JP2015007420A - 建設機械の排気浄化制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部50には、堆積量検出部33に検出されるススの堆積量に応じた複数の領域が設定される。複数の領域には、制御部50が自動再生制御を行う自動再生領域と、自動再生領域よりもススの堆積量が多い領域であるとともに制御部50が手動再生制御を行う手動再生領域と、がある。制御部50は、自動再生領域のとき、ポスト噴射積算量Pに応じて、ポスト噴射部37の再生動作を制限する(時間t1〜t2参照)。
【選択図】図2
Description
図1〜図5を参照して第1実施形態の排気浄化制御装置1について説明する。
制御部50(クレーン側制御部53)が行う再生動作の制御には、堆積量レベルに応じた制御と、ポスト噴射積算量Pに応じた制御と、がある。
堆積量レベルは、ススの堆積量に応じて決定されるレベル(すすレベル、すす堆積量レベル)である。堆積量レベルは、複数設定される。堆積量レベルは、次の[a]及び[b]のように決定される。[a]堆積量検出部33から、制御部50(エンジン側制御部51)に、堆積量の検出結果が出力される。[b]エンジン側制御部51は、入力された堆積量がどの堆積量レベルであるかを決定する。エンジン側制御部51には、入力された堆積量と堆積量レベルとの関係が予め設定されている。具体的には例えば、堆積量検出部33が検出したススの堆積量が、ある設定値を超えるたびに、堆積量レベルが増加していく。
堆積量レベルが「A未満」のときは、再生動作が行われない。堆積量レベルA未満では、エンジン側制御部51からクレーン側制御部53への再生動作の要求がない。
堆積量レベルA以上のときは、再生動作が行われる場合がある。堆積量レベルA以上のときの再生動作開始の条件には、操作部41の操作がないことが含まれる。これは、操作部41の操作中に再生動作が開始されることによる、アクチュエータ23の動作の急変、及び、エンジン11の回転数の急変を防ぐためである。上記急変を防ぐことで、この急変によって生じる吊荷の揺れ(荷振れ)等を防ぎ、操作者の疲労を軽減させることができる。上記急変は次のように起こる。排気ブレーキ39を作動させると、エンジン11の負荷が上がり、エンジン11の回転数が下がる。そのため、アクセル操作が一定でも、再生動作を開始すればエンジン11の回転数が変わってしまう。また、クレーン操作が一定でも、再生動作を開始すればエンジン11の回転数が変わる結果、ポンプ21の回転数が変わり、アクチュエータ23の動作が変わってしまう。
堆積量レベルA(自動再生領域)のときは、再生動作が自動的に開始される。堆積量レベルAのときは、再生動作よりも操作部41の操作を優先させる。具体的には、再生動作中にクレーン操作またはアクセル操作があると、再生動作が一時的に停止される。さらに詳しくは、堆積量レベルAのときは、制御部50は自動再生制御を行う。自動再生制御は、操作部41の操作がないことが操作検出部43に検出されているときに、再生部36に再生動作を行わせる制御である。また、自動再生制御は、操作部41の操作があることが操作検出部43に検出されているときに、再生部36の再生動作を停止させる制御である。
堆積量レベルB〜D(手動再生領域)のときは、手動再生ボタン45を「ON」にすることが、再生動作の開始の条件に含まれる。堆積量レベルB〜Dのときは、制御部50は手動再生制御を行う。
堆積量レベルB及びCのときは、再生動作(手動再生)の中断及び再開が可能である。再生動作の中断(一時的停止)とは、「再生動作の完了」前に再生動作を停止させることである。上記「再生動作の完了」とは、再生動作によりススの堆積量が「所定値」未満になることである。上記「所定値」は、制御部50(エンジン側制御部51)に予め設定される。さらに詳しくは、堆積量レベルB及びCのときは、制御部50は、手動再生中断制御と、手動再生再開制御と、手動再生手動停止制御と、を行う。
堆積量レベルCのときは、堆積量レベルBのときと異なり、再生動作中断中のアクセル操作が無効とされる。さらに、このときは、エンジン11の回転数が、予め設定された値(例えばLowアイドル回転数)に規制(制限)される。さらに詳しくは、堆積量レベルCのときは、制御部50は、アクセル無効制御を行う。
堆積量レベルDのときは、再生動作の中断が禁止される(操作部41の操作に対して、再生動作を優先させる)。さらに詳しくは、堆積量レベルDのときは、制御部50は、操作無効制御および手動再生切換無効制御を行う。
堆積量レベルE(強制再生領域)のときは、操作部41の操作がない場合、手動再生ボタン45が「OFF」であっても自動で再生動作が開始される。さらに、このときは、再生動作の中断が禁止される。さらに詳しくは、堆積量レベルEのときは、制御部50は、強制再生制御を行う。
制御部50(クレーン側制御部53)は、ポスト噴射積算量Pに応じて、再生動作を制御する。制御部50によるポスト噴射積算量Pに応じた再生動作の制御は、再生動作不要時(堆積量レベルA未満)と、自動再生領域(堆積量レベルA)のときと、手動再生領域(堆積量レベルB〜D)のときと、で異なる。以下、排気浄化制御装置1を構成する機器等については図1を参照して説明する。
堆積量レベルA未満の場合、すなわち、エンジン側制御部51からクレーン側制御部53への再生動作の要求がないとき(図3のS11でNOのとき)、上述したように再生動作が行われない。
自動再生領域(堆積量レベルA)のとき、制御部50は、ポスト噴射積算量Pに応じてポスト噴射部37の再生動作を制限する。さらに詳しくは、図2に示すように、制御部50(クレーン側制御部53)には、設定値P1(ポスト噴射禁止設定値)が設定される。ポスト噴射積算量Pが、設定値P1を超える場合に(図2の時間t1〜t2参照)、ポスト噴射部37の再生動作が禁止される。制御部50は、ポスト噴射積算量Pが設定値P1を超えた時から、堆積量検出部33に検出されるススの堆積量が手動再生領域になるまで(手動再生領域に達するまで)(時間t1〜t2の間)、ポスト噴射部37の再生動作を禁止する(禁止し続ける)。設定値P1は、例えば、自動再生(自動再生制御による再生動作)に通常要するポスト噴射積算量Pより大きく設定されている。設定値P1は、例えば、自動再生および制御を多数回繰り返したときのポスト噴射積算量Pとして設定される。設定値P1は、例えば、上限値Pmaxの約50%に設定される。
図3に示すフローチャートを参照して、自動再生領域のときの制御部50の動作(S12〜S16)をさらに具体的に説明する。
手動再生領域(堆積量レベルB〜D)のとき、制御部50は、ポスト噴射積算量Pに応じて再生動作の有無を切り換える。さらに詳しくは、図2に示すように、制御部50は、自動再生領域から手動再生領域になるとき(変化するとき、変化する場合)(時間t2)、ポスト噴射部37による再生動作を許可する。
次に、図1に示す排気浄化制御装置1(建設機械の排気浄化制御装置)による効果を説明する。排気浄化制御装置1は、エンジン11と、エンジン11を駆動源とするアクチュエータ23と、アクチュエータ23又はエンジン11を操作者が操作するための操作部41と、操作部41の操作の有無を検出する操作検出部43と、エンジン11の排気中のススを捕捉する浄化装置31と、浄化装置31に捕捉されたススの堆積量を検出する堆積量検出部33と、浄化装置31に捕捉されたススを燃やして浄化装置31を再生する動作である再生動作をするためのポスト噴射を行うポスト噴射部37と、再生動作をするかしないかを操作者が選択するための手動再生ボタン45(手動再生切換部)と、浄化装置31の直近の再生動作完了時からのポスト噴射の積算量であるポスト噴射積算量P(図2参照)を演算するポスト噴射量積算部51aと、予め設定された上限値Pmax(図2参照)をポスト噴射積算量Pが超えるとエラーであると判定するエラー判定部51bと、再生動作の制御を行う制御部50と、を備える。制御部50が行う制御には、自動再生制御と手動再生制御とがある。
[構成1−1]自動再生制御は、操作部41の操作がないことが操作検出部43に検出されているときにポスト噴射部37に再生動作を開始させる制御である。
[構成1−2]手動再生制御は、操作部41の操作がないことが操作検出部43に検出され、かつ、手動再生ボタン45により再生動作をすることが選択されているとき、ポスト噴射部37による再生動作を許可する制御である。
[構成1−3]制御部50には、堆積量検出部33に検出されるススの堆積量に応じた複数の領域が設定される。複数の領域には、制御部50が自動再生制御を行う自動再生領域と、自動再生領域よりもススの堆積量が多い領域であるとともに制御部50が手動再生制御を行う手動再生領域と、がある。
[構成1−4]制御部50は、自動再生領域のとき、ポスト噴射積算量Pに応じて、ポスト噴射部37の再生動作を制限する(図2の時間t1〜t2参照)。
一方、上記[構成1−1]の自動再生領域において再生動作を開始させるには、ボタン操作などは不要である。よって、自動再生領域は、手動再生領域に比べ、操作者は再生動作を意識しにくい領域である。そのため、操作者が再生動作を意識することなく、操作者が何らかの操作(例えば、操作部41の操作など)を行うことにより、操作者が再生動作を停止させる場合がある。そのため、自動再生領域は、手動再生領域に比べ再生動作の継続時間が短時間である場合が多い。そのため、ポスト噴射部37がポスト噴射を行っても、エンジン11の排気温度がススの燃焼に必要な温度まで上がらない可能性が高い。また、上記温度まで排気温度が上がっても、その温度の継続時間が短い可能性が高い。よって、自動再生領域は、手動再生領域に比べ、無駄なポスト噴射が多くなる可能性が高い領域であるといえる(自動再生領域の「性質Y」とする)。
上記[構成1−4]では、無駄なポスト噴射が行われやすい自動再生領域(上記「性質Y」)のときに、ポスト噴射積算量Pに応じて、ポスト噴射部37の再生動作が制限される(図2の時間t1〜t2参照)。よって、この制限がない場合に比べ、無駄なポスト噴射を減らすことができる。よって、無駄なポスト噴射による燃費悪化を抑制できる。また、ポスト噴射を減らすことができるので、ポスト噴射積算量Pが上限値Pmaxを超える可能性を減らすことができる。よって、エラー判定部51bによる誤判定を抑制できる。
上記[構成1−4]では、自動再生領域のときに、再生動作が制限されるのでススの堆積量が増えやすい。よって、自動再生領域から、上記「性質X」を持つ手動再生領域に移りやすい。よって、建設機械の操作者に再生動作の完了を促すことができる。
[構成2]自動再生制御は、操作部41の操作があることが操作検出部43に検出されているときにポスト噴射部37の再生動作を停止させる制御である。
制御部50には、設定値P1(ポスト噴射禁止設定値)(図2参照)が設定される。制御部50は、自動再生領域のとき、ポスト噴射積算量Pが設定値P1を超える場合にポスト噴射部37の再生動作を禁止する(図2の時間t1〜t2参照)。
制御部50は、ポスト噴射積算量Pが設定値P1を超えた時から、堆積量検出部33に検出されるススの堆積量が手動再生領域になるまで(図2の時間t1〜t2の間)、ポスト噴射部37の再生動作を禁止する。
[構成5]制御部50は、自動再生領域から手動再生領域になるとき(図2の時間t2参照)、ポスト噴射部37による再生動作を許可する。
制御部50には、設定値P2(操作禁止設定値)(図2参照)が設定される。制御部50は、手動再生領域のとき、かつ、ポスト噴射積算量Pが設定値P2を超える場合、操作部41による操作を無効にするとともにポスト噴射部37に再生動作を行わせる(図2の実線の折れ線の時間t2〜t4、及び、一点鎖線の直線の時間t13〜t14参照)。
制御部50は、ポスト噴射積算量Pが設定値P2(操作禁止設定値)以下のとき、操作部41による操作を有効とする(図2の一点鎖線の直線の時間t2〜t13参照)。
排気浄化制御装置1はクレーンに設けられる。ここで、クレーンは、例えば輸送車両(トラック)に比べ、エンジン11にかかる負荷が小さい場合が多い。その理由は例えば次の[a]及び[b]などである。輸送車両の走行に比べてクレーン作業(建て方作業など)は、[a]継続時間が短い場合が多く、アイドル時間が長い場合が多い。[b]輸送車両の走行の負荷に比べ、軽量な吊荷を吊り上げる作業の負荷は小さい場合が多い。
エンジン11にかかる負荷が小さいと、エンジン11の排気温度が上がりにくいので、無駄なポスト噴射が起こりやすい。一方、上記「(効果1−1)」では、無駄なポスト噴射を抑制できる。よって、エンジン11にかかる負荷が小さい場合が多いもの(輸送車両など)に排気浄化制御装置1が設けられる場合に比べ、クレーンに排気浄化制御装置1が設けられる場合は、上記「(効果1−1)」がより顕著になる。
図5を参照して、上述した設定値P1と設定値P2とが異なる場合(P1<P2の場合)について、これらが同一の場合(P1=P2の場合)との相違点を説明する。
(P1=P2)図2に示すように、上記第1実施形態のようにP1=P2の場合、排気浄化制御装置1は次のように動作する。図2において実線の折れ線で示すように、自動再生領域でポスト噴射積算量Pが設定値P1を超えると(時間t1)、設定値P2も超えたことになる。その結果、自動再生領域から手動再生領域に移ると(時間t2)、操作部41による操作が必ず無効になる(図4のS23)。
(P1<P2)一方、図5に示すようにP1<P2の場合、排気浄化制御装置1は次のように動作する。図5において実線の折れ線で示すように、自動再生領域でポスト噴射積算量Pが設定値P1を超えた(時間t1)後、自動再生領域から手動再生領域に変わる(時間t2)。この時(時間t2)から、ポスト噴射積算量Pが設定値P2を超える(時間t3)まで、操作部41による操作が有効になる(図4のS22でYES)。よって、操作部41の操作による作業ができる(作業性を確保できる)。
図6〜図10を参照して、第2実施形態の排気浄化制御装置101について、第1実施形態との相違点を説明する。相違点は次の通りである。図6に示すように、排気浄化制御装置101は、第1実施形態の排気ブレーキ39(図1参照)に代えて、負荷掛け装置139を備える。排気浄化制御装置101は、第1実施形態にはない再生キャンセルボタン145および微速機能スイッチ147(自動再生自動停止選択スイッチ、吐出流量設定スイッチ)を備える。第2実施形態のクレーン側制御部153の動作は、第1実施形態のクレーン側制御部53(図1参照)の動作と異なる。以下、上記相違点をさらに説明する。なお、排気浄化制御装置101の構成要素やステップのうち、第1実施形態との共通点については、同一の符号を付し、説明を省略した。
制御部50(クレーン側制御部153)は、堆積量レベルやエンジン側制御部51からの要求に応じて、再生部36による再生動作の制御を切り換える。制御部50には、例えば、A未満、A、B、D、及びEの合計5の体積量レベルが設定される。表2に示すように、制御部50は、A未満、A、B、D、及びEの堆積量レベルに応じて、再生動作の開始及び停止の条件を変える。
第1実施形態では、堆積量レベルA以上のときの再生動作開始の条件には、「操作部41(図1参照)の操作がない」ことが含まれた。第2実施形態では、上記「操作部41の操作がない」には、「操作部41の操作が無効である」(後述)ことが含まれる。再生動作開始の条件に操作部41の操作がない(又は無効である)ことが含まれる理由は、操作部41の操作中に再生動作が開始されることによる、アクチュエータ23の動作の急変を防ぐためである。この急変は次のように起こる。負荷掛け装置139を作動させると、ポンプ21に負荷がかかる。そのため、エンジン11の回転数やクレーン操作が安定していても、ポンプ21の吐出流量が変化する。その結果、アクチュエータ23の動作の急変が発生する。
堆積量レベルA(自動再生領域)のときは、再生動作が自動的に開始される。堆積量レベルAのときは、再生動作よりも操作部41の操作を優先させる。第1実施形態では、堆積量レベルAのとき、再生動作中にクレーン操作またはアクセル操作があると、再生動作が一時的に停止された。一方、第2実施形態では、この制御(再生動作中にクレーン操作またはアクセル操作があると、再生動作が一時的に停止されるという制御)は行われない。第2実施形態では、「自動再生自動停止機能ON」(後述)のときにクレーン操作があると、再生動作が一時的に停止される。「自動再生自動停止機能OFF」のときはクレーン操作があっても、再生動作は一時停止されない。さらに詳しくは、堆積量レベルAのときは、制御部50は次の自動再生制御(第2実施形態の自動再生制御)を行う。
堆積量レベルB・D(手動再生領域)のときは、制御部50は、手動再生制御(第1実施形態と同様)と、手動再生時操作無効制御と、を行う。手動再生時操作無効制御は、手動再生領域のとき、かつ、再生動作が行われているとき、操作部41による操作を無効にする制御である。手動再生時操作無効制御では、制御部50(クレーン側制御部153)は、操作部41の指令を受け付けない(建設機械を操作できない状態とする)(操作部41を操作してもアクチュエータ23が作動しないようにする)(再生動作を優先させる)。一方、手動再生領域のとき、かつ、再生動作が行われていないとき、制御部50は、操作部41による操作を有効にする。
堆積量レベルBのときは、再生動作(手動再生)の中断及び再開が可能である。堆積量レベルBのときは、制御部50は、第1実施形態で行われた手動再生中断制御および手動再生再開制御を行わず、第1実施形態とは異なる手動再生手動停止制御を行う。
堆積量レベルDのときは、再生動作の中断が禁止される。堆積量レベルDのときは、第1実施形態で行われた操作無効制御および手動再生切換無効制御は行われず、第1実施形態にはない手動再生手動停止無効制御が行われる。手動再生手動停止無効制御は、再生キャンセルボタン145による再生キャンセル操作を無効にするとともに再生部36に再生動作を行わせる制御である。手動再生手動停止無効制御は、手動再生制御により再生部36が再生動作を行うとき、再生キャンセルボタン145の選択の状態にかかわらず(「再生動作ON」か「再生動作OFF」かにかかわらず)再生部36に再生動作を行わせる制御である。手動再生手動停止無効制御では、クレーン側制御部153は再生キャンセルボタン145の指示を受け付けない。
堆積量レベルE(強制再生領域)のときは、制御部50は、第1実施形態とは異なる強制再生制御を行う。第2実施形態の強制再生制御は、再生キャンセルボタン145の選択の状態にかかわらず(また、操作検出部43の検出の状態や手動再生ボタン45の選択の状態にかかわらず)再生部36に自動で再生動作を行わせる制御である。
制御部50(クレーン側制御部153)は、ポスト噴射積算量Pに応じて、再生動作を制御する(図7参照)。以下、第1実施形態の排気浄化制御装置1を構成する機器等については図1を参照し、第2実施形態の排気浄化制御装置101を構成する機器等については図6を参照して説明する。
自動再生領域(堆積量レベルA)のとき、制御部50は、ポスト噴射積算量Pに応じてポスト噴射部37の再生動作を制限する(図7及び図8参照)。図3に示す第1実施形態のフローチャートに対する、図8に示す第2実施形態のフローチャートの相違点は、ステップS114である。
手動再生領域(堆積量レベルB・D)のとき、制御部50は、ポスト噴射積算量Pに応じて再生動作の有無を切り換える。第1実施形態と同様に、図7に示すように、制御部50は、自動再生領域から手動再生領域になるとき(変化するとき、変化する場合)(時間t2)、ポスト噴射部37による再生動作を許可する。
図6に示す第2実施形態の排気浄化制御装置101による効果を説明する。排気浄化制御装置101は、自動再生自動停止機能を用いるか否かが切り換わる自動再生自動停止選択スイッチ(微速機能スイッチ147)を備える。
[構成8]自動再生制御は、操作部41の操作があることが操作検出部43に検出されているとき、かつ、自動再生自動停止機能を用いることが自動再生自動停止選択スイッチ(微速機能スイッチ147)により選択されているとき(自動再生自動停止機能ONのとき)に、ポスト噴射部37の再生動作を停止させる制御である。
排気浄化制御装置101は、エンジン11に駆動されるポンプ21と、ポンプ21に負荷を掛けることでエンジン11に負荷を掛けることにより再生動作を行う負荷掛け装置139と、吐出流量設定スイッチ(微速機能スイッチ147)と、を備える。
[構成9−1]吐出流量設定スイッチ(微速機能スイッチ147)は、ポンプ21の吐出流量に影響を及ぼす機能に関する選択をするためのスイッチである。
[構成9−2]吐出流量設定スイッチ(微速機能スイッチ147)は、自動再生自動停止選択スイッチ(上記[構成8]参照)である。
[構成10]制御部50は、手動再生領域のとき、かつ、再生動作が行われているとき、操作部41による操作を無効にする(図7の時間t2以後を参照)。
排気浄化制御装置101は、再生キャンセル操作(再生動作を停止させる操作)を操作者が行うための再生キャンセルボタン145を備える。制御部50には、再生キャンセル操作禁止設定値P2(図7参照)が設定される。
[構成11]図7に示すように、制御部50(図6参照)は、手動再生領域のとき、かつ、ポスト噴射積算量Pが再生キャンセル操作禁止設定値P2を超える場合、再生キャンセルボタン145(図6参照)による再生キャンセル操作を無効にするとともにポスト噴射部37に再生動作を行わせる(図7のt2〜t4、t13〜t14参照)。
[構成12−1]制御部50は、ポスト噴射積算量Pが再生キャンセル操作禁止設定値P2以下のとき、図6に示す再生キャンセルボタン145による再生キャンセル操作を有効にする。
[構成12−2]制御部50は、手動再生領域のとき、かつ、再生動作が行われていないとき、操作部41による操作を有効にする。
図10を参照して、上述した設定値P1と設定値P2とが異なる場合(P1<P2の場合)について、図7に示すようにこれらが同一の場合(P1=P2の場合)との相違点を説明する。
(P1=P2)上記第2実施形態のようにP1=P2の場合、排気浄化制御装置101は次のように動作する。図7において実線の折れ線で示すように、自動再生領域でポスト噴射積算量Pが設定値P1を超えると(時間t1)、設定値P2も超えたことになる。自動再生領域から手動再生領域に移ると(時間t2)、再生キャンセルボタン145(図6参照)による再生キャンセル操作が必ず無効になる(図9のS123)。
(P1<P2)一方、図10に示すようにP1<P2の場合、排気浄化制御装置101(図7参照)は次のように動作する。図10において実線の折れ線で示すように、自動再生領域でポスト噴射積算量Pが設定値P1を超えた(時間t1)後、自動再生領域から手動再生領域に変わる(時間t2)。この時(時間t2)から、ポスト噴射積算量Pが設定値P2を超える(時間t3)まで、再生キャンセルボタン145(図7参照)による操作が有効になる(図9のS22でYES)。再生キャンセル操作により手動再生が停止した場合は、操作部41の操作が有効になるので、作業性を確保できる。
上記の第2実施形態では、微速機能スイッチ147が、自動再生自動停止選択スイッチかつ吐出流量設定スイッチであった。しかし、自動再生自動停止選択スイッチや吐出流量設定スイッチとして、微速機能スイッチ147に加えて(または代えて)、他のスイッチが設けられてもよい。「他のスイッチ」には、例えば、作業モード切替スイッチや、ドラムブレーキ切替スイッチなどが含まれてもよい。また、上記「他のスイッチ」には、例えば、過負荷防止装置解除スイッチ、および、過負荷防止装置冗長スイッチなどがある。例えば、過負荷防止装置解除スイッチにより、過負荷防止装置が解除された場合(過負荷防止装置解除機能ONの場合)、上記の自動再生自動停止機能がONとなる(自動再生領域のときに操作部41の操作があると再生動作が一時的に停止する)。過負荷防止装置解除機能OFFの場合、自動再生自動停止機能がOFFとなる。また例えば、過負荷防止装置冗長スイッチにより、過負荷防止装置冗長機能(後述)を用いることが選択された場合(過負荷防止装置冗長機能ONの場合)上記の自動再生自動停止機能がONとなる。過負荷防止装置冗長機能OFFの場合、上記の自動再生自動停止機能がOFFとなる。なお、過負荷防止装置冗長機能とは、過負荷防止装置が故障したときに、過負荷防止装置の最低限の機能のみを働かせることにより、建設機械の最低限の作業(クレーン作業など)を行えるようにする機能である。
11 エンジン
21 ポンプ
23 アクチュエータ
31 浄化装置
33 堆積量検出部
37 ポスト噴射部
41 操作部
43 操作検出部
45 手動再生ボタン(手動再生切換手段)
50 制御部
51a ポスト噴射積算部
51b エラー判定部
139 負荷掛け装置
145 再生キャンセルボタン
147 微速機能スイッチ(自動再生自動停止選択スイッチ、吐出流量設定スイッチ)
P1 設定値(ポスト噴射禁止設定値)
P2 設定値(操作禁止設定値)
P2 再生キャンセル操作禁止設定値
Claims (12)
- エンジンと、
前記エンジンを駆動源とするアクチュエータと、
前記アクチュエータ又は前記エンジンを操作者が操作するための操作部と、
前記操作部の操作の有無を検出する操作検出部と、
前記エンジンの排気中のススを捕捉する浄化装置と、
前記浄化装置に捕捉されたススの堆積量を検出する堆積量検出部と、
前記浄化装置に捕捉されたススを燃やして前記浄化装置を再生する動作である再生動作をするためのポスト噴射を行うポスト噴射部と、
前記再生動作をするかしないかを操作者が選択するための手動再生切換部と、
前記浄化装置の直近の再生動作完了時からの前記ポスト噴射の積算量であるポスト噴射積算量を演算するポスト噴射量積算部と、
予め設定された上限値を前記ポスト噴射積算量が超えるとエラーであると判定するエラー判定部と、
前記再生動作の制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部が行う制御には、自動再生制御と手動再生制御とがあり、
前記自動再生制御は、前記操作部の操作がないことが前記操作検出部に検出されているときに前記ポスト噴射部に前記再生動作を開始させる制御であり、
前記手動再生制御は、前記操作部の操作がないことが前記操作検出部に検出され、かつ、前記手動再生切換部により前記再生動作をすることが選択されているとき、前記ポスト噴射部による前記再生動作を許可する制御であり、
前記制御部には、前記堆積量検出部に検出されるススの堆積量に応じた複数の領域が設定され、
前記複数の領域には、
前記制御部が前記自動再生制御を行う自動再生領域と、
前記自動再生領域よりもススの堆積量が多い領域であるとともに前記制御部が前記手動再生制御を行う手動再生領域と、
があり、
前記制御部は、前記自動再生領域のとき、前記ポスト噴射積算量に応じて、前記ポスト噴射部の前記再生動作を制限する、
建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記自動再生制御は、前記操作部の操作があることが前記操作検出部に検出されているときに前記ポスト噴射部の前記再生動作を停止させる制御である、
請求項1に記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 自動再生自動停止機能を用いるか否かが切り換わる自動再生自動停止選択スイッチを備え、
前記自動再生制御は、前記操作部の操作があることが前記操作検出部に検出されているとき、かつ、前記自動再生自動停止機能を用いることが前記自動再生自動停止選択スイッチにより選択されているときに、前記ポスト噴射部の前記再生動作を停止させる制御である、
請求項1に記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記エンジンに駆動されるポンプと、
前記ポンプに負荷を掛けることで前記エンジンに負荷を掛けることにより前記再生動作を行う負荷掛け装置と、
前記ポンプの吐出流量に影響を及ぼす機能に関する選択をするための吐出流量設定スイッチと、
を備え、
前記吐出流量設定スイッチは、前記自動再生自動停止選択スイッチである、
請求項3に記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部には、ポスト噴射禁止設定値が設定され、
前記制御部は、前記自動再生領域のとき、前記ポスト噴射積算量が前記ポスト噴射禁止設定値を超える場合に前記ポスト噴射部の前記再生動作を禁止する、
請求項1〜4のいずれかに記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部は、前記ポスト噴射積算量が前記ポスト噴射禁止設定値を超えた時から、前記堆積量検出部に検出されるススの堆積量が前記手動再生領域になるまで、前記ポスト噴射部の前記再生動作を禁止する、
請求項5に記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部は、前記自動再生領域から前記手動再生領域になるとき、前記ポスト噴射部による前記再生動作を許可する、
請求項1〜6のいずれかに記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部には、操作禁止設定値が設定され、
前記制御部は、前記手動再生領域のとき、かつ、前記ポスト噴射積算量が前記操作禁止設定値を超える場合、前記操作部による操作を無効にするとともに前記ポスト噴射部に前記再生動作を行わせる、
請求項1〜7のいずれかに記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部は、前記ポスト噴射積算量が前記操作禁止設定値以下のとき、前記操作部による操作を有効とする、
請求項8に記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部は、前記手動再生領域のとき、かつ、前記再生動作が行われているとき、前記操作部による操作を無効にする、
請求項1〜9のいずれかに記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記再生動作を停止させる再生キャンセル操作を操作者が行うための再生キャンセルボタンを備え、
前記制御部には、再生キャンセル操作禁止設定値が設定され、
前記制御部は、前記手動再生領域のとき、かつ、前記ポスト噴射積算量が前記再生キャンセル操作禁止設定値を超える場合、前記再生キャンセルボタンによる前記再生キャンセル操作を無効にするとともに前記ポスト噴射部に前記再生動作を行わせる、
請求項10に記載の建設機械の排気浄化制御装置。 - 前記制御部は、前記ポスト噴射積算量が前記再生キャンセル操作禁止設定値以下のとき、前記再生キャンセルボタンによる前記再生キャンセル操作を有効にし、
前記制御部は、前記手動再生領域のとき、かつ、前記再生動作が行われていないとき、前記操作部による操作を有効にする、
請求項11に記載の建設機械の排気浄化制御装置。
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