JP2015015439A - プラズマ処理装置用部材、プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置用部材の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置用部材、プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置用部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線膨張率が大きい材料を用いて製造された場合であっても、プラズマ処理の際の割れの発生を抑制する。【解決手段】プラズマ処理装置内の載置面に載置され、被処理基板の外縁部を囲う形状を有する環状のプラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理装置に載置された際にプラズマ処理装置の載置面と接触する第1の面と、第1の面に対向し、第1の面の面積に比べて面積が大きい第2の面と、第1の面の側に設けられ、先端が第1の面を形成する突起部とを備え、第1の面は、互いに離間した複数の面により形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、プラズマ処理装置用部材、プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置用部材の製造方法に関する。
従来から、フッ素系プラズマに対して高いプラズマ耐性を有する多結晶CaFを材料として製造された、プラズマ処理装置用部材としてフォーカスリングが知られている(たとえば特許文献1)。
国際公開WO2012/165334号
しかしながら、一般に多結晶CaFのようなセラミックスからなる部材はサーマルショックに弱く、プラズマ処理の際に急激な温度負荷がかかった場合等に割れが発生しやすいという問題がある。
請求項1に記載のプラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理装置内の載置面に載置され、被処理基板の外縁部を囲う形状を有する環状のプラズマ処理装置用部材であって、プラズマ処理装置に載置された際にプラズマ処理装置の前記載置面と接触する第1の面と、第1の面に対向し、第1の面の面積に比べて面積が大きい第2の面と、第1の面の側に設けられ、先端が第1の面を形成する突起部とを備え、第1の面は、互いに離間した複数の面により形成されることを特徴とする。
請求項7に記載のプラズマ処理装置は、請求項1乃至6の何れか一項に記載のプラズマ処理装置用部材を備えることを特徴とする。
請求項8に記載のプラズマ処理装置用部材の製造方法は、請求項5または6に記載の物質を含む原材料を、所定形状に成形した後、加熱して焼結させることで、プラズマ処理装置用部材を成形すること特徴とする。
本発明によれば、プラズマ処理装置の載置面に載置する際に載置面と接触する第1の面の面積を、第1の面と対向する第2の面の面積に比べて小さくし、突起部の先端により形成される第1の面は互いに離間した複数の面により形成されるので、プラズマ処理の際の温度差に伴う割れ等の発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態によるフォーカスリングが載置されるプラズマ処理装置の模式図 実施の形態によるフォーカスリングの概略形状を示す外観図 実施例1におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例2におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例3におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例4におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例4の変形例におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例5におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例5の変形例におけるフォーカスリングの形状を説明する図 変形例におけるフォーカスリングの形状を説明する図 変形例におけるフォーカスリングの形状を説明する図 従来構造におけるフォーカスリングの断面形状を説明する図
本発明の態様のプラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理を施すべき被処理物の外縁部を囲う形状を有する環状の部材であり、プラズマ処理装置内においてプラズマ処理装置用部材を載置するための載置面に載置される。プラズマ処理装置用部材には、載置面と接触する第1の面と、第1の面に対向する第2の面とが設けられ、第1の面の面積と比べて第2の面の面積が大きく、第1の面は互いに離間した複数の面により形成される。第1の面は、第1の面の側に設けられた突起部の先端により形成されている。本発明の態様は、プラズマ処理の最中に第2の面がプラズマにより加熱され、第1の面と第2の面との間での温度差が大きい場合であっても、熱応力による割れ等の抑制が実現可能となるようなプラズマ処理装置用部材の形状としたものである。以下、詳細に説明する。
−実施の形態−
図面を参照しながら、本発明の実施の形態によるプラズマ処理装置用部材についてフォーカスリングを一例として用いて説明する。フォーカスリングは被処理物を囲う形状に形成された環状の部材であり、被処理物をプラズマ処理装置内でプラズマエッチング等の処理に供する際に、プラズマ分布の一様性を確保して被処理物のエッチング速度の均一性を向上させる機能を有する。なお、本発明の実施の形態によるプラズマ処理装置用部材はフォーカスリングに限定されず、ガイドリング、カバーリング、シャドーリングなどのプラズマ処理の際にプラズマに晒される部材に適用される。カバーリングはドライエッチング装置の電極等の外周に配置され、それらを保護する機能を有する環状部材である。シャドーリングはウェハ等の被処理物の外周に配置されて被処理物の少なくとも一部をプラズマからマスクするための環状部材である。ガイドリングはフォーカスリングの外側に配置され、フォーカスリングの位置を規制する環状部材である。
また、この実施の形態は、発明の趣旨の理解のために具体的に説明するためのものであり、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本実施の形態によるフォーカスリング1を備えたプラズマ処理装置10の模式図である。プラズマ処理装置10は、ガス供給口6およびガス排出口7を有するチャンバー5内に、上部電極8および下部電極9が設けられている。下部電極9の上面には、被処理物3(たとえば半導体ウェハ)を支持するための静電チャック11が備えられている。フォーカスリング1は、静電チャック11を囲むようにして下部電極9の上面に載置され、静電チャック11上に被処理物3を配置する。すなわち、下部電極9の上面がフォーカスリング1の載置面となる。これにより、被処理物3の外縁部がフォーカスリング1に囲まれる。
下部電極9は、不図示の水冷機構を内蔵しており、静電チャック11を介して被処理物3を冷却することにより、プラズマ処理中における被処理物3の温度上昇を抑制する。
図2は、本実施の形態によるフォーカスリング1の概略形状を示す外観図である。図2(a)はフォーカスリング1の上部平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA1−A1線での断面図である。フォーカスリング1は上記のように、被処理物3の外縁部を囲う円環状に形成される。なお、図2では、フォーカスリング1が円環状の例を示しているが、本発明の実施の形態は円環状のものに限定されず、たとえば矩形の環状や多角形の環状等、環状のものはどのような形状のものであっても本発明の一態様に含まれる。
フォーカスリング1は、上記の第1の面に相当する底面20と、下面22と、上記の第2の面に相当する上面23とを有している。底面20は、フォーカスリング1をプラズマ処理装置10内に載置した際に、載置面である下部電極9と接触する面である。下面22は底面20と上面23との間に位置し、フォーカスリング1がプラズマ処理装置10内の下部電極9に載置された際に、下部電極9の上面と対向する面である。上面23は底面20と対向する面であり、プラズマ処理時に主にプラズマに接する面である。下面22には突起部21が設けられる。上述した底面20は、突起部21の先端により形成される面である。すなわち、フォーカスリング1は主にプラズマに接する面である上面23と、上面23の反対側の面に設けられた突起部21とを有し、突起部21の先端が底面20を形成する。そして、フォーカスリング1は底面20においてプラズマ処理装置10の下部電極9に載置され、熱的に接触する。なお、下面22と突起部21の先端との長さ(すなわち突起部21の高さ)は、フォーカスリング1の上面23と底面20との間の長さ(すなわちフォーカスリング1の厚さ)に対して、10パーセント〜60パーセントの範囲内とすることができる。本実施の形態のフォーカスリング1では、底面20の面積が上面23の面積よりも小さくなるように形成されている。なお、フォーカスリング1の径方向における、突起部21の先端が形成する底面20の長さ(図2(b)における長さd)は2mm以上とすることができる。なお、フォーカスリング1の形状、特に底面20、突起部21についての具体的な形状については説明を後述する。
プラズマ処理装置10を用いて被処理物3をプラズマエッチングするためには、チャンバー5内を所定の真空度まで排気した後に、ガス供給口6からエッチングガスを供給する。エッチングガスとしては、SF、CF、CHF、Cl、Ar、Oなどが挙げられる。このとき、上部電極8と下部電極9との間に高周波電圧を印加する。上部電極8と下部電極9との間に形成された高周波電界は、エッチングガスをプラズマ化する。このプラズマにより被処理物3のエッチングが行われる。
被処理物3のプラズマエッチングが行われる間、フォーカスリング1も被処理物3と同様にプラズマに曝される。CaFは、プラズマ耐性に優れているため、フォーカスリング1の材料として用いることができる。しかし、CaFの単結晶はへき開性を有するため、振動や衝撃により割れやすい性質を有している。これに対してCaFの多結晶体は、微小な結晶が結合して構成されているため、バルクとしてはへき開性を有していない点で単結晶よりも割れにくい。そのため、本実施の形態のフォーカスリング1においては、多結晶CaFがその材料として好適に用いることができる。なお、フォーカスリング1の材料としては、多結晶CaFを用いるものに限定されず、プラズマ処理装置用部材として使用可能なその他の材料も用いることができる。
多結晶CaFを構成する結晶粒子とプラズマ耐性(耐エッチング性)について説明する。本実施の形態のフォーカスリング1の製造に用いられる多結晶CaFを構成する結晶粒子の平均粒子径は200μm以上である。多結晶CaFでは、結晶粒子径が増大するにつれてプラズマ耐性が高くなり、結晶粒子径が200μm以上となるとプラズマ耐性が飽和する傾向がある。エッチングは結晶界面から進行しやすいので、結晶粒子径が増大することにより結晶界面が減少すればプラズマによりエッチングされやすい界面が減少する。このため、多結晶CaFの結晶粒子径が増大するにつれてプラズマ耐性が高くなる。本実施の形態で用いられる多結晶CaFは、結晶粒子の平均粒子径を200μm以上とすることによって、そのプラズマ耐性を単結晶CaFの有するプラズマ耐性とほぼ同等とすることができる。
ここで平均粒子径は以下で定義される。走査型電子顕微鏡(SEM)にて結晶粒子を観察することにより、多結晶体の結晶粒子径測定を行った。1試料において任意の3視野を観察し、それぞれの視野内の結晶粒子の長軸と短軸とを計測し、その平均を結晶粒子径(平均粒子法)とした。軸の測定はJISR1670「ファインセラミックスのグレインサイズ測定方法」に準じた。
したがって、実施の形態で用いる多結晶CaFは、へき開性を有しないために割れにくいという多結晶体が有する利点に加えて、プラズマ耐性に優れているという単結晶体が有する利点を兼ね備えることになる。
多結晶CaFからなるフォーカスリング1の製造方法の一例は以下の通りである。
CaFの粉末原材料の粒径(メジアン径)は、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。CaFの粉末原材料の粒径が大きい場合には、ボールミル等により予め粉砕してから用いるのが好ましい。ボールミル粉砕においては、アルミナボール、Zrボール、ナイロンボール等を用いることができる。粉砕時間は12時間以上であることが好ましい。
上記のCaF粉末原材料を、たとえば湿式成形、プレス成形、CIP成形(冷間等方圧プレス成形)等の公知の成形方法を用いて成形を行う。湿式成形方法としては泥漿鋳込み成形(スリップキャスティング)が例示される。泥漿鋳込み法の一例を挙げるならば、CaF粉末原材料と水とを混合して作製したスラリーを石膏型に入れ、室温にて48時間以上静置させて成形体を得た後、この成形体を石膏型から取り出して80℃にて48時間、乾燥炉で乾燥させることにより成形体を得ることができる。プレス成形としては、所望の形状に形成された金型にCaF粉末原材料を充填して、加圧により成形体を作成する方法が例示される。CIP成形はプレス成形の一態様であり、CaF粉末原材料を金型プレスにより仮成形し、仮成形体を真空パックにした後、CIP装置にセットして、例えば100MPaにて1分間の圧力保持を行うことにより、成形体を作成することができる。いずれの成形方法、いずれの成形条件を用いるかについては、所望するフォーカスリング1の形状、歩留り、品質等を考慮して決定される。
なお、いずれの成形方法を用いる場合であっても、所望するフォーカスリング1の形状に応じて、割れを防ぐためのバインダーを添加して成形体を作成してもよい。この場合、作成された成形体にはバインダーが含まれるので、成形体は大気雰囲気もしくは酸素及び不活性ガスの混合雰囲気において加熱し、バインダーの除去を行う(脱バインダー工程)。
上述のようにして得られた成形体を真空焼結炉に導入して、真空雰囲気で焼結させる。焼結工程時の真空度は、緻密化およびCaFの酸化防止の目的から、10Pa以下であることが望ましい。焼結工程では、成形体は、1400℃以下で6時間以上焼結させる。焼結温度が高く、焼結時間が長い程、作成された多結晶CaFの結晶粒子径は大きくなる傾向があるが、材料の揮発による多結晶体重量の減少、製造リードタイムの増大等につながる。上記の点を考慮して、焼結温度は、1400℃以下であり、好ましくは1250℃〜1350℃である。焼結時間は、6時間以上であり、好ましくは6時間以上かつ24時間以下である。
所望の形状のフォーカスリング1とするために、焼結前のスラリーを所望するフォーカスリング1の形状に対応した形状に形成された石膏型に入れて成形体を得るか、あるいは、焼結後の成形体を機械加工によって所望するフォーカスリング1の形状となるように加工する。何れの加工方法を用いるかについては、歩留りや要求仕様等を考慮に入れて決定される。
機械加工によって所望の形状を形成する方法の一例を次に示す。
始めに、前述の焼結方法等を用いて板状ないし環状の焼結体素材を製造する。次に、焼結体素材に機械加工を施し、外形や突起部等の形状を所望の形状に加工する。円環状の部材を製造する場合であれば、始めに上面及び下面を研削加工して、所望厚さに研磨代(〜数mm)を加えた厚さまで加工した後、円環の外周および内周を研削加工して所望の寸法に成形する。必要に応じてオリフラ形状やノッチ形状を形成しても良い。次に下面の突起部以外の部分を研削加工で除去することにより突起部を形成する。この際、半径方向の研削加工を先に行い、次に円周方向の研削加工を行うと、研削に伴う強度低下を最小限に抑えることができ、加工中の破損を低減することができる。最後に、必要に応じて表面に研削加工を施す。
機械加工にはロータリー研削盤やマシニングセンタを用いることができる。また、機械加工に用いる切削工具や研削工具は、焼結体素材の性状や形状、必要とされる表面粗さ等に応じて、適切な工具や砥石を用いることができる。焼結体素材が十分な相対密度を保持している場合は液体を吸収しないので、研削液や切削液を用いて加工することも可能である。なお、上記のフォーカスリング1の所望の形状についての詳細は、各種の実施例を用いて後述する。
加工された多結晶CaF製のフォーカスリング1の表面におけるプラズマ耐性を向上させるために、フォーカスリング1の表面を機械加工により鏡面研磨してもよい。表面粗さRaは、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.1μm以下とする。なお、フォーカスリング1の全ての面に対して研磨を行う必要はなく、少なくともプラズマに暴露される面を研磨すればよい。
以上、多結晶CaFからなるフォーカスリング1の製造方法について説明したが、他の材料からなるプラズマ処理装置用部材についても、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、Siからなる部材を製造する場合は、適宜の方法で製造されたSi単結晶や多結晶のインゴットを素材として、上述の機械加工により所望の形状に形成し、本発明の態様のプラズマ処理装置用部材とすることができる。また、石英ガラスからなる部材を製造する場合は、溶融石英ガラスや気相合成石英ガラスのインゴットを素材として、同様の機械加工により本発明の態様のプラズマ処理装置用部材とすることができる。また、AlやSiC、Yなどのセラミックス素材の場合は、公知の材料と製造方法を用いて焼結体素材を製造した後、同様に機械加工を施して所望の形状とすれば良い。この際、焼結体素材の製造条件や機械加工の加工条件等は、それぞれの素材の性状や目的とする形状に応じて、当業者が通常用いうる手段の範囲内で適宜選択することができる。
本実施の形態によるフォーカスリング1の底面20の形状について説明する。被処理物3のプラズマエッチングが行われる際、フォーカスリング1の上面23はプラズマにより加熱され、上面23の温度は300℃以上に達することがある。一方、フォーカスリング1の底面20は、図示しない水冷機構により30℃程度に冷却される。多結晶CaFの線膨張係数は約1.8×10−5[K−1]なので、300℃の場合と30℃の場合では、熱膨張量の差は、1mm当たり0.00486mmとなる。これは、長さ100mmでは0.486mmに相当する。すなわち、フォーカスリング1の底面20と上面23との間には、上記の大きさの熱膨張量の差に相当する熱応力が生じることになる。
フォーカスリング1の底面20と上面23との間で上記のように大きな熱応力が生じることにより、フォーカスリング1の内部の底面20側では引張応力が発生する。本発明の実施の形態によるフォーカスリング1は、突起部21の先端により形成される底面20の面積と比べて上面23の面積が大きく、底面20は互いに離間した複数の面により形成される。このため、フォーカスリング1の上面の面積と底面の面積とが実質的に同一の場合と比較して、載置面から受ける温度の影響を抑えることができる。その結果、フォーカスリング1の上面23と底面20との間の温度差が小さくなり上面23と底面20との熱応力の影響が小さくなり、底面20における引張応力の影響を低減できるので、フォーカスリング1の割れを防止する効果がある。
以下、フォーカスリング1の実施例を示す。なお、以下の実施例は本発明の態様を具体的に説明するものであるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図3(a)は実施例1におけるフォーカスリング1を底面20の側から見た場合の平面図であり、図3(b)はフォーカスリング1の断面図である。なお、図3(b)では、発明の理解を容易にすることを目的として、図2(b)と同様に、底面20が紙面の下側になるように描いている。実施例1では、円環状に形成されたフォーカスリング1の底面20は、円周方向に沿って設けられた複数列の突起部21の先端部によって複数列の面が構成される。上述したように、それぞれの突起部21は、フォーカスリング1の下面22に設けられている。なお、図3(a)では、図示の都合上、突起部21に斜線を付して示している。また、図3では複数の突起部21の先端部が円弧状に4つの列を構成する場合を示しているが、列の数は4に限定されるものではなく、複数の突起部21の先端部が複数列の面を構成するものは本態様に含まれる。
実施例1では、複数の突起部21はそれぞれ、フォーカスリング1の中心Cから異なる半径を有する円周に沿って同心円状にフォーカスリング1の下面22に配列される。図3では、半径の小さい方から順に、突起部211、212、213、214が、フォーカスリング1の内側から外側に向かって互いに離間して配列された例を示している。上述したように、各突起部211、212、213、214は半径が異なる円弧状に配列されているので、突起部211、212、213、214の側面はフォーカスリング1の円環形状に沿って、互いに実質的に平行となるように配列されている。すなわち、突起部211、212、213、214の先端部が構成する複数列の面201、202、203、204は、それぞれフォーカスリング1の円環形状に沿って互いに離間する。
突起部211は、4個の離間部251a、251b、251c、251d(総称する場合には符号251を付与する)によって互いに離間した4個の部分突起部によって構成され、部分突起部のそれぞれの先端部は4個の部分列面201を構成する。各離間部251a、251b、251c、251dは、フォーカスリング1の中心Cに対して、90°の周期にて突起部211を離間する。なお、本発明においては、突起部211を離間する周期は90°に限定されず、また、所定角度ごとに周期性を有して突起部211を離間するものに限定されない。各離間部251の個数は、生産性や強度等の各種の要素を考慮して決定することが可能である。
突起部212、213、214についても、突起部211と同様に、離間部252a〜252d、253a〜253d、254a〜254d(それぞれ総称する場合には、符号252、253、254を付与する)によって互いに離間した4個の部分突起部によって、それぞれ構成される。そのため、突起部212、213、214の先端部によってそれぞれ構成される面202、203、204は、部分突起部のそれぞれの先端部による4個の部分列面により構成される。なお、図3に示す例では、各離間部252、253、254についても、離間部251の場合と同様に、90°の周期にて突起部212、213、214を離間する。なお、以下の説明では、各突起部211、212、213、214のそれぞれを離間する離間部251〜254を総称する場合には、符号25を付与する。
図12は従来構造のフォーカスリングの断面図である。図12に示す従来構造のフォーカスリングでは、上面12と底面13との面積は実質的に同一である。底面13は単一の平面によって構成され、互いに離間した複数の面により形成されるものではない。上面12はプラズマにより加熱され高温となる。底面13はプラズマに直接暴露しないため、プラズマによる直接の加熱を受けないか、もしくは底面13が冷却されているため上面12と比較して温度が低い。材料内部に温度差が生じた際には、高温部(上面12側)の熱膨張量は低温部(底面13側)の熱膨張量よりも大きくなる。低温部と高温部とは互いに拘束し合うため、高温部の膨張は低温部により妨げられ、部材内部に熱応力が発生する。従来構造のフォーカスリングでは、高温となる上面12側と低温となる底面13側とは互いに円周方向、径方向において拘束し合うため、材料内部に熱応力が発生する。この熱応力によりフォーカスリングに割れや微小クラックなどの使用上好ましくない現象が誘起され、フォーカスリングの脆弱化につながる。
これに対して、本発明の実施の形態によるフォーカスリング1には、図12に示す従来構造のフォーカスリングの底面13とは異なり、図2(b)に示すように突起部21の先端によって互いに離間した複数の面により底面20が形成される。突起部21は、上面23側と底面20側の温度差異による熱応力を低減させることを目的として、互いに離間して形成されるとともに、従来構造のフォーカスリングの底面13が具備している自身を支持する機能を担う。
図2(b)に示す本発明の実施の形態によるフォーカスリング1では、上面23側が高温部となり、底面20側および突起部21が低温側となる。突起部21の側面は円周方向、径方向に隣接する互いの突起部21の側面と離間し、突起部21の側面同士は互いに拘束されていない。上面23側は加熱され、熱膨張による位置の変位を生じる。突起部21は上面23側と連結しているため、上面23側の位置変位に伴い突起部21も変位する。上述のように、突起部21同士の側面は互いに拘束されていないため、突起部21の側面同士の拘束による熱応力は従来構造のフォーカスリングと比較して小さくなる。突起部21同士が互いに拘束されていないため、底面20同士も互いに拘束されない。このため、上面23側は、互いに拘束されていない底面20側からの拘束を受けにくい。すなわち、上面23側と底面20側との互いの拘束による熱応力が低減される。この機構により、従来構造のフォーカスリングとは異なり、割れや微小クラックの発生を抑制して、フォーカスリング1の脆弱化を防止できる。
実施例1では、突起部211を離間する離間部251と、突起部212を離間する離間部252とは、フォーカスリング1の中心Cに対して互いに45°ずれた位置に形成されている。突起部212を離間する離間部252と、突起部213を離間する離間部253とは、フォーカスリング1の中心Cに対して互いに45°ずれた位置に形成されている。突起部213を離間する離間部253と、突起部214を離間する離間部254とは、フォーカスリング1の中心Cに対して互いに45°ずれた位置に形成されている。
このため、離間部251および253は、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる同一の直線L1に沿って形成され、離間部252および254は、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる同一の直線L2に沿って形成される。すなわち、離間部251と252とはフォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる互いに異なる直線L1、L2に沿って形成され、離間部252と253とはフォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる互いに異なる直線L1、L2に沿って形成され、離間部253と254とはフォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる互いに異なる直線L1、L2に沿って形成される。すなわち、複数列の面201〜204のうち、径方向に互いに隣接し合う面は、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって伸びる互いに異なる直線L1、L2に存在する離間部25によってそれぞれ離間される。
離間部25が上記のように形成されることにより、図3(b)に示すように、A1−A1断面ではフォーカスリング1の下面22には突起部212と214とが形成され、A2−A2断面では突起部211〜214が形成され、A3−A3断面では突起部211と213とが形成される。上記の構成により、全ての離間部25が同一直線L1またはL2上に存在しないので、主に曲げ方向の力に関して部材強度を確保することが可能になる。
以上説明した実施例1によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)フォーカスリング1の底面20と対向する上面23の面積に対して底面20の面積を小さくし、突起部21の先端により形成される底面20を互いに離間した複数の面により形成するようにした。上述したように、フォーカスリング1では底面20と下面22との間に空間が形成されるため、加熱によりフォーカスリング1の上面23の熱膨張量が底面20も大きくなった場合であっても、突起部21は上面23のみに拘束されているため、上面23の位置変位に追随することが可能となる。したがって、図12に示すような従来技術のフォーカスリングのように底面が単一面により形成される場合と比べて、底面20と上面23との熱膨張量の差分による引張応力に応じた割れ等の発生を抑制し、部材強度を維持することが可能になる。
(2)フォーカスリング1の底面20は、単純な形状にて複数列の面201、202、203、204により構成される。したがって、生産性の向上に寄与する。
(3)複数の突起部21は、離間部25により離間された複数の部分突起部によりそれぞれ構成され、互いに隣接し合う突起部21に形成された離間部25は、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる互いに異なる直線L1、L2上に存在する。すなわち、互に隣接し合う突起部21の先端部により構成される面201〜204は、フォーカスリング1の中心から外側に向かって伸びる互に異なる直線L1、L2上に存在する離間部25によって、それぞれ離間して構成される。したがって、全ての離間部25が同一直線L1またはL2上に存在しないことから、部材強度を確保することが可能になる。
[実施例2]
実施例2によるフォーカスリング1について説明する。以下の説明では、実施例1と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主として説明する。特に説明しない点については、実施例1と同様である。実施例2のフォーカスリング1は、離間部25を設ける位置が、上述した実施例1とは異なる。なお、以下の説明においても、突起部21が4つの列を構成する場合を示しているが、列の個数は4個の場合に限定されるものではなく、突起部21の先端部が複数列の面を構成するものは本態様に含まれる。
図4(a)は実施例2におけるフォーカスリング1を底面20の側から見た場合の平面図であり、図4(b)はフォーカスリング1の断面図である。なお、図4(b)では、発明の理解を容易にすることを目的として、図2(b)、図3(b)と同様に、底面20が紙面の下側になるように描いている。図4に示すように、突起部212、213、214には、離間部252、253、254が、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって伸びる同一の直線L2上に形成される。突起部211には、離間部251が上記の直線L2とは異なる直線L1上に形成される。すなわち、複数列の面202〜203と面201とは、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって伸びる互いに異なる直線L1、L2に存在する離間部25によってそれぞれ離間される。
なお、突起部211に形成された離間部251が他の突起部212、213、214に形成された離間部25とは異なる直線上に存在するものに限定されない。複数の突起部21のうちの何れか1つに形成された離間部25が異なる直線上に存在するものについても、本発明の一態様に含まれる。また、複数の突起部21のうちの何れか1つに形成された離間部25のみが異なる直線上に存在するものに限定されない。たとえば、突起部211、212の離間部251、252が直線L1に存在し、突起部213、214の離間部253、254が直線L2上に存在するものについても本発明の一態様に含まれる。
上述した実施例2によれば、実施例1により得られた作用効果(1)〜(3)と同様の作用効果が得られる。
[実施例3]
実施例3によるフォーカスリング1について説明する。以下の説明では、実施例1と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主として説明する。特に説明しない点については、実施例1と同様である。実施例3のフォーカスリング1は、全ての突起部21に離間部25が形成されるものではない点で、上述した実施例1とは異なる。なお、以下の説明においても、突起部21が4個の列を構成する場合を示しているが、列の個数は4個の場合に限定されるものではなく、突起部21の先端部が複数列の面を構成するものは本態様に含まれる。
図5(a)は実施例3におけるフォーカスリング1を底面20の側から見た場合の平面図であり、図5(b)はフォーカスリング1の断面図である。なお、図5(b)では、発明の理解を容易にすることを目的として、図2(b)、図3(b)、図4(b)と同様に、底面20が紙面の下側になるように描いている。図5に示すように、突起部212、213、214には、離間部252、253、254が形成されるが、突起部211には離間部25が形成されない。このため、突起部211の先端部により構成される面201は円弧状に連続する。
なお、本発明は突起部211に離間部25が形成されない例に限定されるものではない。複数の突起部21のうちの何れか1つまたは複数に離間部25が形成されないものについても本発明の一態様に含まれる。ただし、複数の突起部21のうちの少なくとも1つに離間部25が形成される。
また、図5では、突起部212、214に形成された離間部252、254は直線L2上に存在し、突起部213に形成された離間部253は直線L1上に存在する例を示しているが、この例に限定されるものではない。突起部212〜214に形成された離間部252〜254がそれぞれ異なる直線上に存在するものや、同一の直線上に存在するものについても本発明の一態様に含まれる。
上述した実施例3によれば、実施例1により得られた作用効果(1)、(2)に加えて以下の作用効果が得られる。
複数の突起部21の先端部により構成される複数列の面のうち少なくとも一つは、離間部25により離間されるようにした。したがって、離間部25がフォーカスリング1の中心Cから外側への方向に沿った同一直線L1上に存在することがなくなるので、フォーカスリング1の部材強度を確保することができる。
[実施例4]
実施例4によるフォーカスリング1について説明する。以下の説明では、実施例1と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主として説明する。特に説明しない点については、実施例1と同様である。実施例4のフォーカスリング1は、複数の突起部21には離間部25が形成されない点で、上述した実施例1とは異なる。なお、以下の説明においても、突起部21が4個の列を構成する場合を示しているが、列の個数は4個の場合に限定されるものではなく、突起部21の先端部が複数列の面を構成するものは本発明の一態様に含まれる。
図6(a)は実施例4におけるフォーカスリング1を底面20の側から見た場合の平面図であり、図6(b)はフォーカスリング1の断面図である。なお、図6(b)では、発明の理解を容易にすることを目的として、図2(b)、図3(b)、図4(b)、図5(b)と同様に、底面20が紙面の下側になるように描いている。実施例4では、図3に示す実施例1の場合と同様に、底面20は、それぞれフォーカスリング1の中心Cから異なる半径を有する円周に沿って同心円状に設けられた複数の突起部21の先端部により構成される。図6に示す実施例4においても、半径の小さい方から順に、突起部211、212、213、214が、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって互いに離間して配列される。ただし、各突起部211、212、213、214には離間部25が形成されない。すなわち、各突起部211、212、213、214の先端部により構成される複数列の面201、202、203、204はフォーカスリング1の円環形状に沿って円弧状に連続する。
なお、上記の例では各突起部211、212、213、214がフォーカスリング1の円周に沿って同心円状に配列された場合を示したが、この例に限定されない。たとえば、図7(a)に示すように、突起部213が連続した多角形環状となるように形成されているものも本態様に含まれる。また、突起部213が連続した矩形環状や楕円環状となるように形成されているものも本態様に含まれる。また、本発明は、各突起部21がフォーカスリング1の円環形状に沿って設けられている場合に限定されるものではない。図7(b)に示すように、各突起部21の先端部により構成される面の延伸方向がフォーカスリング1の円環形状に拘わらず、一定の方向となるように形成されているものについても本発明の一態様に含まれる。
上述した実施例4によれば、実施例1により得られた作用効果(1)、(2)と同様の作用効果を得ることができる。
[実施例5]
実施例5によるフォーカスリング1について説明する。図8は実施例5におけるフォーカスリング1を底面20の側から見た場合の平面図である。実施例5のフォーカスリング1は、複数の突起部21が離散的に形成されている。実施例5では、円柱状に形成された3個の突起部211、212、213がフォーカスリング1の下面22に突設されている。3個の突起部211、212、213は、それぞれフォーカスリング1の中心Cに対して、120°ごとの周期で形成される。その結果、底面20は、突起部211、212、213の先端部によって、120°ごとの周期で互いに離散した複数個の面により構成される。
なお、本発明は、突起部211、212、213が120°ごとの周期で形成されるものに限定されず、複数個の面が離散的に構成されるように突起部21が設けられるものは本発明の一態様に含まれる。また、図8では3個の突起部21により3個の離散した複数個の面が形成される場合を示しているが、面の個数は3個の場合に限定されるものではなく、複数個の面が構成されるものであれば、いかなる個数であっても本発明の一態様に含まれる。また、突起部21の形状は円柱状に形成された場合を一例として挙げたが、三角柱や四角柱等の形状であっても本発明の一態様に含まれる。換言すると、突起部21の形状は、どのような形状に形成されているものであっても本発明に含まれる。
なお、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる直線上に複数個の突起部21を設ける場合についても本態様に含まれる。たとえば、図9に示すように、フォーカスリング1の中心Cから外側に向かって延びる直線L1上に2個の突起部211、212が形成されてもよい。
以上で説明した実施例5によれば、実施例1により得られた作用効果(1)に加えて、以下の作用効果が得られる。
柱状の突起部21をフォーカスリング1の下面22に形成するようにした。したがって、底面20を簡単な構造によって離間した複数個の面により形成することができるので、フォーカスリング1の生産性向上に寄与する。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施例と組み合わせることも可能である。
(1)上述した実施例1〜5では、フォーカスリング1が円環状の場合について説明したが、フォーカスリング1が被処理物3の外縁部を囲う形状を有しているものについては、本発明の一態様に含まれる。たとえば、フォーカスリング1が矩形形状の被処理物3を囲うように矩形環状を有しているものや、多角形状の被処理物3を囲うように多角形環状を有しているものも本発明に含まれる。
(2)実施例1〜3では、突起部21の先端部により複数列の面が形成され、突起部21には離間部25が設けられるものについて説明したが、この例に限定されない。突起部211の先端部により1個の列の面201が構成され、突起部211は離間部25により複数の離間した部分突起部により構成される例も本発明の一態様に含まれる。
(3)実施例1〜3では、各突起部211、212、213、214がフォーカスリング1の円周に沿って同心円状に配列された場合を示したが、この例に限定されない。たとえば、各突起部211、212、213、214が多角形環状や矩形環状や楕円環状となるように形成されているものも本発明の一態様に含まれる。
(4)フォーカスリング1の上面23が単一面によって構成されているものに限定されない。図10に、図3(a)におけるフォーカスリング1のA1−A1断面を示す。図10示すように、フォーカスリング1の上面23が段差を有するように、第1上面231と第2上面232とにより形成され、第2上面232が被処理物3の裏面側に位置するように形成されているものについても本発明の一態様に含まれる。この場合、フォーカスリング1の上面23の面積は、第1上面231と第2上面232とを合計した面積により表され、この面積が底面20の面積よりも大きくなるように構成される。
(5)フォーカスリング1の下面22の形状は図3(b)に示すものに限定されない。たとえば、図11(a)に示すように、底面20から下面22までの高さが一律ではないものについても本発明の一態様に含まれる。また、下面22が平面を形成するものではなく、図11(b)に示すように断面が円弧を形成するものや、図11(c)に示すように断面が楔型形状の先端を形成するもの等についても本発明の一態様に含まれる。
(6)本発明によるフォーカスリング1は、多結晶CaFを材料として製造されたものに限定されない。本発明は、線膨張係数が1×10−5(K−1)より大きい物質、例えばZrO(線膨張係数1.05×10−5(K−1))を材料として製造されたプラズマ処理装置用部材に対して好適に用いることができる。
(7)本発明によるフォーカスリング1は、下面22に突起部21が設けられ、上面23の面積が突起部21の先端によって形成される底面20の面積よりも大きいものとして説明した。この説明は、プラズマに曝される面と対向する面、すなわちプラズマガスが供給される側とは反対側の面に突起部が設けられ、プラズマに曝される面の面積が突起部の先端により形成される面の面積よりも大きいフォーカスリングを意味する。したがって、プラズマ処理装置において、被処理物3が被エッチング面を下に向けて(フェースダウン)載置される構造を有する場合や、被処理物3が被エッチング面を鉛直方向となるように載置される構造を有する場合であっても、本発明によるフォーカスリングを使用することができる。
なお、以上の説明では、本発明の実施の形態および実施例をフォーカスリングを例に挙げて説明したが、本発明の実施の形態はフォーカスリングに限られるものではない。他の実施の形態としては、たとえばガイドリングやカバーリングなどが挙げられる。これらはフォーカスリングと同様にプラズマによる暴露を受け、部材内に温度分布が生じる可能性があるので、本発明の形態を備えることにより、部材内に生じた熱膨張量差により発生する応力を低減し、割れや微小クラックの発生による脆弱化を低減させるという効果を得ることができる。
また、本発明の態様の部材を備えたプラズマ処理装置としては、エッチング装置の他、アッシング装置、スパッタ装置、プラズマCVD装置、表面改質装置、コーティング装置などを挙げることができる。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態、各実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1…フォーカスリング、20…底面、
21…突起部、22…下面、
23…上面、25…離間部

Claims (9)

  1. プラズマ処理装置内の載置面に載置され、被処理基板の外縁部を囲う形状を有する環状のプラズマ処理装置用部材であって、
    前記プラズマ処理装置に載置された際に前記プラズマ処理装置の前記載置面と接触する第1の面と、
    前記第1の面に対向し、前記第1の面の面積に比べて面積が大きい第2の面と、
    前記第1の面の側に設けられ、先端が前記第1の面を形成する突起部とを備え、
    前記第1の面は、互いに離間した複数の面により形成されることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置用部材において、
    前記第1の面は、複数列の面を形成することを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  3. 請求項2に記載のプラズマ処理装置用部材において、
    前記複数列の面のうち少なくとも一つの列の面は、離間部により離間された複数の部分列の面により形成されることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  4. 請求項2に記載のプラズマ処理装置用部材において、
    前記複数列の面のそれぞれは、離間部により離間された複数の部分列の面により形成され、
    前記複数列の面のうちの少なくとも一つの列の面を離間する前記離間部と、他の列の面を離間する前記離間部とは、前記プラズマ処理装置用部材の内側から外側に向かって延びる互いに異なる直線上に存在することを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のプラズマ処理装置用部材において、
    線膨張係数が1×10−5(K−1)より大きい物質によって構成されることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  6. 請求項5に記載のプラズマ処理装置用部材において、
    前記物質がフッ化カルシウムであることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載のプラズマ処理装置用部材を備えたプラズマ処理装置。
  8. 請求項5または6に記載の前記物質を含む原材料を、所定形状に成形した後、加熱して焼結させることで、前記プラズマ処理装置用部材を成形すること特徴とするプラズマ処理装置用部材の製造方法。
  9. 請求項8に記載のプラズマ処理装置用部材の製造方法において、
    プラズマ処理装置用部材を成形した後、前記プラズマ処理装置用部材の少なくとも一部を研磨することを特徴とするプラズマ処理装置用部材の製造方法。
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WO2022250096A1 (ja) * 2021-05-27 2022-12-01 京セラ株式会社 フォーカスリングおよびプラズマ処理装置

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