JP2018023608A - 外科用治具及び外科用骨固定ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ピン・ケーブル方式の内固定手術において、骨の治癒後に骨から固定具を容易に抜去することができる外科用治具を提供する。【解決手段】外科用治具10のケーブル把持面17におけるリベット(回動軸)13の軸方向と平行な幅方向Wの中間部に、ヘッド部16の先端側に開口するとともにヘッド部16の先端側から後端側に向かって延びる凹部18を形成する。固定具30の頭部32に形成された貫通孔34の両端からそれぞれ延出している外科用ケーブル20を、頭部32を跨いでケーブル把持面17で把持するとき、固定具30の頭部32は凹部18に収容されるため、頭部32が邪魔になりケーブル把持面17による外科用ケーブル20の把持が妨げられることはない。【選択図】図7

Description

本発明は、外科用治具及び外科用骨固定ユニットに関し、より詳細には、ピン・ケーブル方式による内固定手術において骨の治癒後に骨から固定具を抜去するための外科用治具及びその外科用治具を備えた外科用骨固定ユニットに関する。
骨折した骨を接合する骨接合術における骨の固定法として、刺入部と該刺入部の一端に設けられた頭部とを有する固定具と、外科用ケーブル(体内固定用ケーブル)とを用い、複数個の固定具の刺入部を骨の各部に刺し入れ、固定具の頭部に形成された貫通孔に外科用ケーブルを通し、外科用ケーブルによって骨折部を縛るようにして骨片を固定するピン・ケーブル方式の骨固定法(内固定法)が知られている。このようなピン・ケーブル方式の骨固定法に使用される固定具としては、例えば、本願出願人による特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、外科用ケーブルを固定するためのケーブル固定孔が形成された頭部と、骨に刺入される刺入部とを有するスリーブが記載されている。
骨に刺し入れられた固定具は、身体にとっては異物であるため、骨の治癒後に骨から抜去することが多い。従来は、細長い棒状の治具(ピック)の先端を固定具の頭部の貫通孔に差し込み、貫通孔の縁部を支点としてテコの原理で頭部を骨の表面から持ち上げて頭部を把持し易くした後、鉗子やペンチ等の把持具により頭部を把持して引っ張ることにより、固定具を骨から抜去していた。
国際公開99/42050号公報
固定具の頭部が骨から突出していると、頭部を覆う皮膚や筋肉などの軟部組織が身体外部と接触したときに、軟部組織が頭部とこすれて患者に疼痛が生じる虞がある。そのため、固定具の頭部は骨内に埋没させることが好ましい。しかし、頭部を骨内に埋没させると、頭部の貫通孔に治具(ピック)の先端を刺し込むのが困難になる。また、頭部の角部は生体組織への刺激を避けるために面取りされているため、治具を用いて頭部を持ち上げたとしても、頭部は把持しにくいという問題がある。
本発明は、上記の問題点を鑑み、ピン・ケーブル方式の内固定手術において、骨の治癒後に骨から固定具を容易に抜去することができる外科用治具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、外科用ケーブルを把持するための外科用治具(10)であって、互いに交差して配置されるとともにその交差部(12)に設けられた回動軸(13)を中心として回動自在に結合され、前記交差部から後端側に延びるハンドル部(14)及び前記交差部から先端側に延び、前記ハンドル部の操作により開閉するヘッド部(15)をそれぞれ有する一対のアーム(11)と、前記各ヘッド部の先端部分にそれぞれ設けられ、前記ヘッド部の閉状態において互いに突き合わされるケーブル把持面(17)と、前記ケーブル把持面における前記回動軸の軸方向と平行な幅方向(W)の中間部に凹設され、前記ヘッド部の先端側に開口するとともに前記ヘッド部の先端側から後端側に向かって延びる凹部(18)とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、固定具の頭部に形成された貫通孔の両端からそれぞれ延出している外科用ケーブルを、頭部を跨いでケーブル把持面で把持することができる。このとき、固定具の頭部は凹部に収容されるため、頭部が邪魔になりケーブル把持面による外科用ケーブルの把持が妨げられることはない。
前記ケーブル把持面は、溝(17A)または凹凸が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ケーブル把持面で外科用ケーブルを把持したときに、ケーブル把持面と外科用ケーブルの外周面との間の摩擦力を高め、外科用ケーブルの滑り変位を防止することができる。
本発明による外科用骨固定ユニットは、上述の発明による外科用治具(10)と、外科用ケーブル(20)と、外科用ケーブルが挿通可能な貫通孔(34)が形成された頭部(32)及び該頭部の底面(32A)に突設された刺入部(36)を有する固定具(30)とを備えた外科用骨固定ユニットであって、前記凹部は、前記ヘッド部の閉状態において前記頭部を収容可能な形状を有していることを特徴とする。
この構成によれば、外科用ケーブル及び固定具を用いるピン・ケーブル方式の内固定手術において、刺入部が骨に刺し入れられた固定具の頭部の貫通孔の両端からそれぞれ延出している外科用ケーブルを、頭部を跨いでケーブル把持面で把持することができる。このとき、固定具の頭部は凹部に収容されるため、頭部が邪魔になりケーブル把持面による外科用ケーブルの把持が妨げられることはない。したがって、骨の治癒後に、外科用治具を用いて骨から固定具を容易に抜去することが可能となる。
前記凹部は、前記ヘッド部の向きを、前記ケーブル把持面で前記外科用ケーブルを把持するときの向きに対して、前記ヘッド部の先端側から後端側に延びる仮想軸線(A)を中心として90度回転させた状態で前記凹部内に前記頭部を収容したときに、前記頭部における前記貫通孔の軸方向に対して直交する方向の側面(32C)の少なくとも一部を係止可能に形成された係止部(18A)と、前記ケーブル把持面からその反対側の面まで貫通し、かつ前記外科用ケーブルを挿通可能な大きさに形成された貫通部(18B)とを有することが好ましい。
この構成によれば、固定具の頭部を骨の表面から持ち上げた後、凹部の係止部で固定具の頭部の前記側面を係止することができる。このとき、固定具の頭部の貫通孔の両端から延出する外科用ケーブルは凹部の貫通部に挿通されるので、外科用ケーブルが邪魔になり係止部による頭部の係止が妨げられることはない。そして、係止部で頭部の前記側面を係止した状態で外科用治具を骨から離間する方向に移動させることにより、骨から固定具を抜去することができる。
前記係止部は、前記ヘッド部の閉状態において、前記頭部と相補的な形状となるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、固定具の頭部を凹部の係止部で容易かつ確実に把持することができる。
前記頭部の前記側面は、前記底面からその反対側の上面(32B)に向かって広がるように傾斜しており、前記係止部は、前記仮想軸線が延びる方向に対して直交する断面の形状が、先端側から後端側に向かって広がるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、固定具の頭部の前記側面が底面から上面に向かって広がるように傾斜している場合に、前記側面を凹部の係止部で係止することができる。
前記係止部は、前記仮想軸線が延びる方向の長さが、前記頭部の前記底面及び前記上面間の長さよりも大きくなるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、仮想軸線Aが延びる方向において作業空間に余裕ができるので、凹部の係止部で頭部の前記側面を係止する作業をより容易に行うことができる。
本発明による外科用治具によれば、ピン・ケーブル方式の内固定手術において、骨の固定後に骨から固定具を容易に抜去することができる。
本発明の一実施形態に係る外科用治具を示す斜視図。 図1の矢印IIに沿って見た外科用治具の側面図。 図1の矢印IIIに沿って見た外科用治具の上面図。 (A)図2のIV―IV断面図、(B)図3における把持部の周囲の拡大図。 本発明に係る外科用骨固定ユニットに用いられる固定具の一実施形態を示す斜視図。 本発明に係る外科用骨固定ユニットを使用して、ヒトの骨折した膝関節部を内固定手術した例を示す図。 本発明に係る外科用治具を使用して骨から固定具を抜去する手順を説明するための図であり、(A)はケーブル把持面で外科用ケーブルを把持した状態を示し、(B)固定具の頭部を骨の表面から持ち上げた状態を示す。 本発明に係る外科用治具を使用して骨から固定具を抜去する手順を説明するための図であり、(A)は係止部で固定具の頭部を係止した状態を示し、(B)は固定具を骨から完全に抜去した状態を示す。 (A)は図4(A)に対応する図であり、凹部の係止部で固定具の頭部を係止した状態を示し、(B)は図4(B)に対応する図であり、凹部の貫通部に外科用ケーブルを挿通させた状態を示す。
以下に、本発明による外科用治具及びそれを備えた外科用骨固定ユニットの実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜3に示すように、本発明による外科用治具10は、互いに交差して配置され、その交差部12に設けられたリベット(回動軸)13を中心として回動自在に結合された一対のアーム11、11を含む。リベット13は、各アーム11の交差部12に形成された貫通孔(図示せず)に挿通され、かしめ等により固定されている。各アーム11は、交差部12から後端側に延びるハンドル部14と、交差部12から先端側に延びるヘッド部15とを有している。各ヘッド部15の先端部分には、外科用ケーブル20(図7(A)、(B)参照)を把持するための把持部16が設けられている。
ハンドル部14は、外科用治具10のユーザの片手によって把持され操作される部分であり、リベット13を支点として互いに接近又は離反する方向に回動可能である。ヘッド部15は、ハンドル部14の接近及び離反に応じて、リベット13を支点として互いに接近又は離反する方向に回動する。ヘッド部15の先端部分に設けられた把持部16は、ヘッド部15の接近及び離反に応じて開閉する。すなわち、把持部16は、ハンドル部14の操作により開閉される。ヘッド部15における把持部16と交差部12との間に位置する部分は、把持部16の閉状態において互いに離間し、互いの間に隙間が形成される。
把持部16における、閉状態において互いに対向する面には、ケーブル把持面17が形成されている。ケーブル把持面17には、リベット13の軸方向と平行な幅方向Wに延在する溝17Aが複数形成されている。このように、ケーブル把持面17に溝17Aを形成すると、ケーブル把持面17で外科用ケーブル20を把持したときに、ケーブル把持面17と外科用ケーブル20の外周面との間の摩擦力を高め、外科用ケーブル20の滑り変位を防止することができる。なお、溝17Aの形状、向き、数は適宜変更可能である。また、溝17Aの代わりに凹凸を形成してもよい。凹凸を形成した場合でも、溝17Aを形成した場合と同様に、外科用ケーブル20の滑り変位を防止することができる。
ケーブル把持面17は、その幅方向Wの中間部に、凹部18が凹設されている。凹部18は、把持部16の先端側に開口するとともに把持部16(ケーブル把持面17)の先端側から後端側に向かって延びるように形成されている。凹部18は、ケーブル把持面17の後端を超えて、把持部16の後端まで延びている。すなわち、凹部18は、幅方向Wにおいて、ケーブル把持面17を2つに分割している(図4(A)参照)。凹部18は、ケーブル把持面17で、固定具30の頭部32に形成された貫通孔34の両端から延出する外科用ケーブル20を、頭部32を跨いで把持したときに、頭部32を収容可能な形状に形成されている(図7(A)参照)。
図4(A)に示すように、凹部18は、ヘッド部15の先端側から後端側に延びる仮想軸線Aに対して直交する断面の形状が、先端側から後端側に向かって広がるように形成されている。詳細については後述するが、固定具30の頭部32における貫通孔34の軸方向に対して直交する方向の側面32Cは、底面32Aから上面32Bに向かって広がるように傾斜して形成されている(図5参照)。したがって、係止部18Aは、把持部16の閉状態において、固定具30の頭部32と相補的な形状となるように形成されている(図9(A)参照)。また、係止部18Aは、仮想軸線Aの方向の長さが、固定具30の頭部32の底面32A及び上面32B(図5参照)間の長さよりも大きくなるように形成されている(図9(A)参照)。
図4(B)に示すように、凹部18は、ケーブル把持面17からその反対側の外面19まで貫通して形成された貫通部18Bを有する。貫通部18Bは、外科用ケーブル20を挿通可能な大きさに形成されている。詳細については後述するが、凹部18の係止部18Aで固定具30の頭部32の側面32Cを係止したとき、外科用ケーブル20は、貫通部18Bに挿通される(図9(B)参照)。
外科用治具10は、例えばステンレス鋼やチタン合金等の剛性が高い材料から作製される。外科用治具10は、図5及び図6に示す外科用ケーブル20及び固定具30と共に、ピン・ケーブル方式の内固定手術用の外科用骨固定ユニットとして用いられ、骨の治癒後に骨100から固定具30を抜去するのに使用される。
外科用ケーブル20は、例えばステンレス鋼や高分子材料等の生体適合性が高い材料からなる素線を複数本撚り合わせて構成した、可撓性を有するものが用いられる。なお、外科用ケーブル20は、撚り線のものに限らず、例えばピアノ線や軟鋼線等の単線のものであってもよい。
図5に示すように、固定具30は、外科用ケーブル20(図6参照)を挿通可能な貫通孔34が形成された頭部32と、頭部32の底面32Aに垂直に突設されたピン状の刺入部36と、頭部32の上面32Bに垂直に突設された棒状のグリップ部38とを備えて構成されている。刺入部36とグリップ部38は、頭部32を挟んで同一直線上に延在するように設けられている。固定具30は、例えばステンレス鋼やチタン合金等の生体適合性が高い材料から作製される。
頭部32は、横断面形状が刺入部36よりも大きい錐台状に形成されている。また、生体組織への刺激を避けるために、頭部32の角は適宜面取りされている。頭部32における貫通孔34の軸方向に対して直交する方向の側面32Cは、底面32Aから上面32Bに向かって広がるように傾斜して形成されている。側面32Cは、内固定手術の際に鉗子等で把持し易いように、平坦状に形成されている。
貫通孔34は、刺入部36の軸方向に対して直交する方向に延在している。貫通孔34は、直線状に形成されており、円形の横断面形状を有している。また、貫通孔34の内径は、外科用ケーブル20の外径よりも少し大きく形成されており、例えば、外科用ケーブル20の外径が1.2mmであれば、貫通孔34の内径は1.3mm程度に形成されている。
刺入部36は、骨折部の骨に刺入される部分である。刺入部36は、断面円形のピン状に形成されており、2mm程度の直径を有している。刺入部36は、頭部32と一体的に構成されており、刺入部36の基端は頭部32の底面32Aから垂直に延出している。刺入部36の先端は、骨に刺入し易いように、二面取り加工及びV形加工によって尖った槍先形状部36Aになっている。
グリップ部38は、内固定手術の際の様々な作業、例えば、刺入部36を骨に刺入する作業や、頭部32の貫通孔34に外科用ケーブル20を通す作業の際に、鉗子等の把持具や手術者の手で掴まれる部分である。このため、グリップ部38は、その側面に、鉗子等で掴み易いように、面取り部38Aを有している。また、グリップ部38は、刺入部36を骨に刺入し、頭部32に外科用ケーブル20を固定した後は不要になるので、頭部32から切り離して除去することができるように構成されている。具体的には、グリップ部38の頭部32との連結部38Bは、頭部32から切り離し易いように、テーパ状に細径化されている。このように連結部38Bを細径化することにより、切断具を使用することなく、連結部38Bで折ってグリップ部38を頭部32から容易に切り離して除去することができる。
次に、固定具30を外科用ケーブル20と共に使用して、ヒトの骨折した膝関節部を内固定手術した例を、図6を参照して説明する。
内固定手術の手順を説明すると、まず、骨折部の骨100の所定箇所にそれぞれ固定具30A〜Gを固定する。図6の例では、固定具30A〜Gは、骨100の7箇所に固定される。固定具30A〜Gは、その刺入部36を骨100に刺入することにより固定される。図示のように、刺入部36は、そのほぼ全体が骨100内に挿入される。なお、固定具30の本数や刺入部36の刺入位置等は、骨折部の固定が最適になるように適宜選択される。なお、固定具30A、30Bの頭部32は、外科用ケーブル20を2重に通すことができるように、かつかしめ変形可能に構成されている。
次に、骨100に固定された固定具30の頭部32の貫通孔34に、外科用ケーブル20を通す。この作業は、外科用ケーブル20の一方の端部をピンセットや鉗子等で掴んで、針穴に糸を通すようにして行う。この作業を、固定具30Aから、30B、30C、30D、30E、30F、30Gの順に順番に行う。次いで、固定具30Gの貫通孔34を通した外科用ケーブル20の先端部を、固定具30A、30Bの頭部32の貫通孔34に通す。このように、固定具30A、30Bの頭部32に外科用ケーブル20を2重に通すことにより、外科用ケーブル20を環状にすることができる。これにより、外科用ケーブル20は骨折部に巻き付けられる。
次に、骨折部に巻き付けられた外科用ケーブル20を骨折部に所定の圧力を持って密着させるべく、外科用ケーブル20の両端部をそれぞれ鉗子等で掴んで緊張し、外科用ケーブル20に張力を加える。この張力印加状態で、外科用ケーブル20を2重に通した固定具30A、30Bの各頭部32の左右両側面を鉗子等で挟んで強く押圧してかしめ変形させる。これにより、貫通孔34は潰れ変形し、また外科用ケーブル20も塑性変形し、貫通孔34の内面に外科用ケーブル20の外周面が密着した状態で、貫通孔34において頭部32に外科用ケーブル20がかしめ固定される。このようにして、固定具30によって、外科用ケーブル20の両端部を、所定の張力を持って互いに締結することができる。なお、外科用ケーブル20の端部の余剰部は、切断して除去される。
外科用ケーブル20の両端部の締結後、各固定具30のグリップ部38を連結部38Bで折り曲げて切り離し、頭部32から除去する。そして、固定具30の頭部32は、骨100の表面から突出しないように、ハンマー等で叩いて骨100内に埋没させる。その後、縫合等を行うことにより内固定手術は完了する。
次に、骨100の治癒後に、骨100に刺し入れられた固定具30を、外科用治具10を使用して抜去する手順について説明する。本実施形態では、固定具30の頭部32は、骨100内に完全に埋没されておらず、その一部が骨100の表面から突出している。
まず、手術部位を切開した後、骨折部に巻き付けられた外科用ケーブル20の適所をペンチ等の切断治具を用いて切断する。外科用ケーブル20の切断箇所は、固定具30及び外科用ケーブル20の抜去及び除去を最適に行うことができるように適宜選択される。
次に、図7(A)に示すように、外科用治具10の把持部16により、固定具30の頭部32の貫通孔34の両端からそれぞれ延出している外科用ケーブル20を、頭部32を跨いで把持する。把持部16は、ケーブル把持面17で挟み込むことにより、外科用ケーブル20を把持する。このとき、固定具30の頭部32における骨100の表面から突出している部分は、外科用治具10の凹部18内に収容されるので、ケーブル把持面17による外科用ケーブル20の把持が妨げられることはない。
次に、図7(B)に示すように、把持部16で外科用ケーブル20を把持した状態で、外科用治具10を骨100から離間する方向に移動させる。これにより、骨100の表面付近に位置していた外科用ケーブル20は、外科用治具10と共に骨100から離間する方向に移動する。外科用ケーブル20は固定具30の頭部32の貫通孔34に挿通されているので、外科用ケーブル20が骨100から離間する方向に移動すると、固定具30の頭部32も外科用ケーブル20と共に骨100から離間する方向に移動する。その結果、固定具30の頭部32が骨100の表面から持ち上げられる。
固定具30の頭部32を骨100の表面から持ち上げた後、外科用治具10のハンドル部14を操作して把持部16を開き、把持部16による外科用ケーブル20の把持を解除する。そして、把持部16の向きを、ケーブル把持面17で外科用ケーブル20を把持するときの向きに対して、仮想軸線Aを中心として90度回転させる。その後、把持部16を開き、ケーブル把持面17間に固定具30の頭部32を挟むようにして把持部16を閉じる(図8(A)参照)。
これにより、凹部18内に、固定具30の頭部32が収容される。このとき、図9(A)に示すように、凹部18の係止部18Aによって、固定具30の頭部32の側面32Cが係止される。また、このとき、図9(B)に示すように、頭部32の貫通孔34の両端から延出する外科用ケーブル20は、凹部18の貫通部18Bに挿通されるので、係止部18Aによる頭部32の側面32Cの係止が妨げられることはない。
係止部18Aは、図4(A)を参照して上述したように、把持部16の閉状態において、固定具30の頭部32と相補的な形状となるように形成されているので、固定具の頭部を容易かつ確実に係止することができる。また、図9(B)に示すように、係止部18Aは、仮想軸線Aが延びる方向の長さが、頭部32の底面32A及び上面32B間の長さよりも大きくなるように形成されているので、仮想軸線Aが延びる方向において作業空間に余裕ができ、これにより係止部18Aで頭部32の側面32Cを係止する作業をより容易に行うことができる。
そして、係止部18Aで頭部32の側面32Cを係止した状態で、外科用治具10を骨100から離間する方向に移動させることにより(図8(B)参照)、骨100から固定具30の刺入部36を引き出すことができる。これにより、骨100から固定具30が抜去される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、上記実施形態では、凹部18の係止部18Aは、固定具30の頭部32の側面32Cと相補的な形状となるように形成したが、頭部32の側面32Cの少なくとも一部を係止することができれば、凹部18の係止部18Aは頭部32の側面32Cと相補的な形状でなくてもかまわない。
また、上記実施形態では、固定具30の頭部32は錐台状に形成されているが、頭部32の形状は矩形状等の他の形状であってもよい。また、固定具30の貫通孔34の形状や数、刺入部36の形状や数も適宜変更可能である。
10 外科用治具
11 アーム
12 交差部
13 リベット(回動軸)
14 ハンドル部
15 ヘッド部
16 把持部
17 ケーブル把持面
17A 溝
18 凹部
18A 係止部
18B 貫通部
19 外側面
20 外科用ケーブル
30 固定具
34 貫通孔
34 頭部
32A 底面
32B 上面
32C 側面
36 刺入部
38 グリップ部
100 骨
A 仮想軸線
W 幅方向

Claims (7)

  1. 外科用ケーブルを把持するための外科用治具であって、
    互いに交差して配置されるとともにその交差部に設けられた回動軸を中心として回動自在に結合され、前記交差部から後端側に延びるハンドル部及び前記交差部から先端側に延び、前記ハンドル部の操作により開閉するヘッド部をそれぞれ有する一対のアームと、
    前記各ヘッド部の先端部分にそれぞれ設けられ、前記ヘッド部の閉状態において互いに突き合わされるケーブル把持面と、
    前記ケーブル把持面における前記回動軸の軸方向と平行な幅方向の中間部に凹設され、前記ヘッド部の先端側に開口するとともに前記ヘッド部の先端側から後端側に向かって延びる凹部とを含むことを特徴とする外科用治具。
  2. 前記ケーブル把持面に、溝または凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外科用治具。
  3. 請求項1または2に記載の外科用治具と、
    外科用ケーブルと、
    前記外科用ケーブルが挿通可能な貫通孔が形成された頭部及び該頭部の底面に突設された刺入部を有する固定具とを備えた外科用骨固定ユニットであって、
    前記凹部は、前記ヘッド部の閉状態において前記頭部を収容可能な形状を有していることを特徴とする外科用骨固定ユニット。
  4. 前記凹部は、
    前記ヘッド部の向きを、前記ケーブル把持面で前記外科用ケーブルを把持するときの向きに対して、前記ヘッド部の先端側から後端側に延びる仮想軸線を中心として90度回転させた状態で前記凹部内に前記頭部を収容したときに、前記頭部における前記貫通孔の軸方向に対して直交する方向の側面の少なくとも一部を係止可能に形成された係止部と、
    前記ケーブル把持面からその反対側の面まで貫通し、かつ前記外科用ケーブルを挿通可能な大きさに形成された貫通部とを有することを特徴とする請求項3に記載の外科用骨固定ユニット。
  5. 前記係止部は、前記ヘッド部の閉状態において、前記頭部と相補的な形状となるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の外科用骨固定ユニット。
  6. 前記頭部の前記側面は、前記底面からその反対側の上面に向かって広がるように傾斜しており、
    前記係止部は、前記仮想軸線が延びる方向に対して直交する断面の形状が、先端側から後端側に向かって広がるように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の外科用骨固定ユニット。
  7. 前記係止部は、前記仮想軸線が延びる方向の長さが、前記頭部の前記底面及び前記上面間の長さよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の外科用骨固定ユニット。
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