JP2015006839A - 車両衝突被害軽減システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の衝突被害を軽減するためのボデーエアバッグを小型化する。
【解決手段】自動車12が非対称の正面衝突をすると、左右一対のボデーエアバッグ装置16のうち衝突側のボデーエアバッグ装置16がエアバッグECU58によって作動される。すると、衝突側のサスペンションタワー34とダッシュパネル46との間に設けられた衝突側のボデーエアバッグ52が、インフレータからのガスの圧力で膨張する。このボデーエアバッグ52によって、衝突側のサスペンションタワー34とダッシュパネル46との間の空間を埋めることができるので、衝突側のサスペンションタワー34を介して伝達される衝突エネルギを、ボデーエアバッグ52の変形によって吸収することができる。しかも、左右のボデーエアバッグ52は、左右のサスペンションタワー34とダッシュパネル46との間の空間を埋めることができるものであればよいため、小型に構成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の衝突被害を軽減するための車両衝突被害軽減システムに関する。
下記特許文献1に記載された車両衝突被害軽減システムでは、エンジンルームと車室とを仕切る隔壁のエンジンルーム側に、容積を増加可能な入子状ケースに収容されたボデーエアバッグが設けられている。このボデーエアバッグを、衝突予知情報に基づいて衝突前に膨張させることで、ケースの塑性変形及びエアバッグの変形により衝突エネルギを吸収するようにしている。
特開2001−058552号公報
上述の如き車両衝突被害軽減システムでは、ボデーエアバッグが大型(大容量)であるため、ボデーエアバッグの設置スペースを確保する観点や、低コスト化を図る観点で改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の衝突被害を軽減するためのボデーエアバッグを小型化することができる車両衝突被害軽減システムを得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、ダッシュパネルの車両前方側に左右のサスペンションタワーが設けられた車両と、前記左右のサスペンションタワーと前記ダッシュパネルとの間にそれぞれ設けられた左右のボデーエアバッグを、ガス発生装置が発生させるガスの圧力で膨張させる左右のボデーエアバッグ装置と、前記左右のボデーエアバッグ装置の作動を制御する制御装置と、を備えている。
請求項1に記載の発明では、制御装置によって左右のボデーエアバッグ装置が作動されると、左右のサスペンションタワーとダッシュパネルとの間に設けられた左右のボデーエアバッグが、ガス発生装置からのガスの圧力で膨張する。これらのボデーエアバッグによって、左右のサスペンションタワーとダッシュパネルとの間の空間をそれぞれ埋めることができるので、車両の正面衝突時にサスペンションタワーに伝達される衝突エネルギを、ボデーエアバッグの変形によって吸収することができる。しかも、左右のボデーエアバッグは、左右のサスペンションタワーとダッシュパネルとの間の空間を埋めることができるものであればよいため、小型(小容量)に構成することができる。
請求項2に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、請求項1において、前記制御装置は、前記車両の正面衝突の形態がフルラップ衝突かそれ以外の衝突かを検出するための検出装置を備え、前記検出装置の検出結果に基づいてフルラップ衝突以外の衝突を検知した際に、前記左右のボデーエアバッグ装置のうち衝突側の前記ボデーエアバッグ装置を作動させる。
請求項2に記載の発明では、車両が正面衝突をすると、制御装置が検出装置の検出結果に基づいて、正面衝突の形態がフルラップ衝突(対称衝突)かそれ以外の衝突(斜め衝突、オフセット衝突、微小ラップ衝突などの非対称衝突)かを検知する。フルラップ衝突以外の衝突が検知された際には、車体前部の衝突側(左右片側)に衝突荷重が集中するため、当該衝突側の変形を抑制すべく、制御装置が左右のボデーエアバッグ装置のうち衝突側のボデーエアバッグ装置を作動させる。これにより、衝突側のボデーエアバッグが膨張し、当該ボデーエアバッグによって衝突エネルギが吸収される。これにより、車体前部の衝突側の過度な変形を抑制することができる。
請求項3に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、請求項2において、前記制御装置は、前記検出装置の検出結果に基づいてフルラップ衝突を検知した際には、前記左右のボデーエアバッグ装置を何れも作動させない。
請求項3に記載の発明では、車両の正面衝突の形態がフルラップ衝突である場合には、車体前部の左右両側がバランス良く変形することにより、衝突エネルギが効率よく吸収される。この際には、制御装置が左右のボデーエアバッグ装置を何れも作動させないため、左右のボデーエアバッグの膨張によって車体前部の変形が阻害されないようにすることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記左右のボデーエアバッグは、前記車両の左右のフロントピラーと前記左右のサスペンションタワーとの間に配設されている。
請求項4に記載の発明では、左右のボデーエアバッグが上記のように配設されているため、左右のボデーエアバッグが膨張した際には、左側のサスペンションタワーと左側のフロントピラーとの間、及び右側のサスペンションタワーと右側のフロントピラーとの間を、それぞれ左右のボデーエアバッグによって埋めることが可能になる。それにより、サスペンションタワーとフロントピラーとの両方の剛性を効率的に利用することが可能になり、車体前部の変形を効果的に抑制することが可能になる。
請求項5に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、請求項4において、前記左右のボデーエアバッグは、前記左右のサスペンションタワーよりも前記左右のフロントピラー側で車体に取り付けられている。
請求項5に記載の発明では、上記のように構成されているため、左右のボデーエアバッグが左右のフロントピラーよりも左右のサスペンションタワー側で車体に取り付けられている場合よりも、左右のボデーエアバッグに正面衝突の衝突荷重が伝わるタイミングを遅くすることができる。それにより、例えば制御装置が車両の正面衝突を検知するまでの間に、左右のボデーエアバッグが衝突荷重によって不用意に破損することを防止又は抑制できる。
請求項6に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記ダッシュパネルは、前記車両の左右のフロントピラー間に掛け渡された骨格部材であるダッシュクロスメンバを備えており、前記左右のボデーエアバッグは、前記ダッシュクロスメンバと前記左右のサスペンションタワーとの間にそれぞれ跨って配設されている。
請求項6に記載の発明では、上記のように構成されているため、正面衝突の衝突荷重がサスペンションタワーを介してボデーエアバッグに入力された際に、骨格部材であるダッシュクロスメンバによってボデーエアバッグを良好に支持することができる。その結果、車体前部の変形を効果的に抑制することが可能になる。
請求項7に記載の発明に係る車両衝突被害軽減システムは、請求項1〜請求項6の何れか1項において、前記ボデーエアバッグは、金属材料によって形成されている。
請求項7に記載の発明では、ボデーエアバッグが金属製であるため、サスペンションタワー等との干渉によってボデーエアバッグが破損することを防止又は抑制できる。
以上説明したように、本発明に係る車両衝突被害軽減システムでは、車両の衝突被害を軽減するためのボデーエアバッグを小型化することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両衝突被害軽減システムが適用されて構成された自動車の車体前部の部分的な構成を車両斜め前方から見た状態で示す斜視図である。 同車体前部の平面図である。 (A)は、図1及び図2に示されるボデーエアバッグ装置の拡大平断面図であり、(B)は、同ボデーエアバッグが膨張した状態を示す(A)に対応した拡大平断面図である。 第1実施形態に係る自動車が斜め衝突をした状態を示す図2に対応した平面図である。 比較例に係る自動車が斜め衝突をした状態を示す図4に対応した平面図である。 第1実施形態に係る自動車がフルラップ衝突をした状態を示す図2に対応した平面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両衝突被害軽減システムが適用されて構成された自動車の車体前部の部分的な構成を車両斜め後方から見た状態で示す斜視図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1実施形態に係る車両衝突被害軽減システム10について、図1〜図6に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
(構成)
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る車両衝突被害軽減システム10では、車両である自動車12の車体前部14に、左右一対のボデーエアバッグ装置16が搭載されている。この自動車12は、例えばセダンタイプとされており、エンジンやモータ等を含んで構成されたパワーユニット18(図1では図示省略)を収容するエンジンコンパートメント20が、キャビン22(車室)の車両前方側に形成されている。このエンジンコンパートメント20の下部における車幅方向両側部には、左右一対のフロントサイドメンバ24が設けられている。
左右のフロントサイドメンバ24は、車両前後方向から見て矩形閉断面形状に形成された車体の骨格部材であり、車体前部14の両側部に車両前後方向を長手方向として配置されている。左右のフロントサイドメンバ24の上面には、それぞれ図示しないエンジンマウントが取り付けられており、各エンジンマウントを介してパワーユニット18が左右のフロントサイドメンバ24に支持されている。
左右のフロントサイドメンバ24の前部には、それぞれ衝撃吸収部としてのクラッシュボックス26が設けられている。これらのクラッシュボックス26は、フロントサイドメンバ24の本体部28とは別体に形成されたものであり、ボルト締結等の手段によって本体部28の前端に固定されている。
左右のクラッシュボックス26は、例えば車両前後方向から見て矩形閉断面形状に形成されており、本体部28よりも車両前後方向に沿った軸圧縮荷重に対する剛性(耐力)が低く設定されている。これらのクラッシュボックス26は、自動車12が正面衝突した際には、本体部28が変形する前に変形してエネルギを吸収する構成になっている。左右のクラッシュボックス26の前端には、車体前部14に車幅方向を長手方向として配置されたバンパリインフォースメント30がボルト締結等の手段によって固定されている。
このバンパリインフォースメント30は、例えば車幅方向から見た断面形状が略B型状に形成された所謂B型断面タイプとされている。なお、バンパリインフォースメント30の前端面には、発泡体等からなる図示しないアブソーバ(緩衝材)が取り付けられ、当該アブソーバとバンパリインフォースメント30とがバンパカバー32によって覆われる構成になっている。
また、エンジンコンパートメント20の車幅方向両側部において、左右のフロントサイドメンバ24の車体上方側には、左右一対のサスペンションタワー34が設けられている。左右のサスペンションタワー34は、各下端部が左右のフロントサイドメンバ24にそれぞれ結合されている。左右のサスペンションタワー34は、図示しないサスペンション装置の上部を支持するものであり、このサスペンション装置が備えるサスペンションアームは、左右のフロントサイドメンバ24の下面に取り付けられた図示しないサスペンションメンバによって支持されている。
また、左右のサスペンションタワー34の上端部は、左右のフロントサイドメンバ24の車両上方側かつ車幅方向外側で車両前後方向に延びる左右のエプロンアッパメンバ36にそれぞれ結合されている。左右のエプロンアッパメンバ36の後端部は、車幅方向に延びるカウル38の車幅方向両側の端部とそれぞれ結合されている。このカウル38は、キャビン22とエンジンコンパートメント20との境界部に設けられている。
このカウル38における車幅方向両端部は、左右のフロントピラー40にそれぞれ結合されている。左右のフロントピラー40は、車両上下方向に延びるピラーロア40Aと、このピラーロア40Aの上端部から車両上方側且つ車両後方側に延びるピラーアッパ40Bとによって構成されている。各フロントピラー40におけるピラーロア40Aとピラーアッパ40Bとの接続部分には、上述のエプロンアッパメンバ36の後端部が結合されている。また、各ピラーロア40Aの下端部には、車両前後方向に延びるロッカ42の前端部が結合されている。
また、カウル38の車体下方側には、キャビン22とエンジンコンパートメント20とを仕切る(区画する)ダッシュパネル46が設けられている。このダッシュパネル46は、車両前後方向を板厚方向とするパネル本体48を備えており、当該パネル本体48の上端部がカウル38の下端部と結合されている。
図2に示されるように、パネル本体48の後面には、パネル本体48を補強するダッシュクロスメンバ50が結合されている。このダッシュクロスメンバ50は、車幅方向を長手とする車体の骨格部材であり、車幅方向両端部が左右のフロントピラー40に結合され、左右のフロントピラー40間に架け渡されている。このダッシュクロスメンバ50は、車幅方向から見て車体前方側が開口した断面ハット状に形成されており、上下のフランジ部がスポット溶接等の手段によってパネル本体48に接合されている。
上記構成の自動車12では、ダッシュパネル46よりも前部側の車体前部14がクラッシャブルゾーンとされており、自動車12が正面衝突(前面衝突)した際に、後方側のキャビン22が変形しないように、クラッシュボックス26やフロントサイドメンバ24等を積極的に変形させて、衝突エネルギを吸収するように構成されている。なお、このような構成は、フロントサイドメンバ24にビードを形成するなど周知の方法により実現することができる。
次に、本実施形態の要部である左右のボデーエアバッグ装置16について説明する。
図3(A)に示されるように、ボデーエアバッグ装置16は、ダッシュパネル46の前面に配設されたボデーエアバッグ52を備えている。このボデーエアバッグ52は、金属製のシートによって袋状(ここでは角箱状)に形成されており、車両前後方向から見てダッシュクロスメンバ50と重なる位置に配置されている。このボデーエアバッグ52の内部は、密閉空間54とされている。
このボデーエアバッグ52は、鉄板等からなるプレート55に取り付けられており、当該プレート55を介してダッシュパネル46の前面に固定されている。このボデーエアバッグ52には、上下左右の壁部が断面波状(複数のS字を連続させたような形状)に曲げられることにより余長部52Aが設けられている。
左側のボデーエアバッグ52は、左側のサスペンションタワー34の車両後方に配設されており、右側のボデーエアバッグ52は、右側のサスペンションタワー34の車両後方に配設されている。詳細には、左側のボデーエアバッグ52は、左側のサスペンションタワー34と左側のフロントピラー40との間に配設されており、右側のボデーエアバッグ52は、右側のサスペンションタワー34と右側のフロントピラー40との間に配設されている。
また、図3(A)に示されるように、ボデーエアバッグ52とプレート55との間には、ボデーエアバッグ装置16の構成部材であるインフレータ56(ガス発生装置)が設けられている。このインフレータ56は、ここでは所謂シリンダータイプとされており、例えば軸線方向が車両上下方向に沿う状態で配置されている。プレート55におけるインフレータ56と対向する部位には、車体後方側へ凸状に膨出したインフレータ収容部が形成されており、当該インフレータ収容部内にインフレータ56が収容されている。このインフレータ56は、例えばプレート55を貫通したスタッドボルトがナットに螺合することにより、プレート55に固定されている。
このインフレータ56が作動すると、インフレータ56の外周部に設けられた図示しないガス噴出口から噴出されるガスが、ボデーエアバッグ52に形成された図示しない連通口を介してボデーエアバッグ52の内部すなわち密閉空間54内に供給される。これにより、密閉空間54内の圧力が上昇すると、図3(B)に示されるようにボデーエアバッグ52の余長部52Aが伸張され、ボデーエアバッグ52が車両前方側へ膨張する。この際には、サスペンションタワー34とダッシュパネル46との間の空間がボデーエアバッグ52によって埋められるように、ボデーエアバッグ52の大きさが設定されている。
上述のインフレータ56には、図3(A)に示されるように、車両に搭載されたエアバッグECU58が電気的に接続されている。このエアバッグECU58には、左右のフロントサイドメンバ24に取り付けられた左右一対のサテライトセンサ60(衝突センサ:検出装置)が電気的に接続されている。これらのエアバッグECU58及び左右のサテライトセンサ60は、制御装置を構成している。左右のサテライトセンサ60は、自動車12の正面衝突の形態がフルラップ衝突(対称衝突)かそれ以外の衝突(斜め衝突、オフセット衝突、微小ラップ衝突などの非対称衝突)かを検出するための検出装置を構成している。
エアバッグECU58は、左右のサテライトセンサ60からの信号の入力タイミングのズレと、各サテライトセンサ60の出力信号の大きさを比較することにより、フルラップ衝突とそれ以外の衝突とを判別する。エアバッグECU58が、左右のサテライトセンサ60からの信号(検出結果)に基づいてフルラップ衝突以外の衝突を検知した際には、左右のボデーエアバッグ装置16のうち衝突側のボデーエアバッグ装置16がエアバッグECU58によって作動される。具体的には、エアバッグECU58からの作動信号が、衝突側のボデーエアバッグ装置16のインフレータ56に出力され、当該インフレータ56が作動される。一方、エアバッグECU58が、左右のサテライトセンサ60からの信号に基づいてフルラップ衝突を検知した際には、エアバッグECU58は、左右のボデーエアバッグ装置16を何れも作動させない構成になっている。なお、例えば、車両前後方向の加速度を検出する前後加速度センサの信号と、車両左右方向の加速度を検出する左右加速度センサの信号とに基づいて、斜め衝突を検出する構成にしてもよい。
(作用及び効果)
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車両衝突被害軽減システム10では、自動車12が正面衝突をすると、エアバッグECU58が左右のサテライトセンサ60からの信号に基づいて、正面衝突の形態がフルラップ衝突かそれ以外の衝突かを検知する。そして、この検知結果に基づいて、エアバッグECU58が左右のボデーエアバッグ装置16の作動の有無を判定する。
例えば、図4に示されるように、自動車12が他車両62に対して斜め衝突した際には、車体前部14の衝突側(ここでは右側)に衝突荷重Fが集中するため、当該衝突側の変形を抑制すべく、エアバッグECU58が右側のボデーエアバッグ装置16のインフレータ56を作動させる。すると、右側のボデーエアバッグ52がインフレータ56から発生するガスの圧力で膨張し、右側のサスペンションタワー34とダッシュパネル46との間の空間が右側のボデーエアバッグ52によって埋められる。これにより、右側のサスペンションタワーを介して伝達される衝突エネルギを、右側のボデーエアバッグ52の変形によって吸収することができるので、車体前部14の右側(衝突側)の過度な変形を抑制することができる。
つまり、図5に示される比較例100のように、ボデーエアバッグ装置16が設けられていない場合には、車体前部14の衝突側が過度に変形し、パワーユニット18等の後退量が大きくなることがあるが、本実施形態では、これを抑制することができる。なお、車体前部14の左側に他車両62が非対称衝突をした際には、左側のボデーエアバッグ装置16が作動されることにより、同様の作用効果が得られる。
しかも、本実施形態では、左右のボデーエアバッグ52は、左右のサスペンションタワー34とダッシュパネル46との間の空間を埋めることができるものであればよいため、小型(小容量)に構成することができる。その結果、各ボデーエアバッグ52の設置スペースを確保することが容易になると共に、各ボデーエアバッグ52及びインフレータ56の小型化によって低コスト化を図ることが可能になる。
また例えば、停車している自動車12(自車両)に対して、他車両62が図4に示されるように斜め衝突した場合には、車体前部14の衝突側の過度な変形が抑制されることにより、自動車12を衝突エネルギによって早期に後方へ移動させることができる(図4の矢印B参照)。この際には、自動車12の乗員Pが慣性によって車体に対し前方へ真っ直ぐに変位しようとする(図Sの矢印S参照)ので、前席用エアバッグ64(運転席用エアバッグ又は助手席用エアバッグ)によって乗員Pを良好に拘束することができる。つまり、図5に示される比較例100のように、車体前部14の変形量が大きくなる場合には、乗員Pが衝突荷重Fの入力方向と反対方向(図5の矢印D参照)、すなわち車体斜め前方に慣性移動する可能性がある。その場合、乗員Pが前席用エアバッグ64に対して斜めに突入することになるが、本実施形態では、乗員Pを前席用エアバッグ64によって真っ直ぐに受け止めることができるので、前席用エアバッグ64による乗員保護性能を向上させることができる。
一方、図6に示されるように、自動車12の衝突形態がフルラップ衝突である場合には、クラッシャブルゾーンとされた車体前部14の左右両側がバランス良く変形することにより、衝突エネルギが効率よく吸収される。この際には、エアバッグECU58が左右のボデーエアバッグ装置16を何れも作動させないため、左右のボデーエアバッグ52の膨張によってクラッシャブルゾーンの変形が阻害されないようにすることができる。以上のことから、本実施形態によれば、自動車12の衝突被害を正面衝突の形態に応じて適切に軽減することができる。また、ボデーエアバッグ装置16を用いる構成であるため、車体自体の剛性を向上させて車体の変形を抑制する構成と比較して、車体の重量増加を抑制することができる。
しかも、本実施形態では、左右のボデーエアバッグ52が、車両前後方向視でダッシュクロスメンバ50と重なる位置に配設されている。このため、膨張したボデーエアバッグ52に対して車両前方側から荷重が入力された際に、ボデーエアバッグ52をダッシュクロスメンバ50によって良好に支持することができる。また、通常時におけるボデーエアバッグ52の支持剛性を良好にすることもできる。
また、本実施形態では、左右のボデーエアバッグ52が、左右のフロントピラー40と左右のサスペンションタワー34との間に配設されているため、左右のボデーエアバッグ52が膨張した際には、左側のサスペンションタワー34と左側のフロントピラー40との間、及び右側のサスペンションタワー34と右側のフロントピラー40との間を、それぞれ左右のボデーエアバッグ52によって埋めることができる。それにより、サスペンションタワー34とフロントピラー40との両方の剛性を効率的に利用することが可能になり、車体前部の変形を効果的に抑制することが可能になる。
さらに、本実施形態では、左右のボデーエアバッグ52が、左右のサスペンションタワー34よりも左右のフロントピラー40側でダッシュパネル46に取り付けられている。このため、左右のボデーエアバッグ52が左右のフロントピラー40よりも左右のサスペンションタワー34側で車体に取り付けられている場合よりも、左右のボデーエアバッグ52に正面衝突の衝突荷重が伝わるタイミングを遅くすることができる。それにより、例えばエアバッグECU58が自動車12の正面衝突を検知するまでの間に、左右のボデーエアバッグ52が衝突荷重によって不用意に破損することを防止又は抑制できる。
また、本実施形態では、ボデーエアバッグ52が金属製であるため、サスペンションタワー34等との干渉によってボデーエアバッグ52が破損することを防止又は抑制できる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
<第2の実施形態>
図7には、本発明の第2実施形態に係る車両衝突被害軽減システムが適用されて構成された自動車12の車体前部14の部分的な構成が、車両斜め後方から見た斜視図にて示されている。この実施形態では、ダッシュクロスメンバ50がパネル本体48(図7では図示省略)の前面に固定されている。このダッシュクロスメンバ50は、車幅幅方向から見て車両後方側が開口した断面ハット状に形成されており、上下のフランジ部がスポット溶接等の手段によってパネル本体48に接合されている。また、この実施形態では、左右のボデーエアバッグ70が、ダッシュクロスメンバ50の上面と左右のサスペンションタワー34の上面との間にそれぞれ跨って配設されている(なお、図7では左側のボデーエアバッグ70の図示が省略されている)。これらのボデーエアバッグ70は、前記第1実施形態に係る左右のボデーエアバッグ52とは構成が異なっている。
各ボデーエアバッグ70は、例えば一対の金属製のシートが重ね合わされて外周縁部を溶接されることにより袋状に形成されている。また、各ボデーエアバッグ70は、サスペンションタワー34の上面にボルト締結等の手段によって固定されるタワー固定部70Aと、ダッシュクロスメンバ50の上面にボルト締結等の手段によって固定されるダッシュ固定部70Bと、タワー固定部70Aとダッシュ固定部70Bとの間に設けられた膨張部70Cとによって構成されている。膨張部70Cの内部には、例えばダッシュクロスメンバ50に固定されたインフレータ56(図7では図示省略)から噴出されるガスが供給される。それにより、膨張部70Cが膨張すると、サスペンションタワー34とダッシュクロスメンバ50との間の空間が膨張部70Cによって埋められる構成になっている。上記以外の構成は、前記第1実施形態と同様である。
この実施形態では、上記のように構成されているため、正面衝突の衝突荷重がサスペンションタワー34を介してボデーエアバッグ70に入力された際に、骨格部材であるダッシュクロスメンバ50によってボデーエアバッグ70を良好に支持することができる。その結果、車体前部14の変形を効果的に抑制することが可能になる。
<実施形態の補足説明>
上記各実施形態では、ボデーエアバッグ52、70が金属製とされた構成にしたが、本発明はこれに限らず、ボデーエアバッグの構成は適宜変更することができる。例えば、背景技術の欄で説明したボデーエアバッグのように、布製基布からなるバッグ本体が、容積を増加可能なケースに収容された構成にしてもよい。また例えば、補強金属メッシュを層状にラミネートした厚手ゴム製基布からなる耐圧バッグを、ボデーエアバッグとしてもよい。
また、上記各実施形態では、ボデーエアバッグ52、70が袋状に形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、ボデーエアバッグの構成は適宜変更することができる。例えば、金属製のシートの外周縁部をダッシュパネル46のパネル本体48の前面に接合し、当該シートとパネル本体48とによって密閉空間を形成する構成にしてもよい。
また、上記各実施形態では、車体前部14におけるダッシュパネル46の前方にパワーユニット18が配設された構成にしたが、本発明はこれに限らず、例えばリヤエンジンリヤドライブの車両等では、ダッシュパネルの前方のコンパートメントにスペアタイヤ等が配設されるが、そのような車両に対しても本発明は適用することができる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両衝突被害軽減システム
12 自動車(車両)
16 ボデーエアバッグ装置
34 サスペンションタワー
40 フロントピラー
46 ダッシュパネル
48 ダッシュクロスメンバ
52 ボデーエアバッグ
56 インフレータ(ガス発生装置)
58 エアバッグECU(制御装置)
60 サテライトセンサ(検出装置、制御装置)
70 ボデーエアバッグ

Claims (7)

  1. ダッシュパネルの車両前方側に左右のサスペンションタワーが設けられた車両と、
    前記左右のサスペンションタワーと前記ダッシュパネルとの間にそれぞれ設けられた左右のボデーエアバッグを、ガス発生装置が発生させるガスの圧力で膨張させる左右のボデーエアバッグ装置と、
    前記左右のボデーエアバッグ装置の作動を制御する制御装置と、
    を備えた車両衝突被害軽減システム。
  2. 前記制御装置は、前記車両の正面衝突の形態がフルラップ衝突かそれ以外の衝突かを検出するための検出装置を備え、前記検出装置の検出結果に基づいてフルラップ衝突以外の衝突を検知した際に、前記左右のボデーエアバッグ装置のうち衝突側の前記ボデーエアバッグ装置を作動させる請求項1に記載の車両衝突被害軽減システム。
  3. 前記制御装置は、前記検出装置の検出結果に基づいてフルラップ衝突を検知した際には、前記左右のボデーエアバッグ装置を何れも作動させない請求項2に記載の車両衝突被害軽減システム。
  4. 前記左右のボデーエアバッグは、前記車両の左右のフロントピラーと前記左右のサスペンションタワーとの間に配設されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両衝突被害軽減システム。
  5. 前記左右のボデーエアバッグは、前記左右のサスペンションタワーよりも前記左右のフロントピラー側で車体に取り付けられている請求項4に記載の車両衝突被害軽減システム。
  6. 前記ダッシュパネルは、前記車両の左右のフロントピラー間に掛け渡された骨格部材であるダッシュクロスメンバを備えており、前記左右のボデーエアバッグは、前記ダッシュクロスメンバと前記左右のサスペンションタワーとの間にそれぞれ跨って配設されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両衝突被害軽減システム。
  7. 前記ボデーエアバッグは、金属材料によって形成されている請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の車両衝突被害軽減システム。
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