JP2015013772A - カーボンナノチューブ分散液作製方法、及びカーボンナノチューブ分散液 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散液作製方法、及びカーボンナノチューブ分散液 Download PDF

Info

Publication number
JP2015013772A
JP2015013772A JP2013141145A JP2013141145A JP2015013772A JP 2015013772 A JP2015013772 A JP 2015013772A JP 2013141145 A JP2013141145 A JP 2013141145A JP 2013141145 A JP2013141145 A JP 2013141145A JP 2015013772 A JP2015013772 A JP 2015013772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon nanotube
dispersion
carbon nanotubes
dispersion liquid
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013141145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6152598B2 (ja
Inventor
尊 矢嶋
Takashi Yajima
尊 矢嶋
坂井 徹
Toru Sakai
徹 坂井
文志 古月
Fumiji Furuzuki
文志 古月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido University NUC
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Hokkaido University NUC
Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido University NUC, Taiyo Nippon Sanso Corp filed Critical Hokkaido University NUC
Priority to JP2013141145A priority Critical patent/JP6152598B2/ja
Publication of JP2015013772A publication Critical patent/JP2015013772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152598B2 publication Critical patent/JP6152598B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、長さが30μm以上の長尺カーボンナノチューブであっても、生産性の低下を抑制した上で、分散前の長尺カーボンナノチューブの長さを維持したまま均一に分散することが可能なカーボンナノチューブ分散液作製方法、及びカーボンナノチューブ分散液を提供することを課題とする。
【解決手段】長さが30μm以上で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブと、極性溶媒と、両性イオン界面活性剤と、を含有し、カーボンナノチューブの重量濃度が0.1%未満とされた分散液原料を用意する工程と、分散液原料が供給される配管の一部に設けられ、該配管の内径よりも縮径された流路を高圧かつ高速で分散液原料を通過させることで、カーボンナノチューブを分散させる分散工程と、を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、長尺(長さが30μm以上)のカーボンナノチューブを含んだカーボンナノチューブ分散液作製方法、及びカーボンナノチューブ分散液に関する。
カーボンナノチューブ(carbon nanotube:CNT)は、炭素原子が六角網目状に配列したグラフェンシートが単層で又は多層で円筒状に丸まった構造とされており、優れた熱的・化学的安定性や力学的強度を有するのみならず、グラフェンシートの巻き方やチューブの太さ等によって異なる性質を有することから、将来の機械的材料や機能的材料等として期待されている。
しかしながら、カーボンナノチューブは、その表面を構成する原子の割合が高いため、隣接するカーボンナノチューブ間のファンデルワールス力によって凝集しやすく、通常、複数本のカーボンナノチューブがバンドル(束)を形成し、凝集体を形成してしまう。
この状態では導電性等のカーボンナノチューブの特性を発揮できないことから、カーボンナノチューブを溶媒中に単分散させる技術が各所で検討されている。
特許文献1,2には、カーボンナノチューブが分散された分散液やその製造方法が開示されている。
特許文献1には、超音波法により、単層カーボンナノチューブを液体中に分散させる方法が開示されている。また、特許文献1には、ホモジナイザーのような高速撹拌装置や、アトライターやボールミル等の機械的衝撃を付与する装置等を用いることや、アニオン界面活性剤を用いることが開示されている。
特許文献2には、アミド系極性有機溶媒及び非イオン系界面活性剤混合溶液に、超音波処理を行いながらカーボンナノチューブを混合分散させるカーボンナノチューブ分散溶液の製造方法が開示されている。
特許文献3には、カーボンナノチューブが分散された複合材料が開示されている。具体的には、特許文献3には、カーボンナノチューブと、カーボンナノチューブの分散剤として四級アンモニウム塩基/スルホン酸基タイプ又は四級アンモニウム塩基/リン酸基タイプの両性イオン界面活性剤と、を含有し、カーボンナノチューブを両性イオン界面活性剤により形成される球状ミセルで可溶化させたカーボンナノチューブ溶液に原料ポリマーを分散させた後、該溶液の溶媒を除去することで、複合材料を製造することが開示されている。
また、特許文献3には、カーボンナノチューブを分散させる際に、超音波やホモジナイザーを用いることが開示されている。
特開2003−238126号公報 特開2005−075661号公報 特許第4805820号公報
ところで、カーボンナノチューブを樹脂への添加材として使用する場合、カーボンナノチューブの長さが長いほど低い添加濃度で、高導電性、高熱伝導性、及び高強度を得ることができる。
また、透明導電膜の導電材としてカーボンナノチューブを使用する場合も、カーボンナノチューブの長さが長いほど低い添加濃度で高導電性を実現できる。
一方、長尺のカーボンナノチューブ(例えば、長さが30μmを超えるカーボンナノチューブ)のファンデルワールス力は、長さの短いものと比較して強く、分散はより困難となる。長尺カーボンナノチューブの分散性を高める手法としては、分散液作製時のせん断力を強くすることが挙げられ、例えば、上記特許文献1に記載されたホモジナイザー、アトライター、ボールミル等の機械的衝撃を用いることによって、長尺カーボンナノチューブの分散性の向上が可能である。
しかしながら、特許文献1に記載の方法ではせん断力が強すぎるため、長尺カーボンナノチューブが折れて長さが短くなる等の不具合が生じ、長尺カーボンナノチューブ本来の特性が損なわれてしまう。
また、特許文献2,3に記載された超音波を用いて長尺カーボンナノチューブを分散させる場合、低いせん断力での分散が可能であるが分散に多くの時間が必要となるため、生産性は低いものとなる。また、結果的に長時間超音波にさらされることで長尺カーボンナノチューブが折れて長さが短くなる等の不具合が発生してしまう。
そこで本発明は、長さが30μm以上の長尺カーボンナノチューブであっても、生産性の低下を抑制した上で、分散前の長尺カーボンナノチューブの長さを維持したまま均一に分散することが可能なカーボンナノチューブ分散液作製方法、及びカーボンナノチューブ分散液を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、長さが30μm以上で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブと、極性溶媒と、両性イオン界面活性剤と、を含有し、カーボンナノチューブの重量濃度が0.1%未満とされた分散液原料を用意する工程と、前記分散液原料が供給される配管の一部に設けられ、前記配管の内径よりも縮径された流路を高圧かつ高速で前記分散液原料を通過させることで、前記カーボンナノチューブを分散させる分散工程と、を有することを特徴とするカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記カーボンナノチューブは、CVD法により、基板に形成された触媒層上に作製することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、前記触媒層を構成する金属として一種の金属よりなる単一触媒を用いることを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記カーボンナノチューブのアスペクト比が500以上であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記カーボンナノチューブが励起波長632.8nmで得られるラマンスペクトルにおいて波数1580cm−1付近に出現するグラファイト構造に起因するピークであるGバンドと、波数1360cm−1付近に出現する各種欠陥に起因するピークであるDバンドのそれぞれのピークの高さの比であるG/Dの値が12以上であることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、前記分散工程では、前記流路としてオリフィスを用いることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、前記分散工程では、2つに分岐された前記分散液原料が再度合流する際に衝突することで発生する乱流により、前記カーボンナノチューブを分散させることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項8に係る発明によれば、前記分散工程では、前記流路に対して前記分散液原料を供給する際の圧力が10MPaを超えることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法が提供される。
また、請求項9に係る発明によれば、請求項1〜8によって作製された長さが30μm以上で、かつ、層数が3層以上の前記カーボンナノチューブが前記極性溶媒中に前記両性イオン分散剤とともに重量濃度0.1%未満の濃度で均一分散されたカーボンナノチューブ分散液が提供される。
本発明のカーボンナノチューブ分散液作製方法によれば、長さが30μm以上で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブと、極性溶媒と、両性イオン界面活性剤と、を含有し、カーボンナノチューブの重量濃度が0.1%未満とされた分散液原料を用意する工程と、前記分散液原料が供給される配管の一部に設けられ、前記配管の内径よりも縮径された流路を高圧かつ高速で前記分散液原料を通過させることで、前記カーボンナノチューブを分散させる分散工程と、を有することにより、長さが30μm以上の長尺のカーボンナノチューブのバンドルをほぐすための分散手法と両性イオン界面活性剤の作用とによって、分散前のカーボンナノチューブの長さを維持した上で、短時間で、分散剤溶液中での均一分散を実現することができる。
このため、長さが30μm以上の長尺のカーボンナノチューブであっても、生産性を低下させることなく、長尺のカーボンナノチューブの分散状態が良好なカーボンナノチューブ分散液を作製することができる。
前記カーボンナノチューブ分散液を複合樹脂材料や透明導電膜等の応用製品の作製に用いることによって、より少ないカーボンナノチューブ添加量で目標性能を実現できる。
図1(a)〜図1(c)は、両性イオン界面活性剤がカーボンナノチューブを分散させる原理を説明するための模式図(その1〜3)である。 本実施の形態のカーボンナノチューブ分散液作製方法の分散工程で使用する湿式微粒化装置の概略構成を示す図である。 クロスノズルを構成する第1のノズル部と第2のノズル部とを離間させた状態を示すクロスノズルの斜視図である。 部分的に切り欠いたクロスノズルの斜視図である。 熱処理前のカーボンナノチューブのTEM写真を示す図である。 熱処理後のカーボンナノチューブのTEM写真を示す図である。 比較例1分散液サンプルについてのゼータ電位測定結果を示すグラフである。 比較例1分散液サンプルについての粒度分布測定結果から求めた平均粒径を示すグラフである。 比較例1分散液サンプルについての前記平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ13nmとして計算で算出した分散液中のカーボンナノチューブ長さを示すグラフである。 比較例2分散液サンプルについてのゼータ電位測定結果を示すグラフである。 比較例2分散液サンプルについての粒度分布測定結果から求めた平均粒径を示すグラフである。 比較例2分散液サンプルについての前記平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ13nmとして計算で算出した分散液中のカーボンナノチューブ長さを示すグラフである。 比較例3分散液サンプルについてのゼータ電位測定結果を示すグラフである。 比較例3分散液サンプルについての粒度分布測定結果から求めた平均粒径を示すグラフである。 比較例3分散液サンプルについての前記平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ13nmとして計算で算出した分散液中のカーボンナノチューブ長さを示すグラフである。 実施例1分散液サンプルについての分散液濃度に対するゼータ電位測定結果を示すグラフである。 実施例1分散液サンプルについての処理圧力に対するゼータ電位測定結果を示すグラフである。 実施例1分散液サンプルについての分散液濃度に対する粒度分布測定結果から求めた平均粒径を示すグラフである。 実施例1分散液サンプルについての処理圧力に対する粒度分布測定結果から求めた平均粒径を示すグラフである。 実施例1分散液サンプルについての処理圧力に対する前記平均粒径からカーボンナノチューブ外径をφ13nmとして計算で算出した分散液中カーボンナノチューブ長さを示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のものとは異なる場合がある。
(実施の形態)
本実施の形態のカーボンナノチューブ分散液Aは、長尺のカーボンナノチューブ2(図1参照)と、両性イオン界面活性剤B(分散剤)と、極性溶媒Cと、を含んだ構成とされている。
カーボンナノチューブ2は、長さが30μm以上で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブである。
カーボンナノチューブ2の層数は、例えば、3層〜50層の範囲内にするとよい。カーボンナノチューブ2の層数が3層よりも少ないと、カーボンナノチューブ2の強度が弱くなるため、カーボンナノチューブ2を分散させる際にカーボンナノチューブ2が折れやすくなる。
また、カーボンナノチューブ2の層数が50層よりも多いと、例えば、カーボンナノチューブ分散液Aを透明導電膜に適用した際、透明性が損なわれるため、好ましくない。
カーボンナノチューブ2の層数は、カーボンナノチューブ2の生産性の観点から、例えば、4〜12層の範囲内で設定することがより好ましい。
カーボンナノチューブ2の長さは、例えば、30μm以上5000μm以下の範囲内で設定するとよい。例えば、カーボンナノチューブ2を用いて絶縁物質に導電性を付与する場合、カーボンナノチューブ2同士が接点で電気的に結合されることにより、絶縁物質の全面において導電性を確保することが可能となる。
しかしながら、接点の電気抵抗は、カーボンナノチューブの抵抗と比べて格段に大きいため、長さの短いカーボンナノチューブを用いて接点の数を多くすることは好ましくない。よって、本実施の形態のように、長さが30μm以上とされた長尺のカーボンナノチューブ2を用いることにより、絶縁物質に対するカーボンナノチューブ2の密度を減らした場合においても導電性を十分に確保できる。また、透明導電膜に適用した場合、低添加濃度であっても導電性を十分に確保できるため、透明度低下を抑制できる。一方、カーボンナノチューブ2の長さが長すぎると均一分散が困難となるため、その長さを5000μm以下とすることが好ましい。カーボンナノチューブ2のより好ましい長さは、生産性の観点から、50μm〜600μmである。
なお、本発明における「均一分散」とは、理想的には、分散液中のほぼ全量のカーボンナノチューブ2がバンドル(または「束」)になることなく、かつ、物理的に絡み合うこともなく、1本1本が独立し、隣り合うカーボンナノチューブが一定距離を保ちながら溶媒中に浮遊している状態のことであり、ゼータ電位を測定した際の数値の絶対値が30mVより大きな値になる状態のことをいう。
カーボンナノチューブ2の平均バンドル数は、例えば、10本以下であることが好ましく、5本以下であることがより好ましい。
本実施の形態では、上述したように、カーボンナノチューブ2が均一分散していることを基本とするが、もし局所的に大きなバンドルが存在する場合には、平均バンドル数を上記数値範囲内にするとよい。
カーボンナノチューブ2は、その形状からファンデルワールス力による凝集力が強く、バンドル化し易い。カーボンナノチューブ2が太いバンドルを形成すると、結果として導電性が悪くなってしまう。
カーボンナノチューブ2の径(直径)は、カーボンナノチューブ2の層数に大きく依存するが、1〜80nmの範囲内が好ましく、より好ましくは、4〜20nmの範囲内で設定するとよい。特に、直径4nm以上のカーボンナノチューブ2を用いることで、本発明の分散条件でより折れにくいという効果を得ることができる。
また、カーボンナノチューブ2のアスペクト比は、例えば、500以上にすることが好ましい。アスペクト比500以上のカーボンナノチューブを用いることで、本発明の分散条件でより折れにくいという効果を得ることができる。
さらに、カーボンナノチューブ2は、その結晶性が良いことが好ましい。具体的には、カーボンナノチューブ2として、例えば、励起波長632.8nmで得られるラマンスペクトルにおいて、波数1580cm−1付近に出現するグラファイト構造に起因するピークであるGバンドに出現するピークの強度Iと、波数1360cm−1付近に出現する各種欠陥に起因するピークであるDバンドに出現するピークの強度Iとの比(=G/D)が12以上のものを用いるとよい。
G/Dが12よりも小さいカーボンナノチューブは、欠陥となる5員環や7員環が多いため、分散時にここを起点に折れる恐れがある。言い換えれば、G/Dが12以上のカーボンナノチューブをカーボンナノチューブ2として用いることで、カーボンナノチューブ2の分散時に、カーボンナノチューブ2が折れることを抑制できる。
上記G/Dは、公知のラマン分光分析装置を用いて求めることができる。なお、カーボンナノチューブ2では、Gバンドのピークの分裂が観測されることがあるが、この場合、ピーク強度Iとして高い方のピーク高さを採用すればよい。
カーボンナノチューブ2は、基板に形成された触媒層上にバンドルを成して垂直配向するように作製するとよい。具体的には、カーボンナノチューブ2は、例えば、炭素電極間にアーク放電を発生させ、放電用電極の陰極表面に成長させる方法(アーク放電法)、シリコンカーバイドにレーザービームを照射して加熱・昇華させる方法(レーザー蒸発法)、遷移金属系触媒を用いて炭化水素を還元雰囲気下の気相で炭化する方法(化学的気相成長法:CVD(Chemical Vapor Deposition)法)、熱分解法、プラズマ放電を利用する方法等を用いて作製することができる。
なお、カーボンナノチューブ2の作製方法としては、化学的気相成長法(CVD法)が好ましい。CVD法を用いたカーボンナノチューブ2の製造方法の詳細については後述する。
カーボンナノチューブ分散液Aは、極性溶媒C中に両性イオン界面活性剤Bとともに、長さが30μm以上で、かつ、層数が3層以上とされたカーボンナノチューブ2が重量濃度0.1%未満の濃度で分散されている。分散液Aにおけるカーボンナノチューブ重量濃度を0.1%未満とすることにより、本分散液Aを用いて例えば透明導電膜を作製した場合、目標の透明度及び導電性能を両立させることができる。
両性イオン界面活性剤Bは、両性分子を用いることによって、カーボンナノチューブ2のバンドルを開繊して、高度な分散状態を得ることが可能な分散剤である。上記両性分子は、溶液中でカーボンナノチューブ2を孤立分散状態にできるものであれば特に限定されない。
具体的には、両性イオン界面活性剤Bに含まれる上記両性分子としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのポリマー、ポリペプチド等の両性高分子、および、3−(N,N−ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−(N,N−ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート(CHAPSO)、n−ドデシル−N,N’−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、n−ヘキサデシル−N,N’−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、n−オクチルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリン、ジメチルアルキルベタイン、パーフルオロアルキルベタイン、レシチン等を用いることができる。
なお、両性分子によって高度な分散状態が得られる原理の詳細は、図1を参照して後述する。
極性溶媒Cとしては、使用する両性分子との組み合わせでカーボンナノチューブ2のバンドルを孤立状態で分散させ得るものであれば特に限定されない。極性溶媒Cとしては、例えば、水、アルコール、及びこれらの組み合わせ等の水性溶媒、並びに、シリコンオイル、四塩化炭素、クロロホルム、トルエン 、アセトン、及びこれらの組み合わせた非水性溶媒(油性溶媒)を用いることができる。
また、カーボンナノチューブ分散液Aに、安定剤として、例えば、グリセロール、多価アルコール、ポリビニルアルコール、アルキルアミン等の水素結合を形成する物質を加えてもよい。
次いで、本実施の形態のカーボンナノチューブ分散液作製方法について説明する。
カーボンナノチューブ分散液の作製に先立ち、長さ30μm以上かつ3層以上のカーボンナノチューブを用意する。このようなカーボンナノチューブは、以下に例示するCVD法を利用した方法によって作製することができる。
先ず、カーボンナノチューブを成長させるための触媒層を、基板上に形成する。
上記基板としては複数の触媒粒子よりなる触媒層を支持可能な基板であればよく、触媒が流動化・粒子化する際に動きを妨げない平滑度を有する基板が好ましい。
特に、上記基板としては、例えば、平滑性や価格の面、耐熱性の面で優れた単結晶シリコン基板を用いるとよい。また、上記基板の材料としては、触媒金属に対する反応性の低い材料が好ましい。
上記基板として単結晶シリコン基板を用いる場合、化合物が形成されることを防止する観点から、単結晶シリコン基板の表面を酸化処理または窒化処理することが好ましい。
つまり、単結晶シリコン基板の表面に、シリコン酸化膜(SiO膜)またはシリコン窒化膜(Si膜)を形成するとよい。或いは、単結晶シリコン基板の表面に、反応性の低いアルミナ等の金属酸化物を形成後、該金属酸化物上に触媒層を形成してもよい。
触媒層を構成する金属粒子としては、例えば、ニッケル、コバルト、鉄等の金属粒子を用いることができる。触媒層を構成する金属として一種の金属よりなる単一触媒(特に、鉄一元系が好ましい)を用いることで、欠陥が少ないカーボンナノチューブ2を形成することが可能となる。
触媒層の厚さは、例えば、0.5〜100nmの範囲内で設定することができるが、0.5〜15nmの範囲内で設定することが好ましい。触媒層の厚さが0.5nmよりも薄いと、基板の面内に均一な厚さとされた触媒層を形成することが困難となるおそれがある。また、触媒層の厚さが15nmを超えると、800℃までの温度の加熱による粒子化が困難となるおそれがある。
前記触媒層は、スパッタ法や真空蒸着法等により金属を基板上に堆積させる方法や、基板上に触媒溶液を塗布した後に加熱乾燥する方法によって形成することができる。
触媒層の母材となる塗布層は、例えば、上記ニッケル、コバルト、鉄等の金属のうちの1種、またはニッケル、コバルト、鉄等の金属錯体の化合物のうちの1種を含んだ溶液を塗布することで形成することができる。
上記塗布層を形成する際に使用する塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコーター法、インクジェット法、スリットコータ法等の方法を用いることができる。そして、該塗布層を乾燥させることで、触媒層が形成される。
塗布層の加熱は、例えば、減圧下または非酸化雰囲気下で、500℃〜1000℃の範囲内の温度(好ましくは、650〜800℃の範囲内の温度)で行うとよい。これにより、直径が0.5〜50nm程度とされた複数の触媒粒子よりなる触媒層が形成される。
このような方法を用いて、粒子径が均一とされた触媒粒子を形成することで、高密度化された複数のカーボンナノチューブ2を作製することができる。
次いで、CVD法により、高温雰囲気中で原料ガスを供給し、触媒粒子を核としてカーボンナノチューブ2を成長させる。
このとき、複数のカーボンナノチューブ2は、基板に対して垂直配向するように形成される。上記カーボンナノチューブ2の形成温度は、例えば、500℃〜1000℃の範囲内、好ましくは650〜800℃の範囲内で適宜設定することができる。
カーボンナノチューブ2の長さは、原料ガスの添加量、合成圧力、CVD装置のチャンバー内での反応時間によって調整することができる。CVD装置のチャンバー内での反応時間を長くすることにより、カーボンナノチューブ2の長さを数mmまで伸ばすことが可能となる。
一方でカーボンナノチューブの結晶性が低下して折れやすくなることから、反応時間は8分以下が好ましく、1分以下がより好ましい。
カーボンナノチューブ2の1本の太さは、基板に形成する触媒層の厚さによって制御することが可能である。触媒層の厚さを薄くすることにより、触媒層を構成する触媒粒子径が小さくなるため、CVD法で形成されるカーボンナノチューブ2の直径は小さくなる。
逆に、触媒層の厚さを厚くすると、触媒層を構成する触媒粒子径が大きくなるため、カーボンナノチューブ2の直径は大きくなる。
触媒層を構成する触媒粒子径を均一に制御し、かつ、触媒粒子を密に配置することで、触媒層の単位面積当たりに作製される本数が多く、かつ密集した複数のカーボンナノチューブ2を作製できる。
カーボンナノチューブ2を作製する際に使用する原料ガスとしては、例えば、アセチレン、メタン、エチレン等の脂肪族炭化水素を用いることができる。そのうち、アセチレンガスが好ましく、さらにアセチレン濃度が99.9999%以上とされた超高純度のアセチレンガスがより好ましい。
このように、アセチレン濃度が99.9999%以上とされた超高純度のアセチレンガスを原料ガスとして用いることで、品質の良いカーボンナノチューブ2を作製することができる。
なお、原料ガスとしてアセチレンを用いると、核となる触媒粒子から多層構造で直径が0.5〜50nmのカーボンナノチューブ2が、基板に対して垂直、かつ一定方向に配向成長する。
次いで、ステンレス製のスクレーパーを用いて、触媒層上に形成された複数のカーボンナノチューブ2を剥ぎ取ることで、複数のカーボンナノチューブ2を回収する。この段階では、複数のカーボンナノチューブ2は、バンドルを形成しており、1本1本のカーボンナノチューブ2に分かれてはいない。以下説明では、複数のカーボンナノチューブ2がバンドルを形成した状態のものを「カーボンナノチューブバンドル」といい、「CNTB」と略称することがある。
次いで、極性溶媒Cに両性イオン界面活性剤Bを添加予定のカーボンナノチューブ2の重量濃度の10〜50倍の重量濃度で加えて、超音波ホモジナイザーなどを使用して撹拌し、分散剤溶液3を作製する(分散剤溶液作製工程)。
次いで、分散剤溶液3に複数のカーボンナノチューブ2(具体的には、複数のCNTB)を重量濃度0.1%未満で加え、分散液原料Dを作製する(分散液原料作製工程)。
この段階では、分散剤溶液3に複数のカーボンナノチューブ2は、均一に分散されていない。
分散剤溶液3に複数のカーボンナノチューブ2を重量濃度0.1%未満で加えることで、後述する分散工程において、分散剤溶液3に対して複数のカーボンナノチューブ2が均一に分散されたカーボンナノチューブ分散液Aを作製することが可能になる。また、得られたカーボンナノチューブ分散液Aは、透明導電膜の導電材として適用することが可能となる。
図1(a)〜図1(c)は、両性イオン界面活性剤がカーボンナノチューブを分散させる原理を説明するための模式図である。
ここで、図1(a)〜図1(c)を参照して、両性イオン界面活性剤Bがカーボンナノチューブ2を分散させる原理について説明する。
図1(a)に示すように、分散剤溶液3中に、複数のCNTB4を加えると、複数のCNTB4を構成するカーボンナノチューブ2の少なくとも一部分に、両性イオン界面活性剤Bを構成する両性分子5が付着する。
次いで、図1(b)に示すように、複数のCNTB4のうち、1つのCNTB4を構成するカーボンナノチューブ2に付着した両性分子5が、隣接する他のCNTB4を構成するカーボンナノチューブ2に付着した両性分子5と電気的に引き合う。
これにより、図1(c)に示すように、CNTB4を構成する各カーボンナノチューブ2が孤立分散される。
正電荷及び負電荷を有する両性分子5は、CNTB4の表面において、自己組織化両性単分子膜(self−assembled zwitterionic monolayer:以下、「SAZM」という)を形成する。
CNTB4を覆うSAZMは、双極子間の強い電気的相互作用によって、他のCNTB4を覆うSAZMと静電的に結合する。
この静電的な力によって分散剤溶液3中の各CNTB4が互いに引っ張りあうことにより、CNTB4を構成する各カーボンナノチューブ2の引き剥がれが起き、新たなCNTB4の表面が露出する。そして、新しく露出したCNTB4の表面は、新たなSAZMによって覆われる。
上記説明した反応が、CNTB4を構成するカーボンナノチューブ2が完全に孤立分散するまで繰り返されるので、最終的にはカーボンナノチューブ2が完全に孤立分散する。
CNTBと両性分子と安定剤とを混合させると、両性分子は、まず、両性分子間の電気的引力によって自己組織化し、二量体または四量体になる。
この時、安定剤は、両性分子の疎水部と水素結合を形成し、二量体または四量体を構成する両性分子間の結合を安定にする。なお、安定剤は必須ではないので、図示を省略する。
これらのSAZM構成要素(具体的には、両性分子の二量体または四量体)は、CNTBの表面に付着し、構成要素間で会合して、CNTBの表面にSAZMを形成する。このとき、隣り合う両性分子間で、同じ極性を有する領域が接近すると斥力が働いてしまう。
このため、図1(a)〜図1(c)に示すように、両性分子5は、正電荷と負電荷が交互になるようにSAZMを構成する。
CNTBを覆うSAZMは、双極子間の強い電気的相互作用によって、他のCNTBを覆うSAZMと静電的に結合する。
このような双極子間の電気的相互作用は、容易に発生するため、単に静置しておくだけで十分である。このとき、この静電的な力によって各CNTBが互いに引っ張りあうことにより、CNTBを構成する各カーボンナノチューブ2の引き剥がしが起き、両性分子が吸着していないカーボンナノチューブ2が露出する。
新しく露出したカーボンナノチューブ2の表面は、新たに両性分子によって覆われる。上記反応が、CNTBを構成するカーボンナノチューブ2が完全に孤立分散するまで繰り返されるので、最終的にはカーボンナノチューブ2が両性分子によって完全に孤立分散する。
図2は、本実施の形態のカーボンナノチューブ分散液作製方法の分散工程で使用する湿式微粒化装置の概略構成を示す図である。図2では、湿式微粒化装置10の構成要素のうち、プランジャーポンプ12以外の構成要素を断面で図示する。
ここで、図2を参照して、分散工程(分散液原料Dに含まれる複数のカーボンナノチューブ2を分散させる工程)で使用する湿式微粒化装置10について説明する。
図2を参照するに、湿式微粒化装置10は、配管11と、プランジャーポンプ12と、液体供給部13と、ストレートノズル15と、液体回収容器16と、を有する。
配管11は、第1の部分17と、第2の部分18と、を有する。第1の部分17は、その一方の端がプランジャーポンプ12と接続されており、他端がストレートノズル15の一方の端と接続されている。
第1の部分17は、その一方の端部側に、プランジャーポンプ12のプランジャー12Bを収容すると共に、プランジャー12Bが動作可能なプランジャー収容部17Aを有する。
第2の部分18は、その一方の端がストレートノズル15の他方の端と接続されており、他端が液体回収容器16内に配置されている。第2の部分18は、ストレートノズル15を通過した後の分散液原料Dを液体回収容器16へ導出する。
第2の部分18の形状は、例えば、L字型にすることができる。第2の部分18の内径は、第1の部分17の内径と同じ大きさにすることができる。
プランジャーポンプ12は、高圧移送に適したポンプであり、ポンプ本体12Aと、プランジャー12Bと、を有する。ポンプ本体12Aは、プランジャー収容部17Aと接続されている。プランジャーポンプ12は、プランジャー収容部17Aに収容されたプランジャー12Bを往復させることで、液体供給部13から供給された分散液原料Dの吸込及び吐出を行う。プランジャーポンプ12が分散液原料Dを吐出する際の圧力(吐出圧力)は、例えば、10〜200MPaの範囲内で適宜設定することができる。
液体供給部13は、液体収容部13Aと、液体導出口13Bと、を有する。液体収容部13Aは、分散液原料Dを収容する容器である。液体導出口13Bは、液体収容部13Aの下端と一体とされている。液体導出口13Bの下端は、液体収容部13A内に収容された分散液原料Dを導出可能な状態で第1の部分17と接続されている。
なお、図示してはいないが、液体導出口13Bには、第1の部分17に供給する分散液原料Dの流量を調節する流量調節弁が配置されている。
ストレートノズル15は、第1の部分17と第2の部分18との間に配置されている。ストレートノズル15は、筒状部材21と、第1のリング状突出部23と、第2のリング状突出部24と、を有する。
筒状部材21は、第1の部分17と同じ方向に延在する部材である。筒状部材21の内径は、例えば、第1及び第2の部分17,18の内径と同じ値にすることができる。
第1のリング状突出部23は、第1の部材17側に位置する筒状部材21の内壁に配置されている。第1のリング状突出部23の中央部には、第1及び第2の部分17,18の内径よりも縮径された流路であるオリフィス23Aが形成されている。
第2のリング状突出部24は、第1のリング状突出部23から離間するように、第2の部材18側に位置する筒状部材21の内壁に配置されている。これにより、第1のリング状突出部23と第2のリング状突出部24との間には、オリフィス23Aの径よりも幅広形状とされた管状空間が存在している。
第2のリング状突出部24の中央部には、第1及び第2の部分17,18の内径よりも縮径された流路であるオリフィス24Aが配置されている。第2のリング状突出部24としては、第1のリング状突出部23と同様な構成とされた部材を用いることが可能であり、この場合、オリフィス24Aの径は、先に説明したオリフィス23Aの径と同じ値となる。
液体回収容器16は、複数のカーボンナノチューブ2が均一に分散された分散液原料Dを回収するための容器である。
本実施の形態では、分散液原料作製工程後に、上記構成とされた湿式微粒化装置10を用いて、プランジャー収容部17Aを除いた配管11の内径よりも縮径されたオリフィス23A,24A(流路)を高圧かつ高速で分散液原料Dを通過させることで、複数のカーボンナノチューブ2を分散させる(分散工程)。
本発明において、配管11の内径よりも縮径された流路すなわちオリフィスを高圧かつ高速で通過させるが、ここで高圧且つ高速とは、具体的には、プランジャーポンプ12の出口からオリフィス23Aまでにおいて、分散液原料Dの圧力が10MPaを超え且つ速度が10m/sを超えることをいう。
また、流路が縮径されたとは、少なくとも配管の一部の内径がその流れ方向前後の領域における内径よりも狭くなっていることをいい、分散液の流量等に応じて配管径は適宜設定することが可能である。
このように、配管11に対して、10MPaを超える高圧で、かつ高速で分散液原料Dを供給すると、次のように均一分散が実現される。高圧による浸透力で両性分子5がCNTB4の表面にSAZMを形成し、1つ目のオリフィスを通過する際、CNTB4を構成するカーボンナノチューブ2同士がカーボンナノチューブ2の軸方向にずれるようにして複数のカーボンナノチューブ2が一本一本に分離されると共に、カーボンナノチューブ表面が剥き出しとなった部分に両性分子5がSAZMを形成し、分離されたカーボンナノチューブ2の軸方向が管状部材21の軸方向と略一致するようにして、オリフィスを通過する。
この際に発生する乱流によりカーボンナノチューブが分散する。次の2つ目のオリフィスを通過する際、1つ目のオリフィス通過時と同様の現象が生じる。これら作用により、分離された複数のカーボンナノチューブ2を均一に分散させることができる。
以上の通り、ストレートノズル15を用いた湿式微粒化装置による分散手法では、適切なせん断力が働くため、長尺のカーボンナノチューブ2が分散中に折れることなく、すなわちその長さを維持しつつ、均一分散を実現することができる。
図3は、クロスノズルを構成する第1のノズル部と第2のノズル部とを離間させた状態を示すクロスノズルの斜視図である。図4は、部分的に切り欠いたクロスノズルの斜視図である。図4において、図3に示すクロスノズルと同一構成部分には、同一符号を付す。
図2では、複数のカーボンナノチューブ2を均一に分散させるノズルの一例として、ストレートノズル15を用いた場合を例に挙げたが、図2に示す湿式微粒化装置10に設けられたストレートノズル15に替えて、図3に示すクロスノズル31を用いてもよい。
ここで、図3及び図4を参照して、クロスノズル31について説明する。クロスノズル31は、第1のノズル部32と、第2のノズル部33と、を有する。
第1のノズル部32は、円盤状部材35と、導入穴37,38と、第1の溝41と、を有する。円盤状部材35は、プランジャーポンプ12から吐出された分散液原料Dが導入される側の面である第1の面35Aと、第1の面35Aの反対側に配置された第2の面35Bと、を有する。
導入穴37,38は、互いが離間するように、円盤状部材35の中心を通過する直線上に配置されている。導入穴37,38は、円盤状部材35を貫通している。導入穴37,38は、クロスノズル31内にプランジャーポンプ12から吐出された分散液原料Dを導入するための穴である。導入穴37,38を通過した分散液原料Dは、第1の溝41に導入される。導入穴37,38の直径は、配管11の内径よりも縮径されている。
第1の溝41は、円盤状部材35の第2の面35B側に、導入穴37と導入穴38とを直線で結ぶように形成されている。第1の溝41は、その一端が導入穴37と一体とされており、他端が導入穴38と一体とされている。
第1の溝41は、第1のノズル部32の第2の面35Bに第2のノズル部33を接触させることで、流路として機能する。第1の溝41の幅及び深さは、導入穴37,38の直径の値よりも小さくなるように構成されている。
第2のノズル部33は、円盤状部材43と、導出穴45,46と、第2の溝48と、を有する。円盤状部材43は、円盤状部材35の第2の面35Bと接触する第1の面43Aと、第1の面43Aの反対側に位置する第2の面43Bと、を有する。
円盤状部材43は、第1及び第2の溝41,48が対向し、かつ第1の溝41に対して第2の溝48が直交するように、円盤状部材35の第2の面35Bに配置されている。
導出穴45,46は、互いが離間するように、円盤状部材43の中心を通過する直線上に配置されている。導出穴45,46は、円盤状部材43を貫通している。導出穴45,46は、クロスノズル31内に導入され、第1及び第2の溝41,48を経由した分散液原料Dを導出するための穴である。導出穴45,46を通過した分散液原料Dは、第2の部分18に導出される。導出穴45,46の直径は、配管11の内径よりも縮径されている。
第2の溝48は、円盤状部材43の第1の面43A側に、導出穴45と導出穴46とを直線で結ぶように配置されている。第2の溝48は、その一端が導出穴45と一体とされており、他端が導出穴46と一体とされている。
第2の溝48は、第1のノズル部32の第2の面35Bに第2のノズル部33を接触させることで、流路として機能する。第2の溝48の幅及び深さは、導出穴45,46の直径の値よりも小さくなるように構成されている。
上記構成とされたクロスノズル31を備えた湿式微粒化装置10を用いて、分散液原料作製工程後に、プランジャー収容部17Aを除いた配管11の内径よりも縮径された流路(この場合、具体的には、導入穴37,38、第1の溝41により構成される流路、導出穴45,46、及び第2の溝48により構成される流路)を高圧(例えば、クロスノズル31に供給する圧力が10MPaを超える圧力)かつ高速(例えば、10m/sを超える速度)で分散液原料Dを通過させることで、複数のカーボンナノチューブ2を分散させる(分散工程)。
この場合、導入穴37,38により、2つに分岐された分散液原料Gが再度合流する際に衝突することで発生する乱流により、複数のカーボンナノチューブBを分散させることが可能となる。
なお、湿式微粒化装置10で使用するノズルとしては、カーボンナノチューブ2の破損を抑制(言い換えれば、カーボンナノチューブが折れて短くなることを抑制)する観点から、クロスノズル31よりもストレートノズル15が好ましい。
本実施の形態のカーボンナノチューブ分散液作製方法によれば、分散液原料Dが供給される配管11の一部に設けられ、該配管11の内径よりも縮径された流路(例えば、オリフィス23A,24A)を高圧かつ高速で分散液原料Dを通過させることで、長さが30μm以上で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブ2に対して、該カーボンナノチューブ2が折れるほどのせん断力を発生させることなく、かつ超音波を使用してカーボンナノチューブ2を分散させる場合よりも短時間でカーボンナノチューブ2を均一に分散させることが可能となる。
つまり、生産性を低下させないで、長尺(長さが30μm以上)で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブ2を均一に分散させることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(実施例1〜9)
実施例1〜9では、下記第1工程〜第6工程の処理を実施することで、カーボンナノチューブを作製し、ラマンスペクトルを測定することで、Gバンドに出現するピークの強度Iと、Dバンドに出現するピークの強度Iとの比(=G/D)と、を取得し、カーボンナノチューブ分散液Aを作製した。
[第1工程:カーボンナノチューブの作製]
厚さ1000Åの酸化膜(SiO膜)が形成された6インチサイズのシリコン基板を用意した。
次いで、スパッタ法によってSiO膜上に鉄触媒を3.0nmの厚さで堆積させた。次いで、鉄触媒が形成されたシリコン基板を石英製の反応炉内に設置し、該反応炉内にNを導入し、不活性雰囲気下において、赤外線加熱ヒーターにより該シリコン基板を720℃まで加熱した。
次いで、上記シリコン基板の温度が720℃に達した時点で、上記反応炉内にCを、C:N=45:55になるように導入し、CVD処理を60秒行い、シリコン基板上に総重量68mg、平均長さ102μm、外径がφ4.0nm〜φ20nmで平均φ13nm、層数が4層〜12層で平均8層の複数のカーボンナノチューブ(この段階では複数のカーボンナノチューブはバンドルを形成している)を得た。
[第2工程:カーボンナノチューブの剥離]
ステンレス製のスクレーパーにて、上記シリコン基板上に成長した複数のカーボンナノチューブ(この段階では複数のカーボンナノチューブはバンドルを形成している)を回収した。
[第3工程:アモルファス層の除去]
次いで、得られた複数のカーボンナノチューブをカーボン製のるつぼに充填した。その後、複数のカーボンナノチューブが充填されたカーボン製のるつぼを高温カーボン製電気炉(丸祥電器株式会社製)に挿入し、複数のカーボンナノチューブに対し2600℃にて10分間の熱処理を実施し、カーボンナノチューブの結晶構造に変化を与えることなく、不純物であるカーボンナノチューブ表層のアモルファス(非結晶のカーボン)を除去した。
熱処理前のカーボンナノチューブ(図5参照)および熱処理後のカーボンナノチューブ(図6参照)については透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」という)によって観察、確認を行った。
[第4工程:結晶度評価]
上記アモルファスを除去したカーボンナノチューブについて、ラマンスペクトルを測定し、励起波長632.8nmで得られるGバンドに出現するピークの強度IとDバンドに出現するピークの強度Iとの比からG/Dを測定した。
この測定の結果、アモルファスを除去したカーボンナノチューブのG/Dは測定した全てのデータが10以上で、平均12であることが分かった。
[第5工程:カーボンナノチューブ分散液原料の作製]
次いで、濃度1.0mmolのヨウ化ナトリウム水溶液2520mLを作製した。両性界面活性剤として3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホネート(CHAPS)を用意し、両性界面活性剤およびカーボンナノチューブを表1記載の通り7水準の濃度で混合し、カーボンナノチューブ分散液原料を360mL用意した。
[第6工程:カーボンナノチューブ分散液の作製 実施例1〜実施例3]
上記第1工程〜第5工程の後、第6工程として、次に説明する条件にてカーボンナノチューブ分散液を作製した。湿式微粒化装置「ナノヴェイタ」(吉田機械興業株式会社製、C−ES007)にφ190μmのストレートノズルを備え付け、前記長尺CNT分散液原料の7水準の濃度に対し、処理圧力条件として100MPa(実施例1)、50MPa(実施例2)、10MPa(実施例3)の3条件において表2記載の運転条件にて処理を行い、計21条件の分散液サンプルを作製した。
なお、100MPa(実施例1)で処理した際のノズル通過速は74m/s、50MPa(実施例2)で処理した際のノズル通過速は71m/s、10MPa(実施例3)で処理した際のノズル通過速は50m/sであった。
[第6工程:カーボンナノチューブ分散液の作製 実施例4〜実施例6]
上記第1工程〜第5工程の後、第6工程として、次に説明する条件にてカーボンナノチューブ分散液を作製した。湿式微粒化装置「ナノヴェイタ」(吉田機械興業株式会社製、C−ES007)にφ300μmのストレートノズルを備え付け、前記長尺CNT分散液原料の7水準の濃度に対し、処理圧力条件として19MPa(実施例4)、10MPa(実施例5)、2.5MPa(実施例6)の3条件において表2記載の運転条件にて処理を行い、計21条件の分散液サンプルを作製した。
(比較例1)
比較例1では、第1工程〜第5工程については実施例1〜9と同じ方法で実施した。その後、第6工程として、次に説明する条件を実施した。
すなわち、ビーズミル(WAB社製、ダイノーミル、内容積2L)にて前記カーボンナノチューブ分散液原料の7水準の濃度に対し、解砕メディアにジルコニアビーズ(φ0.6mm)を使用し、300rpmにて60分の分散処理を行った。
(比較例2)
比較例2では、層数4層〜12層のカーボンナノチューブの代わりに市販の単層カーボンナノチューブ(以下、「SWNT」という)としてスーパーグロース(産業技術総合研究所製、外径φ3.0nm、平均長さ500μm)を用いたこと以外は、実施例1〜9と同様な手法により第1工程〜第3工程を実施した。
その後、SEM(走査型電子顕微鏡)観察およびTEM観察によって前記平均直径、平均長さがカタログ値と相違しないことを確認し、実施例1〜9と同様に、第4工程にて結晶度を評価するためにG/Dを測定した結果、平均7.4であった。
第5工程は、実施例1〜9と同じ方法で実施し、第6工程として、次に説明する条件を実施した。すなわち、第6工程では湿式微粒化装置「ナノヴェイタ」(吉田機械興業株式会社製、C−ES007)にφ190nmのストレートノズルを備え付け、処理圧力条件として50MPaにおいて実施例1と同じ300回通過させて処理を行い、比較例2の分散液を作製した。
(比較例3)
比較例3では、第1工程〜第4工程は実施例1〜実施例9と同じ方法で実施した。続く、第5工程では、実施例1とは異なる分散剤として陰イオン界面活性剤のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いた。
また、湿式微粒化装置「ナノヴェイタ」(吉田機械興業株式会社製、C−ES007)にφ190nmのストレートノズルを備え付け、処理圧力条件として50MPaにおいて、分散処理を行った。処理回数については実施例2や比較例2と同じ300回では目視で確認できる凝集粒がなくならず、凝集粒が確認できなくなるまで2000回の処理を実施し、比較例3の分散液を作製した。
[評価1:ゼータ電位測定]
各分散液について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製、ELSZ−1000)にてゼータ電位を電気泳動光散乱法にて測定し、分散度を評価した。
[評価2:粒度分布測定]
各分散液について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製、ELSZ−1000)にて粒度分布を動的光散乱(DLS)法にて測定し、平均粒径を求め、平均粒径からカーボンナノチューブの平均直径をφ13nmとしてカーボンナノチューブ長さを計算で推測した。
(比較例1の評価結果について)
比較例1の分散液サンプルについて、ゼータ電位測定結果を図7に、粒度分布測定結果から求めた平均粒径を図8に示す。粒度分布結果から平均粒径を求め、平均粒径が300nmを超えるデータはカーボンナノチューブが単分散していないとして削除し、平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ13nmとして計算で算出したカーボンナノチューブの長さを図9に示す。
図8に示す結果から重量濃度0.05%以下にて平均粒径が一定となっていることから、カーボンナノチューブが単分散していることが確認できた。また、図7の結果から、ゼータ電位が−30mV以下になるとカーボンナノチューブは単分散していると判断できた。
図9では分散前の平均長さ102μmのカーボンナノチューブが、ビーズミルによる強せん断力を受けることによって、20μm未満まで折れていることが分かった。
また、分散処理後の分散液を確認したところ、ジルコニアビーズの欠片が混入しており、カーボンナノチューブ濃度が薄い分散液ほどジルコニアビーズの欠片が多く混入していた。
(比較例2の評価結果について)
比較例2の分散液サンプルについて、ゼータ電位測定結果を図10に、粒度分布測定結果から求めた平均粒径を図11に示す。粒度分布結果から平均粒径を求め、平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ3.0nmとして計算で算出したSWNTの長さを図12に示す。
図10では全てのデータがゼータ電位−30mV以下であり、図11でもほぼ全ての濃度で数値が一定となっていることから、SWNTが単分散していることが分かった。しかし、図12の結果から、平均長さ500μmのSWNTがせん断力の弱い湿式微粒化装置においても1/20を下回る20μm未満まで折れており、SWNTは結晶度が高くても分散工程で折れ易いことが確認できた。
(比較例3の評価結果について)
比較例3の分散液サンプルについて、ゼータ電位測定結果を図13に、粒度分布測定結果から求めた平均粒径を図14に示す。粒度分布結果から平均粒径を求め、平均粒径が300nmを超えるデータはカーボンナノチューブが単分散していないとして削除し、平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ13nmとして計算で算出したカーボンナノチューブの長さを図15に示す。
図13では重量濃度0.01%以下でゼータ電位が−30mV以下となり、図14では重量濃度0.05%以下にて平均粒径が一定となっていることから、カーボンナノチューブが単分散していることが分かった。
しかし、図15の結果から、分散前の平均長さ102μmのカーボンナノチューブがせん断力の弱い湿式微粒化装置においても20μm未満まで折れてしまうことが分かった。分散剤が両性イオン界面活性剤以外の物質では分散の処理時間が長くなり、分散工程でカーボンナノチューブが折れることが分かった。
(実施例1〜9の評価結果について)
実施例1〜9の分散液サンプルについて、分散液の重量濃度に対するゼータ電位測定結果を図16に、処理圧力に対するゼータ電位測定結果を図17に、分散液の重量濃度に対する粒度分布測定結果から求めた平均粒径を図18に示す。
また、測定結果から重量濃度0.1%のデータを除き、処理圧力に対する粒度分布測定結果から求めた平均粒径を図19に示す。さらに、粒度分布結果から平均粒径を求め、平均粒径が300nmを超えるデータはカーボンナノチューブが単分散していないとして削除し、平均粒径からカーボンナノチューブの外径をφ13nmとして計算で算出したカーボンナノチューブの長さを図20に示す。
図16の結果から各重量で−30mV前後の値が確認できた。図17より、処理圧力10MPa以下でゼータ電位が−30mV以上の値が見られ、分散度が悪くなることから、圧力は10MPaを上回る値とすることが好ましいと分かった。
図18より、重量濃度0.1%で平均粒径の値が300nm(平均粒径φ13nm、平均長さ102μmを球形粒子とした場合の相当直径はφ296nm)を上回り、単分散していないことから、0.1%未満とすることが好ましいと分かった。
図19より、処理圧力10MPa以下で平均粒径の値が300nm(平均粒径φ13nm、平均長さ102μmを球形粒子とした場合の相当直径はφ296nm)を上回り、単分散していないことが分かった。
図20より、処理圧力は10MPaを上回る値とすることが好ましいと分かった。また、処理後においても長さを維持していることから処理圧力50MPa以上がより好ましく、カーボンナノチューブ長さが最も長くなることから処理圧力50MPa〜100MPaが特に好ましいと分かった。
本発明は、生産性を低下させないで、長尺で、かつ多層構造とされたカーボンナノチューブが折れることを抑制した上で、該カーボンナノチューブを均一に分散させることの可能なカーボンナノチューブ分散液作製方法、及びカーボンナノチューブ分散液に適用可能である。
2…カーボンナノチューブ、4…CNTB、3…分散剤溶液、5…両性分子、10…湿式微粒化装置、11…配管、12…プランジャーポンプ、12A…ポンプ本体、12B…プランジャー、13…液体供給部、13A…液体収容部、13B…液体導出口、15…ストレートノズル、16…液体回収容器、17…第1の部分、17A…プランジャー収容部、18…第2の部分、21…筒状部材、23…第1のリング状突出部、23A,24A…オリフィス、24…第2のリング状突出部、31…クロスノズル、32…第1のノズル部、33…第2のノズル部、35,43…円盤状部材、35A,43A…第1の面、35B,43B…第2の面、37,38…導入穴、41…第1の溝、45,46…導出穴、48…第2の溝、A…カーボンナノチューブ分散液、B…両性イオン界面活性剤、C…極性溶媒、D…分散液原料

Claims (9)

  1. 長さが30μm以上で、かつ層数が3層以上とされたカーボンナノチューブと、極性溶媒と、両性イオン界面活性剤と、を含有し、カーボンナノチューブの重量濃度が0.1%未満とされた分散液原料を用意する工程と、
    前記分散液原料が供給される配管の一部に設けられ、前記配管の内径よりも縮径された流路を高圧かつ高速で前記分散液原料を通過させることで、前記カーボンナノチューブを分散させる分散工程と、
    を有することを特徴とするカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  2. 前記カーボンナノチューブは、CVD法により、基板に形成された触媒層上に作製することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  3. 前記触媒層を構成する金属として一種の金属よりなる単一触媒を用いることを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  4. 前記カーボンナノチューブのアスペクト比が500以上であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  5. 前記カーボンナノチューブが励起波長632.8nmで得られるラマンスペクトルにおいて波数1580cm−1付近に出現するグラファイト構造に起因するピークであるGバンドと、波数1360cm−1付近に出現する各種欠陥に起因するピークであるDバンドのそれぞれのピークの高さの比であるG/Dの値が12以上であることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  6. 前記分散工程では、前記流路としてオリフィスを用いることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  7. 前記分散工程では、2つに分岐された前記分散液原料が再度合流する際に衝突することで発生する乱流により、前記カーボンナノチューブを分散させることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  8. 前記分散工程では、前記流路に対して前記分散液原料を供給する際の圧力が10MPaを超えることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散液作製方法。
  9. 請求項1〜8によって作製された長さが30μm以上で、かつ、層数が3層以上の前記カーボンナノチューブが前記極性溶媒中に前記両性イオン分散剤とともに重量濃度0.1%未満の濃度で均一分散されたカーボンナノチューブ分散液。
JP2013141145A 2013-07-04 2013-07-04 カーボンナノチューブ分散液作製方法 Expired - Fee Related JP6152598B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013141145A JP6152598B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 カーボンナノチューブ分散液作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013141145A JP6152598B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 カーボンナノチューブ分散液作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015013772A true JP2015013772A (ja) 2015-01-22
JP6152598B2 JP6152598B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=52435832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013141145A Expired - Fee Related JP6152598B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 カーボンナノチューブ分散液作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6152598B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210563A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光応答性分散剤と高結晶・長尺カーボンナノチューブを主要成分とする導電膜形成用インクおよびその薄膜
JP2018104269A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 東レ株式会社 還元グラフェンの製造方法
WO2019064597A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 日本電気株式会社 単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法、単層カーボンナノチューブ分散液
WO2019087837A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 ニッタ株式会社 カーボンナノチューブ分散液、およびその製造方法
JP2021143100A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 日立造船株式会社 カーボンナノチューブ分散液の製造方法、カーボンナノチューブシートの製造方法、カーボンナノチューブワイヤの製造方法、カーボンナノチューブ分散液、および、カーボンナノチューブ分散液の製造装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010261108A (ja) * 2007-08-31 2010-11-18 Hokkaido Univ カーボンナノチューブを付着した合成繊維、合成繊維製糸または繊維構造体およびそれらの製造方法
WO2011099617A1 (ja) * 2010-02-15 2011-08-18 国立大学法人北海道大学 カーボンナノチューブシート及びその製造方法
JP2011213501A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Cci Corp 多層カーボンナノチューブ、及びその製造方法
JP2012214322A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Cci Corp 分散性に優れるナノカーボン材料
JP2012240875A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Asahi Glass Co Ltd カーボンナノ材料分散液
JP2013518017A (ja) * 2010-01-25 2013-05-20 ザ テキサス エー アンド エム ユニバーシティ システム 脱バンドル化したナノチューブの分散および回収

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010261108A (ja) * 2007-08-31 2010-11-18 Hokkaido Univ カーボンナノチューブを付着した合成繊維、合成繊維製糸または繊維構造体およびそれらの製造方法
JP2013518017A (ja) * 2010-01-25 2013-05-20 ザ テキサス エー アンド エム ユニバーシティ システム 脱バンドル化したナノチューブの分散および回収
WO2011099617A1 (ja) * 2010-02-15 2011-08-18 国立大学法人北海道大学 カーボンナノチューブシート及びその製造方法
JP2011213501A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Cci Corp 多層カーボンナノチューブ、及びその製造方法
JP2012214322A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Cci Corp 分散性に優れるナノカーボン材料
JP2012240875A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Asahi Glass Co Ltd カーボンナノ材料分散液

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210563A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光応答性分散剤と高結晶・長尺カーボンナノチューブを主要成分とする導電膜形成用インクおよびその薄膜
JP2018104269A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 東レ株式会社 還元グラフェンの製造方法
JP7056101B2 (ja) 2016-12-27 2022-04-19 東レ株式会社 還元グラフェンの製造方法
WO2019064597A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 日本電気株式会社 単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法、単層カーボンナノチューブ分散液
JPWO2019064597A1 (ja) * 2017-09-29 2020-12-03 日本電気株式会社 単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法、単層カーボンナノチューブ分散液
WO2019087837A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 ニッタ株式会社 カーボンナノチューブ分散液、およびその製造方法
CN111247095A (zh) * 2017-10-30 2020-06-05 霓达株式会社 碳纳米管分散液及其制造方法
US11345600B2 (en) 2017-10-30 2022-05-31 Nitta Corporation Carbon nanotube liquid dispersion, and method for producing same
CN111247095B (zh) * 2017-10-30 2023-09-05 霓达株式会社 碳纳米管分散液及其制造方法
JP2021143100A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 日立造船株式会社 カーボンナノチューブ分散液の製造方法、カーボンナノチューブシートの製造方法、カーボンナノチューブワイヤの製造方法、カーボンナノチューブ分散液、および、カーボンナノチューブ分散液の製造装置
JP7420602B2 (ja) 2020-03-12 2024-01-23 日立造船株式会社 カーボンナノチューブ分散液の製造方法、カーボンナノチューブシートの製造方法、カーボンナノチューブワイヤの製造方法、カーボンナノチューブ分散液、および、カーボンナノチューブ分散液の製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6152598B2 (ja) 2017-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6152598B2 (ja) カーボンナノチューブ分散液作製方法
US11380521B2 (en) Spherical carbon allotropes for lubricants
Russo et al. Single-step synthesis of graphene quantum dots by femtosecond laser ablation of graphene oxide dispersions
JP4752073B2 (ja) カーボンナノ材料の可溶化方法
JP2017206413A (ja) カーボンナノチューブとその製造方法、及びカーボンナノチューブ分散体
Okuno et al. Synthesis of carbon nanotubes and nano-necklaces by thermal plasma process
TW200906718A (en) Method for dispersion, alignment and deposition of nanotubes
US9505621B2 (en) Synthesis of length-selected carbon nanotubes
JP2021502946A (ja) 薄膜化学処理のためのデバイスおよび方法
Quintana et al. Liquid-phase exfoliated graphene: functionalization, characterization, and applications
JP2010173884A (ja) カーボンナノチューブ分散体、それを用いた膜、およびその製造方法
US20220126257A1 (en) Synthesis of Nanoparticles by Sonofragmentation of Ultra-Thin Substrates
Vozniakovskii et al. Powder hybrid nanomaterial: Detonation nanodiamonds–Carbon nanotubes and its stable reversible water nanofluids
JP6195109B2 (ja) グラフェン分散液の製造方法およびグラフェン薄膜の製造方法
JP6851777B2 (ja) カーボンナノチューブ分散液
US9815700B2 (en) Method of manufacturing carbon nanotubes and fibers using catalytic metal oxide nanoparticles
US9376320B1 (en) Method of manufacturing carbon nanotubes and fibers using catalytic magnesium oxide nanoparticles
KR100809694B1 (ko) 탄소나노튜브 제조 방법
JP2021528555A (ja) カーボンナノファイバー含有カーボンネットワークの使用
Gunjishima et al. Growth of vertically aligned carbon nanotubes from highly active Fe–Ti–O nanoparticles prepared by liquid-phase synthesis
Alanis et al. Metal phthalocyanines as catalyst precursors of metallated carbon nanotubes
Kampioti Nanocarbon from food waste: dispersions and applications
Lakshmi et al. Synthesis of CNTs by arc discharge method in water bath
Choi et al. Synthesis of Bimetallic Nanoparticles and Their Application to Growth of Multiwalled Carbon Nanotube Forest
Chen Specific Conductivity of Medium Density Polyethylene Matrix Composites Containing Single-Walled Carbon Nanotubes at Different Frequencies

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6152598

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees