JP5637741B2 - 耐摩耗性チェーンの製造方法及び耐摩耗性チェーン - Google Patents
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Description
特許文献2には、金属焼結体からなるブシュに、40℃における動粘度が350mm2 /s以上であるパーフルオロポリエーテルを含浸してなる含油ブシュを備えるチェーンの発明が開示されている。
特許文献3には、内プレートの外面にリング溝を形成すると共に、該リング溝にシールリングを嵌め、そして外プレート内面との間にはシールプレートを介在させることにより、ブシュ孔とピン間に充填したグリースが外に漏れることを抑制したチェーンの発明が開示されている。
常温で液体である、潤滑剤を含む第2皮膜を、第1皮膜上又はチェーンの他の部分(の基材上)に形成するので、従来のようにグリース状の潤滑膜をチェーン表面に形成する場合と比較して、得られた耐摩耗性チェーンは外観が良好であり、使用時に不快感が生じることが抑制されて取り扱い性が良好である。
また、前記摺動部に予め増粘剤が供給されているので、前記摺動部に供給されやすい、低粘度で流動性がある潤滑剤をチェーンの使用時に追加給油することにより、前記潤滑剤が流失することなく、前記摺動部に高粘度の潤滑膜が長期間介在することになり、耐摩耗性チェーンはさらに良好な耐摩耗伸び性(耐摩耗伸び寿命)を有することができる。そして、追加給油する間隔を長くすることができる。
さらに、得られた耐摩耗性チェーンは、特許文献3のチェーンのように、潤滑剤の流出の抑制のために、複雑な構造を有する必要がなく、潤滑剤に増粘剤を配合する工程も省略されるので、容易に安価に製造され得る。
そして、本発明においては、第2皮膜形成工程で潤滑剤を加温せず、容易に耐摩耗性チェーンを製造することができる。
d=(R2 −r2 )×0.05/2R・・・式(1)
但し、d:膜厚(μm)
R:ブシュの内径の1/2(mm)
r:ピンの外径の1/2(mm)
第4発明に係る耐摩耗性チェーンの製造方法は、第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記増粘剤の融点は60℃以上であることを特徴とする。
本発明においては、増粘剤の融点が60℃以上であるので、第1皮膜を形成した後に固体状態が保持され、べた付きにより他の部品と粘着することがなく、第1皮膜の流失が抑制される。
そして、本発明においては、チェーンの使用時に、ピンとブシュとの摩擦熱により増粘剤が溶融して潤滑剤と混合され、ピンとブシュとの遊嵌面間(摺動部)に高粘度のグリース状の潤滑膜が介在することになるので、前記摺動部で良好な潤滑性が得られ、耐摩耗性チェーンは良好な耐摩耗伸び性を有する。
そして、本発明によれば、チェーンの使用時に、ピンとブシュとの摩擦熱により増粘剤が溶融して潤滑剤と混合され、ピンとブシュとの遊嵌面間(摺動部)に高粘度のグリース状の潤滑膜が介在することになるので、前記摺動部で良好な潤滑性が得られ、耐摩耗性チェーンは良好な耐摩耗伸び性を有する。
本発明の耐摩耗性チェーンは鉄系材料からなり、離間配置される一対の内プレートと、該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合されるブシュと、前記内プレートの外側に配置されて前後の内プレートを連結する一対の外プレートと、前記ブシュの内面側に遊嵌されて外プレートのピン圧入孔に圧入嵌合されるピンとで構成されるブシュチェーン、及び前記連結ピン及びブシュの外周面にローラをさらに遊嵌させて構成されるローラチェーンのいずれであってもよい。
第1皮膜は、少なくともブシュの遊嵌面上に形成するのが好ましく、ブシュ及びピンの両方の遊嵌面上に形成するのがより好ましい。ブシュ及びピンの両方に形成する場合、ブシュ及びピンの基材が第1皮膜に覆われるので、第2皮膜の付着性が良好になる。
耐摩耗性チェーンがローラチェーンである場合、ブシュ及びローラの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である第1皮膜を有するのが好ましい。
前記ワックスは、天然ワックスと合成ワックスとに大別される。天然ワックスとしては、蜜ロウ,ラノリン等の動物系ワックス、カルナウバワックス,ライスワックス等の植物系ワックス、モンタンワックス,オゾケライト等の鉱物系ワックスが挙げられる。合成ワックスとしては、パラフィンワックス,マイクロクリスタリンワックス,ペトロラタム等の石油ワックス、ポリエチレンワックス,フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスと、脂肪酸アミド,脂肪酸エステル等の油脂系合成ワックスが挙げられる。中でも、天然ワックス及び他の合成ワックスと比較して融点,軟化点が高い、耐熱性,熱安定性に優れている、耐薬品性,電気絶縁性が良好である、金属との親和性が良好である等の観点からポリエチレンワックスが好ましい。ポリエチレンワックスは、平均分子量が900以上8000以下であるのが好ましい。ポリエチレンワックスとしては、高密度重合型,低密度重合型,酸価変性型(酸化重合型)のものが挙げられるが、中でも低密度重合型のものが好ましい。
増粘剤には必要に応じ、添加剤を配合してもよい。
前記防錆剤としては、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル類等が挙げられる。
前記極圧剤としては、ジアルキルポリスルフィド、アルキルリン酸エステル、アルキルチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
前記消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
まず、増粘剤を融点以上に加熱し、溶融した後、この増粘剤溶融物にブシュ及びピンの少なくとも一方を浸漬し、又は増粘剤溶融物をブシュ及びピンの少なくとも一方の遊嵌面に塗布することにより第1皮膜を形成する。上述したように、少なくともブシュに第1皮膜を形成するのが好ましく、ブシュ及びピンの両方に形成するのがより好ましい。
チェーンがローラチェーンである場合、ブシュを増粘剤溶融物に浸漬して第1皮膜を形成することにすると、ブシュの外面及び内面に第1皮膜が形成されるため、該第1皮膜上に第2皮膜が形成されたときにピンとブシュとの摺動部、ブシュとローラとの摺動部ともに良好な潤滑性が得られるので好ましい。また、ローラを増粘剤溶融物に浸漬し、又は増粘剤溶融物をローラに塗布することにしてもよい。
そして、ブシュ又はピン等のチェーン部品を室温になるまで冷却することで増粘剤を固化させる。
なお、第2皮膜は、刷毛塗り、又はオイラによる給油により形成することにしてもよい。
以上のようにして、本発明に係る耐摩耗性チェーンが得られる。
そして、常温で液体である、潤滑剤を含む第2皮膜を、第1皮膜上又はチェーンの他の基材上に形成するので、従来のようにグリース状の潤滑膜をチェーン表面に形成する場合と比較して、得られた耐摩耗性チェーンは外観が良好であり、使用時に不快感が生じることが抑制されて取り扱い性が良好である。
また、前記摺動部に予め増粘剤が供給されているので、前記摺動部に供給されやすい、低粘度で流動性がある潤滑剤をチェーンの使用時に追加給油することにより、増粘剤が潤滑剤に徐々に拡散混合され、潤滑剤は流失することなく、摺動部に高粘度の潤滑膜が長期間介在することになり、耐摩耗性チェーンはさらに良好な耐摩耗伸び性を有することになる。従って、追加給油の間隔を長くした上で、チェーンの寿命を従来のチェーンの寿命より相当長くすることが可能になる。
さらに、本発明の耐摩耗性チェーンは、特許文献3のチェーンのように、潤滑剤の流出の抑制のために、複雑な構造を有する必要がなく、潤滑剤に増粘剤を配合する工程も省略されるので、低コストに製造することができる。
d=(R2 −r2 )×0.05/2R・・・式(1)
但し、d:膜厚(μm)
R:ブシュの内径の1/2(mm)
r:ピンの外径の1/2(mm)
第1皮膜の膜厚が式(1)により得られるd以上である場合、チェーンの使用時に増粘剤が溶融し、潤滑剤中に拡散して、ピンとブシュとの摺動部により良好な潤滑膜が形成され得る。dの一例として、ピンとブシュとの間隙の体積が12.0mm2 、ブシュの内表面積が220.4mm2 である場合、2.7μmとなる。
膜厚は、ブシュ等の増粘剤溶融物への浸漬時間、たれ切り,遠心分離等による過剰の増粘剤溶融物の除去の度合等により制御することができる。
[(R2 −r2 )×0.05/2R]≦d≦[(R2 −r2 )×0.9/2R]となる。 前記質量比が5:95〜90:10である場合、特に5:95〜40:60である場合、10:90〜40:60である場合、良好な潤滑性が得られ、コストの上昇を抑制することができる。そして、潤滑剤を追加給油した場合、第1皮膜の増粘剤が潤滑剤に良好に徐々に拡散混合されるので、潤滑剤は流失することなく、摺動部に高粘度の潤滑膜が長期間介在し、追加給油の間隔を長くした上で耐摩耗性チェーンの長寿命化を図ることが可能になる。
k=(N2 −M2 )×0.05/2M・・・式(2)
但し、k:膜厚(μm)
N:ローラの内径の1/2(mm)
M:ブシュの外径の1/2(mm)
第1皮膜の膜厚が式(2)により得られるk以上である場合、チェーンの使用時に増粘剤が溶融し、潤滑剤中に拡散して、ブシュとローラとの摺動部により良好な潤滑膜が形成され得る。
[(N2 −M2 )×0.05/2M]≦k≦[(N2 −M2 )×0.9/2M]となる。 前記質量比が5:95〜90:10である場合、特に5:95〜40:60である場合、10:90〜40:60である場合、良好な潤滑性が得られ、コストの上昇を抑制することができる。そして、潤滑剤を追加給油した場合、第1皮膜の増粘剤が潤滑剤に良好に徐々に拡散混合されるので、潤滑剤は流失することなく、摺動部に高粘度の潤滑膜が長期間介在し、追加給油の間隔を長くした上で耐摩耗性チェーンの長寿命化を図ることが可能になる。
ローラチェーンにおいては、ローラとブシュとの間の摺動部よりピンとブシュとの間の摺動部の潤滑性をより向上させる必要があるので、ブシュに第1皮膜を形成する場合、該第1皮膜の膜厚は少なくともd以上にするのが好ましい。
図1は本発明の実施例1に係るローラチェーンタイプの耐摩耗性チェーン1を示す一部分解斜視図、図2は耐摩耗性チェーン1を示す断面図、図3はブシュ3及びピン5を示す断面図である。
耐摩耗性チェーン1の内プレート2及び外プレート4は、長円形の平板な部材の中央部両側縁に内側に向かう円弧状の窪みを形成し、長円の両端側に穴2a,2a及び穴4a,4aをそれぞれ開設した略8の字型を有しており、プレート幅及び開設してある穴の直径は外プレート4より内プレート2の方が大きい。内プレート2の2つの穴2a,2aには、円筒状のブシュ3,3の一端がそれぞれしまりばめしてあり、ブシュ3,3の他端を他方の内プレート2の穴2a,2aにしまりばめすることによって内プレート2,2が連結される。ブシュ3,3には該ブシュ3,3の外径より大きな内径を有する筒状のローラ6,6が回転自在に外嵌されている。本実施例において、ブシュ3としては、巻きタイプのものを用いた。
チェーン1のサイズは、「JIS B1801−1895」の呼び番号80に相当する。
図3に示すように、耐摩耗性チェーン1においては、ブシュ3の内面に第1皮膜7が形成され、第1皮膜7とピン5の外面との間に第2皮膜8が形成されている。なお、図示していないが、ブシュ3の外面にも第1皮膜7が形成されている。
次に、溶融したワックスA中にカゴを5分間浸漬した。
そして、カゴをワックスAから取り出して30分間放置し、過剰のワックスAのたれ切りを行った。
ブシュ3をメッシュのステンレスバット上に散在させ、室温になるまで放冷した。
このブシュ3を用いてチェーンを組み立てた。
そして、このチェーンを加温していない潤滑剤Aに1時間浸漬し、第1皮膜7上及びチェーンの他の部分に第2皮膜8を形成した。以上により耐摩耗性チェーン1が得られた。
第1皮膜7の形成の前後のブシュ3の質量を計量し、ブシュ3の外面及び内面の表面積、及びワックスAの比重に基づいて第1皮膜7の膜厚を算出したところ、45μmであった。これを第1皮膜7と第2皮膜8との質量比に換算すると、36:64になる。
潤滑剤として、「モービルDTEヘビーメディアム」(鉱物油/40℃の動粘度68mm2 /s:エクソンモービル有限会社、以下潤滑剤Bという)を用い、チェーンを潤滑剤Bに浸漬するのではなく、オイラによりチェーンに潤滑剤Bを供給して第2皮膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の耐摩耗性チェーン10を作製した。
前記チェーンを2つのスプロケット12,12に無端状に懸回して無負荷運転(回転速度:185rpm)を行い、オイラ11によりチェーンに潤滑剤Bを15秒間供給して、耐摩耗性チェーン10を得た。
ブシュに第1皮膜を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の耐摩耗性チェーンを作製した。比較例1の耐摩耗性チェーンの基材上には潤滑剤Aからなる第2皮膜のみ形成されている。
ブシュに第1皮膜を形成した後に、チェーンを潤滑剤A中に浸漬して第2皮膜を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の耐摩耗性チェーンを作製した。比較例2の耐摩耗性チェーンは、ブシュにのみ、ワックスAからなる第1皮膜が形成されている。
潤滑剤AとワックスAとを混合した潤滑剤組成物を120℃に加熱して溶融し、温度120℃を維持した状態で、この溶融物に、ブシュに第1皮膜を形成していないチェーンを1時間浸漬し、比較例3の耐摩耗性チェーンを作製した。
ブシュに第1皮膜を形成していないチェーンをスプロケット12,12に無端状に懸回して無負荷運転(回転速度:185rpm)を行い、オイラ11によりチェーンに潤滑剤Bを15秒間供給したこと以外は、実施例2と同様にして比較例4の耐摩耗性チェーンを作製した。比較例4の耐摩耗性チェーンの基材上には潤滑剤Bからなる第2皮膜のみ形成されている。
雰囲気温度を室温とし、実施例1、比較例1〜3の各耐摩耗性チェーンをそれぞれ2つのスプロケット(歯数:17T)に無端状に懸回し、一方のスプロケットの中心から、他方のスプロケットに向かう方向と反対の方向に負荷荷重(面圧2.09kN/cm2 、すべり速度16m/min)をかけた状態で、1000rpmで回転させ、各耐摩耗性チェーンの摩耗伸び量と運転時間との関係を調べた。試験は、同一の条件で作製した耐摩耗性チェーン2つずつを同時に運転して行った。その結果を図5のグラフに示す。
ピン5に第1皮膜を形成した場合のブシュ3及びピン5を示す断面図を図7に示す。ブシュ3の内面及びピン5の外面に第1皮膜7が形成され、第1皮膜7,7間に第2皮膜8が形成されている。
また、前記実施例においては、ワックスとしてポリエチレンワックスを用いた場合につき説明しているが、特許文献1の実施例よりブライトストック油とパラフィンワックスとの潤滑剤組成物によって良好な潤滑性が得られることが確認されていることから、ワックスとしてパラフィンワックスを用いた場合においても、チェーンの使用時に鉱物油に拡散混合されて良好な潤滑性が得られ、しかも本実施例の結果から特許文献1の実施例のチェーンより長寿命化が図れることが推察される。
本発明の耐摩耗性チェーンは、増粘剤,潤滑剤を適宜に選択して第1皮膜,第2皮膜を形成することができる。
2 内プレート
2a、4a 穴
3 ブシュ
4 外プレート
5 ピン
6 ローラ
7 第1皮膜
8 第2皮膜
Claims (7)
- 2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に連結してチェーンを得るプレート連結工程を有する耐摩耗性チェーンの製造方法において、
前記プレート連結工程の前に、増粘剤、又は該増粘剤と添加剤との混合物を、前記増粘剤の融点以上に加熱し、溶融した後、前記ブシュ及びピンの少なくとも一方を浸漬して、前記ブシュ及びピンの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である、増粘剤を含む第1皮膜を形成する第1皮膜形成工程を有し、
前記プレート連結工程の後に、潤滑剤中に、若しくは該潤滑剤と添加剤との混合物中に前記チェーンを浸漬し、又は前記潤滑剤、若しくは前記混合物を前記チェーンに塗布して、前記第1皮膜上及び他の部分に、常温で液体である、潤滑剤を含む第2皮膜を形成する第2皮膜形成工程を有することを特徴とする耐摩耗性チェーンの製造方法。 - 2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に連結してチェーンを得るプレート連結工程を有する耐摩耗性チェーンの製造方法において、
前記プレート連結工程の前に、前記ブシュ及びピンの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である、増粘剤を含む第1皮膜を形成する第1皮膜形成工程を有し、
前記プレート連結工程の後に、前記第1皮膜上及び他の部分に、常温で液体である、潤滑剤を含む第2皮膜を形成する第2皮膜形成工程を有し、
前記第1皮膜の膜厚は、下記式(1)で表されるd以上であることを特徴とする耐摩耗性チェーンの製造方法。
d=(R2 −r2 )×0.05/2R・・・式(1)
但し、d:膜厚(μm)
R:ブシュの内径の1/2(mm)
r:ピンの外径の1/2(mm) - 2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に連結してチェーンを得るプレート連結工程を有する耐摩耗性チェーンの製造方法において、
前記プレート連結工程の前に、前記ブシュ及びピンの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である、増粘剤を含む第1皮膜を形成する第1皮膜形成工程を有し、
前記プレート連結工程の後に、前記第1皮膜上及び他の部分に、常温で液体である、潤滑剤を含む第2皮膜を形成する第2皮膜形成工程を有し、
前記ブシュ及びピンの遊嵌面間に形成された前記第1皮膜と第2皮膜との質量比は、5:95〜90:10であることを特徴とする耐摩耗性チェーンの製造方法。 - 前記増粘剤の融点は60℃以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐摩耗性チェーンの製造方法。
- 前記チェーンは、前記ブシュが遊嵌されるローラをさらに備え、
前記第1皮膜形成工程は、前記ブシュ及びローラの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である、増粘剤を含む第1皮膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の耐摩耗性チェーンの製造方法。 - 2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に連結してなる耐摩耗性チェーンにおいて、
前記ブシュ及びピンの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である、増粘剤を含む第1皮膜を有し、
前記第1皮膜上及び他の部分に、常温で液体である、潤滑剤を含む第2皮膜を有し、
前記ブシュ及びピンの遊嵌面間に形成された前記第1皮膜と第2皮膜との質量比は、5:95〜90:10であることを特徴とする耐摩耗性チェーン。 - 前記ブシュが遊嵌されるローラをさらに備え、
前記ブシュ及びローラの少なくとも一方の遊嵌面上に、常温で固体である、増粘剤を含む第1皮膜を有することを特徴とする請求項6に記載の耐摩耗性チェーン。
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