JP2015007521A - 蓄熱式バーナ炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蓄熱式バーナ炉の実用性を向上させる。
【解決手段】 それぞれがバーナと蓄熱体とを有する1対の蓄熱式バーナユニット30L,30Rを備えて、それらの一方から放出される燃焼ガスを、炉壁内周面14に沿って周回させて、他方を介して排気するとともに、燃焼ガスを放出するユニットと排気するユニットとを、繰り返し交互に切換えるように構成された蓄熱式バーナ炉において、各バーナの開口38L,38Rを、炉壁内周面の、炉体の軸線方向DAにおいて互いに異なり、かつ、炉壁内周面の周方向において同じ位置に開口させる。炉体内の軸線方向における温度差を比較的小さくできるため、当該蓄熱式バーナ炉の実用性が向上する。
【選択図】 図5
【解決手段】 それぞれがバーナと蓄熱体とを有する1対の蓄熱式バーナユニット30L,30Rを備えて、それらの一方から放出される燃焼ガスを、炉壁内周面14に沿って周回させて、他方を介して排気するとともに、燃焼ガスを放出するユニットと排気するユニットとを、繰り返し交互に切換えるように構成された蓄熱式バーナ炉において、各バーナの開口38L,38Rを、炉壁内周面の、炉体の軸線方向DAにおいて互いに異なり、かつ、炉壁内周面の周方向において同じ位置に開口させる。炉体内の軸線方向における温度差を比較的小さくできるため、当該蓄熱式バーナ炉の実用性が向上する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、排気熱を利用して供給される空気を加熱する蓄熱式バーナ炉に関する。
蓄熱体によって蓄えられた排気熱を利用して、燃料ガスとともにバーナに供給される空気を温める蓄熱式バーナを用いた蓄熱式バーナ炉は、リジェネバーナ炉とも呼ばれ、熱効率が良好であるという利点を有している。そのような蓄熱式バーナ炉に関して、本願出願人は、下記特許文献に係る特許を出願した。その文献に記載された蓄熱式バーナ炉は、1対の蓄熱式バーナを備え、それらが、それらの各々から放出される燃焼ガスが円筒内周面形状の炉壁内周面に沿って互いに反対方向に周回するように配置されるとともに、それらによる交互の燃焼が行われるように構成されている。そのような構成により、下記特許文献に記載の蓄熱式バーナ炉は、炉体内の加熱対象物を比較的効率的に加熱することが可能とされている。
本出願の発明者は、上記特許文献に記載の蓄熱式バーナ炉に更なる改良を加えることで、その蓄熱式バーナ炉の実用性をさらに向上させることができるとの知見を得た。本発明は、その知見に基づくものであり、さらに実用性の高い蓄熱式バーナ炉を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の蓄熱式バーナ炉は、円筒内周面形状の炉壁内周面を有する炉体と、炉体内部に燃焼ガスを放出する1対のバーナと、1対のバーナに対応して設けられた1対の蓄熱体と、1対のバーナの一方に空気を蓄熱体を通過させて供給するとともに、1対のバーナの他方から炉体内の燃焼ガスを蓄熱体を通過させて排出し、空気が供給されるバーナと燃焼ガスが排出される開口を有するバーナとを切換可能な給排気機構とを備え、1対のバーナの各々が、その各々の開口が炉体の軸線方向において互いに異なりかつ炉壁内周面の周方向において同じ位置に位置し、燃焼ガスを、炉壁内周面に沿って同じ方向に周回させるべく、同じ方向に放出するように配設されている。
上記のように構成される本発明の蓄熱式バーナ炉によれば、炉体内の軸線方向における炉体内の温度差を比較的小さくでき、また、炉体の周囲において同じ箇所に1対のバーナを設けることができるため、比較的コンパクトな蓄熱式バーナ炉を構成することができる。そのため、実用性の高い蓄熱式バーナ炉が実現することになる。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、(1)項の態様は、請求可能発明の前提となる態様であり、(1)項を引用する(2)項以降の態様が請求可能発明の態様となる。ちなみに、以下の各項において、(2)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、それぞれ相当する。
(1) 円筒内周面形状の炉壁内周面を有する炉体と、
それぞれが、前記炉壁内周面に開口する開口を有し、その開口から前記炉体内部に燃焼ガスを放出する1対のバーナと、
前記1対のバーナに対応して設けられた1対の蓄熱体と、
前記1対のバーナの一方に、空気を、前記1対の蓄熱体のうちのその一方に対応するものを通過させて供給するとともに、前記1対のバーナの他方の開口から、前記炉体内の燃焼ガスを、前記1対の蓄熱体のうちのその他方に対応するものを通過させて排出し、空気が供給されるバーナと燃焼ガスが排出される開口を有するバーナとを切換可能な給排気機構と
を備えた蓄熱式バーナ炉。
それぞれが、前記炉壁内周面に開口する開口を有し、その開口から前記炉体内部に燃焼ガスを放出する1対のバーナと、
前記1対のバーナに対応して設けられた1対の蓄熱体と、
前記1対のバーナの一方に、空気を、前記1対の蓄熱体のうちのその一方に対応するものを通過させて供給するとともに、前記1対のバーナの他方の開口から、前記炉体内の燃焼ガスを、前記1対の蓄熱体のうちのその他方に対応するものを通過させて排出し、空気が供給されるバーナと燃焼ガスが排出される開口を有するバーナとを切換可能な給排気機構と
を備えた蓄熱式バーナ炉。
先に説明したように、本項の態様は、請求可能発明の前提となる態様である。上記「燃焼ガス」は、バーナに供給された「燃料ガス」がバーナに供給された「空気」によって燃焼させられたガスであり、一般的に、燃焼ガスは、放出当初には、フレア(火炎)としての形態をとる。つまり、バーナの開口からは、フレアが噴射されることになる。
一般に、炉体の中心、詳しく言えば、炉壁内周面の径方向の中心若しくは中心付近には、坩堝等の加熱対象物が置かれ、一方のバーナから放出される燃焼ガスは、炉壁内周面と加熱対象物との間の空間を、炉壁内周面に沿って、言い換えれば、加熱対象物の外周面に沿って周回する。つまり、炉体の軸線、すなわち、炉壁内周面の径方向の中心を通って炉壁内周面に平行な線の回りを、周回する。通常、炉体内は密閉されており、周回する燃焼ガスは、他方のバーナの開口から、その他方のバーナに対応して設けられた蓄熱体を通って排気される。この排気の際に排気熱が蓄熱体に蓄熱され、燃焼に供せられるバーナを他方のバーナに切り換えることによって、その他方のバーナに、空気が、蓄熱した蓄熱体によって加熱されて供給されることになる。燃焼に供せられるバーナの切り換えを繰り返し行うことで、加熱対象物を効率よく加熱することが可能となるのである。
ちなみに、「蓄熱体」については、特に限定されるものではなく、アルミナ,コージライト,ムライト等のセラミック、耐熱鋼、または、セラミックと耐熱鋼との複合材料等を、ハニカム状、細管状、ナゲット状、または、ボール状等に形成した物等を、広く採用することが可能である。
(2)前記1対のバーナの各々が、その各々の開口が前記炉体の軸線方向において互いに異なりかつ前記炉壁内周面の周方向において同じ位置に位置し、燃焼ガスを、前記炉壁内周面に沿って同じ方向に周回させるべく、同じ方向に放出するように配設されている(1)項に記載の蓄熱式バーナ炉。
本項にいう「炉体の軸線方向」とは、先に説明した「炉体の軸線」の延びる方向であり、その軸線が鉛直となるように当該蓄熱式バーナ炉が配置される場合には、炉体の軸線方向は、上下方向となる。本態様の蓄熱式バーナ炉によれば、一対のバーナの各々の開口の位置が軸線方向において異なるため、一方のバーナの開口から放出される燃焼ガスは、炉体内を周回しながら軸線方向において移動し、他方のバーナの開口から排出されることになる。つまり、燃焼ガスは、炉体内を概してらせん状に周回しながら流れることになる。そのため、燃焼ガスは、炉体内において、軸線方向における比較的広い範囲で流れ、炉体内の軸線方向における温度差が小さくなる。したがって、本態様の蓄熱式バーナ炉では、1対のバーナの各々の開口が炉体軸線方向において同じ位置に開口している態様と比較して、燃焼ガスの周回数が多いと考えることができ、本態様のバーナ炉によれば、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
また、燃焼に供せられるバーナの切換えが行われると、燃焼ガスは、軸線方向において切換え前とは異なる向きに流れる。例えば、炉体の軸線が鉛直に延びる姿勢で設置された炉体では、燃焼ガスの炉体内での周回は、バーナの切換えに伴って、上昇するらせん状の周回から下降するらせん状の周回に、または、下降するらせん状の周回から上昇するらせん状の周回に切換えられることになる。そのことも、炉体内の軸線方向における温度差が小さくなることに寄与することになる。したがって、本態様の蓄熱式バーナ炉によれば、軸線方向における炉体内の温度分布は比較的フラットになる。したがって、本態様の蓄熱式バーナ炉によれば、軸線方向において比較的均一に、加熱対象物を加熱することが可能となる。
また、本態様の蓄熱式バーナ炉では、一方の開口から放出される燃焼ガスと、他方の開口から放出される燃焼ガスとは、炉体内で同じ方向に周回することになる。そのため、一方の開口から放出されて炉体内を周回する燃焼ガスは、他方の開口に真っ直ぐに入り込む方向では流れないことになる。そのため、他方の開口に燃焼ガスが真っ直ぐに入り込んでくるバーナ炉と比較して、燃焼ガスの周回数が多くなると考えることができ、本態様のバーナ炉によれば、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
さらに、本態様の蓄熱式バーナ炉では、1対のバーナを、炉体の周囲における同じ箇所に容易に設けることができる。したがって、1対のバーナを互いに比較的近接して設けることができるため、比較的コンパクトな蓄熱式バーナ炉を構成することができる。そのため、本態様の蓄熱式バーナ炉は、例えば、比較的狭い場所であっても設置可能となっている。
(3)前記1対のバーナの各々の開口が、燃焼ガスを、前記炉壁内周面の接線方向に放出するように配置されている(1)または(2)に記載の蓄熱式バーナ炉。
本態様の蓄熱式バーナ炉における1対のバーナの開口の配置によれば、1対のバーナの一方の開口から放出される燃焼ガスは、開口から放出されると、勢いが妨げられることなく炉壁内周面に沿って流れることができる。したがって、本態様のバーナ炉によれば、燃焼ガスを炉壁内周面に沿ってスムーズに周回させることができるため、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
(4)前記炉壁内周面に沿って周回する燃焼ガスの流れにおける前記1対のバーナの各々の開口の上流側に、前記炉壁内周面から突出する突部をさらに備えた(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
本態様の蓄熱式バーナ炉では、炉壁内周面に沿って周回する燃焼ガスは、突部に当たることになる。突部は、例えば、開口に隣接するように設けることができ、その場合には、燃焼ガスは、例えば、突部を回り込むなどした後に開口から排出されることになる。そのため、燃焼ガスの周回数は比較的多くなり、加熱対象物を効率よく加熱することが可能となる。
本項にいう「突部」は、例えば、板状のものであればよい。このような突部は、例えば、開口の近傍から開口の中心線に沿って延び出すように設けることができる。このような板状の突部の場合、近傍の開口から燃焼ガスが排出されるときには、燃焼ガスは、板状の突部を回り込むなどした後に開口から排出されることになる。一方、その開口から燃焼ガスが放出されるときには、燃焼ガスは、板状の突部に沿ってスムーズに流れてから炉壁内周面に沿って流れることになるため、放出される燃焼ガスの勢いが妨げられることはない。これらのことを鑑みれば、上記の突部を設ける場合、1対のバーナの各々は、燃焼ガスを、炉壁内周面に沿って同じ方向に周回させるべく、同じ方向に放出するように配設されているのが望ましい。このような1対のバーナが配設されていれば、放出される燃焼ガスの勢いを妨げずに、開口から排出される燃焼ガスは、突部を回り込むなどした後に開口から排出されることになるため、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
また、突部は、1対のバーナの2つの開口に対してそれぞれ設けられてもよい。つまり、この場合には、炉体内に2つの突部があり、それらが1対のバーナの開口の各々に対して1つずつ設けられることになる。また、それら2つが一体とされたような単一の突部が、1対のバーナの2つの開口に対して設けられていてもよい。つまり、この場合には、炉体の軸線方向において比較的長い1つの突部が、1対のバーナの開口の両方に対して設けられることになる。
(5)前記1対のバーナの各々の開口の前記炉体の軸線方向における離間距離が、開口の直径以上である(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
上記の態様は、1対のバーナの各々の開口の軸線方向の位置に関する相互関係についての限定を加えた態様である。炉体内の軸線方向における温度差を小さくするという効果を実質的に得るためには、1対のバーナの各々の開口が、軸線方向において、それら開口の直径以上離れていることが望ましいのである。
なお、「離間距離」に代えて、軸線方向における1対のバーナの各々の開口の中心の間の距離(以下、「中心間距離」と言う場合がある)で表わせば、その中心間距離は、開口の直径の2倍以上となる。ちなみに、例えば、1対のバーナの各々の開口の直径が互いに異なるような場合には、それらの開口の直径の平均をもって、開口の直径と考えればよい。
(6)前記1対のバーナの各々が、
自身に対応して設けられた前記蓄熱体と自身に対応して設けられた前記開口とを繋ぐ流路と、
前記流路の途中に設けられ、前記流路の内周面に沿って燃料ガスを旋回させるように供給する燃料ガス供給管と、
前記流路において前記燃料ガス供給管と前記開口との間に設けられ、前記燃焼ガスの燃焼を開始するために、前記流路の内周面に沿って、前記燃料ガスの旋回する方向と逆の方向に炎を前記流路に導入するパイロットバーナと
を備えた(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
自身に対応して設けられた前記蓄熱体と自身に対応して設けられた前記開口とを繋ぐ流路と、
前記流路の途中に設けられ、前記流路の内周面に沿って燃料ガスを旋回させるように供給する燃料ガス供給管と、
前記流路において前記燃料ガス供給管と前記開口との間に設けられ、前記燃焼ガスの燃焼を開始するために、前記流路の内周面に沿って、前記燃料ガスの旋回する方向と逆の方向に炎を前記流路に導入するパイロットバーナと
を備えた(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
本態様の蓄熱式バーナ炉によれば、蓄熱体を通過した空気と、燃料ガス供給管から供給される燃料ガスと、パイロットバーナの発生させる炎とが、互いに異なる方向から流路に供給されることになる。そのため、流路内では、蓄熱体を通って供給された空気と燃料ガスとが混合され、さらにパイロットバーナによる炎の力によって空気と燃料ガスとが十分に撹拌されるため、バーナは燃料を効率よく燃焼させて燃焼ガスを生成することができる。
(7)当該蓄熱式バーナ炉が、さらに、
前記1対のバーナの前記一方のみに燃料ガスを供給するとともに、燃料ガスが供給されるバーナを、空気が供給されるバーナと燃焼ガスが排出される開口を有するバーナとの前記切換に応じて切換可能な燃料ガス供給機構を備えた(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
前記1対のバーナの前記一方のみに燃料ガスを供給するとともに、燃料ガスが供給されるバーナを、空気が供給されるバーナと燃焼ガスが排出される開口を有するバーナとの前記切換に応じて切換可能な燃料ガス供給機構を備えた(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
本態様の蓄熱式バーナ炉によれば、空気の供給先の切換に応じて、効果的に、燃焼ガスの供給先を切り換えることができる。
(8)前記炉体が、それの軸線方向が鉛直方向となるように設置される(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
本項の態様の蓄熱式バーナ炉では、炉壁内周面が炉壁内側面となるような姿勢で炉体が配置される。そのように配置された炉体内では、上下の温度差が特に問題となる。軸線方向に1対のバーナの各々の開口が、記炉体の軸線方向において互いに異なる位置に開口している態様の蓄熱式バーナ炉では、炉体内の軸線方向における温度差を小さくすることが可能であるため、その態様と本項の態様との組み合わせによれば、炉体内の上下方向における温度差を比較的小さくできる。したがって、円筒内周面形状の炉壁内周面を有する炉体の多くが本項に示すように設置されることに鑑みれば、その組み合わせ態様は、実用性の高い態様となる。
以下、請求可能発明を実施するための形態として、請求可能発明の実施例である蓄熱式バーナ炉を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
≪蓄熱式バーナ炉の基本構成≫
実施例の蓄熱式バーナ炉は、図1に示すように、有底円筒形状をなす炉体10と、炉体10の上部を覆う蓋12と、炉体10の側面に設けられたバーナ取付部13とを有している。図2,図3に示すように、炉体10は、耐火材によって形成されて内周面14が円筒内周面形状となる炉壁16を有しており、その内周面14、つまり、炉壁内周面14によって、炉の内部空間(以下、単に「炉体内」と略す場合がある)が区画されている。また、後で詳しく説明するが、炉体10の内部には、炉壁内周面14から突出する突部とされている、セラミック製の1対の流れ調整板17が設けられている。図では、炉体内において、内底面に固定された設置台18の上に、加熱対象物としての坩堝20が設置されている。炉体10の中心軸(炉壁内周面14の中心軸)を炉体軸線CLと呼べば、坩堝20は、それの軸線が炉体軸線CLと一致するように配置されており、坩堝20の外周面と炉壁内周面14との間には、それらの間隔が一定となる概して円筒状の空間が形成されている。
実施例の蓄熱式バーナ炉は、図1に示すように、有底円筒形状をなす炉体10と、炉体10の上部を覆う蓋12と、炉体10の側面に設けられたバーナ取付部13とを有している。図2,図3に示すように、炉体10は、耐火材によって形成されて内周面14が円筒内周面形状となる炉壁16を有しており、その内周面14、つまり、炉壁内周面14によって、炉の内部空間(以下、単に「炉体内」と略す場合がある)が区画されている。また、後で詳しく説明するが、炉体10の内部には、炉壁内周面14から突出する突部とされている、セラミック製の1対の流れ調整板17が設けられている。図では、炉体内において、内底面に固定された設置台18の上に、加熱対象物としての坩堝20が設置されている。炉体10の中心軸(炉壁内周面14の中心軸)を炉体軸線CLと呼べば、坩堝20は、それの軸線が炉体軸線CLと一致するように配置されており、坩堝20の外周面と炉壁内周面14との間には、それらの間隔が一定となる概して円筒状の空間が形成されている。
バーナ取付部13の一外側面には、1対の蓄熱式バーナユニット30U,30L(以下、単に「バーナユニット30U,30L」と略す場合があり、「バーナユニット30」と総称する場合がある)が配設されている。バーナユニット30Uとバーナユニット30Lとは、同一の構造となっており、炉体軸線CLの延びる方向、つまり、高さ方向において整列するようにバーナ取付部13に取り付けられている。以下に、バーナユニット30Uを例にとって、図4を参照しつつ、その構造を説明する。ちなみに、図4(a)は、側断面図であり、図4(b),(c)は、それぞれ、図4(a)に示す切断面A−A,B−Bにおける断面図である。
バーナユニット30は、バーナとして機能するバーナ部32と蓄熱部34とが一体化されたものである。バーナ部32は、セラミック製のブロックであり、燃料ガスが燃焼して生成されるガス、つまり、燃焼ガスを炉体10内に放出するための放出路36を有している。放出路36は、当該ブロックを貫通して形成されており、炉体内に開口する放出路36先端の開口38から、燃料ガスが燃焼するフレア(火炎)が、炉体10内に噴射される。放出路36には、燃料ガス供給孔40が繋げられており、燃料ガスを放出路36内に供給するための燃料ガス供給管42が差し込まれている。また、放出路36には、パイロット供給孔43も繋げられており、燃料ガスの燃焼を開始するためのパイロットバーナ44が差し込まれている。燃料ガス供給孔40およびパイロット供給孔43は、放出路36に対して直角かつ放出路36の内周面の接線方向に延びるようにして、放出路36の内周面の周方向において互いに異なる位置に配置されている。図4(d)に示すように、燃料ガス供給管42からの燃料ガスは、放出路36の内周面に沿って旋回するように供給され、一方、パイロットバーナ44の発生する炎は、燃料ガスの旋回する方向とは逆の方向で、放出路36の内周面に沿って導入される。つまり、それら燃料ガス,炎,空気は、互いに異なる方向から放出路36内に供給されることになる。そのため、放出路36内では、供給された空気と燃料ガスとが混合され、さらにパイロットバーナによる炎の力によって空気と燃料ガスとが十分に撹拌されるため、バーナユニット30は燃料を効率よく燃焼させて燃焼ガスを生成することができる。
蓄熱部34は、直方体のハウジング48の中に、複数のアルミナボール50の集合体を蓄熱体として収容したものである。なお、本蓄熱式バーナ炉は、1対の蓄熱式バーナユニット30U,30Lを備えており、それら1対の蓄熱式バーナユニット30U,30Lの各々が、バーナ部32と、アルミナボール50の集合体とを有していることから、1対のバーナに対応して設けられた1対の蓄熱体を備えていると考えることができる。
蓄熱部34のハウジング48の、バーナ部32の位置する面と反対の面には、ハウジング48の内部に連通する個別給排気管60が接続されており、空気は、個別給排気管60からハウジング48内に導入され、アルミナボール50の間を通過して、バーナ部32の放出路36に供給される。つまり、放出路36は、蓄熱体と開口38とを繋ぐ流路になっている。その一方で、本蓄熱式バーナユニット30は、リジェネバーナとして機能するものであり、炉体内の燃焼ガスの排出も、放出路36の先端の開口38から行われる。つまり、バーナユニット30では、後に詳しく説明するが、空気のバーナ部32への供給を伴う燃料ガスの燃焼プロセスと、燃焼ガスの排気のプロセスとが、交互に繰り返し行われる。その燃焼ガスの排気では、放出路36に導入された燃焼ガスは、蓄熱部48の内部に導かれ、アルミナボール50の間を通過して、個別給排気管60から外部に排気される。この排気において、燃焼ガスの熱が、アルミナボール50の間を通過する際、アルミナボール50に蓄熱され、その蓄熱された熱は、次の空気の供給において、空気がアルミナボール50の間を通過する際、その供給される空気に伝達される。このような作用により、燃料ガスの燃焼の際、バーナ部32には、排気される燃焼ガスの熱を利用して加熱された空気が供給されることになる。そのため、本蓄熱式バーナ炉は、熱効率の良好な炉となるのである。なお、以下の説明において、バーナユニット30の構成要素に関し、その構成要素が、バーナユニット30U,バーナユニット30Lのいずれのものかを明確にする必要がある場合には、その構成要素の符号にU,Lのいずれかの添え字を添えることとする。
空気の供給と燃焼ガスの排気とに関連して、本蓄熱式バーナ炉は、給排気機構を有している。図1を参照しつつ詳しく説明すれば、蓄熱式バーナ炉は、3つのポートを有する三方弁62を2つ有しており、1対のバーナユニット30U,30Lにそれぞれ繋がる個別給排気管60U,60Lの各々は、対応する三方弁62U,62Lの各々の3つのポートのうちの1つであるユニット側ポートに接続されている。また、三方弁62U,62Lの各々の残る2つのポートのうちの1つである給気ポートには、ブロア64に繋がる給気管66が接続され、もう1つである排気ポートには、排気管68が接続されている。三方弁62U,62Lの各々は、ユニット側ポートと給気ポートとを連通し、かつ、排気ポートを遮断する給気ポート連通状態と、ユニット側ポートと排気ポートとを連通し、かつ、給気ポートを遮断する排気ポート状態とを切り換えるように、作動させられるようになっている。また、2つの三方弁62U,62Lは連動して作動させられるようになっている。具体的には、2つの三方弁62U,62Lの一方が給気ポート連通状態の場合には、他方は排気ポート連通状態となり、一方が排気ポート連通状態の場合には、他方は給気ポート連通状態となるように、2つの三方弁62U,62Lは作動させられる。
上記2つの三方弁62の切換により、(a) ブロア64によって送られる空気が、バーナユニット30Uに対応して設けられたアルミナボール50の集合体を通過して、バーナユニット30Uのバーナ部32に供給され、かつ、炉体内の燃焼ガスが、バーナユニット30Lのバーナ部32の開口38から、バーナユニット30Lに対応して設けられたアルミナボール50の集合体を通過して、外部に排出される状態と、(b) ブロア64によって送られる空気が、バーナユニット30Lのアルミナボール50の集合体を通過して、バーナユニット30Lのバーナ部32に供給され、かつ、炉体内の燃焼ガスが、バーナユニット30Uのバーナ部32の開口38から、バーナユニット30Uのアルミナボール50の集合体を通過して、外部に排出される状態とが、切り換えられるのである。つまり、本蓄熱式バーナ炉では、個別給排気管60U,60L,三方弁62U,62L,ブロア64,給気管66,排気管68等を含んで、1対のバーナユニット30の一方による燃焼プロセスと他方による排気のプロセスを同時に行うとともに、その一方と他方との切換を行うための給排気機構70を備えているのである。
一方、燃料ガスの供給に関して説明すれば、本蓄熱式バーナ炉は、バーナユニット30U,30Lの各々の燃料ガス供給管42U,42Lが繋がれた供給切換弁72を有し、供給切換弁72は、燃料ガス主供給管74に接続されている。燃料ガス主供給管74を介して送られてくる燃料ガスは、供給切換弁72の切換によって、バーナユニット30U,30Lの一方のバーナ部32のみに供給される。この切換は、先に説明した給排気機構70による切換と同期して行われる。詳しく言えば、空気が供給されるバーナ部32を有するバーナユニット30のそのバーナ部32にのみ燃料を供給する。つまり、本蓄熱式バーナ炉では、燃料ガス供給管42U,42L,供給切換弁72,燃料ガス主供給管74を含んで、燃料ガス供給機構76が構成されているのである。ちなみに、通常の当該蓄熱式バーナ炉の稼働において、給排気機構70,燃料ガス供給機構76による切換、および、パイロットバーナ44による点火は、図示を省略する制御装置(コントローラ)によって、数秒〜数十秒の時間間隔で行われる。
≪蓄熱式バーナ炉におけるバーナの開口の位置と燃焼ガスの流れの関係≫
本蓄熱式バーナ炉において、2つのバーナユニット30の各々のバーナ部32が有する放出路36の開口38(以下、「バーナの開口38」と言う場合がある)について説明する。2つのバーナの開口38U,38Lは、図5に示すように、炉体軸線CLの延びる方向において、互いに異なる位置にある。具体的には、開口38の直径を開口直径dとした場合に、2つの開口38の炉体軸線CLの延びる方向における離間距離は、開口直径d以上であり、本蓄熱式バーナ炉の場合には、3倍となっている。開口38U,38Lの中心に関して言い換えれば、炉体軸線CLの延びる方向における中心間距離は2倍以上であり、本蓄熱式バーナ炉の場合には、4倍となっている。また、2つのバーナの開口38U,38Lは、炉壁内周面14の周方向において同じ位置に位置している。つまり、2つのバーナの開口38U,38Lは、炉体軸線CLの延びる方向において整列するように配置されている。
本蓄熱式バーナ炉において、2つのバーナユニット30の各々のバーナ部32が有する放出路36の開口38(以下、「バーナの開口38」と言う場合がある)について説明する。2つのバーナの開口38U,38Lは、図5に示すように、炉体軸線CLの延びる方向において、互いに異なる位置にある。具体的には、開口38の直径を開口直径dとした場合に、2つの開口38の炉体軸線CLの延びる方向における離間距離は、開口直径d以上であり、本蓄熱式バーナ炉の場合には、3倍となっている。開口38U,38Lの中心に関して言い換えれば、炉体軸線CLの延びる方向における中心間距離は2倍以上であり、本蓄熱式バーナ炉の場合には、4倍となっている。また、2つのバーナの開口38U,38Lは、炉壁内周面14の周方向において同じ位置に位置している。つまり、2つのバーナの開口38U,38Lは、炉体軸線CLの延びる方向において整列するように配置されている。
また、図2、図3、および図5に示すように、2つのバーナの開口38U,38Lは、それらの中心線が炉壁内周面14の接線方向に延びるように配置されている。また、1対の流れ調整板17は、開口38U,38Lの中心線に沿って延び出すようにして2つのバーナの開口38U,38Lの近傍にそれぞれ設けられている。別の言い方をすれば、1対の流れ調整板17は、2つのバーナの開口38U,38Lをそれぞれ挟んで炉壁内周面14と向かい合うようにして設けられている。
したがって、開口38U,38Lの一方から放出される燃焼ガスは、図2および図5に示すように、炉壁内周面14と対応する流れ調整板17との間を通って、炉壁内周面14の接線方向へと放出されることになる。放出された燃焼ガスは、流れ調整板17に沿ってスムーズに流れてから、勢いが妨げられることなく炉壁内周面14に沿ってスムーズに流れることができる。ちなみに、開口38U,38Lからは、フレアが噴射されることから、燃焼ガスの放出方向は、フレアの噴射方向と考えることもできる。また、開口38U,38Lの他方から排出される燃焼ガスも、同様に、炉壁内周面14ともう1つの流れ調整板17との間を通ってから排出されることになる。
図3に示すように、開口38Uから放出される燃焼ガスは、大まかには、炉壁内周面14と坩堝20との間の空間を、炉壁内周面14に沿って周回しつつ降下し、その後、開口38Lから排気される(図2,図3の太実線黒矢印参照)。一方、開口38Lから放出される燃焼ガスは、大まかには、炉壁内周面14と坩堝20との間の空間を炉壁内周面14に沿って、開口38Uから放出される燃焼ガスと同じ方向に周回しつつ、開口38Uから放出される燃焼ガスとは反対に上昇し、その後、炉壁開口38Uから排気される(図2の太実線黒矢印,図3の太実線白矢印参照)。したがって、燃焼ガスは、大まかには、炉体内を概してらせん状に周回しながら流れることになる。
前述のように、放出された燃焼ガスは、勢いが妨げられることなく炉壁内周面14に沿ってスムーズに流れるため、放出された燃焼ガスの周回数は、比較的多いと考えることができる。言い換えれば、一方の開口38から放出された後、1周あるいは比較的少ない周回数しか周回せずに他方の開口38から排気される燃焼ガスの量は、比較的少ないと考えることができる。そのため、放出後の比較的高温の燃焼ガスが、比較的長い時間、炉体内に留まり、加熱対象物である坩堝20、すなわち、坩堝20の内容物を効率よく加熱することができる。
また、本蓄熱式バーナ炉では、2つのバーナの開口38U,38Lの一方から放出される燃焼ガスと、他方から放出される燃焼ガスとは、炉体内で同じ方向に周回することになる。したがって、炉体内を周回する燃焼ガスは、図2に太線で示すように、他方の開口38に真っ直ぐに入り込む方向では流れない。そのため、例えば、燃焼ガスが真っ直ぐに入り込んでくる開口を備えているバーナ炉など、燃焼ガスが排出され易い開口を有するバーナ炉と比較して、燃焼ガスの周回数が比較的多くなると考えることができる。したがって、本蓄熱式バーナ炉によれば、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
さらに、本蓄熱式バーナ炉には、1対の流れ調整板17が設けられている。図2から分かるように、1対の流れ調整板17は、炉壁内周面14に沿って周回する燃焼ガスの流れる方向を考慮すれば、その流れにおける開口38の上流側に設けられている。図5には、開口38Uから放出されて開口38Lから排気される燃焼ガスの流れる様子が、太線で模式的に示されている。この図に示すように、炉体内を周回する燃焼ガスは、大まかには、流れ調整板17Lに当たって流れ調整板17Lを回り込むなどした後に開口38Lから排出される。このように、本蓄熱式バーナ炉では、炉体内を周回する燃焼ガスが開口38に真っ直ぐ入り込む方向で流れないことに加えて、流れ調整板17が設けられているため、燃焼ガスの周回数がより多くなり、本蓄熱式バーナ炉は、加熱対象物を効率よく加熱することができる。なお、燃焼ガスが開口38Lから放出されて開口38Uから排気される場合であっても、燃焼ガスは、同様に、流れ調整板17Uを回り込むなどした後に開口38Uから排出されるため、燃焼ガスの周回数は比較的多くなる。
また、本蓄熱式バーナ炉では、2つの開口38U,38Lは、炉体軸線CLの延びる方向において離れているため、その方向における炉体内の温度差が比較的小さくなる。詳しく言えば、図5に示すように、放出直後の比較的高温の燃焼ガスが周回する範囲Wが、比較的大きくなると考えることができるのである。また、燃焼に供せられるバーナユニット30の切換えが行われると、燃焼ガスは、炉体軸線CLの延びる方向において切換え前とは異なる向きに流れることになる。つまり、燃焼ガスの炉体内での周回は、バーナの切換えに伴って、上昇するらせん状の周回から下降するらせん状の周回に、または、下降するらせん状の周回から上昇するらせん状の周回に切換えられることになる。そのことも、炉体軸線CLの延びる方向における温度差が小さくなることに寄与することになる。これらの作用により、本蓄熱式バーナ炉では、炉体軸線CLの延びる方向における炉体内の温度分布が比較的フラットになり、炉体軸線CLの延びる方向において比較的均一に、加熱対象物を加熱することが可能となるのである。
多くのバーナ炉では、炉体内の上下方向の温度分布が問題となる。本蓄熱式バーナ炉では、炉体10が、炉体軸線CLの延びる方向が鉛直方向となるように設置されており、上述した作用によって、上下方向における炉体内の温度分布が改善されることになる。その結果、本蓄熱式バーナ炉は、実用性が高いものとなっている。
また、本蓄熱式バーナ炉では、図1に示すように、1対の蓄熱式バーナユニット30U,30Lは、炉体の周囲における同じ箇所に設けられている。つまり、1対の蓄熱式バーナユニット30U,30Lが互いに比較的近接して設けられており、そのため、本蓄熱式バーナ炉は、比較的コンパクトになっている。そのため、本蓄熱式バーナ炉は、例えば、比較的狭い場所にも設置することができる。
なお、本蓄熱式バーナ炉では、2つの流れ調整板17U,17Lが、2つのバーナの開口38U,38Lにそれぞれ設けられているが、流れ調整板は、1枚の板であってもよい。つまり、2つの流れ調整板17U,17Lが炉体軸線CLの延びる方向において一体になっているような、1枚の流れ調整板であってもよい。このような流れ調整板であっても、前述のように、炉壁内周面に沿って周回する燃焼ガスは、炉体内で比較的複雑に流れた後に開口38から排出されることになるため、他方の開口から比較的排出され難く、燃焼ガスの周回数は比較的多くなる。
≪変形例1≫
図6に、第1の変形例の蓄熱式バーナ炉を示す。この変形例の蓄熱式バーナ炉は、1対の流れ調整板17が設けられていないことを除いて、実施例の蓄熱式バーナ炉と同じ構成とされている。この蓄熱式バーナ炉でも、一方の開口38から放出されて炉体内を周回する燃焼ガスは、他方の開口38に真っ直ぐに入り込む方向では流れない。そのため、例えば、燃焼ガスが真っ直ぐに入り込んでくる開口を備えているバーナ炉など、燃焼ガスが排出され易い開口を有するバーナ炉と比較して、燃焼ガスの周回数が多くなると考えることができる。したがって、流れ調整板のない蓄熱式バーナ炉であっても、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
図6に、第1の変形例の蓄熱式バーナ炉を示す。この変形例の蓄熱式バーナ炉は、1対の流れ調整板17が設けられていないことを除いて、実施例の蓄熱式バーナ炉と同じ構成とされている。この蓄熱式バーナ炉でも、一方の開口38から放出されて炉体内を周回する燃焼ガスは、他方の開口38に真っ直ぐに入り込む方向では流れない。そのため、例えば、燃焼ガスが真っ直ぐに入り込んでくる開口を備えているバーナ炉など、燃焼ガスが排出され易い開口を有するバーナ炉と比較して、燃焼ガスの周回数が多くなると考えることができる。したがって、流れ調整板のない蓄熱式バーナ炉であっても、加熱対象物を効率よく加熱することが可能である。
≪変形例2≫
図示を省略するが、第2の変形例の蓄熱式バーナ炉では、1対の蓄熱式バーナユニット30U,30Lは、炉壁16の周方向において互いに異なる箇所に配置されていてもよい。それに伴い、バーナの開口38U,38Lは、炉壁内周面14の周方向において、例えば、反対の位置など、互いに異なる位置に位置していてもよい。つまり、バーナの開口38U,38Lは、炉壁内周面14の周方向においてずれた位置に位置していてもよい。このように構成された蓄熱式バーナ炉でも、炉体内を周回する燃焼ガスは、他方の開口38に隣接する流れ調整板17に当たって、その流れ調整板17を回り込むなどした後に他方の開口38から排出されることになる。
図示を省略するが、第2の変形例の蓄熱式バーナ炉では、1対の蓄熱式バーナユニット30U,30Lは、炉壁16の周方向において互いに異なる箇所に配置されていてもよい。それに伴い、バーナの開口38U,38Lは、炉壁内周面14の周方向において、例えば、反対の位置など、互いに異なる位置に位置していてもよい。つまり、バーナの開口38U,38Lは、炉壁内周面14の周方向においてずれた位置に位置していてもよい。このように構成された蓄熱式バーナ炉でも、炉体内を周回する燃焼ガスは、他方の開口38に隣接する流れ調整板17に当たって、その流れ調整板17を回り込むなどした後に他方の開口38から排出されることになる。
10:炉体 14:炉壁内周面 20:坩堝〔加熱対象物〕 30:蓄熱式バーナユニット 32:バーナ部〔バーナ〕 34:蓄熱部 36:放出路 38:開口 50:アルミナボール〔蓄熱体〕 70:給排気機構 76:燃料ガス供給機構 CL:炉体軸線 d:開口直径
Claims (4)
- 円筒内周面形状の炉壁内周面を有する炉体と、
それぞれが、前記炉壁内周面に開口する開口を有し、その開口から前記炉体内部に燃焼ガスを放出する1対のバーナと、
前記1対のバーナに対応して設けられた1対の蓄熱体と、
前記1対のバーナの一方に、空気を、前記1対の蓄熱体のうちのその一方に対応するものを通過させて供給するとともに、前記1対のバーナの他方の開口から、前記炉体内の燃焼ガスを、前記1対の蓄熱体のうちのその他方に対応するものを通過させて排出し、空気が供給されるバーナと燃焼ガスが排出される開口を有するバーナとを切換可能な給排気機構と
を備えた蓄熱式バーナ炉であって、
前記1対のバーナの各々が、その各々の開口が前記炉体の軸線方向において互いに異なりかつ前記炉壁内周面の周方向において同じ位置に位置し、燃焼ガスを、前記炉壁内周面に沿って同じ方向に周回させるべく、同じ方向に放出するように配設されていることを特徴とする蓄熱式バーナ炉。 - 前記1対のバーナの各々の開口が、燃焼ガスを、前記炉壁内周面の接線方向に放出するように配置されている請求項1に記載の蓄熱式バーナ炉。
- 前記炉壁内周面に沿って周回する燃焼ガスの流れにおける前記1対のバーナの各々の開口の上流側に、前記炉壁内周面から突出する突部をさらに備えた請求項1または請求項2に記載の蓄熱式バーナ炉。
- 前記1対のバーナの各々の開口の前記炉体の軸線方向における離間距離が、開口の直径以上である請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の蓄熱式バーナ炉。
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Citations (4)
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JP2002081868A (ja) * | 2000-09-06 | 2002-03-22 | Osaka Gas Co Ltd | 加熱炉 |
-
2013
- 2013-06-26 JP JP2013133561A patent/JP2015007521A/ja active Pending
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