JP2008157486A - 蓄熱型排気処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1台の蓄熱型排気処理装置によって、被処理ガスの処理量の変動に対応しつつ、効率のよい運転ができるようにする。
【解決手段】流入口31Aと流出口32Aを有する単一の処理室20内に、複数の蓄熱室23A〜23Fと複数の燃焼装置22A〜22Cとが配設される。各蓄熱室23A〜23Fの流入側開口部35を弁体37により個々独立して開閉制御し、流出側開口部36を弁体38によって個々独立して開閉制御して、流入口31Aから流出口32Aへ至る被処理ガスの流れ状態が、蓄熱室23A〜23Cから燃焼装置22A〜22Cを通って蓄熱室23D〜23Fへ至る第1の流れ状態と、この逆の流れとなる第2流れ状態とが、所定期間毎に切替えられる。被処理ガスの処理量の増加に応じて、被処理ガスが通過する蓄熱室23A〜23Cの数と蓄熱室23D〜23Fの数と作動される燃焼装置22A〜22Cの数とがそれぞれ増大される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、蓄熱型排気処理装置に関するものである。
例えば、塗装乾燥炉内等で発生する有害な排気ガスつまり被処理ガスを、燃焼によって無害化することが行われている。燃焼による温度を有効に利用するために、それぞれ蓄熱体を備えた複数の蓄熱室を設けて、流入口からの被処理ガスを、順次、一の蓄熱室、燃焼装置、他の蓄熱室を通して流出口に流す第1の流れ態様と、流入口からの被処理ガスを、順次、上記他の蓄熱室、燃焼装置、上記一の蓄熱室を通して流出口に流す第2の流れ態様とを、所定期間毎に交互に行うようにした蓄熱型排気処理装置がある。
ところで、被処理ガスの処理量が大きく変動される場合がある。特許文献1には、被処理ガスの処理量の変動に対応するために、同一構成とされた蓄熱型排気処理装置を複数並置して、処理量が少ないときは一部の蓄熱型排気処理装置のみによって処理を行う一方、処理量の増大に応じて作動させる蓄熱型排気処理装置の台数を増大させることが提案されている。
特開2003−287215号公報
特許文献1に記載のように、蓄熱型排気処理装置を複数台並置することは、設置面積の増大や設置コストの増大となる。この一方、被処理ガスの最大処理量に対応できる大型の蓄熱型排気処理装置を1台のみ設ける場合も考えられるが、この場合は、処理量が少ないときに蓄熱体に燃焼後の被処理ガスの有する熱を十分に伝達することが難しくなり、効率の悪いものになってしまう。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、1台の蓄熱型排気処理装置によって、被処理ガスの処理量の変動に対応しつつ、効率のよい運転ができるようにした蓄熱型排気処理装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
被処理ガスの流入口および流出口を有する単一の処理室と、
前記処理室に配設され、それぞれ蓄熱体を備えた複数の蓄熱室と、
前記各蓄熱室の前記流入口に対する連通と前記流出口に対する連通とを個々独立して切替える切替装置と、
前記処理室に配設され、被処理ガスの燃焼を行うための複数の燃焼装置と、
前記切替装置の切替えを制御して、複数の蓄熱室の間で、前記流入口からの被処理ガスを前記燃焼装置に向けて流す流入側蓄熱室と、該燃焼装置で燃焼された後の被処理ガスを前記流出口に向けて流す流出側蓄熱室との関係が所定期間毎に互いに入れ替わるように交換させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、さらに、前記切替装置および燃焼装置を制御して、被処理ガスの処理量の増加に応じて、前記流入側蓄熱室の数と前記流出側蓄熱室の数と作動される前記燃焼装置の数とをそれぞれ増大させるように制御する、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、被処理ガスの最大処理量に対応しつつ、処理量が少ないときは、一部の蓄熱室(蓄熱体)のみを利用した処理が行われるので、燃焼後の被処理ガスの有する熱を蓄熱体に十分に伝達して、効率的な運転を行うことができる。勿論、1台の蓄熱型排気処理装置によって処理量の変動に対応するので、複数台の蓄熱型排気処理装置によって処理量の変動に対応する場合に比して、設置面積や設置コストの点でも有利となる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記複数の燃焼装置が、上下方向に並べて配設され、
前記複数の蓄熱室が、それぞれ水平方向に隔置して配設されると共に、前記燃焼装置を境にして、一方側蓄熱室と他方側蓄熱室とに分離して配設され、
前記制御手段は、被処理ガスの処理量の増大に応じて、上方に位置する前記燃焼装置から下方に位置する燃焼装置へと作動される燃焼装置の数を順次増大させる
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、高温となって高い位置に集中し易い被処理ガスの高さ位置に対応して、燃焼に適切な高さの燃焼装置が作動されることになり、効率的な燃焼を行わせる上で好ましいものとなる。
前記各蓄熱室がそれぞれ、前記流入口に臨む流入側開口部と、前記流出口に臨む流出口側開口部とを有し、
前記切替装置が、前記流入側開口部に離着座される流入側弁体と、前記流出側開口部に離着座される流出側弁体と、を有し、
前記各弁体は、前記各開口部を緩やかに開閉するためのテーパ部を有している、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、各開口部の機構面積が緩やかに変化されるので、急激に変化させた場合に生じるような衝撃波の発生を防止あるいは低減して、騒音防止や、流入口、流出口に連なるダクト類の保護の上で好ましいものとなる。
前記複数の蓄熱室が水平方向に並べて配設され、
前記処理室のうち該各蓄熱室の上方空間が、前記燃焼装置が配設される燃焼室とされ、
前記処理室のうち、前記各蓄熱室の下方空間が、該各蓄熱室が臨む2つの空間に仕切られて、該2つの空間のうち一方の空間が前記流入口が臨む流入側空間とされると共に、他方の空間が前記流出口が臨む流出側空間とされ、
前記切替装置が、前記各蓄熱室を前記流入側空間に対して個々独立して連通・遮断する流入側開閉弁と、前記各蓄熱室を前記流出側空間に対して個々独立して連通・遮断する流出側開閉弁とを有する、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、高温となって高い位置に移動し易い高所に燃焼装置が配設される燃焼室としつつ、流入口および流出口が連通される流入口側空間と流出口側空間とを下方位置に配設して、蓄熱室を被処理ガスが上下方向に流れる全体としてバランスのよい配置となる。そして、流入口側空間と流出口側空間とがもっとも下方に位置することによって、切替装置を各蓄熱室の下方に集中して配置することができる。
前記複数の燃焼装置が、上下方向に並べて配置され、
前記複数の蓄熱室が、前記燃焼装置を境にして、一方側蓄熱室と他方側蓄熱室とに分離して配設され、
前記制御手段による前記切替装置の制御によって、被処理ガスが、前記流入口から順次前記流入側空間、前記一方側蓄熱室、前記燃焼装置、前記他方側蓄熱室、前記流出側空間を通って前記流出口に至る第1流れ態様と、前記流入口から順次前記流入側空間、前記他方側蓄熱室、前記燃焼装置、前記一方側蓄熱室、前記流出側空間を通って前記流出口に至る第2流れ態様とが切替えられる、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、請求項5に対応した効果をより一層十分に発揮しつつ、燃焼装置を境にして配設された一方側蓄熱室と他方側蓄熱室との間で被処理ガスが流れることにより、燃焼装置(による燃焼炎)と被処理ガスとの接触機会も増大されて、効率的な処理の上でも好ましいものとなる。
被処理ガスが、塗装ラインにおける乾燥炉からの排気ガスとされ、
前記処理室に接続される前記乾燥炉の数が増大するのに応じて、前記流入側蓄熱室の数と前記流出側蓄熱室の数と作動される前記燃焼装置の数とがそれぞれ増大される、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、生産台数調整のために稼働される塗装乾燥炉の数の変動に対応しつつ、効率的に被処理ガスを処理することができる。
本発明によれば、1台の蓄熱型排気処理装置によって、被処理ガスの処理量の変動に対応しつつ、効率的に処理することができる。
図1は、自動車ボディの塗装ラインに本発明による蓄熱型排気処理装置を組み込んだ一例が示される。この図1において、1A〜1Cはそれぞれ、塗料が塗布された自動車ボディVBが搬送される塗装ラインであり、各塗装ライン1A〜1Cは、それぞれ2本の分岐ライン1A−1と1A−2、1B−1と1B−2、1C−1と1C−2とに分岐されている。各分岐塗装ライン1A−1〜1C−2には、それぞれ塗装乾燥炉2A−1〜2C−2が配設されている。
各塗装乾燥炉2A−1、2A−2、2B−1、2B−2、2C−1、2C−2内で発生する有害ガスが、被処理ガスとして、本発明による1台の蓄熱型排気処理装置TSに導かれるようになっており、蓄熱型排気処理装置TSへの被処理ガスの送風用ファンが、符合3で示される。また、塗装ライン1A〜1Cのうち、1Bと1Cとは、生産台数に応じて適宜休止状態と稼働状態とが変更されるようになっており、これに伴って、塗装ライン1B用の塗装乾燥炉2B−1、2B−2と、塗装ライン1C用の塗装乾燥炉2C−1、2C−2とは、適宜休止状態と稼働状態とが変更されるようになっている。そして、休止状態にある塗装乾燥炉と蓄熱型排気処理装置TSとの連通を遮断するために、塗装乾燥炉2B−1、2B−2、2C−1、2C−2から蓄熱型排気処理装置TSへの被処理ガス供給用ダクトには、複数の開閉弁4Bあるいは4Cが接続されている。
上述の開閉弁4Bおよび4Cの全てを閉弁したときは、蓄熱型排気処理装置TSでの処理量は、塗装乾燥炉2A−1、2A−2からの被処理ガスのみとなって、最小量となる。また、開閉弁4Bおよび4Cの全て開弁したときは、蓄熱型排気処理装置TSでの処理量は、全ての塗装乾燥炉2A−1〜2C−2からの被処理ガスとなって、最大量となる。さらに、開閉弁4Bのみを全閉あるいは開閉弁4Cのみを全閉としたときは、蓄熱型排気処理装置TSでの処理量は中量となる。
前記蓄熱型排気処理装置TSの一例について、図2、図3を参照しつつ説明する。蓄熱型排気処理装置TSは、その外殻を構成するケーシング(ハウジング)11を有し、ケーシング11内は、水平方向に伸びる仕切壁12によって、上方に位置される単一の処理室20と、下方の機械室21とに仕切られている。
処理室20内には、その長手方向(図2において左右方向で、図3において紙面直角方向)中間位置において、複数の燃焼装置(バーナ)22A、22B、22Cが配設されている。各燃焼装置22A、22B、22Cは、上下方向に並べられて、高い位置から低い位置へ順次、22A、22B、22Cとされている。
処理室20内には、複数(実施形態では合計6個)の蓄熱室23A、23B、23C、23D、24E、23Fが配設されている。各蓄熱室23A〜23F内には、それぞれ、蓄熱体24が収納されている。なお、蓄熱体24としては、既知の蓄熱性の高い適宜の材料を用いることができる。各蓄熱体24は、蓄熱室23A〜23F内において、被処理ガスの流通可能な保持部材25の上に載置されている。このような蓄熱室23A〜23Fは、水平方向に並べて配置されて、蓄熱室23A〜23Cが、燃焼装置22A〜22Cを境に一方側に配設された一方側蓄熱室を構成し、蓄熱室23D〜23Fが、燃焼装置22A〜22Cを境に他方側に配設された他方側蓄熱室を構成している。各蓄熱室23A〜23Fは、それぞれ、処理室20の上下方向略中間位置に配設されて、燃焼装置22A〜22Cよりも下方で、かつ仕切壁12よりも上方に位置されている。なお、図2,図3中、26は、隣り合う蓄熱室同士を遮断するための仕切板である。
各蓄熱室23A〜23Fの下方は、特に図3に示すように、仕切壁30によって、流入側空間31と、流出側空間32とに仕切られている。仕切壁30は、蓄熱室23A〜23Fの並び方向に伸びていて、各蓄熱室23A〜23Fは、それぞれ、流入側空間31と流出側空間32とに跨った状態とされている。そして、ケーシング11には、燃焼装置22A〜22Cの下方延長線位置において、流入側空間31に常時連通する流入口31Aと、流出側空間32に常時連通される流出口32Aが形成されている。勿論、上記流入口31Aから、各塗装乾燥炉2A−1〜2C−2からの被処理ガスが流入されるものである。
各蓄熱室23A〜23Fの上端開口は、燃焼装置22A〜22Cが配設された燃焼室33に常時連通されている。また、各蓄熱室23A〜23Fは、その下端位置において、流入側空間31に開口された流入側開口部35と、流出側空間32に開口された流出側開口部36とを有する。
図4に示すように、上記流入側開口部35は、流入側弁体37が離着座されることよって開閉され、上記流出側開口部36は、流出側弁体38が離着座されることによって開閉される。各弁体37,38は、それぞれ、機械室21に配設された駆動手段としてのシリンダ39によって、個々独立して開閉駆動されるようになっている。上記各開口部35、36と各弁体37、38とによって複数の開閉弁が構成され、この各開閉弁とシリンダ38とによって切替装置が構成される。
蓄熱型排気処理装置TSに流入された被処理ガスが、燃焼によって浄化された後、蓄熱型排気処理装置TSから排出されるまでの流れの状態について、図2,図3に加えて、図7〜図10をも参照しつつ説明する。
(1)処理量が少量(低量)のとき(図7、図8)
処理量が少量のときは、合計2個の蓄熱室が利用されると共に、1つの燃焼装置のみが使用される。すなわち、例えば一方側蓄熱室として蓄熱室23Aが用いられ、他方側蓄熱室として蓄熱室23Dが用いられ、かつ、複数の燃焼装置22A〜22Cのうちもっとも上方に位置する燃焼装置22Aのみが作動される。より具体的には、図7に示すように、蓄熱室23Aはその流入側開口部35のみが開かれ、蓄熱室23Dはその流出側開口部36のみが開かれる。この状態では、図7実線で示すように、流入口31Aから流入側空間31に流入された被処理ガスは、蓄熱室23Aを上昇するように通過して燃焼室33に至り、この燃焼室33で燃焼装置22Aによる燃焼が行われ、この後、蓄熱室23Dを下降するように通過して流出側空間32に至り、その後、流出口32Aから外部へと排出されることになる。このような流れが、第1の流れ態様となり、このとき、燃焼後の高温の被処理ガスが蓄熱室23Dを通過することにより、蓄熱室23D内の蓄熱体24に蓄熱されることになる。
上記第1の流れ態様とは異なる第2の流れ態様が、図8において一点鎖線で示す流れとなる。すなわち、蓄熱室23Aについては流出側開口部36のみが開かれ、蓄熱室23Dについては流入側開口部35のみが開かれる。これにより、流入口31Aから流入側空間31に導入された被処理ガスは、蓄熱室23Dを上昇するように通過して燃焼室33に至り、この燃焼室33で燃焼装置22Aによる燃焼が行われ、この後、蓄熱室23Aを下降するように通過して流出側空間32に至り、その後、流出口32Aから外部へと排出されることになる。このような流れが、第2の流れ態様となり、このとき、燃焼後の高温の被処理ガスが蓄熱室23Aを通過することにより、蓄熱室23A内の蓄熱体24に蓄熱されることになる。
上記第1の流れ態様と第2の流れ態様とを、図5に示すように所定期間毎(例えば90秒毎)に変更することにより、被処理ガスは、燃焼装置によって燃焼される前にあらかじめ蓄熱室23A(あるいは23D)の蓄熱体24によって加熱されることになり、エネルギ効率のよいものとなる。なお、図5では、各蓄熱室ついて流入側開口部35に着目したときの開閉状態の変化を示してあるが、流出側開口部に着目した場合も同様の関係になる。
(2)処理量が中量のとき(図9)
処理量が中量のときは、合計4個の蓄熱室が利用されると共に、2つの燃焼装置が使用される。すなわち、例えば一方側蓄熱室として蓄熱室23Aと23Bが用いられ、他方側蓄熱室として蓄熱室23Dと23Eが用いられ、かつ、複数の燃焼装置22A〜22Cのうち上方側から2つの燃焼装置22Aと22Bとが作動される。なお、図9では、第1の流れ態様と第2の流れ態様とを同一図面で示すために、1つの蓄熱室について流入側開口部35と流出側開口部36とが共に開かれているように描かれているが、実際には、図7,図8の関係となるもので、1つの蓄熱室については、流入側開口部35と流出側開口部36とのいずれか一方が開かれているときは他方が閉じられているものである。
以上のことを前提として、蓄熱室23Aと23Bとはその流入側開口部35のみが開かれ、蓄熱室23Dと23Eとはその流出側開口部36のみが開かれる。この状態では、図9実線で示すように、流入口31Aから流入側空間31に流入された被処理ガスは、蓄熱室23Aと23Bとを上昇するように通過して燃焼室33に至り、この燃焼室33で燃焼装置22A、22Bによる燃焼が行われ、この後、蓄熱室23Dと23Eとを下降するように通過して流出側空間32に至り、その後、流出口32Aから外部へと排出されることになる。このような流れが、第1の流れ態様となり、このとき、燃焼後の高温の被処理ガスが蓄熱室23D、23Eを通過することにより、蓄熱室23Dおよび23E内の蓄熱体24に蓄熱されることになる。
上記第1の流れ態様とは異なる第2の流れ態様が、図9において一点鎖線で示す流れとなる。すなわち、蓄熱室23A、23Bについては流出側開口部36のみが開かれ、蓄熱室23D、23Eについては流入側開口部35のみが開かれる。第2の流れ態様の詳細は、前述した処理量が少量のときの説明から明かなので、これ以上の説明は省略する。勿論、第1の流れ態様と第2の流れ態様とは、所定期間毎に変更されるものである。
(3)処理量が大量のとき(図10)
処理量が大量のときは、全ての蓄熱室23A〜23Fが利用されると共に、全ての燃焼装置22A〜22Cが使用される。なお、図10では、第1の流れ態様と第2の流れ態様とを同一図面で示すために、1つの蓄熱室について流入側開口部35と流出側開口部36とが共に開かれているように描かれているが、実際には、図7,図8の関係となるもので、1つの蓄熱室については、流入側開口部35と流出側開口部36とのいずれか一方が開かれているときは他方が閉じられているものである。
以上のことを前提として、一方側蓄熱室としての蓄熱室22A〜22Cはその流入側開口部35のみが開かれ、他方側蓄熱室23D〜23Fはその流出側開口部36のみが開かれる。この状態では、図10実線で示すように、流入口31Aから流入側空間31に流入された被処理ガスは、蓄熱室23A〜23Cを上昇するように通過して燃焼室33に至り、この燃焼室33で燃焼装置22A〜22Cによる燃焼が行われ、この後、蓄熱室23D〜23Fとを下降するように通過して流出側空間32に至り、その後、流出口32Aから外部へと排出されることになる。このような流れが、図10実線で示す第1の流れ態様となり、このとき、燃焼後の高温の被処理ガスが蓄熱室23D〜23Fを通過することにより、蓄熱室23D〜23F内の蓄熱体24に蓄熱されることになる。
上記第1の流れ態様とは異なる第2の流れ態様が、図10において一点鎖線で示す流れとなる。すなわち、蓄熱室23A〜23Cについては流出側開口部36のみが開かれ、蓄熱室23D〜23Fについては流入側開口部35のみが開かれる。第2の流れ態様の詳細は、前述した処理量が少量のときの説明から明かなのので、これ以上の説明は省略する。勿論、第1の流れ態様と第2の流れ態様とは、所定期間毎に変更されるものである。
図6は、前述した被処理ガスの処理量の変化に応じた塗装ライン(塗装乾燥炉)の稼働状況の変化と、作動される燃焼装置の数の変化と、燃焼室33の温度変化との関係が示される。この図6から明かなように、燃焼室33の温度雰囲気は、立ち上がりの当初を除いてほぼ一定温度に維持されて、被処理ガスの効果的な処理が行われることになる。
被処理ガスの処理量の変動に応じて使用すべき蓄熱室の数の変更および燃焼室の数の変更のための制御は、制御手段としてのコントローラUによって行われる。このコントローラUは、例えば機械室21内に配設されて、図1に示す開閉弁4B、4Cの開閉状況を示す信号に基づいて、前述した処理量に応じた制御を実行する。
図11、図12は、本発明の第2の実施形態を示すものである。本実施形態では、流入側弁体37および流出側弁体38の上面に、テーパ状の突起部40を設けたものとなっている。すなわち、上方(閉弁方向)に向かうにつれて徐々に断面積が小さくなるような突起部40を形成したものとなっている。これにより、弁体37あるいはあ38による上下動つまり開閉動の際に、開口部35あるいは36の開口面積が緩やかに変化されてる。すなわち、図12に示すように、開閉時の立ち上がりおよび立ち下がりの状態が、図5に示す場合よりも緩やかとなる。これにより、開閉に起因する衝撃波の発生が防止あるいは低減されることになる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。蓄熱室や燃焼装置の配設は適宜変更できるものであり、例えば蓄熱室を上下方向に並べる一方、燃焼装置を上下方向に並んだ蓄熱室の側方に配設することもできる。被処理ガスとしては、塗装乾燥炉内からの排気ガスに限らず、適宜の排気ガスとすることができる。使用する蓄熱室や燃焼装置の数の変更は、3段階に限らず、2段階あるいは4段階以上に変更することもできる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明による蓄熱型排気処理装置を自動車ボディの塗装ラインに適用した場合の一例を示す全体系統図。 本発明による蓄熱型排気処理装置の一例を示す側面断面図で、図3X2−X2線相当する部分での断面図。 図2のX3−X3線相当断面図。 蓄熱室に設けた開口部と弁体とを示す要部拡大断面図。 第1の流れ態様と第2の流れ態様との切替えの様子を示すタイムチャート。 被処理ガスの処理量と作動される燃焼装置と稼働される塗装ラインとの関係を示すタイムチャート。 被処理ガスの処理量が少量のときの蓄熱室の作動状況を示すもので、第1の流れ状態に対応した簡略平面図。 被処理ガスの処理量が少量のときの蓄熱室の作動状況を示すもので、第2の流れ状態に対応した簡略平面図。 被処理ガスが中量ときの第1の流れ状態と第2の流れ状態とを合わせて示す簡略平面図。 被処理ガスが大量ときの第1の流れ状態と第2の流れ状態とを合わせて示す簡略平面図。 本発明の第2の実施形態を示すもので、図4に対応した要部拡大断面図。 図11に示す第2の実施形態におけるタイムチャートで、図5に対応したもの。
符号の説明
TS:蓄熱型排気処理装置
U:コントローラ(制御手段)
2A−1〜2C−2:塗装乾燥炉
3:ファン(被処理ガス送風用)
4B、4C:開閉弁
11:ケーシング
12:仕切壁
20:処理室
22A〜22C:燃焼装置
23A〜23D:蓄熱室(一方側蓄熱室)
23D〜23F:蓄熱室(他方側蓄熱室)
24:蓄熱体
26:仕切板
31:流入側空間
31A:流入口
32:流出側空間
32A:流出口
35:流入側開口部
36:流出側開口部
37:流入側弁体
38:流出側弁体
40:突起部(テーパ部)

Claims (6)

  1. 被処理ガスの流入口および流出口を有する単一の処理室と、
    前記処理室に配設され、それぞれ蓄熱体を備えた複数の蓄熱室と、
    前記各蓄熱室の前記流入口に対する連通と前記流出口に対する連通とを個々独立して切替える切替装置と、
    前記処理室に配設され、被処理ガスの燃焼を行うための複数の燃焼装置と、
    前記切替装置の切替えを制御して、複数の蓄熱室の間で、前記流入口からの被処理ガスを前記燃焼装置に向けて流す流入側蓄熱室と、該燃焼装置で燃焼された後の被処理ガスを前記流出口に向けて流す流出側蓄熱室との関係が所定期間毎に互いに入れ替わるように交換させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、さらに、前記切替装置および燃焼装置を制御して、被処理ガスの処理量の増加に応じて、前記流入側蓄熱室の数と前記流出側蓄熱室の数と作動される前記燃焼装置の数とをそれぞれ増大させるように制御する、
    ことを特徴とする蓄熱型排気処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記複数の燃焼装置が、上下方向に並べて配設され、
    前記複数の蓄熱室が、それぞれ水平方向に隔置して配設されると共に、前記燃焼装置を境にして、一方側蓄熱室と他方側蓄熱室とに分離して配設され、
    前記制御手段は、被処理ガスの処理量の増大に応じて、上方に位置する前記燃焼装置から下方に位置する燃焼装置へと作動される燃焼装置の数を順次増大させる
    ことを特徴とする蓄熱型排気処理装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記各蓄熱室がそれぞれ、前記流入口に臨む流入側開口部と、前記流出口に臨む流出口側開口部とを有し、
    前記切替装置が、前記流入側開口部に離着座される流入側弁体と、前記流出側開口部に離着座される流出側弁体と、を有し、
    前記各弁体は、前記各開口部を緩やかに開閉するためのテーパ部を有している、
    ことを特徴とする蓄熱型排気処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記複数の蓄熱室が水平方向に並べて配設され、
    前記処理室のうち該各蓄熱室の上方空間が、前記燃焼装置が配設される燃焼室とされ、
    前記処理室のうち、前記各蓄熱室の下方空間が、該各蓄熱室が臨む2つの空間に仕切られて、該2つの空間のうち一方の空間が前記流入口が臨む流入側空間とされると共に、他方の空間が前記流出口が臨む流出側空間とされ、
    前記切替装置が、前記各蓄熱室を前記流入側空間に対して個々独立して連通・遮断する流入側開閉弁と、前記各蓄熱室を前記流出側空間に対して個々独立して連通・遮断する流出側開閉弁とを有する、
    ことを特徴とする蓄熱型排気処理装置。
  5. 請求項4において、
    前記複数の燃焼装置が、上下方向に並べて配置され、
    前記複数の蓄熱室が、前記燃焼装置を境にして、一方側蓄熱室と他方側蓄熱室とに分離して配設され、
    前記制御手段による前記切替装置の制御によって、被処理ガスが、前記流入口から順次前記流入側空間、前記一方側蓄熱室、前記燃焼装置、前記他方側蓄熱室、前記流出側空間を通って前記流出口に至る第1流れ態様と、前記流入口から順次前記流入側空間、前記他方側蓄熱室、前記燃焼装置、前記一方側蓄熱室、前記流出側空間を通って前記流出口に至る第2流れ態様とが切替えられる、
    ことを特徴とする蓄熱型排気処理装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    被処理ガスが、塗装ラインにおける乾燥炉からの排気ガスとされ、
    前記処理室に接続される前記乾燥炉の数が増大するのに応じて、前記流入側蓄熱室の数と前記流出側蓄熱室の数と作動される前記燃焼装置の数とがそれぞれ増大される、
    ことを特徴とする蓄熱型排気処理装置。
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