JP2017210563A - 光応答性分散剤と高結晶・長尺カーボンナノチューブを主要成分とする導電膜形成用インクおよびその薄膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】光応答性分散剤とラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のカーボンナノチューブ(CNT)を含有し、塗布法により製膜可能な導電膜形成用インクであって、光応答性分散剤とCNTを含有する従来の導電膜形成用インクより面抵抗が低い導電膜を形成することが可能な導電膜形成用インク及びその製造方法の提供。【解決手段】光応答性を有し、式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを含有し、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な導電膜形成用インク。(R1〜R6は夫々独立にC1〜5の直鎖状アルキル、C3〜6の分岐状アルキル又はH;AはC又はN;Xはアニオン;nはnXが−2価となる整数)【選択図】なし
Description
本発明は、光応答性分散剤と高結晶・長尺カーボンナノチューブを主要成分とする導電膜形成用インク、該導電膜形成用インクの製造方法、該導電膜形成用インクを用いて形成される導電膜又はパターン化導電膜の製造方法などに関する。
カーボンナノチューブ(CNT)は、ナノテクノロジーの新素材として近年注目を集めている。なかでも、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は、シンプルな構造と特異な物理化学的性質により、種々の分野への応用が期待されている。
最も期待されている応用分野の一つとして、導電膜や透明導電膜があるが、CNTは高いvan der Waals相互作用による会合(バンドル化)が生起するため、そのCNT膜化や、所定パターンのCNT膜を得るためには、溶媒等への分散化乃至可溶化技術やCNT膜のパターン化技術が必要不可欠であり、従来、乾式法と湿式法において研究が進められてきている。
例えば、乾式法としては、CVD法で生成した単層カーボンナノチューブを直接基板に積層、製膜し、光透過率90%、面抵抗310Ω/□のCNT膜としたものが知られている(非特許文献1参照)。しかしながら、このような乾式法は、高価で特殊な装置を使用するもので、コスト面の問題点を有している。
一方、湿式法は、分散剤等によりCNTを溶媒中へ可溶化・分散化する必要があるが、同時に、低抵抗のCNT膜とするための簡便に除去可能な分散剤の開発も重要な課題となっている。
そのような湿式法の従来技術としては、例えば、ダブルウォールナノチューブと分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を水中に1:6の組成比で混合し、超音波により分散後、過剰なCMCを限外濾過で除去後、分散液を希釈してPET基板上に塗布して光透過率94%、面抵抗354Ω/□のCNT膜としたものが知られている(非特許文献2参照)。この従来技術は、光透過率や面抵抗の面で実用化に近づいているものの、実用化に必須のパターン化導電膜の形成に結びつくものとは言えない。
そのような湿式法の従来技術としては、例えば、ダブルウォールナノチューブと分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を水中に1:6の組成比で混合し、超音波により分散後、過剰なCMCを限外濾過で除去後、分散液を希釈してPET基板上に塗布して光透過率94%、面抵抗354Ω/□のCNT膜としたものが知られている(非特許文献2参照)。この従来技術は、光透過率や面抵抗の面で実用化に近づいているものの、実用化に必須のパターン化導電膜の形成に結びつくものとは言えない。
本発明者等は、先に、HiPco法等によって製造されたCNTを環境に負荷をかけない溶媒(水)中に安定に分散可能で、かつ、その分散状態を簡便に調整可能で、繰り返し分散状態を変化させ得るフォトクロミックな化学構造を有するイオン性有機化合物の分散剤を開発し(特許文献1参照)、さらに、この分散剤を利用し、分散剤含有CNT膜をキャスト法で製造する技術や、該分散剤含有CNT膜を用いてCNT膜やパターン化CNT膜を製造する技術を開発した(特許文献2参照)。
Kauppinen et al., Nano Lett., 2010, 10, 4349.
Nakashima et al., Bull.Chem.Soc.Jpn. 2015, 88, 217-221.
B.White et al., J. Phys. Chem. C 2007, 111, 13684
本発明者が開発した分散剤含有CNT膜等の技術によれば、分散剤の含有量が少ないCNT膜やパターン化CNT膜を比較的精度良く製造することができた。しかしながら、そのような開発過程やその後の研究過程で、次の(a)〜(d)のような問題点も認識された。
(a)HiPco法によって製造されたCNTは、アモルファスや触媒等の不純物の含有量が多いため、不純物を含まず電気物性が期待できる導電膜形成用インクとするには、インク調製過程で遠心分離等により精製して用いる必要がある。
(b)バーコート法等の塗布法(コーティング法)を用いて製膜する場合、導電膜形成用インクのCNT濃度を0.1wt%以上に高める必要があるが、HiPco法によって製造されたCNTを用いた場合、そのような高濃度では、インク調製過程で不純物の精製分離が有効に実施できないため、CNT濃度が0.1wt%以上で、かつ、不純物を含まず電気物性が期待できる導電膜形成用インクは得ることができなかった。
(c)HiPco法によって製造されたCNTの濃度が0.035wt%程度で、かつ、不純物を含まない導電膜形成用インクを得ることはできたが、塗布法により有効に製膜することは不可能であった。
(d)HiPco法等によって製造されたCNTの濃度が0.035wt%程度で、かつ、不純物を含まない導電膜形成用インクを用いキャスト法により分散剤含有CNT膜を製膜することができた。また、該分散剤含有CNT膜を用い、分散剤の含有量が少ないCNT膜やパターン化CNT膜も製造できたが、それらの面抵抗は106Ω/□オーダーかそれ以上と大きく、実用に供するには面抵抗などの膜物性の点で改良する必要がある。
(a)HiPco法によって製造されたCNTは、アモルファスや触媒等の不純物の含有量が多いため、不純物を含まず電気物性が期待できる導電膜形成用インクとするには、インク調製過程で遠心分離等により精製して用いる必要がある。
(b)バーコート法等の塗布法(コーティング法)を用いて製膜する場合、導電膜形成用インクのCNT濃度を0.1wt%以上に高める必要があるが、HiPco法によって製造されたCNTを用いた場合、そのような高濃度では、インク調製過程で不純物の精製分離が有効に実施できないため、CNT濃度が0.1wt%以上で、かつ、不純物を含まず電気物性が期待できる導電膜形成用インクは得ることができなかった。
(c)HiPco法によって製造されたCNTの濃度が0.035wt%程度で、かつ、不純物を含まない導電膜形成用インクを得ることはできたが、塗布法により有効に製膜することは不可能であった。
(d)HiPco法等によって製造されたCNTの濃度が0.035wt%程度で、かつ、不純物を含まない導電膜形成用インクを用いキャスト法により分散剤含有CNT膜を製膜することができた。また、該分散剤含有CNT膜を用い、分散剤の含有量が少ないCNT膜やパターン化CNT膜も製造できたが、それらの面抵抗は106Ω/□オーダーかそれ以上と大きく、実用に供するには面抵抗などの膜物性の点で改良する必要がある。
本発明は、上述のような従来技術やその問題点の認識を背景としてなされたものであり、光応答性分散剤とCNTを含有し、製膜に塗布法も利用可能な導電膜形成用インクであって、光応答性分散剤とCNTを含有する従来の導電膜形成用インクより面抵抗が低い導電膜を形成することが可能な導電膜形成用インクやその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な導電膜形成用インクやその製造方法を提供することを付加的な課題とする。
また、本発明は、前記導電膜形成用インクを用いた導電膜やパターン化導電膜の製造方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、疎水性の基板に前記導電膜やパターン化導電膜を形成する方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な導電膜形成用インクやその製造方法を提供することを付加的な課題とする。
また、本発明は、前記導電膜形成用インクを用いた導電膜やパターン化導電膜の製造方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、疎水性の基板に前記導電膜やパターン化導電膜を形成する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、先に開発したイオン性有機化合物の分散剤(上記特許文献1参照)と各種CNTとの関連挙動等について、さらに研究を進める過程で、次の(ア)〜(エ)のような知見を得た。
(ア)光応答性分散剤と、e-DIPSのような高結晶・長尺カーボンナノチューブ(CNT)を含有する溶液を高速せん断装置で処理することにより、塗布法により製膜可能で、比較的面抵抗が小さい導電膜を形成可能なCNTインクを得ることができる。これは、超音波を用いた分散処理に比べ、高速せん断装置での処理では、CNTの破断や欠陥の生起が少なく、しかも凝集することなく均一に分散し、製膜により長尺で欠陥の少ないCNTネットワークの形成が可能となるためと考えられる。
(イ)光応答性分散剤と高結晶・長尺CNTとの組成比を調整したインクを用いて成膜し、フォトマスクを介した紫外線照射してパターン焼き付けした後、リンス液で処理することにより微細加工されたパターン化導電膜を得ることも可能である。
(ウ)一方、光応答性分散剤と、e-DIPSのような高結晶・長尺カーボンナノチューブを従来技術のように超音波を用いて分散させようとすると、CNTに破断や欠陥が生起し、該インクにより形成される導電膜は、低い面抵抗値とすることが困難であった。
(エ)導電膜の形成対象がPETのような疎水性基板については、UV-オゾン処理等の親水化処理を施すことにより、添加剤(レベリング剤)をインクに添加せずに導電膜を形成することができ、しかも、添加剤を添加しないことにより比較的低い面抵抗の導電膜とすることが可能となる。
(ア)光応答性分散剤と、e-DIPSのような高結晶・長尺カーボンナノチューブ(CNT)を含有する溶液を高速せん断装置で処理することにより、塗布法により製膜可能で、比較的面抵抗が小さい導電膜を形成可能なCNTインクを得ることができる。これは、超音波を用いた分散処理に比べ、高速せん断装置での処理では、CNTの破断や欠陥の生起が少なく、しかも凝集することなく均一に分散し、製膜により長尺で欠陥の少ないCNTネットワークの形成が可能となるためと考えられる。
(イ)光応答性分散剤と高結晶・長尺CNTとの組成比を調整したインクを用いて成膜し、フォトマスクを介した紫外線照射してパターン焼き付けした後、リンス液で処理することにより微細加工されたパターン化導電膜を得ることも可能である。
(ウ)一方、光応答性分散剤と、e-DIPSのような高結晶・長尺カーボンナノチューブを従来技術のように超音波を用いて分散させようとすると、CNTに破断や欠陥が生起し、該インクにより形成される導電膜は、低い面抵抗値とすることが困難であった。
(エ)導電膜の形成対象がPETのような疎水性基板については、UV-オゾン処理等の親水化処理を施すことにより、添加剤(レベリング剤)をインクに添加せずに導電膜を形成することができ、しかも、添加剤を添加しないことにより比較的低い面抵抗の導電膜とすることが可能となる。
本発明は、前記(ア)〜(エ)等の知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
(1)光応答性を有し、下記一般式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを含有し、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な導電膜形成用インク。
[式中、R1〜R6は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは炭素数3〜6の分岐状アルキル基である。Aは炭素原子又は窒素原子である。Xはアニオンである。nはnXが-2価となる数である。]
(2)550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な(1)に記載の導電膜形成用インク。
(3)Xは、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、チオイソシアネート(SCN)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)、チオ硫酸基(S2O3)、炭酸基(CO3)、炭酸水素基(HCO3)、リン酸基、亜リン酸基、次亜リン酸基、各ハロゲン酸化合物酸基(AO4、AO3、AO2、AO:A=Cl、Br、I)、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸基、トリフルオロメチルスルホン酸基、ジシアンアミド基、酢酸基(CH3COO)、ハロゲン化酢酸基((CAnH3-n)COO、A=F、Cl、Br、I;n=1、2、3)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)及び、その誘導体(B(Aryl)4:Aryl=置換フェニル基)から選ばれた少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の導電膜形成用インク。
(4)光応答性を有し、下記一般式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを含有する溶液を高速せん断装置で処理することを特徴とする導電膜形成用インクの製造方法。
[式中、R1〜R6は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは炭素数3〜6の分岐状アルキル基である。Aは炭素原子又は窒素原子である。Xはアニオンである。nはnXが-2価となる数である。]
(5)光応答性を有し、下記一般式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを主要成分とし、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な分散剤含有CNT膜。
[式中、R1〜R6は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは炭素数3〜6の分岐状アルキル基である。Aは炭素原子又は窒素原子である。Xはアニオンである。nはnXが-2価となる数である。]
(6)550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な請求項5に記載の分散剤含有CNT膜。
(7)(5)又は(6) に記載の分散剤含有CNT膜を全面露光処理、又は、所定パターンで部分露光処理する露光工程、露光処理された分散剤含有CNT膜をリンス液で処理することにより、未露光部分を溶解除去するとともに、露光部分の分散剤を除去するリンス工程を備えることを特徴とする、導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(8)リンス液は、水又は有機溶媒である(7)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(9)(7)又は(8)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法を含む電気又は電子デバイスの製造方法。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
(1)光応答性を有し、下記一般式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを含有し、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な導電膜形成用インク。
(2)550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な(1)に記載の導電膜形成用インク。
(3)Xは、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、チオイソシアネート(SCN)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)、チオ硫酸基(S2O3)、炭酸基(CO3)、炭酸水素基(HCO3)、リン酸基、亜リン酸基、次亜リン酸基、各ハロゲン酸化合物酸基(AO4、AO3、AO2、AO:A=Cl、Br、I)、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸基、トリフルオロメチルスルホン酸基、ジシアンアミド基、酢酸基(CH3COO)、ハロゲン化酢酸基((CAnH3-n)COO、A=F、Cl、Br、I;n=1、2、3)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)及び、その誘導体(B(Aryl)4:Aryl=置換フェニル基)から選ばれた少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の導電膜形成用インク。
(4)光応答性を有し、下記一般式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを含有する溶液を高速せん断装置で処理することを特徴とする導電膜形成用インクの製造方法。
(5)光応答性を有し、下記一般式(I)で表されるスチルベン系又はアゾベンゼン系分散剤、及び、ラマン分光によるG/D比が200以上の高結晶で長さが5μm以上のCNTを主要成分とし、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な分散剤含有CNT膜。
(6)550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な請求項5に記載の分散剤含有CNT膜。
(7)(5)又は(6) に記載の分散剤含有CNT膜を全面露光処理、又は、所定パターンで部分露光処理する露光工程、露光処理された分散剤含有CNT膜をリンス液で処理することにより、未露光部分を溶解除去するとともに、露光部分の分散剤を除去するリンス工程を備えることを特徴とする、導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(8)リンス液は、水又は有機溶媒である(7)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(9)(7)又は(8)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法を含む電気又は電子デバイスの製造方法。
さらに、本発明は、次のような態様を含むことができる。
(10)R1〜R6のアルキル基が炭素数4以下のものである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電膜形成用インク。
(11)CNTと分散剤の重量割合が1:0.5〜1:10である(1)〜(3)、(10)のいずれか1項に記載の導電膜形成用インク。
(12)CNTの濃度が0.1〜1wt%である(1)〜(3)、(10)、(11)のいずれか1項に記載の導電膜形成用インク。
(13)CNTを溶解乃至分散し得る液状溶媒の含有量が5wt%未満である(5)又は(6)に記載の分散剤含有CNT膜。
(14)CNTと分散剤と1wt%未満(0wt%である場合を含む)の不純物とからなる(5)、(6)、又は、(13)に記載の分散剤含有CNT膜。
(15)厚みが1nm〜100μmである(5)、(6)、(13)、(14)のいずれか1項に記載の分散剤含有CNT膜。
(16)基板が、ガラス、合成樹脂、セラミックス、金属、半導体、これらの複合体、単結晶体、又は、それらの積層物からなる(5)、(6)、(13)〜(15)のいずれか1項に記載の分散剤含有CNT膜。
(17)(13)〜(16)のいずれか1項に記載の分散剤含有CNT膜を全面露光処理、又は、所定パターンで部分露光処理する露光工程、露光処理された分散剤含有CNT膜をリンス液で処理することにより、未露光部分を溶解除去するとともに、露光部分の分散剤を除去するリンス工程を備えることを特徴とする、導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(18)Xが、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)から選ばれた少なくとも1種であり、リンス液が水である(7)又は(17)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(19)Xが、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)から選ばれた少なくとも1種であり、リンス液が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒である(7)又は(17)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(10)R1〜R6のアルキル基が炭素数4以下のものである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電膜形成用インク。
(11)CNTと分散剤の重量割合が1:0.5〜1:10である(1)〜(3)、(10)のいずれか1項に記載の導電膜形成用インク。
(12)CNTの濃度が0.1〜1wt%である(1)〜(3)、(10)、(11)のいずれか1項に記載の導電膜形成用インク。
(13)CNTを溶解乃至分散し得る液状溶媒の含有量が5wt%未満である(5)又は(6)に記載の分散剤含有CNT膜。
(14)CNTと分散剤と1wt%未満(0wt%である場合を含む)の不純物とからなる(5)、(6)、又は、(13)に記載の分散剤含有CNT膜。
(15)厚みが1nm〜100μmである(5)、(6)、(13)、(14)のいずれか1項に記載の分散剤含有CNT膜。
(16)基板が、ガラス、合成樹脂、セラミックス、金属、半導体、これらの複合体、単結晶体、又は、それらの積層物からなる(5)、(6)、(13)〜(15)のいずれか1項に記載の分散剤含有CNT膜。
(17)(13)〜(16)のいずれか1項に記載の分散剤含有CNT膜を全面露光処理、又は、所定パターンで部分露光処理する露光工程、露光処理された分散剤含有CNT膜をリンス液で処理することにより、未露光部分を溶解除去するとともに、露光部分の分散剤を除去するリンス工程を備えることを特徴とする、導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(18)Xが、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)から選ばれた少なくとも1種であり、リンス液が水である(7)又は(17)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
(19)Xが、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)から選ばれた少なくとも1種であり、リンス液が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒である(7)又は(17)に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
本発明の導電膜形成用インクを用いれば、添加剤(レベリング剤)を添加することなく、塗布法(コーティング法)によっても分散剤含有CNT膜を形成することができる。
本発明の分散剤含有CNT膜(分散剤導電膜)や該分散剤含有CNT膜をリンス処理して得られる導電膜(分散剤除去操作後の導電膜)は、光応答性分散剤とCNTを含有する従来の導電膜形成用インクを用いるよりも面抵抗を低い値とすることができる。その際、該導電膜形成用インクにおけるCNT濃度を0.2wt%程度以下とすることにより、導電膜の光透過性を60〜90%程度とすることもできるし、CNT濃度を1wt%程度まで増加することにより、光透過性を多少犠牲にして面抵抗をより低い値とすることもできる。
また、該分散剤含有CNT膜は、フォトマスクを介した露光処理後、水などのリンス液でリンス処理することにより微細加工されたパターン化導電膜とすることもできる。
インク塗布対象(導電膜形成対象)がPET基板のように疎水性のものであっても、UV-オゾン処理等の親水化処理を行うことにより、添加剤(レベリング剤)を添加することなく製膜してCNT導電膜を形成することができ、しかも、添加剤を添加しないことにより添加剤含有に起因する面抵抗増大を抑制することが可能である。
本発明の分散剤含有CNT膜(分散剤導電膜)や該分散剤含有CNT膜をリンス処理して得られる導電膜(分散剤除去操作後の導電膜)は、光応答性分散剤とCNTを含有する従来の導電膜形成用インクを用いるよりも面抵抗を低い値とすることができる。その際、該導電膜形成用インクにおけるCNT濃度を0.2wt%程度以下とすることにより、導電膜の光透過性を60〜90%程度とすることもできるし、CNT濃度を1wt%程度まで増加することにより、光透過性を多少犠牲にして面抵抗をより低い値とすることもできる。
また、該分散剤含有CNT膜は、フォトマスクを介した露光処理後、水などのリンス液でリンス処理することにより微細加工されたパターン化導電膜とすることもできる。
インク塗布対象(導電膜形成対象)がPET基板のように疎水性のものであっても、UV-オゾン処理等の親水化処理を行うことにより、添加剤(レベリング剤)を添加することなく製膜してCNT導電膜を形成することができ、しかも、添加剤を添加しないことにより添加剤含有に起因する面抵抗増大を抑制することが可能である。
本発明は、光応答性分散剤、及び、高結晶(G/D比が200以上)で長さが5μm以上のCNTを含有し、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な導電膜形成用インク、該導電膜形成用インクの製造方法、光応答性分散剤、及び、高結晶(G/D比が200以上)で長さが5μm以上のCNTを主要成分とし、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能な分散剤含有CNT膜、該分散剤含有CNT膜を用いる導電膜又はパターン化導電膜の製造方法である。
<<光応答性分散剤>>
本発明で用いる光反応性分散剤は、一般式(I)で示されるスチルベン系又はアゾベンゼン系のものである。該光反応性分散剤は、光応答性やフォトクロミック性を示すものであり、通常は非結晶性である。
該一般式(I)中、R1〜R6は、アルキル鎖が例えば直鎖状C8H17のように長いと結晶性が高くなり、不均質で光応答性が乏しくなる。そのため、本発明では、該分散剤化合物が光応答性やフォトクロミック性を示すように、R1〜R6は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは炭素数3〜6の分岐状アルキル基から選択される。そのようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、neo-ペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基などである。
本発明で用いる光反応性分散剤は、一般式(I)で示されるスチルベン系又はアゾベンゼン系のものである。該光反応性分散剤は、光応答性やフォトクロミック性を示すものであり、通常は非結晶性である。
該一般式(I)中、R1〜R6は、アルキル鎖が例えば直鎖状C8H17のように長いと結晶性が高くなり、不均質で光応答性が乏しくなる。そのため、本発明では、該分散剤化合物が光応答性やフォトクロミック性を示すように、R1〜R6は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは炭素数3〜6の分岐状アルキル基から選択される。そのようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、neo-ペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基などである。
該一般式(I)中、Xはアニオンであり、通常、1価のものが好適に使用できるが、アニオン交換によって1価以外のアニオンも使用し得る。該アニオンXは、例えば、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、チオイソシアネート(SCN)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)、チオ硫酸基(S2O3)、炭酸基(CO3)、炭酸水素基(HCO3)、リン酸基、亜リン酸基、次亜リン酸基、各ハロゲン酸化合物酸基(AO4、AO3、AO2、AO:A=Cl、Br、I)、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸基、トリフルオロメチルスルホン酸基、ジシアンアミド基、酢酸基(CH3COO)、ハロゲン化酢酸基((CAnH3-n)COO、A=F、Cl、Br、I;n=1、2、3)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)及びその誘導体(B(Aryl)4:Aryl=置換フェニル基)から選択される。
好ましいアニオンは、Cl等のハロゲン原子である。
好ましいアニオンは、Cl等のハロゲン原子である。
<<CNT>>
本発明で使用するCNTは、高結晶(G/D比が200以上)で長さが5μm以上のものであり、例えば、e-DIPS法や一部のCVD法で製造されたCNTを挙げることができる。
本発明において、CNTの「高結晶」とは、ラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が200以上となるものを意味する。
また、導電膜形成用インクに長さが5μm以上の長尺なCNTが含まれていることは、製膜された導電膜の原子間力顕微鏡 (AFM) 観察等により確認することができる。
本発明の導電膜形成用インクに含まれるCNTは、長さが5μm以上のものが含まれていれば良いが、好ましくは長さが5μm以上のものの割合が多く、長さが5μm未満のものの割合が少ない方が導電膜の面抵抗等の点で望ましい。例えば、製膜された導電膜の無作為で選択した領域のAFM観察において、長さが5μm未満のCNTの合計長が全CNTの合計長の50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、最も好ましくは0%(長さが5μm以上のCNTの合計長が全CNTの合計長の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは100%)などと設定することができる。
本発明で使用するCNTは、高結晶(G/D比が200以上)で長さが5μm以上のものであり、例えば、e-DIPS法や一部のCVD法で製造されたCNTを挙げることができる。
本発明において、CNTの「高結晶」とは、ラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が200以上となるものを意味する。
また、導電膜形成用インクに長さが5μm以上の長尺なCNTが含まれていることは、製膜された導電膜の原子間力顕微鏡 (AFM) 観察等により確認することができる。
本発明の導電膜形成用インクに含まれるCNTは、長さが5μm以上のものが含まれていれば良いが、好ましくは長さが5μm以上のものの割合が多く、長さが5μm未満のものの割合が少ない方が導電膜の面抵抗等の点で望ましい。例えば、製膜された導電膜の無作為で選択した領域のAFM観察において、長さが5μm未満のCNTの合計長が全CNTの合計長の50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、最も好ましくは0%(長さが5μm以上のCNTの合計長が全CNTの合計長の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは100%)などと設定することができる。
<<導電膜形成用インク、その製造>>
本発明の導電膜形成用インクは、上記光応答性分散剤、及び、結晶性が高い金属型で長さが5μm以上であるCNTを含有し、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能なものである。
本発明の導電膜形成用インクは、上述の光応答性分散剤、及び、e-DIPS法などにより製造された高結晶(G/D比が200以上)性で長さが長いCNTを含有する溶液を高速せん断装置で処理することで製造できる。
光応答性分散剤及びCNTを含有する溶液の溶媒としては、前記分散剤のアニオンXの親水性の程度に応じて、水や各種の有機溶媒が使用できる。
例えば、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)のように親水性が特に高いアニオンXの分散剤については、水が好適に使用できる。
他方、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)のように親水性がハロゲン原子等よりも相対的に低いアニオンXの分散剤については、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)等の極性有機溶媒が好適に使用できる。
本発明の導電膜形成用インクは、溶媒以外の成分が光応答性分散剤とCNTだけであることが好ましいが、インクの塗布性や導電膜の面抵抗を大きく損なわない範囲(例えば、5wt%以下、好ましくは2wt%以下、より好ましくは1wt%以下)で他の成分(例えば、レベリング剤等の添加剤など)を含有することもできる。
本発明の導電膜形成用インクは、上記光応答性分散剤、及び、結晶性が高い金属型で長さが5μm以上であるCNTを含有し、面抵抗値が50〜5000Ω/□の導電膜を形成可能なものである。
本発明の導電膜形成用インクは、上述の光応答性分散剤、及び、e-DIPS法などにより製造された高結晶(G/D比が200以上)性で長さが長いCNTを含有する溶液を高速せん断装置で処理することで製造できる。
光応答性分散剤及びCNTを含有する溶液の溶媒としては、前記分散剤のアニオンXの親水性の程度に応じて、水や各種の有機溶媒が使用できる。
例えば、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)のように親水性が特に高いアニオンXの分散剤については、水が好適に使用できる。
他方、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)のように親水性がハロゲン原子等よりも相対的に低いアニオンXの分散剤については、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)等の極性有機溶媒が好適に使用できる。
本発明の導電膜形成用インクは、溶媒以外の成分が光応答性分散剤とCNTだけであることが好ましいが、インクの塗布性や導電膜の面抵抗を大きく損なわない範囲(例えば、5wt%以下、好ましくは2wt%以下、より好ましくは1wt%以下)で他の成分(例えば、レベリング剤等の添加剤など)を含有することもできる。
分散剤とCNTとの混合割合(重量ベース)は、限定するものではないが、1:0.5〜1:10、好ましくは1:0.7〜1:10、より好ましくは1:0.8〜1:8、さらに好ましくは1:0.9〜1:5である。
CNTと分散剤とを含む溶液は、CNTに破断や欠陥があまり生起せず均一に分散されるように、高速せん断装置で処理する。高速せん断装置は、微小な流路に高い流速で処理液を流し込むことにより生じる超高速せん断力を利用して乳化などに通常用いられるものであるが、本発明者は、長さが長いCNTをあまり切断することなく均一分散するのに有効であることを見出した。
高速せん断装置で流路の目詰まりを発生することなく均一分散させるには、CNTの最大粒径を30μm以下にする必要がある。CNTの最大粒径を30μm以下にして流路の目詰まりを防ぐ目的で、高速せん断装置で本分散処理する前に、CNTを前処理分散などの前処理を施すことが望ましい。そのような前処理分散は、好ましくは高速振とう機を用いて行うことができる。前処理分散処理後、必要に応じて、分散しきれなかったCNTの濾別や、減圧脱泡を行うこともできる。
なお、本発明者が関与した特許文献2に記載されているように、超音波によりCNTを本分散処理すると、長さの長いCNTが切断したり欠陥が生じたりして、導電膜の低い面抵抗値を得ることが困難であった。
CNTと分散剤とを含む溶液は、CNTに破断や欠陥があまり生起せず均一に分散されるように、高速せん断装置で処理する。高速せん断装置は、微小な流路に高い流速で処理液を流し込むことにより生じる超高速せん断力を利用して乳化などに通常用いられるものであるが、本発明者は、長さが長いCNTをあまり切断することなく均一分散するのに有効であることを見出した。
高速せん断装置で流路の目詰まりを発生することなく均一分散させるには、CNTの最大粒径を30μm以下にする必要がある。CNTの最大粒径を30μm以下にして流路の目詰まりを防ぐ目的で、高速せん断装置で本分散処理する前に、CNTを前処理分散などの前処理を施すことが望ましい。そのような前処理分散は、好ましくは高速振とう機を用いて行うことができる。前処理分散処理後、必要に応じて、分散しきれなかったCNTの濾別や、減圧脱泡を行うこともできる。
なお、本発明者が関与した特許文献2に記載されているように、超音波によりCNTを本分散処理すると、長さの長いCNTが切断したり欠陥が生じたりして、導電膜の低い面抵抗値を得ることが困難であった。
<<分散剤含有CNT膜、その製造>>
本発明の導電膜形成用インクは、キャスト法、塗布法(コーティング法)等、公知の製膜手段を用いて分散剤含有CNT膜に形成することができるが、高速せん断装置により処理され、5μm以上と長いCNTが凝集することなく個々に分散し、その結果、表面電位が高くなっているので、キャスト法に比べ大面積の膜を形成できる塗布法を好適に用いることができる。塗布法(コーティング法)としては、例えば、バーコート法、スピンコート法等を挙げることができる。なお、製膜にキャスト法を用いる場合には、導電膜形成用インクのCNT濃度にあまり関係なく製膜可能であるが、塗布法を用いる場合、CNT濃度を0.1wt%以上とすることが有効な塗布性の点で好ましい(より好ましくは0.2wt%以上)。
該分散剤含有CNT膜が形成される基板としては限定するものではないが、ガラス(例えば、溶融石英等の石英ガラス)、合成樹脂(例えば、PET等のポリエステル樹脂、ポリイミド、フッ素系樹脂など)、セラミックス、金属、半導体、これらの複合体、単結晶体、又は、それらの積層物からなるものが使用できる。前記単結晶体としては、紫外・可視・近赤外領域において透明な単結晶、例えば、フッ化カルシウム、サファイアなどが挙げられる。該基板は、分散剤含有CNT膜が剥離できないように接合するものでも良いし、接合強度が増加するように表面が前処理されたものでも良いし、製膜後容易に剥離できるような材質のものでも良いし、表面が剥離処理されたものでも良い。
本発明の導電膜形成用インクは、キャスト法、塗布法(コーティング法)等、公知の製膜手段を用いて分散剤含有CNT膜に形成することができるが、高速せん断装置により処理され、5μm以上と長いCNTが凝集することなく個々に分散し、その結果、表面電位が高くなっているので、キャスト法に比べ大面積の膜を形成できる塗布法を好適に用いることができる。塗布法(コーティング法)としては、例えば、バーコート法、スピンコート法等を挙げることができる。なお、製膜にキャスト法を用いる場合には、導電膜形成用インクのCNT濃度にあまり関係なく製膜可能であるが、塗布法を用いる場合、CNT濃度を0.1wt%以上とすることが有効な塗布性の点で好ましい(より好ましくは0.2wt%以上)。
該分散剤含有CNT膜が形成される基板としては限定するものではないが、ガラス(例えば、溶融石英等の石英ガラス)、合成樹脂(例えば、PET等のポリエステル樹脂、ポリイミド、フッ素系樹脂など)、セラミックス、金属、半導体、これらの複合体、単結晶体、又は、それらの積層物からなるものが使用できる。前記単結晶体としては、紫外・可視・近赤外領域において透明な単結晶、例えば、フッ化カルシウム、サファイアなどが挙げられる。該基板は、分散剤含有CNT膜が剥離できないように接合するものでも良いし、接合強度が増加するように表面が前処理されたものでも良いし、製膜後容易に剥離できるような材質のものでも良いし、表面が剥離処理されたものでも良い。
基板面が水接触角40°以下程度(好ましくは30°以下)の親水性である場合には、塗布法(コーティング法)によっても分散剤含有CNT膜を形成することが可能である。しかしながら、PET基板のように基板面が疎水性(例えば、水接触角50°以上)である場合、塗布法(コーティング法)により分散剤含有CNT膜を形成するには、基板面を親水化処理する必要がある。
親水化処理の手段や装置は、公知の何れのものも使用することができるが、例えば、UV処理、オゾン処理、放電処理などを好適に使用することができるし、複数種類の親水化処理を同時又は連続して実施しても良い。
親水化処理の手段や装置は、公知の何れのものも使用することができるが、例えば、UV処理、オゾン処理、放電処理などを好適に使用することができるし、複数種類の親水化処理を同時又は連続して実施しても良い。
塗布又はキャストされた導電膜形成用インクは、減圧乾燥等、適宜の乾燥手段乃至溶媒除去手段により、溶媒の全部乃至大部分が除去され、分散剤含有CNT膜に形成される。その際、膜形状が保持されるように、溶媒の含有量は、5wt%以下(好ましくは1wt%以下、さらに好ましくは0.1wt%以下、最も好ましくは0wt%)に設定される。
分散剤含有CNT膜は、CNT、分散剤、溶媒以外の成分を含有しないことが望ましいが、分散剤の光応答性やリンス液によるリンス処理を阻害しない範囲で(例えば、5wt%以下、好ましくは2wt%以下、より好ましくは1wt%以下)他の成分の含有を許容しうる。
分散剤含有CNT膜は、CNT、分散剤、溶媒以外の成分を含有しないことが望ましいが、分散剤の光応答性やリンス液によるリンス処理を阻害しない範囲で(例えば、5wt%以下、好ましくは2wt%以下、より好ましくは1wt%以下)他の成分の含有を許容しうる。
製膜された、分散剤含有CNT膜は、目的、用途等に応じて、どのような平面形状、広さを有していても良い。分散剤含有CNT膜の厚みは、限定するものではないが、基板に接合した導電膜を形成する場合には、表面に照射される光が裏面側(基板表面に近い側)の分散剤にも到達して照射されるように、1nm〜300μm(例えば、10nm〜200μm、20nm〜100μm等の範囲内)であることが好ましい。
比較的厚い分散剤含有CNT膜を形成するため、最初の分散剤含有CNT一次薄膜を形成した後、同様の薄膜形成工程を複数回繰り返し、前記CNT一次薄膜上にCNT一次薄膜を複数回積層して形成しても良い。
比較的厚い分散剤含有CNT膜を形成するため、最初の分散剤含有CNT一次薄膜を形成した後、同様の薄膜形成工程を複数回繰り返し、前記CNT一次薄膜上にCNT一次薄膜を複数回積層して形成しても良い。
分散剤含有CNT膜は、そのままで(分散剤含有膜のままで)導電膜(分散剤含有導電膜)としても使用し得るが、後述のように、リンス工程を経て分散剤の全て乃至大部分を除去することにより、面抵抗のより低い導電膜やパターン化導電膜に形成することができると考えられる。
<<導電膜、又は、パターン化導電膜の製造>>
上述のように製膜された分散剤含有CNT膜を用いると、次のような工程によって、分散剤が除去された導電膜又はパターン化導電膜(分散剤除去操作後の導電膜)を容易に製造することができる。
<1>露光処理工程(膜全面露光、又は、所定パターンでの部分露光)
<2>リンス工程
上述のように製膜された分散剤含有CNT膜を用いると、次のような工程によって、分散剤が除去された導電膜又はパターン化導電膜(分散剤除去操作後の導電膜)を容易に製造することができる。
<1>露光処理工程(膜全面露光、又は、所定パターンでの部分露光)
<2>リンス工程
前記露光処理工程により、露光された部分の分散剤は光応答性を発現し、E体(トランス体)からZ体(シス体)へと異性化する。
露光処理工程に用いる光としては、E-Z異性化を行うことができるものであれば可視紫外領域の光(約200nm〜600nm)を用いることができるが、好適には200〜400nmの紫外光(例えば、365nmバンドパスフィルタや385nmバンドパスフィルタを通過したもの、単色LED光源等)である。
露光処理工程に用いる光としては、E-Z異性化を行うことができるものであれば可視紫外領域の光(約200nm〜600nm)を用いることができるが、好適には200〜400nmの紫外光(例えば、365nmバンドパスフィルタや385nmバンドパスフィルタを通過したもの、単色LED光源等)である。
所定パターンでの露光処理は、分散剤含有CNT膜を所定パターンが形成されたフォトマスクで覆い、フォトマスク上の光源から光照射することにより行うことができるし(図5参照)、また、フォトマスクを用いることなく、所定領域のみを光照射する照射手段を所定パターンに沿って分散剤含有CNT膜に対し相対的に移動させる直接露光方式により行っても良い。
露光処理後の分散剤含有CNT膜をリンス液で処理すると、露光部分ではE-Z異性化により分散剤はCNTとの親和性を失ってCNTから剥がれるため、リンス液に満たされてもCNTは溶解性を失い、相互に会合(バンドル化)した状態となって基板上に導電膜として残存する。CNTとの親和性を失った分散剤は、リンス液に溶解されリンス液とともに流出する。それ故、露光部分は、分散剤を全く含有しないか(分散剤含有量が0wt%)、又は、分散剤を含有してもその含有量が少ない導電膜(リンス処理のリンス液流量や処理時間の程度に応じて分散剤含有量が1wt%未満、好ましくは0.1wt%未満、より好ましくは0.01wt%未満)が形成され、全面露光した場合には、全面がそのような導電膜となる。
一方、未露光部分が存在すると、その未露光部分では、分散剤はE体のままでCNTとの親和性を維持するため、分散剤の吸着したCNTはリンス液中に溶解乃至分散し、リンス液とともに流出してしまって導電膜が全く形成されない。それ故、ネガ型のフォトリソグラフィーと同様に、ネガ型のパターン化導電膜が形成されることになる。
一方、未露光部分が存在すると、その未露光部分では、分散剤はE体のままでCNTとの親和性を維持するため、分散剤の吸着したCNTはリンス液中に溶解乃至分散し、リンス液とともに流出してしまって導電膜が全く形成されない。それ故、ネガ型のフォトリソグラフィーと同様に、ネガ型のパターン化導電膜が形成されることになる。
リンス工程で用いるリンス液としては、分散剤のアニオンXの親水性の程度に応じて、水や各種の有機溶媒が使用できる。
例えば、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)のように親水性が特に高いアニオンXの分散剤については、水が好適に使用できる。
他方、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)等のように親水性がハロゲン原子等よりも相対的に低いアニオンXの分散剤については、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)等の極性有機溶媒が好適に使用できる。
例えば、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)のように親水性が特に高いアニオンXの分散剤については、水が好適に使用できる。
他方、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)等のように親水性がハロゲン原子等よりも相対的に低いアニオンXの分散剤については、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)等の極性有機溶媒が好適に使用できる。
このように本発明では、上述の分散剤含有CNT膜を用いることにより、分散剤を含まないか、又は、分散剤を含有してもその含有量が少ない導電膜やパターン化導電膜を簡単に製造することができる。
製造された導電膜やパターン化導電膜は、限定するものではないが、配線回路、パッド電極やキャパシタ電極等の電極など、電気又は電子デバイス等の技術分野を初めとして幅広く使用することができる。
製造された導電膜やパターン化導電膜は、限定するものではないが、配線回路、パッド電極やキャパシタ電極等の電極など、電気又は電子デバイス等の技術分野を初めとして幅広く使用することができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<導電膜形成用インクの製造1>
まず、下記式(II)〜(IV)のいずれかの光応答性分散剤を40mg秤量し、20mLの超純水(18.2 MΩ・cm、TOC (全有機炭素) < 3ppb、Purelab Ultra / ELGA)に溶解した。この際、溶解を促すために、バス型超音波(UT105 / SHARP、37kHz、出力80W)により室温下20分間処理した後、ドライヤーによる加熱を行った。次に、SWCNT(ここではe-DIPS、Φ1.7nm もしくはΦ1.3nm、長さ>10μm)を40 mg秤量し、ピンセット等でなるべく細かくちぎった。細かくされたSWCNTに分散剤水溶液を混合し、フッ素樹脂製テープ等蓋を密閉し、高速振とう機(ASCM-1 / AS ONE、1500-2000 rpm、2週間)で前処理分散した。本処理に用いる超高速せん断装置は、微小な流路に高い流速で処理液を流し込むことにより生じる超高速せん断力を利用するため、使用できる最大粒径が30μm以下でないと目詰まりを発生し、分散処理をすることができない。この前処理操作後、分散しきれなかったSWCNTの塊をメッシュ(JIS規格30)で濾別し、減圧により脱泡操作を行った。このSWCNT/分散剤純水混合液20 mLを2本調製し、併せて40 mLの溶液を本分散処理に用いた。
本分散は高速せん断装置(ナノヴェイタ卓上実験機タイプ / 吉田機械工業株式会社)を用いて行った。まず吐出速度100 m/s(処理圧力45〜50 MPa)で3回処理後、吐出速度150m/s(処理圧力〜100 MPa)で3回処理して導電膜形成用インクとした。
まず、下記式(II)〜(IV)のいずれかの光応答性分散剤を40mg秤量し、20mLの超純水(18.2 MΩ・cm、TOC (全有機炭素) < 3ppb、Purelab Ultra / ELGA)に溶解した。この際、溶解を促すために、バス型超音波(UT105 / SHARP、37kHz、出力80W)により室温下20分間処理した後、ドライヤーによる加熱を行った。次に、SWCNT(ここではe-DIPS、Φ1.7nm もしくはΦ1.3nm、長さ>10μm)を40 mg秤量し、ピンセット等でなるべく細かくちぎった。細かくされたSWCNTに分散剤水溶液を混合し、フッ素樹脂製テープ等蓋を密閉し、高速振とう機(ASCM-1 / AS ONE、1500-2000 rpm、2週間)で前処理分散した。本処理に用いる超高速せん断装置は、微小な流路に高い流速で処理液を流し込むことにより生じる超高速せん断力を利用するため、使用できる最大粒径が30μm以下でないと目詰まりを発生し、分散処理をすることができない。この前処理操作後、分散しきれなかったSWCNTの塊をメッシュ(JIS規格30)で濾別し、減圧により脱泡操作を行った。このSWCNT/分散剤純水混合液20 mLを2本調製し、併せて40 mLの溶液を本分散処理に用いた。
本分散は高速せん断装置(ナノヴェイタ卓上実験機タイプ / 吉田機械工業株式会社)を用いて行った。まず吐出速度100 m/s(処理圧力45〜50 MPa)で3回処理後、吐出速度150m/s(処理圧力〜100 MPa)で3回処理して導電膜形成用インクとした。
<製造されたインクの物性調査>
得られたインクの特性を把握することは、最適な塗布手法を確立するために重要である。まず、インクの塗布性に重要な要素であるインクの表面張力を調べた。72 dyn/cm(デュニュイ表面張力試験器 / 伊藤製作所)であった。水とほぼ同じであった。次に、分散させたCNTを効果的に薄膜化させるため、CNT間に働く作用、すなわちCNTの表面物性をゼータ電位測定により調べた。ゼータ電位は電気二重層中の滑り面と充分に離れた部分との間の電位差であり、これが大きく、環境に左右されにくいほど、分散安定性が良く、再凝集の懸念無くCNTネットワークを形成することができる。任意の濃度に調製したCNT分散液を試料とし、ELS-Z(大塚電子製)を用い、以下のパラメータ及び解析手法により評価した。結果を表1,2に示す(なお、表中の濃度は、濾別SWCNT量を無視した仕込み比に基づくもの)。
光源:半導体レーザー、658 nm
セル:90度セルユニット、後方散乱セルユニット
解析手法:Smoluchowski法
得られたインクの特性を把握することは、最適な塗布手法を確立するために重要である。まず、インクの塗布性に重要な要素であるインクの表面張力を調べた。72 dyn/cm(デュニュイ表面張力試験器 / 伊藤製作所)であった。水とほぼ同じであった。次に、分散させたCNTを効果的に薄膜化させるため、CNT間に働く作用、すなわちCNTの表面物性をゼータ電位測定により調べた。ゼータ電位は電気二重層中の滑り面と充分に離れた部分との間の電位差であり、これが大きく、環境に左右されにくいほど、分散安定性が良く、再凝集の懸念無くCNTネットワークを形成することができる。任意の濃度に調製したCNT分散液を試料とし、ELS-Z(大塚電子製)を用い、以下のパラメータ及び解析手法により評価した。結果を表1,2に示す(なお、表中の濃度は、濾別SWCNT量を無視した仕込み比に基づくもの)。
光源:半導体レーザー、658 nm
セル:90度セルユニット、後方散乱セルユニット
解析手法:Smoluchowski法
表1,2から明らかなように、何れの光応答性分散剤でも大きなゼータ電位が観測された。またこの値は濃度変化に依存せず、安定な分散性を有することがわかった。
<インク塗布用基板の親水化処理>
ほぼ水と同じ表面張力を示すCNT水系インクは、親水性基板に対しては、前処理することなく容易に塗布することができるが、ここでは、フレキシブル基板等として広く使用されているPET基板を塗布対象とした。ただし、PET基板は疎水性であるため、添加剤を添加しなくてもCNT水系インクである導電膜形成用インクが容易に塗布できるように、PET基板(ルミラー / 東レ)の表面をUV-オゾン処理により親水化した。UV-オゾン処理装置(UV253E / Filgen)を用いて、UV光源から約3cm以内の距離にPET基板を静置し、表面処理を行った。UV-オゾン処理による表面改質の効果は接触角計(DMs-401 / 協和界面株式会社、プローブ:超純水)を用いた接触角測定で評価した。UV-オゾン処理前の接触角は81°であったが、60分処理することで19.6°になり親水化を確認できた。この表面改質は一時的なものであり、処理後一日で接触角が50°となり、親水性が低下した。故に、UV-オゾン処理したPET基板は直ちに超純水に浸し、CNTインク塗布前に減圧乾燥して使用した。他のPET基板(コスモシャイン / 東洋紡)でも同じ手法で親水化処理することができた。この場合は30〜50分の処理で約30°の接触角になった(処理前は約80°)。UV-オゾン処理による親水性改善について分光学的な知見を得るために、FT-IR ATR分光法(FT/IR-680Plus / Jasco, MIRacle / PIKE)を用いてPET基板表面の評価を行った(図1)。UV-オゾン処理(図中の20minO3)により基板への水分子の吸着量が増えており、基板表面の親水処理効果がわかった。また、UV-オゾン処理後に直ちに純水へ浸漬後、乾燥することでより水分子の吸着が増え、水性インクを塗布しやすくなっていることがわかった(図中の水浸漬+乾燥)。
ほぼ水と同じ表面張力を示すCNT水系インクは、親水性基板に対しては、前処理することなく容易に塗布することができるが、ここでは、フレキシブル基板等として広く使用されているPET基板を塗布対象とした。ただし、PET基板は疎水性であるため、添加剤を添加しなくてもCNT水系インクである導電膜形成用インクが容易に塗布できるように、PET基板(ルミラー / 東レ)の表面をUV-オゾン処理により親水化した。UV-オゾン処理装置(UV253E / Filgen)を用いて、UV光源から約3cm以内の距離にPET基板を静置し、表面処理を行った。UV-オゾン処理による表面改質の効果は接触角計(DMs-401 / 協和界面株式会社、プローブ:超純水)を用いた接触角測定で評価した。UV-オゾン処理前の接触角は81°であったが、60分処理することで19.6°になり親水化を確認できた。この表面改質は一時的なものであり、処理後一日で接触角が50°となり、親水性が低下した。故に、UV-オゾン処理したPET基板は直ちに超純水に浸し、CNTインク塗布前に減圧乾燥して使用した。他のPET基板(コスモシャイン / 東洋紡)でも同じ手法で親水化処理することができた。この場合は30〜50分の処理で約30°の接触角になった(処理前は約80°)。UV-オゾン処理による親水性改善について分光学的な知見を得るために、FT-IR ATR分光法(FT/IR-680Plus / Jasco, MIRacle / PIKE)を用いてPET基板表面の評価を行った(図1)。UV-オゾン処理(図中の20minO3)により基板への水分子の吸着量が増えており、基板表面の親水処理効果がわかった。また、UV-オゾン処理後に直ちに純水へ浸漬後、乾燥することでより水分子の吸着が増え、水性インクを塗布しやすくなっていることがわかった(図中の水浸漬+乾燥)。
<導電膜形成用インクの塗布膜の形成1>
塗膜は、自動塗工装置(テスター産業)にバーコーター(SA-203 / テスター産業)をセットし、18 cm/sec の速度で親水処理PET基板にCNTインクを塗布した。塗布後直ちにホットプレート上(PC-420D / CORNING、125℃)で数分加熱乾燥させた。バーコーターはロッド番号3、6、12をそれぞれ使用し、任意の厚みに製膜した。
得られた導電膜(分散剤含有導電膜)の面抵抗値(Loresta-AX MCP-T370 / 三菱ケミカルアナリテック)、550nmにおける透過率(V670 / Jasco)、ヘイズ及び全光透過率(NDH5000 / 日本電色工業株式会社)について評価した。結果を表3−6と図2に示す。導電膜の面抵抗(Ω/□)は約90〜750Ω/□、550nmにおける透過率(%T at 550nm)及び/又は全光透過率(T.T)は約66〜85、ヘイズ(HAZE)は約0.8〜2.6であった。一般的には、面抵抗値が高いものの方が550nmにおける透過率が高く、面抵抗値と透過率とはトレードオフの関係にあると言える。
得られた膜の写真を図3に示す。また、膜の表面モルフォロジーを原子間力顕微鏡で検査した画像を図4に示す。長さ5μm以上の長尺なCNTが観察され、長さが5μm未満のCNTはほとんど観察されなかった。
塗膜は、自動塗工装置(テスター産業)にバーコーター(SA-203 / テスター産業)をセットし、18 cm/sec の速度で親水処理PET基板にCNTインクを塗布した。塗布後直ちにホットプレート上(PC-420D / CORNING、125℃)で数分加熱乾燥させた。バーコーターはロッド番号3、6、12をそれぞれ使用し、任意の厚みに製膜した。
得られた導電膜(分散剤含有導電膜)の面抵抗値(Loresta-AX MCP-T370 / 三菱ケミカルアナリテック)、550nmにおける透過率(V670 / Jasco)、ヘイズ及び全光透過率(NDH5000 / 日本電色工業株式会社)について評価した。結果を表3−6と図2に示す。導電膜の面抵抗(Ω/□)は約90〜750Ω/□、550nmにおける透過率(%T at 550nm)及び/又は全光透過率(T.T)は約66〜85、ヘイズ(HAZE)は約0.8〜2.6であった。一般的には、面抵抗値が高いものの方が550nmにおける透過率が高く、面抵抗値と透過率とはトレードオフの関係にあると言える。
得られた膜の写真を図3に示す。また、膜の表面モルフォロジーを原子間力顕微鏡で検査した画像を図4に示す。長さ5μm以上の長尺なCNTが観察され、長さが5μm未満のCNTはほとんど観察されなかった。
<導電膜形成用インクの製造2>
式(II)の光応答性分散剤を200mgとした以外は上記<導電膜形成用インクの製造1>と同様にして、導電膜形成用インクを製造した。
式(II)の光応答性分散剤を200mgとした以外は上記<導電膜形成用インクの製造1>と同様にして、導電膜形成用インクを製造した。
<導電膜形成用インクを用いたパターン化導電膜の形成>
上記<導電膜形成用インクの製造2>で製造した導電膜形成用インク(仕込み重量比 = CNT:分散剤= 1:5)を、上記<インク塗布用基板の親水化処理>と同様に親水化処理されたPET基板上に塗布して形成された分散剤含有CNTフィルムに、フォトマスクを介して紫外光(388 nm、100 mW/cm2)を1時間照射し(図5)、パターンを焼き付けたあと、超純水ですすいだ。この際、場合により超音波(AS12GTU / AS ONE、35kHz、60W)を1分程度照射してすすぎを促してもよい。PETのようなフレキシブル基板上にも紫外露光と水洗浄により微細加工が施されたパターン化導電膜(分散剤除去操作後の導電膜)を得ることができた(図6)。また、顕微鏡(IX71 / OLYMPUS)観察により5μm以下の解像度が得られることがわかった(図7)。しかし、膜の抵抗値は2〜3×103Ω/□であった。
上記<導電膜形成用インクの製造2>で製造した導電膜形成用インク(仕込み重量比 = CNT:分散剤= 1:5)を、上記<インク塗布用基板の親水化処理>と同様に親水化処理されたPET基板上に塗布して形成された分散剤含有CNTフィルムに、フォトマスクを介して紫外光(388 nm、100 mW/cm2)を1時間照射し(図5)、パターンを焼き付けたあと、超純水ですすいだ。この際、場合により超音波(AS12GTU / AS ONE、35kHz、60W)を1分程度照射してすすぎを促してもよい。PETのようなフレキシブル基板上にも紫外露光と水洗浄により微細加工が施されたパターン化導電膜(分散剤除去操作後の導電膜)を得ることができた(図6)。また、顕微鏡(IX71 / OLYMPUS)観察により5μm以下の解像度が得られることがわかった(図7)。しかし、膜の抵抗値は2〜3×103Ω/□であった。
<参考例:CNT/分散剤=1/1の組成比の導電膜形成用インクを用いたパターン化導電膜形成の試行>
上記<導電膜形成用インクの製造1>で製造した導電膜形成用インク(CNT/分散剤式(II)=1/1)を用いた以外は上記<導電膜形成用インクを用いたパターン化導電膜の形成>と同様の操作を行ったが、CNT/分散剤=1/1の組成比のインクでは紫外露光と水洗浄による微細加工はできなかった。
上記<導電膜形成用インクの製造1>で製造した導電膜形成用インク(CNT/分散剤式(II)=1/1)を用いた以外は上記<導電膜形成用インクを用いたパターン化導電膜の形成>と同様の操作を行ったが、CNT/分散剤=1/1の組成比のインクでは紫外露光と水洗浄による微細加工はできなかった。
<参考例:オゾン処理しない基板への導電膜形成の試行>
上記<導電膜形成用インクの製造1>で製造した導電膜形成用インクをUV-オゾン処理しないPET基板(水の接触角が80°程度の疎水性を示す)に塗布を試みても、インクがはじき、塗布することができなかった(図8の中央から左側)。
上記<導電膜形成用インクの製造1>で製造した導電膜形成用インクをUV-オゾン処理しないPET基板(水の接触角が80°程度の疎水性を示す)に塗布を試みても、インクがはじき、塗布することができなかった(図8の中央から左側)。
<比較例:本分散処理に超音波を用いた導電膜形成用インクの製造>
まず、式(II)のスチルベン系光応答性分散剤を40mg秤量し、20mLの超純水(18.2 MΩ・cm、TOC < 3ppb、Purelab Ultra / ELGA)に溶解した。この際、溶解を促すために、バス型超音波(UT105 / SHARP、37kHz、出力80W)により室温下20分間処理した後、ドライヤーによる加熱を行った。この分散液水溶液中に、よくほぐしたSWCNT(e-DIPSΦ1.7nmm、長さ>10μm)を40mg混合した。この混合液をバス型超音波にかけて、前処理分散を行った(UT105 / SHARP、37kHz、出力80W、60分間、室温)。次に、ホーン型超音波(Digital Sonifier 250DA/ BRANSON、19kHz, 出力60W、4時間、室温)にかけて本分散処理を行って、比較例の導電膜形成用インク(CNTの仕込み濃度0.2wt%)を得た。
まず、式(II)のスチルベン系光応答性分散剤を40mg秤量し、20mLの超純水(18.2 MΩ・cm、TOC < 3ppb、Purelab Ultra / ELGA)に溶解した。この際、溶解を促すために、バス型超音波(UT105 / SHARP、37kHz、出力80W)により室温下20分間処理した後、ドライヤーによる加熱を行った。この分散液水溶液中に、よくほぐしたSWCNT(e-DIPSΦ1.7nmm、長さ>10μm)を40mg混合した。この混合液をバス型超音波にかけて、前処理分散を行った(UT105 / SHARP、37kHz、出力80W、60分間、室温)。次に、ホーン型超音波(Digital Sonifier 250DA/ BRANSON、19kHz, 出力60W、4時間、室温)にかけて本分散処理を行って、比較例の導電膜形成用インク(CNTの仕込み濃度0.2wt%)を得た。
<比較例:導電膜形成用インクの塗布膜の形成2>
上記<比較例:本分散処理に超音波を用いた導電膜形成用インクの製造>で得られた導電膜形成用インク(CNTの仕込み濃度0.2wt%)を用い、上記<インク塗布用基板の親水化処理>と同様に親水化処理されたPETフィルム上にバーコート法で製膜した。この薄膜の物性値(面抵抗値)は104〜105Ω/□であった。薄膜の表面モルフォロジーを原子間力顕微鏡(diInnova / Brucker、タッピングモード)で観察した結果を図9に示す。針状に破断されたSWCNTが観測され、5μm以上の長さのものは全く観察されなかった。
上記<比較例:本分散処理に超音波を用いた導電膜形成用インクの製造>で得られた導電膜形成用インク(CNTの仕込み濃度0.2wt%)を用い、上記<インク塗布用基板の親水化処理>と同様に親水化処理されたPETフィルム上にバーコート法で製膜した。この薄膜の物性値(面抵抗値)は104〜105Ω/□であった。薄膜の表面モルフォロジーを原子間力顕微鏡(diInnova / Brucker、タッピングモード)で観察した結果を図9に示す。針状に破断されたSWCNTが観測され、5μm以上の長さのものは全く観察されなかった。
<比較例:特許文献2の導電膜形成用インクによる製膜>
特許文献2に記載された実施例と同様に光応答性分散剤とHiPco法で製造したCNT(長さ約0.1〜1μm)を用い超音波で水中に分散し、遠心分離で触媒金属、アモルファスカーボン等の不純物を沈殿させ、上澄みの80%を回収して導電膜形成用インク(CNT濃度約0.035wt%)を調製し、キャスト法で導電膜を形成したところ、面抵抗は106Ω/□オーダーかそれ以上であった。
なお、上記と同様にしてHiPco法で製造したCNTを用い、CNT濃度が0.1wt%以上の導電膜形成用インクを得ようとしたが、CNT濃度が0.1wt%以上と高い場合、遠心分離による不純物除去が困難であるため、不純物を含まず、電気物性が期待できる特性のCNTインクを得ることはできなかった。
特許文献2に記載された実施例と同様に光応答性分散剤とHiPco法で製造したCNT(長さ約0.1〜1μm)を用い超音波で水中に分散し、遠心分離で触媒金属、アモルファスカーボン等の不純物を沈殿させ、上澄みの80%を回収して導電膜形成用インク(CNT濃度約0.035wt%)を調製し、キャスト法で導電膜を形成したところ、面抵抗は106Ω/□オーダーかそれ以上であった。
なお、上記と同様にしてHiPco法で製造したCNTを用い、CNT濃度が0.1wt%以上の導電膜形成用インクを得ようとしたが、CNT濃度が0.1wt%以上と高い場合、遠心分離による不純物除去が困難であるため、不純物を含まず、電気物性が期待できる特性のCNTインクを得ることはできなかった。
本発明の光応答性分散剤と高結晶(G/D比が200以上)長尺CNTとを主要成分とする導電膜形成用インクを用いれば、光応答性分散剤とCNTとを主要成分とする従来のインクに比べて低い面抵抗の導電膜(分散剤含有導電膜又は分散剤除去操作後の導電膜)やパターン化導電膜を塗布法(コーティング法)等によって形成することができる。また、導電膜形成用インクにおけるCNT濃度の調整により、550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜とすることもできる。したがって、本発明の導電膜形成用インクや該インクにより形成された分散剤含有CNT膜等は、電気・電子デバイスの製造など、導電膜が必要とされる分野に幅広く応用することが可能である。
Claims (9)
- 550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な請求項1に記載の導電膜形成用インク。
- Xは、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、テトラフルオロホウ酸基(BF4)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、チオイソシアネート(SCN)、硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)、チオ硫酸基(S2O3)、炭酸基(CO3)、炭酸水素基(HCO3)、リン酸基、亜リン酸基、次亜リン酸基、各ハロゲン酸化合物酸基(AO4、AO3、AO2、AO:A=Cl、Br、I)、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸基、トリフルオロメチルスルホン酸基、ジシアンアミド基、酢酸基(CH3COO)、ハロゲン化酢酸基((CAnH3-n)COO、A=F、Cl、Br、I;n=1、2、3)、テトラフェニルホウ酸基(BPh4)及びその誘導体(B(Aryl)4:Aryl=置換フェニル基)から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記載の導電膜形成用インク。
- 550nmにおける透過率及び/又は全光透過率が60%以上の導電膜を形成可能な請求項5に記載の分散剤含有CNT膜。
- 請求項5又は6に記載の分散剤含有CNT膜を全面露光処理、又は、所定パターンで部分露光処理する露光工程、露光処理された分散剤含有CNT膜をリンス液で処理することにより、未露光部分を溶解除去するとともに、露光部分の分散剤を除去するリンス工程を備えることを特徴とする、導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
- リンス液は、水又は有機溶媒である請求項7に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の導電膜又はパターン化導電膜の製造方法を含む電気又は電子デバイスの製造方法。
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