JP2015015679A - 無線端末、収集装置、およびプログラム - Google Patents

無線端末、収集装置、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】無線方式のセンサネットワークにおいて、各無線端末に大容量の記憶装置を設けることなく、下り方向のデータ通信の成功率を従来よりも向上させることを可能にする。
【解決手段】各無線端末には、上流側へパケットを転送する際に転送元および転送先を示す情報を経路情報に追記して転送させる。収集装置は何れかの無線端末へパケットを送信する際に、その宛先に至る複数の経路を示す経路情報を当該パケットに付加して送信する。そして、各無線端末は下流側へパケットを転送する際にその転送先との無線通信が不能であった場合には、パケットに含まれている経路情報に基づいて転送経路を他の経路に切り替える。
【選択図】図14

Description

この発明は、複数の機器が無線により通信を行う無線通信ネットワークシステムに関する。
工場や各種プラント等の産業施設においては、製品生産や各種操業の状態を把握できるようにするために、施設内の各所に各種センサを設置し、さらに、それらセンサによる計測データを収集するコンピュータ装置(以下、収集装置)を設置してセンサネットワークシステムと呼ばれる通信ネットワークシステムが構築されることが多い。この種のセンサネットワークシステムには、各センサと収集装置とを有線接続する有線方式のものと、各センサと収集装置との間のデータ通信を無線で行う無線方式のものがある。無線方式のセンサネットワークシステムの一例としては、特許文献1〜3に開示のシステムが挙げられる。
無線方式のセンサネットワークの一例としては、センサの測定データを一定の時間間隔で送信する無線端末を各センサに接続し、さらに各無線端末に他の無線端末から受信したデータを経路情報にしたがって収集装置側へ転送させるシステムが挙げられる。ここで、経路情報とは、データの送信元からその宛先に至る通信経路に存在する1または複数の他の無線端末およびその転送順を示す情報のことをいう。また、以下では、各無線端末から収集装置へデータを送信する方向の通信を「上りのデータ通信」と呼び、収集装置から各無線端末へデータを送信する方向の通信を「下りのデータ通信」と呼ぶ。
上記無線端末としては無線タグが用いられることが多いが、無線タグの記憶装置は小型化および低価格化などの要求に応えるために必要最低限の記憶容量に抑えられていることが多く、自装置についての上記上りおよび下りのデータ通信の経路情報を記憶させておくことさえできない場合がある。このような場合には、各無線端末の記憶装置には、自装置から送信されたデータが収集装置に到達するまでに中継回数の想定値(以下、想定中継回数)を表すデータのみを記憶させておき、以下の要領で上りおよび下りの各データ通信を実現させることが考えられる。まず、各無線端末から計測データを収集するための上りのデータ通信の中継の際に、自装置よりも想定中継回数の小さい無線端末を転送先として自装置と当該転送先とを示す経路情報を転送対象のデータに付加して転送する処理を各無線端末に実行させる。一方、下りのデータ通信については、先のデータ収集における上りの経路情報の示す経路を逆順に辿った経路を示す経路情報を送信対象のデータに付加して送信する処理を収集装置に実行させるとともに、各無線端末には当該経路情報にしたがって下りのデータ通信を中継する処理を実行させる。これにより、各無線端末に、自装置および他の装置についての経路情報を記憶させておかなくても、上りおよび下りの各データ通信を実現することができる。
特開2000−115171号公報 特開2001− 36543号公報 特開2007−251545号公報
しかしながら、下りのデータ通信の際に上りのデータ通信の経路をそのまま逆順に辿った経路を指定する態様では、データをその宛先へ送り届けられないといった事態(すなわち、データ通信に失敗するという事態)が発生し得る。上りのデータ通信の際には存在しなかった通信障害物が下りのデータ通信の際に一時的に無線端末間に移動してくる場合などがあるからである。このような不具合は無線方式のセンサネットワーク特有のものではなく、各機器が無線によりデータ通信を行う無線通信ネットワークシステムであれば同様に発生し得る。
本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、無線通信ネットワークシステムにおいて、各無線端末に大容量の記憶装置を設けることなく、下りのデータ通信の成功率を従来よりも向上させることを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、収集装置とともに無線通信ネットワークシステムを構成する無線端末として、以下の下りデータブロック転送手段、および迂回データブロック転送手段を有する無線端末を提供する。下りデータブロック転送手段は、収集装置から何れかの無線端末へと送信された下りのデータブロックであって、当該収集装置から当該データブロックの宛先へ至る複数の経路を示す経路情報と、当該データブロックの転送に用いられている経路を示す経路番号と、が書き込まれたデータブロックを受信し、受信したデータブロックに含まれている経路番号の示す経路における転送先との通信が可能である場合には、当該データブロックを当該転送先へ転送する一方、当該転送先との通信が不能である場合には当該データブロックを迂回データブロックに変更する。一方、迂回データブロック転送手段は、下りデータブロック転送手段により変更された迂回データブロックまたは他の無線端末から受信した迂回データブロックを転送する手段である。迂回データブロック転送手段は、迂回データブロックの経路番号の示す経路以外に自装置を含む他の経路があるか否かを当該迂回データブロックの経路情報を参照して判定し、他の経路がある場合には、当該迂回データブロックの経路番号を当該他の経路を示す値に書き換え、下りのデータパケットとして当該他の経路における転送先へ転送する一方、他の経路が無い場合には当該迂回データブロックの経路番号の示す経路における上流側の隣接装置へ当該迂回データブロックを転送する。なお、ネットワーク層の通信プロトコルにしたがってデータの送受信が行われる場合には上記データブロックはネットワーク層における送受信単位であるパケットである。
このように本発明においては、下りデータブロックの転送の際にその転送先との通信が不能であった場合(例えば、下りデータブロックの受信から所定時間以内に規定値以上の電界強度で当該転送先からビーコンを受信しなかった場合など)には、そのデータブロックに含まれている経路情報に基づいて転送経路の切り替えが行われる。このため、本発明によれば、下り方向のデータ通信の成功率を従来よりも向上させることができる。また、転送経路の切り替えは下りのデータブロックに含まれている経路情報に基づいて行われるため、各無線端末に自装置および他の無線端末についての経路情報を記憶するための大容量の記憶装置を設けておく必要はない。
また、上記課題を解決するために本発明は、複数の無線端末とともに無線通信ネットワークを構築する収集装置として、以下の受信手段、データ記憶手段および下りデータブロック送信手段を有する収集装置を提供する。受信手段は、複数の無線端末の各々から送信されてくる上りのデータブロックであって、その送信元から自装置に至る経路上の各無線端末を示す経路情報を含んだデータブロックを受信する。データ記憶手段は、受信手段により受信されたデータブロックに含まれている経路情報を記憶装置に記憶させる。そして、下りデータブロック送信手段は、複数の無線端末の何れかを宛先としてデータを送信する手段であって、自装置から当該宛先へ至る経路として前記記憶装置の記憶内容に基づいて特定される複数の経路のうちから当該データの送信に用いる経路を選択し、当該選択した経路を示す経路番号と前記複数の経路を示す経路情報とを当該データとともに書き込んだ下りのデータブロックを当該経路番号の示す経路における転送先へ送信する。このような収集装置を上記無線端末と組み合わせて無線通信ネットワークシステムを構築すれば、各無線端末に大容量の記憶装置を設けることなく、下りのデータ通信の成功率を従来よりも向上させることが可能になる。
なお、本発明の別の態様としては、コンピュータを上記受信手段、データ記憶手段、および下りデータブロック送信手段として機能させるプログラムを提供する態様も考えられる。このようにして提供されるプログラムにしたがって一般的なコンピュータを作動させることで、当該コンピュータを本発明の収集装置として機能させることが可能になるからである。同様に、コンピュータを上記下りデータブロック転送手段および迂回データブロック転送手段として機能させるプログラムを提供しても良い。
本発明の一実施形態の無線通信ネットワークシステム1の構成例を示す図である。 同無線通信ネットワークシステム1に含まれる無線端末10の構成例を示すブロック図である。 同無線通信ネットワークシステム1におけるビーコンパケットのデータフォーマットを示す図である。 無線端末10に設定されるランクを説明するための図である。 同無線通信ネットワークシステム1における上り通信パケットのデータフォーマットを示す図である。 同無線通信ネットワークシステム1における上り通信パケットの流れを説明するための図である。 同無線通信ネットワークシステム1における下り通信パケットのデータフォーマットを示す図である。 無線端末10の制御部110が実行する下り通信パケット転送処理1442dの流れを示すフローチャートである。 同無線通信ネットワークシステム1における迂回パケットのデータフォーマットの一例を示す図である。 無線端末10の制御部110が実行する迂回パケット転送処理1442eの流れを示すフローチャートである。 同無線通信ネットワークシステム1に含まれる収集装置20の構成例を示すブロック図である。 同収集装置20の記憶部240に記憶される階層テーブルを説明するための図である。 本実施形態の動作を説明するための図である。 本実施形態の動作を説明するための図である。
以下図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態の無線通信ネットワークシステム1の構成例を示す図である。無線通信ネットワークシステム1は、例えば工場や各種プラント等の産業施設内に設置されるセンサネットワークである。図1に示すように、無線通信ネットワークシステム1は、所定のネットワーク層の通信プロトコルにしたがってパケットの送受信を行う無線端末10−n(n=1〜9)と収集装置20とを含んでいる。無線端末10−nは各種センサとともに上記工場内の各所に設置される無線タグであり、センサの計測データを書き込んだパケットを収集装置20へ送信するためのものである。
無線端末10−n(n=1〜9)の各々は全て同一の構成を有している。このため、これら9台の無線端末の各々を区別する必要がない場合には「無線端末10」と表記する。また、以下では、9台の無線端末10が無線通信ネットワークシステム1に含まれている場合について説明するが、無線通信ネットワークシステム1に含まれる無線端末10の台数は9台に限定される訳ではない。要は、複数の無線端末10が無線通信ネットワークシステム1に含まれていれば良い。本実施形態では無線端末10および収集装置20に本実施形態の特徴を顕著に示す処理を実行させることで、各無線端末10に大容量の記憶装置を設けることなく、下り方向のデータ通信の成功率を向上させている。以下、本実施形態の特徴を顕著に示す無線端末10および収集装置20を中心に説明する。
(A−1:無線端末10の構成)
図2は、無線端末10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように無線端末10は、制御部110、無線通信部120、外部機器I/F部130、記憶部140、およびこれら構成要素間のデータ授受を仲介するバス150を有している。制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部110は記憶部140(より正確には不揮発性記憶部144)に記憶されている通信制御プログラム1442を実行し、無線端末10の制御中枢として機能する。制御部110が通信制御プログラム1442にしたがって実行する処理については後に明らかにする。
無線通信部120は、他の無線端末10や収集装置20と無線通信するためのアンテナや変調回路、復調回路を含んでいる(図2では図示省略)。無線通信部120は、制御部110から引き渡されるデータに応じた変調を搬送波信号に施して無線区間へ送出するとともに、無線区間から受信した搬送波信号に重畳されているデータを復調し制御部110に引き渡す。外部機器I/F部130は、例えばUSBインタフェースなど各種外部機器を接続するためのインタフェースである。上記センサは外部機器I/F部130に接続され、外部機器I/F部130を介して当該センサの測定データが無線端末10に与えられる。
記憶部140は、揮発性記憶部142と不揮発性記憶部144とを含んでいる。揮発性記憶部142は例えばRAM(Random Access Memory)である。揮発性記憶部142は、通信制御プログラム1442を実行する際のワークエリアとして制御部110によって利用される。不揮発性記憶部144は例えばフラッシュROM(Read Only Memory)である。制御部110は、無線端末10の電源(図示略)の投入を契機として通信制御プログラム1442を不揮発性記憶部144から揮発性記憶部142に読み出し、その実行を開始する。通信制御プログラム1442にしたがって作動している制御部110は、図2に示すビーコン処理1442a、上り通信パケット送信処理1442b、上り通信パケット転送処理1442c、下り通信パケット転送処理1442d、および迂回パケット転送処理1442eを実行する。これら各処理の内容は以下の通りである。
ビーコン処理1442aは、図3に示すデータフォーマットのビーコンパケットを一定の時間間隔で周期的に送信する処理である。詳細については後述するが、本実施形態では収集装置20も、図3に示すデータフォーマットのビーコンパケットを一定の時間間隔で周期的に送信する。図3に示すように、ビーコンパケットはヘッダ部とデータ部(ペイロード部とも呼ばれる)とにより構成されている。ビーコンパケットのヘッダ部には、当該パケットがビーコンパケットであることを示す種別情報とその送信元に関する情報(以下、送信元情報)とが書き込まれる。また、同データ部(ペイロード部とも言う)にはビーコンデータが書き込まれている。ビーコンデータとは、上記ビーコンパケットの送信元との無線通信を行う際にサポートしているべき通信速度など、当該無線通信の詳細仕様等を表すデータのことをいう。
図3に示すように、送信元情報には、ビーコンパケットの送信元を一意に示す識別子であるIDとランクとが含まれている。本実施形態では、無線端末10−n(n=1〜9)の各々には上記IDとしてnが設定されており、収集装置20には上記IDとして0が設定されている。ランクは、各無線端末10−nの想定中継回数を示す値である。本実施形態では、収集装置20にもランクが設定されており、その値は0である。各無線端末10には無線通信ネットワークシステム1に含まれる無線端末10の数に応じた値(本実施形態では、9)がランクの初期値として設定され、ビーコン処理1442aには他の無線機器(他の無線端末10や収集装置20)からのビーコンパケットの受信に応じて自装置のランクを更新する処理が含まれている。
より詳細に説明すると、ビーコン処理1442aでは、制御部110は、予め定められた規定値以上の電界強度でビーコンパケットを受信したことを契機として、そのビーコンパケットに含まれているランクが自装置のランクよりも小さいか否かを判定する。そして、制御部110は、受信したビーコンパケットに含まれている送信元情報の示すランクが自装置のランクよりも小さい場合には、自装置のランクを、当該送信元情報の示すランクに1を加算した値に更新する。このようなランク更新が各無線端末10において実行されるため、各無線端末10および収集装置20の設置位置が変化しない場合には、各無線端末10のランクは上記想定中継回数に応じた値に収束する。
例えば、収集装置20および各無線端末10が上記産業施設内に図4に示すように設置されており、各機器間の間隔は最寄りの機器からのビーコンパケットを上記規定値以上の電界強度で受信可能な距離の限界値に等しいとする。なお、図4において無線端末10−n(n=1〜9)の各々に対応する丸印内の数値は各無線端末10−nのIDを表し、収集装置20に対応する四角印内の数値は収取装置20のIDを表す。この場合、無線端末10−1(ランク=9)は、無線端末10−2(ランク=9)、10−3(ランク=9)、10−4(ランク=9)、および収集装置20(ランク=0)の各々から送信されたビーコンパケットを上記規定値以上の電界強度で受信することとなるため、無線端末10−1のランクは1に収束する。無線端末10−2についても同様にランクは1に収束する。無線端末10−3は、無線端末10−1(ランク=9または1)、10−4(ランク=9)、10−6(ランク=9)、および無線端末10−7(ランク=9)の各々から送信されたビーコンパケットを上記規定値以上の電界強度で受信することとなるため、無線端末10−3のランクは2に収束する。無線端末10−4および10−5の各々についても同様にランクは2に収束する。無線端末10−6は無線端末10−3(ランク=9または2)および10−7(ランク=9)の各々から送信されたビーコンパケットを上記規定値以上の電界強度で受信することとなるため、無線端末10−6のランクは3に収束する。無線端末10−7、10−8および10−9の各々についても同様にランクは3に収束する。
上り通信パケット送信処理1442bは、外部機器I/F部130に接続されたセンサの計測データを書き込んだパケットを収集装置20宛てに送信する処理である。以下では、各無線端末10−nから収集装置20宛てに送信されるパケットのことを「上り通信パケット」と呼ぶ。上り通信パケット送信処理1442bは、外部機器I/F部130を介して計測データを取得した後、自装置よりも小さいランクを示す送信元情報を含んだビーコンパケットを受信したことを契機として実行される。図5は上り通信パケットのデータフォーマットの一例を示す図である。図5に示すように、上り通信パケットもヘッダ部とデータ部により構成されている。上り通信パケットのデータ部には、上りデータとして上記計測データが書き込まれる。上り通信パケットのヘッダ部には、当該パケットが上り通信パケットであることを示す種別情報、送信元情報、および経路情報が格納される。経路情報には、経路データと当該経路データのデータサイズ(例えば、ビット数など)を表す経路データ長とが含まれる。例えば、図4に示すように各機器が配置されている状況下で、無線端末10−3から送信されたビーコンパケットの受信を契機として無線端末10−7の制御部110が上り通信パケット送信処理1442bの実行を開始したとする。無線端末10−7の制御部110は、図6に示すように、送信元が無線端末10−7であり、転送先が無線端末10−3であることを示す経路データ(例えば、文字列“7→3”)を経路情報にセットした上り通信パケット601を無線端末10−3へ送信する。
上り通信パケット転送処理1442cは、自装置よりも大きいランクを示す送信元情報を含んだ上り通信パケットの受信を契機として実行される処理である。ここで、受信したパケットが上り通信パケットであるか否かの判別については当該受信したパケットの種別情報を参照して行えば良い(他の種類のパケットについても同様)。上り通信パケット転送処理1442cでは、制御部110は、自装置よりも小さいランクを示す送信元情報を含んだビーコンパケットを受信したことを契機として以下の処理を実行する。すなわち、制御部110は、まず、上記ビーコンパケットの送信元を上記上り通信パケットの転送先とし、当該転送先を示すデータを上記上り通信パケットの経路データに追記し、さらにその追記結果に応じて上記上り通信パケットの経路データ長を更新して上記転送先へ転送する。
例えば、図4に示すように各機器が配置されている状況下において、無線端末10−3が無線端末10−7から送信された上り通信パケット601(図6参照)を受信し、かつ同無線端末10−3が無線端末10−1から送信されたビーコンパケットを受信した場合には、無線端末10−3の制御部110は、経路データ“7→3”を“7→3→1”に更新し、さらに、その更新結果に応じて経路データ長を更新した上り通信パケット602を無線端末10−1に転送する(図6参照)。このようにして無線端末10−3から転送された上り通信パケット602を受信した無線端末10−1の制御部110は、収集装置20からのビーコンパケットの受信を契機として、経路データ“7→3→1”を“7→3→1→0”に更新し、さらに、その更新結果に応じて経路データ長を更新した上り通信パケット603を収集装置20に転送する(図6参照)。本実施形態では、このようにして、各センサの測定データが収集装置20に送り届けられる。また、詳細については後述するが、収集装置20は、自装置に転送されてくる上り通信パケットのヘッダ部に書き込まれている経路データを参照することで当該上り通信パケットの送信元から自装置へ至る経路を特定する。
下り通信パケット転送処理1442dは、収集装置20から何れかの無線端末10−nへ宛てて送信されたパケット(以下、下り通信パケット)を転送する処理であり、例えば下り通信パケットの受信を契機として実行される。図7は下り通信パケットのデータフォーマットの一例を示す図である。図7に示すように、下り通信パケットはヘッダ部とデータ部により構成されており、データ部には収集装置20がその宛先へ送信する下りデータが書き込まれている。また、下り通信パケットのヘッダ部には、当該パケットが下り通信パケットであることを示す種別情報、当該パケットの送信元を示す送信元情報、当該パケットの宛先を示す宛先情報、および当該送信元から当該宛先へ至る経路を示す下り経路情報が含まれている。
下り通信パケットの宛先情報には、当該下り通信パケットの宛先となる無線端末10−nを示すIDがセットされる。制御部110は、受信した下り通信パケットの宛先情報が自装置を示すものである場合には、当該パケットのデータ部に書き込まれているデータを読み出して記憶し、下り通信パケット転送処理1442dを終了する。これに対して、受信した下り通信パケットの宛先情報が自装置を示すものではない場合には、制御部110は、図8に示す処理を実行する。
制御部110は、まず、受信した下り通信パケットのヘッダ部に書き込まれている下り経路情報を読み出し、当該パケットの転送先を特定する(図8:ステップSA100)。図7に示すように下り経路情報はN(1以上の整数)個の経路データ(図7に示す例では、経路データ1〜N)と経路番号(本実施形態では、1〜Nの範囲の整数値)と経路データの個数を示す経路数とを含んでいる。経路データとは、下り通信パケットの送信元から宛先に至る経路を示す情報である。例えば、収集装置20(送信元)→無線端末10−1→無線端末10−3→無線端末10−7(宛先)という経路であれば、文字列“0→1→3→7”が上記経路データとして用いられる。経路番号は、上記N個の経路データの各々が表す経路のうちの何番目の経路が現時点で採用されているのかを表す。例えば経路番号=nであれば、経路データnにより示される経路が採用されている、といった具合である。このため、制御部110は、まず、下り経路情報に含まれている経路番号を参照し、何番目の経路データの示す経路が指定されているのかを特定する。
例えば、N番目の経路が指定されている場合(経路番号=Nの場合)、制御部110はN番目の経路データ(図7に示す例では経路データN)を読み出し、当該経路データの先頭(上記文字列データであれば左端)から順にIDを辿って自装置のIDを見つけ出し、矢印を挟んださらに1つ先のIDの示す無線端末10−nを当該下り通信パケットの転送先として特定する。このようにして下り通信パケットの転送先が特定されると、制御部110は、当該転送先と無線通信可能であるか否かを判定する(図8:ステップSA110)。本実施形態では、このステップSA110では、制御部110は、計時を開始し、当該転送先からのビーコンパケットの受信を待ち受ける。そして、制御部110は、所定時間以内に規定値以上の電界強度でビーコンパケットを受信した場合に上記転送先と無線通信可能であると判定する。
ステップSA110の判定結果が“Yes”である場合(すなわち、通信可能と判定した場合)には、制御部110は、上記下り通信パケットを当該ビーコンパケットの送信元(すなわち、ステップSA100にて特定した転送先)へ転送し(ステップSA120)、下り通信パケット転送処理1442dを終了する。逆に、ステップSA110の判定結果が“No”である場合には、制御部110は、上記下り通信パケットを迂回パケット(図9参照)に変更し(ステップSA130)、迂回パケット転送処理1442eを実行する(ステップSA140)。ここで、下り通信パケットを迂回パケットに変更するとは、下り通信パケットのヘッダ部の種別情報を迂回パケットを示す値に書き換えることを言う。
迂回パケット転送処理1442eは、下り通信パケット転送処理1442dにて迂回パケットに変更されたパケット、または他の無線端末10から受信した迂回パケットを転送する処理である。図10は、迂回パケット転送処理1442eの流れを示すフローチャートである。図10に示すように、制御部110は、まず、処理対象の迂回パケットのヘッダ部に書き込まれている経路番号の示す経路の次の経路(経路番号が現在経路番号+1の経路)に自装置が含まれている否かを判定する(ステップSB100)。ステップSB100の判定結果が“Yes”である場合には、制御部110は、受信した迂回パケットの種別情報を「下り通信パケット」を示す値に更新するとともに、当該パケットの経路番号を上記次の経路を示す値に更新し(ステップSB110)、前述した下り通信パケット転送処理1442dを実行する(ステップSB120)。これに対して、ステップSB100の判定結果がNoである場合には、迂回パケットの経路情報の示す上流側の隣接装置(すなわち、自装置よりもランクの値が1つ小さい隣接装置)に当該迂回パケットを転送する(ステップSB130)。
以上が無線端末10−nの構成である。
(A−2:収集装置20の構成)
次いで、図11を参照しつつ収集装置20の構成を説明する。図11は、収集装置20の構成例を示すブロック図である。図11に示すように収集装置20は、制御部210、無線通信部220、記憶部240およびこれら構成要素間のデータ授受を仲介するバス250を含んでいる。なお、制御部210は無線端末10−nの制御部110に、無線通信部220は無線端末10−nの無線通信部120に、記憶部240は無線端末10−nの記憶部140に、バス250は無線端末10−nのバス150に夫々対応する。
記憶部240は、揮発性記憶部242と不揮発性記憶部244を含んでいる。揮発性記憶部242は無線端末10−nの揮発性記憶部142と同様にRAMであり、プログラムを実行する際のワークエリアとして制御部210によって利用される。不揮発性記憶部244は例えばハードディスクであり、通信制御プログラム2442が予め記憶されている。制御部110は、この通信制御プログラム2442を実行することにより、ビーコン処理2442a、データ収集・記憶処理2442b、下り通信パケット送信処理2442cおよび迂回パケット転送処理2442dの4つの処理を実行する。
ビーコン処理2442aは、無線端末10−nにおけるビーコン処理1442aと同様にビーコンパケットを周期的に送信する処理である。ただし、ビーコン処理2442aは、他の機器からのビーコンパケットの受信を契機とするランクの更新を含んでいない点がビーコン処理1442aと異なる。これは、収集装置20には各無線端末10よりも小さいランク(本実施形態では、0)が設定されているため、収集装置20が、自装置よりも小さいランクを示すビーコンパケットを受信することはないからである。
データ収集・記憶処理2442bは、上り通信パケットの受信を契機として実行される処理である。データ収集・記憶処理2442bでは、制御部210は、受信した上り通信パケットのデータ部に書き込まれている測定データを読み出して不揮発性記憶部244内の所定の記憶領域(以下、第1の記憶領域)に書き込むとともに、同パケットのヘッダ部に書き込まれている送信元情報および経路データを読み出し、両者を対応付けて揮発性記憶部242内の所定の記憶領域(以下、第2の記憶領域)に書き込む。そして、制御部210は、第2の記憶領域に書き込まれた経路データの数が予め定められた数M(Mは、2以上の任意の整数)に達したことを契機として、無線通信ネットワークシステム1における収集装置20および各無線端末10−nの階層関係を表す階層テーブルを以下の要領で生成する。
制御部110は、まず、第2の記憶領域に記憶されている送信元情報を同じランクのもの同士にグループ分けする。次いで、制御部210は、階層テーブル(図12(a)参照)を揮発性記憶部242内に割り当て、ランクの小さいグループから順にそのグループに属する無線端末10−nのIDを当該階層テーブルの領域A01およびA02に書き込む。次いで、制御部110は、第2の記憶領域に記憶されている経路データを、隣接する2つの機器のIDの組を表す隣接セル情報(IDA IDB)に分割し、図12(a)に示す階層テーブルの領域A03の対応する位置に○印を書き込む。なお、図12(a)の領域A01に書き込まれた各IDは隣接する2つの機器のうちの下流側(すなわち、上り通信パケットの送信元に近い方)を示すIDAに対応し、領域A02に書き込まれた各IDは隣接する2つの機器のうちの上流側を示すIDBに対応する。
処理対象の経路データが“7→3→1→0”であった場合には、制御部210は、隣接セル情報として(7 3)、(3 1)および(1 0)の3種類を生成する。そして、これら3つ隣接セル情報の各々対応する領域A03内の位置に○印をプロットすることで、図12(a)に示す階層テーブルが得られる。ここで、階層テーブルの生成をどのようなタイミングで行うか(換言すれば、上記Mの値を幾つにするのか)については、種々の態様が考えられるが適宜実験を行って定めるようにすれば良い。例えば、無線端末10−n(n=1〜9)の各々および収集装置20が図4に示すように配置されている状況下においては、M=9としておけば、無線端末10−n(n=1〜9)の各々から収集装置20へ宛てて送信された上り通信パケットを全て受信したことを契機として階層テーブルの生成が行われ、図12(b)に示すように、無線端末10−n(n=1〜9)と収集装置20の階層関係を完全に表す階層テーブルが生成される。
下り通信パケット送信処理2442cは、何れかの無線端末10−nへのデータ送信の指示を操作部(図11では図示略)に対する操作によって与えられたことを契機として実行される処理である。この下り通信パケット送信処理2442cでは、制御部110は、まず、階層テーブルの格納内容を参照し、データの送信先として指定された無線端末10−nに至る複数の経路を特定する。ここで、複数の経路については種々のものが考えられる。例えば、通信効率を考慮し想定中継回数が最小になる経路を特定する態様や敢えて迂回路を含むように経路を特定する態様が考えられる。詳細な特定手順については動作例において明らかにするが、本実施形態では前者の態様が採用されている。データの送信先に至る複数の経路を特定すると、制御部210は、それら複数の経路の各々を表す経路データとその経路数とをヘッダ部の下り経路情報にセットした下り通信パケットを生成する。次いで、制御部210は、当該下り通信パケットの宛先となった無線端末10−nから送信された上り通信パケットの辿った経路を第2の記憶領域の格納内容を参照して特定し、当該経路を逆順にした経路を表す経路データを示す値を上記下り通信パケットのヘッダ部の経路番号にセットする。そして、制御部210は、上記経路番号の示す経路における下流側の隣接装置(すなわち、上記上りの通信パケットを自装置へ転送した装置)からのビーコンパケットの受信を契機として当該隣接装置へ上記下り通信パケットを送信する。
迂回パケット転送処理2442dは、下流側の隣接装置から迂回パケットを受信したことを契機として実行される処理である。迂回パケット転送処理2442dでは、制御部210は、受信した迂回パケットのヘッダ部に書き込まれている経路番号の示す経路以外の経路があるか否かを判定する。具体的には、制御部110は、上記経路番号が上記迂回パケットのヘッダ部の経路数よりも小さい場合には、他の経路があると判定し、上記経路番号を1だけインクリメントした値の示す経路を上記他の経路とする。他の経路がある場合には、制御部210は、当該他の経路における転送先を特定し、上記迂回パケットの種別情報を「下り通信パケット」を示す値に書き換えるとともに種別情報を更新済の迂回パケット(すなわち、下り通信パケット)の経路番号を当該他の経路を示す値に更新して当該転送先へ転送する。逆に、他の経路がない場合には、制御部210は、データの送信先として指示された無線端末10との通信が不能である旨の報知を行って迂回パケット転送処理2442dを終了する。
以上が収集装置20の構成である。
(B:動作)
次いで、本実施形態の動作を図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する動作例では、無線端末10−n(n=1〜9)の各々および収集装置20は図4に示すように配置されているとともに、収集装置20の揮発性記憶部242には図12(b)に示す階層テーブルが格納されているもとする。この状況下で無線端末10−7へのデータ送信を指示された場合を例にとって収集装置20および無線端末10−nの各々が実行する動作を説明する。なお、以下に説明する動作例では、上記上り通信パケットは無線端末10−7→無線端末10−4→無線端末10−2→収集装置20という経路を辿って収集装置20に到達したものとし、収集装置20が上記下り通信パケットを送信する時点では通信障害物等の移動によって無線端末10−4は他の無線端末との通信が不能になっているものとする。
制御部210は階層テーブルを参照し、データ送信指示にて指示された宛先へ至る経路を特定する。図13は、この特定手順を説明するための図である。本動作例では宛先として無線端末10−7が指定されているため、制御部210は、まず、無線端末10−7の上流側の隣接装置(宛先として指定された装置よりもランクが1つ小さい装置)を階層テーブルを検索して特定する。本動作例では、無線端末10−3および10−4が無線端末10−7の上流側の隣接装置として特定される(図13(a):S1およびS2)。
次いで、制御部210は、上記の要領で特定した上流側の隣接装置のうちIDの小さい方を処理対象とし、当該処理対象についての上流側の隣接装置を特定する。そして、制御部210は、処理対象が自装置(収集装置20)に一致するまで当該処理を繰り返し実行し、さらに、当該処理の過程で特定された各上流側の隣接装置を処理対象として当該処理を繰り返し実行する。本動作例では、まず、無線端末10−3が処理対象とされ、無線端末10−3の上流側の隣接装置として無線端末10−1が特定される(図13:S3)。次いで、制御部210は、無線端末10−1を処理対象とし、当該無線端末10−1の上流側の隣接装置として自装置を特定する(図13:S4)。これにより、データブロックの送信先から自装置へ至る1つ目の経路(“7→3→1→0”)が特定される(図13(b)参照)。以降、制御部110は、無線端末10−7の他方の上流側の隣接装置として特定した無線端末10−4を処理対象として同様の処理を行い(図13:S5〜S8)、データブロックの送信先から自装置へ至る他の2つの経路(“7→4→1→0”および“7→4→2→0”)が特定される。次いで、制御部210は、上記の要領で特定した経路を自装置を出発点としてランクの小さい順に辿ることで、自装置からデータの送信先(本動作例では、無線端末10−7)に至る3つの経路が特定される。具体的には、本動作例では、図13(b)に示す経路1、経路2および経路3の3つの経路が特定される。
前述したように、本実施形態では、収集装置20の制御部210は、データの送信先として指定された無線端末10−nから収集装置20へ宛てて送信された上り通信パケットの辿った経路を逆順に辿った経路を当該下り通信パケットの送信の際の経路として指定する。本動作例では、上記上り通信パケットは「無線端末10−7→無線端末10−4→無線端末10−2→収集装置20」という経路(図14において点線で示す経路)を辿って収集装置20に到達したのであるから、制御部210は上記下りの通信パケットの経路として「経路1」を選択する。このようにして経路の選択が完了すると、制御部210は、経路1を示す経路データ1、経路2を示す経路データ2および経路3を示す経路データ3とを下り経路情報に含み、経路番号に1をセットした下り通信パケットを生成し、当該経路番号の示す経路(すなわち、経路1)にて下流側の隣接装置(すなわち、無線端末10−2)から送信されたビーコンパケットの受信を契機として当該下り通信パケットを当該下流側の隣接装置へ送信する(図14:S1201)。
無線端末10−2の制御部110(以下、制御部110−2と表記する)は、収集装置20から送信された下り通信パケットの受信を契機として下り通信パケット転送処理1442dを実行する。この下り通信パケットの宛先は無線端末10−7であるため、制御部110−2は図8に示す処理を実行する。制御部110−2は、上記下り通信パケットの下り経路情報を参照して転送先を特定し(図8:ステップSA100)、計時を開始するとともに当該転送先からのビーコンパケットの受信を待ち受ける。本動作例では、上記経路番号の示す経路1における無線端末10−2の転送先は無線端末.10−4であるが、上記下り通信パケットが収集装置20から送信された時点では無線端末10−4との通信は不能となっている。このため、制御部110−2が無線端末10−4からのビーコンパケットを受信することはなく、ステップSA110の判定結果は“No”になる。よって、制御部110−2は、受信した下り通信パケットを迂回パケットに変更し(ステップSA130)、迂回パケット転送処理1442eを実行する(ステップSA140)。上記迂回パケットの下り経路情報における次の経路(すなわち、経路2)には無線端末10−2は含まれていないため、制御部110−2の実行する迂回パケット転送処理1442e(図10参照)では、ステップSB100の判定結果はNoになり、ステップSB130の処理が実行される。すなわち、制御部110−2は、上流側の隣接装置(すなわち、収集装置20)へ上記迂回パケットを送信する(図14:S1202)。
収集装置20の制御部210は、迂回パケットの受信を契機として迂回パケット転送処理2442dを実行する。制御部210は、無線端末10−2から受信した迂回パケットの下り経路情報を参照して他の経路があるか否かを判定する。上記迂回パケットの経路番号は1であり、経路数は3である。このため、制御部210は、他の経路があると判定し、上記迂回パケットを下り通信パケットに変更するとともにそのヘッダ部の経路番号を経路2を示す値(すなわち、2)に更新し、当該新たな経路における転送先(すなわち、無線端末10−1)へ当該下り通信パケットを転送する(図14:S1203)。
無線端末10−1の制御部110(以下、制御部110−1と表記する)も、収集装置20から送信された下り通信パケットの受信を契機として下り通信パケット転送処理1442dを実行し、図8の処理を実行する。しかし、無線端末10−1が受信した下り通信パケットの経路番号の示す経路2において無線端末10−1の転送先は無線端末10−4であるため、制御部110−1は当該転送先との通信は不能と判定し、ステップSA130およびSA140の処理を実行する。上記迂回パケットの下り経路情報の示す経路3には無線端末10−1が含まれている。このため、制御部110−1の実行する迂回パケット転送処理1442e(図10参照)では、ステップSB100の判定結果はYesとなり、ステップSB110およびステップSB120の処理が実行される。すなわち、制御部110−1は、上記迂回パケットの経路番号を3に書き換えるとともに下り通信パケットに変更し、再度、下り通信パケット転送処理1442dを実行する。
このようにして無線端末10−1において再度実行される下り通信パケット転送処理1442dでは、転送対象の下り通信パケットの経路番号は3であり、当該経路番号の示す経路における転送先(すなわち、無線端末10−3)との通信は可能である。このため、ステップSA110の判結果は“Yes”となり、当該転送先への下り通信パケットの転送が実行される(図14:S1204)。以降、無線端末10−3の制御部110(以下、制御部110−3と表記する)も制御部110−1と同様に、受信した下り通信パケットの経路番号の示す経路における転送先(すなわち、無線端末10−7)からのビーコンパケットの受信を待ち受け、当該ビーコンパケットを受信すると、上記下り通信パケットを当該転送先へ転送する(図14:S1205)。これにより、収集装置20から無線端末10−7へ宛てて送信された下り通信パケットがその宛先である無線端末10−7に到達する。
このように本実施形態によれば、無線端末10−7から収集装置20へ送信された上り通信パケットの辿った経路を逆順に辿った経路を指定して下り通信新パケットを送信し、その経路が一時的に途絶しているような場合であっても、他の経路が選択され、下り通信パケットがその宛先に送り届けられる。このため、上り通信パケットの辿った上り経路を逆順に辿った経路のみを指定して下り通信パケットを送信する従来技術に比較して通信成功率を向上させることが可能になる。また、本実施形態では、上記転送経路の切り替えは下り通信パケットに含まれている下り経路情報に基づいて行われるため、各無線端末10−nに当該下り経路情報を記憶させておく必要はなく、各無線端末10−nに大容量の記憶装置を設ける必要もない。
(C:変形)
以上本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上記実施形態では、工場などの産業施設内に敷設される無線方式のセンサネットワークへの本発明の適用例を説明した。しかし、本発明の適用対象は無線方式のセンサネットワークに限定される訳ではない。要は、複数の無線端末と各無線端末からデータを収集し記憶する収集装置とを含む無線通信ネットワークであれば本発明を適用することで、各無線端末に大容量の記憶装置を設けることなく、下りのデータ通信の通信成功率を向上させることができる。また、上記実施形態における迂回パケット転送処理1442eのステップSB100では、迂回パケットの経路番号の示す経路の次の経路についてのみ、自装置を含んでいるか否かを判定したが、迂回パケットの下り経路情報の示す他の全ての経路について自装置を含んでいるか否かを判定し、自装置を含む経路が全くない場合にステップSB130の処理を実行するようにしても良い。
(2)上記実施形態では、OSI参照モデルにおける第3層(ネットワーク層)の送受信単位のデータブロック(パケット)の中継制御への適用例を説明したが、第2層(データリンク層)或いは第4層(トランスポート層)におけるデータブロックの中継制御に本発明を適用しても良い。要は、相手装置へ送信するデータの書き込まれるペイロード部と送信元情報等の書き込まれるヘッダ部とからなるデータブロックの中継制御であれば本発明を適用可能である。
(3)迂回パケットに関する処理は必須ではなく省略可能である。迂回パケットに関する処理を省略した態様であっても、上記実施形態に比較して送信タイムアウトにより経路を変えて再送信することにより通信効率は低下するものの、下り通信パケットをその宛先へ送り届けることができ、上り通信パケットの経路を逆順に辿った経路のみを指定して下り通信パケットを送信する従来技術に比較して下りのデータ通信の通信成功率を向上させることができるからである。
(4)何れかの無線端末10−nのランクに変化が生じるなど、階層テーブルの格納内容に変化が生じた場合には、その後所定時間が経過するまで、下り通信パケットの送信を見合わせるようにしても良い。階層テーブルの格納内容の表す階層関係と実際の階層関係とに齟齬が生じている状況下での下り通信パケットの送信を避けるためである。
(5)上記実施形態では、本実施形態の特徴を顕著に示す下り通信パケットの転送制御および迂回パケットの転送制御を無線端末10−nの制御部110に実行させる通信制御プログラム1442が同無線端末10−nの不揮発性記憶部144に予め格納されていたが、当該プログラムをCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。このようにして配布される通信制御プログラムを一般的な無線端末の制御部に実行させることで、その無線端末を本実施形態の無線端末10−nとして機能させることが可能になるからである。通信制御プログラム2442についても同様に、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、また電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。
1…無線通信ネットワークシステム、10,10−n(n=1〜9)…無線端末、20…収集装置、110,210…制御部、120,220…無線通信部、130…外部機器I/F部、140,240…記憶部、142,242…揮発性記憶部、144,244…不揮発性記憶部、1442,2442…通信制御プログラム。

Claims (3)

  1. 複数の無線端末の各々から送信されたデータを受信し記憶する収集装置から何れかの無線端末へと送信された下りのデータブロックであって、当該収集装置から当該データブロックの宛先へ至る複数の経路を示す経路情報と、当該データブロックの転送に用いられている経路を示す経路番号と、が書き込まれたデータブロックを受信し、受信したデータブロックに含まれている経路番号の示す経路における転送先との通信が可能である場合には、当該データブロックを当該転送先へ転送する一方、当該転送先との通信が不能である場合には当該データブロックを迂回データブロックに変更する下りデータブロック転送手段と、
    前記下りデータブロック転送手段により変更された迂回データブロックまたは他の無線端末から受信した迂回データブロックを転送する手段であって、当該迂回データブロックの経路番号の示す経路以外に自装置を含む他の経路があるか否かを当該迂回データブロックの経路情報を参照して判定し、他の経路がある場合には、当該迂回データブロックの経路番号を当該他の経路を示す値に書き換え、下りのデータパケットとして当該他の経路における転送先へ転送し、他の経路が無い場合には当該迂回データブロックの経路番号の示す経路における上流側の隣接装置へ当該迂回データブロックを転送する迂回データブロック転送手段と、
    を有することを特徴とする無線端末。
  2. 複数の無線端末の各々から送信されてくる上りのデータブロックであって、その送信元から自装置に至る経路上の各無線端末を示す経路情報を含んだデータブロックを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信されたデータブロックに含まれている経路情報を記憶装置に記憶させるデータ記憶手段と、
    前記複数の無線端末の何れかを宛先としてデータを送信する手段であって、自装置から当該宛先へ至る経路として前記記憶装置の記憶内容に基づいて特定される複数の経路のうちから当該データの送信に用いる経路を選択し、当該選択した経路を示す経路番号と前記複数の経路を示す経路情報とを当該データとともに書き込んだ下りのデータブロックを当該経路番号の示す経路における転送先へ送信する下りデータブロック送信手段と、
    を有することを特徴とする収集装置。
  3. コンピュータを、
    複数の無線端末の各々から送信されてくる上りのデータブロックであって、その送信元から当該コンピュータに至る経路上の各無線端末を示す経路情報を含んだデータブロックを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信されたデータブロックに含まれている経路情報を記憶装置に記憶させるデータ記憶手段と、
    前記複数の無線端末の何れかを宛先としてデータを送信する手段であって、当該コンピュータから当該宛先へ至る経路として前記記憶装置の記憶内容に基づいて特定される複数の経路のうちから当該データの送信に用いる経路を選択し、当該選択した経路を示す経路番号と前記複数の経路を示す経路情報とを当該データとともに書き込んだ下りのデータブロックを当該経路番号の示す経路における転送先へ送信する下りデータブロック送信手段と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
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