JP2015014060A - 機能性アクリル繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線遮蔽性能や防炎性能などの機能を持つアクリル繊維を提供する。【解決手段】アクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体と、平均粒子径が0.1〜5.0μmの、硫酸バリウムとからなるアクリル繊維であって、硫酸バリウムの含有量が2〜30質量%であるアクリル繊維。更に、芯部がアクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体と、平均粒子径が0.1〜5.0μmの、硫酸バリウムとからなる樹脂組成物であって、鞘部がアクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体である、樹脂組成物であり、繊維中の硫酸バリウムの含有量が2〜30質量%である芯鞘型複合繊維であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は硫酸バリウムを含有したアクリル繊維に関するものである。
従来、アクリル繊維において繊維中に機能剤を練りこむことや機能性樹脂をブレンドすることにより各種の機能が付与されてきた。たとえば、機能剤を練りこむ場合はカーボンを練りこんだ導電繊維、抗菌剤を練りこんだ抗菌繊維が挙げられる。また、機能性樹脂をブレンドする場合として吸水性樹脂をブレンドした吸放湿性繊維が挙げられる。
放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなるX線感応繊維が開示されている(特許文献1)。
硫酸バリウムなどの微粒子無機物を含有するセルロースアセテート繊維が開示されている(特許文献2)
硫酸バリウムなどの微粒子無機物を含有するセルロースアセテート繊維が開示されている(特許文献2)
しかしながらこれらのアクリル繊維において硫酸バリウムを練りこんだ繊維は提案されておらず、一部の熱可塑性樹脂やセルロースアセテート繊維に練りこんだ例があるのみである。
特許文献1では、熱可塑性樹脂を使用しており、高温にされられた際に溶融しドリップするなどの問題がある。
特許文献2では、セルロースアセテートを使用しているので繊維強伸度が弱いなどの問題がある。
特許文献2では、セルロースアセテートを使用しているので繊維強伸度が弱いなどの問題がある。
本発明の目的はアクリル繊維に硫酸バリウムを練りこむことで、放射線遮蔽性能や防炎性能などの機能を持つアクリル繊維を提供することにある。
本発明のアクリル繊維は、アクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体と、平均粒子径が0.1〜5.0μmの、硫酸バリウムとからなるアクリル繊維であって、硫酸バリウムの含有量が2〜30質量%である。
本発明のアクリル繊維は、芯部がアクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体と、平均粒子径が0.1〜5.0μmの、硫酸バリウムとからなる樹脂組成物であって、鞘部がアクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体である、樹脂組成物であり、繊維中の硫酸バリウムの含有量が2〜30質量%である芯鞘型複合繊維であることが好ましい。
比重の高い硫酸バリウム粒子を大量に含有させることによりドレープ性を発揮するものである。また、放射線を遮蔽するため、放射線遮蔽繊維およびその繊維製品を提供し、さらに、無機粒子である硫酸バリウムを大量に含むため難燃性を発揮するものである。
<アクリロニトリル系重合体>
本発明におけるアクリロニトリル系重合体はアクリロニトリルを少なくとも80質量%含む重合体であり、重合体は、アクリロニトリルのみからなる重合体または、アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーとの共重合体であればよい。アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等の不飽和モノマーが挙げられる。さらにアクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーのうち、染色性を改良する目的で共重合されるモノマーとして、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。
本発明におけるアクリロニトリル系重合体はアクリロニトリルを少なくとも80質量%含む重合体であり、重合体は、アクリロニトリルのみからなる重合体または、アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーとの共重合体であればよい。アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等の不飽和モノマーが挙げられる。さらにアクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーのうち、染色性を改良する目的で共重合されるモノマーとして、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。
<硫酸バリウムの平均粒子径>
本発明において用いられる硫酸バリウムは平均粒子径が0.1〜5.0μm、好ましくは0.6〜1.0μmである。平均粒子径が0.1μm以上であれば原液中の粒子の分散状態が良好になり5.0μm以下であれば紡糸性が良好となる。
なお本明細書における「平均粒子径」とは、市販のレーザー回折式粒度分析計により求めた粒度分布における積算値50%での粒径(D50)を意味する。
本発明において用いられる硫酸バリウムは平均粒子径が0.1〜5.0μm、好ましくは0.6〜1.0μmである。平均粒子径が0.1μm以上であれば原液中の粒子の分散状態が良好になり5.0μm以下であれば紡糸性が良好となる。
なお本明細書における「平均粒子径」とは、市販のレーザー回折式粒度分析計により求めた粒度分布における積算値50%での粒径(D50)を意味する。
<硫酸バリウムの含有量>
本発明のアクリル繊維に添加される硫酸バリウムの量は、2〜30質量%の範囲にあることが好ましい。2質量%以上であれば、硫酸バリウムに由来する十分な性能を発揮できる。30質量%以下であれば、ノズル閉塞やノズル圧上昇などが抑えられ長期の紡糸安定性が得られる。十分な性能が発揮され、紡糸安定性や経済的に優れる範囲として、10質量%以上25質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
本発明のアクリル繊維に添加される硫酸バリウムの量は、2〜30質量%の範囲にあることが好ましい。2質量%以上であれば、硫酸バリウムに由来する十分な性能を発揮できる。30質量%以下であれば、ノズル閉塞やノズル圧上昇などが抑えられ長期の紡糸安定性が得られる。十分な性能が発揮され、紡糸安定性や経済的に優れる範囲として、10質量%以上25質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
<芯鞘複合繊維>
無機微粒子を繊維内部に練り込む方法としては、金属、金属化合物などの無機微粒子をブレンド紡糸または複合紡糸などの方法により複合化する方法等が知られているが、無機微粒子の練り込み量が増えると強伸度などの繊維物性が損なわれ、紡糸性や紡績通過性などに問題がでるという欠点があった。
無機微粒子を繊維内部に練り込む方法としては、金属、金属化合物などの無機微粒子をブレンド紡糸または複合紡糸などの方法により複合化する方法等が知られているが、無機微粒子の練り込み量が増えると強伸度などの繊維物性が損なわれ、紡糸性や紡績通過性などに問題がでるという欠点があった。
一方、芯鞘複合繊維とした場合、鞘部分に通常のアクリル繊維成分を用い、芯部に無機微粒子成分を局在化させることにより、強伸度などの繊維物性を損なうことなく、大量の無機微粒子を繊維中に練り込むことが可能となる。
本発明に係るアクリル繊維の製造方法では、先ず鞘成分の紡糸原液と芯成分の紡糸原液とを準備する。上記鞘成分の紡糸原液としては、アクリロニトリル系重合体を有機溶剤に溶解した有機溶剤溶液を用意する。
また芯成分の紡糸原液としては、アクリロニトリル系重合体を溶解した有機溶剤溶液(A)を用意し、次に硫酸バリウム粒子と(A)とを硫酸バリウム粒子が5質量%以上30質量%以下となるように混合して均一に攪拌した有機溶剤溶液を用意する。
また芯成分の紡糸原液としては、アクリロニトリル系重合体を溶解した有機溶剤溶液(A)を用意し、次に硫酸バリウム粒子と(A)とを硫酸バリウム粒子が5質量%以上30質量%以下となるように混合して均一に攪拌した有機溶剤溶液を用意する。
本発明おいて、鞘成分及び芯成分の紡糸原液に使用されるアクリロニトリル系重合体は特に限定されず、従来のアクリル繊維の製造に用いられる一般的なアクリロニトリル系重合体を用いることができる。
特に、鞘成分の紡糸原液については、アクリロニトリルを少なくとも80質量%含む重合体であり、重合体は、アクリロニトリルと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよい。共重合可能なビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等の不飽和モノマーが挙げられる。さらにアクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーのうち、染色性を改良する目的で共重合されるモノマーとして、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。
また、上記鞘成分及び芯成分の各紡糸原液を調整するための有機溶剤については、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶剤を好ま
しく用いることができるが、特に限定されるものではなく、アクリル繊維の紡糸で一般的
に用いられるその他の有機溶剤を選択することもできる。
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶剤を好ま
しく用いることができるが、特に限定されるものではなく、アクリル繊維の紡糸で一般的
に用いられるその他の有機溶剤を選択することもできる。
本実施形態において、上記鞘成分及び芯成分の各紡糸原液の固形分濃度、及び温度についても特に制限はないが、固形分濃度が低過ぎると紡糸後の繊維中にボイドが発生しやすく、結果として繊維物性を低下につながる恐れがある。従って、鞘成分の紡糸原液中の固形分濃度は5質量%以上であることが好ましく、また芯成分の紡糸原液中の固形分濃度は30質量%以上であることが好ましい。
<繊維中の硫酸バリウムの含有量>
次に、上記のように準備した鞘成分及び芯成分の紡糸原液を、芯鞘型紡糸口金を用いて
アクリル繊維中に含まれる硫酸バリウム微粒子の含有量が2質量%以上30質量% 以下となるように鞘部と芯部の比率を設定して湿式紡糸法により紡糸を行う。2質量%以上であれば、硫酸バリウムに由来する十分な性能を発揮できる。30質量%以下であれば、ノズル閉塞やノズル圧上昇などが抑えられ長期の紡糸安定性が得られる。十分な性能が発揮され、紡糸安定性や経済的に優れる範囲として、10質量%以上25質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
次に、上記のように準備した鞘成分及び芯成分の紡糸原液を、芯鞘型紡糸口金を用いて
アクリル繊維中に含まれる硫酸バリウム微粒子の含有量が2質量%以上30質量% 以下となるように鞘部と芯部の比率を設定して湿式紡糸法により紡糸を行う。2質量%以上であれば、硫酸バリウムに由来する十分な性能を発揮できる。30質量%以下であれば、ノズル閉塞やノズル圧上昇などが抑えられ長期の紡糸安定性が得られる。十分な性能が発揮され、紡糸安定性や経済的に優れる範囲として、10質量%以上25質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
なお、上記湿式紡糸法については、従来のアクリル繊維の製造で一般的に用いられている方法と同様にして行うことができ、例えば鞘成分及び芯成分の紡糸原液を芯鞘型紡糸口金から有機溶剤と水からなる凝固液中に吐出して固化させることによって紡糸を行うことができる。
本発明のアクリル繊維を構成する断面は、特に限定されない。例えば通常の丸形状
ノズルから湿式紡糸により製造される丸断面の一部が凹状に変形したそら豆状の断面や、
丸断面、扁平断面或いはY断面など任意の断面が採用されてよい。
ノズルから湿式紡糸により製造される丸断面の一部が凹状に変形したそら豆状の断面や、
丸断面、扁平断面或いはY断面など任意の断面が採用されてよい。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により
限定されるものではない。
限定されるものではない。
(紡糸性評価)
紡糸性は以下の様に評価した。
○:5hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が何ら発生せず、紡糸性が極めて良好である
×:5hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が3回よりも多く発生するか、ノズル圧力が20kPa以上となるなど紡糸性が極めて不良である。
紡糸性は以下の様に評価した。
○:5hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が何ら発生せず、紡糸性が極めて良好である
×:5hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が3回よりも多く発生するか、ノズル圧力が20kPa以上となるなど紡糸性が極めて不良である。
(ポリマーの製造方法)
水系懸濁重合法によりアクリロニトリル90質量%、酢酸ビニル10質量%からなるポリマー(以下PAN−A)を得た。
水系懸濁重合法によりアクリロニトリル90質量%、酢酸ビニル10質量%からなるポリマー(以下PAN−A)を得た。
(硫酸バリウムマスターバッチ作成方法)
PAN−Aをジメチルアセトアミドに溶解し、PAN−Aが20質量%であるジメチルアセトアミド溶液を作成する。次に硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、製品名:沈降性硫酸バリウム300もしくはバリファインBF−1P)とPAN−A20質量%溶液、及びジメチルアセトアミドを、硫酸バリウム微粒子20質量%、PAN−A10質量%、ジメチルアセトアミド70質量%となるように混合して均一に攪拌した後、ビーズミルに2回通し、硫酸バリウムマスターバッチとした。
PAN−Aをジメチルアセトアミドに溶解し、PAN−Aが20質量%であるジメチルアセトアミド溶液を作成する。次に硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、製品名:沈降性硫酸バリウム300もしくはバリファインBF−1P)とPAN−A20質量%溶液、及びジメチルアセトアミドを、硫酸バリウム微粒子20質量%、PAN−A10質量%、ジメチルアセトアミド70質量%となるように混合して均一に攪拌した後、ビーズミルに2回通し、硫酸バリウムマスターバッチとした。
(実施例1)
硫酸バリウムとして平均粒子径0.6μmの沈降性硫酸バリウム300を用い、上記の方法でマスターバッチ(以下MB)を作成した。さらに、作成したMB、PAN−A及びジメチルアセトアミドを混合し、PAN−A濃度が24質量%、硫酸バリウム濃度が2.7質量%の濃度になるように調整して、紡糸原液とした。
この紡糸原液を、40℃、55%ジメチルアセトアミド水溶液を満たした紡糸浴中にノズル口金から吐出し、沸水中で溶剤を洗浄しながら5倍に延伸し、さらに乾燥、緩和熱処理を施し、繊維中の硫酸バリウム濃度を10%、単繊維繊度3.3dTexの繊維を得た。
硫酸バリウムとして平均粒子径0.6μmの沈降性硫酸バリウム300を用い、上記の方法でマスターバッチ(以下MB)を作成した。さらに、作成したMB、PAN−A及びジメチルアセトアミドを混合し、PAN−A濃度が24質量%、硫酸バリウム濃度が2.7質量%の濃度になるように調整して、紡糸原液とした。
この紡糸原液を、40℃、55%ジメチルアセトアミド水溶液を満たした紡糸浴中にノズル口金から吐出し、沸水中で溶剤を洗浄しながら5倍に延伸し、さらに乾燥、緩和熱処理を施し、繊維中の硫酸バリウム濃度を10%、単繊維繊度3.3dTexの繊維を得た。
(実施例2)
紡糸原液中の硫酸バリウム濃度を変更し、繊維中の硫酸バリウム濃度を30%とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
紡糸原液中の硫酸バリウム濃度を変更し、繊維中の硫酸バリウム濃度を30%とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
(実施例3)
紡糸原液中の硫酸バリウム濃度を変更し、繊維中の硫酸バリウム濃度を2%とし、単繊維繊度を1.0dtexとした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
紡糸原液中の硫酸バリウム濃度を変更し、繊維中の硫酸バリウム濃度を2%とし、単繊維繊度を1.0dtexとした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
(実施例4)
紡糸原液中の硫酸バリウム濃度を変更し、繊維中の硫酸バリウム濃度を10%とし、単繊維繊度を1.0dtexとした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
紡糸原液中の硫酸バリウム濃度を変更し、繊維中の硫酸バリウム濃度を10%とし、単繊維繊度を1.0dtexとした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
(比較例1)
使用した硫酸バリウムを平均粒子径0.05μmのバリファインBF−1P(堺化学工業株式会社製)とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
使用した硫酸バリウムを平均粒子径0.05μmのバリファインBF−1P(堺化学工業株式会社製)とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。
(実施例5)
作成したMBを用い、硫酸バリウムとPAN−Aとジメチルアセトアミドを、表2に示した鞘成分の紡糸原液・芯成分の紡糸原液の割合になるようにそれぞれ調整した。これらの鞘成分の紡糸原液と芯成分の紡糸原液とを、繊維中の硫酸バリウム微粒子の含有量が表2に示す値となるようにそれぞれ鞘部の比率を設定し、40℃、55%ジメチルアセトアミド水溶液を満たした紡糸浴中に芯鞘口金を用いて湿式紡糸した。
得られた凝固糸は沸水中で溶剤を洗浄しながら4.5倍に延伸し、さらに乾燥、緩和熱処理を施し、単繊維繊度3.3dTexの繊維を得た。
作成したMBを用い、硫酸バリウムとPAN−Aとジメチルアセトアミドを、表2に示した鞘成分の紡糸原液・芯成分の紡糸原液の割合になるようにそれぞれ調整した。これらの鞘成分の紡糸原液と芯成分の紡糸原液とを、繊維中の硫酸バリウム微粒子の含有量が表2に示す値となるようにそれぞれ鞘部の比率を設定し、40℃、55%ジメチルアセトアミド水溶液を満たした紡糸浴中に芯鞘口金を用いて湿式紡糸した。
得られた凝固糸は沸水中で溶剤を洗浄しながら4.5倍に延伸し、さらに乾燥、緩和熱処理を施し、単繊維繊度3.3dTexの繊維を得た。
(実施例6)
芯鞘比率を変えて、繊維中の硫酸バリウム濃度を15%とした以外は実施例5と同様にして芯鞘アクリル繊維を得た。
芯鞘比率を変えて、繊維中の硫酸バリウム濃度を15%とした以外は実施例5と同様にして芯鞘アクリル繊維を得た。
上記の実施例1〜6と比較例1との紡糸性を比較したところ、比較例の条件ではすぐにノズル圧が上昇してしまい、生産に耐えうるような状態ではなかった。一方、実施例に示した条件ではノズル昇圧も穏やかで紡糸性も良好であった。
Claims (3)
- アクリロニトリル単位を80質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体と、平均粒子径が0.1〜5.0μmの硫酸バリウムとを含むアクリル繊維であって、前記硫酸バリウムの前記アクリル繊維に対する含有量が2〜30質量%であるアクリル繊維。
- 前記アクリル繊維が芯鞘型複合繊維であって、アクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体と平均粒子径が0.1〜5.0μmの硫酸バリウムとからなる芯部と、アクリロニトリル単位80質量%以上からなるアクリロニトリル系重合体からなる鞘部からなり、繊維中の硫酸バリウムの含有量が2〜30質量%である請求項1に記載のアクリル繊維。
- 請求項1または2記載のアクリル繊維を使用した繊維製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013140478A JP2015014060A (ja) | 2013-07-04 | 2013-07-04 | 機能性アクリル繊維 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2015014060A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018074544A1 (ja) * | 2016-10-19 | 2018-10-25 | 三菱ケミカル株式会社 | 繊維及び詰め綿 |
-
2013
- 2013-07-04 JP JP2013140478A patent/JP2015014060A/ja active Pending
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JPWO2018074544A1 (ja) * | 2016-10-19 | 2018-10-25 | 三菱ケミカル株式会社 | 繊維及び詰め綿 |
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