JP2015010668A - 動力伝達機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンのフリクションやポンピングロスによる減速力を低減できる、動力伝達機構を提供する。
【解決手段】車両1のコースト走行時には、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が切断されて、ドッグクラッチ65が継合される。これにより、駆動輪12L,12Rから変速機3の入力軸7に伝達される動力は、M/G軸62を介して、E/G出力軸13に伝達される。このとき、駆動輪12L,12Rからの動力は、減速されて、入力軸7に伝達される。そのため、E/G出力軸13の回転数が変速機3の入力軸7の回転数よりも低くなる。
【選択図】図1
【解決手段】車両1のコースト走行時には、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が切断されて、ドッグクラッチ65が継合される。これにより、駆動輪12L,12Rから変速機3の入力軸7に伝達される動力は、M/G軸62を介して、E/G出力軸13に伝達される。このとき、駆動輪12L,12Rからの動力は、減速されて、入力軸7に伝達される。そのため、E/G出力軸13の回転数が変速機3の入力軸7の回転数よりも低くなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンと変速機との間で動力を伝達するための機構に関する。
従来、車両の燃費を向上させるための制御として、フューエルカット制御が知られている。フューエルカット制御は、車両のコースト走行(惰性走行)時に、エンジンの回転数が自立復帰(スタータレス始動)可能な最低の回転数に低下するまで、エンジンに対する燃料の供給を停止(フューエルカット)する制御である。
フューエルカット制御による燃費の向上効果は、フューエルカット時間が長いほど大きくなるので、エンジンの回転数の低下を可及的に遅らせることが好ましい。そのため、フューエルカット中は、エンジンと自動変速機との間に介裝されるトルクコンバータのロックアップクラッチが継合されて、駆動輪の回転がエンジンに伝達される。また、車速の低下に伴って、自動変速機の変速比が増大される。
ところが、ロックアップクラッチが継合された状態でのコースト走行時には、車両にエンジンのフリクションやポンピングロスによる減速力が生じる。この減速力が運転者の想定以上に大きいと、減速度を弱めるために、運転者がアクセルペダルを操作し、不必要な燃料の消費が発生する。とくに、高車速でのコースト走行時は、エンジンの回転数が高いので、エンジンのフリクションやポンピングロスによる減速力が大きく、アクセルペダルが操作されやすい。
本発明の目的は、エンジンのフリクションやポンピングロスによる減速力を低減できる、動力伝達機構を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る動力伝達機構は、エンジン、モータジェネレータ、変速機およびオイルポンプを搭載した車両に適用され、エンジンと変速機との間で動力を伝達する動力伝達機構であって、エンジンの出力軸と変速機の入力軸との間に設けられた第1クラッチと、第1クラッチを迂回してエンジンの出力軸と変速機の入力軸とに連結され、かつ、モータジェネレータに連結されたM/G軸と、エンジンの出力軸とM/G軸との間に設けられた第2クラッチと、M/G軸に設けられ、第2クラッチが継合された状態において、エンジンの出力軸の回転数を変速機の入力軸の回転数よりも低くするための減速機構とを含み、変速機の入力軸に、オイルポンプが設けられている。
この構成によれば、車両のコースト走行時には、第1クラッチが切断されて、第2クラッチが継合される。これにより、駆動輪から変速機の入力軸に伝達される動力は、M/G軸を介して、エンジンの出力軸に伝達される。このとき、減速機構の機能により、エンジンの出力軸の回転数が変速機の入力軸の回転数よりも低くなる。よって、車両のコースト走行時に、エンジンの回転数を変速機の入力軸の回転数よりも下げることができ、エンジンのフリクションやポンピングロスを低減することができる。その結果、車両の燃費を向上させることができる。また、高車速でのコースト走行時には、エンジンのフリクションやポンピングロスが低減されることにより、車両に生じる減速力を低減することができる。その結果、車両の減速度を弱めるための不必要なアクセル操作を抑制することができ、車両の燃費を向上させることができる。
高車速でのコースト走行時には、駆動輪から変速機の入力軸に伝達される動力により、オイルポンプが駆動される。そのため、オイルポンプを高回転数で駆動することができ、オイルポンプで十分な油圧を発生させることができる。
低車速でのコースト走行時に、車速の低下に伴って、オイルポンプの発生油圧が必要とされる油圧よりも低くなると、モータジェネレータがモータとして駆動され、モータジェネレータからの動力がM/G軸を介して変速機の入力軸に伝達される。これにより、オイルポンプの回転数を上げることができ、オイルポンプの発生油圧を必要な油圧以上に確保することができる。
低車速でのコースト走行時に、モータジェネレータがモータとして駆動され、モータジェネレータからの動力がエンジンの出力軸に伝達されて、エンジンの回転数が自立復帰可能な最低の回転数以上に確保されてもよい。この場合、エンジンに対する燃料の供給が停止されていても、燃料の供給が再開されて、エンジンの点火プラグがスパークされることにより、エンジンを速やかに再始動させることができる。
低車速でのコースト走行時、モータジェネレータがモータとして駆動されずに、エンジンの回転数が自立復帰可能な最低の回転数よりも低下してもよい。この場合、エンジンのフリクションやポンピングロスをさらに低減することができ、車両の燃費を一層向上させることができる。
また、車両の加速時に、第1クラッチが継合され、第2クラッチが切断されて、モータジェネレータがモータとして駆動されることにより、モータジェネレータからの動力がM/G軸を介して変速機の入力軸に伝達されてもよい。この動力により、車両の加速をアシストすることができる。よって、車両を良好に加速させることができ、ドライバビリティが向上する。また、モータジェネレータが発電機(ジェネレータ)として駆動されてもよい。このとき、変速機の入力軸の動力を電力に回生することができ、車両の燃費をさらに向上させることができる。また、モータジェネレータがモータ/発電機として適宜切り替えて駆動されてもよい。これにより、エンジンの回転数とエンジンが発生する動力との関係をエンジンの最適燃費線に近づけることができ、車両の燃費をさらに向上させることができる。
また、本発明の他の局面に係る動力伝達機構は、エンジン、モータジェネレータ、変速機およびオイルポンプを搭載した車両に適用され、エンジンと変速機との間で動力を伝達する動力伝達機構であって、エンジンの出力軸と変速機の入力軸との間に設けられた第1クラッチと、第1クラッチを迂回してエンジンの出力軸と変速機の入力軸とに連結され、かつ、モータジェネレータに連結されたM/G軸と、エンジンの出力軸とM/G軸との間に設けられた第2クラッチと、変速機の入力軸とM/G軸との間に設けられた第3クラッチと、M/G軸に設けられ、第2クラッチおよび第3クラッチが継合された状態において、エンジンの出力軸の回転数を変速機の入力軸の回転数よりも低くするための減速機構とを含み、M/G軸に、オイルポンプが設けられている。
この構成によれば、車両のコースト走行時には、第1クラッチが切断されて、第2クラッチおよび第3クラッチが継合される。これにより、駆動輪から変速機の入力軸に伝達される動力は、M/G軸を介して、エンジンの出力軸に伝達される。このとき、減速機構の機能により、エンジンの出力軸の回転数が変速機の入力軸の回転数よりも低くなる。よって、車両のコースト走行時に、エンジンの回転数を変速機の入力軸の回転数よりも下げることができ、エンジンのフリクションやポンピングロスを低減することができる。その結果、車両の燃費を向上させることができる。また、高車速でのコースト走行(高速コースト走行)時には、エンジンのフリクションやポンピングロスが低減されることにより、車両に生じる減速力を低減することができる。その結果、車両の減速度を弱めるための不必要なアクセル操作を抑制することができ、車両の燃費を向上させることができる。
高車速でのコースト走行時には、駆動輪から変速機の入力軸に伝達される動力により、M/G軸が回転し、M/G軸の回転により、オイルポンプが駆動される。そのため、オイルポンプを高回転数で駆動することができ、オイルポンプで十分な油圧を発生させることができる。
高車速でのコースト走行時に、オイルポンプの回転数が高くなりすぎるのを防止するため、第3クラッチが切断されてもよい。この場合、モータジェネレータがモータとして駆動され、モータジェネレータからの動力により、オイルポンプが駆動されることにより、オイルポンプの発生油圧が必要な油圧以上に確保されるとよい。これにより、オイルポンプの回転数が高くなりすぎることによる過剰損失の発生を防止できながら、オイルポンプの発生油圧を必要な油圧以上に確保することができる。
低車速でのコースト走行(低速コースト走行)時に、車速の低下に伴って、オイルポンプの発生油圧が必要とされる油圧よりも低くなると、モータジェネレータがモータとして駆動されてもよい。この場合、モータジェネレータからの動力により、オイルポンプを駆動することができる。これにより、オイルポンプの発生油圧を必要な油圧以上に確保することができる。
本発明によれば、車両のコースト走行時に、エンジンの回転数を変速機の回転数よりも下げることができ、エンジンのフリクションやポンピングロスを低減することができる。その結果、車両の燃費を向上させることができる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達機構が組み込まれた車両1の駆動系統の構成を概念的に示す図である。
車両1は、エンジン(E/G)2を動力源とする自動車である。車両1は、変速機3を備えている。
変速機3は、たとえば、Vベルト式の無段変速機(CVT:Continuously
Variable Transmission)であり、プライマリプーリ4と、セカンダリプーリ5と、プライマリプーリ4とセカンダリプーリ5とに巻き掛けられたVベルト6とを備えている。プライマリプーリ4を支持する入力軸7には、エンジン2からの動力が入力される。セカンダリプーリ5を支持する出力軸8には、ファイナルギヤ9が保持されている。ファイナルギヤ9は、ディファレンシャルギヤ10と噛合している。
Variable Transmission)であり、プライマリプーリ4と、セカンダリプーリ5と、プライマリプーリ4とセカンダリプーリ5とに巻き掛けられたVベルト6とを備えている。プライマリプーリ4を支持する入力軸7には、エンジン2からの動力が入力される。セカンダリプーリ5を支持する出力軸8には、ファイナルギヤ9が保持されている。ファイナルギヤ9は、ディファレンシャルギヤ10と噛合している。
変速機3の入力軸7に入力される動力は、プライマリプーリ4、Vベルト6、セカンダリプーリ5、出力軸8、ファイナルギヤ9およびディファレンシャルギヤ10を介して、ディファレンシャルギヤ10から左右に延びるドライブシャフト11L,11Rに伝達される。これにより、ドライブシャフト11L,11Rが回転し、ドライブシャフト11L,11Rとともに、それぞれ駆動輪12L,12Rが回転する。
エンジン2の出力軸(以下、「E/G出力軸」という。)13と変速機3の入力軸7との間には、トルクコンバータ14および前後進切替機構15が介装されている。
トルクコンバータ14は、トルコン入力軸21、トルコン出力軸22、ポンプインペラ23、タービンランナ24およびロックアップクラッチ25を備えている。トルコン入力軸21およびトルコン出力軸22は、E/G出力軸13と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。トルコン入力軸21には、E/G出力軸13が連結されている。ポンプインペラ23は、トルコン入力軸21と一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ24は、トルコン出力軸22と一体的に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ25が継合されると、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが直結され、その継合が解除されると、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが分離される。
ロックアップクラッチ25が切断された状態において、E/G出力軸13からトルコン入力軸21に動力が入力されると、トルコン入力軸21およびポンプインペラ23が回転する。ポンプインペラ23が回転すると、ポンプインペラ23からタービンランナ24に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ24で受けられて、タービンランナ24が回転する。そして、タービンランナ24の回転による動力がトルコン出力軸22から出力される。
ロックアップクラッチ25が継合された状態において、E/G出力軸13からトルコン入力軸21に動力が入力されると、トルコン入力軸21、ポンプインペラ23およびタービンランナ24が一体となって回転する。そして、タービンランナ24の回転による動力がトルコン出力軸22から出力される。
前後進切替機構15は、変速機3の入力軸7とトルクコンバータ14のトルコン出力軸22との間に介装されている。前後進切替機構15は、遊星歯車機構41、逆転クラッチ42および前進ブレーキ43を備えている。
遊星歯車機構41は、サンギヤ44、プラネタリギヤ45、キャリア46およびリングギヤ47を備えている。サンギヤ44は、トルコン出力軸22に保持されている。サンギヤ44の外周面には、ギヤ歯が形成されている。プラネタリギヤ45は、たとえば、複数設けられ、サンギヤ44の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ45の外周面には、ギヤ歯が形成されている。各プラネタリギヤ45は、サンギヤ44と噛合している。キャリア46は、各プラネタリギヤ45を回転可能に一括して保持している。リングギヤ47は、円環状をなし、サンギヤ44およびプラネタリギヤ45の周囲を取り囲むように配置されている。リングギヤ47は、変速機3の入力軸7に保持されている。リングギヤ47の内周面には、ギヤ歯が形成されている。リングギヤ47は、各プラネタリギヤ45と噛合している。
逆転クラッチ42は、トルコン出力軸22とキャリア46との間に介装されている。逆転クラッチ42が締結されると、トルコン出力軸22とキャリア46とが連結されて、それらが一体的に回転可能になる。逆転クラッチ42が切断されると、トルコン出力軸22とキャリア46とが分離されて、それらが個別に回転可能になる。
前進ブレーキ43は、作動状態(オン)でキャリア46の回転を停止させ、非作動状態でキャリア46の回転を許容するブレーキ機構である。
逆転クラッチ42が切断され、前進ブレーキ43が作動している状態において、E/G出力軸13からの動力がトルコン出力軸22に伝達されると、サンギヤ44がトルコン出力軸22とともに回転する。そして、サンギヤ44の回転がプラネタリギヤ45を介してリングギヤ47に伝達され、リングギヤ47がサンギヤ44と逆方向に回転する。このとき、リングギヤ47の回転は、変速機3、ファイナルギヤ9およびディファレンシャルギヤ10を介して、ドライブシャフト11L,11Rに伝達され、駆動輪12L,12Rを車両1の前進方向に回転させる。
逆転クラッチ42が継合され、前進ブレーキ43が作動していない状態において、E/G出力軸13からの動力がトルコン出力軸22に伝達されると、サンギヤ44およびプラネタリギヤ45がトルコン出力軸22とともに回転する。プラネタリギヤ45の回転がリングギヤ47に伝達され、リングギヤ47がサンギヤ44と同方向に回転する。このとき、リングギヤ47の回転は、変速機3、ファイナルギヤ9、ディファレンシャルギヤ10およびドライブシャフト11L,11Rに伝達され、駆動輪12L,12Rを車両1の後進方向に回転させる。
また、E/G出力軸13には、フライホイール51が保持されている。フライホイール51の外周には、ギヤ歯(アウタリングギヤ)が形成されている。
さらにまた、トルコン出力軸22には、伝達ギヤ52が保持されている。
車両1は、モータジェネレータ61を備えている。
モータジェネレータ61には、M/G軸62が連結されている。M/G軸62は、モータジェネレータ61の回転軸であってもよいし、その回転軸と一体回転可能に連結された軸であってもよい。
M/G軸62には、第1ギヤ63、第2ギヤ64およびドッグクラッチ65が保持されている。
第1ギヤ63は、M/G軸62に相対回転可能に設けられている。第1ギヤ63は、フライホイール51のアウタリングギヤと噛合している。
第2ギヤ64は、M/G軸62に相対回転不能に設けられている。第2ギヤ64は、伝達ギヤ52と噛合している。
ドッグクラッチ65は、M/G軸62に沿って、第1ギヤ63に継合した状態と第1ギヤ63から離間した状態とに移動可能に設けられている。ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合することにより、M/G軸62と第1ギヤ63とが相対回転不能に連結される。そして、この連結により、変速機3の入力軸7とE/G出力軸13とは、入力軸7側から、トルコン出力軸22、伝達ギヤ52、第2ギヤ64、M/G軸62、ドッグクラッチ65、第1ギヤ63およびフライホイール51を介して、動力を伝達可能に連結される。
また、ドッグクラッチ65には、ワンウェイクラッチ66が内蔵されている。ワンウェイクラッチ66は、変速機3の入力軸7からE/G出力軸13への動力の伝達を許容し、E/G出力軸13から変速機3の入力軸7への動力の伝達を阻止するように構成されている。
なお、ドッグクラッチ65は、油圧アクチュエータなどの駆動源を含む駆動機構により、M/G軸62に沿って移動される。
さらに、車両1は、オイルポンプ71を備えている。
オイルポンプ71は、トルコン出力軸22に設けられている。具体的には、トルコン出力軸22には、前後進切替機構15よりもエンジン2側の位置に、オイルポンプ71の入力軸がトルコン出力軸22と同軸に設けられている。これにより、オイルポンプ71のポンプ軸は、トルコン出力軸22と一体的に回転し、オイルポンプ71は、トルコン出力軸22の回転によって駆動される。オイルポンプ71からオイルが送り出される。オイルポンプ71から送り出されるオイルは、変速機3に供給される。
なお、オイルポンプ71は、伝達ギヤ52よりもエンジン2側に設けられていてもよいし、前後進切替機構15よりもエンジン2側であれば、伝達ギヤ52よりも変速機3側に設けられていてもよい。
図2は、エンジン2の始動およびオイルポンプ71の発生油圧の立ち上げの際の動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
エンジン2の始動の際には、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25および前後進切替機構15の逆転クラッチ42が切断される。また、前後進切替機構15の前進ブレーキ43が非作動状態にされる。さらに、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合される。
そして、モータジェネレータ61が制御され、モータジェネレータ61がモータとして駆動される。これにより、モータジェネレータ61で発生する動力がM/G軸62、ドッグクラッチ65、第1ギヤ63およびフライホイール51を介してE/G出力軸13に伝達される。その結果、E/G出力軸13が回転し、エンジン2がクランキングを経て始動する。エンジン2の始動直後、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に噛合した状態で、エンジン2の発生動力および回転数が上昇したときに、ワンウェイクラッチ66は、E/G出力軸13の回転がフライホイール51、第1ギヤ63およびドッグクラッチ65を介してM/G出力軸13に伝達されることを防止する。
また、モータジェネレータ61で発生する動力がM/G軸62、第2ギヤ64および伝達ギヤ52を介してトルコン出力軸22に伝達されて、トルコン出力軸22が回転する。トルコン出力軸22の回転により、オイルポンプ71が駆動され、オイルポンプ71の発生油圧が上昇する。このとき、前進ブレーキ43が非作動状態であるので、トルコン出力軸22の回転は、変速機3の入力軸7には伝達されない。
図3は、車両1の走行開始の際の動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
エンジン2の始動後、運転者によってアクセルペダルが操作されて、車両1が発進される際には、前後進切替機構15の前進ブレーキ43が非作動状態から作動状態にされる。このとき、キャリア46の回転の状態によっては、前進ブレーキ43が非作動状態から作動状態に徐々に変えられてもよい。また、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63から離間されて、E/G出力軸13とM/G軸62との連結が解除される。
ロックアップクラッチ25が切断されているので、E/G出力軸13の動力により、トルコン入力軸21およびポンプインペラ23が回転する。ポンプインペラ23が回転すると、ポンプインペラ23からタービンランナ24に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ24で受けられて、タービンランナ24が回転する。そして、タービンランナ24の回転による動力がトルコン出力軸22から出力される。
前後進切替機構15の逆転クラッチ42が切断され、前進ブレーキ43が作動しているので、トルコン出力軸22の動力は、遊星歯車機構41のサンギヤ44を介してプラネタリギヤ45に伝達され、プラネタリギヤ45を回転させる。そして、プラネタリギヤ45の回転がリングギヤ47に伝達され、リングギヤ47が回転することにより、トルコン出力軸22の動力が変速機3の入力軸7に伝達される。このとき、キャリア46が固定されているので、トルコン出力軸22の動力は、減速および反転されて、入力軸7に伝達される。
入力軸7の動力は、プライマリプーリ4、Vベルト6、セカンダリプーリ5、出力軸8、ファイナルギヤ9およびディファレンシャルギヤ10を介して、ドライブシャフト11L,11Rに伝達され、駆動輪12L,12Rを車両1の前進方向に回転させる。これにより、車両1が発進する。
モータジェネレータ61は、車両1の発進前から継続して、モータとして駆動される。モータジェネレータ61で発生する動力は、M/G軸62、第2ギヤ64および伝達ギヤ52を介してトルコン出力軸22に伝達される。これにより、トルコン出力軸22の回転がモータジェネレータ61からの動力でアシストされる。そのため、車両1がもたつき感なく良好に発進する。このとき、E/G出力軸13とM/G軸62との連結が解除されているので、モータジェネレータ61で発生する動力は、E/G出力軸13に伝達されない。
また、トルコン出力軸22の回転により、オイルポンプ71が駆動され、オイルポンプ71の発生油圧がさらに上昇する。
図4は、車両1の加速時における動力の伝達の様子を図解的に示す図である。図5は、エンジン2の最適燃費線の一例を示す図である。
車両1の発進後、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が継合される。ロックアップクラッチ25が継合されると、E/G出力軸13からトルコン入力軸21に入力される動力により、ポンプインペラ23およびタービンランナ24が一体となって回転する。これにより、トルコン入力軸21に入力される動力は、速度変化なく、トルコン出力軸22に伝達される。トルコン出力軸22から駆動輪12L,12Rへの動力の伝達経路は、ロックアップクラッチ25の継合前から変わらないので、その説明を省略する。
車両1の走行中に、運転者によってアクセルペダルが踏み込まれると、エンジン2に発生動力(トルク)の増大が要求される。
このとき、モータジェネレータ61がモータとして駆動されると、モータジェネレータ61で発生する動力は、トルコン出力軸22に伝達され、トルコン出力軸22の回転をアシストする。その結果、車両の加速がアシストされるので、ドライバビリティが向上する。一方、モータジェネレータ61が発電機として駆動されると、モータジェネレータ61より、トルコン出力軸22から伝達ギヤ52、第2ギヤ64およびM/G軸62を介してモータジェネレータ61に伝達される動力が電力に回生される。これにより、車両1の燃費が向上する。
図5に示されるように、エンジン2は、燃費が最良となるような回転数と発生動力との関係を示す最適燃費線を有している。エンジン2の回転数および発生動力がエンジン2の最適燃費線に近づくように、モータジェネレータ61がモータ/発電機として適宜切り替えて駆動されてもよい。これにより、車両1の良好な加速を確保しつつ、車両1の燃費を向上させることができる。
図6および図7は、車両1の高速コースト走行中における動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
運転者によるアクセルペダルの踏み込みがなくなると、フューエルカット制御が行われて、エンジン2に対する燃料の供給が停止され、車両1が高車速でのコースト走行(高速コースト走行)状態となる。
このとき、駆動輪12L,12Rからの動力がそれぞれドライブシャフト11L,11Rを介してディファレンシャルギヤ10に伝達される。そして、その動力は、ディファレンシャルギヤ10からファイナルギヤ9を介して、変速機3の出力軸8に伝達され、セカンダリプーリ5、Vベルト6およびプライマリプーリ4をさらに介して、変速機3の入力軸7に伝達される。このとき、出力軸8から入力軸7に伝達される動力は、所定の変速比で変速される。
車両1の高速コースト走行中は、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が切断される。ロックアップクラッチ25が切断された状態では、図6に示されるように、トルコン出力軸22の動力がトルコン入力軸21に伝達されず、トルコン入力軸21からE/G出力軸13に動力が入力されない。そのため、エンジン2は、惰性で回転する。
また、車両1の高速コースト走行中、オイルポンプ71の発生油圧が変速機3に必要な油圧以上に確保されるように、トルコン出力軸22の回転数、つまりオイルポンプ71の回転数が調整される。この回転数の調整は、変速機3の変速比およびモータジェネレータ61の制御によってなされる。すなわち、オイルポンプ71の回転数が変速機3に必要とされる油圧以上の油圧を発生可能な回転数(たとえば、1400rpm)となるように、変速機3の変速比が調整されつつ、モータジェネレータ61がモータ/発電機として適宜切り替えて駆動される。
エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低の回転数(たとえば、300rpm)付近まで低下すると、エンジン2の回転数をその最低回転数以上に維持するため、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合されて、E/G出力軸13とM/G軸62とが連結される。これにより、図7に示されるように、トルコン出力軸22の動力が伝達ギヤ52、第2ギヤ64、M/G軸62、ドッグクラッチ65、第1ギヤ63およびフライホイール51を介してE/G出力軸13に伝達される。トルコン出力軸22の動力は、伝達ギヤ52と第2ギヤ64とのギヤ比および第1ギヤ63とフライホイール51のアウタリングギヤとのギヤ比により、減速されて、E/G出力軸13に伝達される。
図8は、車両1の高速コースト走行中にエンジン2が再始動されるときの動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
車両1の高速コースト走行中に、運転者によってアクセル操作がなされると、エンジン2が再始動される。エンジン2は、その回転数が自立復帰可能な最低回転数以上に維持されているので、エンジン2に対する燃料の供給が再開されて、エンジン2の点火プラグがスパークされることにより、エンジン2が駆動状態に復帰する。そして、エンジン2の回転数をモータジェネレータ61の動力によって最低回転数以上に維持する必要がなくなると、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63から離間される。
その後、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が半クラッチ状態を経て継合される。半クラッチ状態を経ることにより、ロックアップクラッチ25の継合によるショックの発生を抑制できる。ロックアップクラッチ25の継合後の動力の伝達の様子は、車両1の加速時(図4参照)と同様である。
また、車両1のコースト走行が再び開始され、高速コースト走行状態から低車速(たとえば、20km/h以下)でのコースト走行状態になる。この低速コースト走行中は、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が切断される。車両1の低速コースト走行中の動力の伝達の様子は、車両1の高速コースト走行中(図6参照)と同様である。
図9は、車両1の低速コースト走行中にオイルポンプ71の発生油圧が変速機3に必要な油圧以上に確保される際の動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
車両1の低速コースト走行により、車両1の車速が低下すると、駆動輪12L,12Rからトルコン出力軸22に伝達される動力のみによっては、オイルポンプ71の発生油圧を変速機3に必要な油圧以上に確保できなくなる。この場合、前進ブレーキ43が非作動状態にされると、変速機3の入力軸7からトルコン出力軸22への動力の伝達がなくなる。そして、モータジェネレータ61がモータとして駆動される。これにより、モータジェネレータ61で発生する動力は、トルコン出力軸22に伝達され、オイルポンプ71の回転数が変速機3に必要とされる油圧以上の油圧を発生可能な回転数に調整される。その結果、オイルポンプ71の発生油圧が変速機3に必要な油圧、たとえば、プライマリプーリ4およびセカンダリプーリ5に対するVベルト6の挟圧力が確保可能な油圧以上に確保される。
図10は、車両1の低速コースト走行中にエンジン2の回転数が最低回転数以上に維持される際の動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
また、車両1の低速コースト走行中に、エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低の回転数付近まで低下すると、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合されて、E/G出力軸13とM/G軸62とが連結される。そして、モータジェネレータ61がモータとして駆動される。これにより、モータジェネレータ61で発生する動力は、トルコン出力軸22に伝達されるとともに、E/G出力軸13に伝達される。その結果、オイルポンプ71の発生油圧が変速機3に必要な油圧以上に確保されるとともに、エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低回転数以上に維持される。
車両1の低速コースト走行中に、運転者によってアクセル操作がなされると、エンジン2が再始動される。
エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低回転数以上に維持されている場合、エンジン2に対する燃料の供給が再開されて、エンジン2の点火プラグがスパークされることにより、エンジン2が駆動状態に復帰する。
一方、エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低回転数未満に低下している場合、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合される。そして、モータジェネレータ61が制御され、モータジェネレータ61がモータとして駆動される。これにより、モータジェネレータ61で発生する動力がE/G出力軸13に伝達される(図2参照)。その結果、E/G出力軸13が回転し、エンジン2がクランキングを経て始動する。
以上のように、車両1のコースト走行時には、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が切断されて、ドッグクラッチ65が継合される。これにより、駆動輪12L,12Rから変速機3の入力軸7に伝達される動力は、M/G軸62を介して、E/G出力軸13に伝達される。このとき、駆動輪12L,12Rからの動力は、減速されて、入力軸7に伝達される。そのため、E/G出力軸13の回転数が変速機3の入力軸7の回転数よりも低くなる。よって、車両1のコースト走行時に、エンジン2の回転数を変速機3の入力軸7の回転数よりも下げることができ、エンジン2のフリクションやポンピングロスを低減することができる。その結果、車両1の燃費を向上させることができる。また、高速コースト走行時には、エンジン2のフリクションやポンピングロスが低減されることにより、車両1に生じる減速力を低減することができる。その結果、車両1の減速度を弱めるための不必要なアクセル操作を抑制することができ、車両1の燃費を向上させることができる。
高速コースト走行時には、駆動輪12L,12Rから変速機3の入力軸7に伝達される動力により、オイルポンプ71が駆動される。そのため、オイルポンプ71を高回転数で駆動することができ、オイルポンプ71で十分な油圧を発生させることができる。
低速コースト走行時に、車速の低下に伴って、オイルポンプ71の発生油圧が必要とされる油圧よりも低くなると、モータジェネレータ61がモータとして駆動され、モータジェネレータ61からの動力がM/G軸62を介して変速機3の入力軸7に伝達される。これにより、オイルポンプ71の回転数を上げることができ、オイルポンプ71の発生油圧を必要な油圧以上に確保することができる。
低速コースト走行時に、モータジェネレータ61がモータとして駆動され、モータジェネレータ61からの動力がE/G出力軸13に伝達されて、エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低の回転数以上に確保されてもよい。この場合、エンジン2に対する燃料の供給が停止されていても、燃料の供給が再開されて、エンジン2の点火プラグがスパークされることにより、エンジン2を速やかに再始動させることができる。
低速コースト走行時、モータジェネレータ61がモータとして駆動されずに、エンジン2の回転数が自立復帰可能な最低の回転数よりも低下してもよい。この場合、エンジン2のフリクションやポンピングロスをさらに低減することができ、車両1の燃費を一層向上させることができる。
また、車両1の加速時に、ロックアップクラッチ25が継合され、ドッグクラッチ65が切断されて、モータジェネレータ61がモータとして駆動されることにより、モータジェネレータ61からの動力がM/G軸62を介して変速機3の入力軸7に伝達されてもよい。この動力により、車両1の加速をアシストすることができる。よって、車両1を良好に加速させることができ、ドライバビリティが向上する。また、モータジェネレータ61が発電機(ジェネレータ)として駆動されてもよい。このとき、変速機3の入力軸7の動力を電力に回生することができ、車両1の燃費をさらに向上させることができる。また、モータジェネレータ61がモータ/発電機として適宜切り替えて駆動されてもよい。これにより、エンジン2の回転数とエンジン2が発生する動力との関係をエンジン2の最適燃費線に近づけることができ、車両1の燃費をさらに向上させることができる。
図11は、本発明の第2実施形態に係る動力伝達機構が組み込まれた車両1の駆動系統の構成を概念的に示す図である。図11以降の各図において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、図11に示される構成について、図1に示される構成との相違点のみを説明する。
図11に示される構成の車両1では、オイルポンプ71がM/G軸62に設けられている。すなわち、オイルポンプ71の入力軸は、M/G軸62と同軸に設けられている。そして、第2ギヤ64は、M/G軸62に相対回転可能に設けられている。また、M/G軸62には、ドッグクラッチ67が保持されている。ドッグクラッチ67は、M/G軸62に沿って、第2ギヤ64に継合した状態と第2ギヤ64から離間した状態とに移動可能に設けられている。ドッグクラッチ67が第2ギヤ64に継合することにより、M/G軸62と第2ギヤ64とが相対回転不能に連結される。そして、この連結により、変速機3の入力軸7とM/G軸62とは、入力軸7側から、トルコン出力軸22、伝達ギヤ52、第2ギヤ64およびドッグクラッチ67を介して、動力を伝達可能に連結される。
図12は、図11に示されるエンジン2の始動およびオイルポンプ71の発生油圧の立ち上げの際の動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
エンジン2の始動の際には、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25および前後進切替機構15の逆転クラッチ42が切断される。また、前後進切替機構15の前進ブレーキ43が非作動状態にされる。さらに、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合され、ドッグクラッチ67が第2ギヤ64から離間される。
そして、モータジェネレータ61が制御され、モータジェネレータ61がモータとして駆動される。これにより、モータジェネレータ61で発生する動力がM/G軸62、ドッグクラッチ65、第1ギヤ63およびフライホイール51を介してE/G出力軸13に伝達される。その結果、E/G出力軸13が回転し、エンジン2がクランキングを経て始動する。
また、モータジェネレータ61で発生する動力により、M/G軸62が回転され、M/G軸62の回転により、オイルポンプ71が駆動される。これにより、オイルポンプ71の発生油圧が上昇する。
図13は、図11に示される車両1の走行開始の際の動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
エンジン2の始動後、運転者によってアクセルペダルが操作されて、車両1が発進される際には、前後進切替機構15の前進ブレーキ43が非作動状態から作動状態にされる。このとき、キャリア46の回転の状態によっては、前進ブレーキ43が非作動状態から作動状態に徐々に変えられてもよい。また、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63から離間されて、E/G出力軸13とM/G軸62との連結が解除される。
ロックアップクラッチ25が切断されているので、E/G出力軸13の動力により、トルコン入力軸21およびポンプインペラ23が回転する。ポンプインペラ23が回転すると、ポンプインペラ23からタービンランナ24に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ24で受けられて、タービンランナ24が回転する。そして、タービンランナ24の回転による動力がトルコン出力軸22から出力される。
前後進切替機構15の逆転クラッチ42が切断され、前進ブレーキ43が作動しているので、トルコン出力軸22の動力は、遊星歯車機構41のサンギヤ44を介してプラネタリギヤ45に伝達され、プラネタリギヤ45を回転させる。そして、プラネタリギヤ45の回転がリングギヤ47に伝達され、リングギヤ47が回転することにより、トルコン出力軸22の動力が変速機3の入力軸7に伝達される。このとき、キャリア46が固定されているので、トルコン出力軸22の動力は、減速されて、入力軸7に伝達される。
入力軸7の動力は、プライマリプーリ4、Vベルト6、セカンダリプーリ5、出力軸8、ファイナルギヤ9およびディファレンシャルギヤ10を介して、ドライブシャフト11L,11Rに伝達され、駆動輪12L,12Rを車両1の前進方向に回転させる。これにより、車両1が発進する。
モータジェネレータ61は、車両1の発進前から継続して、モータとして駆動される。これにより、オイルポンプ71が駆動され、オイルポンプ71の発生油圧がさらに上昇する。
図14は、図11に示される車両1の加速時における動力の伝達の様子を図解的に示す図である。
車両1の発進後、トルクコンバータ14のロックアップクラッチ25が継合される。ロックアップクラッチ25が継合されると、E/G出力軸13からトルコン入力軸21に入力される動力により、ポンプインペラ23およびタービンランナ24が一体となって回転する。これにより、トルコン入力軸21に入力される動力は、速度変化なく、トルコン出力軸22に伝達される。トルコン出力軸22から駆動輪12L,12Rへの動力の伝達経路は、ロックアップクラッチ25の継合前から変わらないので、その説明を省略する。
また、モータジェネレータ61は、車両1の発進前から継続して、モータとして駆動される。これにより、オイルポンプ71が駆動され続ける。
なお、図11に示される車両1の高速コースト走行中および低速コースト走行中は、ドッグクラッチ65が第1ギヤ63に継合されている。また、モータジェネレータ61の発生動力によるオイルポンプ71の駆動時以外は、ドッグクラッチ67が第2ギヤ64に継合されている。図11に示される車両1の高速コースト走行中および低速コースト走行中のその他の各動作については、図1に示される車両1の場合と同様である。
以上のように、車両1のコースト走行時には、ロックアップクラッチ25が切断されて、ドッグクラッチ65およびドッグクラッチ67が継合される。これにより、駆動輪12L,12Rから変速機3の入力軸7に伝達される動力は、M/G軸62を介して、E/G出力軸13に伝達される。このとき、駆動輪12L,12Rからの動力は、減速されて、入力軸7に伝達される。そのため、E/G出力軸13の回転数が変速機3の入力軸7の回転数よりも低くなる。よって、車両1のコースト走行時に、エンジン2の回転数を変速機3の入力軸7の回転数よりも下げることができ、エンジン2のフリクションやポンピングロスを低減することができる。その結果、車両1の燃費を向上させることができる。また、高速コースト走行時には、エンジン2のフリクションやポンピングロスが低減されることにより、車両1に生じる減速力を低減することができる。その結果、車両1の減速度を弱めるための不必要なアクセル操作を抑制することができ、車両1の燃費を向上させることができる。
高速コースト走行時には、駆動輪12L,12Rから変速機3の入力軸7に伝達される動力により、M/G軸62が回転し、M/G軸62の回転により、オイルポンプ71が駆動される。そのため、オイルポンプ71を高回転数で駆動することができ、オイルポンプ71で十分な油圧を発生させることができる。
高速コースト走行時に、オイルポンプ71の回転数が高くなりすぎるのを防止するため、ドッグクラッチ67が切断されてもよい。この場合、モータジェネレータ61がモータとして駆動され、モータジェネレータ61からの動力により、オイルポンプ71が駆動されることにより、オイルポンプ71の発生油圧が必要な油圧以上に確保されるとよい。これにより、オイルポンプ71の回転数が高くなりすぎることによる過剰損失の発生を防止できながら、オイルポンプ71の発生油圧を必要な油圧以上に確保することができる。
低速コースト走行時に、車速の低下に伴って、オイルポンプ71の発生油圧が必要とされる油圧よりも低くなると、モータジェネレータ61がモータとして駆動されてもよい。この場合、モータジェネレータ61からの動力により、オイルポンプ71を駆動することができる。これにより、オイルポンプ71の発生油圧を必要な油圧以上に確保することができる。
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、E/G出力軸13とM/G軸62との間での動力の伝達は、第1ギヤ63およびフライホイール51のアウタリングギヤからなるギヤ機構に限らず、図15に示されるように、E/G出力軸13に保持されたプーリ81と、M/G軸62に保持されたプーリ82と、プーリ81およびプーリ82に巻き掛けられたベルト83とを含むプーリ・ベルト機構であってもよい。この場合、ドッグクラッチ65に代えて、M/G軸62におけるモータジェネレータ61とプーリ82との間の部分に、湿式・乾式単板型のクラッチなどの断接クラッチ84が介装されて、断接クラッチ84がドッグクラッチ65と同様に断接させるとよい。
また、伝達ギヤ52に代えて、トルコン出力軸22にスプロケットが保持され、第2ギヤ64に代えて、M/G軸62にスプロケットが保持されて、それらのスプロケットにチェインが巻き掛けられた構成が採用されてもよい。
図1および図11に示される構成において、ドッグクラッチ65,67に代えて、シンクロメッシュ機構付きのクラッチ、湿式・乾式単板型のクラッチなどの断接クラッチが設けられてもよい。
また、トルクコンバータ14に代えて、湿式・乾式単板型のクラッチなどの断接クラッチが設けられて、その断接クラッチがロックアップクラッチ25と同様に断接されてもよい。
また、前述の実施形態では、ドッグクラッチ65にワンウェイクラッチ66が内蔵された構成を例にとったが、この構成に限らず、M/G軸62と第1ギヤ63との回転数差に応じて一方向にトルクを伝達できる機能を有する構成であれば、たとえば、トルクダイオードが用いられてもよい。
さらにまた、変速機3として、Vベルト式の無段変速機を例示したが、変速機3は、Vベルト式以外の型式の無段変速機であってもよいし、無段変速機に限らず、有段変速機であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
2 エンジン
3 変速機
7 入力軸
13 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
25 ロックアップクラッチ(第1クラッチ)
51 フライホイール(減速機構)
52 伝達ギヤ(減速機構)
61 モータジェネレータ
62 M/G軸
63 第1ギヤ(減速機構)
64 第2ギヤ(減速機構)
65 ドッグクラッチ(第2クラッチ)
67 ドッグクラッチ(第3クラッチ)
71 オイルポンプ
2 エンジン
3 変速機
7 入力軸
13 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
25 ロックアップクラッチ(第1クラッチ)
51 フライホイール(減速機構)
52 伝達ギヤ(減速機構)
61 モータジェネレータ
62 M/G軸
63 第1ギヤ(減速機構)
64 第2ギヤ(減速機構)
65 ドッグクラッチ(第2クラッチ)
67 ドッグクラッチ(第3クラッチ)
71 オイルポンプ
Claims (2)
- エンジン、モータジェネレータ、変速機およびオイルポンプを搭載した車両に適用され、前記エンジンと前記変速機との間で動力を伝達する動力伝達機構であって、
前記エンジンの出力軸と前記変速機の入力軸との間に設けられた第1クラッチと、
前記第1クラッチを迂回して前記エンジンの出力軸と前記変速機の前記入力軸とに連結され、かつ、前記モータジェネレータに連結されたM/G軸と、
前記エンジンの前記出力軸と前記M/G軸との間に設けられた第2クラッチと、
前記M/G軸に設けられ、前記第2クラッチが継合された状態において、前記エンジンの前記出力軸の回転数を前記変速機の前記入力軸の回転数よりも低くするための減速機構とを含み、
前記変速機の前記入力軸に、前記オイルポンプが設けられている、動力伝達機構。 - エンジン、モータジェネレータ、変速機およびオイルポンプを搭載した車両に適用され、前記エンジンと前記変速機との間で動力を伝達する動力伝達機構であって、
前記エンジンの出力軸と前記変速機の入力軸との間に設けられた第1クラッチと、
前記第1クラッチを迂回して前記エンジンの出力軸と前記変速機の前記入力軸とに連結され、かつ、前記モータジェネレータに連結されたM/G軸と、
前記エンジンの前記出力軸と前記M/G軸との間に設けられた第2クラッチと、
前記変速機の前記入力軸と前記M/G軸との間に設けられた第3クラッチと、
前記M/G軸に設けられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが継合された状態において、前記エンジンの前記出力軸の回転数を前記変速機の前記入力軸の回転数よりも低くするための減速機構とを含み、
前記M/G軸に、前記オイルポンプが設けられている、動力伝達機構。
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-
2013
- 2013-06-28 JP JP2013137075A patent/JP2015010668A/ja active Pending
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