JPH0914269A - グリースの喪失油分を補給する焼結合金軸受 - Google Patents

グリースの喪失油分を補給する焼結合金軸受

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JPH0914269A
JPH0914269A JP16862495A JP16862495A JPH0914269A JP H0914269 A JPH0914269 A JP H0914269A JP 16862495 A JP16862495 A JP 16862495A JP 16862495 A JP16862495 A JP 16862495A JP H0914269 A JPH0914269 A JP H0914269A
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grease
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lubricating oil
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Masaru Morimoto
優 森本
Tomoyuki Saji
智之 佐治
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Tsubakimoto Chain Co
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Tsubakimoto Chain Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の軸受面に充分な油分を介在させ、寿命
の向上を図ること。 【構成】 軸受10は円筒状の焼結合金12と、その軸
受面に形成されたグリース層14を有してなる。焼結合
金12には、エーテル系合成油、エステル系合成油又は
鉱油等の潤滑油が含浸されている。グリース層14のグ
リースは、鉱油をベースとして、ウレア系、ベントン
系、リチウム系、カルシウム系の増ちょう剤を使用した
ものである。焼結金属12に含浸された潤滑油は、グリ
ース層14に油分を補給可能な粘度を有する。グリース
油分が軸をつたって流出すると、焼結金属12の多孔質
構造内に含浸された潤滑油がグリース層に向って移動す
る。その結果、軸受面において充分な油分が介在するこ
ととなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油を含浸させた焼
結合金軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油を含浸させた焼結合金軸受は、多
孔質構造内の潤滑油を軸受面に浸出させたもので、長期
間無給油で使用することができる。また、潤滑油の替わ
りに焼結合金の多孔質構造内にグリースを含浸させたも
のがあり、この焼結合金軸受も、長期間無給油で使用す
ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、潤滑油を含
浸させた焼結合金軸受では、軸をつたって潤滑油が流出
しやすく、このことは、高温時において潤滑油の粘度が
低下する場合には著しい。そのため、軸受面の潤滑油不
足が原因となって、軸受が早期に耐摩耗性を失ってしま
う。
【0004】また、焼結合金の多孔質構造内にグリース
を含浸させた軸受では、グリースの油分が流出する欠点
は少ないが、グリース自体を焼結合金の多孔質構造内に
含浸させること自体困難であり、また、含浸させること
ができたとしても、油分が多孔質の持つ毛細管現象によ
って焼結合金の内部へ吸い取られ、軸受面で潤滑不足を
生じる。
【0005】なお、上記従来技術の他に、特公昭63−
60247号公報に開示される、潤滑油とグリースを併
用した動圧軸受装置がある。この動圧軸受装置は、軸が
回転を始めるとき、焼結合金に含浸された潤滑油を利用
して軸受面にその潤滑油を介在させ、軸が回転を始めた
後、動圧作用を利用して軸受面にグリースを介在させ
て、軸受面を潤滑させようとするものである。しかし、
軸の起動時、軸受が軸と接触するので、潤滑油を含浸さ
せた上記焼結合金軸受と同様に潤滑油の流出が著しく、
また、グリースの基油が潤滑油と同一種且つ同一動粘度
であるため、グリースによる潤滑が始まった後でも、そ
のグリースを介して潤滑油の流出が生じ、長期間に亘っ
て無給油で軸受を運転することは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸受面にグリ
ース層を形成し、該グリース層に補給可能な粘度を有す
る潤滑油を含浸させた焼結合金軸受により前記課題を解
決した。
【0007】
【作用】軸受面に形成したグリース層は軸荷重を負担し
て軸受面を潤滑する役割を有するとともに、焼結合金の
多孔質構造内に含浸させられた潤滑油をその焼結合金内
に保持する役割を有する。軸受を継続使用するとグリー
ス層に含まれる油分は軸をつたって流出するが、焼結合
金の多孔質構造内の保持される潤滑油がグリース層に移
動してその喪失油分を補給する。
【0008】この補給機能達成のため、潤滑油の動粘度
を100乃至220センチストークスに、グリースのグ
リースちょう度をちょう度番号0乃至2号とすることが
好ましい。少なくとも上記設定範囲において、グリース
層は焼結合金内に潤滑油を充分に保持させておくことが
でき、しかも、グリース層はその油分を喪失したとき焼
結合金から潤滑油の充分な補給を受け、軸受を長期間無
給油で使用することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の実施例を示す要部断面図で
あり、軸受10は円筒状の焼結合金12とその軸受面に
形成されたグリース層14を有してなる。また、図2は
本発明の他の実施例を示す要部断面図であり、軸受20
はチェーンCのブシュ部分に適用され、内リンクプレー
ト22に内嵌された焼結合金ブシュ24と、このブシュ
24の内周面及び端面に設けられたグリース層26を有
してなる。なお、図1における軸16及び図2における
ピン28には、ニッケルメッキ又は硬質クロムメッキの
皮膜処理が施され、軸受との摺動特性の向上が図られて
いる。
【0010】焼結合金は鉄系粉末から成形されている。
焼結密度は5.8〜6.6g/cm3の範囲が好適である。
前記値より焼結密度が小さいと軸受の強度を確保するこ
とができず、前記値より焼結密度が大きいと焼結合金に
含浸される潤滑油の油量が少なくなり、充分な含浸油量
を確保できなくなる。
【0011】焼結合金に含浸される潤滑油は、エーテル
系合成油、エステル系合成油又は鉱油であり、このう
ち、軸受運転中に生じる温度上昇にも耐え得るものとし
て有効なものは、エーテル系合成油又はエステル系合成
油である。潤滑油の動粘度は、グリース層のグリースち
ょう度と相対的に決定されるものであるが、少なくとも
100乃至220センチストークス(CST)の範囲で
あることが好ましい。潤滑油の動粘度が100センチス
トークスより小さいと、蒸発又は飛散等によって焼結合
金からその潤滑油が消失しやすい。一方、潤滑油の動粘
度が220センチストークスより大きいと、所定ちょう
度のグリース層への油分の供給が困難となる。
【0012】グリース層は、焼結合金の軸受面へ塗布す
る方法、又は、焼結合金を軸に取付けた後、焼結合金の
軸の隙間に充填する方法により形成される。グリース層
のグリースの種類は、鉱油をベースとして、ウレア系、
ベントン系、リチウム系、カルシウム系のうちのいずれ
か一種の増ちょう剤を使用したものである。グリースち
ょう度は、前述の潤滑油の動粘度と相対的に決定される
のであるが、ちょう度番号0乃至2号のものが好適であ
る。ちょう度番号が0号より小さいと、グリース自体が
流動してグリース層を形成しにくく、期待する耐荷重性
及び耐摩耗性を得ることができない。一方、ちょう度番
号が2号より大きいと、グリースが硬すぎるため、発熱
が多くなって伝動効率が低下する。
【0013】潤滑油の動粘度とグリースのちょう度を上
記範囲に設定することにより、この軸受は所期の機能を
発揮する。すなわち、所定ちょう度のグリース層によっ
て焼結合金の多孔質構造内に潤滑油を保持させておくこ
とができ、一方、グリース層からグリース油分が軸をつ
たって流出したときには焼結合金からグリース層に向っ
て油分の補給を行わせることができる。
【0014】図3は図2のチェーンを使用してチェーン
の摩耗伸びを測定する試験方法を示している。本発明の
チェーンは、焼結密度6.15g/cm3のブシュに、15
0センチストークスのエーテル系合成油を潤滑油として
含浸させ、ちょう度0号及び2号のウレア系グリースを
グリース層として形成したものであった。従来品のチェ
ーンは、グリース層を形成しないもの、すなわち、焼結
密度6.15g/cm3のブシュに、150センチストーク
スのエーテル系合成油を潤滑油として含浸させたもので
あった。なお、ピンにはニッケルメッキの皮膜処理を施
したものを使用した。
【0015】図4は図3の試験結果であり、本発明を適
用したチェーンは、従来品に比べてチェーンの摩耗伸び
が抑えられており、これは軸受面の潤滑状態が改善され
た結果、耐摩耗性が向上したものと考えられる。
【0016】図5は、チェーンの摩耗伸びを測定する他
の試験方法を示す。図3における試験方法に対して温度
及び滑り速度を変更して測定を行った。グリースについ
ては、ちょう度0号及び2号のウレア系グリース(図
6)と、ちょう度0号、1号及び2号のベントン系グリ
ース(図7)について測定を行った。その他は図3の試
験方法と同じである。
【0017】図6及び図7は上記試験方法の結果であ
り、本発明を適用したチェーンは、従来品に比べて耐摩
耗性の点で大幅に改善されていることがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、潤滑油に比べて耐熱性及び耐
荷重性の高いグリース層を軸受面に形成したので、苛酷
な使用条件下においても優れた耐摩耗性を発揮する。し
かも、グリース層のグリース油分が軸をつたって流出し
たときには、焼結合金の多孔質構造内に含浸された潤滑
油がグリース層の喪失油分を補給するので、グリース油
分の枯渇が防止されて、軸受の耐摩耗性を長期間維持さ
せることができる。また、グリース層は焼結合金から油
分の補給を受けて耐摩耗性を改善する役割だけでなく、
焼結合金の多孔質構造内に含浸される潤滑油が軸を伝っ
て流出するのを防ぐ役割を果たすので、焼結合金の多孔
質構造内に充分な潤滑油を保油させることができ、この
構成によっても軸受寿命の大幅な改善が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による軸受を示す要部断面図である。
【図2】 本発明による軸受を組込んだチェーンを示す
要部断面図である。
【図3】 チェーンの摩耗伸び試験方法を示す概略図で
ある。
【図4】 図3の試験方法による試験結果を示すグラフ
である。
【図5】 他のチェーンの摩耗伸び試験方法を示す概略
図である。
【図6】 図5の試験方法による試験結果を示すグラフ
である。
【図7】 図5の試験方法による試験結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
10 軸受 12 焼結合金 14 グリース層 20 軸受 24 ブシュ 26 グリース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受面にグリース層を形成し、該グリー
    ス層に補給可能な粘度を有する潤滑油を含浸させた焼結
    合金軸受。
JP7168624A 1995-07-04 1995-07-04 グリースの喪失油分を補給するブシュを備えた耐摩耗性チェーン Expired - Lifetime JP3054064B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2010175002A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 焼結含油軸受

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