JP2015012148A - 半導体発光素子 - Google Patents

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大和 齋藤
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長武 山崎
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Hiroshi Ogawa
博司 小川
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Abstract

【課題】耐熱性及び耐クラック性に優れた光取出し層を有する半導体発光素子の提供。【解決手段】発光層を含む半導体層、該半導体層上に形成された透明導電層、及び該透明導電層の少なくとも一部の表面上に形成された光取出し層を含む半導体発光素子であって、該光取出し層が、一次粒子径1〜50nmの微粒子を含む金属酸化物からなる、前記半導体発光素子。【選択図】図1

Description

本発明は半導体発光素子とその製造方法に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
GaN系化合物半導体材料の特性として、横方向への電流拡散が小さいことがある。そのために、電極直下の半導体にしか電流が注入されず、発光層で発光した光は電極に遮られて外部に取り出されない。そこで、この系の発光素子では、通常、正極として透明電極が用いられ、正極を通して光が取り出される。
従来の正極は、NiやCoの酸化物とコンタクト金属としてAuなどを組み合わせた層構造であった。近年ではITOなど、より導電性の高い酸化物を使用することにより、コンタクト金属の膜厚を極力薄くして透光性を高めた層構造が正極として採用されている。
ITOなどの導電性透明材料の層は、NiやCoなどの酸化物の層に比較すると、光の透過率が高く、比較的厚く形成することができる。例えば、NiやCoの酸化物が膜厚10から50nm程度なのに対し、50nmから500nmなどの膜厚が利用される。
GaN系化合物半導体材料、及び導電性透明材料は、一般に高い屈折率を有し、このため生成された発光光のうち、発光層から臨界角以上の角度で出射した光は、屈折率の低い層との界面、すなわち封止材や空気界面で全反射を起こし、半導体発光素子内部で反射を繰り返しながら減衰して熱に変換されてしまい、LEDパッケージの外部量子効率が低くなるという問題がある。
ここで、屈折率nとnを有する層間の臨界角θは、下記式(1)で表される:
θ=sin−1(n/n)...式(1)
例えば、ITOの屈折率をn=2.0、封止材の屈折率をn=1.5とした場合の臨界角は、θ=46°となる。
界面で発生する反射損失を低減させ、外部量子効率を高くする手法として、半導体の光取出し面に凹凸加工を施す技術が提案されている。
以下の特許文献1には、樹脂材に高屈折率粒子を分散させて光取出し層を形成することが提案されている。
また、以下の特許文献2には、酸化チタン系導電膜を光取出し層に用いることが提案されている。
特開2007−035967号公報 特開2007−220970号公報
しかしながら、特許文献1に記載された、高屈折微粒子が分散した樹脂材を用いた光取出し層においては、樹脂材料の耐熱性、耐光性の低さから、半導体発光素子の製造プロセス中やLED製品の使用中に分解や黄変などが発生しやすいという問題があった。
また、特許文献2に記載された、酸化チタン系導電膜を用いた光取出し層においては、半導体発光素子の製造プロセス中やLED製品の使用中の熱履歴により、光取出し層にクラックが発生しやすいという問題があった。
本発明は、これらの従来技術の有する問題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、耐熱性、耐クラック性に優れた光取出し層を有する半導体発光素子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、発光層を含む半導体層を有する半導体発光素子において、該半導体層上に形成された透明導電層の少なくとも一部の表面上に、特定組成、構造を有する光取出し層を形成することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]発光層を含む半導体層、該半導体層上に形成された透明導電層、及び該透明導電層の少なくとも一部の表面上に形成された光取出し層を含む半導体発光素子であって、該光取出し層が、一次粒子径1〜50nmの微粒子を含む金属酸化物からなる、前記半導体発光素子。
[2]前記光取出し層中に含まれる微粒子の体積比率が40体積%以上99体積%以下である、前記[1]に記載の半導体発光素子。
[3]前記金属酸化物がケイ素酸化物である、前記[1]又は[2]に記載の半導体発光素子。
[4]前記金属酸化物がアモルファス状態である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[5]前記光取出し層の屈折率が1.6以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[6]前記微粒子を構成する物質の屈折率が2.0以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[7]前記光取出し層は、前記半導体層と対向する面とその裏面のうちいずれか一面又は両面に複数の凹凸形状を有する、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の半導体発光素子。
[8]前記凹凸形状を有する面のうち、少なくとも一面の凹凸形状が周期配列パターンをもって形成されている、前記[7]に記載の半導体発光素子。
[9]金属酸化物前駆体及び一次粒子径1〜50nmの微粒子を含む塗工液を、発光層を含む半導体層上に形成された透明導電層の少なくとも一部の表面とモールドの間に充填し、次いで、硬化・賦形して光取出し層を形成する工程を含む、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
[10]前記モールドが凹凸構造を有する、前記[9]に記載の方法。
[11]前記モールドが溶剤を透過又は吸収する性質を有する、前記[9]又は[10]に記載の方法。
[12]前記[9]〜[11]のいずれかに記載の方法により製造された半導体発光素子。
[13]前記[1]〜[8]のいずれか又は前記[12]に記載の半導体発光素子と封止材とを有する半導体パッケージ。
本発明により、耐熱性、耐クラック性に優れた光取出し層を有する半導体発光素子を提供することができる。
本実施形態の半導体発光素子の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下「本実施形態」と記載する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[半導体発光素子]
本実施形態の半導体発光素子は、発光層を含む半導体層、該半導体層上に形成された透明導電層、及び該透明導電層の少なくとも一部の表面上に形成された光取出し層を含む半導体発光素子であって、該光取出し層が、一次粒子径1〜50nmの微粒子を含む金属酸化物からなる、前記半導体発光素子である。
図1は、本実施形態の半導体発光素子の一例を示す模式的な断面図である。図1において、1は、サファイア、シリコン、SiC等の基板、2は、窒化ガリウム系化合物半導体等からなるバッファ層であり、3は窒化ガリウム系化合物半導体層を複数層積層して成る半導体層であり、3aは、p型窒化ガリウム系化合物半導体層、3bは、窒化ガリウム系化合物半導体層からなる発光層、3cは、n型窒化ガリウム系化合物半導体層、4、はn側電極、5は、p側透明導電層、6は、光取出し層、7は、p側電極である。
本実施形態の半導体発光素子は、基板1、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3c、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層3b、及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層3aで構成される積層体を含む半導体層3を有し、半導体層3上にp側透明導電層5と光取出し層6とが順次形成される構成である。また、半導体層3は、サファイア、シリコン、SiC等から成る基板1上に窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層2を介して形成してもよく、基板1上に直接形成されていてもよい。
基板1の半導体成長面は平滑でも、凹凸を有していてもよい。光の波長以上のサイズの凹凸が形成されている場合は、発光素子底面側で反射して戻る光の角度が変わるため、臨界角以上の光が臨界角以下になることで外部量子効率が上がる。光の波長以下のサイズの凹凸が形成されている場合は、半導体層の結晶欠陥が低減されて内部量子効率が上がる効果もある。
[半導体層]
半導体層3は、発光層3bを、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3cとp型窒化ガリウム系化合物半導体層3aとで挟んだ構成であるが、例えば、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3cは、第1のn型クラッド層としてのGaN層、第2のn型クラッド層としてのIn0.02Ga0.98N層の積層体等からなる。このn型窒化ガリウム系化合物半導体層3cの厚みは2μm〜3μm程度である。
また、例えば、p型窒化ガリウム系化合物半導体層3aは、第1のp型クラッド層としてのAl0.15Ga0.85N層、第2のp型クラッド層としてのAl0.2Ga0.8N層、p型コンタクト層としてのGaN層の積層体等からなる。このp型窒化ガリウム系化合物半導体層3aの厚みは200nm〜300nm程度である。
また、例えば、発光層3bは、禁制帯幅の広い障壁層としてのIn0.01Ga0.99N層と、禁制帯幅の狭い井戸層としてのIn0.11Ga0.89N層とを、交互に例えば3回繰り返し規則的に積層した多重量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)等からなる。この発光層3bの厚みは25nm〜150nm程度である。
本実施形態のn型窒化ガリウム系化合物半導体層3c、発光層3b、p型窒化ガリウム系化合物半導体層3aを含む半導体層3の成長方法は、有機金属気相成長法(MOVPE)法が用いられるが、その他分子線エピタキシー(MBE)法やハイドライド気相成長(HVPE)法、パルスレーザデポジション(PLD)法等が挙げられる。
また、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3c及びp側透明導電層5上には、それぞれ、外部との電気的接続をとるための導線等を接続するn側電極4とp側電極7が設けられている。
両電極の材質は、特に限定されないが、発光層3bが発生した光を損失なく反射し、かつ、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3c、及びp側透明導電層5と良好なオーミック接続がとれるものが好ましい。そのような材質のものとしては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、錫(Sn)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、白金(Pt)、鉛(Pb)、ベリリウム(Be)、酸化インジウム(In)、金−シリコン合金(Au−Si合金)、金−ゲルマニウム合金(Au−Ge合金)、金−亜鉛合金(Au−Zn合金)、金−ベリリウム合金(Au−Be合金)等が挙げられる。また、上記材料の中から選択した層を複数層積層したものとしてもよい。両電極として、例えば、クロム(Cr)層、又はチタン(Ti)層を下地層として金(Au)層等を積層したものを用いることができる。
p側透明導電層5としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物系のものが使用されるが、これらの中では特に、酸化インジウム錫(ITO)は紫外光から青色光に対して高い透過率を有するだけでなく、p型窒化ガリウム系化合物半導体層3aと良好なオーミック接触が取れるために好適である。
p側透明導電層5の厚みは50nm〜500nmであることが好ましい。50nm以上であることで、p型窒化ガリウム系化合物半導体3aと良好なオーミック接触が形成される傾向があり好ましく、500nm以下であることで、p側透明導電層5での光吸収量が低減され、光取出し効率を良好なものとできる傾向があり好ましい。
本実施形態の半導体発光素子は、基板1と半導体3の間の任意の位置に反射層を有していてもよい。反射層により、基板1側へ向かう光は光取出し方向である光取出し層6側に反射されるために、光取出し方向へと有効に光が集めることが可能になる。
反射層としては、例えば、金属薄膜層、又は高屈折率層と低屈折率層を交互に複数層重ねることによって、光の干渉効果によるブラッグ反射により高屈折率層と低屈折率層の反射が強め合う効果を有する分布型ブラッグ反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflectors)を用いることが好ましい。高屈折率層と低屈折率層の膜厚と積層数は発光層で発光される光の波長に最適な構造を選択することができる。
[光取出し層]
本実施形態における光取出し層6は、その中に一次粒子径が1nm以上50nm以下である微粒子を含む金属酸化物である。
p側透明導電層5の屈折率が、紫外光から青色光に対して約2.0であり、光取出し層の屈折率が高いほど、透明導電層と光取出し層の間の臨界角が大きくなることから、光取出し層6の屈折率は、1.6以上であることが好ましく、1.7以上であることがより好ましく、1.8以上であることがさらに好ましい。光取出し層の屈折率は、金属酸化物の屈折率、微粒子を構成する物質の屈折率、及び金属酸化物と微粒子の組成比によって調整することができる。
金属酸化物としては、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、ジルコニウム(Zr)などの金属の酸化物が挙げられる。この中でも、珪素又はアルミニウムの酸化物が、比較的容易に光取出し層を形成することができるため好ましく、SiO架橋によってナノ粒子同士の凝集を防ぐことができ、ナノ分散により光取出し層の透明性を向上させる観点から、二酸化ケイ素がより好ましい。
また、微粒子間の空隙を埋め、微粒子の高密度充填状態を維持し、より高いクラック耐性を得る観点から、金属酸化物はアモルファス状態である方が好ましい。金属酸化物とナノ粒子は、直接又は中間層を介して、化学結合を形成していてもよい。化学結合が形成されることで光取出し層の強度が上がり、クラック耐性に好適に作用する。中間層の形成方法としては、二酸化ケイ素のような無機物質によるナノ粒子の表面コーティング、シランカップリング剤などの表面修飾剤によるナノ粒子の有機無機ハイブリッド化等の公知の方法が用いられる。
前記金属酸化物中に含まれる微粒子の平均一次粒子径は、充填率の観点から1〜50nmであり、サイズに由来する量子効果が顕著である点、及び金属酸化物中に分散させた際の透明性に優れる点から、好ましくは2〜40nm、より好ましくは3〜35nmである。微粒子の平均一次粒子径が50nm以下であることで、光取り出し層を形成した際に充填率を高くすることができ、クラックを防止することができる観点から好ましい。また、1nm以上であることで、微粒子の表面エネルギーが増大するため、分散液中に微粒子が安定に分散した状態を保持でき、凝集を防止することができ好ましい。なお、本発明においては、上記平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定したものである。
先述の通り、光取出し層6の屈折率は1.6以上であることが好ましいため、微粒子を構成する物質は、高い屈折率を有するとともに、光の吸収係数の小さいものを用いることが好ましい。その観点から、微粒子を構成する物質の屈折率は2.0以上であることが好ましく、2.2以上であることがより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましい。
このような微粒子の構成物質としては、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、セリウム(Ce)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)の群から選択される1種又は2種以上を含有してなる金属酸化物が挙げられる。屈折率と経済性を併せて考慮すると、該微粒子は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウムを主成分として含むことが特に好ましい。なお、本実施形態において、マトリックス成分中に占める該主成分の割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%であってもよい。
本実施形態の光取出し層に含まれる微粒子の体積比率は、光取出し層に熱履歴を加えた時の膨張収縮が小さくなり、光取出し層にクラックが入る欠陥を低減する観点、及び一般的に微粒子の屈折率が金属酸化物よりも高い傾向があり、微粒子の含有比率を高めて屈折率を高くする観点から、40体積%以上であることが好ましく、45体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることがさらに好ましい。
一方、複数の微粒子の間に空隙ができることを防止し、光取出し層の強度を高く維持する観点から、上記体積比率は、99体積%以下であることが好ましく、80体積%以下であることがより好ましく、75体積%以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、光取出し層に含まれる微粒子の体積比率は、チップを割断し、光取出し層に含まれる微粒子の面積を透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定し、その測定値から算出したものである。
本実施形態の光取出し層6の厚みは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上5μm以下であることがより好ましい。ここで、光取出し層の厚みとは、透明導電層と接する底面から凹凸形状の最も高い点との距離である。光取出し効率を向上させるために十分な高さを有する凹凸構造が形成する観点から、光取出し層の厚みは0.1μm以上であることが好ましい。LEDチップの電極製造工程においてエッチング時間を適正な時間とし、生産性を向上させる観点から、10μm以下であることが好ましい。
[光取出し層の凹凸構造]
光取出し層には、発光層で発光した光を回折させ、取出し効率を向上させる観点から、凹凸構造を有していることが好ましい。凹凸構造の大きさは、各凹凸構造の平均間隔が0.1μm以上3μm以下、高さは0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。凹凸構造の平均間隔、高さがこの範囲内にあることで、発光層で発光した光を回折する効果が十分に得られ、光取出し効率を効果的に向上することができる。
凹凸構造の形状は複数の柵状体が配列したラインアンドスペース構造、複数のドット(凸部、突起)状構造が配列したドット構造、及び複数のホール(凹部)状構造が配列したホール構造を採用できる。ドット構造やホール構造は、例えば、円錐、円柱、円錐台形、四角錐、四角柱、六角錐、六角柱、多角錐、多角柱、及び二重リング状、多重リング状の構造が挙げられる。なお、これらの形状は底面の外径が歪んだ形状や、側面が湾曲した形状を含む。なお、ドット構造とは、複数の凸部が互いに独立して配置された構造である。即ち、各凸部は連続した凹部により隔てられる。なお、各凸部は連続した凹部により滑らかに接続されてもよい。一方、ホール構造とは、複数の凹部が互いに独立して配置された構造である。即ち、各凹部は連続した凸部により隔てられる。なお、各凹部は連続した凸部により滑らかに接続されてもよい。
複数の凹凸構造はランダムに配列されていてもよいし、周期配列パターンを有していてもよいが、回折効果を高くする観点から、周期配列パターンを有することが好ましい。周期配列パターンは、正六方配列、六方配列、準六方配列、準四方配列、四方配列、及び正四方配列などが例示されるが、これらに限定されるものではない。また、面内の配列の一部がランダムになっていても、複数の配列パターンを有していてもよい。
上記のような凹凸構造が光取出し層に形成されている場合、光の回折効果によって、臨界角以上で入射した光もある割合で透過するため、光取出し効率が向上する。
複数の凹凸構造の形成方法としては、前記複数の凹凸構造が反転した表面形状を有するモールドを型として使用し、微粒子と金属酸化物前駆体を少なくとも含む塗工液を、前記モールド及び半導体層に接した状態で硬化させる方法と、微粒子と金属酸化物前駆体を少なくとも含む塗工液を、半導体層上で平板状に硬化させた後に不要部分を除去して凹凸構造を形成する方法が挙げられる。製造工程がより簡便なことから、前記塗工液を、前記モールド及び半導体層に接した状態で硬化させる方法が好ましい。
一方、微粒子と金属酸化物前駆体を少なくとも含む塗工液を平板状に硬化させた後に不要部を除去する方法としては、公知のエッチングプロセスが利用できる。ランダムな凹凸構造の形成方法としては、ランダムに配置したポリマーや無機化合物からなるナノ粒子をマスクとして用いる方法、共重合ポリマーの相分離構造をマスクとして用いる方法、又はマスクを用いない方法でウェットエッチングやドライエッチングを行う加工プロセスが例示される。周期配列パターンを有する凹凸構造の形成方法としては、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、レーザー熱リソグラフィー、ナノインプリント、自己組織化等の手法でパターニングされたレジストをマスクとして用いてウェットエッチングやドライエッチングを行う加工プロセスが例示される。
さらに光取出し層は、透明導電膜層又は半導体層と接する面に複数の凹凸構造を有してもよい。複数の凹凸構造を有することによって接触面積が増大し、密着性が向上するので剥離等の欠陥を低減することができる。透明導電膜層又は半導体層と光取出し層の屈折率差が大きい場合には、透明導電膜層又は半導体層と接する界面においても回折によって光取出し効果を発揮することができる。
透明導電層又は半導体層と接する面の複数の凹凸構造は、ランダムでも周期配列パターンを有してもよく、公知の加工プロセスで複数の凹凸構造を形成された透明導電層又は半導体層の上に光取出し層を形成することで得られる。
ランダムな凹凸構造の形成方法としては、ランダムに配置したポリマーや無機化合物からなるナノ粒子をマスクとして用いる方法、共重合ポリマーの相分離構造をマスクとして用いる方法又はマスクを用いない方法でウェットエッチングやドライエッチングを行う加工プロセスが例示される。
周期配列パターンを有する凹凸構造の形成方法としては、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、レーザー熱リソグラフィー、ナノインプリント、自己組織化等の手法でパターニングされたレジストをマスクとして用いてウェットエッチングやドライエッチングを行う加工プロセスが例示される。
[半導体発光素子の製造方法]
また、本実施の形態では、金属酸化物前駆体及び微粒子を含む塗工液を、発光層を含む半導体層上に形成された透明導電層の少なくとも一部の表面とモールドの間に充填し、次いで、硬化・賦形して光取出し層を形成する工程を含む、半導体発光素子の製造方法を提供する。このような製造方法を用いることで、多段階の真空プロセスのような、煩雑な工程を用いることなく、光取出し層を設けることができる。
[塗工液]
本実施形態の方法に用いる塗工液は、金属酸化物前駆体中に微粒子が分散した分散液である。
金属酸化物前駆体としては、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、ジルコニウム(Zr)などの金属に、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基などの配位子を有する化合物が挙げられ、これらの配位子は単座配位子でも多座配位子でもよい。この中でも、ケイ素又はアルミニウムに配位子を有する化合物が、比較的容易に無機素材を形成することができるため、好ましい。SiO架橋によって微粒子同士の凝集を防ぐことができ、ナノ分散により光取出し層の透明性を向上させる観点から、ケイ素に配位子を有する化合物がより好ましく、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランがさらに好ましい。また、金属アルコキシドを部分的に加水分解して得られる低縮合物も、粘度が低い場合は使用可能である。
微粒子としては、先述の平均一次粒子径、構成物質のものを用いることができる。
上記分散液には、金属酸化物前駆体の硬化を促進させる観点から、硬化触媒を含むことができる。硬化触媒としては、金属酸化物前駆体の硬化反応を促進できるものであれば特に制限されないが、よく知られる塩酸等の酸、又はアンモニア等の塩基の他、過塩素酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸ナトリウムに代表される過塩素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩などの酸、金属塩、亜鉛、コバルト、スズ、チタン、アルミなどの有機金属化合物などを用いることができる。
硬化触媒としては上記各種の硬化触媒の一種又は二種以上を併用して用いてもよく、添加量は、塗布膜層を形成させるために用いられる液状物中の固形分に対して0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
金属酸化物前駆体の反応性が十分に高い場合は、硬化触媒を含まなくてもよい。
また、上記分散液には、塗布時の粘度を調整する観点から、溶剤を含むことができる。微細形状の転写における収縮量を低減し、塗布後の乾燥時間を短縮するために、分散液全体に対する上記溶剤の量は80質量%以下であることが好ましい。特に、金属アルコキシドを金属酸化物前駆体として用いる場合、溶剤を加えないことも可能である。塗布時の粘度に支障がない場合は溶剤を加えないことで、水による金属酸化物前駆体の硬化を防止できるため好ましいといえるが、必要に応じ、反応性を高めるために最小限の水を含む溶剤を加えてもよい。
上記分散液は、透明電極層に対する濡れ性が良いことが好ましく、硬化後に強固に接着することが必要であり、濡れ性や接着性を改良するために界面活性剤及び/又は水を含まない溶剤を加えることもできる。
[モールド]
本実施形態におけるモールドは、透明導電層との間に光取出し層を形成できるものであれば特に限定されないが、微細形状を転写するために凹凸構造を有していることが好ましい。
所望の形状を有する凹凸構造が所望の周期配列パターンをもって形成された元型を、公知のナノインプリント技術を用いて樹脂で型取りして作製することが好ましい。元型の製造方法としては、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、レーザー熱リソグラフィーなどによる周期配列パターンニングを行い、ウェットエッチングやドライエッチングによる加工を行う方法が挙げられる。これらの加工を行った構造物をそのまま元型として用いてもよく、加工後に電鋳で凹凸構造を反転させた構造物を元型として用いてもよく、前記2つの形態の構造物をさらに樹脂でインプリントした構造物を元型として用いてもよい。前記元型を用いて光硬化樹脂で型取りする光インプリント、熱硬化樹脂、または熱可塑性樹脂で型取りする熱インプリントなどの方法で、光取出し層に複数の凹凸構造を形成するためのモールドを作製することができる。
モールドは、表面に接触した無機微粒子分散液から溶剤を除去し、モールドと透明導電層の間で濃縮された分散液において、系中に含まれる水によってゾル−ゲル硬化させる機能を持たせる観点から、溶剤を透過又は吸収する性質を有することが好ましく、硬化後にクラックを生じさせることなく、離形できるものが好ましい。また、金属酸化物前駆体の硬化を早めるために、適度な量の水を保有し及び/又は透過させる性質を有してもよい。
無機微粒子分散液の硬化性、硬化時の温度や湿度などの環境条件、転写する微細形状、基材と無機微粒子分散液との接着性から適宜選定される。このような観点から、親水性の素材を用いることが好ましい。
親水性の素材としては、セルロースを原料とするアセチルセルロース系素材やナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系素材、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やアクリル系紫外線硬化樹脂などのアクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などが挙げられる。中でもPDMSは、形状追従性に優れ、透湿性が大きいため、無機微粒子分散液の速やかな硬化が可能である。
モールドには、必要に応じ、正確なパターン転写や離型性を良好なものとする観点から表面処理をしてもよい。表面処理としては、例えば、分散液からモールドへの溶剤吸収が著しく阻害されない程度に、フッ素やシリコン系の離型処理をすることができる。また、素材自体に離型成分を含ませることもできる。
[硬化・賦形工程]
賦形工程では、無機微粒子分散液を、微細形状を表面に有する上記のモールドと透明導電層の間に充填し、硬化・賦形させる。本実施形態では、無機微粒子分散液中から溶剤がモールドに吸収され、それに伴い、系中に含まれる水の組成が高まり、加水分解・縮合(硬化)反応が促進される。この場合、無機微粒子分散液の硬化に伴う体積収縮分を、モールドが溶剤を吸収・膨潤することで補い、転写形状の精度を高めることができる。この高い転写精度を実現する意味からは、モールドとしては溶剤を吸収しやすいPDMSやTACなどの素材が好ましいが、転写する形状や要求される形状精度に応じ、適宜、素材を選択することができる。
無機微粒子分散液を、微細形状を有するモールドと基材(透明導電層)の間に充填する方法としては、微細形状を有するモールド、基材、又は両方に無機微粒子分散液を塗り、間に空気が入らないように合わせる方法や、微細形状を有するモールド又は基材の端部に無機微粒子分散液を置き、端部からゴムローラなどで順次加圧することで、無機微粒子分散液を、微細形状を有するモールドと基材の間に充填する方法などが挙げられる。更に、ナノインプリント装置を用いることで、全面に均一なパターンを形成することができる。この時、微細形状を有するモールドと基材の間に挟まれる無機微粒子分散液の量としては、微細形状が転写でき硬化時の収縮を補える程度の最少量とすることが好ましく、量が多すぎると硬化後の皮膜全体の収縮量が大きくなりクラックを生じやすくなる。
無機微粒子分散液を、微細形状を有するモールドと基材の間に充填した後に、室温で放置してもよいが、40〜80℃程度に加熱すると、硬化反応が促進されることから、離型までの時間を短縮することができる。離型の時期は、離型後に硬化物が形を保持できること、基材と硬化物の接着力が離型力以上であること、離型力が十分に小さいことを満たす条件から、適宜、選択するが、モールドフィルムを使用時まで剥がさずに保護フィルムとして兼用することもできる。
賦形は、モールドを剥離できる程度にまで無機微粒子分散液を硬化した後、型を剥離し、空気中など外部雰囲気の水分により無機微粒子分散液を十分に硬化させることが、型を再使用するまでの時間を短縮し、無機微粒子分散液の硬化条件を選択するために好ましい。無機微粒子分散液の硬化においては、基材に悪影響のない範囲で、十分な水分、温度を与え、雰囲気を撹拌することが好ましく、場合によってはスチームを吹き付けることもできる。
基材が曲面形状である場合、円筒側面のように型フィルムが追従できる場合は、上記の方法で平面と同様に賦形が可能であるが、球面状のように平面状フィルムが追従できない曲面の場合は、型フィルムを熱成形などで基材曲面に合わせて予め成形する方法や、伸縮性のある素材で型フィルムを構成し、型フィルムを引っ張ることで基材曲面に沿わせる方法などで賦形をすることができる。熱成形として、真空成形や圧空成形は、型フィルム表面の微細形状の変形が少ないため、好ましい。他方、基材が平面状又は連続したフィルム状の場合は、長尺の連続型フィルムを用いることで、賦形工程を連続化することもできる。
なお、本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法は、特に、光取出し層の製造方法に特徴を有するものであり、その他の構成部材、すなわち基板1、n型半導体層3c、活性層3b、p型半導体層3aなどの製造方法、さらにそれらの積層方法、電極の形成方法などは、例えば、先述した特許文献1と2の他、国際公開2006/339546号パンフレットなどに記載された公知の方法に準じて作製することができる。
[半導体パッケージ]
本実施の形態においては、先述の半導体発光素子と封止材とを有する半導体パッケージを提供する。封止材としては、半導体発光素子を封止できるものであれば限定されないが、耐光性が良好である観点から、メチルシリコーンなどの屈折率1.5未満のシリコーン樹脂が好適に用いられる。
[照明装置]
本実施形態の半導体発光素子、半導体パッケージは照明装置に適用できるものであり、その照明装置は、本実施形態の半導体発光素子と、半導体発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備している構成である。この構成により、輝度及び照度の高い照明装置を得ることができる。
この照明装置は、本実施形態の半導体発光素子を透明樹脂等で覆うか内包するようにし、その透明樹脂等に蛍光体や燐光体を混入させた構成とすればよく、蛍光体や燐光体によって半導体発光素子の紫外光〜近紫外光を白色光等に変換するものとすることができる。また、集光性を高めるために透明樹脂等に凹面鏡等の光反射部材を設けることもできる。このような照明装置は、従来の蛍光灯等よりも消費電力が小さく、小型であることから、小型で高輝度の照明装置として有効である。
以下、実施例及び比較例により本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
<光取出し層の特性評価>
各実施例及び比較例で製造した光取出し層について、下記の装置及び方法により粒子径と屈折率の評価を行った(比較例1については屈折率のみの評価を行った)。
(1)粒子径(nm)
日本電子製2000−FX透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察を行った。ナノ粒子分散液については、微細試料捕獲用の膜(コロジオン膜)上に滴下、乾燥後、50個の粒子の一次粒子径の数平均を算出した。
(2)微粒子の体積比率(vol%)
日本電子製2000−FX透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察を行った。チップを割断し、光取出し層中の微粒子の面積比を測定し、微粒子の体積比率とした。
(3)屈折率
離形処理を施した平滑なガラス板にPDMS樹脂(信越化学社製、KE106)を塗布し、120℃で1分加熱し、ガラスから離形後、150℃で30分加熱し、PDMSを完全硬化させ、平板モールド(□50mm)を作製した。
シリコーンウェハ上に微粒子分散液を滴下し、平板モールドを貼り合せ、温度23℃、湿度50%RHの環境にて20分間静置した後、平板モールドを剥離し、24時間同条件にて静置した。このようにして成膜した薄膜について、自動エリプソメーターDVA−36LA(溝尻光学工業所製)で波長589nmにおける屈折率を測定した。
<半導体発光素子の評価>
各実施例及び比較例で製造した半導体発光素子について、下記の装置及び方法により光取出し効率と耐熱・耐クラック性の評価を行った。
(1)光取出し効率
各実施例及び比較例で製造した半導体発光素子の各電極パッドに、25℃の環境下にて順方向に電流を20mA通電した際の光出力を測定した。
後述の実施例1の<半導体発光素子の作製>において、賦形していないフラットな光取出し層を有する半導体発光素子の光出力を同様に測定し、これを基準とした光出力比として、光取出し効率を算出した。
(2)光取出し層の耐熱・耐クラック性
各実施例及び比較例で製造した半導体発光素子について、窒素雰囲気下、1分で600℃まで昇温し、引き続き、2時間かけて室温まで冷却した。その後、光取出し層にクラックが入っているかを確認した。クラックが入っていない場合は「◎」とした。
また、600℃に昇温した際に光取出し層にクラックが入った半導体発光素子に関しては、別の半導体発光素子について、窒素雰囲気下、1分で400℃まで昇温し、引き続き、2時間かけて室温まで冷却した後に、光取出し層にクラックが入っているかを確認した。クラックが入っていない場合を「○」、部分的にクラックが入っているものを「△」、全面にクラックが入っている場合を「×」とした。
[実施例1]
<モールドの作製>
離形処理を施した凸凹形状を有するマスターモールド(PETフィルム)にPDMS樹脂(信越化学社製、KE106)を流し込み、120℃で1分加熱し、PETフィルムから離形後、150℃で30分加熱し、PDMSを完全硬化させ、凸凹形状を反転転写したモールド(□50mm)を作製した。
<無機微粒子分散液>
市販されている15wt%メタノール希釈品のTiOナノ分散液(堺化学社製、SRD−M)93.8質量部、テトラメトキシシラン6質量部、ジブチル錫ジアセテート0.2質量部を混合し、無機微粒子分散液を作製した。
<半導体発光素子の作製>
サファイア基材上に、MOCVDにより、(1)AlGaN低温バッファ層、(2)n型GaN層、(3)n型AlGaNクラッド層、(4)InGaN発光層(MQW)、(5)p型AlGaNクラッド層、(6)p型GaN層を連続的に積層し、さらに電子ビーム蒸着により、(7)ITO層を積層した。その後、ITO上に下記の工程により、微細構造の賦形を行った。その後、フォトリソグラフィーでレジストをパターニングし、p側電極、及びn側電極が形成される領域の光取出し層をドライエッチングで除去した。いったんレジストを剥離した後、n側電極が形成される領域は、さらにフォトリソグラフィーによるレジストパターニングとITOエッチング、塩素系ガスによるドライエッチングを行い、n型窒化ガリウム系半導体層までエッチング加工を行った。再度レジスト剥離を行い、フォトリソグラフィーでレジストをパターニングし、リフトオフ法を用いて金属を蒸着して電極パッドを取り付けた。
また、(7)工程の後に微細構造の賦形を行わないものを作製し、基準光出力の測定用半導体発光素子とした。
<微細構造の賦形>
半導体発光素子のITO層上に、微粒子分散液を滴下し、先述の方法で作製したPDMSモールドを貼り合せた。次に、貼合し一体化したモールド/微粒子分散液/半導体発光素子を□70mm×t10mm、硬度20の透明シリコン板2枚で挟んだ。その状態で、ナノインプリント装置(エンジニアリングシステム社製、EUN−4200)を用いて、0.05MPaの圧力でプレスした。ナノインプリント装置から取り出したモールド/賦形層/半導体発光素子を温度23℃、湿度50%RHの環境にて20分間静置したのち、モールドを剥離した。微粒子分散液中のテトラメトキシシランを完全硬化させるため、24時間同条件にて静置したのち、ITO層上にパターンが形成された光取り出し層を得た。
作製した半導体発光素子について、上記の方法にて光取出し層の特性、半導体発光素子の特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
実施例1においてTiO分散液の量を81.3質量部、テトラメトキシシランの量を18.5質量部とした以外は、全て同様の条件で半導体発光層を形成し、同様の方法で各特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
実施例1においてTiO分散液の量を69.8質量部、テトラメトキシシランの量を30質量部とした以外は、全て同様の条件で半導体発光層を形成し、同様の方法で各特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例4]
実施例1においてTiO分散液の量を64.05質量部、テトラメトキシシランの量を35.75質量部とした以外は、全て同様の条件で半導体発光層を形成し、同様の方法で各特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
テトラメトキシシラン99.8質量部とジブチル錫ジアセテート0.2質量部のみを混合し、無機分散液を作製した以外は、全て同様の条件で半導体発光層を形成し、同様の方法で各特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、SRD−Mの代わりにテイカ社のMTY−700BS(平均一次粒径80nm)を15wt%になるようにメタノールに分散させた分散液を用いた以外は、全て同様の条件で半導体発光層を形成し、同様の方法で各特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
Figure 2015012148
表1に示すように、本実施形態の光取出し層を有する各実施例の半導体発光素子は、各比較例の半導体発光素子と比較して耐熱性・耐クラック性が優れていることが確認できた。
本発明の半導体発光素子及び半導体パッケージは、白色照明、ディスプレイのバックライト等の高輝度が要求される照明装置に好適に利用可能である。
1 基板
2 バッファ層
3 半導体層
3a p型窒化ガリウム系化合物半導体
3b 発光層
3c n型窒化ガリウム系化合物半導体
4 n側電極
5 p側透明導電層
6 光取出し層
7 p側電極

Claims (13)

  1. 発光層を含む半導体層、該半導体層上に形成された透明導電層、及び該透明導電層の少なくとも一部の表面上に形成された光取出し層を含む半導体発光素子であって、該光取出し層が、一次粒子径1〜50nmの微粒子を含む金属酸化物からなる、前記半導体発光素子。
  2. 前記光取出し層中に含まれる微粒子の体積比率が40体積%以上99体積%以下である、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記金属酸化物がケイ素酸化物である、請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記金属酸化物がアモルファス状態である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記光取出し層の屈折率が1.6以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記微粒子を構成する物質の屈折率が2.0以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記光取出し層は、前記半導体層と対向する面とその裏面のうちいずれか一面又は両面に複数の凹凸形状を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記凹凸形状を有する面のうち、少なくとも一面の凹凸形状が周期配列パターンをもって形成されている、請求項7に記載の半導体発光素子。
  9. 金属酸化物前駆体及び一次粒子径1〜50nmの微粒子を含む塗工液を、発光層を含む半導体層上に形成された透明導電層の少なくとも一部の表面とモールドの間に充填し、次いで、硬化・賦形して光取出し層を形成する工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記モールドが凹凸構造を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記モールドが溶剤を透過又は吸収する性質を有する、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法により製造された半導体発光素子。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項又は請求項12に記載の半導体発光素子と封止材とを有する半導体パッケージ。
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