JP2015010220A - チェーン用潤滑油の製造方法及びチェーン用潤滑油の供給方法 - Google Patents

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Kunihito Yoshii
邦仁 吉井
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Abstract

【課題】高温下でチェーンを使用しても、チェーンから漏れ難いチェーン用潤滑油の製造方法及びチェーン用潤滑油の供給方法を提供する。
【解決手段】チェーン用潤滑油の製造方法は、基油と増粘剤とを混合した混合物を増粘剤の融点以上で加熱する加熱ステップと、混合物に超高分子量ポリオレフィンを超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で混合する混合ステップとを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、チェーン用潤滑油の製造方法及びチェーン用潤滑油の供給方法に関する。
一般に、物品の搬送や動力の伝達等に使用されるチェーンは、前後一対のブシュの両端部を左右一対の内プレートのブシュ孔に圧入してなる内リンクと、ブシュ内にそれぞれ挿入される前後一対のピンの両端部を左右一対の外プレートのピン孔に圧入してなる外リンクとが交互に連結されたものが知られている(例えば、特許文献1)。
このようなチェーンでは、通常、ピンとブシュとの間に潤滑油が介在されている。そして、ピンとブシュとの間の潤滑油が漏れ出さないように、内プレートと外プレートとの間に漏出遮断空隙領域を形成して潤滑油に働く毛管現象を抑制している。
特開2010−270774号公報
ところで、上述のようなチェーンでは、潤滑油に働く毛管現象を抑制することでピンとブシュとの間の潤滑油の漏れを抑制しているものの、高温下で使用されると、ピンとブシュとの間の潤滑油の粘度が著しく低下するため、ピンとブシュとの間の潤滑油が極めて漏れ易い状態となる。このように、高温下でのチェーンの使用時における潤滑油の漏れ対策については未だ改善の余地がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、高温下でチェーンを使用しても、チェーンから漏れ難いチェーン用潤滑油の製造方法及びチェーン用潤滑油の供給方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するチェーン用潤滑油の製造方法は、基油と増粘剤とを混合した混合物を前記増粘剤の融点以上で加熱する加熱ステップと、前記混合物に超高分子量ポリオレフィンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で混合する混合ステップと、を備えた。
この構成によれば、チェーン用潤滑油は、超高分子量ポリオレフィンが超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で基油と増粘剤との混合物に混合されてなるので、超高分子量ポリオレフィンがほぼ均一に分散している。このため、チェーン用潤滑油は、一旦超高分子量ポリオレフィンの融点以上に加熱されると、温度に関係なく粘度が高い状態で維持される。したがって、このチェーン用潤滑油をチェーンに供給することで、高温下でチェーンを使用しても、チェーンからチェーン用潤滑油を漏れ難くすることが可能となる。
上記課題を解決するチェーン用潤滑油の供給方法は、基油と増粘剤とを混合した混合物を前記増粘剤の融点以上で加熱する加熱ステップと、前記混合物に超高分子量ポリオレフィンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で混合する混合ステップとを備えたチェーン用潤滑油の製造方法によって製造されたチェーン用潤滑油を、前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で加熱して粘度を低下させる粘度低下ステップと、前記粘度低下ステップで粘度が低下した状態の前記チェーン用潤滑油にチェーンを浸漬する浸漬ステップと、を備えた。
この構成によれば、粘度が低い状態のチェーン用潤滑油にチェーンが浸漬されるので、チェーンに効率よくチェーン用潤滑油を供給することが可能となる。
上記チェーン用潤滑油の供給方法において、前記浸漬ステップで前記チェーン用潤滑油が供給された前記チェーンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも高い温度で加熱して前記チェーンに供給された前記チェーン用潤滑油を増粘させる増粘ステップをさらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、チェーンに供給されたチェーン用潤滑油が増粘されるため、チェーンが超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で使用された場合でも、チェーンからチェーン用潤滑油を漏れ難くすることが可能となる。
本発明によれば、高温下でチェーンを使用しても、チェーンからチェーン用潤滑油を漏れ難くすることができる。
一実施形態のチェーンの一部を概略的に示す分解斜視図。 同チェーンを概略的に示す部分断面図。 同チェーンに使用されるチェーン用潤滑油の実施例及び比較例を示す表。 同チェーン用潤滑油の粘度と温度との関係を測定する際の温度変化条件を示すグラフ。 実施例1のチェーン用潤滑油における粘度と温度との関係を示すグラフ。 比較例1のチェーン用潤滑油における粘度と温度との関係を示すグラフ。
以下、チェーン用潤滑油及びチェーンの一実施形態について説明する。
チェーン用潤滑油は、基油、増粘剤、超高分子量ポリオレフィンを含有する。
<基油>
基油としては、鉱油及び合成油から選ばれる少なくとも一種が好適に用いられる。鉱油としては、パラフィン油として市販されるものを用いることができる。鉱油の成分としては、流動パラフィン等のパラフィン系炭化水素が挙げられる。パラフィン系炭化水素は、n−d−M法の環分析において、パラフィン炭素数(%CP)が50以上のものを示す。
合成油としては、例えば、合成炭化水素(ポリ−α−オレフィン:PAO、エチレンとα−オレフィンとのコオリゴマー、ポリブテン等)、エステル、ポリフェニルエーテル、ポリアルキレングリコール、シリコーン、及びフルオロカーボンが挙げられる。エステルとしては、例えば、ヒンダードエステル(二塩基酸エステル、ポリオールエステル等)、ジエステル、リン酸エステル、及びケイ酸エステルが挙げられる。合成油としては、合成炭化水素及びエステルから選ばれる少なくとも一種が好ましい。なお、基油として、動植物油を用いてもよい。基油は、一種又は二種以上を用いることができる。
チェーン用潤滑油中における基油の含有量は、好ましくは75質量%以上である。
<増粘剤>
増粘剤は、常温(25℃)で固体状であり、基油に分散又は溶解することで基油を増粘する働きを有する。増粘剤としては、ワックス、及びポリマーが挙げられる。
ワックスとしては、例えば、石油ワックス、合成ワックス、及び天然ワックスが挙げられる。石油ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラタムが挙げられる。合成ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックスが挙げられる。天然ワックスとしては、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス、及び鉱物系ワックスが挙げられる。動物系ワックスとしては、例えば、蜜ロウ、及びラノリンが挙げられる。植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、及びライスワックスが挙げられる。鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、及びオゾケライトが挙げられる。
チェーン用潤滑油に含有される増粘剤は、平均分子量(Mv)が1000以上、8000以下の増粘剤を含むことが好ましく、平均分子量(Mv)が3000以上、4000以下の増粘剤を含むことがより好ましい。なお、平均分子量(Mv)は、粘度平均分子量を表す。
チェーン用潤滑油中における増粘剤の含有量は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。チェーン用潤滑油中における増粘剤の含有量は、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
<超高分子量ポリオレフィン>
超高分子量ポリオレフィンとしては、例えば、超高分子量ポリエチレンや超高分子量ポリプロピレンなどを用いることができる。超高分子量ポリオレフィンは、好ましくは平均分子量が50万以上、600万以下であることが好ましい。
超高分子量ポリエチレンとしては、三井化学株式会社製の平均分子量が200万のミペロンXM−220(商品名)、平均分子量が180万のミペロンPM−200(商品名)、平均分子量が50万のハイゼックスミリオン030S(商品名)、平均分子量が115万のハイゼックスミリオン145M(商品名)、平均分子量が340万のハイゼックスミリオン340M(商品名)、平均分子量が590万のハイゼックスミリオン630M(商品名)などが挙げられる。
超高分子量ポリプロピレンとしては、旭化成ケミカルズ製の平均分子量が330万のサンファインUH900(商品名)、平均分子量が450万のサンファインUH950(商品名)などが挙げられる。
<その他の成分>
チェーン用潤滑油には、必要に応じて、例えば、油性剤、防錆剤、酸化防止剤、極圧剤、消泡剤などの添加剤を1種又は2種以上組み合わせて含有させることができる。チェーン用潤滑油中における添加剤の含有量は、好ましくは10質量%以下である。
油性剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等の長鎖脂肪酸及びその塩が挙げられる。防錆剤としては、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル類などが挙げられる。酸化防止剤としては、DBPC(2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール)、フェニル−α−ナフチルアミン、ジアリルジチオリン酸亜鉛、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。極圧剤としては、ジアルキルポリスルフィド、アルキルリン酸エステル、アルキルチオリン酸亜鉛などが挙げられる。消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
<チェーン用潤滑油の製造方法>
チェーン用潤滑油を製造する場合には、まず、基油と増粘剤とを混合し、これらの混合物を周知の撹拌機で撹拌しながら増粘剤の融点以上の温度(好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃)まで加熱する(加熱ステップ)。そして、増粘剤が完全に溶融して透明になるのを確認したら、混合物を撹拌しながら増粘剤の融点以上の温度(好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃)で5分保持し、その後、混合物を超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度(好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜110℃)まで自然冷却する。続いて、混合物に超高分子量ポリオレフィンを超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度(好ましくは50〜120℃、より好ましくは70〜110℃)で混合し(混合ステップ)、周知の撹拌機で5分撹拌することで、チェーン用潤滑油が完成する。このとき、必要に応じて油性剤や防錆剤等の添加剤を含有させる。
<チェーンの構成>
図1及び図2に示すように、本実施形態のチェーン11は、その幅方向Yにおいて対向する2つのリンクプレート12を含んで構成される内リンク13と、同じく対向する2つのリンクプレート14を含んで構成される外リンク15とを備えている。
内リンク13は対向する2つのリンクプレート12間の間隔が外リンク15よりも相対的に狭いリンクであり、外リンク15は対向する2つのリンクプレート14間の間隔が内リンク13よりも相対的に広いリンクである。そして、チェーン11は、これらの内リンク13と外リンク15が交互に配置され、その直列方向Xで隣り合う互いの端部同士が回動自在に順次に連結されることで、所定長さに形成されている。
なお、本実施形態のチェーン11における各リンク13,15のリンクプレート12,14は、チェーン11がその長手方向の一方側から引っ張られて移動する場合の移動方向ともなる直列方向Xに沿って延びる丸みを帯びた板状をなし、対向するリンクプレート12,14は互いに平行となるように配置されている。
したがって、この点で本実施形態のチェーン11は、その直列方向Xにおける各リンク13,15の一端側と他端側でリンクプレート12,14間の間隔が等しくなるように構成された所謂フラットタイプのチェーンであると言える。
リンクプレート12の両端部には、それぞれ円形のブシュ挿入孔16がリンクプレート12の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。内リンク13において対向する2つのリンクプレート12間には、リンクプレート12間の距離を保つように円筒状のブシュ17が2つ組み付けられる。
各ブシュ17は、2つのリンクプレート12間を橋架するように、両端部が各リンクプレート12のブシュ挿入孔16に対してそれぞれ嵌合している。各ブシュ17は、それぞれ円筒状のローラ18に挿通されており、各ローラ18を回転可能に支持している。すなわち、各ブシュ17は、各ローラ18に遊嵌されている。
リンクプレート14の両端部には、それぞれブシュ17の内径よりも若干小さい外径を有する円柱状のピン19を挿嵌可能な円形のピン挿入孔20がリンクプレート14の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。そして、外リンク15のリンクプレート14は、ブシュ17が2つのリンクプレート12間に組み付けられて形成された内リンク13におけるリンクプレート12の外側から円柱状のピン19を介して内リンク13のリンクプレート12に回動自在に連結される。
この場合、ピン19は、両端部以外の中間部が内リンク13の2つのリンクプレート12間に組み付けられたブシュ17に挿通された状態で、両端部が各外リンク15のリンクプレート14のピン挿入孔20に対して嵌合している。そして、ブシュ17の内周面とピン19の外周面との間には、チェーン用潤滑油が介在している。
したがって、直列方向Xで隣り合う内リンク13の各リンクプレート12と外リンク15の各リンクプレート14とが端部同士でピン19及びブシュ17によって回動自在に連結されていると言える。そして、チェーン11は、例えば、鋼材等によって形成される。
<チェーン用潤滑油の供給方法>
チェーン用潤滑油をチェーン11に供給する場合には、まず、チェーン用潤滑油を超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度(好ましくは60〜120℃、より好ましくは90〜110℃)で加熱して粘度を低下させる(粘度低下ステップ)。続いて、粘度が低下した状態のチェーン用潤滑油を超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度(好ましくは60〜120℃、より好ましくは90〜110℃)に維持しながらこのチェーン用潤滑油にチェーン11を20分程度浸漬する(浸漬ステップ)。これにより、チェーン11におけるブシュ17の内周面とピン19の外周面との間、ブシュ17の外周面とローラ18の内周面との間、及びリンクプレート12とリンクプレート14との間にチェーン用潤滑油が効率よく供給される。
続いて、チェーン用潤滑油が供給されたチェーン11をチェーン用潤滑油から出した後、このチェーン11を超高分子量ポリオレフィンの融点よりも高い温度(好ましくは120〜160℃、より好ましくは125〜150℃)で加熱して、このチェーン11に供給されたチェーン用潤滑油を増粘させる(増粘ステップ)。そして、このようにチェーン11に供給されたチェーン用潤滑油が増粘されることで、チェーン11が、一度も超高分子量ポリオレフィンの融点以上の温度で使用されることなく超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度(例えば、0〜120℃)で使用された場合でも、チェーン11からチェーン用潤滑油が漏れ難くなる。
<チェーンの作用>
チェーン11は、例えば、物品の搬送又は動力の伝達に用いられる。チェーン11は、例えば、複数のスプロケットに巻き回されて用いられる。このとき、チェーン11が使用される雰囲気温度が高温(例えば、60〜200℃)であっても、チェーン用潤滑油の粘度が高い状態で維持されるため、チェーン11におけるブシュ17の内周面とピン19の外周面との間などからチェーン用潤滑油が漏れ難くなる。したがって、高温下でチェーン11を使用しても、チェーン11におけるブシュ17の内周面とピン19の外周面との間などがチェーン用潤滑油によって好適に潤滑される。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)チェーン用潤滑油は、超高分子量ポリオレフィンが超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で基油と増粘剤との混合物に混合されてなるので、超高分子量ポリオレフィンがほぼ均一に分散している。このため、チェーン用潤滑油は、一旦超高分子量ポリオレフィンの融点以上に加熱されると、温度に関係なく粘度が高い状態で維持される。したがって、チェーン用潤滑油をチェーン11に供給することで、高温下でチェーン11を使用しても、チェーン11からチェーン用潤滑油を漏れ難くすることができる。よって、高温下でもチェーン用潤滑油によってチェーン11を好適に潤滑することができる。
(2)超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で加熱して粘度を低下させた状態のチェーン用潤滑油にチェーン11を浸漬することで、チェーン用潤滑油がチェーン11に供給されるため、チェーン11に効率よくチェーン用潤滑油を供給することができる。
(3)チェーン用潤滑油が供給されたチェーン11は、超高分子量ポリオレフィンの融点よりも高い温度で加熱することで、チェーン11に供給されたチェーン用潤滑油が増粘される。このため、チェーン用潤滑油が供給されたチェーン11が超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で使用された場合でも、チェーン11からチェーン用潤滑油が漏れ難くすることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は次のように変更して構成することもできる。
・チェーン用潤滑油を適用するチェーンは、特に限定されず、例えば、ローラ18を省略したブシュチェーンであってもよい。
・チェーン用潤滑油の供給方法において、増粘ステップは省略してもよい。
・チェーン用潤滑油をチェーン11に供給する場合には、チェーン11の組み立て時にチェーン11を構成する各部品(ピン19、ブシュ17、ローラ18、リンクプレート12,14)にチェーン用潤滑油を塗布する(付着させる)ようにしてもよい。特に、チェーン11が大型のものである場合には、チェーン11を構成する各部品にチェーン用潤滑油を手作業で塗るようにすることが好ましい。
次に、実施例及び比較例を説明する。
(実施例1)
基油(鉱油、商品名:シェルビトリヤオイル100、昭和シェル石油株式会社製)と、増粘剤(ポリエチレンワックス、商品名:三井ハイワックス320P、三井化学株式会社製)と、超高分子量ポリオレフィン(超高分子量ポリエチレン、商品名:ミペロンPM−200(平均分子量180万)、三井化学株式会社製)とを用いて、上述のチェーン用潤滑油の製造方法によりチェーン用潤滑油を製造した。
そして、図3の表に示すように、基油85質量%と、増粘剤10質量%と、超高分子量ポリオレフィン5質量%とを含むチェーン用潤滑油を実施例1とした。
(実施例2)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を90質量%に変更し、増粘剤の含有量を5質量%に変更したものを実施例2とした。
(実施例3)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を75質量%に変更し、増粘剤の含有量を20質量%に変更したものを実施例3とした。
(実施例4)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を92質量%に変更し、増粘剤の含有量を5質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンの含有量を3質量%に変更したものを実施例4とした。
(実施例5)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を87質量%に変更し、増粘剤の含有量を10質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンの含有量を3質量%に変更したものを実施例5とした。
(実施例6)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を77質量%に変更し、増粘剤の含有量を20質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンの含有量を3質量%に変更したものを実施例6とした。
(実施例7)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を94質量%に変更し、増粘剤の含有量を5質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンの含有量を1質量%に変更したものを実施例7とした。
(実施例8)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を89質量%に変更し、増粘剤の含有量を10質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンの含有量を1質量%に変更したものを実施例8とした。
(実施例9)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を79質量%に変更し、増粘剤の含有量を20質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンの含有量を1質量%に変更したものを実施例9とした。
(比較例1)
図3の表に示すように、上記実施例1において、基油の含有量を85質量%に変更し、増粘剤の含有量を15質量%に変更し、超高分子量ポリオレフィンを含有しないように変更したものを比較例1とした。
<超高分子量ポリオレフィンの均一性>
実施例1〜9のチェーン用潤滑油について、上述のチェーン用潤滑油の供給方法における増粘ステップでの加熱温度による加熱を行い、この加熱の前後で、超高分子量ポリオレフィンが均一に分散しているか否かを目視で確認した。確認した結果、実施例1〜9のチェーン用潤滑油は、いずれも上記加熱の前後で、超高分子量ポリオレフィンが均一に分散していた。したがって、実施例1〜9のチェーン用潤滑油の評価結果は、図3の表の評価の欄に示すように、全て良好(加熱の前後両方で超高分子量ポリオレフィンが均一に分散)となった。
<温度変化に対する粘度の変化>
実施例1のチェーン用潤滑油を、その粘度を測定しながら、30℃から150℃まで毎分20℃の昇温速度で昇温させた後、150℃から30℃まで毎分20℃の降温速度で降温させることを、連続して2回行った。
すなわち、図4に示すように、実施例1のチェーン用潤滑油を、その粘度を測定しながら、30℃から6分かけて150℃に昇温させ(第1ステップ)、150℃から6分かけて30℃に降温させ(第2ステップ)、30℃から6分かけて150℃に昇温させ(第3ステップ)、150℃から6分かけて30℃に降温させ(第4ステップ)た。
結果を図5のグラフに示す。図5のグラフでは、実線が第1ステップを示し、1点鎖線が第2ステップを示し、2点鎖線が第3ステップを示し、破線が第4ステップを示している。図5のグラフから、実施例1のチェーン用潤滑油は、第1ステップにおける120℃付近で粘度が30〜40mPa・s程度まで低下し、その後は150℃付近まで温度上昇に伴って粘度が1000mPa・s以上に上昇することが分かる。
また、実施例1のチェーン用潤滑油は、第2ステップ以降においては、30℃〜150℃の間で粘度が変化するものの、概ね粘度は1000mPa・s以上になっている。したがって、実施例1のチェーン用潤滑油は、一度でも150℃程度の温度で加熱されると、その後は、温度が変化しても粘度が高い状態で維持される。
よって、実施例1のチェーン用潤滑油は、第1ステップにおける120℃付近でチェーン11に給油し、チェーン11への給油後に150℃程度の温度で加熱することが好ましい。このようにすることで、実施例1のチェーン用潤滑油をチェーン11に効率よく給油することができるとともに、給油後のチェーン11を120℃程度(第1ステップで実施例1のチェーン用潤滑油の粘度が30〜40mPa・s程度まで低下する温度)で使用してもチェーン11から実施例1のチェーン用潤滑油が漏れ出すことを効果的に抑制できる。
なお、実施例1のチェーン用潤滑油の粘度の測定には、ステーター上に直径40mmの円形プレートからなるローターをステーターとの隙間が200μmとなるように回転可能に配置されたパラレルプレート型の粘度計を用いた。そして、この粘度計のローターとステーターとの隙間に実施例1のチェーン用潤滑油を充填し、ローターをせん断速度が10[1/s]となるように回転させたときのトルクを計測して実施例1のチェーン用潤滑油の粘度を算出した。
次に、比較例1のチェーン用潤滑油の粘度を、上記実施例1のチェーン用潤滑油と同様の方法で測定した。結果を図6のグラフに示す。図6のグラフでは、実線が第1ステップを示し、1点鎖線が第2ステップを示し、2点鎖線が第3ステップを示し、破線が第4ステップを示している。図6のグラフから、比較例1のチェーン用潤滑油は、第1ステップ〜第4ステップにおいて約110℃以上で粘度が30〜40mPa・s程度まで低下し、約80℃以下で概ね粘度が1000mPa・s以上に上昇することが分かる。したがって、比較例1のチェーン用潤滑油をチェーン11に給油して、チェーン11を高温下(例えば、150℃程度)で使用すると、比較例1のチェーン用潤滑油の粘度が低下してチェーン11から漏れ出し易くなってしまう。
以上から、実施例1のチェーン用潤滑油は、チェーン11の高温下(例えば、150℃程度)での使用時における潤滑性能が、比較例1のチェーン用潤滑油に比べて優れていると言える。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記配合ステップにおいて、前記超高分子量ポリオレフィンの配合量は5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のチェーン用潤滑油の製造方法。
(ロ)基油と増粘剤とを混合した混合物を前記増粘剤の融点以上で加熱する加熱ステップと、前記混合物に超高分子量ポリオレフィンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で混合する混合ステップとを備えたチェーン用潤滑油の製造方法によって製造されたチェーン用潤滑油を、チェーンの組み立て時に前記チェーンを構成する部品に付着させることを特徴とするチェーン用潤滑油の供給方法。
11…チェーン、12,14…リンクプレート、13…内リンク、15…外リンク、17…ブシュ、18…ローラ、19…ピン。

Claims (3)

  1. 基油と増粘剤とを混合した混合物を前記増粘剤の融点以上で加熱する加熱ステップと、
    前記混合物に超高分子量ポリオレフィンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で混合する混合ステップと、
    を備えたチェーン用潤滑油の製造方法。
  2. 基油と増粘剤とを混合した混合物を前記増粘剤の融点以上で加熱する加熱ステップと、前記混合物に超高分子量ポリオレフィンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で混合する混合ステップとを備えたチェーン用潤滑油の製造方法によって製造されたチェーン用潤滑油を、前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも低い温度で加熱して粘度を低下させる粘度低下ステップと、
    前記粘度低下ステップで粘度が低下した状態の前記チェーン用潤滑油にチェーンを浸漬する浸漬ステップと、
    を備えたチェーン用潤滑油の供給方法。
  3. 前記浸漬ステップで前記チェーン用潤滑油が供給された前記チェーンを前記超高分子量ポリオレフィンの融点よりも高い温度で加熱して前記チェーンに供給された前記チェーン用潤滑油を増粘させる増粘ステップをさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のチェーン用潤滑油の供給方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102084143B1 (ko) * 2018-09-20 2020-03-04 주식회사 루브캠코리아 베어링용 윤활 조성물 및 이를 포함하는 베어링

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