JP2015011886A - 自動車 - Google Patents

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崇彦 平沢
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Abstract

【課題】バッテリの充電終了予定時刻までに外部電源からの電力を用いたバッテリの充電が完了するよう充電器を制御する計画充電を行なう際に、充電開始予定時刻までのバッテリの冷却装置のエネルギ消費が必要以上に大きくなるのをより適正に抑制する。
【解決手段】バッテリの充電終了予定時刻までにバッテリの充電が完了するよう充電器を制御する際、バッテリの電池温度Tbと蓄電割合SOCとに応じてバッテリの自然冷却に要する必要自然冷却時間tcoを設定し(S170)、必要自然冷却時間tcoとバッテリの充電開始予定時刻までの待機時間twaとを比較し(S180)、必要自然冷却時間tcoが待機時間twaより長いときには冷却装置を作動させ(S130)、必要自然冷却時間tcoが待機時間twa以下のときには冷却装置を作動させない。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、走行用モータと、走行用モータに電力を供給する電池モジュールと、電池モジュールを冷却する送風を供給する送風機と、送風機が供給する冷却風を加熱するヒーターと、商用電源等に接続されて電池モジュールを充電する充電器とを備え、車両の運転開始予定時刻と電池モジュールの現時点の蓄電量に基づいて充電開始時刻を設定し、電池モジュールの温度に基づいて充電開始時刻に電池モジュールの温度が設定温度条件を満たすように送風機やヒーターを制御し、運転開始予定時刻までに電池モジュールの充電が完了するよう充電器を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、こうした制御により、電池の充電開始時に電池を適正な温度としている。
特開2012−44813号公報
一般に、電池モジュールは、高温且つ高蓄電量の状態で劣化が促進されやすい。このため、商用電源からの電力を用いた電池モジュールの充電開始後に電池モジュールがこうした状態に至らないようにするのが好ましい。しかしながら、上述の自動車では、電池モジュールの温度だけに基づいて充電開始時刻に電池モジュールの温度が設定温度条件を満たすように送風機やヒーターを制御することから、充電開始時刻までに、送風機などが必要以上に駆動される(消費エネルギが必要以上に大きくなる)場合がある。
本発明の自動車は、バッテリの充電終了予定時刻までに外部電源からの電力を用いたバッテリの充電が完了するよう充電器を制御する計画充電を行なう際に、充電開始予定時刻までのバッテリの冷却装置のエネルギ消費が必要以上に大きくなるのをより適正に抑制することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
走行用のモータと、前記モータと電力をやりとり可能なバッテリと、前記バッテリの冷却に用いられる冷却装置と、外部電源からの電力を用いて前記バッテリを充電可能な充電器と、前記バッテリの充電終了予定時刻までに前記外部電源からの電力を用いた前記バッテリの充電が完了するよう前記充電器を制御する計画充電を行なう際、前記バッテリの充電開始予定時刻までに前記バッテリが冷却されるよう前記冷却装置を制御する制御手段と、を備える自動車であって、
前記制御手段は、前記計画充電を行なう際、前記バッテリの温度と蓄電割合とに応じた該バッテリの自然冷却に要する必要自然冷却時間が前記充電開始予定時刻までの待機時間以下のときには、前記必要自然冷却時間が前記待機時間より長いときに比して前記冷却装置の冷却程度を低くする手段である、
ことを特徴とする。
この本発明の自動車では、バッテリの充電終了予定時刻までに外部電源からの電力を用いたバッテリの充電が完了するよう充電器を制御する計画充電を行なう際、バッテリの充電開始予定時刻までにバッテリが冷却されるよう冷却装置を制御する。これにより、バッテリの充電開始後に、バッテリが高温且つ高蓄電割合の状態となるのを抑制することができ、バッテリの劣化が促進されるのを抑制することができる。そして、計画充電を行なう際、バッテリの温度と蓄電割合とに応じたバッテリの自然冷却に要する必要自然冷却時間が充電開始予定時刻までの待機時間以下のときには、必要自然冷却時間が待機時間より長いときに比して冷却装置の冷却程度を低くする。これにより、バッテリの温度だけに応じた必要自然冷却時間を用いるものに比して冷却装置の冷却程度を低くするか否かの判定をより適正に行なうことができる。そして、必要自然冷却時間が待機時間以下のときに、充電開始予定時刻までの冷却装置によるエネルギ消費を抑制することができる。即ち、充電開始予定時刻までの冷却装置のエネルギ消費が必要以上に大きくなるのをより適正に抑制することができるのである。ここで、「冷却装置の冷却程度を低くする」には、充電開始予定時刻までの冷却装置の作動時間を短くするものや冷却装置を全く作動させないものなどが含まれる。
こうした本発明の自動車において、前記制御手段は、前記計画充電を行なう際、前記バッテリの温度が高いほど長くなり且つ前記バッテリの蓄電割合が大きいほど長くなる傾向に前記必要自然冷却時間を設定する手段である、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例の電子制御ユニット50により実行されるイグニッションオフ時冷却制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電池温度Tbと蓄電割合SOCと容量維持率との関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、例えば同期発電電動機として構成されて駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ34を介してモータ32と電力をやりとり可能なバッテリ36と、インバータ34やバッテリ36が接続された電力ライン38に接続されてバッテリ36を冷却する冷却装置(例えば、車室内の空調を行なうことによってバッテリ36の温度調節を行なう空調装置やバッテリ36に送風することによってバッテリ36を冷却するファンなど)40と、電力ライン38に接続されており家庭用電源などの外部電源のコンセントにプラグ43が差し込まれているときに外部電源からの電力を用いてバッテリ50を充電可能な充電器42と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。
電子制御ユニット50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートを備える。電子制御ユニット50には、モータ32のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサからのモータ32のロータの回転位置θmや、モータ32の三相コイルの各相に流れる相電流を検出する電流センサからの相電流Iu,Iv,Iw,バッテリ36の電圧,電流,温度を検出する電圧センサ,電流センサ,温度センサからの端子間電圧Vb,充放電電流Ib,電池温度Tb,イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)からのイグニッション信号,シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジションSP,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサからのアクセル開度Acc,ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジションBP,車速センサからの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50からは、インバータ34のスイッチング素子へのスイッチング制御信号や冷却装置40への制御信号,充電器42への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、自宅や予め設定された充電ポイントでイグニッションスイッチがオフとされて、プラグ43が外部電源のコンセントに差し込まれるプラグイン操作が行なわれると、外部電源からの電力によりバッテリ36の蓄電割合SOCが予め設定された所定割合Send(例えば満充電やそれより若干低い蓄電割合など)に至るまでバッテリ36が充電されるよう充電器42を制御する外部充電制御を実行する。ここで、タイマー充電機能(バッテリ36の充電完了予定時刻などを設定する機能)がオンのときには、その充電完了予定時刻にバッテリ36の充電が終了するようバッテリ36の現在の蓄電割合SOCと所定割合Sendとの差分とに応じて充電開始予定時刻を設定すると共にその充電開始予定時刻に至ったときにバッテリ36の充電を開始し、タイマー充電機能がオフのときには、直ちにバッテリ36の充電を開始するものとした。なお、外部充電制御の実行中には、バッテリ36の電池温度Tbに応じて冷却装置40を適宜作動させてバッテリ36を冷却するものとした。
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、イグニションスイッチがオフとされたときの動作について説明する。図2は、イグニッションスイッチがオフとされたときに実施例の電子制御ユニット50により実行されるイグニッションオフ時冷却制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
イグニッションオフ時冷却制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50は、まず、温度センサからの電池温度Tbやバッテリ36の蓄電割合SOCを入力する(ステップS100)。ここで、バッテリ36の蓄電割合SOCは、電流センサにより検出されたバッテリ36の充放電電流Ib1に基づいて演算された値を読み込んで入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した電池温度Tbを閾値Tbrefと比較すると共に(ステップS110)、蓄電割合SOCを閾値Srefと比較する(ステップS120)。ここで、閾値Tbrefおよび閾値Srefは、バッテリ36の劣化が促進されやすい(容量維持率が小さな値に低下しやすい)劣化促進状態であるか否かを判定するために用いられるものであり、バッテリ36の仕様に基づいて設定することができる。図3は、電池温度Tbと蓄電割合SOCと容量維持率との関係の一例を示す説明図である。図示するように、バッテリの容量維持率は、電池温度Tbが高いほど低下しやすく、蓄電割合SOCが大きいほど低下しやすい。即ち、電池温度Tbが高いほど且つ蓄電割合SOCが大きいほどバッテリ36の劣化が促進されやすいのである。閾値Tbrefや閾値Srefは、図3の関係を考慮して定めるものとした。
電池温度Tbが閾値Tbref以上で且つ蓄電割合SOCが閾値Sref以上のときには、劣化促進状態であると判断し、冷却装置40を作動させる所定冷却制御を実行して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。ここで、所定冷却制御を実行する時間などは、バッテリ36を十分に冷却するのに要する値として、バッテリ36や冷却装置40の仕様などに基づいて設定することができる。これにより、バッテリ36が劣化促進状態で放置されるのを抑制して、バッテリ36の劣化が促進される(容量維持率が小さな値に低下する)のを抑制することができる。
電池温度Tbが閾値Tbref未満のときや蓄電割合SOCが閾値Sref未満のときには、劣化促進状態ではないと判断し、プラグイン操作が行なわれているか否かを判定すると共に(ステップS140)、タイマー充電機能がオンとされているか否かを判定する(ステップS150)。なお、一般に、イグニッションオフされてからプラグイン操作が行なわれたりタイマー充電機能がオンとされたりするまでには、ある程度の時間を要すると考えられる。したがって、ステップS140,S150の処理は、イグニッションオフとされてから所定時間が経過するまでにプラグイン操作やタイマー充電機能のオン操作が行なわれたか否かなどを判定することによって行なうことができる。
プラグイン操作が行なわれており且つタイマー充電機能がオンとされているときには、現在時刻から充電開始予定時刻までの待機時間twaを入力し(ステップS160)、電池温度Tbと蓄電割合SOCとに基づいて、バッテリ36が自然冷却される(冷却装置40を用いずにバッテリ36が充電開始後に劣化促進状態に至らない温度範囲の上限以下に冷却される)に要する必要自然冷却時間tcoを設定する(ステップS170)。ここで、必要自然冷却時間tcoは、実施例では、電池温度Tbが高いほど長くなる傾向で且つ蓄電割合SOCが大きいほど長くなる傾向に設定するものとした。これは、図3に示したように電池温度Tbが高いほど且つ蓄電割合SOCが大きいほど容量維持率が低下しやすい(バッテリ36の劣化が促進されやすい)ことを踏まえて、容量維持率の低下の抑制を目的としたものである。このように、電池温度Tbと蓄電割合SOCとに応じて必要自然冷却時間tcoを設定することにより、電池温度Tbだけに応じて必要自然冷却時間tcoを設定するものに比して、必要自然冷却時間tcoをより適正に設定することができる。
そして、必要自然冷却時間tcoと待機時間twaとを比較する(ステップS180)。この処理は、充電開始予定時刻までにバッテリ36の自然冷却が終了するか否かを判定する処理である。上述したように、必要自然冷却時間tcoをより適正に設定することができることから、この判定をより適正に行なうことができる。
必要自然冷却時間tcoが待機時間twaより長いときには、充電開始予定時刻までにバッテリ36の自然冷却は終了しないと判断し、上述の所定冷却制御を実行して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。これにより、バッテリ36の充電開始後にバッテリ36が劣化促進状態に至るのを抑制して、バッテリ36の劣化が促進される(容量維持率が小さな値に低下する)のを抑制することができる。なお、所定冷却制御を実行する時間などは、一定値を用いるものとしてもよいし、必要自然冷却時間tcoと待機時間twaとの差分などに応じて適宜変更するものとしてもよい。
必要自然冷却時間tcoが待機時間twa以下のときには、充電開始予定時刻に至るまでにバッテリ36の自然冷却が終了すると判断し、所定冷却制御を実行せずに(冷却装置40を作動させずに)、本ルーチンを終了する。これにより、充電開始予定時刻までの冷却装置40による電力消費を抑制することができる。なお、冷却装置40を全く作動させないのではなく、必要自然冷却時間tcoが待機時間twaより長いときより低い冷却程度(作動時間など)で冷却装置40を作動させるものとしてもよい。
ステップS140,S150で、プラグイン操作が行なわれていないときや、タイマー充電機能がオフとされているときには、冷却装置40を作動させずに、本ルーチンを終了する。これにより、冷却装置40による電力消費を抑制することができる。
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、バッテリ36の充電終了予定時刻までにバッテリ36の充電が完了するよう充電器42を制御する際、バッテリ36の電池温度Tbと蓄電割合SOCとに応じたバッテリ36の自然冷却に要する必要自然冷却時間tcoとバッテリ36の充電開始予定時刻までの待機時間twaとを比較し、必要自然冷却時間tcoが待機時間twaより長いときには冷却装置40を作動させ、必要自然冷却時間tcoが待機時間twa以下のときには冷却装置40を作動させない。これにより、必要自然冷却時間tcoが待機時間twaより長いときには、バッテリ36を冷却することができ、バッテリ36の充電開始後にバッテリ36が高温且つ高蓄電割合の状態(劣化促進状態)に至るのを抑制することができる。また、必要自然冷却時間tcoが待機時間twa以下のときには、充電開始予定時刻までの冷却装置40による電力消費を抑制することができる。さらに、電池温度Tbだけに応じた必要自然冷却時間tcoを用いるものに比して、必要自然冷却時間tcoと待機時間twaとの比較(冷却装置40を作動させるか否かの判定)をより適正に行なうことができる。以上より、バッテリ36の劣化の促進を抑制することと充電開始予定時刻までの冷却装置40の電力消費が必要以上に大きくなるのをより適正に抑制することとの両立を図ることができるのである。
実施例では、本発明を走行用のモータ32を備える電気自動車20に適用するものとしたが、走行用のモータおよびエンジンを備えるハイブリッド自動車に適用するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータ32が「モータ」に相当し、バッテリ36が「バッテリ」に相当し、冷却装置40が「冷却装置」に相当し、充電器42が「充電器」に相当し、電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
22 駆動軸、24 デファレンシャルギヤ、26a,26b 駆動輪、32 モータ、34 インバータ、36 バッテリ、38 電力ライン、40 冷却装置、42 充電器、43 プラグ、50 電子制御ユニット。

Claims (1)

  1. 走行用のモータと、前記モータと電力をやりとり可能なバッテリと、前記バッテリの冷却に用いられる冷却装置と、外部電源からの電力を用いて前記バッテリを充電可能な充電器と、前記バッテリの充電終了予定時刻までに前記外部電源からの電力を用いた前記バッテリの充電が完了するよう前記充電器を制御する計画充電を行なう際、前記バッテリの充電開始予定時刻までに前記バッテリが冷却されるよう前記冷却装置を制御する制御手段と、を備える自動車であって、
    前記制御手段は、前記計画充電を行なう際、前記バッテリの温度と蓄電割合とに応じた該バッテリの自然冷却に要する必要自然冷却時間が前記充電開始予定時刻までの待機時間以下のときには、前記必要自然冷却時間が前記待機時間より長いときに比して前記冷却装置の冷却程度を低くする手段である、
    ことを特徴とする自動車。
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