「第1の電極」及び「正孔輸送層」を「基材」に置き換え、「発光層(有機層)」を「薄膜」に置き換えればよい。
図4(c)に、18行の逆引印刷行に対する逆引数列番号(ノズル番号)の分布Yを示す。この図4(c)に示すように、第2の実施形態の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法、及び、第2の実施形態の薄膜形成方法でも、第1の実施形態の有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法、及び、第1の実施形態の薄膜形成方法と同様の利点を得ることができる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、van der Corput数列g(m+k)において整数m=0とした一例を示したが、整数mは1以上の整数であってもよい。
また、本実施形態では、van der Corput数列g(m+k)において基底b=2とした一例を示したが、基底bは3以上の整数であってもよい。図5(a)に、基底b=3、整数m=0の場合の18行の印刷行に対する数列番号(ノズル番号)の分布X、及び、18行の逆引印刷行に対する逆引数列番号(ノズル番号)の分布Yを示し、図5(b)に、基底b=9、整数m=0の場合の18行の印刷行に対する数列番号(ノズル番号)の分布X、及び、18行の逆引印刷行に対する逆引数列番号(ノズル番号)の分布Yを示す。また、図5(c)に、基底b=17、整数m=0の場合18行の印刷行に対する数列番号(ノズル番号)の分布X、及び、18行の逆引印刷行に対する逆引数列番号(ノズル番号)の分布Yを示す。
図5(c)によれば、基底bが大きい場合は、インクジェットヘッド同士の連結部分における膜厚の不均一が、例えばXの分布のような鉤状など、特定のパターン状に見える虞がある。しかしながら、図5(b)によれば、基底b=9の場合には、単純なジグザグ分布のようにみえるが、偶数行で変化する場合と奇数行で変化する場合とが混在しており、超一様分布から生成した数列に属する。これより、基底bは、重なり合うノズルの個数の1/2以下であることが好ましく、更には3以下であることが好ましく、更には2であることが好適である。
また、本実施形態では、数列g(m+k)に、数値が小さい順(昇順)に数列順位(数列番号)を付したが、数値が大きい順(降順)に数列順位(数列番号)を付してもよい。
また、本実施形態では、手順1において、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bの重なり合う部分のK個のノズルそれぞれにノズル番号kを付したが、これに代えて、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bの重なり合う部分のノズルのうちの隣接して連続する2以上のノズルを含むK個のノズル群に、一方のインクジェットヘッド5bから他方のインクジェットヘッド5aへ向けてノズル番号kを付し、ノズル群単位で各インクジェットヘッドの印刷開始位置を決定してもよい。各ノズル群に含まれるノズルの個数は、2以上5以下が好ましい。この場合、手順0では重なり合うノズルの個数を調節する必要がある。
また、本実施形態では、隣り合うインクジェットヘッド5a,5bの重なり合う部分によって形成される薄膜のオーバーラップ領域Roにおいて、一方のインクジェットヘッド5aから吐出された液滴12aと他方のインクジェットヘッド5bから吐出された液滴12bとの境界が、印刷行方向に重複しないように、超一様分布列(Low-discrepancy sequence:LDS)に基づいて生成した数列に従って並ぶように印刷したが、当該オーバーラップ領域Roにおいて、一方のインクジェットヘッド5aから吐出された液滴12aと他方のインクジェットヘッド5bから吐出された液滴12bとが単に混在するように印刷してもよい。
例えば、オーバーラップ領域Roでは、印刷方向Aに沿う液滴12aの列と液滴12bの列とが、印刷方向Aに交差する方向(ノズルの配列方向)に交互に規則的に配置されるように印刷してもよいし、印刷方向Aに交差する方向に沿う液滴12aの列と液滴12bの列とが、印刷方向Aに交互に規則的に配置されるように印刷してもよい。なお、液滴12aの列と液滴12bの列とは、1列ずつ交互に配置されてもよいし、複数列単位で交互に配置されてもよい。
また、オーバーラップ領域Roでは、液滴12aと液滴12bとが、印刷方向Aに交互に規則的に配置されると共に、印刷方向Aに交差する方向にも交互に規則的に配置されるように印刷してもよい。なお、液滴12aと液滴12bとは、1つずつ交互に配置されてもよいし、複数個単位で交互に配置されてもよい。
また、オーバーラップ領域Roでは、液滴12aと液滴12bとが、印刷方向Aに不規則的に配置されると共に、印刷方向Aに交差する方向にも不規則的に配置されるように印刷してもよい。
また、本実施形態では、液滴12a、12bを格子状に規則的に配置する印刷パターンを例示したが、液滴12a、12bを、一列ごとに、液滴間隔の1/2だけずらしてもよい。
また、本実施形態では、一対の電極20,70と発光層とに加え、機能層として正孔注入層30、正孔輸送層40、電子注入層60を備える形態の有機EL素子の製造方法を例示したが、本発明の特徴は、以下に示すように、様々な構成の有機EL素子の製造方法に適用可能である。
a)第1の電極/発光層/第2の電極
b)第1の電極/正孔注入層/発光層/第2の電極
c)第1の電極/正孔注入層/発光層/電子注入層/第2の電極
d)第1の電極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2の電極
e)第1の電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/第2の電極
f)第1の電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2の電極
g)第1の電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2の電極
h)第1の電極/発光層/電子注入層/第2の電極
i)第1の電極/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2の電極
ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
また、本実施形態では、有機EL素子(有機電子デバイス)の製造方法を例示したが、本発明の特徴は、有機太陽電池(有機電子デバイス)の製造方法にも適用可能である。例えば、有機EL素子の製造方法における発光層形成工程が、有機太陽電池の製造方法における活性層(光電変換層)形成工程に適用可能である。
また、本実施形態では、薄膜形成方法として、有機電子デバイスにおける有機層を形成する方法を例示したが、本発明の薄膜形成方法は、有機層のみならず、様々な半導体膜、導電膜、絶縁膜等のあらゆる薄膜の形成に適用可能である。
本発明の実施例1として、図1、3、4に示す第1の実施形態の有機EL素子の製造方法を以下のように実施した。
[実施例1]
(下地工程)
まず、ガラス基板10上に第1の電極20を形成した下地基板を準備した。具体的には、ガラス基板10上に、ITOからなる透明導電膜(膜厚150nm)を形成した後、透明導電膜状にAPC膜(膜厚600nm)からなる格子状補助電極(線幅50μm、ピッチ300μm)を形成した。格子状補助電極上には、ポリイミド(東レ製フォトニース)からなる保護絶縁膜を形成した。
次に、保護絶縁膜付き下地基板上に、正孔注入層用組成物(インク)をスピンコーターにて塗布、乾燥、焼成し、正孔注入層30(膜厚65nm)を形成した。
次に、正孔輸送層用組成物(インク)をスピンコーターにて塗布し、真空乾燥機にて10Pa、190℃で60分の乾燥・焼成を行い、正孔輸送層40(膜厚20nm)を形成した。正孔輸送層用組成物(インク)は、正孔輸送層用高分子を、4−メトキシトルエンとシクロヘキシルベンゼンの混合溶媒(混合比2:8)に固形分濃度0.5%となるように溶解したものである。
(発光層工程)
次に、上記下地上に、インクジェット印刷装置を用いて発光層50を形成した。具体的には、上記下地に対し、膜厚60nmの薄膜になるように、発光層(有機層)用組成物(インク)を塗布し、10Paまで真空乾燥後に130℃で10分の焼成を行った。発光層用組成物は、発光用高分子を、4−メトキシトルエンとシクロヘキシルベンゼンの混合溶媒(混合比2:8)に固形分濃度0.7%となるように溶解したものである。
インクジェット印刷装置としては、300dpiのインクジェットヘッド5a,5bを2つ用意し、108個のノズルが重なり合うように配置した。そして、第1の実施形態の発光層形成工程のとおり、インクジェットヘッド5a,5bの重なり合う部分によって形成される発光層のオーバーラップ領域Roにおいて、一方のインクジェットヘッド5aから吐出された液滴12aと他方のインクジェットヘッド5bから吐出された液滴12bとの境界が、印刷行方向に重複しないように、超一様分布列(Low-discrepancy sequence:LDS)に基づいて生成した数列に従って並ぶように印刷した。なお基底b=2とした。
(後工程)
次に、発光層50上に、電子注入層60及び第2の電極70を形成した。具体的には、発光層50上に、NaF/Mg/Al/Agを2nm/2nm/200nm/100nm蒸着した。その後、対向基板と貼り合せ、分断した。
[比較例1]
(下地工程)
上記実施例1に同じ。
(発光層工程)
次に、上記下地上に、インクジェット印刷装置を用いて発光層50を形成した。具体的には、上記下地に対し、膜厚60nmの薄膜上になるように、発光層(有機層)用組成物(インク)を塗布し、10Paまで真空乾燥後に130℃で10分の焼成を行った。発光層用組成物は、発光用高分子を、4−メトキシトルエンとシクロヘキシルベンゼンの混合溶媒(混合比2:8)に固形分濃度0.7%となるように溶解したものである。
インクジェット印刷装置としては、300dpiのインクジェットヘッド5a,5bを2つ用意し、図2に示すように、ノズルが重ならないように配置した。
(後工程)
上記実施例1に同じ。
[評価]
図6(a),(b)は、それぞれ、実施例1によって製造した有機EL素子と比較例1によって製造した有機EL素子とを発光させたときの発光面の撮像結果を示す。図6によれば、実施例1によって製造した有機EL素子では、インクジェットヘッドの継ぎ目が視認されなかったが、比較例1によって製造された有機EL素子では、インクジェットヘッドの継ぎ目が確認された。すなわち、実施例1によって製造した有機EL素子では、比較例1によって製造した有機EL素子と比べて、インクジェットヘッド5a,5b同士の連結部分Cにおける線状の膜厚の不均一が低減された。
1…有機EL素子(有機電子デバイス)、10…基板(基材)、20…第1の電極、30…正孔注入層、40…正孔輸送層、50…発光層(有機層、薄膜)、60…電子注入層、70…第2の電極、5…インクジェットヘッド部、5a,5b…隣り合うインクジェットヘッド、51…ノズル、12a…一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴、12b…他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴、Ro…オーバーラップ領域。

Claims (6)

  1. 複数のノズルが配列されているインクジェットヘッドを2つ以上備え、前記複数のノズルの配列方向に前記インクジェットヘッドが並んでいる印刷装置を用いて、基材の少なくとも一方の表面に、前記インクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴が着弾し、濡れ広がることによって薄膜を形成する方法であって、
    前記印刷装置における隣り合うインクジェットヘッドを、前記複数のノズルの一部が前記配列方向に交差する方向に重なり合うように配置し、
    前記薄膜における領域であって、前記隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分によって形成される当該領域には、一方のインクジェットヘッドから吐出された液滴と他方のインクジェットヘッドから吐出された液滴とが混在するように、前記基材に前記薄膜を形成するための液滴を吐出する、
    薄膜形成方法。
  2. 前記隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分のノズルに、一方のインクジェットヘッドから他方のインクジェットヘッドへ向けてノズル番号をK個付し、ここで、Kは2以上の整数であり、
    基底bに基づく非負整数n

    に対して定義されるvan der Corput数列g(n)

    のうち、g(m)から始まる連続したK個の数列g(m+k)を求め、当該数列g(m+k)を、前記配列方向に交差する方向に並ぶK行の印刷行と関連付け、ここで、dは[0,b)に属する整数であり、bは2以上の整数であり、mは非負整数であり、kはK−1以下の非負整数であり、
    前記数列g(m+k)に、数値の昇順又は降順で数列番号を付し、
    前記印刷行におけるk行目では、当該k行目の印刷行に関連付けされた前記数列g(m+k)の前記数列番号に相当する前記ノズル番号が、前記他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置であって、前記一方及び他方のインクジェットヘッドによって前記配列方向に2分割印刷する際の前記他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置となるように、前記基材に前記薄膜を形成するための液滴を吐出する、
    請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記基底bはK/2以下である、請求項2に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記数列番号を逆引印刷行とするとともに、前記印刷行を逆引数列番号とし、
    前記逆引印刷行におけるk行目では、当該k行目の逆引印刷行に関連付けされた前記逆引数列番号に相当する前記ノズル番号が、前記他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置であって、前記一方及び他方のインクジェットヘッドによって前記配列方向に2分割印刷する際の前記他方のインクジェットヘッドの印刷開始位置となるように、前記基材に前記薄膜を形成するための液滴を吐出する、
    請求項2に記載の薄膜形成方法。
  5. 前記隣り合うインクジェットヘッドの重なり合う部分のノズルのうちの隣接する2以上のノズルを含むノズル群に、一方のインクジェットヘッドから他方のインクジェットヘッドへ向けてノズル番号をK個付す、請求項2に記載の薄膜形成方法。
  6. 基材上に第1の電極を形成する工程と、実質的に前記第1の電極上に有機層を形成する工程と、実質的に前記有機層上に第2の電極を形成する工程とを備える有機電子デバイスの製造方法であって、
    前記有機層を形成する工程では、前記有機層となる材料を含む液滴を請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜形成方法によって吐出することにより、前記有機層となる薄膜を形成する、有機電子デバイスの製造方法。
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