JP2015065024A - プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および環状部材 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および環状部材 Download PDF

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Abstract

【課題】線膨張率が大きい材料を用いて製造された場合であっても、プラズマ処理の際の割れの発生を抑制する。
【解決手段】被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置は、被処理基板の外縁部を囲う環状部材を備え、環状部材は被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、環状部材は、主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および環状部材に関する。
従来から、フッ素系プラズマに対して高いプラズマ耐性を有する多結晶CaFを材料として製造されたフォーカスリングが知られている(たとえば特許文献1)。
国際公開WO2012/165334号
しかしながら、一般に多結晶CaFのようなセラミックスからなる部材はサーマルショックに弱く、プラズマ処理の際に急激な温度負荷がかかった場合等に割れが発生しやすいという問題がある。
請求項1に記載のプラズマ処理装置は、被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、被処理基板の外縁部を囲う環状部材を備え、環状部材は被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、環状部材は、主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されることを特徴とする。
請求項7に記載のプラズマ処理方法は、被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、被処理基板を環状部材の内側に配置する工程と、被処理基板の被処理面にプラズマを照射する工程とを備え、環状部材は被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、環状部材は、主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されることを特徴とする。
請求項8に記載の環状部材は、プラズマ処理装置内で被処理基板の外縁に配置して用いる環状部材であって、被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されることを特徴とする。
本発明によれば、環状部材は、被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材により構成されるので、プラズマ処理に曝される主平面とその反対側の面との間の温度差に伴う割れ等の発生を抑制できる。
本発明の実施の形態によるプラズマ処理装置の模式図 実施の形態によるプラズマ処理装置に用いるフォーカスリングの概略形状を説明する図 フォーカスリング内部の温度勾配を説明する概略図 実施例1におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例2におけるフォーカスリングの形状を説明する図 実施例3におけるフォーカスリングの形状を説明する図
本発明の態様のプラズマ処理装置は、プラズマ処理を施すべき被処理物の外縁部を囲う形状を有する環状部材を備えている。環状部材としては、フォーカスリング、ガイドリング、カバーリング、シャドーリング、静電チャック等が挙げられる。この環状部材は、被処理物の被処理面と実質的に同一面をなす主平面を有し、主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されている。本発明の態様は、プラズマ処理の最中に環状部材の主平面がプラズマにより加熱され、主平面と、環状部材において主平面に対向する平面との間での温度差が大きい場合であっても、熱応力による割れ等の抑制が実現可能となるように環状部材を構成したものである。以下、詳細に説明する。
−実施の形態−
図面を参照しながら、本発明の実施の形態によるプラズマ処理装置について説明する。
図1は、本実施の形態によるプラズマ処理装置10の模式図である。プラズマ処理装置10は、ガス供給口6およびガス排出口7を有するチャンバー5内に、上部電極8および下部電極9が設けられている。下部電極9の上面には、被処理物3(たとえば半導体ウェハ)を支持するための静電チャック2が備えられている。
なお、図1に示すプラズマ処理装置10は、被処理物3にプラズマを直接照射するいわゆるダイレクト方式の平行平板型の装置であるが、本発明のプラズマ処理装置はこれに限定されるものではない。放電空間の外部に配置した被処理物3に向けプラズマガスを吹出すいわゆるリモート式の装置も本発明の一態様に含まれる。また、2つの電極を有する平行平板型に限定されず、1つの電極を備えるプラズマ処理装置も本発明の一態様に含まれる。また、チャンバー5内で真空または低圧下で処理を行う真空(低圧)プラズマ処理装置に限定されず、大気圧下でプラズマ処理を行う大気圧プラズマ処理装置も本発明の一態様に含まれる。
チャンバー5は、被処理物3にプラズマ処理を施すために内部が密閉空間となっている処理容器である。チャンバー5の底面には下部電極9が配設され、下部電極9の上方には下部電極9と対向するように上部電極8が設けられている。このため、上部電極8と下部電極9との間には、被処理物3がプラズマ処理されるための処理空間が形成される。チャンバー5の底面のガス排出口7には排気管71を介して排気装置72が接続されている。排気装置72には、圧力調節部(不図示)が接続され、圧力調節部は制御部(不図示)からの制御信号によってチャンバー5内を真空排気して所望の真空度に維持するように構成されている。
チャンバー5の底面には下部電極9を下方から支持するための支持体91が絶縁部材(不図示)を介して配設されている。下部電極9の上面に設けられた静電チャック2の内部には、高圧直流電源21に接続された電極が設けられ、高圧直流電源21から静電チャックに印加された直流電圧により生じたクーロン力等の静電力により被処理物3が静電チャック2に吸着保持される。また、下部電極9は、不図示の水冷機構を内蔵しており、静電チャック2を介して被処理物3を冷却することにより、プラズマ処理中における被処理物3の温度上昇を抑制する。
チャンバー5にはガス供給口6が設けられ、ガス供給口6はガス導入管61を介してガス供給源62に接続されている。ガス供給源62からのエッチングガスは、制御部(不図示)からの制御信号に従って駆動するバルブ63によってガス流量が調節されてチャンバー5内に供給される。エッチングガスとしては、SF、CF、CHF、Cl、Ar、Oなどが挙げられる。
上部電極8には高周波電源81が整合器(不図示)を介して接続されている。上部電極8に接続された高周波電源81から上部電極8に印加された高周波電圧により、チャンバー5内部の処理空間のエッチングガスはプラズマ化する。高周波電源81は制御部(不図示)に接続され、制御信号に応じて上部電極8に印加される電力が制御される。
フォーカスリング1は被処理物の外縁部を囲う形状に形成された環状部材であり、被処理物3をプラズマ処理装置10内でプラズマエッチング等の処理に供する際に、プラズマ分布の一様性を確保して被処理物3のエッチング速度の均一性を向上させる機能を有する。被処理物3は静電チャック2上に配置され、フォーカスリング1は被処理物3および静電チャック2を囲むようにして下部電極9の上面に載置される。すなわち、下部電極9の上面がフォーカスリング1の載置面となる。図1に示すように、被処理物3の外縁部にフォーカスリング1が載置された際には、フォーカスリング1の主平面100は、被処理物3の被処理面31と実質的に同一平面をなす。なお、フォーカスリング1の主平面100は被処理物3の被処理面31と実質的に同一平面となるものに限定されず、被処理面31と実質的に平行となるものについても本発明の一態様に含まれる。
図2は、本実施の形態によるフォーカスリング1の概略形状を示す図である。図2(a)はフォーカスリング1の上部平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA1−A1線での断面図である。図2(b)に示すように、フォーカスリング1は、フォーカスリング1の主平面100と垂直な方向に複数の部分部材11(図2(b)においては、第1部分部材110および第2部分部材120)が積層して構成されている。フォーカスリング1は上記のように、被処理物3の外縁部を囲う円環状に形成されている。また、複数の部分部材11のそれぞれも被処理物3の外縁部を囲う円環状に形成されている。
なお、図2では、フォーカスリング1が円環状の例を示しているが、本発明の実施の形態は円環状のものに限定されず、たとえば矩形の環状や多角形の環状等、環状のものはどのような形状のものであっても本発明の一態様に含まれる。また、図2においては、フォーカスリング1は2個の部分部材11が積層されて構成される例を図示しているが、積層される部分部材11の個数はこれに限定されるものではなく、3個以上の部分部材11が積層されて構成される場合についても本発明の一態様に含まれる。また、以下の説明においては、フォーカスリング1の主平面100と垂直な方向を、フォーカスリング1の厚さ方向と呼ぶ。
フォーカスリング1の第1部分部材110は第1上面111と第1底面112とを有し、第2部分部材120は第2上面121と第2底面122とを有している。フォーカスリング1をプラズマ処理装置10内に載置した際に、第2部分部材120の第2底面122が載置面である下部電極9と接触する面となる。第1部分部材110は第2部分部材120の第2上面121上に載置される。フォーカスリング1では、第1部分部材110の第1底面112と第2部分部材120の第2上面121とが接触しているのみであり、焼結や接着剤等により化学的に結合されることなく構成される。第1部分部材110の第1上面111は、プラズマ処理時に主にプラズマに接する面である。したがって、第1部分部材110の第1上面111がフォーカスリング1の最上面である主平面100となり、第2部分部材120の第2底面122がフォーカスリング1の主平面100と対向する底面となる。フォーカスリング1が下部電極9に載置されると、第2部分部材120の第2底面122が下部電極9と熱的に接触する。なお、フォーカスリング1の詳細については、説明を後述する。
プラズマ処理装置10を用いて被処理物3をプラズマエッチングするためには、チャンバー5内を所定の真空度まで排気した後に、ガス供給口6からエッチングガスを供給する。エッチングガスとしては、SF、CF、CHF、Cl、Ar、Oなどが挙げられる。このとき、上部電極8と下部電極9との間に高周波電圧を印加する。上部電極8と下部電極9との間に形成された高周波電界により、エッチングガスはプラズマ化される。このプラズマにより被処理物3のプラズマエッチングが行われる。
被処理物3のプラズマエッチングが行われる間、フォーカスリング1も被処理物3と同様にプラズマに曝される。特に、フォーカスリング1を構成する部分部材11のうち、第1部分部材110の第1上面111、すなわち主平面100が主にプラズマに曝される。したがって、第1部分部材110の材料としてプラズマ耐性(耐エッチング性)に優れたCaFを用いることが好ましい。単結晶CaFはへき開性を有するため、振動や衝撃により割れやすい性質を有している。これに対して多結晶CaFは、微小な結晶が結合して構成されているため、バルクとしてはへき開性を有していない点で単結晶よりも割れにくい。そのため、本実施の形態のフォーカスリング1においては、少なくとも第1部分部材110については、多結晶CaFがその材料として好適に用いることができる。なお、フォーカスリング1の材料としては、多結晶CaFを用いるものに限定されず、環状部材として使用可能なその他の材料も用いることができる。
多結晶CaFを構成する結晶粒子とプラズマ耐性(耐エッチング性)について説明する。本実施の形態のフォーカスリング1のうちの少なくとも第1部分部材110の製造に用いられる多結晶CaFを構成する結晶粒子の平均粒子径は200μm以上である。多結晶CaFでは、結晶粒子径が増大するにつれてプラズマ耐性が高くなり、結晶粒子径が200μm以上となるとプラズマ耐性が飽和する傾向があり、単結晶CaFと実質的に同等のプラズマ耐性となる。結晶界面はエッチングされやすいので、結晶粒子径が増大することにより結晶界面が減少し、プラズマ耐性が高くなる。本実施の形態で用いられる多結晶CaFは、結晶粒子の平均粒子径を200μm以上とすることによって、そのプラズマ耐性を単結晶CaFの有するプラズマ耐性とほぼ同等とすることができる。
平均粒子径は以下で定義される。走査型電子顕微鏡(SEM)にて結晶粒子を観察することにより、多結晶体の結晶粒子径測定を行う。1試料において任意の3視野を観察し、それぞれの視野内の結晶粒子の長軸と短軸とを計測し、その平均を結晶粒子径(平均粒子法)とする。軸の測定はJISR1670「ファインセラミックスのグレインサイズ測定方法」に準じる。
実施の形態で用いる多結晶CaFは、へき開性を有しないために割れにくいという多結晶体が有する利点に加えて、プラズマ耐性に優れているという単結晶体が有する利点を兼ね備えることになる。
多結晶CaFからなるフォーカスリング1の部分部材11の製造方法の一例は以下の通りである。
CaFの粉末原材料の粒径(メジアン径)は、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。CaFの粉末原材料の粒径が大きい場合には、ボールミル等により予め粉砕してから用いるのが好ましい。ボールミル粉砕においては、アルミナボール、Zrボール、ナイロンボール等を用いることができる。粉砕時間は12時間以上であることが好ましい。
上記のCaF粉末原材料を、たとえば湿式成形、プレス成形、CIP成形(冷間等方圧プレス成形)等の公知の成形方法を用いて成形を行う。湿式成形方法としては泥漿鋳込み成形(スリップキャスティング)が例示される。泥漿鋳込み法の一例を挙げるならば、CaF粉末原材料と水とを混合して作製したスラリーを石膏型に入れ、室温にて48時間以上静置させて成形体を得た後、この成形体を石膏型から取り出して80℃にて48時間、乾燥炉で乾燥させることにより成形体を得ることができる。プレス成形としては、所望の形状に形成された金型にCaF粉末原材料を充填して、加圧により成形体を作成する方法が例示される。CIP成形はプレス成形の一態様であり、CaF粉末原材料を金型プレスにより仮成形し、仮成形体を真空パックにした後、CIP装置にセットして、例えば100MPaにて1分間の圧力保持を行うことにより、成形体を作成することができる。いずれの成形方法、いずれの成形条件を用いるかについては、所望するフォーカスリング1の形状、歩留り、品質等を考慮して決定される。
なお、いずれの成形方法を用いる場合であっても、所望するフォーカスリング1の部分部材11の形状に応じて、割れを防ぐためのバインダーを添加して成形体を作成してもよい。この場合、作成された成形体にはバインダーが含まれるので、成形体は大気雰囲気もしくは酸素及び不活性ガスの混合雰囲気において加熱し、バインダーの除去を行う(脱バインダー工程)。
上述のようにして得られた成形体を真空焼結炉に導入して、真空雰囲気で焼結させる。焼結工程時の真空度は、緻密化およびCaFの酸化防止の目的から、10Pa以下であることが望ましい。焼結工程では、成形体は、1400℃以下で6時間以上焼結させる。焼結温度が高く、焼結時間が長い程、作成された多結晶CaFの結晶粒子径は大きくなる傾向があるが、材料の揮発による多結晶体重量の減少、製造リードタイムの増大等につながる。上記の点を考慮して、焼結温度は、1400℃以下であり、好ましくは1250℃〜1350℃である。焼結時間は、6時間以上であり、好ましくは6時間以上かつ24時間以下である。
所望の形状のフォーカスリング1の部分部材11とするために、上述した石膏型を所望するフォーカスリング1の部分部材11の形状に対応した形状に形成するか、あるいは、焼結後の成形体を機械加工によって所望するフォーカスリング1の部分部材11の形状となるように加工する。何れの加工方法を用いるかについては、歩留りや要求仕様等を考慮に入れて決定される。
機械加工によって所望の形状を形成する方法の一例を次に示す。
始めに、前述の焼結方法等を用いて板状ないし環状の焼結体素材を製造する。次に、焼結体素材に機械加工を施し、外形や突起部等の形状を所望の形状に加工する。円環状の部材を製造する場合であれば、始めに上面及び下面を研削加工して、所望厚さに研磨代(〜数mm)を加えた厚さまで加工した後、円環の外周および内周を研削加工して所望の寸法に成形する。必要に応じてオリフラ形状やノッチ形状を形成しても良い。最後に、必要に応じて表面に研削加工を施す。
機械加工にはロータリー研削盤やマシニングセンタを用いることができる。また、機械加工に用いる切削工具や研削工具は、焼結体素材の性状や形状、必要とされる表面粗さ等に応じて、適切な工具や砥石を用いることができる。焼結体素材が十分な相対密度を保持している場合は液体を吸収しないので、研削液や切削液を用いて加工することも可能である。なお、上記のフォーカスリング1の部分部材11の所望の形状についての詳細は、各種の実施例を用いて後述する。
加工された多結晶CaF製のフォーカスリング1の部分部材11の表面におけるプラズマ耐性を向上させるために、フォーカスリング1の部分部材11の表面を機械加工により鏡面研磨してもよい。表面粗さRaは、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.1μm以下とする。なお、フォーカスリング1の部分部材11の全ての面に対して研磨を行う必要はなく、少なくともプラズマに暴露される面、すなわち第1部分部材110の第1上面111に相当する面を研磨すればよい。
以上、多結晶CaFからなるフォーカスリング1の部分部材11の製造方法について説明したが、他の材料からなる部材についても、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、Siからなる部材を製造する場合は、適宜の方法で製造されたSi単結晶や多結晶のインゴットを素材として、上述の機械加工により所望の形状に形成し、本発明の態様のプラズマ処理装置用部材とすることができる。また、石英ガラスからなる部材を製造する場合は、溶融石英ガラスや気相合成石英ガラスのインゴットを素材として、同様の機械加工により本発明の態様の環状部材とすることができる。また、AlやSiC、Yなどのセラミックス素材の場合は、公知の材料と製造方法を用いて焼結体素材を製造した後、同様に機械加工を施して所望の形状とすれば良い。この際、焼結体素材の製造条件や機械加工の加工条件等は、それぞれの素材の性状や目的とする形状に応じて、当業者が通常用いうる手段の範囲内で適宜選択することができる。
本実施の形態によるプラズマ処理装置10に用いられるフォーカスリング1について説明する。被処理物3のプラズマエッチングが行われる際、フォーカスリング1の第1部分部材110の第1上面111はプラズマにより加熱され、第1上面111の温度は300℃以上に達することがある。一方、フォーカスリング1の第2部分部材120の第2底面122は、図示しない水冷機構により30℃程度に冷却される。
図3は、フォーカスリング1の厚さ方向とフォーカスリング1内部の温度との関係を模式的に説明する図である。図3(a)は第1部分部材110と第2部分部材120とが多結晶CaFを材料として製造されている場合、図3(b)は第1部分部材110が多結晶CaFを材料として製造され、第2部分部材120が多結晶CaFとは異なる材料を用いて製造されている場合を示している。図3(c)は、厚さ方向に沿って複数の部分部材が積層した構造を有していない従来構造のフォーカスリングにおける厚さ方向と温度との関係を模式的に示している。なお、図3(a)、(b)においては、厚さ方向のH0は第2部分部材120の第2底面122に相当し、H1は第1部分部材110の第1底面112と第2部分部材120の第2上面121との接触面に相当し、H2は第1部分部材110の第1上面111に相当する。図3(b)は、第2部分部材120として、多結晶CaFと比べて断熱性が高い材料を用いた場合の例を示している。
多結晶CaFの線膨張係数は約1.8×10−5[K−1]なので、温度を30℃から300℃に上げた場合の熱膨張量は、外力が働かなければ、1mm当たり0.00486mmとなる。これは、長さ100mmでは0.486mmに相当する。図3(c)に示す従来構造のフォーカスリングにおいては、上面に相当するH2がプラズマにより加熱される高温部であり、底面に相当するH0がプラズマに直接曝されない低温部であり、この高温部と低温部との間には、上記の大きさの熱膨張量に相当する熱応力が生じることになる。従来構造のフォーカスリングでは、高温部と低温部とは互いに拘束し合うため、高温部の膨張は低温部により妨げられ、底面と上面との間で上記の温度差に応じて大きな熱応力が生じる。この熱応力により、フォーカスリングに割れや微小クラックなどの使用上好ましくない現象が誘起され、フォーカスリングの脆弱化につながる。
これに対して、本実施の形態によるフォーカスリング1は、従来構造のフォーカスリングとは異なり、第1部分部材110と第2部分部材120とが厚さ方向にて接触して積層する構造を有している。このため、第1部分部材110の第1底面112と第2部分部材120の第2上面121との接触面、すなわちH1において、第1部分部材110と第2部分部材120とが主平面100に平行な平面上にて相対移動可能となる境界が形成される。この結果、高温部である第1部分部材110の第1上面111と、低温部である第2部分部材120の第2底面122とは、従来構造のフォーカスリングとは異なり、互いに拘束し合うことはない。
図3(a)、(b)に示す本実施の形態のフォーカスリング1においては、H0とH2と間の温度差は、図3(c)に示す従来構造のフォーカスリングの場合と同様であるが、第1部分部材110と第2部分部材120との境界であるH1では温度がT1(30℃<T1<300℃)である。したがって、第1部分部材110では、第1底面112と高温部である第1上面111との間の温度差に応じた熱応力が生じるが、従来構造のフォーカスリングのようにH0とH2との間の温度差に応じた熱応力よりも小さくなる。第1部分部材110と第2部分部材120とは互いに拘束されていないので、第1部分部材110は、従来構造のフォーカスリングと比べて小さい温度差に応じた熱応力によって変形する。
同様に、第2部分部材120では、低温部である第2底面122と第2上面121との間の温度差に応じた熱応力が生じるが、従来構造のフォーカスリングのようにH0とH2との間の温度差に応じて生じる熱応力よりも小さくなる。そして、第1部分部材110と第2部分部材120とは互いに拘束されていないので、第2部分部材120は、小さい温度差に応じた熱応力によって変形する。
上述したように、第1部分部材110および第2部分部材120のそれぞれに作用する熱応力は、従来構造のフォーカスリング全体に作用する熱応力よりも小さくなる。さらに、第1部分部材110と第2部分部材120とは互いに相対移動が可能な構造となっている。したがって、本実施の形態のフォーカスリング1においては、全体として割れや微小クラックなどの使用上好ましくない現象が誘起されることを抑制できる。
上述したフォーカスリング1を有するプラズマ処理装置10を使用して被処理物3にプラズマ処理を施す方法について説明する。主平面100に垂直な方向に複数の部分部材11を積層させてフォーカスリング1とし、フォーカスリング1の内側に被処理物3を配置する。本実施の形態では、下部電極9上にフォーカスリング1が配置され、静電チャック2上に被処理物3が配置される。このとき、高圧直流電源21から静電チャックに印加された直流電圧により生じた静電力により被処理物3が静電チャック2に吸着保持される。上記のように被処理物3とフォーカスリング1とが配置されたチャンバー5内に、ガス供給源62を介してエッチングガスを供給する。高周波電源81から上部電極8に高周波電圧を印加することにより、チャンバー5内部の処理空間のエッチングガスをプラズマ化させて、被処理物3の被処理面にプラズマを照射する。
以下、フォーカスリング1の実施例を示す。なお、以下の実施例は本発明の態様を具体的に説明するものであるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1によるフォーカスリング1について説明する。図4(a)は実施例1におけるフォーカスリング1を上部から見た平面図であり、図4(b)〜(f)は図4(a)のA2−A2断面図である。なお、図4に示す実施例1のフォーカスリング1についても、第1部分部材110と第2部分部材120とを積層して構成される例を示しているが、3個以上の部分部材11を積層して構成されるものについても本発明に含まれる。また、実施例1におけるフォーカスリング1では、第1部分部材110は多結晶CaFを材料として作成され、第2部分部材120も多結晶CaFを材料として作成されたものであってもよいし、多結晶CaFとは異なる材料により作成されたものであってもよい。多結晶CaFとは異なる材料として、石英ガラス、アルミナ、シリコン等が挙げられ、何れの材料を用いるかについては、プラズマ処理に用いるエッチングガスの種類、プロセス中のコンタミネーション、コスト、機械的強度等を考慮して最適な材料が選択される。
図4(b)に示すフォーカスリング1の断面は、実施の形態において説明した図2(b)と同様である。上述したように、フォーカスリング1では、第1部分部材110と第2部分部材120とが互いに拘束することなく積層され、第1部分部材110と第2部分部材120とのそれぞれに作用する熱応力の影響が小さい。この結果、フォーカスリング1全体として割れや微小クラックなどの使用上好ましくない現象が誘起を抑制している。
図4(b)に示すフォーカスリング1では、第1部分部材110と第2部分部材120とが化学的に結合されていない。このため、フォーカスリング1をプラズマ処理装置10の下部電極9に載置する際に、第1部分部材110と第2部分部材120との間の位置関係が定まらない可能性がある。上記の点を防ぐために、フォーカスリング1の断面を図4(c)〜(f)に示すように形成する。なお、図4(c)〜(f)においては、図示の都合上、凹部113と凸部123とが互いに密接するように表現しているが、第1部材110と第2部材120とが熱応力に起因する相対移動が可能となるようにクリアランスが確保されているものとする。
図4(c)は、第1部分部材110の第1底面112に断面が矩形となる凹部113を設け、第2部分部材120の第2上面121に断面が矩形となる凸部123を設けた例を示している。凹部113と凸部123とは、フォーカスリング1の内周側で対応するように形成され、第1部分部材110を第2部分部材120上に載置した際に、凹部113と凸部123とは嵌合する。なお、凹部113と凸部123とは、環状のフォーカスリング1の周方向に連続して延在していてもよいし、周方向の一部分には形成されず非連続に形成されていてもよい。また、図4(c)では、凹部113と凸部123とがフォーカスリング1の内周側に形成された例を示したが、外周側に形成されるものや、フォーカスリング1の径方向の中央部近傍に形成されてもよい。
図4(d)は、第1部分部材110の第1底面112に断面が楔形となる凹部113を設け、第2部分部材120の第2上面121に断面が楔形となる凸部123を設けた例を示している。凹部113と凸部123とは、フォーカスリング1の外周側で対応するように形成され、第1部分部材110を第2部分部材120上に載置した際に、凹部113と凸部123とは嵌合する。なお、凹部113と凸部123とは、環状のフォーカスリング1の周方向に連続して延在していてもよいし、周方向の一部分には形成されず非連続に形成されていてもよい。また、図4(d)では、凹部113と凸部123とがフォーカスリング1の外周側に形成された例を示したが、内周側に形成されるものや、フォーカスリング1の径方向の中央部近傍に形成されてもよい。
図4(e)は、上記の図4(c)および(d)に示す断面形状を組み合わせたものである。すなわち、第1部分部材110の第1底面112に断面が矩形となる第1凹部114と断面が楔形となる第2凹部115とを設け、第2部分部材120の第2上面121に断面が矩形となる第1凸部124と断面が楔形となる第2凸部125とを設けている。第1凹部114と第1凸部124とは、フォーカスリング1の内周側で対応するように形成され、第2凹部115と第2凸部125とはフォーカスリング1の外周側で対応するように形成されている。このため、第1部分部材110を第2部分部材120上に載置した際に、凹部113と凸部123とは嵌合する。なお、第1凹部114、第2凹部115、第1凸部124および第2凸部125は、環状のフォーカスリング1の周方向に連続して延在していてもよいし、周方向の一部分には形成されず非連続に形成されていてもよい。
図4(f)は、第1部分部材110の第1底面112に断面が半円となる凹部113を設け、第2部分部材120の第2上面121に断面が半円となる凸部123を設けた例を示している。凹部113と凸部123とは、フォーカスリング1の径方向の中央部近傍で対応するように形成され、第1部分部材110を第2部分部材120上に載置した際に、凹部113と凸部123とは嵌合する。なお、凹部113と凸部123とは、環状のフォーカスリング1の周方向に連続して延在していてもよいし、周方向の一部分には形成されず非連続に形成されていてもよい。また、図4(f)では、凹部113と凸部123とがフォーカスリング1の径方向の中央部近傍に形成された例を示したが、内周側や外周側に形成されてもよい。
なお、図4(c)〜(f)においては、第1部分部材110に凹部113を形成し、第2部分部材120に凸部123を形成する例を示したが、第1部分部材110に凸部を形成し、第2部分部材120に凹部を形成し、嵌合するものも本発明の一態様に含まれる。また、凹部113および凸部123の断面形状は、矩形、楔形、半円に限定されるものではない。また、3個以上の部分部材11が積層してフォーカスリング1が構成されている場合には、厚さ方向に沿って隣接して積層される少なくとも1組の部分部材11が互いに接触する接触面に凸部と凹部とを設け、嵌合することが好ましい。
上述した実施例1のフォーカスリング1によれば、以下の作用効果が得られる。
フォーカスリング1は、接触面に設けられた凸部と凹部とが互いに嵌合する、少なくとも1組の部分部材11を含むようにした。この結果、熱応力に伴う異なる部分部材11の相対移動を妨げることなく、簡単な構造で第1部分部材110と第2部分部材120との位置関係が定まる。
[実施例2]
実施例2によるフォーカスリング1について説明する。図5(a)は、実施例2におけるフォーカスリング1を上面側から見た平面図であり、図5(b)および(c)は図5(a)におけるA3−A3断面図である。実施例2のフォーカスリング1は、第2部分部材120における主平面100に平行な面の面積が、第1部分部材110における主平面100に平行な面の面積よりも大きくなるように形成されている。
なお、図5に示す実施例2のフォーカスリング1についても、第1部分部材110と第2部分部材120とを積層して構成される例を示しているが、3個以上の部分部材11を積層して構成されるものについても本発明に含まれる。また、実施例2におけるフォーカスリング1では、第1部分部材110は多結晶CaFを材料として作成され、第2部分部材120は多結晶CaFを材料として作成されたものであってもよいし、多結晶CaFとは異なる材料により作成されたものであってもよい。多結晶CaFとは異なる材料として、石英ガラス、アルミナ、シリコン等が挙げられ、何れの材料を用いるかについては、プラズマ処理に用いるエッチングガスの種類、プロセス中のコンタミネーション、コスト、機械的強度等を考慮して最適な材料が選択される。
図5(a)および(b)に示すように、第2部分部材120は第1部分部材110と比べてフォーカスリング1の内側に内周面が位置するように形成されている。このため、図5(b)に示すように、第2部分部材120の第2上面121は、第1部分部材110の第1底面112と接触する第1領域126と、第1底面112と接触しない第2領域127とを含む。この第2領域127で被処理物3を支持することができるので、本実施例2のフォーカスリング1は被処理物3を移動させる際やハンドリングの際の支持具としても用いることが可能となる。なお、図4(c)〜(f)に示す実施例1と同様に、第1部分部材110の第1底面112と第2部分部材120の第2上面121のうち第1領域126との何れか一方に凸部を設け、他の一方に凹部を設け、凸部と凹部とが嵌合する構造とするものも本発明の一態様に含まれる。この結果、第1部分部材110と第2部分部材120との位置関係を容易に定めることができる。
図5(c)に示す例では、第2部分部材120の第2上面121に厚さ方向に沿った段差部128を設け、この段差部128を境界として第1領域126と第2領域127とが形成される。このため、第2部分部材120の厚さは第1領域126に対応する範囲と第2領域127に対応する範囲とでは互いに異なる。図5(c)に示す例では、第1領域126に対応する範囲の厚さは、第2領域127に対応する範囲の厚さと比べて小さい。この結果、フォーカスリング1が傾いた場合であっても第1部分部材110の一部が段差部128と接触するため、第1部分部材110と第2部分部材120との位置関係を容易に定めることができる。なお、図5(c)においては、図示の都合上、第1部分部材110と段差部128とが互いに密接するように表現しているが、第1部材110と段差部128とが熱応力に起因する相対移動が可能となるようにクリアランスが確保されているものとする。
なお、図5(d)に示すように第2部分部材120の第2底面122の面積が、第1部分部材110における第1上面111の面積よりも小さくなるように形成されている場合についても本発明の一態様に含まれる。この場合、下部電極9に載置されたフォーカスリング1において、第1部分部材110と下部電極9との間に空間が生じる。この空間は下部電極9の冷却に対して断熱作用を有することにより、第1部分部材110の第1底面112の冷却が抑制される。この結果、第1部分部材110の第1上面111と第1底面112との間の温度差が小さくなり熱応力による影響を抑制できる。
[実施例3]
実施例3によるフォーカスリング1について説明する。図6(a)は、実施例3におけるフォーカスリング1を上面側から見た平面図であり、図6(b)〜(d)は図6(a)におけるA4−A4断面図である。実施例3のフォーカスリング1は、第1部分部材110は複数の分割部材200により構成されている。図6に示す例では、フォーカスリング1の周方向について、3つの分割部材200(第1分割部材210、第2分割部材220、第3分割部材230)が接触面201を介してそれぞれ接触して組み合わさることにより環状の第1部分部材110が形成される。なお、第1部分部材110を形成する分割部材200の個数は、上記の3個のものに限定されるものではなく、フォーカスリング1の大きさに応じて、2個の分割部材200により形成されるものや4個以上の分割部材200により形成されるものについても本発明の一態様に含まれる。また、第1部分部材110に加えて第2部分部材120についても、複数の分割部材により構成されるものについても本発明の一態様に含まれる。
なお、図6に示す実施例3のフォーカスリング1についても、第1部分部材110と第2部分部材120とによって構成される例を示しているが、3個以上の部分部材11によって構成されるものについても本発明に含まれる。また、実施例3におけるフォーカスリング1では、第1部分部材110は多結晶CaFを材料として作成され、第2部分部材120は多結晶CaFを材料として作成されたものであってもよいし、多結晶CaFとは異なる材料により作成されたものであってもよい。多結晶CaFとは異なる材料として、石英ガラス、アルミナ、シリコン等が挙げられ、何れの材料を用いるかについては、プラズマ処理に用いるエッチングガスの種類、プロセス中のコンタミネーション、コスト、機械的強度等を考慮して最適な材料が選択される。
図6(b)は一例として第1分割部材210と第2分割部材220とが組み合わさる領域の近傍における厚さ方向の断面を示している。第1分割部材210の接触面211と第2分割部材220の接触面221とは厚さ方向に沿って実質的に平行となるように形成され、接触面211と接触面221とが互いに接触し合った状態で第1分割部材210と第2分割部材220とが第2部分部材120上に配置される。接触面211と接触面221とは互いに接触しているのみであり、焼結や接着剤等により化学的に結合されることなく構成される。その結果、複数の分割部材200を互いに接触させて環状の部分部材11を形成するようにしたので、熱応力に伴う異なる部分部材11の相対移動を妨げることなく、材料歩留りや製造歩留りの低下を防ぎ、コストの増加を抑制してフォーカスリング1の大型化が可能となる。さらに、部分部材11が周方向に沿って複数の分割部材200に分割されることにより、部分部材11の周方向に沿った拘束力が低減される。このため、部分部材11に作用する周方向に沿った熱応力の影響を抑制できる。
図6(c)、(d)は、第1分割部材210と第2分割部材220とが組み合わさる領域の近傍における厚さ方向の断面の別の例を示している。この例では、第1分割部材210の接触面211と第2分割部材220の接触面221とが互いに対応する階段状に形成されている場合を示している。図6(c)に示す例では、第1上面111から厚さ方向に沿って実質的に平行な面と、第1底面112から厚さ方向に沿って実質的に平行な面とが、主平面100と非平行な斜面によって連結されるように形成されている。図6(d)に示す例では、第1上面111から厚さ方向に沿って実質的に平行な面と、第1底面112から厚さ方向に沿って実質的に平行な面とが、主平面100と実質的に平行な面によって連結されるように形成されている。
図6(c)、(d)に示す例では、分割部材200の接触面211、220を階段状に形成するようにした。この結果、接触面211と接触面220とに生じる間隙からプラズマが侵入した場合であっても、図6(b)に示す例と比べて、侵入したプラズマが下部電極9に与える影響を低減できる。
なお、本実施例3のフォーカスリング1を、図4(c)〜(f)に示した実施例1と同様に、第1部分部材110の第1底面112と第2部分部材120の第2上面121との何れか一方に凸部を設け、他の一方に凹部を設け、凸部と凹部とが嵌合する構造とするものも本発明の一態様に含まれる。この結果、第1部分部材110と第2部分部材120との位置関係を容易に定めることができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)上述した実施例1〜3では、フォーカスリング1が円環状の場合について説明したが、フォーカスリング1が被処理物3の外縁部を囲う形状を有しているものについては、本発明の一態様に含まれる。たとえば、フォーカスリング1が矩形形状の被処理物3を囲うように矩形環状を有しているものや、多角形状の被処理物3を囲うように多角形環状を有しているものも本発明に含まれる。
(2)本発明によるフォーカスリング1は、多結晶CaF2を材料として製造されたものに限定されない。本発明は、線膨張係数が1×10−5(K−1)より大きい物質、例えばZrO(線膨張係数1.05×10−5(K−1))を材料として製造されたプラズマ処理装置用部材に対して好適に用いることができる。
(3)プラズマ処理装置10は、被処理物3の被処理面31を上面に向けて載置される構造を有するものに限定されない。被処理物3が被処理面31を下に向けて(フェースダウン)載置される構造を有する場合や、被処理物3が被処理面31を鉛直方向となるように載置される構造を有する場合であっても、本発明によるプラズマ処理装置10の一態様に含まれる。
(4)第2部分部材120の材料として、第1部分部材110の材料と比べて熱膨張率が小さい材料を用いることができる。具体的には、第1部分部材110がCaFの場合において、シリカガラス(0.5×10−6/K)、酸化アルミニウム(7.8×10−6/K)、シリコン(3.9×10−6/K)、酸化ケイ素(4.6×10−6/K)、窒化ケイ素(2.8×10−6/K)、酸化イットリウム(7.2×10−6/K)等を第2部分部材120の材料として用いることができる。
なお、以上の説明では、本発明の実施の形態および実施例において、環状の部材としてフォーカスリングを例に挙げて説明したが、本発明の実施の形態はフォーカスリングに限られるものではない。他の実施の形態としては、たとえばガイドリングやカバーリングや静電チャックなどが挙げられる。これらはフォーカスリングと同様にプラズマによる暴露を受け、部材内に温度分布が生じる可能性があるので、本発明の形態を備えることにより、部材内に生じた熱膨張量差により発生する応力を低減し、割れや微小クラックの発生による脆弱化を低減させるという効果を得ることができる。
また、本発明の態様の部材を備えたプラズマ処理装置としては、エッチング装置の他、アッシング装置、スパッタ装置、プラズマCVD装置、表面改質装置、コーティング装置などを挙げることができる。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1…フォーカスリング、10…プラズマ処理装置、
11…部分部材、100…主平面、
110…第1部分部材、111…第1上面、
112…第1底面、113…凹部、
120…第2部分部材、121…第2上面、
122…第2底面、123…凸部、
200…分割部材、201…接触面、
210…第1分割部材、211…第1接触面、
220…第2分割部材、221…第2接触面

Claims (8)

  1. 被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
    前記被処理基板の外縁部を囲う環状部材を備え、
    前記環状部材は前記被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、
    前記環状部材は、前記主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記複数の部分部材のうち、少なくとも、前記主平面を有する部分部材は、線膨張係数が1×10−5(K−1)より大きい物質によって構成されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記物質はフッ化カルシウムであることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記複数の部分部材のうち、少なくとも、前記主平面を有する部分部材は、複数の分割部材を組み合わせて環状を形成することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記環状部材は、接触面に設けられた凸部と凹部とが嵌合する、少なくとも1組の部分部材を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記環状部材の前記主平面の面積と、前記主平面と対向する平面の面積とは、互いに異なることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、
    前記被処理基板を環状部材の内側に配置する工程と、
    前記被処理基板の被処理面にプラズマを照射する工程とを備え、
    前記環状部材は前記被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、
    前記環状部材は、前記主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されることを特徴とするプラズマ処理方法。
  8. プラズマ処理装置内で被処理基板の外縁に配置して用いる環状部材であって、
    前記被処理基板の被処理面と実質的に平行な主平面を有し、
    前記主平面に垂直な方向に積層された複数の部分部材によって構成されることを特徴とする環状部材。
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