JP2015008770A - 外科用ケーブル及び外科用骨固定ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチフィラメントケーブル製の外科用ケーブルの先端近傍を、ピンセットや鉗子によって挟むように繰り返し掴まれてもばらけ難いようにする。【解決手段】複数本の素線12を撚り合わせ又は編んでなるケーブル本体部10Aと、素線12同士を溶着させ、全体として先細のテーパ形状に形成されたテーパ状端部10Bとを有する外科用ケーブル10において、ケーブル本体部10Aとテーパ状端部10Bとの間に、少なくともケーブル外周部の素線12同士が面接触により密着して全体として縮径された先端近傍部10Cを設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、外科用ケーブル及び外科用骨固定ユニットに関し、更に詳細には、骨折等の外科手術におけるピン・ケーブル方式による骨の固定に用いられる体内固定用ケーブル及びその体内固定用ケーブルを備えた外科用骨固定ユニットに関する。
骨折等の外科手術における骨の固定法として、ピン部と当該ピン部の一端に設けられた頭部とを有する固定具(ピン)と、外科用ケーブル(体内固定用ケーブル)とを用い、複数個の固定具のピン部を骨の各部に刺し入れ、固定具の頭部に形成されている貫通孔に外科用ケーブルを通し、外科用ケーブルによって縛るようにして骨折部等を固定するピン・ケーブル方式の骨固定法(内固定法)が知られている(例えば、特許文献1、2)。ピン・ケーブル方式の骨固定法に用いられる外科用ケーブルとして、ステンレス鋼等の金属製の複数本の素線を撚り合わせてなる可撓性を有する外科用ケーブルが知られている(例えば、特許文献2)。
また、骨縫合のための外科用ケーブルとして、ステンレス鋼等の金属製の複数本の素線を編んでなる可撓性を有する外科用ケーブルの端部を溶融させて当該外科用ケーブルの端部に剛性を有する縫合用の針が一体に形成されたものが知られている(例えば、特許文献3)。
特開平6−181932号公報 国際公開99/42050号公報 特開2003−79632号公報
ピン・ケーブル方式に用いられる金属製の外科用ケーブルは、外径が1mm程度の細いものであり、骨折等の具合に応じて骨の各適所に刺し入れられた複数個の固定具を順に経由して骨折部等の立体的な形状に適合して曲がり、当該部分を取り囲んで拘束するように十分な可撓性(曲がり易さ)を有し、且つ弛みなく全長に亘って均等に緊張されることに対して十分な引張強度を備えていることを要求される。この要求を満たす外科用ケーブルとして、前述の如く、金属製の複数本の素線を撚り合わせてなるマルチフィラメントケーブルが用いられることが多い。
その上で、迅速な手術のために、マルチフィラメントケーブル製の外科用ケーブルは固定具の貫通孔に通し易いことを要求される。この外科用ケーブルを固定具の貫通孔に通す作業は、外科用ケーブルの先端近傍をピンセットや鉗子等によって挟むように掴んで行われるから、外科用ケーブルの先端近傍は、曲がり易さのために適度の可撓性を有していて、ピンセット等によって挟むように繰り返し掴まれても、ばらけて膨らまないことや断面形状が変形しないことを要求される。これは、外科用ケーブルが、ばらけて膨らんだり、断面形状が変形したりすると、外科用ケーブルを貫通孔に通し難くなったり、外科用ケーブルが貫通孔を通らなくなったりする虞があるからである。
本発明が解決しようとする課題は、曲がり易さのために適度の可撓性を有するマルチフィラメントケーブル製の外科用ケーブル(体内固定用ケーブル)を、固定具の貫通孔に通し易く、且つ先端近傍をピンセットや鉗子によって挟むように繰り返し掴まれても、ばらけてケーブルが膨らんだり、ケーブルの断面形状が変形したりし難くし、ピン・ケーブル方式の骨固定法の外科手術が作業性よく迅速に行われ得るようにすることである。
本発明による外科用ケーブル(10)は、複数本の素線(12)を撚り合わせ又は編んでなる可撓性を有するケーブル本体部(10A)と、前記ケーブル本体部(10A)よりも高い剛性を有する先細形状の先端部(10B、10D)と、前記先端部(10B、10D)と前記ケーブル本体部(10A)との間にあって、前記ケーブル本体部(10A)よりも高い径方向の剛性を備え、且つ可撓性を有する先端近傍部(10C)とを有する。
この構成によれば、外科用ケーブル(10)の先端は、先細形状で、ケーブル本体部(10A)よりも高い剛性を有する先端部(10B、10D)であるから、ピン・ケーブル方式の骨固定において、外科用ケーブル(10)の先端を固定具(20)の貫通孔(28)に通す作業が作業性よく迅速に行われ得るようになる。先端近傍部(10C)は、ケーブル本体部(10A)よりも高い径方向の剛性を備えているから、当該部分を繰り返し掴み換えすることが行われても、断面形状が変形し難い。しかも、先端近傍部(10C)は可撓性を有しているから、外科用ケーブル(10)の先端側が長く連続した区間に亘って曲がり難くなることがなく、先端部(10B、10D)を固定具(20)の貫通孔(28)に通すために、先端部(10B、10D)の向きを貫通孔(28)の貫通方向に合致する方向に容易に変更および誘導でき、先端近傍部(10C)を掴んで外科用ケーブル(10)を複数個の固定具(20)に引き廻す作業が先端近傍部(10C)の存在によって行われ難くなることがない。
本発明による外科用ケーブルは、好ましくは、前記先端近傍部(10C)は、前記ケーブル本体部(10A)を構成する素線(12)と一体の複数本の素線(12)によって構成され、少なくともケーブル外周部の前記素線(12)同士が面接触によって互いに密着している。
この構成によれば、少なくともケーブル外周部の前記素線(12)同士が面接触によって互いに密着していることにより、ケーブル本体部(10A)よりも高い径方向の剛性が得られる。しかも、ケーブル本体部(10A)と先端近傍部(10C)とを一体形成することができ、先端近傍部(10C)のために別部品を必要としない。
本発明による外科用ケーブルは、好ましくは、前記先端近傍部(10C)は前記素線(12)の塑性変形によって前記素線(12)同士が互いに密着している。
この構成によれば、塑性加工によって、少なくともケーブル外周部の前記素線(12)同士が面接触によって互いに密着している先端近傍部(10C)を生産性よく加工することができる。
本発明による外科用ケーブルは、好ましくは、前記先端近傍部(10C)は、密着巻きのコイルばねによって構成されている。
この構成によれば、先端近傍部(10C)を、ケーブル本体部(10A)とは別に準備した先端近傍部(10C)の要件を満たす密着巻きのコイルばねによって容易に構成することができる。
本発明による外科用骨固定ユニットは、好ましくは、上述の発明による外科用ケーブル(10)と、骨(100)に刺し入れられるピン部(22)および前記ピン部(22)の一端に設けられ、前記外科用ケーブル(10)が挿通可能な貫通孔(28)を形成された頭部(24)を有する固定具(20)とを具備している。
この構成によれば、本発明による外科用ケーブル(10)と固定具(20)との組み合わせにより、ピン・ケーブル方式の骨固定が簡便に行われ得るようになる。
本発明による外科用骨固定ユニットは、好ましくは、前記貫通孔(28)に挿通されている前記外科用ケーブル(10)が前記頭部(24)のかしめによって前記頭部(24)に固定されるように、前記頭部(24)がかしめ変形可能である。
この構成によれば、頭部(24)のかしめによって他の固定部材を必要とすることなく外科用ケーブル(10)を固定具(20)に作業性よく固定することができる。
本発明による外科用ケーブルによれば、テーパ状端部と先端近傍部とが設けられていることにより、外科用ケーブルを固定具の貫通孔に通し易く、且つ先端近傍をピンセットや鉗子によって挟むように繰り返し掴まれても、外科用ケーブルの断面形状が変形したりし難くし、ピン・ケーブル方式の骨固定法の外科手術が作業性よく迅速に行われ得るようになる。
本発明による外科用ケーブルの1つの実施形態を示す要部の拡大側面図。 図1の線II−IIに沿った断面図。 図1の線III−IIIに沿った断面図。 図1の線IV−IVに沿った断面図。 本発明による外科用骨固定ユニットに用いられる固定具の1つの実施形態を示す要部の拡大斜視図。 本発明による外科用骨固定ユニットを用いたピン・ケーブル方式の骨固定の実例を示す説明図。 本発明による外科用ケーブルの他の実施形態を示す要部の拡大側面図。 本発明による外科用ケーブルの他の実施形態を示す要部の拡大側面図。
以下に、本発明による外科用ケーブルおよびそれを用いた外科用骨固定ユニットの1つの実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
外科用ケーブル10は、体内固定用ケーブルと云われる外科用医療用品であり、図1〜図4に示されているように、ステンレス鋼等の生体適合性が高い金属製の円形断面の素線12を、複数本、螺旋状に撚り合わせてなる略円形断面のマルチフィラメントケーブル14を、更に複数本、逆方向に螺旋状に撚り合わせてなる略円形断面の二重マルチフィラメントケーブルを素材としている。なお、図2、図3においては、図示の簡素化のために、マルチフィラメントケーブル14が素線12の撚り合わせたものであることの図示が省略され、マルチフィラメントケーブル14が1本の線材により構成されているかのように図示されている。
本実施形態の素線12の線径は0.1mm程度で、マルチフィラメントケーブル14をなす素線12の本数は7本、二重マルチフィラメントケーブルをなすマルチフィラメントケーブル14の本数は7本であり、外科用ケーブル10の線径(外径)は1mm程度である。
外科用ケーブル10は、その大部分が二重マルチフィラメントケーブルによる素材のまま(図2参照)で、素材のままの部分がケーブル本体部10Aになっている。ケーブル本体部10Aは、骨折部等の立体的な形状に適合して折り曲がり、当該部分を取り囲んで拘束するように十分な可撓性(曲がり易さ)を有し、且つ弛みなく全長に亘って均等に緊張されることに対して十分な引張強度を備えていることを要求される。換言すると、ケーブル本体部10Aは、人の指先の少しの力で自由に折り曲がり、緊張されることによって患部の形状に倣って湾曲する程度の可撓性と、患部の形状に倣って弛みなく湾曲するように緊張されても破断することがない引張強度とを有している。
外科用ケーブル10の端部はテーパ状端部10Bになっている。テーパ状端部10Bは、線長が5mm程度で、二重マルチフィラメントケーブルによる素材の全ての素線12同士を加熱溶着させて1本の線材(図3参照)とし、全体として先細のテーパ形状に形成したものである。なお、図示の例では、テーパ状端部10Bは、先端に向けて先細となり、先端が縫い針のように尖った形状になっているが、先端が尖らずに、平面からなる端面や半球面を有する形状であってもよい。
テーパ状端部10Bは、全ての素線12同士が溶着して1本の線材になっていることにより、中実構造で、ケーブル本体部10Aおよび後述する先端近傍部10Cよりも高い剛性を有している。このテーパ状端部10Bの剛性は、屈曲せずに骨100(図6参照、以下同様)に沿って体内組織内に挿入でき、且つ人の指先では曲がらない程度の剛性であることが好ましい。
テーパ状端部10Bとケーブル本体部10Aとの間には先端近傍部10Cが一体形成されている。本実施形態では、先端近傍部10Cは、一端にてテーパ状端部10Bの大径端に連続し、他端にてケーブル本体部10Aの一端に連続している。先端近傍部10Cは、線長が30mm程度で、塑性加工による素線12およびマルチフィラメントケーブル14の塑性変形によって外科用ケーブル10の少なくとも外周部においてマルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士が面接触により密着し、全体として縮径されている。本実施形態では、先端近傍部10Cは、図4に示されているように、外科用ケーブル10の内部においてもマルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士が面接触により密着し、全体としてさらに縮径されている。先端近傍部10Cの外径は、ケーブル本体部10Aの外径よりも小さく、テーパ状端部10Bの大径側の外径と等しい。ケーブル本体部10Aと先端近傍部10Cとは肩部を有することなく滑らかに繋がり、テーパ状端部10Bと先端近傍部10Cとも同一径で滑らかに繋がっている。
先端近傍部10Cは、外科用ケーブル10の少なくとも外周部においてマルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士が面接触により密着していることにより、径方向の剛性に関しては、ケーブル本体部10Aよりも高くてテーパ状端部10Bよりも低く、可撓性に関しては、ケーブル本体部10Aよりも低くてテーパ状端部10Bよりも高くなっている。
このように、ケーブル本体部10Aよりも高い径方向の剛性を備えて可撓性を有する先端近傍部10Cは、ケーブル本体部10Aの素線12と連続した素線12によって構成されるから、ケーブル本体部10Aと先端近傍部10Cとを一体形成することができ、先端近傍部10Cのために別部品を必要とせず、ケーブル本体部10Aと先端近傍部10Cとが分離することがない。更に、テーパ状端部10Bもケーブル本体部10Aおよび先端近傍部10Cの素線12と連続した素線12によって構成されるから、ケーブル本体部10Aと先端近傍部10Cとテーパ状端部10Bとを一体形成することができ、テーパ状端部10Bのために別部品を必要とせず、ケーブル本体部10Aと先端近傍部10Cとテーパ状端部10Bとが分離することがない。
外科用ケーブル10は、以下の第1ステップ〜第3のステップによって製造することができる。なお、第2のステップと第3のステップとは、第2のステップ後に第3のステップが行われても、その逆に、第3のステップ後に第2のステップが行われてもよい。
(第1ステップ)
ステンレス鋼等の金属製の複数本の円形断面の素線12を螺旋状に撚り合わせて略円形断面のマルチフィラメントケーブル14を複数本作成し、その複数本のマルチフィラメントケーブル14を逆方向に螺旋状に撚り合わせて略円形断面の二重マルチフィラメントケーブルによるケーブル素材を作成する。
(第2ステップ)
第1ステップで作成したケーブル素材の少なくとも一端部の素線12同士を所定長さ、例えば5mm程度に亘って加熱溶着させ、全体として先細の尖ったテーパ形状の中実の一体構造のテーパ状端部10Bを作成する。
(第3ステップ)
第1ステップで作成したケーブル素材がテーパ状端部10Bに連続する部分を、所定長さ、例えば30mm程度に亘って塑性加工によって全体として縮径させ、素線12およびマルチフィラメントケーブル14の塑性変形によってマルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士が面接触により密着している先端近傍部10Cを作成する。
テーパ状端部10Bおよび先端近傍部10C以外の部分のケーブル素材は、そのままで、ケーブル本体部10Aになる。
これにより、テーパ状端部10Bと、先端近傍部10Cと、テーパ状端部10B及び先端近傍部10C以外がケーブル素材のままのケーブル本体部10Aとを有する外科用ケーブル10を、1本のケーブル素材によって生産性よく製造することができる。しかも、第3のステップが塑性加工により行われることにより、素線12同士が面接触により密着する先端近傍部10Cを確実かつ容易に形成することができる。
外科用ケーブル10は、図5に示されている固定具20と共に、ピン・ケーブル方式の骨固定(内固定)のための外科用骨固定ユニットとして用いられる。
固定具20は、骨100に刺し入れられる直径が2mm程度の円形横断面のピン部22と、ピン部22の一端(基端)に設けられた横断面形状がピン部22よりも大きい長方形状の頭部24と、ピン部22とは頭部24を隔てた反対側にて一端を頭部24に固定されてピン部22と同一軸線上にピン部22とは反対側に延在する軸状のグリップ部26とを一体に有し、全体をステンレス鋼等の生体適合性が高い金属によって構成されている。
ピン部22の他端、つまり先端は、骨100に刺し入れられ易いように、二面取り加工とV形加工とによって尖った槍先形状部22Aになっている。
頭部24には、ピン部22の径方向と同方向に互いに平行に延在して頭部24を貫通する2個の貫通孔28が形成されている。貫通孔28は、外科用ケーブル10を挿通可能な円形横断面形状の孔であり、外科用ケーブル10の外径よりも少し大きい内径、例えば外科用ケーブル10の外径が1mmであれば、1.1mm〜1.2mm程度の内径を有する。頭部24は、両側部を鉗子等によって強く挟むことにより、貫通孔28が潰れるように、かしめ変形可能な程度の強度を有する。ここで、貫通孔28が潰れるようにかしめ変形するとは、貫通孔28の横断面形状が円形から楕円あるいは長円に変形することを云う。
グリップ部26は、ピン部22を骨100に刺し入れる際に、鉗子等によって掴まれる部分であり、鉗子によって掴まれ易いように、二面取り部26Aを有する。グリップ部26は、ピン部22を骨100に刺し入れた後は頭部24から取り除かれるものである。このため、グリップ部26を頭部24から分離し易いように、グリップ部26の頭部24との連結部26Bはテーパ形状によって細径化されている。
図6は、本実施形態の外科用骨固定ユニット、つまり外科用ケーブル10と固定具20とを用いて、骨折したヒトの膝関節部のピン・ケーブル方式による内固定が行われた実例を示している。
この内固定の手術は、まず、骨折部を有する骨100の複数箇所に、この例では互いに異なる7箇所に各々固定具20のピン部22を骨100の外側から打ち込むように刺し入れることが行われる。このピン部22の刺し入れは、図示されているように、そのほぼ全体が骨100内に挿入されるように行われる。
つぎに、外科用ケーブル10の先端近傍部10Cをピンセット、鉗子等によって掴んで、針穴に糸を通すように、外科用ケーブル10のテーパ状端部10Bを固定具20の頭部24の一方の側の貫通孔28に挿入する。この挿入によってテーパ状端部10B及び先端近傍部10Cの挿入前側が貫通孔28を貫通すれば、貫通孔28から出た先端近傍部10Cを掴み換え、外科用ケーブル10を引っ張るようにしてテーパ状端部10Bを隣接する固定具20の頭部24の貫通孔28に挿入する。
外科用ケーブル10の先端は、先細の尖ったテーパ形状で、ケーブル本体部10Aおよび先端近傍部10Cより高い剛性を有するテーパ状端部10Bであるから、外科用ケーブル10の先端を貫通孔28に通し易く、この作業を作業性よく迅速に行うことができる。
この施術を繰り返し行うことで、図6において、符号(a)で示されている固定具20から順に、符号(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)で示されている固定具20の一方の側の貫通孔28に外科用ケーブル10を通し、更に符号(a)、(b)で示されている固定具20の他方の側の貫通孔28に外科用ケーブル10を通し、外科用ケーブル10が全ての固定具20を経由して閉じたループを描くようする。この外科用ケーブル10のループは骨折部の全体を囲繞して拘束する必要があるので、これを達成するように、固定具20の刺し入れ本数、刺し入れ場所が選定されればよい。
上述の作業が完了すれば、外科用ケーブル10の両端を鉗子等で掴み、ケーブル本体部10Aが骨折部の立体的な形状に適合して曲がり、骨折部を取り囲んで締め付けるように、外科用ケーブル10を緊張させる。この緊張状態で、外科用ケーブル10が2重に通っている、符号(a)、(b)で示されている固定具20の頭部24をかしめ変形させ、外科用ケーブル10を頭部24に固定する。これにより、他の固定部材を必要とすることなく外科用ケーブル10を固定具20に作業性よく固定することができる。
その後、外科用ケーブル10の端部の余剰部を切断して除去する。これにより、テーパ状端部10B及び先端近傍部10Cは取り除かれ、ケーブル本体部10Aのみが残ることになる。その後、各固定具20のグリップ部26の連結部26Bを折り曲げるようしてグリップ部26を頭部24から切り離し、除去する。これにより内固定の手術は完了する。
上述したような内固定の手術では、外科用ケーブルを複数の固定具の貫通孔に次々に通すために、外科用ケーブルの先端近傍をピンセットや鉗子によって繰り返し両側から挟むように掴むため、外科用ケーブルが撚り合わせケーブル(マルチフィラメントケーブル)であると、繰り返し掴む部分の素線がばらけて外科用ケーブルが膨らんだり、外科用ケーブルの断面形状が変形したりする虞がある。
しかし、本実施形態の外科用ケーブル10では、テーパ状端部10Bとケーブル本体部10Aとの間に先端近傍部10Cがあり、先端近傍部10Cは、マルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士が面接触により密着していることにより、テーパ状端部10Bよりは低い剛性であるものの、可撓性を有してケーブル本体部10Aよりも高い径方向の剛性を有しているから、換言すると、径方向に圧縮変形し難いから、マルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士がばらけ難く、外科用ケーブル10の断面形状も変形し難い。これにより、外科用ケーブル10を固定具20の貫通孔28に通したり、外科用ケーブル10を緊張させたりする作業において、先端近傍部10Cの掴み換えが繰り返し行われても、マルチフィラメントケーブル14同士および素線12同士がばらけたり、断面形状が変形したりし難い。
このことにより、内固定の手術の途中で、マルチフィラメントケーブル14同士がばらけたり、断面形状が変形したりすることに起因して外科用ケーブル10を固定具20の貫通孔28に通し難くなることを回避でき、ピン・ケーブル方式の骨固定法の外科手術が作業性よく迅速に行われ得るようになる。
しかも、先端近傍部10Cは、ケーブル本体部10Aの可撓性よりは低いものの、テーパ状端部10Bよりも高い可撓性を有しているから、外科用ケーブル10の先端側がテーパ状端部10Bを含んで長く連続した区間に亘って曲がり難くなることがなく、テーパ状端部10Bを次の固定具20の貫通孔28に通すために、テーパ状端部10Bの向きを変えながら、テーパ状端部10Bの向きが貫通孔28の貫通方向に合致する方向になるように、テーパ状端部10Bを容易に誘導でき、先端近傍部10Cを掴んで外科用ケーブル10を各固定具20に引き廻す作業が先端近傍部10Cの存在によって行われ難くなることがない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。例えば、外科用ケーブル10は、二重撚り合わせでなく、一重撚り合わせであっても、三つ編等の編んでなるものであってもよい。
外科用ケーブル10の先端部は、外科用ケーブル10を固定具20の貫通孔28に通し易い形状と容易に曲がらない剛性および硬さを有していればよく、図7に示されているように、半球状端部10Dによる先細形状であってもよい。また、外科用ケーブル10の先端部はケーブル本体部10Aよりも高い剛性を備えていればよく、軽量化のために中空構造であってもよい。
テーパ状端部10Bあるいは半球状端部10D等による外科用ケーブル10の先端部は、先端近傍部10Cとは別体の塑性加工品によって構成され、先端近傍部10Cの先端面に溶接あるいはろう付け等によって接合されたものであってもよい。また、先端近傍部10Cがケーブル本体部10Aとは別体で、先端近傍部10Cがケーブル本体部10Aの先端面に溶接あるいはろう付け等によって接合されたものであってもよい。
先端近傍部10Cは、ピンセットや鉗子によって繰り返し両側から挟むように掴むことが行われても、素線12がばらけて外科用ケーブル10が膨らんだり、外科用ケーブル10の断面形状が変形したりすることがないようにケーブル本体部10Aよりも高い径方向の剛性を備え、しかも、テーパ状端部10Bを固定具20の貫通孔28に通すために、テーパ状端部10Bを貫通孔28の貫通方向に合致する方向に容易に誘導できように、つまりテーパ状端部10Bの向きを容易に変更できるように適度の可撓性を有していればよく、素線同士が面接触によって互いに密着している構造に限定されることはない。例えば、先端近傍部10Cは、図8に示されているように、ステンレス鋼等による密着巻きのコイルばねによって構成されていてもよい。この密着巻きのコイルばねは、無荷重時に巻線を互いに密着させる初張力を有する引張りコイルばねと同等のもので構成することができる。
この実施形態では、先端近傍部10Cを、ケーブル本体部10Aとは別に準備した先端近傍部10Cの要件を満たす密着巻きのコイルばねによって容易に構成することができる。
なお、本実施形態による外科用ケーブル10の用途は、ピン・ケーブル方式のための体内固定用ケーブルに限られることなく、ピン(固定具20)を用いずに患部を固定するための体内固定用ケーブルとしても使用することができる。
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 外科用ケーブル
10A ケーブル本体部
10B テーパ状端部
10C 先端近傍部
10D 半球状端部
12 素線
14 マルチフィラメントケーブル
20 固定具
22 ピン部
24 頭部
26 グリップ部
28 貫通孔

Claims (6)

  1. 複数本の素線を撚り合わせ又は編んでなる可撓性を有するケーブル本体部と、
    前記ケーブル本体部より高い剛性を有する先細形状の先端部と、
    前記先端部と前記ケーブル本体部との間にあって、前記ケーブル本体部よりも高い径方向の剛性を備え、且つ可撓性を有する先端近傍部と、
    を有する外科用ケーブル。
  2. 前記先端近傍部は、前記ケーブル本体部を構成する素線と一体の複数本の素線によって構成され、少なくともケーブル外周部の前記素線同士が面接触によって互いに密着している請求項1に記載の外科用ケーブル。
  3. 前記先端近傍部は前記素線の塑性変形によって前記素線同士が互いに密着している請求項2に記載の外科用ケーブル。
  4. 前記先端近傍部は、密着巻きのコイルばねによって構成されている請求項1に記載の外科用ケーブル。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の外科用ケーブルと、
    骨に刺し入れられるピン部および前記ピン部の一端に設けられ、前記外科用ケーブルが挿通可能な貫通孔を形成された頭部を有する固定具と、
    を具備する外科用骨固定ユニット。
  6. 前記貫通孔に挿通されている前記外科用ケーブルが前記頭部のかしめによって前記頭部に固定されるように、前記頭部がかしめ変形可能である請求項5に記載の外科用骨固定ユニット。
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