JP2015004685A - 電子時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】外装に金属ケースを採用した場合でも、良好な受信性能を確保できるアンテナ内蔵式時計を提供すること。
【解決手段】GPS付き腕時計1Aは、導電性部材により形成された円筒ケース111と、円筒ケース111に収納され、指針軸320,620を駆動するステッピングモーター131,134を有するムーブメント10と、非導電性部材により形成された文字板2と、円筒ケース111内でかつ文字板2の裏面側に配置され、外部から送信される無線電波を受信し、誘電体とその誘電体に形成された電極とから構成されるパッチアンテナ19とを備える。パッチアンテナ19は、円筒ケース111の内周面から所定寸法以上離間して配置され、指針軸320,620は、円筒ケース111の内周面とパッチアンテナ19の外周面との間に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、外部から送信される無線電波を受信するパッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)を内蔵するアンテナ内蔵式時計に関する。
従来、無線電波を受信するアンテナを備えた時計が開発されている。ここで、無線電波には、例えば位置情報衛星から送信される衛星信号等がある。
アンテナ内蔵式時計として、例えば前記衛星信号を受信するパッチアンテナを有する腕時計がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1において、腕時計のケースは、金属素材で形成される有底円筒状の外部本体で構成されている。そして、外部本体の上端側(開口側)には、無線電波を透過し易い材料(例えば、プラスチック材料)で構成されるベゼルが接続され、当該ベゼルの内側には、カバーガラスが配置されている。
このような腕時計では、文字板の平面中心位置には、時刻表示を行う指針の駆動軸が配置される。また、ケースが金属製の場合、ケース内のパッチアンテナは、時計表面側から無線電波を受信するために、できるだけ時計表面側つまり文字板に近づけて配置することが好ましい。
このため、パッチアンテナは、前記駆動軸とケース内周面との間に配置する必要がある。従って、特許文献1のパッチアンテナは、ケースの平面中心から文字板の12時方向にずれた位置に配置されている。
ところで、パッチアンテナは、平面アンテナであるため厚さ寸法を小さくでき、腕時計内に組み込んだ際に、時計の厚さ寸法の増大を抑えることができる利点がある。
一方で、必要な受信性能を確保するために、パッチアンテナの平面方向のサイズはある程度確保する必要がある。近年では、誘電体の材料開発や無線機の感度向上などの技術開発で、パッチアンテナもある程度小型化できたが、必要な受信性能を確保するために、さらなる小型化は困難であった。また、腕時計の平面サイズは、腕に装着できるサイズに抑える必要がある。
従って、パッチアンテナを、時計の平面中心に配置される駆動軸とケース内周面との間に配置した場合、特許文献1の図1,2に示すように、パッチアンテナはケースに近接して配置される。
そして、パッチアンテナは、アンテナの側面(ケース内周面に対向する外周面)に金属等の導電性部材のケースが近接していると電波の受信に影響を受けやすく、受信性能が低下する。このため、特許文献1では、前記ベゼルの下端縁を、パッチアンテナの下面位置近くまで延長し、パッチアンテナの側面側をベゼルで覆うことで、受信性能を確保している。
特表2007−526985号公報
ところで、時計、特に腕時計においては、時計表示や通信等の実用的な機能性だけでなく、高品質な質感が要求される。そこで、このような時計では、ケースの外装に金属素材が利用されているのが一般的である。
しかしながら、特許文献1では、プラスチック製のベゼルが占める面積が大きくなり、時計の質感が低下するという問題があった。
一方、質感を高めるために金属製のケースを採用すると、前述の通り、パッチアンテナが金属ケースに近接配置されるため、受信特性が低下するという問題がある。すなわち、パッチアンテナは単一指向性を持つため、金属ケースの開口側つまりカバーガラスおよび文字板側からの電波のみを受信する場合には、無指向性のアンテナよりも適している。
それでも、パッチアンテナは、スロットアンテナと動作原理は同じで、上面電極端部とグランド板間の隙間(アンテナ端部)が最も強く電波を放射するため、パッチアンテナの側面のすぐ近くに金属が存在すると、特性は大きく劣化する。そのため、アンテナの受信性能が大幅に低下するという問題がある。
本発明の目的は、外装に金属ケースを採用した場合でも、良好な受信性能を確保できるアンテナ内蔵式時計を提供することにある。
本発明のアンテナ内蔵式時計は、導電性部材により形成されたケースと、非導電性部材により形成された文字板と、前記文字板の裏面側に配置され、前記文字板側から入射した光を受光して発電するソーラーパネルと、前記ソーラーパネルの裏面側に配置され、非導電性部材により形成された日車と、前記日車の裏面側にかつ前記ケースから離間して配置され、無線電波を受信するパッチアンテナと、を有し、前記ソーラーパネルには、前記パッチアンテナと平面的に重なる部分に開口部が形成され、前記文字板には、前記日車の日表示を視認させるための日窓が形成され、前記日窓は、全体が前記開口部に平面的に重なる位置に形成されていることを特徴とする。
本発明では、パッチアンテナを、ケースから離間して配置している。これによれば、アンテナはケースに近接していないので、ケースに導電性部材(例えば、金属素材)を採用した場合でも、導電性のケースの影響を低減でき、受信性能の低下を防止できる。
なお、時計(ケース)の平面とは、時計の厚み方向に直交する面を意味し、通常は文字板表面に平行な面である。
そして、ケースからアンテナの外周面までの寸法は、ケースに近づけることによる特性の劣化を考慮し、時計に内蔵されるアンテナに求められる受信性能を確保するために必要な寸法に設定すればよい。
また、前記ケースの上端位置を、パッチアンテナの上面とほぼ同じ高さに設定した場合でも、ケースから離間してアンテナを配置しているので、アンテナは、上方向から入射する無線電波のみならず、左右斜め方向から入射する無線電波をケースで妨げられることなく受信できる。従って、前記特許文献1に比べて、時計の外観において金属素材の占める割合を多くすることができ、アンテナの良好な受信性能を確保しつつ、時計の質感を向上できる。
また、本発明では、文字板の裏面側にソーラーパネルを配置したので、ソーラーパネルで発電した電力で時計を駆動することができる。このため、一次電池を用いた場合のように電池を交換する必要が無く、利用者の利便性を向上できる。
また、ソーラーパネルの基板は、厚さは薄いが金属製であるため、GPSの衛星信号のような高周波の電波は減衰してしまう。このため、パッチアンテナは、ソーラーパネルで覆われていると、電波を受信できない可能性が高くなる。
これに対し、本発明では、ソーラーパネルに開口部を形成しているので、この開口部を通してパッチアンテナに電波を入射することができる。従って、パッチアンテナは、ソーラーパネルを通過しない無線電波を受信でき、その分、ソーラーパネルによる受信電波の減衰を防止できて受信性能を向上できる。
また、日車は、非導電性部材により形成され、パッチアンテナでの受信に影響しないので、アンテナと平面的に重なる位置に配置することができる。
また、文字板において、日車の日表示すなわち1〜31日までの各数字を視認させるために設けられた日窓は、ソーラーパネルの開口部に平面的に重なる位置に配置されるので、ソーラーパネルに日車を視認させるための開口を別途形成する必要が無く、前記開口を別途設けた場合に比べて受光面積を大きくでき、発電性能を向上できる。
すなわち、日車がソーラーパネルの裏面側に配置されている場合は、前記日窓から日表示を視認できるように、ソーラーパネルにも開口を形成する必要がある。
これに対し、本発明では、日窓がソーラーパネルの開口部に位置しているので、日窓から前記開口部を通して日車の日表示を視認できる。従って、ソーラーパネルに日車用の開口を別途形成する必要が無く、その分、受光面積を大きくできる。
また、本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記ケースに収納され、複数箇所に設けられた指針軸を駆動する複数のモーターを有するムーブメントを備え、前記パッチアンテナは、前記ケースの内周面から所定寸法以上離間して配置され、前記各指針軸は、前記ケースと前記パッチアンテナとの間に配置されていることが好ましい。
ここで、前記指針軸は、通常、時分秒等を指示する指針が取り付けられて時刻表示を行うものであるが、日や曜日、経度や緯度等の他の情報を表示するものでもよい。
なお、アンテナを、ケース内周面から所定寸法以上離間して配置するとは、アンテナの外周面とケース内周面との間隔の最小値が前記所定寸法以上であることを意味する。従って、アンテナをケースの平面中心位置に配置すれば、前記間隔を最も大きく設定することができる。
本発明によれば、アンテナをケース内周面から所定寸法以上離間して配置した際に、そのアンテナおよびケース間のスペースに指針軸を配置しているので、スペースを有効利用でき、時計の小型化を図ることができる。
なお、指針軸は、金属製であっても細い軸状の部材であるため、パッチアンテナに近接して配置されても、受信性能に対する影響は小さい。指針軸がプラスチックなどの非導電性部材であれば、パッチアンテナの受信性能に対する影響はさらに小さくできる。
また、前記所定寸法は、受信性能の確保に必要な寸法であり、かつ、前記指針軸を配置可能な寸法に設定することが好ましい。
ここで、指針軸を配置可能な寸法とは、少なくとも指針軸および指針軸を駆動するための輪列において指針軸に噛み合う歯車を、アンテナおよびケース間に配置できる寸法を意味する。
この場合、アンテナおよびケース間の最小間隔が指針軸を配置可能な寸法となるため、アンテナの周囲において、自由な位置に指針軸を配置することができ、時計の指針レイアウトの自由度を向上できる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記開口部の面積は、前記パッチアンテナの平面面積と同じであることが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記ソーラーパネルは、4個のソーラーセルからなることが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、指針軸を有し、前記ソーラーパネルは、複数のソーラーセルを有し、前記ソーラーセルの分割線上に前記指針軸のための貫通孔が形成されていることが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記文字板の表面には、平面円形に形成され、かつ、平面中心位置に前記指針軸が配置された第1表示部および第2表示部の少なくとも2つの表示部が形成され、前記第1表示部の直径は、第2表示部の直径よりも大きな寸法とされ、前記パッチアンテナは、第1表示部の指針軸および第2表示部の指針軸を結ぶ線に平面的に重なる位置に配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、第1表示部は第2表示部よりも直径が大きいため、第1表示部の指針軸に取り付けられる指針も大きなものを利用できる。このため、第1表示部に現在地の時刻を表示すれば、現在地の現時刻を容易に確認できて利便性を向上できる。
また、第1表示部の他に少なくとも第2表示部を備えているので、予め設定した他の地域の時刻を表示させてデュアルタイム表示機能を実現したり、受信感度や電池残量を指示する状態表示機能を実現することができ、利便性を向上できる。
その上、第1表示部の指針軸および第2表示部の指針軸を結ぶ線に平面的に重なる位置に、パッチアンテナを配置しているので、各指針軸間のスペースを有効に利用できる。また、パッチアンテナとケース内周面の間に、各表示部の指針軸が配置されることになり、パッチアンテナとケース内周面間の寸法を各表示部の半径以上確保できる。このため、パッチアンテナを、ケース内周面から所定寸法以上容易に離すことができる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記文字板は、文字板表面の縦方向および横方向の寸法が異なる形状とされ、前記文字板表面には、前記第1表示部および第2表示部に加えて、平面円形に形成され、かつ、平面中心位置に前記指針軸が配置された第3表示部が形成され、前記第3表示部の直径は、前記第1表示部の直径よりも小さな寸法とされ、前記パッチアンテナは、前記文字板における縦方向および横方向のうち、寸法が短い方向においては、前記第2表示部の指針軸と、第3表示部の指針軸との間に配置され、前記文字板における縦方向および横方向のうち、寸法が長い方向においては、前記第1表示部の指針軸よりも、前記第2,3表示部の指針軸側に配置されていることが好ましい。
ここで、本発明の文字板は、平面楕円形状、平面長方形状、矩形と半円を組み合わせた形状、矩形と半楕円(楕円を長軸または短軸で2分割したもの)を組み合わせた形状のものなどが利用できる。従って、例えば、平面楕円形状の文字板の場合、前記寸法が長い方向は楕円の長軸方向となり、寸法が短い方向は楕円の短軸方向となる。
また、文字板表面の縦方向(上下方向)とは、文字板における12時位置と6時位置を結ぶ方向を意味し、横方向(左右方向)とは3時位置と9時位置を結ぶ方向を意味する。
このような構成によれば、パッチアンテナが前記各指針軸の間に配置されるため、アンテナは、ケースに対して、ケースおよび指針軸間の距離よりも離れて配置されることになる。そして、前記各指針軸は、その軸に取り付けられた指針がケースに当接しないように、少なくとも指針の長さ寸法分はケースから離れて配置されることが多い。
従って、本発明によれば、アンテナを前記各指針の長さ寸法以上ケースから離して配置でき、かつ、指針およびアンテナのレイアウトも容易に設定できる。
また、前記パッチアンテナと指針軸の位置関係から、前記第1表示部の平面中心位置と、前記第2表示部および第3表示部の平面中心位置は、前記寸法が長い方向にずれて配置され、前記第2表示部および第3表示部の平面中心位置は、前記寸法が短い方向にずれて配置されることになる。
このため、各表示部を文字板上にバランス良くレイアウトできて、時計の意匠性も向上でき、文字板の平面中心に指針軸が設けられる一般的なアナログ時計とは、指針のレイアウトが異なる時計を構成できる。
なお、本発明は、パッチアンテナがケースから所定寸法以上離れて配置され、複数箇所に設けられた指針軸が、ケースおよびパッチアンテナ間に配置されていれば、例えば、時計の文字板の平面中心部分にアンテナが配置され、その周囲に同じ直径の表示部が配置されたものでもよい。この場合も、文字板の平面中心に指針軸が設けられる一般的なアナログ時計とは、指針のレイアウトが異なる時計を構成できる。さらに、アンテナの周囲に、指針軸を複数配置することも可能となるため、時刻情報に加えて他の情報を表示可能な時計も容易に実現できる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、内部時刻を計時する計時手段と、前記内部時刻が所定の時刻になった際に前記パッチアンテナを用いて受信を開始する定時受信手段と、前記モーターの駆動を制御するモーター駆動制御手段とを備え、前記複数の指針軸は、前記内部時刻に基づいて時刻を表示するとともに、移動軌跡のなかに前記パッチアンテナと平面的に重なる位置が含まれる指針が取り付けられた指針軸と、時刻以外の情報を表示するとともに、移動軌跡のなかに前記パッチアンテナと平面的に重なる位置が含まれる指針が取り付けられた指針軸とを備えて構成され、前記定時受信手段は、前記時刻を表示する指針が前記パッチアンテナと平面的に重ならない時刻に定時受信を開始し、前記モーター駆動制御手段は、前記定時受信手段による定時受信が行われている間は、前記時刻以外の情報を表示する指針を、前記パッチアンテナと平面的に重ならない位置に移動することが好ましい。
このような構成によれば、時刻を表示する指針がパッチアンテナと平面的に重ならない時刻を定時受信時刻に設定しているので、定時受信時には時刻を表示する指針がアンテナと平面的に重なることがなく、金属製の指針を用いた場合でもアンテナでの受信に影響を及ぼさない。
また、時刻以外の情報、例えば、受信信号レベルなどを表示する指針も、定時受信時には、モーター駆動制御手段によってパッチアンテナと平面的に重ならない位置に移動するため、この指針がアンテナでの受信に影響を及ぼすことも防止できる。
従って、金属製の指針を用いた場合でも、受信時にそれらの指針がパッチアンテナと平面的に重なることがないため、受信感度の低下を防止できる。
また、定時受信時に時刻表示用の指針をパッチアンテナと重ならない位置に移動することも考えられる。この場合、指針を移動するまで受信を開始できず、かつ、受信中は時刻を表示することができない。
これに対し、本発明によれば、時刻を表示する指針は、現在の時刻を指示しながらアンテナと平面的に重なることがないため、時刻表示用の指針を移動する必要が無く、現在時刻を表示しながら迅速に受信処理を行うことができる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記所定寸法は、前記モーターを配置可能な寸法であることが好ましい。
前記所定寸法つまりパッチアンテナの外周面とケース内周面との間隔の最小値を、前記モーターを配置可能な寸法とすれば、アンテナの周囲のどの位置にもモーターを配置することができ、モーターやモーターで駆動される指針のレイアウトの自由度を向上できる。
さらに、指針を駆動する駆動源となる複数のモーターを、前記ケースの内周面と前記パッチアンテナの外周面との間に配置できるので、アンテナと複数のモーターとが時計の厚み方向に重なることがない。このため、パッチアンテナとモーターとが厚み方向に重なる構成の時計に比べて、時計の厚さ寸法を小さくすることができる。特に、アンテナおよびモーターは、時計の部品の中でも比較的厚み寸法が大きい部品であるため、これらの部品を平面的に重ねないで配置できれば、時計の厚み寸法を大幅に小さくすることができる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記ソーラーパネルによって電力が供給される二次電池を有し、前記パッチアンテナと前記二次電池とは、平面的に重ならない位置に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、アンテナと二次電池とは平面的に重ならないため、アンテナと二次電池とを厚み方向に重ねて配置する場合に比べて、時計の厚み寸法を小さくできる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記パッチアンテナは、位置情報衛星から送信される円偏波の電波を受信することが好ましい。
ここで、円偏波としては、例えば、GPS:Global Positioning System、ガリレオ(欧州衛星ナビゲーションシステム)、SBAS:Satellite-Based Augmentation System等の位置情報衛星から送信される衛星信号が例示できる。
そこで、本発明のパッチアンテナは円偏波の電波を受信するので、例えば、衛星信号に含まれる時刻情報を利用して時刻修正を行う機能を備える時計であれば、地球上のどこであっても位置情報衛星からの電波を確実に受信でき、正確な時刻を常に維持できる。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記パッチアンテナは、グランドプレーンとアンテナ電極が平行に配置された平面アンテナであることが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記パッチアンテナは、アンテナ基板と、前記アンテナ基板に積層された誘電体と、前記誘電体に形成されたアンテナ電極と、を有することが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記パッチアンテナは、逆Fアンテナであることが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記パッチアンテナは、逆Fアンテナをセラミック誘電体上に構成したチップアンテナであることが好ましい。
本発明のアンテナ内蔵式時計において、前記パッチアンテナは、グランド板として機能する回路基板上に配置されていることが好ましい。
パッチアンテナは、平板型のアンテナであり、単一の指向性を持ち、指向性が狭いことで知られているが、パッチアンテナが実装される回路基板は、グランド板の機能を有するので、外部から入射する無線電波を回路基板上で反射させてアンテナに導くことができる。そのため、アンテナは、アンテナに直接的に入射する無線電波のみならず、回路基板で反射されて間接的に入射する無線電波も受信できる。従って、アンテナの受信性能をより向上できる。
本発明の第1実施形態に係るGPS付き腕時計を示す概略図。 前記GPS付き腕時計の平面図。 前記GPS付き腕時計の概略断面図。 前記GPS付き腕時計に組み込まれるムーブメントの平面図。 (A)はパッチアンテナの構造を示す断面図、(B)はパッチアンテナの放射パターンを示す特性図。 前記GPS付き腕時計の回路構成を示す概略図。 本発明の第2実施形態に係るGPS付き腕時計を示す概略断面図。 前記第2実施形態に係る要部を模式的に示す分解斜視図。 本発明の第3実施形態に係る要部を模式的に示す分解斜視図。 本発明の第4実施形態に係るGPS付き腕時計を示す平面図。 前記第4実施形態に係る回路基板を示す斜視図。 前記第4実施形態に係るGPS付き腕時計の概略断面図。 本発明の第5実施形態に係るGPS付き腕時計を示す平面図。 前記第5実施形態に係るGPS付き腕時計を示す平面図。 本発明の第6実施形態に係るGPS付き腕時計を示す平面図。 本発明の変形例に係るGPS付き腕時計を示す平面図。 前記変形例に係るGPS付き腕時計に組み込まれるムーブメントの背面図。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るアンテナ内蔵式時計であるGPS付き腕時計1Aを示す概略図である。
GPS付き腕時計1Aは、図1に示すように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星Sからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。
ここで、GPS衛星Sは、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星Sが周回している。
また、GPS付き腕時計1Aには、外部操作用の操作ボタン8、リュウズ9が設けられている。
[GPS付き腕時計の構成]
図2は、GPS付き腕時計1Aの平面図である。図3は、GPS付き腕時計1Aの概略断面図である。図4は、ムーブメント10の平面図である。
GPS付き腕時計1Aは、ポリカーボネート等の非導電性の合成樹脂材料で形成された文字板2を備える。
また、GPS付き腕時計1Aは、文字板2に形成された目盛や指針等によって構成され、第1時刻表示部3、第2時刻表示部4、経度表示部5、緯度表示部6、日付表示部7を備えている。
第1時刻表示部3は、文字板2の6時位置に設けられた円形の目盛表示部31と、第1指針32とを備えている。目盛表示部31は、外周縁に沿って60分割された目盛を備えている。
第1指針32は、金属製で形成され、第1時刻表示部3の中心に貫通された3重の指針軸320に保持され、第1秒針321と、第1分針323と、第1時針322とを備えている。
第1秒針321、第1分針323、第1時針322が取り付けられた各指針軸320は、後述するステッピングモーター131により駆動される。
第2時刻表示部4は、第1時刻表示部3と同様に、文字板2の3時位置に設けられた円形の目盛表示部41と、第2指針42とを備えている。目盛表示部41は、外周縁に沿って60分割された目盛を備えている。
第2指針42は、金属製で形成され、第2時刻表示部4の中心に貫通された2重の指針軸420に保持され、第2分針421と、第2時針422とを備えている。
第2分針421、第2時針422が取り付けられた各指針軸420も、後述するステッピングモーター132により駆動される。
上述した構成では、第1時刻表示部3、第2時刻表示部4により、それぞれ異なる地域における現在時刻を表示させる、いわゆるデュアルタイム表示が可能となる。例えば、旅行などにより旅先での時刻を第1時刻表示部3によりローカルタイムとして表示させ、故郷である本国の時刻を第2時刻表示部4によりホームタイムとして表示させるなどの使用が可能となる。
経度表示部5は、文字板2の9時位置に設けられた円形の目盛表示部51と、経度表示用の指針52とを備えている。目盛表示部51は、外周縁に沿って18分割された目盛を備えている。
指針52は、金属製で形成され、経度表示部5の中心に貫通された指針軸520に保持され、後述するステッピングモーター133により駆動される。
なお、この経度表示部5に測位情報を表示しない場合には、指針52で電池残量を表示してもよい。
緯度表示部6は、文字板2の12時位置に設けられた円形の目盛表示部61と、緯度表示用の指針62とを備えている。目盛表示部61は、外周縁に沿って90分割された目盛を備えている。
指針62は、金属製で形成され、緯度表示部6の中心に貫通された指針軸620に保持され、後述するステッピングモーター134により駆動される。
なお、この緯度表示部6に測位情報を表示しない場合には、指針62で曜日を表示してもよい。この場合、目盛表示部61に曜日を示す目盛も表示しておけばよい。
日付表示部7は、文字板2の中央近傍部に矩形状に開口された日窓2Aと、文字板2の裏面に配置された後述する日車18とを備えている。日窓2Aは、文字板2の中心から4〜5時方向にずれた位置に形成され、第1時刻表示部3および第2時刻表示部4に隣接している。そして、前記日車18は、後述するステッピングモーター135によって駆動され、日車18に印刷された日付(日表示)が日窓2Aから露出し表示される。
[GPS付き腕時計の内部構成]
GPS付き腕時計1Aは、図2、3に示すように、各指針32,42,52,62を駆動するムーブメント10と、このムーブメント10を収納する外装ケース11とを備えている。
外装ケース11は、円筒状の円筒ケース111と、この円筒ケース111の一方の開口(図3下側)を閉塞する裏蓋112とを備えている。
裏蓋112は、環状の金属製の第1裏蓋部112Aと、第1裏蓋部112Aに保持される円盤状のガラス製の第2裏蓋部112Bとを備えている。そして、第1裏蓋部112Aは、円筒ケース111の端面にネジ構造により接続される。
ここで、円筒ケース111及び第1裏蓋部112Aは、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金等の導電性の金属素材で構成されている。
ムーブメント10は、回路基板12、駆動機構13、二次電池14、地板17、パッチアンテナ19を備えている。
回路基板12には、駆動機構13を制御する制御部(制御モジュール)16と、GPS衛星Sから受信した信号を処理する受信部(GPS受信モジュール)20との各回路素子が実装されている。具体的には、受信部20は、図3に示すように、回路基板12の下面側(パッチアンテナ19とは反対側の面)に実装されている。回路基板12には、金属製の回路パターンが形成されているので、受信部20に設けられた後述する水晶発振回路23から(図6参照)放射されるノイズ等は、回路基板12によって遮断できる。従って、受信部20が回路基板12の上面側に実装される場合と比べて、パッチアンテナ19がノイズの影響を受けることを抑制でき、受信性能を向上させることができる。また、受信部20は、回路基板12の下面側のデッドスペース(二次電池14の周囲のスペース)に配置されるので、スペースを効率的に利用できる。さらに、受信部20は、二次電池14と平面的に重ならない位置に配置されるので、GPS付き腕時計1Aの厚み寸法を小さくすることができる。
駆動機構13は、前述した各ステッピングモーター131〜135と、各ステッピングモーター131〜135の駆動力を、前記各指針軸320,420,520,620や日車18に伝達する輪列136,137と、前記制御部16からの制御信号に応じて各ステッピングモーター131〜135を駆動する駆動回路130(図6参照)とを備える。従って、本発明のモーター駆動制御手段は、前記駆動回路130によって構成されている。
また、駆動機構13によって、前記各指針32,42,52,62や日車18が駆動され、時刻や、経度、緯度等の各種情報の表示が行われる。
二次電池14は、リチウムイオン電池などの充電可能な電池であり、前記駆動機構13、制御部16、受信部20等に電力を供給する。
地板17は、非導電性のプラスチック材料で構成され、文字板2の裏面に配置されている。地板17の中央部分には、図4に示すように、開口部171が形成されている。
地板17上には、日車18が配置されている。日車18は、非導電性材料のプラスチック材料で構成され、円環状に形成されている。この日車18には、日表示としての1〜31の数字が印字される。このように日車18は、31日分の印刷が必要なため、あまり径が小さいと1文字が小さくなって見にくくなる。
このため、図4に示すように、日車18の直径は、文字板2や地板17の直径の半分よりも大きくされている。そして、日車18は、前記文字板2の日窓2Aの位置に合わせて、一部が前記開口部171上に位置するように配置され、日車18に印刷された数字が文字板2の日窓2Aから露出されて外部から日付を視認できるようにされている。
パッチアンテナ19は、本実施形態では、位置情報衛星からの送信される円偏波の電波を受信するものである。ここで、パッチアンテナの動作原理は、パッチ(アンテナ電極)の縁に沿った強い電界が、パッチの縁から空間へ向かって放射される(送信アンテナに使った場合)ので、アンテナ上面はもとよりアンテナ側面も数mm程度は金属から離す必要がある。本発明のパッチアンテナとは、グランドプレーンとアンテナ電極が概平行に配置された平面アンテナを指し、1辺が1/2波長で共振するものであるが、アンテナ電極の片辺をグランドプレーンと短絡して1/4波長で共振するようにした逆Fアンテナも含まれる。逆Fアンテナは、1/2波長のパッチアンテナの放射電極を半分にしてアンテナを小型化したものであるが、アンテナ側面からの電波の放射に関する動作原理は1/2波長のパッチアンテナと同じである。また逆Fアンテナをセラミック誘電体上に構成したいわゆるチップアンテナも本発明のパッチアンテナに含まれる。要は本発明のパッチアンテナとは、アンテナの動作原理としての区分である。
本実施形態のパッチアンテナ19は、具体的には、図5(A)に示すように、グランドプレーンとなるアンテナ基板191にセラミックの誘電体193を積層し、さらに誘電体193に導電性のアンテナ電極194を銀(Ag)の印刷などで一体に形成したパッチアンテナである。なお、図5(A)において、点線195は、パッチアンテナ19で受信する電波を示し、矢印196は電気力線を示す。
ここで、パッチアンテナ19の周波数調整を行いやすいように、アンテナ基板191はGPS受信モジュールである受信部20が実装された回路基板12とは別基板で構成されている。このパッチアンテナ19のアンテナ基板191の信号線は、周波数調整後に回路基板12に半田付けされる。
図5(B)は、パッチアンテナ19の放射パターンを示す特性図である。ここで、図3に示すように、パッチアンテナ19の平面方向をX軸とし、天頂方向をZ軸とする。
パッチアンテナ19は、図5(B)に示すように、天頂方向であるZ軸方向に最も指向性を有するため、文字板2に対して垂直方向に入射する無線電波を最も受信しやすい。また、パッチアンテナ19の側面方向であるX軸方向の指向性は、Z軸方向に比べれば小さいがある程度の強さを有するため、パッチアンテナ19の側面に金属製のケース11が近接配置されると受信性能に影響が出てしまう。
一方、パッチアンテナ19の下面方向である−Z軸方向の指向性は弱いため、周囲に一様な指向性を有する無指向性のアンテナと比べて、金属製の電池14が下面側に配置されていても受信性能には影響しにくい。
パッチアンテナ19は平面視矩形状に形成され、地板17の矩形状の開口部171に挿通されている。このため、パッチアンテナ19の上面(文字板2)側には、前記日車18の一部が配置されることになる。
そして、パッチアンテナ19は、円筒ケース111の内周面から所定寸法以上、離間した位置に配置される。具体的には、図4に示すように、パッチアンテナ19の外周面と円筒ケース111の内周面との間で最小の間隔Lが所定寸法以上に設定されている。本実施形態では、パッチアンテナ19は、GPS付き腕時計1Aの平面中心位置に配置されているため、平面中心位置からずれた位置に配置した場合に比べて、間隔Lが最も大きくなるように設定されている。
ここで、前記「所定寸法」の具体的な大きさは、パッチアンテナ19を金属素材の円筒ケース111に近づけることで生じる受信特性の劣化や、円筒ケース111に遮断されずにパッチアンテナ19で受信できる無線電波の入射角度範囲などを考慮し、GPS付き腕時計1Aに求められる受信性能を確保できるように設定すればよい。
なお、本実施形態では、文字板2は、円筒ケース111の上面と略同じ高さ位置に配置されており、パッチアンテナ19は文字板2の裏面に日車18を挟んで配置されている。このため、パッチアンテナ19の上面は、円筒ケース111の上面と略同一面上に位置している。
前記パッチアンテナ19と円筒ケース111内周面との間には、前記駆動機構13のステッピングモーター131〜135や輪列136,137が配置されている。そのため、前記「所定寸法」は、これらのステッピングモーター131〜135が配置可能な寸法となっている。また、図2,3に示すように、駆動機構13で駆動される前記指針軸320,420,520,620も、パッチアンテナ19と円筒ケース111の内周面との間に配置されている。
従って、本実施形態のムーブメント10では、パッチアンテナ19の周囲に、ステッピングモーター131〜135や、輪列136,137や、各指針軸320,420,520,620が配置されている。換言すれば、パッチアンテナ19は、指針軸320、620の間、および、指針軸420、520の間に配置されている。
なお、指針軸320,420,520,620は、通常、金属製であるが、細いパイプ状の部材などで構成されているので、外装ケース11に比べてパッチアンテナ19に近接配置されていても、受信性能への影響は殆ど無い。なお、指針軸320,420,520,620を、プラスチックなどの非導電性部材で構成すれば、受信性能への影響をより軽減できる。
そして、本実施形態のムーブメント10においては、文字板2側から裏蓋112側に向けて、駆動機構13およびパッチアンテナ19、回路基板12、二次電池14の順で層状に配置される。回路基板12に実装された受信部20および制御部16は、回路基板12の裏面側(裏蓋112側)に配置されている。
二次電池14の下側(裏蓋112側)には、磁性シート81が配置されており、その磁性シート81を介して充電用コイル82が配置されている。従って、二次電池14は、この充電用コイル82により、図示しない外部充電器から非接触の電磁誘導で電力を充電できるようになっている。このため、裏蓋112において、充電用コイル82と平面的に重なる部分は、電力転送のために、上述したガラス製の第2裏蓋部112Bが配設されている。
また、充電用コイル82の上側(二次電池14側)に配置された磁性シート81は、充電用コイル82に誘起した磁界による二次電池14の金属缶の渦電流損を減少させるために設けられている。
GPS付き腕時計1Aは、円筒ケース111の上面側に取り付けられたベゼル121を備えている。
ベゼル121は、リング状に形成され、嵌合構造により、円筒ケース111と接続されている。ベゼル121の内周面にはカバーガラス122が取り付けられている。
また、ベゼル121の内周側には、ダイヤルリング123が設けられている。
ダイヤルリング123は、外周径が文字板2に一致したリング状に形成され、内周部分が文字板2に向かう傾斜面となっている。
ここで、パッチアンテナ19で受信する電波の多くは、カバーガラス122を通過してパッチアンテナ19に入射する。このため、ベゼル121およびダイヤルリング123を金属製にしても、パッチアンテナ19で受信ができなくなることはない。しかし、ベゼル121、ダイヤルリング123は、パッチアンテナ19の上面側に配置され、パッチアンテナ19での受信に影響するため、本実施形態では非導電性材料で形成されている。この際、ベゼル121は、プラスチック製とすることもできるが、外部に露出して傷が付きやすいため、硬度が高くて傷が付きにくいセラミックで構成されている。
[GPS付き腕時計の回路構成]
図6は、GPS付き腕時計1Aの回路構成を示す概略図である。
GPS付き腕時計1Aは、図6に示すように、パッチアンテナ19と、フィルター(SAW)192と、受信部20と、制御表示部70と、電源供給部80を含んで構成されている。
フィルター(SAW)192は、バンドパスフィルターであり、1.5GHzの衛星信号を抜き出すものとなっている。また、パッチアンテナ19とフィルター192との間に、受信感度を良好にするLNA(ローノイズアンプ)を別途組み込む構成としてもよい。
なお、フィルター(SAW)192が受信部20内に組み込まれる構成としてもよい。
受信部20は、フィルター192で抜き出された衛星信号を処理するものであり、RF部(Radio Frequency:無線周波数)21とベースバンド部22を備える。
RF部21は、PLL回路211、IFフィルター212、VCO(Voltage Controlled Oscillator)213、ADC(A/D変換器)214、ミキサー215、LNA(Low Noise Amplifier)216、IFアンプ217等を備えている。
そして、フィルター192で抜き出された衛星信号は、LNA216で増幅された後、ミキサー215でVCO213の信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。
ミキサー215でミキシングされたIFは、IFアンプ217、IFフィルター212を通り、ADC(A/D変換器)214でデジタル信号に変換される。
ベースバンド部22は、DSP(Digital Signal Processor)221、CPU(Central Processing Unit)222、SRAM(Static Random Access Memory)223を備えている。また、ベースバンド部22には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)23やフラッシュメモリー24等も接続されている。
そして、ベースバンド部22は、RF部21のADC214からデジタル信号が入力され、制御信号に基づき、衛星信号の演算を行い、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
なお、PLL回路211用のクロック信号は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)23から生成されるようになっている。
制御表示部70は、制御部(CPU)16と、指針32等の駆動等を実施する駆動回路130および第1時刻表示部3、第2時刻表示部4、経度表示部5、緯度表示部6等からなる表示部とを備えている。
制御部16は、ハードウエアとしては、RTC(リアルタイムクロック)16A、記憶部16Bを含んで構成されている。
RTC16Aは、水晶振動子161から出力される基準信号を用いて、内部時刻情報を計時している。従って、本発明の計時手段は、RTC16Aにより構成されている。
記憶部16Bは、受信部20から出力される時刻データや測位データを記憶する。また、記憶部16Bには、測位情報に対応する時差データも記憶され、RTC16Aで計時されている内部時刻情報および時差データにより、現在地のローカルタイムを算出できるようにされている。
本実施形態のGPS付き腕時計1Aは、上述のような受信部20および制御表示部70を備えていることで、GPS衛星からの受信信号に基づいて時刻表示を自動的に修正することができる。
なお、制御部16は、RTC16Aで計時する内部時刻が予め設定された定時受信時刻(例えば午前3時)になった際に、受信部20を作動して受信処理を行う自動受信処理と、操作ボタン8等の手動操作によって受信処理を行う手動受信処理とを実行するように設定されている。従って、本発明の定時受信手段は、制御部16によって構成されている。
電源供給部80は、充電用コイル82、充電制御回路83、二次電池14、第1レギュレーター84、第2レギュレーター85、電圧検出回路86を含んで構成されている。
充電用コイル82は、充電制御回路83を通じて二次電池14に電力を供給して二次電池14を充電する。
二次電池14は、第1レギュレーター84を介して制御表示部70に駆動電力を供給し、第2レギュレーター85を介して受信部20に駆動電力を供給する。
電圧検出回路86は、二次電池14の電圧をモニターし、制御部16に出力する。従って、制御部16は、二次電池14の電圧を把握して受信処理を制御できる。
上述した本実施形態のGPS付き腕時計1Aによれば、以下の効果がある。
本実施形態では、パッチアンテナ19は、円筒ケース111の内周面から所定寸法以上離間しているので、円筒ケース111に導電性部材(例えば、金属素材)を採用した場合でも、導電性の円筒ケース111の影響を低減でき、受信性能の低下を防止できる。特に、本実施形態では、パッチアンテナ19は、GPS付き腕時計1Aの平面中心位置に配置されているので、他の位置に配置する場合に比べて、前記間隔Lを最大にできて受信性能も最も高くできる。
また、パッチアンテナ19を外装ケース11の内周面から所定寸法以上離間して配置した際に、そのパッチアンテナ19およびケース11間のスペースに指針軸320,420,520,620や輪列136,137を配置しているので、スペースを有効利用でき、時計の小型化を図ることができる。
また、円筒ケース111の上端位置を、パッチアンテナ19の上面とほぼ同じ高さに設定した場合でも、パッチアンテナ19をGPS付き腕時計1Aの平面中心位置に配置しているので、パッチアンテナ19は、上方向から入射する無線電波のみならず、左右斜め方向から入射する無線電波を円筒ケース111で妨げられることなく受信できる。従って、時計1Aの外観において、金属製の円筒ケース111の占める割合を多くすることができ、パッチアンテナ19の良好な受信性能を確保しつつ、時計1Aの質感を向上できる。
また、前記間隔Lが、ステッピングモーター131〜135を配置可能な寸法となっているので、パッチアンテナ19の周囲のどの位置にもステッピングモーター131〜135を配置することができ、ステッピングモーター131〜135やステッピングモーター131〜135で駆動される指針32,42,52,62のレイアウトの自由度を向上できるとともに、パッチアンテナ19周囲のスペースを有効に利用できる。
従って、文字板2の平面中心に指針軸が設けられる一般的なアナログ時計とは、指針32,42,52,62のレイアウトが異なる時計を構成でき、本実施形態のように、パッチアンテナ19の周囲に、指針軸320,420,520,620を複数配置することも可能となり、時刻情報に加えて他の経度、緯度情報等を表示可能な多針時計を容易に構成できる。
さらに、指針32,42,52,62を駆動する駆動源となるステッピングモーター131〜135を、円筒ケース111の内周面とパッチアンテナ19の外周面との間に配置しているので、パッチアンテナ19とステッピングモーター131〜135とがGPS付き腕時計1Aの厚み方向に重なることがない。このため、パッチアンテナ19とステッピングモーター131〜135とが厚み方向に重なる構成の時計に比べて、本実施形態では、GPS付き腕時計1Aの厚さ寸法を小さくすることができる。特に、パッチアンテナ19およびステッピングモーター131〜135は、GPS付き腕時計1Aの部品の中でも比較的厚み寸法が大きい部品であるため、これらの部品を平面的に重ねないで配置すれば、GPS付き腕時計1Aの厚み寸法を大幅に小さくすることができる
また、パッチアンテナ19は、平板型のアンテナであり、単一の指向性を持ち、指向性が狭いことで知られているが、パッチアンテナ19が配置される回路基板12は、グランド板の機能を有するので、外部から入射する無線電波を回路基板12上で反射させてパッチアンテナ19に導くことができる。そのため、パッチアンテナ19に直接的に入射する無線電波のみならず、パッチアンテナ19は、回路基板12で反射されて間接的に入射する無線電波も受信できる。従って、パッチアンテナ19のより良好な受信性能を確保できる。
さらに、パッチアンテナ19は円偏波の電波を受信するので、例えば、衛星信号に含まれる時刻情報を利用して時刻修正を行う機能を備える時計であれば、地球上のどこであっても位置情報衛星からの電波を確実に受信でき、正確な時刻を常に維持できる。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係るGPS付き腕時計1Bを示す概略断面図である。図8は、本実施形態のGPS付き腕時計1Bの要部を模式的に示す分解斜視図である。図の説明にあたって、前記実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
前記実施形態では、充電用コイル82によって二次電池14に電力を供給していたが、本実施形態では、ソーラーパネル87を採用して二次電池14に電力を供給している点で相違する。
また、本実施形態では、充電用コイル82を用いていないため、電力転送のためのガラス製の第2裏蓋部112Bを採用する必要がなく、裏蓋112全体が金属材料で形成されている。
ソーラーパネル87は、図7、8に示すように、文字板2と日車18との間に配置されている。このソーラーパネル87は、中央部分にパッチアンテナ19を露出させる矩形状の開口部87Aを有し、環状に形成されている。開口部87Aは、地板17の開口部171と同じ平面位置で、形状、大きさも同じとなるように形成されている。このため、文字板2の日窓2Aは、開口部171だけでなく、開口部87Aにも平面的に重なる位置に形成されている。
このソーラーパネル87は、一般的なソーラーパネルであり、4個のソーラーセルからなり、金属製の基板を備えている。各ソーラーセルは、直列に接続されて、各ソーラーセルの分割線上に各指針軸320,420,520,620が挿通される4つの貫通孔87Bが形成されているので、ソーラーセルの面積は最大限確保されている。このソーラーパネル87は、カバーガラス122側から入射する光により発電する。ソーラーパネル87で発電された電力は、第1実施形態と同様に、充電制御回路83を介して、二次電池14に蓄電される。ここで、文字板2は、ポリカーボネート等の透光性を有する樹脂材で構成され、ソーラーパネル87への光の入射を妨げることがない。
なお、ソーラーパネル87に開口部87Aを形成すると、その分、受光面積が減少して発電量が低下する。従って、発電性能の点では、開口部87Aの面積はできるだけ小さいほうが好ましい。
一方、ソーラーパネル87は、金属製の基板を備えるため、開口部87A以外を通過する電波は大きく減衰する。従って、パッチアンテナ19における受信性能を向上するためには、開口部87Aの面積はできるだけ大きいほうが好ましい。
従って、開口部87Aの面積は、上記2つの条件を考慮して設定すればよい。本実施形態では、パッチアンテナ19の平面面積と同じ大きさに設定している。
上述した本実施形態のGPS付き腕時計1Bによれば、前記第1実施形態が奏する効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、透光性を有する文字板2を用い、その裏面側にソーラーパネル87を配置したので、ソーラーパネル87で発電した電力を二次電池14に充電し、この電力でGPS付き腕時計1Bを駆動することができる。このため、前記第1実施形態と同様に、一次電池を用いた場合のように電池を交換する必要が無く、利用者の利便性を向上できる。
その上、第1実施形態では、電磁誘導で充電するために、裏蓋112に非金属製の第2裏蓋部112Bを配置する必要があるが、第2実施形態ではソーラーパネル87を用いて充電するため、裏蓋112を金属製にでき、GPS付き腕時計1Bの質感をより一層向上することができる。
また、ソーラーパネル87は、金属製の基板を有するため、GPSの衛星信号のような高周波の電波を減衰させてしまうが、本実施形態では、ソーラーパネル87に開口部87Aを形成しているので、この開口部87Aを通してパッチアンテナ19に電波を入射することができる。従って、パッチアンテナ19は、ソーラーパネル87を通過しない無線電波を受信でき、その分、ソーラーパネル87による電波の減衰を防止できて受信性能を向上できる。
さらに、文字板2の日窓2Aは、ソーラーパネル87の開口部87Aに平面的に重なる位置に配置されるので、ソーラーパネル87に日車18を露出させるための開口を別途形成する必要が無く、前記開口を別途設けた場合に比べて受光面積を大きくでき、発電性能を向上できる。
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態に係るGPS付き腕時計1Cの要部を示す分解斜視図である。図の説明にあたって、前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、パッチアンテナ19Aは、平面視円形状に形成され、前記第1実施形態の平面視矩形状のパッチアンテナ19とは形状が異なる点で相違する。
なお、本実施形態では、ソーラーパネル87を有する構成としたが、ソーラーパネル87を設けない構成であってもよい。
パッチアンテナ19Aが平面視円形状に形成されるので、ソーラーパネル87の開口部87Aおよび地板17の開口部171は、それぞれパッチアンテナ19Aの形状に応じた円形状に形成される。また、アンテナ基板191Aも同様に平面視円形状に形成される。
上述した本実施形態のGPS付き腕時計1Cによれば、前記第1、2実施形態が奏する効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、パッチアンテナ19Aは、平面円形状に形成されたものであるため、平面形状が円形のケース11に収納する場合には、前記各実施形態の平面矩形状のパッチアンテナ19を収納する場合に比べて、ケース11内のスペースを有効に活用できる。
なお、平面視円形状のパッチアンテナ19Aの共振周波数は、以下の式(1)で求められる。一方、平面矩形状に形成された前記第1、2実施形態のパッチアンテナ19は、その一辺の長さが受信する電波の半波長となる。従って、同じ誘電体で各パッチアンテナ19,19Aを構成した場合、平面円形状のパッチアンテナ19Aと、平面矩形状のパッチアンテナ19とは、略同じ面積となる。
Figure 2015004685
・・・式(1)
f:共振周波数、C:光速、a:パッチアンテナの半径、εr:誘電体の比誘電率
本実施形態は、パッチアンテナ19Aを平面視円形状にしたので、パッチアンテナ19Aおよび円筒ケース111内周面間の間隔Lを第1,2実施形態に比べて大きくできる。このため、ステッピングモーター131〜135等の配置自由度をより高めることができる。また、前記間隔Lを第1実施形態と同じ寸法にした場合、円筒ケース111の平面寸法を小さくでき、GPS付き腕時計1Cを小型化できる。
また、ソーラーパネル87の大きさが前記第1実施形態と同じであれば、開口部87Aの面積を第1実施形態よりも小さくできるため、その分、受光面積が大きくなり、発電量を高めることができる。
[第4実施形態]
図10は、本発明の第4実施形態に係るGPS付き腕時計1Dの平面図である。図11は、回路基板12を示す斜視図である。図12は、GPS付き腕時計1Dの概略断面図である。図の説明にあたって、前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
前記各実施形態の文字板2は、平面視円形状に形成されていたが、本実施形態では、平面視楕円形状に形成されている。また、前記実施形態では、二次電池14が1つ用いられていたが、本実施形態では、二次電池14の径寸法よりも小さい径寸法を有する電池14Aが2つ用いられている点で相違する。
文字板2は、図10において左右方向の径が上下方向の径より長くなる平面視楕円形状に形成されている。そのため、文字板2の一般的な時計における3時位置及び9時位置のスペースが12時位置及び6時位置のスペースより広く形成されている。本実施形態では、第1時刻表示部3が3時位置に、第2時刻表示部4が6時位置に配置されることで、第1時刻表示部3は、パッチアンテナ19と平面的に完全に重ならない位置に配置されている。
文字板2の形状が平面視楕円形状となっており、これに伴って、回路基板12や地板17も平面視楕円形状となっている。
本実施形態のムーブメント10の上下方向の径は、前記各実施形態のムーブメント10の上下方向の径と同一でかつ、本実施形態のムーブメント10の左右方向の径は、前記各実施形態のムーブメント10の左右方向の径よりも大きくなっているので、本実施形態のムーブメント10の平面視における面積は、前記各実施形態のムーブメント10の平面視における面積よりも大きくなっている。
回路基板12は、図11に示すように、パッチアンテナ19の左右側に電池14Aが挿通可能な大きさを有する2つの切欠部12Aを有している。
切欠部12Aは、電池14Aの形状、大きさに応じて、文字板2の3時位置及び9時位置に相当する位置に形成され、パッチアンテナ19と平面的に重ならない位置に形成されている。
電池14Aは、本実施形態では、一次電池が採用されている。この電池14Aは、前記各実施形態で使用される二次電池14と同じ電池容量を確保するために、並列接続されており、前記二次電池14と比べて、電池14Aのサイズ、例えば径寸法に小さいものが用いられている。そして、電池14Aは、図11、12に示すように、文字板2の3時位置及び9時位置に配置されて、高さ方向の一部が回路基板12の切欠部12Aに挿通される。
なお、本実施形態での電池14Aは、一次電池であったが、前記第1〜第3実施形態のように、充電用コイル82やソーラーパネル87により充電されて発電する二次電池14を採用してもよい。
上述した本実施形態のGPS付き腕時計1Dによれば、前記第1実施形態の奏する効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、前記各実施形態の二次電池14と比べて、各電池14Aの径寸法の小さいものが採用されている。そのため、本実施形態のように、パッチアンテナ19と各電池14Aとを平面的に重ならないようにレイアウトしても、GPS付き腕時計1Dの平面サイズの大幅な増加を防止できる。
また、パッチアンテナ19と各電池14Aとは平面的に重ならないように配置されるので、パッチアンテナ19と電池14Aとを厚み方向に重ねて配置する場合と比べて、GPS付き腕時計1Dの厚み寸法を小さくできる。
さらに、第1時刻表示部3の第1指針32は、金属製で構成される第1秒針321、第1分針323、第1時針322の3つの針を有し、他の表示部4〜6に比べて指針の数が多い。そのため、第1時刻表示部3がパッチアンテナ19と平面的に重なる位置に配置されると、他の表示部4〜6に比べて、指針32がパッチアンテナ19と重なる可能性が高くなり、少なからずパッチアンテナ19の受信性能に影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本実施形態では、文字板2を平面視楕円形状に形成し、3時位置及び9時位置のスペースを12時位置及び6時位置のスペースより広く形成し、この広いスペースの3時位置に第1時刻表示部3を配置している。これにより、第1時刻表示部3をパッチアンテナ19と平面的に重ならない位置に配置でき、第1指針32がパッチアンテナ19の受信性能に与える影響を防止できる。
[第5実施形態]
図13は、本発明の第5実施形態に係るGPS付き腕時計1Eの平面図である。図14は、受信処理時の針位置状態を示す平面図である。図の説明にあたって、前記各実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の文字板2は、第4実施形態と同様に、左右方向の径が上下方向の径より長くなる平面視楕円形状に形成されている。
また、文字板2の3時位置(リュウズ9側)には、第1表示部として、平面円形の第1時刻表示部3が配置されている。また、文字板2の10時位置には、第2表示部として、平面円形の第2時刻表示部4Aが配置されている。本実施形態の第2時刻表示部4Aは、第2時針422が24時間で一回転する24時針とされ、目盛表示部41Aも24時間の目盛表示とされている。
さらに、文字板2の7〜8時位置には、電池残容量や、受信信号レベルを表示する第3表示部として、平面円形のモード状態表示部90が配置されている。
このモード状態表示部90は受信信号レベルを示す目盛表示部91が設けられている。この目盛表示部91には、円弧状でかつ円弧方向に進むに従って徐々に幅寸法が大きくなる帯状の目盛911が表示され、その幅広の端部には電池残容量や信号レベルがハイレベルであることを示す「H」の文字が表示されている。
このモード状態表示部90の指針92は、他の指針32,42と同様に金属製とされ、受信動作中以外は電池残容量を表示し、受信動作中は受信レベルを表示する。
ここで、前記各実施形態では、各表示部3〜6はほぼ同じ大きさであったが、本実施形態では、第1時刻表示部3が他の表示部よりも大きく設定されている。第1時刻表示部3は、文字板2のほぼ半分の面積を占める大きさとされ、第1時刻表示部3で表示される現在時刻が視認しやすくされている。
他の表示部4A,90は、その直径が第1時刻表示部3の約半分のサイズに設定されている。
そして、第1時刻表示部3の平面中心位置(指針軸320の位置)と、第2時刻表示部4Aおよびモード状態表示部90の平面中心位置(指針軸420,95の位置)は、前記文字板2の長軸方向(左右方向)にずれて配置されている。
また、第2時刻表示部4Aおよびモード状態表示部90の平面中心位置(指針軸420,95の位置)は、文字板2の短軸方向(上下方向)にずれて配置されている。
これらの3つの表示部3,4A,90で囲まれる位置には、日付表示部7が設けられている。日付表示部7は、文字板2に形成された円形の孔と、文字板2の下に配置されて前記孔から露出するプラスチック製の日車18とを備えて構成されている。さらに、日付表示部7の円形の孔の下側には、パッチアンテナ19が配置されている。
パッチアンテナ19は、その一部が表示部3,4A,90に平面的に重なる位置に配置されている。また、パッチアンテナ19は、第1指針32の指針軸320、第2指針42の指針軸420、指針92の指針軸95と平面的に重ならない位置に配置されている。
具体的には、パッチアンテナ19は、指針軸420および指針軸95を結ぶ方向(文字板2の短軸方向)に関しては、各指針軸420および指針軸95間に配置されている。
同様に、パッチアンテナ19は、指針軸420および指針軸320を結ぶ方向に関しても、各指針軸420および指針軸320間に配置されている。
さらに、パッチアンテナ19は、指針軸320および指針軸95を結ぶ方向に関しても、各指針軸320および指針軸95間に配置されている。
従って、パッチアンテナ19は、文字板2の長軸方向においては、指針軸320よりも指針軸95,420側に配置されている。
なお、以上において、各指針軸間にパッチアンテナ19が配置されているとは、2つの指針軸を結ぶ軸線上にパッチアンテナ19の一部が配置されていることを意味する。この際、2つの指針軸を結ぶ軸線に対して直交しかつ2つの指針軸をそれぞれ通る2つの線を想定した場合、これらの線の間に前記パッチアンテナ19が配置されていることが好ましい。例えば、指針軸420および指針軸95間にパッチアンテナ19が配置されているとは、指針軸420および指針軸95を結ぶ軸線に、パッチアンテナ19の一部が重なって配置されていることを意味する。そして、前記軸線に対して直交しかつ指針軸420,95をそれぞれ通る2つの線を想定した場合、これらの線の間に前記パッチアンテナ19が配置されていることが好ましい。
また、文字板2の下側には、第1時刻表示部3の第1時針322、第1分針323を駆動するステッピングモーター141と、第1秒針321を駆動するステッピングモーター142と、日車18を駆動するステッピングモーター143と、第2時刻表示部4Aの第2時針422および第2分針421を駆動するステッピングモーター144と、モード状態表示部90の指針92を駆動するステッピングモーター145とが配置されている。
これらのステッピングモーター141〜145は、前記実施形態のステッピングモーター131〜135と同様の構成であるため、説明を省略する。
これらのステッピングモーター141〜145は、図13に示すように、パッチアンテナ19の中心を通る区分線Dを想定し、この区分線Dで文字板2を平面的に2つの領域に区分した場合に、一方の領域内に配置されている。
ステッピングモーター144の駆動力は、輪列146を介して指針軸420に伝えられ、第2分針421および第2時針422を駆動する。同様に、ステッピングモーター145の駆動力は、輪列147を介して指針軸95に伝えられ、指針92を駆動する。これらの各輪列146,147は、指針軸420,95と同様に、パッチアンテナ19と外装ケース11の内周面との間に配置されている。
また、他のステッピングモーター141〜143も図示略の輪列を介して第1時針322、第1分針323、第1秒針321、日車18を駆動しているが、これらの輪列も、パッチアンテナ19と外装ケース11の内周面との間に配置されている。
本実施形態では、前記区分線Dは、文字板2の12−6時方向(バンドの延長方向)に沿って設定されている。また、前記パッチアンテナ19は、その中心位置が文字板2の平面中心位置に対して9時方向(リュウズ9が設けられた側とは反対側)にずれた位置に配置されている。
このため、前記区分線Dで文字板2を平面的に2つの領域に区分した場合、区分線Dよりも3時側の領域は、9時側の領域よりも面積が広くなる。そして、この広い面積の領域に前記ステッピングモーター141〜145が配置されている。
一方、区分線Dの9時側の領域には、ステッピングモーター141〜145は設けられていない。第1実施形態では、図4に示すように、パッチアンテナ19の周囲にステッピングモーター131〜135が配置され、ステッピングモーター131〜135によって、パッチアンテナ19がほぼ取り囲まれていた。これに対し、本実施形態では、図13に示すように、パッチアンテナ19の周囲の領域のうち、ほぼ半分の領域にはステッピングモーター141〜145が配置されておらず、ステッピングモーター141〜145はパッチアンテナ19を完全に取り囲んではいない。
このため、GPS付き腕時計1Eにおいて、文字板2の9時方向からの電波は、ステッピングモーター141〜145に影響されることなくパッチアンテナ19で受信することができる。
本実施形態のムーブメントや電池等は前記実施形態と同様のものが利用できる。電池は一次電池でもよいし、前記第1〜第3実施形態のように、充電用コイルやソーラーパネルで充電される二次電池14を採用してもよい。
第5実施形態のGPS付き腕時計1Eでは、第1時刻表示部3および第2時刻表示部4Aにより、時差がある異なる2つの地域の時刻を表示するデュアルタイム表示機構が構成されている。
例えば、第1時刻表示部3を現在の時刻を指示する基本時計として用い、第2時刻表示部4Aを予め設定した他の地域の時刻を指示するサブの時計として用いることができる。図13,14では、第1時刻表示部3において、協定世界時(UTC)に対して+9時間の時差地域である日本標準時(JST)を示し、第2時刻表示部4Aでは、協定世界時(UTC)に対して+7時間の時差地域(例えばタイ)の時刻を示している。図13の例で説明すれば、12時間表示の第1時刻表示部3では、午後10時8分36〜37秒を指示し、24時間表示の第2時刻表示部4Aでは20時8分(午後8時8分)を指示している。
次に本実施形態における受信動作について説明する。
GPS付き腕時計1Eは、前記各実施形態と同様に、予め決められた時間に受信処理を行う定時受信機構(自動受信機構)と、利用者のボタン操作によって受信処理を行う手動受信機構とを備えている。
すなわち、GPS付き腕時計1Eの制御部16は、内部時刻が所定の時刻になったら受信を開始する定時受信機構を備えている。ここで、内部時刻は、図6に示すRTC16Aで計時している。
定時受信機構は、時刻表示する指針32,42がパッチアンテナ19と平面的に重ならない時刻に定時受信を開始するように制御する。
すなわち、制御部16は、第1時刻表示部3の指針32と、第2時刻表示部4Aの指針42との時差情報を確認し、時差情報に応じて予め設定されている時刻に定時受信を開始する。
例えば、第1時刻表示部3の第1時針322が8〜10時の範囲を指示する場合と、第1分針323が40〜50分の範囲を指示する場合には、いずれかの針322,323がパッチアンテナ19と平面的に重なる可能性がある。従って、定時受信時刻は、第1時針322が8時から10時の範囲外を指示する時刻であり、かつ、第1分針323が40分から50分の範囲外を指示する時刻に設定される。具体的には、第1時針322が0時(12時)から8時(20時)の範囲、または、10時(22時)から12時(24時)の範囲を指示する時刻であり、かつ、第1分針323が0分から40分の範囲または50分から60分の範囲を指示する時刻に設定される。
同様に、第2時刻表示部4Aの第2時針422が6時〜12時の範囲を指示する場合と、第2分針421が15〜30分の範囲を指示する場合には、いずれかの針421,422がパッチアンテナ19と平面的に重なる可能性がある。従って、定時受信時刻は、第2時針422が6時から12時の範囲外を指示する時刻であり、かつ、第2分針421が15分から30分の範囲外を指示する時刻に設定される。具体的には、第2時針422が0時から6時の範囲、または、12時から24時の範囲を指示する時刻であり、かつ、第2分針421が0分から15分の範囲または30分から60分の範囲を指示する時刻に設定される。
そこで、制御部16は、指針32および指針42が前記各条件を満たす範囲で定時受信時刻を設定する。この条件を満たす時刻は、第1時刻表示部3および第2時刻表示部4Aで表示する各時刻の時差によって異なるため、制御部16は、予め時差に応じて設定された時刻に定時受信を開始するのである。図14に示す例では、第1時刻表示部3で指示する時刻に対して、第2時刻表示部4Aで指示する時刻が−2時間の時差とされている。このため、一例として、第1時刻表示部3で午前3時0分、第2時刻表示部4で午前1時0分のタイミングで定時受信が行われるように設定すれば、各指針32,42がパッチアンテナ19に平面的に重ならない状態で受信動作を行うことができる。
なお、受信動作中は、第1秒針321は受信中(Receive)表示位置(目盛表示部31において12時方向を示す位置)に移動して停止する。文字板2には、この受信中表示位置を示すため「R」と表記されている。従って、受信動作中に第1秒針321がパッチアンテナ19と平面的に重なる位置に移動することはない。
また、指針92も、受信動作中は、目盛911および「H」が表記された範囲において、受信レベルを指示するため、パッチアンテナ19と平面的に重なる位置に移動することはない。これらの第1秒針321、指針92の移動は、モーター駆動制御手段である駆動回路130によって制御される。
このような条件で定時受信処理が実行されるため、パッチアンテナ19上に各指針32,42,92が配置されていない状態で電波が受信される。
一方、手動受信処理では、利用者がボタンを操作すると、受信処理を行う。この場合も、指針92は、駆動回路130で移動されて受信レベルを表示するため、パッチアンテナ19上には配置されない。また、第1秒針321も駆動回路130で受信中表示位置に移動されて停止する。
一方、第1時針322、第1分針323や、第2時針422、第2分針421は、受信動作に合わせて移動することはない。このため、利用者は、これらの針322,323,421,422がパッチアンテナ19の上方に配置されていないタイミングで、手動受信操作を行うことが好ましい。
GPS衛星Sから信号を受信して、位置データおよび時刻データを取得すると、制御部16は、その情報に基づいて第1時刻表示部3の時刻を修正し、連動して第2時刻表示部4の時刻も修正する。
このような本実施形態によれば、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる上、次のような効果も得られる。
ステッピングモーター141〜145がパッチアンテナ19の周囲において、区分線Dで区分される片側の領域のみに配置されている。このため、パッチアンテナ19は、他の領域側からの衛星信号を受信する際に、ステッピングモーター141〜145の影響を受けることなく受信でき、受信感度も向上できる。
また、本実施形態では、パッチアンテナ19を文字板2の平面中心から9時側にずらして配置しているので、区分線Dに対して3時側の領域の面積を大きくすることができる。
このため、ステッピングモーター141〜145の配置領域を大きくすることができ、本実施形態のように5つのモーターを配置することも可能となる。従って、複数の指針軸を有する多針時計(多軸時計)を容易に構成できる。
さらに、第1時刻表示部3を他の表示部4A,90に比べて大きなサイズに設定しているので、第1時刻表示部3で表示される現在地の時刻を容易に視認でき、利便性を向上できる。
パッチアンテナ19は、各指針軸320,420,95間に配置されている。このため、パッチアンテナ19を外装ケース11の内周面から所定寸法以上離して配置できる。具体的には、各指針軸320,420,95と、外装ケース11の内周面との距離の中で最小値となる寸法以上、パッチアンテナ19を外装ケース11の内周面から離して配置できる。
このため、パッチアンテナ19での衛星信号の受信に関し、金属製の外装ケース11の影響を軽減できる。
また、パッチアンテナ19および外装ケース11間のスペースに、各指針軸320,420,95や、輪列146,147を配置できるので、前記スペースを有効に利用でき、アンテナ19と輪列146,147とを時計の厚さ方向に重ねる場合に比べて、時計を薄くできる。
さらに、パッチアンテナ19は、3つの表示部3,4A,90に平面的に跨って配置されている。このため、それぞれの表示部3,4A,90では、パッチアンテナ19と平面的に重なる面積を、パッチアンテナ19が2つの表示部のみに跨って配置される場合に比べて小さくできる。
従って、各指針32,42,92がパッチアンテナ19と平面的に重ならないように配置できる範囲が広くなり、時刻を指示する各指針32,42がパッチアンテナ19に重ならない時刻に定時受信処理を実行することも容易に行うことができる。
モード状態表示部90は、通常の運針時には電池残容量を表示し、受信時には受信信号レベルを表示する。このため、利用者は、このモード状態表示部90によって、電池残容量や受信レベルを容易に把握できる。
[第6実施形態]
図15は、本発明の第6実施形態に係るGPS付き腕時計1Fの平面図である。第6実施形態においても、前記各実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
GPS付き腕時計1Fは、第5実施形態のGPS付き腕時計1Eと比較すると、第1時刻表示部3と、第1時刻表示部3よりもサイズが小さな第2時刻表示部4Aとを備えている点で一致するが、モード状態表示部90を備えていない点で相違する。このため、図15に示すように、第1時刻表示部3および第2時刻表示部4Aは、文字板2において左右に配置され、各指針32,42の指針軸320,420は、文字板2の3時−9時を結ぶ線上に設けられている。
また、文字板2の裏面側であって、平面位置が文字板2の12時位置近傍となる位置には、電池14Aが配置されている。
さらに、GPS付き腕時計1Eと同様に、各指針や日車を駆動するステッピングモーター141〜144が設けられている。
GPS付き腕時計1Fでは、パッチアンテナ19は、文字板2と平面的に重なる範囲に配置されるとともに、指針軸420および指針軸320を結ぶ方向に関して、各指針軸420および指針軸320間に配置されている。
すなわち、指針軸320および指針軸420を結ぶ軸線に対して直交しかつ指針軸320,420をそれぞれ通る2つの線を想定した場合、これらの線の間に前記パッチアンテナ19が配置されている。
さらに、パッチアンテナ19の一部は、各表示部3,4Aに平面的に重なる位置に配置されている。ここで、パッチアンテナ19と各表示部3,4Aが平面的に重なる部分の面積は、パッチアンテナ19の配置位置を、各指針軸320,420を結ぶ軸線に対して直交する方向であり、かつ、前記軸線から離れる方向に移動するに従って小さくなる。
一方で、同方向に移動すると、パッチアンテナ19は、外装ケース11の内周面に近づくことになる。
従って、パッチアンテナ19の配置位置は、外装ケース11の内周面に対する離間寸法と、表示部3,4Aと平面的に重なる部分の面積とを考慮して設定すればよい。すなわち、前記離間寸法は外装ケース11による受信感度低下を防止する点で大きい方が好ましく、前記面積は定時時刻受信時に指針32,42がパッチアンテナ19に重なることを防ぎやすくできる点で小さい方が好ましい。そして、図示したように、パッチアンテナ19と外装ケース11間の前記離間寸法を大きくすると、前記面積も大きくなる。これらの点を考慮してパッチアンテナ19の配置位置を設計すればよい。
文字板2において、パッチアンテナ19が配置された領域には、表示窓が開口されている。この表示窓には、大小二枚の円環板(リング)が露出されている。
内側のリング18Aは、日車であり、前記表示窓に現在の日を表示する。
外側のリング18Bは、第2時刻表示部4Aで指示している時刻のタイムゾーンを示す都市名が表示されたリングである。図15では、TYO(東京)が表示され、第2時刻表示部4Aで表示している時刻のタイムゾーンを表している。
なお、本実施形態では、これらの2つのリング18A,18Bは、ステッピングモーター143によって回転駆動される。すなわち、ステッピングモーター143のローターが所定の第1方向に回転すると、内側のリング18Aは表示される日付が進む一方向に回転される。
また、ステッピングモーター143のローターを第1方向とは反対の第2方向に回転すると、外側のリング18Bが所定の一方向に回転される。
すなわち、ステッピングモーター143の回転方向を切り替えることで、内外の各リング18A,18Bを個別に回転している。
なお、もう一つステッピングモーターを配置し、各リング18A,18Bを異なるモーターで駆動するように構成してもよい。
本実施形態においても、パッチアンテナ19の平面中心点を通り、図15において、パッチアンテナ19の左上の角部から右下の角部を通る区分線D1を設定し、文字板2の平面領域を2つの領域に区分した場合、面積が大きな一方の領域に各ステッピングモーター141〜144が配置されている。
このような本実施形態においても、前記GPS付き腕時計1Eと同様に、定時受信処理は、各表示部3,4Aの指針32,42がパッチアンテナ19に重ならない時刻に実行される。この際、第1秒針321は、12時位置に移動されて停止する。
また、手動受信操作が行われると、第1秒針321は、12時位置に移動されて停止し、受信動作が行われる。
本実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記第5実施形態のGPS付き腕時計1Eと同様の作用効果を奏する。
[実施形態の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、時計としてGPS付き腕時計1A〜1Fについて記載したが、これに限定されず、懐中時計等の各種時計に適用してもよい。
前記第1〜4実施形態では、パッチアンテナ19の配置位置は、文字板2の平面中心位置であったが、パッチアンテナ19の外周面と円筒ケース111の内周面との間隔Lが所定寸法以上、離間するように設定されていればよく、パッチアンテナ19の配置位置は、第5,6実施形態のように、平面中心位置に限定されるものではない。
このようなパッチアンテナ19の配置例として、図16、17に示す以下の例が挙げられる。
図16は、前記第1実施形態に係るGPS付き腕時計1Aの変形例であるGPS付き腕時計1Gを示す平面図であり、図17は、前記変形例に係るムーブメント10の背面図である。前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
このGPS付き腕時計1Gでは、12時方向に第1時刻表示部3、及び6時方向に第2時刻表示部4を備える他、7〜8時方向に現在地表示部500、及び4〜5時方向に日付表示部7を備えている。現在地表示部500及び日付表示部7は、液晶パネルによりデジタル表示され、文字板2に形成された開口部2B,2Cから液晶パネルが露出されて表示される。ここで、本実施形態の現在地表示部500には、アルファベットにより「TYO」が表示され、これは「東京」を示している。
そして、第1、2時刻表示部3,4のみがアナログ表示式であるので、図17に示すように、パッチアンテナ19の外周面と円筒ケース111の内周面との間には、2つのステッピングモーター131,132を備えている。第1、2時刻表示部3,4の中心に挿通された指針軸320,420は、ステッピングモーター131,132によって、指針32,42が駆動される。
また、図17に示すように、第1時刻表示部3は、ユーザーが現在時刻を視認し易いように、前記第1実施形態と比べて大きく形成されている。この場合には、第1時刻表示部3に挿通される指針軸320の位置が、GPS付き腕時計1Gの平面中心位置近傍となるため、指針軸320とパッチアンテナ19とが平面的に重なるおそれがあり、パッチアンテナ19を前記各実施形態のように平面中心位置に配置できない。そのため、パッチアンテナ19は平面中心位置から6時方向にずれて配置されている。この場合においても、間隔Lは、パッチアンテナ19の外周面と円筒ケース111の内周面とが所定寸法以上、離間するように設定されている。
前記各実施形態では、回路基板12がグランド板としての機能をも有していたが、グランド板のみの機能を有する専用のグランド板を配置してもよい。
前記各実施形態では、間隔Lは、ステッピングモーター131〜135を配置可能な寸法に形成されていたが、ステッピングモーター131〜135を配置できない寸法に形成してもよい。この場合には、パッチアンテナ19の外周面と円筒ケース111の内周面との間の間隔Lよりも大きい寸法を有する箇所に、ステッピングモーター131〜135を配置すればよい。
前記第1〜第3実施形態では、日窓2Aが文字板2の中心から4〜5時方向にずれた位置に形成されていたが、これに限定されるものではなく、開口部171から外に外れた位置に日窓2Aを形成してもよい。しかしながら、日車18の上方にソーラーパネル87が配置される場合には、ソーラーパネル87に開口を形成するなどして、日付を外部から視認できるようにする必要がある。そのため、ソーラーパネル87が設けられる場合では、日窓2Aは、開口部171と平面的に重なる範囲内で任意の位置に形成されるのがより好ましい。
前記第4〜6実施形態では、パッチアンテナ19が平面視矩形状であったが、第3実施形態の平面視円形状のように形成してもよい。
前記第4実施形態では、回路基板12には、電池14Aの形状に応じて切欠部12Aが形成されていたが、回路基板12のサイズを小さくして、電池14Aがパッチアンテナ19と平面的に重ならない位置に配置されるようにしてもよい。
また、第4実施形態では、文字板2の一般的な時計における6時位置に2針を有する第2時刻表示部4を配置したが、文字板2の一般的な時計における9時位置に配置してもよく、この場合には経度表示部5を6時位置に配置すればよい。この場合には、2針を有する第2時刻表示部4が平面的にパッチアンテナ19と完全に重ならない位置に配置されるので、第2指針42がパッチアンテナ19の受信性能へ与える影響をより防止できる。
図10から図15に示す第4〜6実施形態では、時計のバンドに沿った方向(時計の目盛表示部31において、12時−6時方向)が文字板2の短軸方向となるように構成していたが、時計のバンドに沿った方向が文字板2の長軸方向となるように構成してもよい。この場合、文字板2が縦長の楕円形状となるため、例えば、第5実施形態における第1時刻表示部3を文字板2の12時側に配置し、第2時刻表示部4Aやモード状態表示部90を文字板2の6時側に配置すればよい。
また、第4〜6実施形態の文字板2の平面形状は、楕円形状に限らず、長方形状、矩形と半円を組み合わせた形状、矩形と半楕円を組み合わせた形状のものなどが利用できる。すなわち、文字板2の形状は、時計のデザインを考慮して設定すればよい。
前記各実施形態では、すべての指針軸は、パッチアンテナ19,19Aと、外装ケース11との間に配置されていたが、パッチアンテナに貫通孔を形成し、一部の指針軸をこの貫通孔に挿通してもよい。例えば、時計の中心にパッチアンテナが配置されている場合、パッチアンテナの中心に指針軸が挿通される貫通孔を形成し、この指針軸に時針、分針、秒針を取り付けて、現時刻を表示する第1時刻表示部を時計の中心に設けてセンター針表示としてもよい。
この場合、パッチアンテナが文字板の平面中心位置に配置されている場合でも、指針軸および指針を文字板の平面中心位置に配置できる。さらに、他の指針軸は、アンテナとケースとの間に配置できるので、異なる地域の時刻を表示したり、電池残量などの情報を表示する指針をアンテナの周囲に配置することができる。従って、GPS付き腕時計における指針の配置レイアウトのバリエーションを増やすことができ、デザイン性の高いGPS付き腕時計を実現できる。
また、パッチアンテナの中心部に貫通孔を形成することになるが、中央部のインピーダンスは低いため、中心に貫通孔を形成しても、アンテナ性能への影響も少なくでき、受信性能を維持したままで、一般的なアナログ時計に類似するレイアウトの時計を実現できる。
前記各実施形態では、位置情報衛星の例としてGPS衛星について説明したが、本発明の位置情報衛星としては、GPS衛星だけでなく、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBAS等の静止衛星や準天頂衛星等の時刻情報を含む衛星信号を送信する位置情報衛星でもよい。
また、このような位置情報衛星からの衛星信号の電波受信に限られず、例えば900MHz帯を用いる円偏波の無線タグの近距離無線受信装置として用いてもよい。
さらには、円偏波の受信に限らず、直線偏波の電波を受信するものとしても用いることができる。
さらに、パッチアンテナとして逆Fアンテナを搭載した場合には、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信機器にも使える。また、本実施形態では、用途がGPSであるために受信機能を主に説明したが、本発明の装置(アンテナを内蔵する装置)は、送受信機能に使えることはいうまでもない。
1A〜1G…GPS付き腕時計(アンテナ内蔵式時計)、2…文字板、2A…日窓、10…ムーブメント、11…外装ケース、12…回路基板、12A…切欠部、14,14A…電池、18…日車、19,19A…パッチアンテナ(アンテナ)、32…第1指針(指針)、42…第2指針(指針)、52…経度表示用の指針(指針)、62…緯度表示用の指針(指針)、87…ソーラーパネル、87A…開口部、87B…貫通孔、92…指針、111…円筒ケース(ケース)、131〜135,141〜145…ステッピングモーター(モーター)、136,137,146,147…輪列、95,320,420,520,620…指針軸。

Claims (11)

  1. 導電性部材により形成されたケースと、
    非導電性部材により形成された文字板と、
    前記文字板の裏面側に配置され、前記文字板側から入射した光を受光して発電するソーラーパネルと、
    前記ソーラーパネルの裏面側に配置され、非導電性部材により形成された日車と、
    前記日車の裏面側にかつ前記ケースから離間して配置され、無線電波を受信するパッチアンテナと、
    を有し、
    前記ソーラーパネルには、前記パッチアンテナと平面的に重なる部分に開口部が形成され、
    前記文字板には、前記日車の日表示を視認させるための日窓が形成され、前記日窓は、全体が前記開口部に平面的に重なる位置に形成されている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  2. 請求項1に記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記開口部の面積は、前記パッチアンテナの平面面積と同じである
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記ソーラーパネルは、4個のソーラーセルからなる
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    指針軸を有し、
    前記ソーラーパネルは、複数のソーラーセルを有し、
    前記ソーラーセルの分割線上に前記指針軸のための貫通孔が形成されている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記ソーラーパネルによって電力が供給される二次電池を有し、
    前記パッチアンテナと前記二次電池とは、平面的に重ならない位置に配置されている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記パッチアンテナは、位置情報衛星から送信される円偏波の電波を受信する
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記パッチアンテナは、グランドプレーンとアンテナ電極が平行に配置された平面アンテナである
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記パッチアンテナは、
    アンテナ基板と、
    前記アンテナ基板に積層された誘電体と、
    前記誘電体に形成されたアンテナ電極と、
    を有することを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  9. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記パッチアンテナは、逆Fアンテナである
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  10. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記パッチアンテナは、逆Fアンテナをセラミック誘電体上に構成したチップアンテナである
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載のアンテナ内蔵式時計であって、
    前記パッチアンテナは、グランド板として機能する回路基板上に配置されている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式時計。
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