以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[画像形成システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す模式図である。
本実施の形態に係る画像形成システム1は、画像形成装置2と、携帯型設定装置3とを備えている。また、画像形成装置2は、LAN(Local Area Network)に接続されており、当該LANに接続されたコンピュータ4との間でデータ通信が可能である。
画像形成装置2は、原稿から画像を読み取り、読み取られた画像を記録媒体である記録用紙に形成(印刷)することが可能である。さらに具体的には、画像形成装置2は、コピー、プリント、イメージ送信、ファイリング等の複数種類のジョブを実行可能なデジタル複合機である。
携帯型設定装置3は、画像形成装置2のユーザによって携行される。かかる携帯型設定装置3は、ユーザから画像形成装置2のジョブの設定情報の入力を受け付け、入力された設定情報を記憶することが可能である。また、携帯型設定装置3は、ユーザが画像形成装置2に携帯型設定装置3を近づける(かざす)ことで、画像形成装置2へと設定情報を送信し、画像形成装置2に対して、前記設定情報にしたがったコピー、プリント等のジョブの実行を開始させることが可能である。
画像形成システム1を使用するユーザは、例えば自席など画像形成装置2から離れた場所で、携帯型設定装置3にジョブの設定情報を入力しておき、ジョブを実行するときに、画像形成装置2の設置場所まで移動して画像形成装置2に携帯型設定装置3をかざす。このとき、原稿が必要なコピージョブ、イメージ送信ジョブ、ファイリングジョブを実行するのであれば、ユーザは原稿を画像形成装置2にセットする。画像形成装置2は、携帯型設定装置3から設定情報を受信して、自動的にジョブの実行を開始する。ユーザは、画像形成装置2の設置場所に移動した後即座に画像形成装置2にジョブを実行させることができ、記録用紙に画像を形成した印刷物を短時間で得ることができる。
<画像形成装置2の構成>
図2は、画像形成装置2の構成を示すブロック図である。画像形成装置2は、制御部21と、画像読取ユニット22と、自動原稿送りユニット23と、画像形成ユニット24と、第1通信インタフェース(第2近距離無線通信部)25と、第2通信インタフェース(第4無線通信部)26と、第3通信インタフェース27と、入力部28と、表示部29とを備えている。
制御部21は、CPU及びメモリ等によって構成されている。かかる制御部21は、制御用プログラムを実行することによって、画像読取ユニット22、自動原稿送りユニット23、及び画像形成ユニット24を制御する。
また、制御部21は、ハードディスク21aを備えている。ハードディスク21aには、当該画像形成装置2にユーザがログインするときに使用される認証情報データベース21bが設けられている。認証情報データベース21aには、各ユーザの認証情報が登録されており、それぞれの認証情報には、ユーザ名及びパスワードが含まれている。
画像読取ユニット22は、原稿から画像を読み取るためのものであり、原稿台ガラスと、光源部と、ミラー及び集光レンズ等からなる光学システムと、CCD等の受光素子とを備えている。光源部から発せられた光は原稿台ガラス上に配置された原稿に照射され、原稿からの反射光が光学システムによって受光素子に導かれる。受光素子では受光強度に応じた電気信号である画像信号が出力される。
自動原稿送りユニット23は、複数枚の原稿を載置することが可能であり、載置された原稿を取り込んで、画像読取ユニット22による読取位置へと供給する。読取位置を通過した原稿は、自動原稿送りユニット23に設けられた排出トレイ上に排出される。
画像形成ユニット24は、感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、給紙トレイ等を具備している。かかる画像形成ユニット24においては次のようにして画像が記録用紙に形成される。まず、帯電器によって帯電された感光体ドラムの表面を、画像読取ユニット22によって読み取られた画像に応じて露光装置が露光することで、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。次に、現像装置が、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像する。このようにして感光体ドラムに形成されたトナー像が転写装置に設けられた転写ベルト上に転写され、さらに転写ベルト上のトナー像が給紙トレイから供給された記録用紙上に転写される。記録用紙が定着装置によって加熱されることにより、記録用紙に形成されたトナー像が溶融及び混合され、同時に記録用紙に対してトナー像が圧接される。トナー像が定着された後の記録用紙は、所定の排紙トレイ上に排出される。
第1通信インタフェース25は、近距離無線通信(NFC: Near Field Communication)用の通信インタフェースであり、ISO/IEC 18092規格にしたがったものである。第1通信インタフェース25の通信速度は、数100kbps程度である。また、第1通信インタフェース25の通信エリアは、数cm乃至1m程度である。画像形成装置2は、第1通信インタフェース25と同一規格にしたがった近距離無線通信インタフェースを備える機器が前記通信エリア内に進入した場合(つまり、当該機器が画像形成装置2にかざされた場合)に、第1通信インタフェース25を介して当該機器とデータ通信が可能である。
第2通信インタフェース26は、高速無線通信用の通信インタフェースであり、例えばIEEE 802.11(Wi−fi)、同802.15.1(Bluetooth(登録商標))等の規格にしたがったものである。第2通信インタフェース26の通信速度は、数Mbps以上である。また、第2通信インタフェース26の通信エリアは、概ね100m以内である。画像形成装置2は、第2通信インタフェース26と同一規格にしたがった無線通信インタフェースを備える機器が前記通信エリア内にある場合に、第2通信インタフェース26を介して当該機器とデータ通信が可能である。
第3通信インタフェース27は、有線通信用の通信インタフェースであり、例えばIEEE 802.3i、同802.3u、同802.3ab等の規格にしたがったものである。画像形成装置2は、かかる第3通信インタフェース27を介してLANに接続されており、コンピュータ4との間で第3通信インタフェース27を介してデータ通信を行うことが可能となっている。
表示部29は液晶パネルによって構成されており、入力部28はタッチパッドによって構成されている。表示部29の上に入力部28が重ねられており、表示部29と入力部28とでタッチパネルが構成されている。
<携帯型設定装置3の構成>
次に、携帯型設定装置3の構成について説明する。図3は、携帯型撮像装置3の構成を示すブロック図である。携帯型撮像装置3は、多機能携帯電話機(スマートフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットコンピュータ等の携帯情報端末30によって実現される。図3に示すように、携帯情報端末30は、CPU31a、ROM31b、RAM(主記憶装置)31c、フラッシュメモリからなる補助記憶装置(記憶部)31d、入出力インタフェース31e、第1通信インタフェース(第1近距離無線通信部)31f、第2通信インタフェース(第3無線通信部)31g、画像出力インタフェース31h、表示部32、及び入力部33を備えている。CPU31a、ROM31b、RAM31c、補助記憶装置31d、入出力インタフェース31e、第1通信インタフェース31f、第2通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hは、データ伝送用のバス31jによって接続されている。
第1通信インタフェース31fは、近距離無線通信用の通信インタフェースであり、ISO/IEC 18092規格にしたがったものである。第1通信インタフェース31fの構成は、画像形成装置2の第1通信インタフェース25の構成と同様であるので、その説明を省略する。
第2通信インタフェース31gは、高速無線通信用の通信インタフェースであり、例えばIEEE 802.11(Wifi)、同802.15.1(Bluetooth)等の規格にしたがったものである。第2通信インタフェース31gの構成は、画像形成装置2の第2通信インタフェース26の構成と同様であるので、その説明を省略する。
表示部32は液晶パネルによって構成されており、入力部33はタッチパッドによって構成されている。表示部32の上に入力部33が重ねられており、表示部32と入力部33とでタッチパネルが構成されている。表示部32は、画像出力インタフェース31hに接続されており、入力部33は入出力インタフェース31eに接続されている。
補助記憶装置31dには、当該携帯型設定装置2を使用するユーザの認証情報34が記憶されている。この認証情報34は、ユーザ名及びパスワードを含んでおり、画像形成装置2にログインするときのユーザ認証に用いられる。
また、補助記憶装置31dには、携帯情報端末30を携帯型設定装置3として機能させるためのコンピュータプログラム35がインストールされている。かかるコンピュータプログラム35をCPU31aが実行することにより、携帯情報端末30は、本実施の形態に係る携帯型設定装置3として機能する。
[画像形成システムの動作]
次に、画像形成システムの動作について説明する。
<ジョブ設定動作>
まず、携帯型設定装置3によるジョブ設定動作について説明する。ジョブ設定動作は、携帯型設定装置3のCPU31aがジョブ設定処理を実行することにより実現される。図4は、ジョブ設定処理の手順を示すフローチャートである。
ユーザは、ジョブの設定を行う場合、携帯情報端末30にコンピュータプログラム35(図3参照)の実行指示を与える。これにより、CPU31aがコンピュータプログラム35を実行し、携帯情報端末30が携帯型設定装置3として機能する。
コンピュータプログラム35が実行されると、まずCPU31aは、ジョブ指定画面を表示部32に表示させ、設定対象のジョブの指定を受け付ける(ステップS101)。
図5は、ジョブ指定画面を示す図である。ジョブ指定画面D1には、設定対象のジョブを指定するためのコントロール(GUIコンポーネント)である複数のボタンC11〜C14が含まれている。ボタンC11は、コピージョブを指定するためのボタンコントロールであり、ボタンC12は、プリントジョブを指定するためのボタンコントロールであり、ボタンC13は、ファイリングジョブを指定するためのボタンコントロールであり、ボタンC14は、イメージ送信ジョブを指定するためのボタンコントロールである。ボタンC11〜C14のそれぞれは、ユーザが入力部33におけるボタンC11〜C14の表示位置を触れる(タップする)ことにより選択可能であり、ボタンC11〜C14が選択されることにより、選択されたボタンに対応するジョブが指定される。
図4に示すように、ユーザからのジョブの指定を受け付けると、CPU31aは、何れのジョブが指定されたかを判別する(ステップS102)。コピージョブが指定された場合には(ステップS102において「コピー」)、CPU31aは、コピージョブ設定処理を実行する(ステップS103)。また、プリントジョブが指定された場合には(ステップS102において「プリント」)、CPU31aは、プリントジョブ設定処理を実行し(ステップS104)、ファイリングジョブが指定された場合には(ステップS102において「ファイリング」)、CPU31aは、ファイリングジョブ設定処理を実行し(ステップS105)、イメージ送信ジョブが指定された場合には(ステップS102において「イメージ送信」)、CPU31aは、イメージ送信ジョブ設定処理を実行する(ステップS106)。
図6は、コピージョブ設定処理の手順を示すフローチャートである。コピージョブ設定処理において、まずCPU31aは、コピージョブ設定画面を表示部32に表示させ、コピージョブの設定情報の入力を受け付ける(ステップS111)。コピージョブ設定画面には、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー印刷設定画面、片面/両面印刷設定画面、及び片面/両面原稿設定画面が含まれている。ページ集約設定画面、モノクロ/カラー印刷設定画面、片面/両面印刷設定画面、及び片面/両面原稿設定画面の間で、表示の遷移が可能となっている。例えば、ページ集約設定画面が表示されている状態で、ユーザが入力部33の表面に指先を滑らせる操作(スワイプ)を行うことによって、モノクロ/カラー印刷設定画面に表示が遷移する。
図7Aは、ページ集約設定画面を示す図である。ページ集約設定画面D2には、「ページ集約なし」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC21と、「2in1」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC22と、「4in1」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC23と、「8in1」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC24とが設けられている。ラジオボタンC21〜C24のそれぞれは、ユーザが入力部33におけるラジオボタンC21〜C24の表示位置を触れることにより選択可能である。かかるラジオボタンC21〜C24は、同時に複数を選択することはできず、何れか1つのみを選択することが可能である。なお、「ページ集約なし」は、原稿の1頁を、記録用紙の1頁に印刷する設定を示しており、「2in1」は、原稿の2頁を、記録用紙の1頁に印刷する設定を示しており、「4in1」は、原稿の4頁を、記録用紙の1頁に印刷する設定を示しており、「8in1」は、原稿の8頁を、記録用紙の1頁に印刷する設定を示している。
また、ページ集約設定画面D2には、設定情報の入力を完了するためのコントロールであるボタンC25が設けられている。
図7Bは、モノクロ/カラー印刷設定画面を示す図である。モノクロ/カラー印刷設定画面D3には、「モノクロ印刷」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC31と、「カラー印刷」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC32とが設けられている。かかるラジオボタンC31及びC32は、同時に2つを選択することはできず、何れか1つのみを選択することが可能である。なお、「モノクロ印刷」は、原稿の画像を記録用紙に黒単色で印刷する設定を示しており、「カラー印刷」は、原稿の画像を記録用紙にカラーで印刷する設定を示している。
また、モノクロ/カラー印刷設定画面D3には、ページ集約設定画面D2(図7A参照)と同様に、設定情報の入力を完了するためのコントロールであるボタンC25が設けられている。
図7Cは、片面/両面印刷設定画面を示す図である。片面/両面印刷設定画面D4には、「片面印刷」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC41と、「両面印刷」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC42とが設けられている。かかるラジオボタンC41及びC42は、同時に2つを選択することはできず、何れか1つのみを選択することが可能である。なお、「片面印刷」は、原稿の画像を記録用紙の片面に印刷する設定を示しており、「両面印刷」は、原稿の画像を記録用紙の両面に印刷する設定を示している。
また、片面/両面印刷設定画面D4には、ページ集約設定画面D2(図7A参照)及びモノクロ/カラー印刷設定画面D3(図7B参照)と同様に、設定情報の入力を完了するためのコントロールであるボタンC25が設けられている。
図7Dは、片面/両面原稿設定画面を示す図である。片面/両面原稿設定画面D5には、「片面原稿」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC51と、「両面原稿」を選択するためのコントロールであるラジオボタンC52とが設けられている。かかるラジオボタンC51及びC52は、同時に2つを選択することはできず、何れか1つのみを選択することが可能である。「片面原稿」は、原稿の片面を記録用紙に印刷する設定を示しており、「両面原稿」は、原稿の両面を記録用紙に印刷する設定を示している。
また、片面/両面原稿設定画面D5には、ページ集約設定画面D2(図7A参照)、モノクロ/カラー印刷設定画面D3(図7B参照)、及び片面/両面印刷設定画面D4(図7C参照)と同様に、設定情報の入力を完了するためのコントロールであるボタンC25が設けられている。
ユーザは、上記のようなページ集約設定画面D2、モノクロ/カラー印刷設定画面D3、片面/両面印刷設定画面D4、及び片面/両面原稿設定画面D5により、コピージョブの設定情報を入力すると、ボタンC25を選択して設定情報の入力完了を指示する。
CPU31aは、設定情報の入力完了の指示を受け付けると、コピージョブ設定画面から設定確認画面に表示部32の表示を切り替える。
図8は、設定確認画面を示す図である。設定確認画面D6には、上記のステップS111において入力を受け付けた設定の内容を示す文字情報が含まれる。また、設定確認画面D6には、設定情報を確定するためのコントロールであるボタンC61と、設定情報を破棄するためのコントロールであるボタンC62とが設けられている。ユーザは、設定確認画面D6に表示されている設定内容でコピージョブを実行する場合には、ボタンC61を選択し、設定確認画面D6に表示されている設定内容でコピージョブを実行しない場合には、ボタンC62を選択する。
図6に示すように、CPU31aは、ボタンC61が選択されることで、設定情報の確定指示を受け付けたか、ボタンC62が選択されることで、設定情報の破棄の指示を受け付けたかを判別する(ステップS112)。設定情報の確定指示を受け付けた場合には(ステップS112において「設定情報確定」)、CPU31aは、コピージョブを示すジョブモード情報と、入力されたコピージョブの設定情報とを補助記憶装置31dに格納し(ステップS113)、ジョブ実行準備完了画面を表示部32に表示させ(ステップS114)、ジョブ実行準備完了画面を表示させたままの状態で、メインルーチンに処理を戻す。
他方、設定情報の破棄の指示を受け付けた場合には(ステップS112において「設定情報破棄」)、CPU31aは、設定情報を補助記憶装置31dに格納することなく設定確認画面を非表示にして、メインルーチンに処理を戻す。
次に、プリントジョブ設定処理について説明する。図9は、プリントジョブ設定処理の手順を示すフローチャートである。プリントジョブ設定処理において、まずCPU31aは、プリントジョブ設定画面を表示部32に表示させ、プリントジョブの設定情報の入力を受け付ける(ステップS121)。プリントジョブ設定画面には、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー印刷設定画面、及び片面/両面印刷設定画面が含まれている。上述したコピージョブ設定画面と同様に、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー印刷設定画面、及び片面/両面印刷設定画面の間では、表示の遷移が可能となっている。
なお、プリントジョブ設定画面におけるページ集約設定画面、モノクロ/カラー印刷設定画面、及び片面/両面印刷設定画面は、上述したコピージョブ設定画面におけるページ集約設定画面D2(図7A参照)、モノクロ/カラー印刷設定画面D3(図7B参照)、及び片面/両面印刷設定画面D4(図7C参照)と同様であるので、その説明を省略する。
ユーザは、上記のようなページ集約設定画面、モノクロ/カラー印刷設定画面、及び片面/両面印刷設定画面により、プリントジョブの設定情報を入力すると、設定情報の入力完了を指示する。
CPU31aは、プリントジョブの設定情報の入力完了の指示を受け付けると、プリントジョブ設定画面から設定確認画面に表示部32の表示を切り替える。設定確認画面は、上述したコピージョブ設定処理における設定確認画面D6(図8参照)と同様であるので、その説明を省略する。
CPU31aは、設定情報の確定指示を受け付けたか、設定情報の破棄の指示を受け付けたかを判別する(ステップS122)。設定情報の確定指示を受け付けた場合には(ステップS122において「設定情報確定」)、CPU31aは、プリントジョブを示すジョブモード情報と、入力されたプリントジョブの設定情報とを補助記憶装置31dに格納する(ステップS123)。
次に、CPU31aは、補助記憶装置31dに記憶されている画像又は文書データのうち、印刷する対象の画像又は文書データの選択を受け付ける(ステップS124)。画像又は文書データの選択を受け付けた後、CPU31aは、ジョブ実行準備完了画面を表示部32に表示させ(ステップS125)、ジョブ実行準備完了画面を表示させたままの状態で、メインルーチンに処理を戻す。
他方、設定情報の破棄の指示を受け付けた場合には(ステップS122において「設定情報破棄」)、CPU31aは、設定情報を補助記憶装置31dに格納することなく設定確認画面を非表示にして、メインルーチンに処理を戻す。
次に、ファイリングジョブ設定処理について説明する。図10は、ファイリングジョブ設定処理の手順を示すフローチャートである。ファイリングジョブ設定処理において、まずCPU31aは、ファイリングジョブ設定画面を表示部32に表示させ、ファイリングジョブの設定情報の入力を受け付ける(ステップS131)。ファイリングジョブ設定画面には、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー画像設定画面、及び片面/両面原稿設定画面が含まれている。上述したコピージョブ設定画面及びプリントジョブ設定画面と同様に、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー画像設定画面、及び片面/両面原稿設定画面の間では、表示の遷移が可能となっている。
なお、ファイリングジョブ設定画面におけるページ集約設定画面、及び片面/両面原稿設定画面は、上述したコピージョブ設定画面におけるページ集約設定画面D2(図7A参照)、及び片面/両面原稿設定画面D5(図7D参照)と同様であるので、その説明を省略する。
モノクロ/カラー画像設定画面は、生成する画像を、白黒の2値画像、グレースケールの多階調画像、及びカラーの多階調画像の何れとするかの設定情報を入力するための画面である。かかるモノクロ/カラー画像設定画面は、グレースケールを設定可能な他は、モノクロ/カラー印刷設定画面D3(図7B参照)と同様である。
ユーザは、上記のようなページ集約設定画面、モノクロ/カラー画像設定画面、及び片面/両面原稿設定画面により、ファイリングジョブの設定情報を入力すると、設定情報の入力完了を指示する。
CPU31aは、ファイリングジョブの設定情報の入力完了の指示を受け付けると、ファイリングジョブ設定画面から設定確認画面に表示部32の表示を切り替える。設定確認画面は、上述したコピージョブ設定処理における設定確認画面D6(図8参照)と同様であるので、その説明を省略する。
CPU31aは、設定情報の確定指示を受け付けたか、設定情報の破棄の指示を受け付けたかを判別する(ステップS132)。設定情報の確定指示を受け付けた場合には(ステップS132において「設定情報確定」)、CPU31aは、ファイリングジョブを示すジョブモード情報と、入力されたファイリングジョブの設定情報とを補助記憶装置31dに格納する(ステップS133)。
次にCPU31aは、画像の保存先のフォルダ及び保存ファイルの名称を示す保存先情報の指定を受け付ける(ステップS134)。補助記憶装置31dには、1又は複数の保存先のフォルダ情報が記憶されている。保存先のフォルダとしては、例えば、コンピュータ4のハードディスク内のフォルダ(保管場所)、画像形成装置2のハードディスク21a内のフォルダ等がある。かかる保存先情報には、保存先のフォルダ及びファイル名を特定するアドレスが含まれている。ステップS134の処理では、表示部32に保存先情報を選択するための画面が表示され、ユーザが入力部33を操作して保存先情報を選択することによって、選択された保存先情報(保存先のフォルダの情報)の指定がCPU31aに与えられる。このとき、CPU31aによって自動生成されたファイル名が付される。また、ユーザが入力部33を操作して、保存先情報(保存先のフォルダ名及びファイル名)を示す文字情報を携帯型設定装置3に直接入力することで、保存先情報を指定することも可能である。
保存先情報の選択を受け付けた後、CPU31aは、ジョブ実行準備完了画面を表示部32に表示させ(ステップS135)、ジョブ実行準備完了画面を表示させたままの状態で、メインルーチンに処理を戻す。
他方、設定情報の破棄の指示を受け付けた場合には(ステップS132において「設定情報破棄」)、CPU31aは、設定情報を補助記憶装置31dに格納することなく設定確認画面を非表示にして、メインルーチンに処理を戻す。
次に、イメージ送信ジョブ設定処理について説明する。図11は、イメージ送信ジョブ設定処理の手順を示すフローチャートである。イメージ送信ジョブ設定処理において、まずCPU31aは、イメージ送信ジョブ設定画面を表示部32に表示させ、イメージ送信ジョブの設定情報の入力を受け付ける(ステップS141)。イメージ送信ジョブ設定画面には、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー画像設定画面、及び片面/両面原稿設定画面が含まれている。上述したコピージョブ設定画面、プリントジョブ設定画面、及びファイリングジョブ設定画面と同様に、ページ集約設定画面、モノクロ/カラー画像設定画面、及び片面/両面原稿設定画面の間では、表示の遷移が可能となっている。
なお、イメージ送信ジョブ設定画面におけるページ集約設定画面、及び片面/両面原稿設定画面は、上述したコピージョブ設定画面におけるページ集約設定画面D2(図7A参照)、及び片面/両面原稿設定画面D5(図7D参照)と同様であり、イメージ送信ジョブ設定画面におけるモノクロ/カラー画像設定画面は、上述したファイリングジョブ設定画面におけるモノクロ/カラー画像設定画面と同様であるので、その説明を省略する。
ユーザは、上記のようなページ集約設定画面、モノクロ/カラー画像設定画面、及び片面/両面原稿設定画面により、イメージ送信ジョブの設定情報を入力すると、設定情報の入力完了を指示する。
CPU31aは、イメージ送信ジョブの設定情報の入力完了の指示を受け付けると、イメージ送信ジョブ設定画面から設定確認画面に表示部32の表示を切り替える。設定確認画面は、上述したコピージョブ設定処理における設定確認画面D6(図8参照)と同様であるので、その説明を省略する。
CPU31aは、設定情報の確定指示を受け付けたか、設定情報の破棄の指示を受け付けたかを判別する(ステップS142)。設定情報の確定指示を受け付けた場合には(ステップS142において「設定情報確定」)、CPU31aは、イメージ送信ジョブを示すジョブモード情報と、入力されたイメージ送信ジョブの設定情報とを補助記憶装置31dに格納する(ステップS143)。
次にCPU31aは、画像の送信先のアドレスを示すアドレス情報の指定を受け付ける(ステップS144)。補助記憶装置31dには、1又は複数のアドレス情報が記憶されている。画像の送信先アドレスとしては、例えば、ファクシミリ番号、及びメールアドレス等がある。ステップS144の処理では、表示部32にアドレス情報を選択するための画面が表示され、ユーザが入力部33を操作してアドレス情報を選択することによって、選択されたアドレス情報の指定がCPU31aに与えられる。また、ユーザが入力部33を操作して、アドレス情報を示す文字情報を携帯型設定装置3に直接入力することで、アドレス情報を指定することも可能である。
送信先アドレス情報の選択を受け付けた後、CPU31aは、ジョブ実行準備完了画面を表示部32に表示させ(ステップS145)、ジョブ実行準備完了画面を表示させたままの状態で、メインルーチンに処理を戻す。
他方、設定情報の破棄の指示を受け付けた場合には(ステップS142において「設定情報破棄」)、CPU31aは、設定情報を補助記憶装置31dに格納することなく設定確認画面を非表示にして、メインルーチンに処理を戻す。
上述したコピージョブ設定処理、プリントジョブ設定処理、ファイリングジョブ設定処理、又はイメージ送信ジョブ設定処理が終了した後、CPU31aは、ジョブ設定処理を終了する(図4)。このとき、ジョブ実行準備完了画面が表示部32に表示されている場合には、CPU31aは、ジョブ実行準備完了画面を表示させたままの状態で、ジョブ設定処理を終了する。
図12は、ジョブ実行準備完了画面を示す図である。ジョブ実行準備完了画面D7には、「複合機にかざしてください。」及び「※かざすだけで自動実行されます。」の文字情報が含まれている。かかるジョブ実行準備完了画面を確認したユーザは、携帯型設定装置3を携帯した状態で画像形成装置2まで移動して、以下に説明するように画像形成装置3にジョブを実行させる。
<ジョブ実行動作>
以下、本実施の形態に係る画像形成システム1によるジョブ実行動作について説明する。ジョブ実行動作は、携帯型設定装置3のCPU31aがジョブ実行指示処理を実行し、画像形成装置2の制御部21がジョブ実行処理を実行することにより実現される。
図13A及び図13Bは、ジョブ実行指示処理の手順を示すフローチャートである。
ジョブの実行を指示する場合、ユーザはジョブ準備実行完了画面D7(図12参照)が表示されている携帯型設定装置3を画像形成装置2にかざす。画像形成装置2(図2参照)と携帯型設定装置3(図3参照)とが近接し、お互いに第1通信インタフェース25,31fの通信エリア内に入ると、第1通信インタフェース25,31fがお互いを通信可能機器として検出する。第1通信インタフェース25,31fがお互いに検出されると、第1通信インタフェース25,31f間で接続要求データ及び応答データが通信され、第1通信インタフェース25,31f間の接続が確立される。
また、上述したジョブ実行指示処理において、コピージョブ、ファイリングジョブ、又はイメージ送信ジョブの設定情報がユーザから入力された場合には、ユーザは、携帯型設定装置3を画像形成装置2にかざすために画像形成装置2の設置位置に移動したときに、ジョブの実行に使用される原稿を、画像形成装置2の画像読取ユニット22の原稿台ガラス又は自動原稿送りユニット23に載置する(図2参照)。
図13Aに示すように、ジョブ実行指示処理において、まずCPU31aは、第1通信インタフェース25,31f間の接続が確立したか否かを判別する(ステップS201)。第1通信インタフェース25,31f間の接続が確立していない場合には(ステップS201においてNO)、CPU31aは、処理をステップS201へ戻し、接続が確立するまでステップS201の処理を繰り返す。
第1通信インタフェース25,31f間の接続が確立した場合には(ステップS201においてYES)、CPU31aは、画像形成装置2と通信中であることを示すメッセージを表示部32に表示させ(ステップS202)、補助記憶装置31dに記憶されている認証情報34(図3参照)を第1通信インタフェース31fに送信させる(ステップS203)。
画像形成装置2において、認証情報34を用いたユーザ認証が成功すると、認証成功情報が第1通信インタフェース25から送信される。また、画像形成装置2において、認証情報34を用いたユーザ認証が失敗すると、認証失敗情報が第1通信インタフェース25から送信される。CPU31aは、第1通信インタフェース31fが認証成功情報を受信したか、認証失敗情報を受信したかを判別し(ステップS204)、認証失敗情報が受信された場合には(ステップS204においてNO)、処理をステップS205へ移す。ステップS205では、CPU31aが表示部32にエラー画面を表示させ(ステップS205)、ジョブ実行指示処理を終了する。
他方、第1通信インタフェース31fが認証成功情報を受信すると(ステップS204においてYES)、CPU31aは、高速無線通信が可能か否かの問合せ情報を第1通信インタフェース31fに送信させ、画像形成装置2に高速無線通信が可能か否かを問い合わせる(ステップS206)。
画像形成装置2において、高速無線通信が可能である場合、即ち、画像形成装置2が高速無線通信用の第2通信インタフェース26を備えている場合には(図2参照)、画像形成装置2の第1通信インタフェース25から高速無線通信を許可する許可情報が送信される。また、画像形成装置2において、高速無線通信が不可能である場合、即ち、画像形成装置2が高速無線通信用の第2通信インタフェース26を備えていない場合には、画像形成装置2の第1通信インタフェース25から高速無線通信を拒否する拒否情報が送信される。
図13Bに示すように、CPU31aは、第1通信インタフェース31fが許可情報を受信したか、拒否情報を受信したかを判別する(ステップS207)。画像形成装置2は、第1通信インタフェース25から許可情報を送信した場合には、高速無線通信用の接続情報(SSID、IPアドレス、パスワード等)を引き続き第1通信インタフェース25から送信する。ステップS207において許可情報が受信された場合には(ステップS207においてYES)、携帯型設定装置3の第1通信インタフェース31fが高速無線通信用の接続情報を受信する(ステップS208)。CPU31aは、受信した接続情報を用いて第2通信インタフェース31g(図3参照)を設定し、第2通信インタフェース31gに高速無線通信のアドホック接続要求を送信させ、画像形成装置2との間で高速無線通信接続を確立させる(ステップS209)。第1通信インタフェース25,31fの通信エリアよりも、第2通信インタフェース26,31gの通信エリアの方が広いため、第1通信インタフェース25,31fが通信可能状態となっている場合には、第2通信インタフェース26,31gがそれぞれの通信エリア内に入っている。このため、アドホック接続が確立すると、第2通信インタフェース26,31g間で高速無線通信が可能となる。
次にCPU31aは、補助記憶装置31d(図3参照)に記憶されているジョブモード情報及び設定情報を、高速無線通信によって画像形成装置2へ送信する(ステップS210)。つまり、ステップS210の処理では、ジョブモード情報及び設定情報が、第2通信インタフェース31gから送信される。また、入力された設定情報がプリントジョブの設定情報である場合(つまり、補助記憶装置31dに記憶されているジョブモード情報がプリントジョブを示すものである場合)、CPU31aは、ステップS210の処理において、ジョブモード情報及び設定情報とともに、印刷対象として選択された画像又は文書データを第2通信インタフェース31gに送信させる。
次にCPU31aは、ジョブモード情報及び設定情報(並びに画像又は文書データ)の送信を正常に完了したか否かを判別し(ステップS211)、ジョブモード情報及び設定情報の送信を正常に完了しなかった場合には(ステップS211においてNO)、ジョブモード情報及び設定情報の再送回数(以下、「リトライ回数」という。)が、リトライ回数の上限(例えば、5回)に達したか否かを判別する(ステップS212)。リトライ回数が上限に達していない場合には(ステップS212においてNO)、CPU31aは、ステップS210に処理を戻し、ジョブモード情報及び設定情報送信のリトライを実行する。
他方、リトライ回数が上限に達した場合には(ステップS212においてYES)、CPU31aは、表示部32にエラー画面を表示させ(ステップS213)、ジョブ実行指示処理を終了する。
また、ステップS211において、ジョブモード情報及び設定情報の送信を正常に完了した場合には(ステップS211においてYES)、CPU31aは、表示部32に通信完了画面を表示させ(ステップS214)、ジョブ実行指示処理を終了する。
ステップS207において、拒否情報が受信された場合には(ステップS207においてNO)、CPU31aは、補助記憶装置31d(図3参照)に記憶されているジョブモード情報及び設定情報の送信を、近距離無線通信を用いて行う(ステップS215)。つまり、ステップS215の処理では、ジョブモード情報及び設定情報が、第1通信インタフェース31fから送信される。また、入力された設定情報がプリントジョブの設定情報である場合(つまり、補助記憶装置31dに記憶されているジョブモード情報がプリントジョブを示すものである場合)、CPU31aは、ステップS215の処理において、ジョブモード情報及び設定情報とともに、印刷対象として選択された画像又は文書データを第1通信インタフェース31fに送信させる。
次にCPU31aは、ジョブモード情報及び設定情報(並びに画像又は文書データ)の送信を正常に完了したか否かを判別し(ステップS216)、ジョブモード情報及び設定情報の送信を正常に完了しなかった場合には(ステップS216においてNO)、ジョブモード情報及び設定情報送信のリトライ回数が、リトライ回数の上限に達したか否かを判別する(ステップS217)。リトライ回数が上限に達していない場合には(ステップS217においてNO)、CPU31aは、ステップS215に処理を戻し、ジョブモード情報及び設定情報送信のリトライを実行する。
他方、リトライ回数が上限に達した場合には(ステップS217においてYES)、CPU31aは、表示部32にエラー画面を表示させ(ステップS213)、ジョブ実行指示処理を終了する。
また、ステップS216において、ジョブモード情報及び設定情報の送信を正常に完了した場合には(ステップS216においてYES)、CPU31aは、表示部32に通信完了画面を表示させ(ステップS214)、ジョブ実行指示処理を終了する。
図14A及び図14Bは、ジョブ実行処理の手順を示すフローチャートである。
図14Aに示すように、ジョブ実行処理において、まず制御部21は、第1通信インタフェース25,31f(図2、3参照)間の接続が確立したか否かを判別する(ステップS301)。第1通信インタフェース25,31f間の接続が確立していない場合には(ステップS301においてNO)、制御部21は、処理をステップS301へ戻し、接続が確立するまでステップS301の処理を繰り返す。
第1通信インタフェース25,31f間の接続が確立した場合には(ステップS301においてYES)、制御部21は、画像形成装置2が節電モード(画像形成装置2の各機構の動作を休止して消費電力を低減している動作モード)であるか否かを判別し(ステップS302)、節電モードである場合には(ステップS302においてYES)、節電モードから通常モード(画像形成装置2の各機構が動作可能な動作モード)へと画像形成装置2の各部を復帰させ(ステップS303)、ステップS304へと処理を移す。他方、節電モードでない(つまり、通常モードである)場合には(ステップS302においてNO)、制御部21は、そのままステップS304へ処理を移す。
ステップS304において、画像形成装置2の第1通信インタフェース25が、携帯型設定装置3から送信された認証情報を受信する(ステップS304)。制御部(ユーザ認証部)21は、受信された認証情報を、認証情報データベース21bに登録されている認証情報と照合するユーザ認証処理を行う(ステップS305)。ユーザ認証に成功した場合には(ステップS305において「認証成功」)、制御部21は、認証成功を示す認証成功情報(ユーザ認証成功通知情報)を第1通信インタフェース25に送信させ(ステップS306)、ステップS308へ処理を移す。
他方、ユーザ認証に失敗した場合には(ステップS305において「認証失敗」)、制御部21は、認証失敗を示す認証失敗情報を第1通信インタフェース25に送信させ(ステップS307)、ジョブ実行処理を終了する。
ステップS308において、制御部21は、携帯型設定装置3から送信された高速無線通信が可能か否かの問合せ情報を受け付け(ステップS308)、図14Bに示すように、高速無線通信が可能か否か、即ち、高速無線通信用の第2通信インタフェース26(図2参照)を備えているか否かを判別する(ステップS309)。
高速無線通信が可能である場合には(ステップS309においてYES)、制御部21は、高速無線通信接続を許可する許可情報を第1通信インタフェース25に送信させ(ステップS310)、引き続き、高速無線通信用の接続情報(SSID、IPアドレス、パスワード等)を第1通信インタフェース25に送信させる(ステップS311)。さらに、制御部21は、第2通信インタフェース26,31g(図2、3参照)間の高速無線通信接続の確立処理を実行し、携帯型設定装置3との間で高速無線通信接続を確立させる(ステップS312)。
第2通信インタフェース26,31g間で高速無線通信接続が確立すると、携帯型設定装置3から高速無線通信により送信されたジョブモード情報及び設定情報を第2通信インタフェース26が受信する(ステップS313)。また、受信されたジョブモード情報がプリントジョブを示すものである場合、ステップS313の処理において、ジョブモード情報及び設定情報だけでなく、印刷対象の画像又は文書データが第2通信インタフェース26によって受信される。
次に制御部21は、ジョブモード情報及び設定情報(並びに画像又は文書データ)の受信を正常に完了したか否かを判別し(ステップS314)、ジョブモード情報及び設定情報の受信を正常に完了しなかった場合には(ステップS314においてNO)、ジョブモード情報及び設定情報の受信のリトライ回数が、リトライ回数の上限(例えば、5回)に達したか否かを判別する(ステップS315)。リトライ回数が上限に達していない場合には(ステップS315においてNO)、CPU31aは、ステップS313に処理を戻し、ジョブモード情報及び設定情報受信のリトライを実行する。
他方、リトライ回数が上限に達した場合には(ステップS315においてYES)、制御部21は、ジョブ実行処理を終了する。
また、ステップS314において、ジョブモード情報及び設定情報の受信を正常に完了した場合には(ステップS314においてYES)、制御部21は、ステップS320へ処理を移す。
ステップS309において、高速無線通信が可能でない場合には(ステップS309においてNO)、制御部21は、高速無線通信接続を拒否する拒否情報を第1通信インタフェース25に送信させる(ステップS316)。さらに、携帯型設定装置3から近距離無線通信により送信されたジョブモード情報及び設定情報を第1通信インタフェース25が受信する(ステップS317)。また、受信されたジョブモード情報がプリントジョブを示すものである場合、ステップS317の処理において、ジョブモード情報及び設定情報だけでなく、印刷対象の画像又は文書データが第1通信インタフェース25によって受信される。
次に制御部21は、ジョブモード情報及び設定情報(並びに画像又は文書データ)の受信を正常に完了したか否かを判別し(ステップS318)、ジョブモード情報及び設定情報の受信を正常に完了しなかった場合には(ステップS318においてNO)、ジョブモード情報及び設定情報の受信のリトライ回数が、リトライ回数の上限に達したか否かを判別する(ステップS319)。リトライ回数が上限に達していない場合には(ステップS319においてNO)、制御部21は、ステップS317に処理を戻し、ジョブモード情報及び設定情報受信のリトライを実行する。
他方、リトライ回数が上限に達した場合には(ステップS319においてYES)、制御部21は、ジョブ実行処理を終了する。
また、ステップS318において、ジョブモード情報及び設定情報の受信を正常に完了した場合には(ステップS318においてYES)、制御部21は、受信されたジョブモード情報がどの種類のジョブを示しているかを判断し(ステップS320)、ジョブモード情報によって示される種類のジョブを、受信された設定情報にしたがって開始する(ステップS321)。つまり、ジョブモード情報がコピージョブを示す情報である場合には、受信されたコピージョブ用の設定情報にしたがって、画像読取ユニット22、自動原稿送りユニット23、及び画像形成ユニット24が制御されて、画像読取ユニット22によって原稿から画像が読み取られ、画像形成ユニット24によって画像が記録用紙に印刷される(図2参照)。また、ジョブモード情報がプリントジョブを示す情報である場合には、受信されたプリントジョブ用の設定情報にしたがって、画像形成ユニット24が制御されて、携帯型設定装置3から送信された画像又は文書データから生成された画像が、画像形成ユニット24によって記録用紙に印刷される。また、ジョブモード情報がファイリングジョブを示す情報である場合には、受信されたファイリングジョブ用の設定情報にしたがって、画像読取ユニット22及び自動原稿送りユニット23が制御されて、画像読取ユニット22によって原稿から画像が読み取られ、この画像が、設定情報に含まれる保存先情報によって示される保存先のフォルダに格納される。また、ジョブモード情報がイメージ送信ジョブを示す情報である場合には、受信されたイメージ送信ジョブ用の設定情報にしたがって、画像読取ユニット22及び自動原稿送りユニット23が制御されて、画像読取ユニット22によって原稿から画像が読み取られ、この画像が、設定情報に含まれるアドレスへと送信される。
ジョブの実行を完了すると、制御部21は、ジョブ実行処理を終了する。
上述の如く構成したことにより、ユーザは新たなジョブの設定情報を、画像形成装置2から離れた場所で携帯型設定装置3に入力することができる。したがって、どのような設定でジョブを実行する場合においても、予め携帯型設定装置3に設定情報を入力しておくことができる。
また、画像形成装置2と携帯型設定装置3とが近接無線通信接続の確立をトリガーとして、自動的に設定情報の送受信が行われ、ジョブが開始されるので、画像形成装置2の設置場所においてユーザに必要な作業は、携帯型設定装置3を画像形成装置2にかざすこと、及び原稿が必要なジョブにあっては原稿を画像読取ユニット22の原稿台ガラス上又は自動原稿送りユニット23に載置することだけであり、ユーザによる画像形成装置2の占有時間を抑制することが可能となる。
また、設定情報の送受信に近接無線通信を利用しているので、ユーザはジョブを開始する際に画像形成装置2の設置場所にいる必要がある。このため、ジョブが実行されるときには、必ずユーザが画像形成装置2のそばにいることとなり、印刷物の取り忘れが防止される。
また、ユーザが携帯型設定装置3を画像形成装置2にかざすだけで、自動的にジョブが開始されるため、ユーザはジョブの実行開始を指示するために画像形成装置2を操作する必要がない。
また、携帯型設定装置3からユーザの認証情報が送信され、この認証情報によって画像形成装置2においてユーザ認証が行われるため、ユーザが画像形成装置2を使用するためにユーザ名及びパスワードを画像形成装置2に入力する必要がなく、ユーザによる画像形成装置2の占有時間をより一層抑制することが可能となる。
また、高速無線通信が可能な場合には、ジョブモード情報及び設定情報が高速無線通信によって携帯型設定装置3から画像形成装置2へ送信されるため、短時間でジョブモード情報及び設定情報の送信が完了する。したがって、ユーザによる画像形成装置2の占有時間をより一層抑制することが可能となる。
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、画像形成装置2及び携帯型設定装置3が、近距離無線通信用の第1通信インタフェース25,31fと、高速無線通信用の第2通信インタフェース26,31gとを備え、認証情報の送受信には近距離無線通信を使用し、ジョブモード情報及び設定情報の送受信には高速無線通信を使用する構成について述べたが、これに限定されるものではない。画像形成装置及び携帯型設定装置に、高速無線通信用の第2通信インタフェースを設けず、認証情報、ジョブモード情報及び設定情報の全てを近距離無線通信によって画像形成装置と携帯型設定装置との間で送受信する構成とすることも可能である。
また、上述した実施の形態においては、画像形成装置2をデジタル複合機とした構成について述べたが、これに限定されるものではない。画像形成装置2を、コピー機能のみを有する複写機とすることも可能であるし、コピー、プリント、イメージ送信、ファイリングのうちの1又は2の機能(例えば、イメージ送信機能)を有しないデジタル複合機とすることも可能である。
また、上述した実施の形態においては、携帯型設定装置3が、コピージョブの設定情報として、ページ集約設定、モノクロ/カラー印刷設定、片面/両面印刷設定、及び片面/両面原稿設定に関する情報の入力を受け付ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。コピージョブの設定に関する情報であれば、上記以外の情報を含めることも可能である。例えば、印刷部数、白紙飛ばし、ヘッダ/フッタ、仕上げ設定などの設定に関する情報を、設定情報として携帯型設定装置3に入力可能とすることもできる。プリントジョブの設定情報、ファイリングジョブの設定情報、及びイメージ送信ジョブの設定情報についても同様である。
また、上述した実施の形態においては、ユーザが携帯型設定装置3を画像形成装置2にかざしたときに、携帯型設定装置3から認証情報を送信し、画像形成装置2によって前記認証情報を用いたユーザ認証を行い、ユーザ認証に成功した場合に、携帯型設定装置3から画像形成装置2に設定情報を送信し、画像形成装置2において前記設定情報に基づいてジョブを実行する構成について述べたが、これに限定されるものではない。画像形成装置がユーザ認証を必要としない設定となっている場合、又は画像形成装置がユーザ認証の機能を有していない場合には、ユーザが携帯型設定装置3を画像形成装置にかざしたときに、携帯型設定装置3が認証情報を送信することなく設定情報を送信し、画像形成装置2においてユーザ認証を行うことなくジョブを実行する構成とすることも可能である。