JP2015013850A - ペプチドおよびその自己集合方法、その集合体、これらを用いた細胞培養基材、並びに、細胞シートの製造方法 - Google Patents

ペプチドおよびその自己集合方法、その集合体、これらを用いた細胞培養基材、並びに、細胞シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低分子量でもコアセルベーション(自己集合)能を発現しうる新規なペプチドを提供する。
【解決手段】下記(a)または(b)の温度依存性自己集合性を示すペプチド。(a)化学式1で表されるペプチド

(nは3〜300の整数)(b)前記(a)のペプチドにおいて1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されてなるペプチド。
【選択図】図4

Description

本発明は、ペプチドおよびその自己集合方法、その集合体、これらを用いた細胞培養基材、並びに、細胞シートの製造方法に関する。
人体をはじめとする動物組織を構成するタンパク質として、エラスチンが知られている。このエラスチンは、コラーゲンと同様に細胞外において機能する繊維状のタンパク質であり、ゴムのように伸縮する性質(弾性)を有していることから、組織への柔軟性の付与に関与している。このため、伸縮性が必要とされる組織・器官(ヒトでは例えば、皮膚の真皮、靱帯、腱、肺、血管壁など)に広く分布している。
このエラスチンは、生体内においてはまず、前駆体タンパク質であるトロポエラスチン(分子量約70,000)として血管平滑筋細胞や線維芽細胞で生合成される。トロポエラスチンは次いで、ミクロフィブリルと称される糖タンパク質の周囲や間隙に自己集合した後、分子間で適切に架橋されて不溶性のエラスチンとなる。生体内における正常なエラスチンの形成には、この第一段階であるトロポエラスチンの規則的な自己集合が重要であり、この自己集合の現象は「コアセルベーション」と称されている。つまり、正常なエラスチンの形成にはコアセルベーションが深く関与しているのである。
エラスチンのコアセルベーション特性は、試験管内において観察することができる(図1)。すなわち、トロポエラスチンやエラスチン由来の配列を有する一連のペプチド(エラスチン由来ペプチド)の水溶液は、低温(25℃以下)では透明で均一な溶液である。しかし、温度を体温(37℃)以上に上げていくと、分子が自己集合し、その結果溶液は白濁する。白濁した溶液を再度冷却すると透明な溶液へと戻るが、冷却せずにそのまま放置すると、溶液系は二層に分離する。具体的には、エラスチン分子をわずかしか含まない平衡溶液(上層)と、分子が濃縮されてなる粘性のコアセルベート層(下層)との二層に分離するのである。この層分離過程も可逆的であり、温度を25℃以下に下げると再び元の透明な均一溶液となる。この可逆的な自己集合・解離の特性が「コアセルベーション」であり、正常なエラスチンの線維形成や、さらには弾性機能の発現に重要な特性である。
エラスチンの前駆体であるトロポエラスチンの一次構造上の特徴は、疎水性アミノ酸を多く含む疎水性領域と、分子間の架橋に関わる架橋領域とが交互に繰り返されていることである。疎水性領域には様々な疎水性アミノ酸の繰り返し配列が存在し、その繰り返し配列の一つであるVal-Pro-Gly-Val-Gly(以下、「VPGVG」と略すこともある;また、本明細書において、アミノ酸配列は、N末端側からC末端側へと向かって、左から右へと記載する(以下同様))からなるペンタペプチド配列は、これまでに報告されているほとんど全ての動物種に存在する。また、この繰り返し配列を有する合成ポリペプチド(VPGVG)(n≧40)はコアセルベーション特性を示すことから、VPGVG繰り返し配列がエラスチンの弾性機能を担う配列であることが示唆されている。
このように、VPGVGの繰り返しアミノ酸配列を有するポリペプチドは、自己集合能を有することにより生体材料や薬物送達システム(DDS)用材料等の基盤素材としての利用価値が高い。しかしながら、当該ポリペプチドを工業的に利用するには、繰り返し配列の繰り返し数(n)が非常に大きく、調製が困難な高分子量のペプチドを合成する必要があり、時間およびコストがかかる。このため、これまでのところ工業的な利用はほとんどなされていない。なお、海外からの報告として、遺伝子工学的に合成されたIle-Pro-Gly-Val-Gly(以下、「IPGVG」と略すこともある)繰り返し配列を有するポリマーを生体材料に利用することが、Dan W. Urry教授によって従来提案されていた(非特許文献1を参照)。
ここで、本発明者らは、従来報告されている合成ポリペプチド(ポリペンタペプチド;(VPGVG)や(IPGVG))において、N末端アミノ酸(バリン、イソロイシン)をフェニルアラニン(Phe)で置き換えると、繰り返し配列の繰り返し数(n)が小さく調製が容易な低分子量でもコアセルベーション(自己集合)能を発現させることができることを見出し、特許出願している(特許文献1)。
特開2012−126713号公報
J. Phys. Chem. B, 101, 11007-11028 (1997)
上述したように、(VPGVG)のN末端アミノ酸をフェニルアラニン(Phe)で置き換えたポリペンタペプチド((FPGVG))については低分子量(少ない繰り返し数)でもコアセルベーション(自己集合)能が発揮されることが従来知られているが、その他のポリペンタペプチド配列や、ポリテトラペプチド等の基本繰り返し配列自体がより短いペプチドについては、低分子量でのコアセルベーション能が発揮されるかどうかは知られていないのが現状である。より低分子量でも自己集合が可能なペプチドが開発されれば、種々の産業における工業化にとって非常に有利であることから、かような新規ペプチドの開発が望まれている。
そこで本発明は、低分子量でもコアセルベーション(自己集合)能を発現しうる新規なペプチドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述したような課題に鑑み、鋭意検討を行なった。その過程で、下記化学式1で表される構造を有するペプチドにより上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態(第1の形態)によれば、下記(a)または(b)のペプチド(ただし、X−Pro−X−X−XがVal−Pro−Gly−Val−GlyまたはPhe−Pro−Gly−Val−Glyであるものを除く)が提供される。なお、本明細書では、下記化学式1における繰り返し配列である「X−Pro−X−X−X」を配列番号1とする。
(a)下記化学式1:
式中、
nは、3〜300の整数であり、
は、トリプトファン、チロシン、バリン、フェニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンであり、
は、グリシンまたはアラニンであり、
は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはアミノ酸欠失であり、
は、グリシン、アラニンまたはアミノ酸欠失であり、
ただし、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない、
で表されるペプチド;
(b)前記(a)のペプチドにおいて1または数個のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドであって、温度依存性自己集合性を示すペプチド。
また、上記形態の好ましい形態において、nは3〜10の整数であり、さらに好ましい形態において、Xはトリプトファン、シクロヘキシルアラニン、またはフェニルアラニンであり、Xはグリシンであり、Xはバリンであり、Xはグリシンまたはアミノ酸欠失である。
さらに好ましい形態において、ペプチドは、配列番号2〜配列番号10のいずれかのアミノ酸配列で表される繰り返し配列を有することが好ましく、配列番号2、配列番号8、および配列番号9のいずれかのアミノ酸配列で表される繰り返し配列を有することがより好ましく、配列番号12〜配列番号32のいずれかのアミノ酸配列からなるものであることが特に好ましく、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号22、配列番号23、配列番号28、および配列番号31のいずれかのアミノ酸配列からなるものであることが特に好ましい。
また、本発明の他の形態(第2の形態)によれば、下記(d)のペプチドおよび下記(e)のペプチドからなる群から選択される2つのペプチドが−Cys−S−S−Cys−基を介して連結されてなるペプチドも提供される:
(d)下記化学式2:
式中、
nは、3〜300の整数であり、
は、トリプトファン、チロシン、バリン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンであり、
は、グリシンまたはアラニンであり、
は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはアミノ酸欠失であり、
は、グリシン、アラニンまたはアミノ酸欠失であり、
ただし、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない、
で表されるペプチド;
(e)前記(d)のペプチドにおいて1または数個のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドであって、温度依存性自己集合性を示すペプチド。
さらに、本発明のさらに他の形態によれば、上記ペプチドを溶解した水溶液を加熱する工程を含む、ペプチドを自己集合させる方法が提供される。
また、本発明のさらに他の形態によれば、上記ペプチドが自己集合してなる、ペプチド集合体が提供される。
さらに、本発明のさらに他の形態によれば、上記ペプチドまたは上記ペプチド集合体を含む細胞培養基材、これを利用した細胞シートの製造方法もまた、提供される。
本発明によれば、低分子量でもコアセルベーション(自己集合)能を発現しうる新規なペプチドが提供されうる。
エラスチンのコアセルベーション特性を説明するための説明図である。 実施例における、固相法によるペプチドの化学合成の様子を説明するための説明図である。 実施例における、固相法によるペプチドの化学合成の様子を説明するための説明図である。 実施例において合成したペプチドである(WPGVG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(YPGVG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(VPGFG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPGVA)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPAVG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPGFG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(ChaPGVG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPGV)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPGG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPGLG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドである(FPGIG)のコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドダイマーであるN−ダイマーのコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドダイマーであるC−ダイマーのコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドダイマー(N−ダイマー)の合成中間体であるN−モノマーのコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドダイマー(C−ダイマー)の合成中間体であるC−モノマーのコアセルベーション特性を評価した結果を示すグラフである。 実施例において合成したペプチドダイマー(N−ダイマーおよびC−ダイマー)のコアセルベーション特性を評価した結果を、対応する合成中間体のモノマー(N−モノマーおよびC−モノマー)並びにこれらの合成原料である(FPGVG)と比較して示すグラフである。
以下、本発明を実施するための具体的な形態について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の具体的な形態のみに限定されるわけではない。
本発明の一形態(第1の形態)によれば、下記(a)または(b)のペプチドが提供される。
(a)下記化学式1:
式中、
nは、3〜300の整数であり、
は、トリプトファン、チロシン、バリン、フェニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンであり、
は、グリシンまたはアラニンであり、
は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはアミノ酸欠失であり、
は、グリシン、アラニンまたはアミノ酸欠失であり、
ただし、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない、
で表されるペプチド;
(b)前記(a)のペプチドにおいて1または数個のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドであって、温度依存性自己集合性を示すペプチド。
ここで、本発明に係るペプチドの範囲からは、X−Pro−X−X−XがVal−Pro−Gly−Val−Glyであるもの、および、X−Pro−X−X−XがPhe−Pro−Gly−Val−Glyであるものは除外されている。
−Pro−X−X−Xにおいて、XおよびXはアミノ酸欠失(つまり、アミノ酸が存在しない)でありうるが、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない。したがって、本発明に係るペプチドの繰り返し単位(X−Pro−X−X−X)は4アミノ酸または5アミノ酸となる。そして、(a)のペプチド(化学式1で表されるペプチド)におけるnは、この繰り返し単位である4アミノ酸または5アミノ酸の繰り返し回数(重合度)を表す。そして、このnは、本発明では3以上の整数であることが必須である。これは、n≧3のときに初めて、ペプチドがコアセルベーション(自己集合)能を発現するためである。一方、上限について、タンパク質化学的に取り扱いが可能な分子サイズとして、nは300以下の整数である。ここで、下限について、nは、好ましくは4以上の整数であり、より好ましくは5以上の整数であり、さらに好ましくは6以上の整数である。一方、上限について、nは、好ましくは100以下の整数であり、より好ましくは10以下の整数である。
(a)のペプチド(化学式1で表されるペプチド)の好ましい実施形態の一例として、以下の配列番号2〜10のいずれかの繰り返し配列を有するものが挙げられる。
・WPGVG(配列番号2)
・YPGVG(配列番号3)
・VPGFG(配列番号4)
・FPGVA(配列番号5)
・FPAVG(配列番号6)
・FPGFG(配列番号7)
・ChaPGVG(配列番号8)
・FPGV(配列番号9)
・FPGG(配列番号10)
・FPGLG(配列番号11)
・FPGIG(配列番号12)
ここで、シクロヘキシルアラニン(Cha)とは、アラニン(NH−CH(CH)−COOH)の不斉炭素原子に結合したメチル基がシクロヘキシル基で置換されたアミノ酸である。
WPGVG(配列番号2)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=2(配列番号14)、n=3(配列番号15)のものがある。YPGVG(配列番号3)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=3(配列番号16)、n=4(配列番号17)、n=5(配列番号18)のものがある。VPGFG(配列番号4)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=4(配列番号19)、n=5(配列番号20)、n=6(配列番号21)のものがある。FPGVA(配列番号5)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=3(配列番号22)、n=4(配列番号23)、n=5(配列番号24)、n=6(配列番号25)のものがある。FPAVG(配列番号6)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=4(配列番号26)のものがある。FPGFG(配列番号7)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=3(配列番号27)、n=4(配列番号28)のものがある。ChaPGVG(配列番号8)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=3(配列番号29)、n=4(配列番号30)のものがある。FPGV(配列番号9)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=3(配列番号31)、n=4(配列番号32)、n=5(配列番号33)のものがある。FPGG(配列番号10)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=6(配列番号34)のものがある。FPGLG(配列番号11)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=4(配列番号35)のものがある。FPGIG(配列番号12)を繰り返し配列とする本発明に係るペプチドの例としては、n=4(配列番号36)のものがある。
これらのなかでも、より低分子量でコアセルベーション(自己集合)能を示すものとして、WPGVG(配列番号2)、ChaPGVG(配列番号8)、またはFPGV(配列番号9)を繰り返し配列とするペプチドが好ましい。これらの繰り返し配列を有するペプチドは、n=3というきわめて小さい分子量であっても、コアセルベーション(自己集合)を示すのである。特に、テトラペプチドであるFPGV(配列番号9)を繰り返し配列とする場合には、n=3のときにたった12アミノ酸でコアセルベーション(自己集合)を示すことから、工業化などを見据えた場合にはきわめて有用性の高いペプチドであるといえる。なお、これらの繰り返し配列が好ましいという事実を一般化すると、化学式1において、Xはトリプトファン(W)、シクロヘキシルアラニン(Cha)またはフェニルアラニン(Phe)であることが好ましく、Xはグリシン(Gly)であることが好ましく、Xはバリン(Val)であることが好ましく、Xはグリシン(Gly)またはアミノ酸欠失であることが好ましく、グリシン(Gly)であることがより好ましいといえる。一方、Xはチロシン(Tyr)ではないことが好ましく、Xはアラニン(Ala)ではないことが好ましい。特に、本発明により提供されるペプチドは、エラスチンのアミノ酸配列に基づき設計されたものである。このため、繰り返し配列(X−Pro−X−X−X)の中心に位置する「Pro−X」のアミノ酸配列が、エラスチンと同様の「Pro−Gly」として保存されている(つまり、XがGlyである)ことが好ましい。かような形態によれば、温度依存的な自己集合能を発揮させることが可能となる。
また、本発明に係るペプチドを、実施形態のペプチドとして比較した場合には、自己集合能に優れる(すなわち、10 mg/mlという低濃度でもコアセルベーション現象を生じる)という観点から、(VPGFG)(配列番号17)、(VPGFG)(配列番号18)、(VPGFG)(配列番号19)、(FPGVA)(配列番号22)、(FPGVA)(配列番号23)、(ChaPGVG)(配列番号28)、および(FPGV)(配列番号31)が好ましい。また、(VPGFG)(配列番号18)、(VPGFG)(配列番号19)、(ChaPGVG)(配列番号28)、および(FPGV)(配列番号31)がより好ましく、(ChaPGVG)(配列番号28)が特に好ましい。
なお、本発明により提供されるペプチドのC末端は、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)のいずれであってもよい。ここで、C末端がエステル(−COOR)である場合におけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどのC1−6アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基、ピバロイルオキシメチル基、−OBu、−OPac(フェナシル基)、−OTce(トリクロロエチル基)、−ONb(p−ニトロベンジル基)、−ODpm(ジフェニルメチル基)、−OBzl(OMe)(p−メトキシベンジル基)、−OPic(4−ピコリル基)などが挙げられる。
また、本発明により提供されるペプチドのN末端のアミノ基は、保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイルなどのC1−6アシル基、Fmoc基、Boc基など)で保護されていてもよい。
さらに、本発明により提供されるペプチドは、遊離体であってもよいし、塩であってもよい。かような塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸)との塩などが用いられる。
本発明によれば、上記(a)に示す化学式1で表されるペプチドに加えて、当該ペプチドのアミノ酸配列がわずかに改変されてなるアミノ酸配列からなるペプチドもまた、温度依存的な自己集合能を有するものである限り、本発明の技術的範囲に包含されうる。具体的には、上記(b)に記載のように、(a)のペプチドにおいて1または数個(好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドもまた、温度依存的な自己集合能を有するものであれば、本発明の技術的範囲に包含されうるのである。なお、特定のペプチドが温度依存的な自己集合能を示すものであるか否かについては、後述する実施例に記載の手法によって、判定されうる。
さらに、アミノ酸にはD型およびL型の光学異性体が存在する。後述する実施例にはL型のアミノ酸を用いた例が記載されているが、少なくとも一部がD型のアミノ酸で置き換えられたペプチドもまた、同様の自己集合の性質を示すと考えられ、本願発明の技術的範囲に包含されうる。つまり、化学式1で表される本願発明のペプチドを構成するアミノ酸は、すべての部位においてL型であってもD型であってもよいが、好ましくはすべてのアミノ酸がL型である。
本発明の他の形態(第2の形態)によれば、上述したようなテトラペプチドまたはペンタペプチドの繰り返し配列からなるペプチドオリゴマーの二量体(本明細書では、「ペプチドダイマー」とも称する)もまた、提供される。具体的には、本発明の他の形態によれば、下記(d)のペプチドおよび下記(e)のペプチドからなる群から選択される2つのペプチドが−Cys−S−S−Cys−基を介して連結されてなるペプチドもまた、提供される:
(d)下記化学式2:
式中、
nは、3〜300の整数であり、
は、トリプトファン、チロシン、バリン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンであり、
は、グリシンまたはアラニンであり、
は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはアミノ酸欠失であり、
は、グリシン、アラニンまたはアミノ酸欠失であり、
ただし、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない、
で表されるペプチド;
(e)前記(d)のペプチドにおいて1または数個のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドであって、温度依存性自己集合性を示すペプチド。
ここで、上記(d)のペプチドは、Xがイソロイシンであってもよいことを除き、上述した本発明の第1の形態における(a)のペプチドと同じである。また、本形態(第2の形態)に係るペプチドを構成する(d)のペプチドおよび(e)のペプチドの範囲からは、上述した本発明の第1の形態においては除外されていた「X−Pro−X−X−XがVal−Pro−Gly−Val−GlyまたはPhe−Pro−Gly−Val−Glyであるもの」は除外されていない。
本形態(第2の形態)に係るペプチドダイマーは、上記(d)のペプチドおよび上記(e)のペプチドからなる群から選択される2つのペプチドが−Cys−S−S−Cys−基を介して連結されてなるものである。ここで、「2つのペプチドが−Cys−S−S−Cys−基(2つのCys残基の側鎖に存在するS原子どうしがジスルフィド結合(−S−S−)した構造)を介して連結」される具体的な形態について特に制限はない。例えば、後述する実施例2に記載されている「N−モノマー(ペプチドのN末端にシステイン(Cys)残基が結合したもの)」のCys残基のチオール結合(−SH)がジスルフィド結合することにより−Cys−S−S−Cys−基が形成されたもの(N−ダイマー)が挙げられる。同様に、後述する実施例2に記載されている「C−モノマー(ペプチドのC末端にシステイン(Cys)残基が結合したもの)」のCys残基のチオール結合(−SH)がジスルフィド結合することにより−Cys−S−S−Cys−基が形成されたもの(C−ダイマー)であってもよい。さらに、N−モノマーおよびC−モノマーのそれぞれのCys残基のチオール結合(−SH)がジスルフィド結合することにより−Cys−S−S−Cys−基が形成されたもの(ヘテロダイマー)であってもよい。
本発明により提供されるペプチドを製造する手法について特に制限はなく、ペプチドの取得に関する従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、本発明のペプチドは、公知のペプチド合成法に従って製造されうる。
本発明に係るペプチド(第1の形態に係るペプチドおよび第2の形態に係るペプチドダイマー)の分子量については特に制限はないが、より低分子量であるほど工業的な生産等の点で好ましいという理由から、好ましくは3000未満であり、より好ましくは2500以下であり、さらに好ましくは2000以下である。
ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれであってもよい。すなわち、本発明のペプチドを構成するアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の(i)〜(v)に記載された方法が挙げられる。
(i)M.BodanszkyおよびM.A.Ondetti、ペプチド・シンセシス(Peptide Synthesis),Interscience Publishers,New York(1966年)
(ii)SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptide),Academic Press,New York(1965年)
(iii)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)(1975年)
(iv)矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座1、タンパク質の化学IV、205、(1977年)
(v)矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合成、広川書店
このようにして得られたペプチドは、公知の精製法により精製単離することができる。ここで、精製法としては、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などが挙げられる。
上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、逆にペプチドが塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明のペプチドの合成には、通常市販のペプチド合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などが挙げられる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、それ自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去して、目的のペプチドを取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。また、TBTU、HBTU、HATU、BOP、PyBOPなどの縮合剤を使用することも可能である。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,HOOBt、HOAt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行った後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用されうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適当な混合物などが用いられる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用されうることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20〜約50℃の範囲である。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.1〜10倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによって、後の反応に影響を与えないようにすることができる。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択されうる。
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチル、トリクロロエチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状の、置換または非置換のアルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル、ジフェニルメチルエステル、4−ピコリルエステル)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜約40℃の温度で行われるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
ペプチドを得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したペプチドとを製造し、これらのペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド体を得ることができる。
ペプチドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ペプチドのアミド体と同様にして、所望のペプチドのエステル体を得ることができる。
さらに、本発明により提供されるペプチドは、それをコードするポリヌクレオチドを含有する形質転換体を培養し、得られる培養物から当該ペプチドを分離精製することによって製造することもできる。本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドはDNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよい。好ましくはDNAが挙げられる。また、当該ポリヌクレオチドは二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード鎖)であってもよい。
本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、サル、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ハムスターなど)のあらゆる細胞[例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、線維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など]もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織[例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、骨髄、副腎、皮膚、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、脂肪組織(例、褐色脂肪組織、白色脂肪組織)、骨格筋など]由来のcDNA、合成DNAなどが挙げられる。本発明で用いられるタンパク質またはその部分ペプチドをコードするゲノムDNAおよびcDNAは、上記した細胞・組織より調製したゲノムDNA画分および全RNAもしくはmRNA画分をそれぞれ鋳型として用い、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)(PCR法)、(Loop-Mediated Isothermal Amplification)LAMP法、および逆転写酵素(Reverse Transcriptase)を用いたRT−PCR法によって直接増幅することもできる。
また、上述したように、本発明の第2の形態に係るペプチドダイマーは、その合成中間体として、本発明の第1の形態に係るペプチド等のN末端またはC末端にシステイン(Cys)残基が結合したモノマー(実施例2に記載の「N−モノマー」および「C−モノマー」)を用いる。これらのモノマーについても、上述した本発明の第1の形態に係るペプチドの合成方法が同様に適用可能である。
そして、上述したN−モノマーおよびC−モノマーといったモノマーのシステイン(Cys)残基どうしでジスルフィド結合を形成させることにより、本発明の第2の形態に係るペプチドダイマーを得ることが可能である。このジスルフィド結合の形成反応を行う具体的な手法や条件については特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、後述する実施例2に記載のように、N−モノマーやC−モノマーを炭酸アンモニウム水溶液中、1〜10℃程度の温度で空気酸化することにより、上述したジスルフィド結合の形成(およびペプチドダイマーの合成)が可能である。
本発明により提供されるペプチドおよびペプチドダイマーは、温度依存的に自己集合する性質(温度依存性自己集合性)を有する。つまり、自身が溶解している溶液の温度が上昇すると、ある時点において可逆的に自己集合して凝縮体を形成し、冷却とともに自己集合が解消されて元の溶解状態へと戻るのである。この性質を利用して、本発明の他の形態によれば、上述した本発明の第1の形態または第2の形態に係るペプチドを溶解した水溶液を加熱する工程を含む、ペプチドを自己集合させる方法が提供される。また、本発明のさらに他の形態によれば、上述した本発明のペプチドが自己集合してなる、ペプチド集合体が提供される。
本発明のペプチドの自己集合化は、本発明のペプチドが溶解している溶液を加熱することにより行うことができる。
ペプチド溶液におけるペプチドの濃度に特に制限はないが、好ましくは1〜100 mg/ml程度である。また、加熱手段についても特に制限はなく、当該技術分野において一般的に用いられている、水浴、ブロックヒーター、インキュベーターといった加熱手段が同様に用いられうる。なお、加熱温度についても特に制限はなく、ペプチドのコアセルベーション(自己集合)が生じる温度であればよい。なお、ペプチドのコアセルベーション(自己集合)が生じる温度は低いほど好ましい。一例として、後述する実施例に記載の手法により濁度を測定した場合における、濁度1.0となる溶液の温度は、好ましくは60℃以下であり、より好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは40℃以下であり、特に好ましくは30℃以下であり、最も好ましくは25℃以下である。
本発明により提供されるペプチドは、組織工学用バイオマテリアルや薬物送達システム(DDS)、化粧品の基材、微生物や酵素等の固定化材等の原料として広い用途で利用されることが期待される。
また、本発明により提供されるペプチドやその集合体は、細胞培養基材としても有用である(特開2012−126713号公報を参照)。すなわち、本発明のさらに他の形態によれば、本発明に係るペプチドまたはペプチド集合体を含む細胞培養基材もまた、提供される。
この場合、本発明により提供されるペプチドやその集合体をそのまま単独で細胞培養基材として用いてもよいし、従来公知の他の細胞培養基材と併用してもよい。なお、本発明により提供されるペプチドやその集合体と併用されうる従来公知の他の細胞培養基材としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン、キチン−キトサン、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、テネイシン、アガロース、アルギン酸、セルロース、ヒドロキシアパタイト、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸グリコール(PLGA)、ポリアクリル酸(PAAc)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)、ポリカプロラクトン、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)などが挙げられる。
さらに、本発明の他の形態によれば、細胞シートの製造方法もまた、提供される。具体的には、本発明により提供される細胞シートの製造方法は、上述した本発明に係るペプチドまたはペプチド集合体を含む細胞培養基材を用いて細胞を培養する工程(培養工程)と、培養された細胞を含む細胞シートを回収する工程(回収工程)とを含む点に特徴を有する。これにより、培養された細胞を含む細胞シートが製造されるのである。
上述した製造方法を実施する具体的な方法については特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。培養方法の一例としては、例えば、本発明に係る細胞培養基材を敷き詰めた培養皿上で、細胞を培養するという方法が例示される。この方法によれば、2次元組織体(細胞シート)が形成され、これを簡便に分離・回収することができる。この際、2次元組織体(細胞シート)を形成させてこれを回収するには、培養皿上に本発明に係る細胞培養基材を敷き詰め、その上で通常の細胞培養を行えばよい。そして、充分に細胞が増殖したのを確認した後、大量の培養液を添加して培養皿をシェイクすることで、培養皿から細胞シートを剥離させることができる。
なお、本発明により提供される細胞培養基材は本発明に係るペプチドまたはその集合体からなるものであることから、コアセルベーション能(温度依存性自己集合性)を示すものである。したがって、本発明に係る細胞培養基材上で細胞を培養した後、培養物を冷却すると、当該細胞培養基材は液化する。このように細胞培養基材を液化させた後に培養された細胞を回収しても、回収された細胞はシート状の形状を保持したままでいることが、実験により示されたのである。
すなわち、上述した細胞シートの製造方法の好ましい実施形態においては、回収工程が、培養物を冷却して細胞培養基材を液化させた後に、細胞シートを回収する工程を含む。なお、培養物を冷却する際の温度については、細胞培養基材が液化しうる温度であれば特に制限はないが、一例として、好ましくは25℃以下、より好ましくは15℃以下に冷却すれば、細胞培養基材のコアセルベーション能を利用してこれを十分に液化させることが可能となる。一方、培養物を冷却する際の温度の下限値についても特に制限はないが、細胞を正常な状態で生存させるという観点からは5℃以上の温度であることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明の好適な実施形態についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例のみに限定して解釈されるべきではない。
≪実施例1:ペプチドの化学合成≫
化学合成法(固相法)により、下記の表1に示すペプチドを合成した。ここで、化学合成法(固相法)としては、Fmoc法を用いた。なお、ペプチド合成用の樹脂、およびFmocアミノ酸としては、全て渡辺化学工業株式会社製の製品を用いた。また、合成用試薬としては、渡辺化学工業株式会社および和光純薬工業株式会社製の製品を用いた。
具体的には、合成用の樹脂(Fmoc-NH-SAL-Resin)に、順次Fmocアミノ酸を結合させていくことにより、目的のペプチドを合成した(図2および図3を参照)。なお、図2においてC末端(アミノ酸Aの側の末端)に結合しているアミノ基(−NH)は固相法に用いた合成用樹脂由来のものであり、これにより合成されたC末端にはアミド結合(−C(=O)−NH)が存在している(以下同様)。この際、アミノ酸の縮合には0.45M HBTU-HOBtおよび2M DIEAを用い、ペプチドの導入が終了した樹脂にTFA(必要に応じてスカベンジャーを添加)を加え25℃で1時間〜2時間撹拌した後、TFAを除去した。得られた残渣を水とアセトニトリルとの混合液に溶解した後凍結乾燥した。得られたペプチドを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、東ソー株式会社製)を用いて精製し、MALDI TOF-MS測定による質量分析(装置:Voyager-DE、アプライドバイオシステムズ社製)を行い、目的のペプチドが高純度に得られたことを確認した。
≪実施例2:ペプチドダイマーの化学合成≫
以下の手法により、ペプチドダイマーを合成した。
まず、上記と同様の化学合成法(固相法)により、(FPGVG)のN末端にシステイン(Cys)残基を導入したペプチド(C(FPGVG);「N−モノマー」とも称する)および(FPGVG)のC末端にシステイン(Cys)残基を導入したペプチド((FPGVG)C;「C−モノマー」)をそれぞれ合成した。続いて、これらのN−モノマーおよびC−モノマーのそれぞれを、以下のスキームに従って空気酸化することによりジスルフィド結合を形成させて、N末端で架橋されたホモダイマー(「N−ダイマー」とも称する)およびC末端で架橋されたホモダイマー(「C−ダイマー」とも称する)をそれぞれ合成した。
≪ペプチドのコアセルベーション(自己集合)特性の測定≫
上記で得られたそれぞれのペプチドについて、種々の濃度のペプチド水溶液(10〜100 mg/ml)を作製し、ペルチェ式温度コントローラー付き分光光度計(JASCO Ubest V-560、日本分光株式会社製)を用いて窒素気流下で濁度測定を行った。測定条件は、測定波長400 nm、温度範囲5〜50℃、温度変化速度0.5℃/minであった。なお、本測定において、WPGVGの濃度20 mg/mlおよび30 mg/mlのものについては、HPLC精製後のサンプルを用いた。一方、その他のペプチドについては、Sep-Pak(登録商標)(Waters社)による粗精製後のサンプルを用いた。
結果を下記の表2〜11および図4〜14に示す。なお、下記の表において、「○」はコアセルベーション(自己集合)を示したものであり、「×」はコアセルベーションを示さなかったものであり、「−」は未測定のものである。
上記の表および図面に示すように、本発明に係るペプチドはいずれも、従来公知の高分子量ポリペプチドと同等の十分なコアセルベーション(自己集合)能を示した。
≪ペプチドダイマーのコアセルベーション(自己集合)特性の測定≫
上記で得られたペプチドダイマー(N−ダイマーおよびC−ダイマー)について、10 mg/mlの水溶液を作製し、上記と同様の手法および条件により濁度測定を行った。なお、本測定においては、HPLC精製後のサンプルを用いた。また、参照例として、上記で得られたN−モノマーおよびC−モノマーについても同様にして濁度測定を行った。結果を図15〜18に示す。さらに、上記モノマーの合成原料である(FPGVG)についての濁度測定の結果も含めて比較したグラフを図19に示す。図19に示すように、N−ダイマーおよびC−ダイマーはいずれも、対応するモノマーと比較して低温でコアセルベーションを示し、優れた自己集合能を有するものであることがわかる。なお、図19に示すように、(FPGVG)は10 mg/mlという低濃度ではコアセルベーションを示さなかった。
以上のことから、本発明によれば、低分子量であってもコアセルベーション(自己集合)能を有するペプチドおよびペプチドダイマーが提供されうることがわかる。さらに、本発明の第1の形態により提供されるペプチドは、分子量サイズが小さいにも関わらず、高分子量のポリペプチドと同様、体温(37℃)付近での自己集合開始温度を示し、かつ可逆的な集合、脱集合の性質を示すことも確認された。また、本発明により提供されるペプチドダイマーは、10 mg/mlという低濃度であっても、15℃以下という低温で自己集合し、かつ可逆的な集合、脱集合の性質を示すことも確認された。
本発明により提供されるペプチドは、上述したような化学合成法によって容易に合成が可能である(もちろん、遺伝子的に合成されてもよい)。また、従来公知のポリペンタペプチドと比較してアミノ酸配列の長さが短いことから、合成後の精製に要する手間が著しく低減されうるという利点もある。
また、従来のペプチドの固相合成では、固相としての樹脂へ各アミノ酸を結合していく際に、その導入率が95〜99%と完全ではないことから、樹脂からペプチドを切り出した後の目的物の含量は95〜97%程度であり、アミノ酸が1残基、4残基など抜けたものが不純物として混在するのが一般的である。これに対し、本発明により提供されるペプチドは、簡易な配列構造を有するため、その合成では、側鎖保護基を必要としないアミノ酸を用いることが可能である。したがって、各アミノ酸を合成用の樹脂へほぼ100%の収率で導入していくことにより、完全に単一のペプチドを合成することができれば、HPLCによる精製を行うことなく、樹脂より切り出したペプチドをそのまま使用することも可能となる。このように、合成の観点からも利点を有する本発明のペプチドは、工業上きわめて有用な材料として期待されるものである。
具体的には、本発明により提供されるペプチドは、水溶性であり、内部に薬物を包含することが可能な効率のよいDDS担体を簡易に合成することができる等、様々な医用材料として利用できることが期待される。
〔配列番号1〕
本発明における(a)のペプチドが有する繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)である。
〔配列番号2〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=W、X=G、X=V、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号3〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=Y、X=G、X=V、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号4〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=V、X=G、X=F、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号5〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=G、X=V、X=Aである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号6〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=A、X=V、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号7〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=G、X=F、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号8〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=Cha、X=G、X=V、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号9〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=G、X=V、X=アミノ酸欠失である場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号10〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=G、X=アミノ酸欠失、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号11〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=G、X=L、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号12〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=F、X=G、X=I、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(本発明の一実施形態)。
〔配列番号13〕
実施例においてペプチドの合成に用いられた、配列番号1の繰り返しアミノ酸配列においてX=V、X=G、X=W、X=Gである場合の繰り返しアミノ酸配列である(比較例)。
〔配列番号14〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がWPGVGであってn=2である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号15〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がWPGVGであってn=3である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号16〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がYPGVGであってn=3である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号17〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がYPGVGであってn=4である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号18〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がYPGVGであってn=5である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号19〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がVPGFGであってn=4である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号20〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がVPGFGであってn=5である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号21〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がVPGFGであってn=6である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号22〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVAであってn=3である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号23〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVAであってn=4である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号24〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVAであってn=5である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号25〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVAであってn=6である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号26〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPAVGであってn=4である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号27〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGFGであってn=3である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号28〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGFGであってn=4である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号29〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がChaPGVGであってn=3である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号30〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がChaPGVGであってn=4である本発明に係るポリペンタペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号31〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVであってn=3である本発明に係るポリテトラペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号32〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVであってn=4である本発明に係るポリテトラペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号33〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGVであってn=5である本発明に係るポリテトラペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号34〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGGであってn=6である本発明に係るポリテトラペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号35〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGLGであってn=4である本発明に係るポリテトラペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号36〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がFPGIGであってn=4である本発明に係るポリテトラペプチドのアミノ酸配列である。
〔配列番号37〕
実施例において合成された、繰り返しアミノ酸配列(X−Pro−X−X−X)がVPGWGであってn=3であるポリペンタペプチドのアミノ酸配列である(比較例)。

Claims (14)

  1. 下記(a)または(b)のペプチド(ただし、X−Pro−X−X−XがVal−Pro−Gly−Val−GlyまたはPhe−Pro−Gly−Val−Glyであるものを除く):
    (a)下記化学式1:
    式中、
    nは、3〜300の整数であり、
    は、トリプトファン、チロシン、バリン、フェニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンであり、
    は、グリシンまたはアラニンであり、
    は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはアミノ酸欠失であり、
    は、グリシン、アラニンまたはアミノ酸欠失であり、
    ただし、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない、
    で表されるペプチド;
    (b)前記(a)のペプチドにおいて1または数個のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドであって、温度依存性自己集合性を示すペプチド。
  2. nが3〜10の整数である、請求項1に記載のペプチド。
  3. がトリプトファン、シクロヘキシルアラニン、またはフェニルアラニンであり、Xがグリシンであり、Xがバリンであり、Xがグリシンまたはアミノ酸欠失である、請求項1または2に記載のペプチド。
  4. 配列番号2〜配列番号10のいずれかのアミノ酸配列で表される繰り返し配列を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチド。
  5. 配列番号2、配列番号8、および配列番号9のいずれかのアミノ酸配列で表される繰り返し配列を有する、請求項4に記載のペプチド。
  6. 配列番号13〜配列番号33のいずれかのアミノ酸配列からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド。
  7. 配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号29、および配列番号32のいずれかのアミノ酸配列からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペプチド。
  8. 下記(d)のペプチドおよび下記(e)のペプチドからなる群から選択される2つのペプチドが−Cys−S−S−Cys−基を介して連結されてなるペプチド:
    (d)下記化学式2:
    式中、
    nは、3〜300の整数であり、
    は、トリプトファン、チロシン、バリン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンであり、
    は、グリシンまたはアラニンであり、
    は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはアミノ酸欠失であり、
    は、グリシン、アラニンまたはアミノ酸欠失であり、
    ただし、XおよびXがともにアミノ酸欠失となることはない、
    で表されるペプチド;
    (e)前記(d)のペプチドにおいて1または数個のアミノ酸が欠失、置換、および/または付加されてなるペプチドであって、温度依存性自己集合性を示すペプチド。
  9. 分子量が3000未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のペプチド。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のペプチドを溶解した水溶液を加熱する工程を含む、ペプチドを自己集合させる方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のペプチドが自己集合してなる、ペプチド集合体。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のペプチドまたは請求項11に記載のペプチド集合体を含む、細胞培養基材。
  13. 請求項12に記載の細胞培養基材を用いて細胞を培養する培養工程と、
    培養された細胞を含む細胞シートを回収する回収工程と、
    を含む、細胞シートの製造方法。
  14. 前記回収工程が、培養物を冷却して前記細胞培養基材を液化させた後に、前記細胞シートを回収する工程を含む、請求項13に記載の製造方法。
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